(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、アベノミクスの取組の下、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続いています。ただし、上期においては海外経済の弱さがみられたほか、国内経済についても、個人消費及び民間設備投資は、所得、収益の伸びと比べ力強さを欠いた状況となっております。
このような経済状況のもと、「JPMCグループ中期経営計画」の最終年度となる当連結会計年度の当社グループは、スローガンを「なんで?を追求せよ!」として全社一丸となって事業展開を行いました。
当社グループの主要な事業である不動産賃貸管理事業は、入居率アップのため入居促進に注力いたしました。売上高の基盤となる借上物件及び加盟企業の獲得についても引き続き注力し、管理戸数も順調に推移しております。
また、「ふるさぽ」シリーズの開設実績が2,000戸を超えたほか、株式会社JPMCファイナンスは「不動産ローン」の取扱いを開始いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は売上高39,146,759千円(前期比12.3%増)、営業利益2,126,981千円(同24.6%増)、経常利益2,110,825千円(同23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,397,443千円(同27.4%増)となりました。
売上区分別の状況は、次のとおりであります。
(不動産収入)
不動産収入につきましては、パートナー企業数の増加に伴い、不動産オーナーに対しサブリースの提案が積極的に行われたことなどから、受注・受託は順調に推移しました。
この結果、当連結会計年度におきまして、管理物件累計戸数は73,165戸(内、当連結会計年度における管理物件純増戸数は6,890戸)となり、不動産収入は37,008,003千円(前期比11.4%増)となりました。
(加盟店からの収入)
加盟店からの収入につきましては、セミナーなどを積極的に開催したことから、新規のパートナー企業を獲得す
ることができました。
この結果、当連結会計年度におきまして、建築系パートナー603社(前期末比4社減)、不動産系パートナー661社(同23社増)、介護系パートナー77社(同16社増)となり加盟店からの収入は506,324千円(前期比13.3%減)となりました。
(その他の収入)
その他の収入につきましては、イーベスト事業(収益不動産売買仲介業)及びブロードバンド事業(JPMCヒカリ売上)が順調に推移いたしました。とりわけ、イーベスト事業による収入は366,636千円(前期比128,210千円増、同53.8%増)となりました。また、販売用不動産の売却に伴い販売収入591,367千円(同296,083千円増、同100.3%増)を計上いたしました。
この結果、その他の収入は1,632,431千円(同55.5%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ182,642千円減少し、当連結会計年度末には3,976,953千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,204,004千円の収入(前連結会計年度は1,664,406千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,110,825千円、前受金の増加額211,101千円、たな卸資産の減少額405,841千円、法人税等の支払722,303千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、323,099千円の支出(前連結会計年度は1,081,083千円の支出)となりました。これは主に、前期における連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出316,705千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,063,548千円の支出(前連結会計年度は156,953千円の支出)となりました。これは、長期借入れによる収入800,000千円、長期借入金の返済による支出1,187,227千円、配当金の支払額516,012千円、自己株式の取得による支出1,197,318千円によるものであります。
当社グループの事業は、不動産賃貸管理事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、売上区分別に記載しております。
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を売上原価区分別に示すと、次のとおりであります。
|
売上原価区分 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
|
|
仕入高(千円) |
前期比(%) |
|
|
