第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、4期連続の営業赤字及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

また、海外大手のゲームパブリッシャーと共に開発しているタイトル『EA SPORTS FC™ TACTICAL』においては、パブリッシャーとの協議が長引き、リリース時期が未定となっております。

一方で、国内大手のディベロッパーと開発しているIP名未公表のタイトルやTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』のIPを活用したタイトルは、いずれも順調に開発が進行しております。加えて、従来のモバイルオンラインゲームとは収益構造が異なるハイブリッドカジュアルゲームの新規開発を行うなど、モバイルオンラインゲーム事業の領域の拡大に取り組んでおります。

さらに、「生成AI」「ブロックチェーン」「エンタメ」等の成長性が高い事業領域の中で、早期の黒字化が可能なビジネスモデルによる新たな収益獲得に向けて、新規プロジェクトを進めております。

費用面では、引き続き全社的にコストコントロールに努めるとともに、要員の適正化を図ることで更なる費用の圧縮を図ってまいります。

以上の施策などを通じ、事業成長とコスト圧縮の両面から、キャッシュ・フローの改善及び早期の黒字化を目指してまいります。

さらに、財務面においては、手元流動性確保のため、投資有価証券等の売却や政策保有株式を含めた資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、金融機関からの資金調達を継続的に行うことで財務基盤の更なる強化を図ってまいります。また、共同事業スキームによる開発費用の分担や、グループ全体での資金の効率的な活用も併せて進めてまいります。

以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

当中間連結会計期間の売上高は、3,161,458千円(前年同期比12.9%減)となりました。これは主に、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』において商材の販売が軟調に推移したことによるものです。

売上原価は、2,844,976千円(同18.4%減)となりました。これは主に、業務の見直し及び採用のコントロールを通じて外注費、業務委託費、労務費等の費用を総合的に圧縮したほか、売上高の減少に伴い支払手数料等が減少したことによるものです。

販売費及び一般管理費は、964,528千円(同17.5%減)となりました。売上原価同様に人件費を圧縮したほか、広告宣伝費、試作費等を抑制したことによるものです。

これまでの費用の削減及びコントロール等の取り組みを経て費用構造が確実に変化し、前年同期比では、売上高の減少に対し営業損失は大幅に改善しました。

なお、投資有価証券売却益621,841千円を特別利益に計上した一方で、希望退職の募集の実施に伴う特別退職金41,483千円及び『EA SPORTS FC™ TACTICAL』におけるソフトウエア資産の減損損失4,426,697千円を特別損失に計上しました。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高3,161,458千円(同12.9%減)、営業損失648,046千円(前年同期は営業損失1,024,541千円)、経常損失830,743千円(前年同期は経常損失821,991千円)、親会社株主に帰属する中間純損失4,748,769千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失1,341,967千円)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

(資産の部)

当中間連結会計期間末における総資産は10,935,084千円となり、前連結会計年度末と比較して4,849,102千円減少いたしました。これは主として、ソフトウエア仮勘定が3,706,867千円、投資有価証券が705,399千円、売掛金が412,215千円それぞれ減少したことによるものです。

 

(負債の部)

当中間連結会計期間末における総負債は4,080,022千円となり、前連結会計年度末と比較して1,332,659千円減少いたしました。これは主として、社債が300,000千円増加した一方で、1年以内返済予定の長期借入金が439,500千円、短期借入金が300,000千円、固定負債のその他が668,239千円それぞれ減少したことによるものです。

 

(純資産の部)

当中間連結会計期間末における純資産は6,855,061千円となり、前連結会計年度末と比較して3,516,443千円減少いたしました。これは主として、資本金及び資本準備金がそれぞれ686,608千円増加した一方で、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が4,748,769千円減少したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前年同期に比べ1,938,096千円減少し、1,841,211千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により支出した資金は461,947千円(前年同期は272,386千円の獲得)となりました。これは主として、非資金費用である減損損失4,426,697千円を計上した一方で、税金等調整前中間純損失4,678,117千円の計上により資金が減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は375,439千円(前年同期は556,310千円の支出)となりました。これは主として、無形固定資産の取得による支出719,830千円により資金が減少した一方で、投資有価証券の売却による収入1,122,538千円により資金が増加したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は344,784千円(前年同期は1,780,530千円の獲得)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1,028,431千円及び社債の償還による支出1,000,000千円により資金が減少した一方で、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,347,059千円及び社債の発行による収入1,300,000千円により資金が増加したことによるものです。

 

(4)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は33,605千円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2025年6月25日開催の取締役会において、株式会社グローバルギアの全保有株式を株式会社 Sun Asterisk に譲渡することを決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。