第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態および経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米国を中心に海外経済の下振れリスクが薄らぐ中で、円安を背景とする輸出の増加、コロナ禍明けのインバウンド需要の復活、賃上げの機運の高まりなどが景気回復の追い風となっております。その一方で、物価高による節約志向の高まり、コロナ禍明けの家計消費の一巡、人手不足による供給制約なども不安材料として存在しているため、景気の回復ペースは緩やかなものに留まっております。国内のICTサービス市場は、企業の業績改善を背景に設備投資意欲が高まる中で、DXに向けたシステムマイグレーションやモダナイゼーションに関する需要が活発であり、大企業における大型のIT投資が徐々に実装段階に移っていく流れの中で、底堅い成長を続けております。

 

このような中、当社グループは、2023年7月1日付にて経営方針および経営体制の大きな転換を図り、当連結会計年度を初年度とする3か年の中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)を推進しております。当社グループは、本計画の3か年を「構造改革期」と位置づけて「構造改革と経営の進化による成長基盤の再構築」に注力しており、従来の組織規模の拡大による成長実現から利益重視のマネジメントへと舵を切る中で、当連結会計年度は、営業利益率10%への利益率の回復を最重要課題と設定しております。加えて、2023年7月1日付にて業界別組織の新設とマトリクス型組織への変革を行い、高利益体質への転換に向けて、顧客あたりの利益率の向上に重点を置いた組織マネジメントを開始しております。

 

当第3四半期連結累計期間において、売上面は、下期から成長が加速する(下期偏重型)としていた期初計画をやや下回るペースにて推移いたしました。

一方、利益面は、前連結会計年度に発生していた一過性費用がなくなったことに加えて、個々のプロジェクト収支の改善活動をはじめとする利益確保に向けた取り組みの成果が表れ、営業利益率は、当連結会計年度に入ってから四半期ごとに上昇を続けております。加えて、前連結会計年度の第3四半期連結会計期間は、有償稼働率の低下や一過性費用の発生により利益率が低下したこともあり、前年同四半期との比較では大幅な利益改善となりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高7,850,791千円(前年同四半期比8.9%増)、営業利益1,146,729千円(前年同四半期比104.3%増)、経常利益1,152,998千円(前年同四半期比85.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益773,170千円(前年同四半期比76.3%増)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間において、営業外費用として投資事業組合運用損41,143千円(第2四半期連結累計期間は1,892千円)が発生した一方で、新たに特別利益として債務消滅益35,031千円、顧客契約譲渡益19,860千円が発生し、それぞれ計上されております。

 

当第3四半期連結累計期間における報告セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(プロフェッショナルサービス事業)

プロフェッショナルサービス事業は、データ分析、システム開発を含むコンサルティング、人的支援を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行う事業であります。

当連結会計年度において、当事業は、売上成長率の回復と有償稼働率の向上を最優先課題としております。当第3四半期連結累計期間の売上面は、期初計画をやや下回るペースにて推移いたしましたが、売上成長率は当連結会計年度に入ってから四半期ごとに上昇傾向にあります。利益面においては、プロジェクト収支の管理方法の見直しなどの新たなマネジメント手法が定着する中で、有償稼働率がさらに回復したことにより、セグメント利益率の上昇が続いております。

この結果、売上高は5,444,217千円(前年同四半期比9.7%増)、セグメント利益は2,141,200千円(前年同四半期比24.3%増)となりました。

 

(プロダクト事業)

プロダクト事業は、自社製および他社製プロダクトの提供を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行う事業であります。

当連結会計年度において、当事業は、ブレインパッド単体における利益率の向上と、連結子会社である株式会社TimeTechnologiesが開発・提供するプロダクト「Ligla(リグラ)」による売上成長を重点課題としております。当第3四半期連結累計期間の売上面は、期初計画をやや下回るペースにて推移いたしました。その一方で、株式会社TimeTechnologiesの運営にあたり、当事業内の人員の再配置を行うことで従業員数を大幅に増やすことなく体制構築を行ったことに加え、費用の最適化がさらに進んだこと、前連結会計年度に発生していた一過性費用がなくなったこと等から、セグメント利益率は前年同四半期に比べて大きく改善しております

この結果、売上高は2,406,573千円(前年同四半期比7.0%増)、セグメント利益は624,111千円(前年同四半期比96.8%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、4,769,277千円となり、前連結会計年度末に比べ627,811千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加452,436千円および受取手形及び売掛金の増加98,007千円があったことによるものであります。

また、固定資産の残高は、2,303,836千円となり、前連結会計年度末に比べ70,963千円減少いたしました。これは投資その他の資産の増加160,497千円があった一方で、のれんの減少98,308千円、ソフトウエアの減少52,431千円、無形固定資産その他の減少44,001千円ならびに有形固定資産の減少36,719千円があったことによるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ556,847千円増加し、7,073,114千円となりました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の流動負債の残高は、1,252,353千円となり、前連結会計年度末に比べ129,816千円減少いたしました。これは主に契約損失引当金の減少64,714千円および賞与引当金の減少57,041千円があったことによるものであります。

また、固定負債の残高は、222,580千円となり、前連結会計年度末に比べ15,970千円減少いたしました。これは主に固定負債その他の減少16,192千円があったことによるものであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ145,786千円減少し、1,474,933千円となりました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、5,598,180千円となり、前連結会計年度末に比べ702,634千円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加549,447千円および自己株式の処分による増加151,085千円があったことによるものであります。

この結果、自己資本比率は79.1%となりました。

 

(2)会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、73,952千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。