不動産売上原価 |
34,408,491 |
111.4 |
|
その他の原価 |
671,520 |
144.2 |
|
合計 |
35,080,011 |
111.9 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上区分別に示すと、次のとおりであります。
|
売上区分 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前期比(%) |
|
|
不動産収入 |
37,008,003 |
111.4 |
|
加盟店からの収入 |
506,324 |
86.7 |
|
その他の収入 |
1,632,431 |
155.5 |
|
合計 |
39,146,759 |
112.3 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは不動産オーナー、パートナー、入居者等の顧客満足度を向上させることで事業収益の拡大を図る
ことにより、持続的かつ飛躍的な成長を確実にし、より強固な経営基盤を確保すべく、以下の事項を重要課題と捉
え、その対応に引き続き取り組んでまいります。
(1)人材の育成
当社グループは、他社との差別化を図り今後も持続的成長を遂げていくために、優秀な人材の確保及び育成を
最重要課題として位置づけております。そのために継続的な採用活動による人材の確保、適材適所の人材配置及
び教育体制の充実を図って、人材の育成に努めてまいります。
(2)持続的成長のための事業基盤の強化
当社グループは創業より現在までパートナーの増加及びパートナーを動員した借上物件数の増加により、売上
高を順調に成長させてまいりました。
今後も持続的な成長を図るべく、借上物件数の増加と借上対象の拡大を行ってまいります。借上物件数の増加
を達成するためには不動産オーナー及びパートナーとの厚い信頼関係が必須であります。そのために不動産オー
ナー対象のセミナーやパートナー対象の勉強会を積極的に行うとともにその内容を充実させてまいります。
また、借上対象に高齢者専用賃貸住宅を加え受託物件数の増加を図っており、今後も更なる企画・開発により
借上対象を拡大してまいります。
(3)収益基盤の多様化
当社グループは、既存事業である不動産賃貸管理事業については、従前どおりパートナー制度や金融機関との
連携を活かした「管理戸数の拡大」、物件引渡後の早期入居促進による「収益性の向上」、ストックの積み上げ
による「収益の安定」を図り、さらなる深化拡大を図ります。
また、グループ子会社の事業としては、創業時より作り上げた不動産オーナーやパートナー企業とのネットワ
ークを基盤にして、相続税改正を機会とした収益不動産売買仲介事業、将来的な民法改正を機会とした滞納保証
事業、当社グループのシナジーを活かした不動産担保ローン事業、宅建業法の規制緩和を背景にITを活かした賃
貸仲介事業を次の収益基盤として育ててまいります。
(4)コンプライアンス体制の強化
当社グループは、顧客・株主・取引先・従業員等の全てのステークホルダーを守るためにコンプライアンス体
制の強化が事業継続の大前提であると認識しております。
このような基本的な認識に基づいて、当社グループは「企業倫理規範」及び「行動指針」を制定し、社内規程
及び法令等の遵守や反社会的勢力に対する毅然とした対応の必要性を確認することにより、企業不祥事や反社会
的な行為の排除を追求しております。また、役員及び従業員が日常的に具体的な行動基準を維持できるよう「コ
ンプライアンス行動マニュアル」を定めております。
(5)コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社グループは、企業価値の最大化を図るために経営の効率化やステークホルダーに対する社会的責任を果た
し、会社の透明性や公平性を確保するため、コーポレート・ガバナンスの一層の強化が重要であると認識してお
ります。業務の増大に対応し、常時支障なく業務が遂行できるよう、内部統制の仕組みを改善し、必要に応じて
管理部門の人員を強化してまいります。
(6)システムの合理化及び構築
当社グループは、借上物件の増加に対応して、各種システムを統合的に整備していく方針であります。これに
より入居者からオーナーへの送金フローを正確かつスムーズにし、より一層業務の効率化を図ります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあ
る事項には、以下のようなものがあります。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり
ます。
(1)外部環境について
① 経済情勢の変化について
一般に、不動産オーナーが賃貸マンション・アパートの経営を行おうとする場合、主要な動機の一つとして
相続税・固定資産税等の税務対策があげられます。将来において不動産に関連する税制改正が行われた場合、
その方向性によっては当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産オーナーが賃貸物件の建築工事を実施する場合、その工事資金を金融機関からの借入れによっ
て調達するケースが多く、不動産オーナーの融資の可否がサブリース契約締結の可否に影響を与える場合があ
ります。金融機関の融資姿勢の変化等により不動産オーナーの資金調達が困難になった場合、当社グループの
業績等に影響を及ぼす可能性があります。
その他、資源価格や為替の変動等による建築資材の高騰、金利変動等による借入コストの上昇、景気見通し
の悪化等により賃貸住宅経営の収益性が低下した場合、不動産オーナーの投資意欲に影響を与え、場合によっ
ては当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合他社の動向について
最近のサブリース業界においては、異業種からの新規参入や大手ハウスメーカーの積極的な賃貸住宅市場へ
の参入が取組まれており、競争が激化しております。当社グループは「収益分配型」「最長35年の長期契約」
「損害保険による信用補完」といった特徴を持つスーパーサブリース(SSL)により他社との差別化を図って
いく方針でありますが、将来において他社との競合が激化した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可
能性があります。
③ 賃貸住宅の需給関係について
わが国の人口は、今後も減少が見込まれております。わが国の世帯数は単身者世帯の増加により現時点では
増加しておりますが、同様の傾向が将来的にも持続するかどうか現時点では不明であります。今後、賃貸住宅
の需給関係が悪化した場合、不動産オーナーの賃貸住宅に対する投資意欲が減退し、新築工事が減少すること
により、当社グループのサブリース適用物件の受託獲得数に影響を及ぼす可能性があります。一方、賃貸住宅
の需給関係は当社グループのローン顧客の返済能力の低下により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性
があります。
また、賃貸物件間での入居者の獲得競争が激化して家賃相場が全体的に下落した場合、当社グループがサブ
リース適用物件の入居者から受け取る「集金賃料」が減少する可能性があります。その場合、当社グループの
業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制について
① 礼金・敷引金・更新料について
不動産業界の一般的な慣行として、入居者との賃貸借契約において、賃貸住宅への新規入居時に礼金や敷引
金を、契約更新時に更新料を設定しているケースがあります。礼金とは入居時に賃借人から受領する金銭で、
退去時においても返還しないものをいいます。敷引金とは入居時に賃借人から差し入れられる敷金のうち一定
割合を退去時においても返還しないことを予め定めておくもので、礼金に似た性格を有しております。更新料
は契約更新時に賃借人から受領するものですが、事務手数料名目で受領するものとは異なるものです。
近年、これらの金銭について消費者契約法を根拠として入居者が返還を求める訴訟が複数例発生しておりま
す。司法判断も分かれており、今後全国的に拡大するかどうか現時点では不明ですが、当社グループにおいて
も礼金・敷引金・更新料を受領している物件が存在しており、仮に上記金銭を返還しなければならなくなった
場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また将来、これら金銭を受領することができ
なくなった場合、当社グループは収益の減少分を家賃の値上げによって補う必要がありますが、十分に家賃に
転嫁できなかった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報の取扱いについて
当社グループは従業員の個人情報を扱うほか、サブリース事業において不動産オーナー及びサブリース適用
物件の入居者情報をパートナーと共有しております。そのため、当社グループでは社内体制を整備し個人情報
の厳重な管理に努めており、パートナーに対しても適宜、それらについての要請・指導等を行っております。
しかしながら今後、不測の事態等により当社グループ又はパートナーによる個人情報の外部流出が発生した
場合、損害賠償の請求や当社グループの社会的信用の失墜等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可
能性があります。
(3)人材の確保について
当社グループは全国の建築会社・リフォーム会社・賃貸管理会社に対し、パートナーに加盟していただくこ
とを目的とした営業活動を行っており、また不動産オーナーに対しては、賃貸物件の借上げを目的とした受託
獲得活動を行っております。そして賃貸物件の借上げ後においては、入居者の募集の促進や適切な管理をJPと
連携して行っております。このような業務を遂行するにあたっては不動産賃貸事業に関する幅広い知識と経験
を要します。したがって、今後も当社グループが安定的に業容を拡大していくためには、優秀な人材の確保が
必要不可欠であります。当社グループでは人事制度の充実等により、優秀な人材の採用・育成に努めていく方
針でありますが、今後当社グループの求める人材の確保が十分にできない場合、当社グループの業績等に影響
を及ぼす可能性があります。
(4)特有の収益構造について
① 新築物件と既築物件について
当社グループのSSLでは新築物件と既築物件の両方をサブリース物件として取り扱っております。
新築物件については、借上げ開始から一定期間を入居募集の期間としており、入居者から徴収した「集金賃
料」から建物維持管理業務費用を差し引いた額の50%をJPへのインセンティブとして支払い、残りの50%を当
社グループが受領しており、したがって不動産オーナーへの支払いは行われません(これを免責期間と言いま
す)。
既築物件については、バリューアップ工事(物件の価値を向上させることを目的に、原状回復の範囲を越え
て行われる工事)を実施しない場合、新築物件のような不動産オーナーに対する免責期間は設定されないこと
から、当社グループの収益は入居者より受領した「集金賃料」から不動産オーナーに対して支払う「保証賃
料」、収益分配金、JPへの管理委任報酬及び建物維持管理業務費用を差し引いた額となります。
上記のとおりSSL適用物件の受託を獲得することから得られる当社グループの収益は、概ね、既築物件より
も新築物件の方が大きいものとなっております。当社グループのSSL適用物件の獲得数における新築物件と既
築物件の割合が現状から変化した場合、当社グループの利益率に影響を及ぼす可能性があります。
② 加盟店からの収入について
当社グループはパートナーより当社サブリース商品を利用する対価として徴収している加入金及び月会費
を、加盟店からの収入としております。加盟店からの収入のうち月会費は毎月得られる比較的安定した売上で
すが、加入金はパートナー契約締結時に計上される売上であるため、パートナー契約獲得数の多寡により当社
グループの加入金売上は変動しやすい傾向にあります。
加盟店からの収入については会計上の売上原価が計上されないため、売上高全体に占める加盟店からの収入
の割合と比較して売上総利益全体に占める加盟店からの収入の割合は相対的に高いものとなっております。し
たがって、加入金売上の変動による影響は売上総利益でより大きく現れることとなります。当社グループは今
後もパートナー数の拡大を図っていく方針でありますが、パートナー契約獲得数の変動により、当社グループ
の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)サブリースについて
① 受託物件の獲得方法について
大手建築会社・ハウスメーカーにおいては自社でサブリースを手がけている企業もありますが、全国の建築
会社やリフォーム会社、賃貸管理会社等の中には経営資源上の制約等の理由により、それができない企業も多
く存在します。そのような企業が不動産オーナーに対する営業提案の場面において大手企業と競合することと
なった場合、提案内容面で対等な競争ができないケースがあります。当社はそのような企業に対し、サブリー
スという営業ツールを提供するものであります。
上記のような事業の性格上、不動産オーナーの新規開拓活動は主にパートナー側が行っており、当社グルー
プでは同行訪問による営業支援等を行っております。このような方法を採用することにより、当社グループは
経営資源の分散を抑えつつ全国的な事業展開を行うことを可能にしておりますが、反面、サブリース物件の受
託獲得活動の面において、パートナーに依存することを想定したビジネスモデルでもあります。今後、当社グ
ループの想定通りにパートナー数が増加しなかった場合や、パートナーにおける営業方針の変更等によりサブ
リースへの取り組みが積極的でなくなった場合、当社グループのサブリース物件の受託獲得数に影響を与え、
当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産オーナーがサブリース契約を締結するにあたっては、当社グループのみならずパートナーから
の提案内容もあわせて総合的に勘案したうえで意思決定がなされます。パートナー企業の営業力及び競争力次
第では当社グループの想定通りにサブリース物件が受託できない可能性があり、当社グループの業績等に影響
を及ぼす可能性があります。
但し、札幌、東京、名古屋、大阪及び福岡の大都市圏においては、当社グループが借上げた物件を賃貸管理
会社であるパートナー企業に管理委託することなく、当社グループが直接的に管理する形態も近年は徐々に拡
大して、上記のリスクを軽減する方策をとっております。
② 入居者の募集及び物件の管理について
当社グループのサブリース物件に関する入居者の募集業務及び物件の管理業務については、基本的に当社グ
ループとパートナー契約を締結した賃貸管理会社であるJPに委託することとしております。
しかしながら、JPは当社グループの物件のみを取り扱っているわけではないため、当社グループのサブリー
ス物件に空室が発生した場合であっても、必ずしも当社グループ物件の空室解消に優先的に取り組むとは限り
ません。その場合、当社グループの想定通りに入居者の募集が進まず、当社グループの業績等に影響を及ぼす
可能性があります。
また、当社グループは今後のサブリース物件数の増加に伴い、物件の管理を行うJPを適時に確保していく必
要がありますが、現時点でそれが可能である保証はありません。JPの適時な確保ができなかった場合、当社グ
ループのサブリース物件の受託ペースの抑制を余儀なくされる等、収益機会を喪失する可能性があります。
さらに、JPに起因する事由により物件の適切な管理が行われなかった場合、不動産オーナーや入居者からの
苦情が発生して当社グループの評判が低下する等により、サブリース物件の受託獲得数や入居率等に影響を及
ぼす可能性があります。当社グループはJPへの研修・指導等を必要に応じて行い、管理業務が適切に実施され
るよう努めておりますが、場合によっては当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 信用リスクについて
サブリース物件の入居者からの家賃は、JPがいったん受領した後、指定の期日までに当社グループに入金さ
れることとなっております。そのため、当社グループではパートナー契約締結前等に与信調査を行っておりま
すが、JPが入居者からの家賃を受領してから当社グループに入金するまでの期間において、当該JPの資金繰り
の悪化や倒産等が発生した場合、家賃収入の一部又は全部の回収不能・遅延が発生する可能性があります。そ
の場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
但し、JPに集金管理を委託することなく、入居者から当社グループへ直接集金する集金形態も近年は拡大し
て、上記リスクを軽減する方策をとっております。
④ サブリース物件の解約リスクについて
当社グループは不動産オーナーとの間でマスターリース契約(不動産オーナーの所有する賃貸用不動産を、
入居者に転貸することを前提として当社グループが賃借する契約)を締結しております。当該マスターリース
契約は、契約期間が最長35年という長期の契約となっておりますが、契約期間中においても事前通知すること
により、当社グループ及び不動産オーナーのいずれからでも中途解約することが可能となっております。した
がって、例えば対象物件の譲渡又は相続により、所有者に変更があった場合や収益性の高まった場合におい
て、不動産オーナー側から解約することも可能であります。物件の入居率を高い水準で維持するためには当社
グループの継続的な関与が必要であることを、当社グループは不動産オーナーに対して訴求していく方針であ
りますが、かかる当社グループの努力にもかかわらず不動産オーナーからの解約が増加した場合、当社グルー
プの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ パートナーによる模倣について
パートナーは当社グループのSSLを利用して事業を行っていることから、そのノウハウを模倣した事業を自
ら行うことや、そのノウハウを第三者へ無断で開示又は漏洩する可能性があります。当社グループはパートナ
ー契約においてこれらの行為を禁止しておりますが、万一それらが行われた場合、当社グループの業績等に影
響を及ぼす可能性があります。
⑥ 「借上賃料」の査定について
当社グループは、サブリース候補物件の査定依頼を当該物件の情報と共に案件元のパートナーより受け付け
ます。当社グループは、JPから提供される近傍同種の物件情報や当該査定物件の現地調査の結果、独自の調
査、周辺エリアに所在する物件の運用実績から募集賃料を検証します。この募集賃料は管理を委託する予定の
JPによって仮設定されますが、この妥当性を検証し、一方で借上期間中の入替空室発生率、空室日数、家賃の
下落率を試算し、オーナーに支払う「借上賃料」を査定します。借主である当社グループと貸主であるオーナ
ーとの間では「借上賃料」の設定について相反する部分がありますが、当社グループではプロパティマネジメ
ント事業部(JPを活用して入居者の募集を促進する部門)とコンサルティング営業本部(不動産オーナーに対
してサブリース物件の受託獲得活動を行う部門)を分離し、相互牽制を働かせることで、双方のバランスを勘
案した適切な「借上賃料」を設定するよう努めております。しかしながら、当該サブリース物件所在エリアの
賃貸市場の著しい環境変化や競合状況によって、当該サブリース物件への入居が計画通りに進まず、募集賃料
の減額、募集経費の増大などで、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
⑦ 損害保険会社との契約について
当社グループはアリアンツ火災海上保険株式会社との間で損害保険契約を締結しております。当該保険契約
は、SSL適用物件について入居者から受領する「集金賃料」の年間合計額が、不動産オーナーに支払う「保証
賃料」の年間合計額を下回った場合に、同社から当社グループに対し、年間の「集金賃料」と「保証賃料」の
差額が保険金として支払われるものであります。年間の「集金賃料」と「保証賃料」の差額の計算は物件ごと
に行われ、当該物件の月額の「集金賃料」が「保証賃料」を上回った場合に保険の対象物件となります。
当該保険契約は、当社グループのSSL適用物件の受託獲得の際、当社グループの信用力の一部を補完する役
割を担っておりますが、保険契約開始月の「集金賃料」が「保証賃料」を上回った状態にならなければ保険の
対象物件には組み入れられないことから、すべてのSSL適用物件が必ずしも保険の対象物件となっているわけ
ではありません。また、保険金の支払上限が当社グループ全体で300,000千円と設定されていることから、当
社グループの直面する空室リスクが全てカバーされているわけではありません。
現状、当該保険契約はアリアンツ火災海上保険株式会社1社のみとの契約となっております。今後は事業の
拡大に伴い同社以外とも契約を締結する等、リスクの分散をしていきたいと考えておりますが、当社グループ
及び損害保険会社を取り巻く環境の変化等により当該保険契約の継続が困難となった場合、当社グループの業
績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)保有している不動産について
当社グループでは賃貸用不動産を保有しており、当連結会計年度末において固定資産(土地・建物)として
11件4,514,787千円を保有しております。将来、土地や建物の時価が大きく下落した場合、減損損失が発生し、
当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)パートナー契約
当社は、保険付収益分配型一括借上システム「スーパーサブリース」の利用を希望する賃貸管理会社、建築会社及びリフォーム会社に対して、パートナー加入契約を締結することで、当システムの利用を許諾しております。なお、契約の要旨は次のとおりであります。
① J'sパートナー加入契約
|
契約対象先 |
賃貸管理会社 |
|
契約期間 |
5年(それ以後は5年毎の自動更新) |
|
加入会社の権利 |
契約テリトリー内の「スーパーサブリース」契約物件の管理受託の権利及び「スーパーサブリース」名称使用の権利 |
|
契約期間内解約 |
契約残存期間(契約更新期間を含む)の月会費を期間内解約違約金として支払うことにより解約できるものとしております。 |
(注) 当該契約に基づく加入会社の権利の対価として、加入金及び月会費を受領しております。
② JPMCコンストラクションパートナー加入契約
|
契約対象先 |
建築会社 |
|
契約期間 |
5年(それ以後は5年毎の自動更新) |
|
加入会社の権利 |
「スーパーサブリース」名称使用並びに「スーパーサブリース」契約物件の建築・リフォーム受注の権利 |
|
契約期間内解約 |
契約残存期間(契約更新期間を含む)の月会費を期間内解約違約金として支払うことにより解約できるものとしております。 |
(注) 当該契約に基づく加入会社の権利の対価として、加入金及び月会費を受領しております。
③ JPMCリフォームパートナー加入契約
|
契約対象先 |
リフォーム会社 |
|
契約期間 |
5年(それ以後は5年毎の自動更新) |
|
加入会社の権利 |
「スーパーサブリース」名称使用並びに「スーパーサブリース」契約物件の集合賃貸住宅リフォーム受注の権利 |
|
契約期間内解約 |
契約残存期間(契約更新期間を含む)の月会費を期間内解約違約金として支払うことにより解約できるものとしております。 |
(注) 当該契約に基づく加入会社の権利の対価として、加入金及び月会費を受領しております。
④ JPMCシルバーパートナー加入契約
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契約対象先 |
建築会社 |
|
契約期間 |
5年(それ以後は5年毎の自動更新) |
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加入会社の権利 |
「ふるさぽ」名称使用並びに「ふるさぽシステム」による契約物件の建築受注の権利 |
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契約期間内解約 |
契約残存期間(契約更新期間を含む)の月会費を期間内解約違約金として支払うことにより解約できるものとしております。 |
(注) 当該契約に基づく加入会社の権利の対価として、加入金及び月会費を受領しております。
⑤ ふるさぽパートナー加入契約
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契約対象先 |
介護会社 |
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契約期間 |
5年(それ以後は5年毎の自動更新) |
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加入会社の権利 |
高齢者住宅を運営するにあたり「高齢者専用賃貸住宅一括借上システム」を利用する権利 |
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契約期間内解約 |
ふるさぽシリーズの賃貸借契約期間中は、解約できないものとしております。 |
(注) 当該契約に基づく加入会社の権利の対価として、加入金及び月会費を受領しております。
⑥ JPMCイーベストパートナー加入契約
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契約対象先 |
不動産売買仲介会社 |
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契約期間 |
5年(それ以後は5年毎の自動更新) |
|
加入会社の権利 |
「イーベスト」名称使用並びに「イーベスト」契約物件の売買仲介受注の権利 |
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契約期間内解約 |
契約残存期間(契約更新期間を含む)の月会費を期間内解約違約金として支払うことにより解約できるものとしております。 |
(注) 当該契約に基づく加入会社の権利の対価として、加入金及び月会費を受領しております。
(2)損害保険契約
当社は、保険付収益分配型一括借上システム「スーパーサブリース」の後ろ盾として、損害保険会社と保険契約を締結しております。
なお、契約の要旨は次のとおりであります。
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契約先 |
アリアンツ火災海上保険㈱ |
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契約期間 |
1年(それ以後は1年毎の自動更新) |
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契約内容 |
当社と転貸借契約を結んだアパート・マンションの居住者からの「集金賃料」の年間合計額が、不動産オーナーへの「保証賃料」の年間合計額を下回った場合には、損害保険会社より当社に下回った額の保険金が支払われます。ただし、年間支払額は300,000千円を上限としております。また、保険期間は平成24年8月1日から1年間(それ以後は1年毎の自動更新)です。 |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用した重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の業績につきましては、売上39,146,759千円(前期比12.3%増)、営業利益2,126,981千円(同24.6%増)、経常利益2,110,825千円(同23.5%増)親会社株主に帰属する当期純利益1,397,443千円(同27.4%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは不動産賃貸管理事業及びその付随業務の単一セグメントであり、その経営成績は、不動産市場動向・景気動向・金利動向・税制改正など経済状況の変化等の影響を受けやすくなっております。そのなかでも特にサブリース契約及び賃貸管理契約ならびに入居者との賃貸借(転貸借)契約の成約・解約状況が、経営成績に重要な影響を与えると考えております。
(4)戦略的現状と見通し
当社グループは、創業以来、『アパート・賃貸マンションの経営を通して、それに関わる全ての人々(オーナー・入居者・株主・従業員・ステークホルダー)に「ウェルス」と「安心・安全・安定」を提供し続ける』という経営理念のもと、「オーナー資産の最大化」をテーマに一括借上げ事業を中心とした不動産賃貸管理事業を展開しております。その結果、当連結会計年度末の管理戸数は前期末より6,890戸増加し73,165戸まで拡大してまいりました。今後も不動産賃貸管理事業においてスケール(受託戸数)を拡大することにより、それを基盤としたイーベスト事業(収益不動産売買仲介業)の促進、スケールを活かした滞納保証事業の推進等賃貸管理業に関わる事業のポータル企業として「オーナー資産の最大化」を推進してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金需要
運転資金、設備投資資金等に資金を充当しております。
③ 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、必要とする資金を調達しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載したとおりであり、その課題につき引き続き対応に努めてまいります。特に「人材の確保及び育成」については、持続的成長に欠くことのできない重要課題と認識しております。その課題については、働きやすい職場環境、働いてみたい職場環境作りを目指し、従業員への適正な労働環境の提供と教育・育成のため、合理的な人事制度・人事管理を徹底し、社員の満足度を高めるとともに、採用活動及び適材適所の人員配置についてより一層の工夫が必要であると考えております。