当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、本文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したもので
あります。
重要事象等に関する事項
当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続して営業損失及びキャッシュ・フローのマイナスを計上しております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しておりますが、当該状況を解消又は改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないものと判断しております。当該状況を解消又は改善するための対応策は、「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載しております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社グループは主要技術である自己組織化ペプチド技術による医療製品の開発に引き続き注力しており、外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「本止血材」という。)および粘膜隆起材:TDM-641(以下「粘膜隆起材」という。)、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)および創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)の事業展開を進めてまいりました。
本止血材
日本: 平成27年3月13日の製造販売承認申請の取下げ後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)との間で、有効性評価の科学的妥当性を検証するための再度の臨床試験開始に向けた協議を実施しております。平成28年4月期上期中の臨床試験開始に向けて取り組んでおりましたが、臨床試験の規模や評価方法等、実施計画の詳細検討に時間を要しており、PMDAとの協議が継続しているため、平成28年4月期中に治験計画届の提出を実施、平成29年4月期第1四半期を目途とした臨床試験開始に向け継続的に取り組むことといたしました。
臨床試験における有効性を明確に示すために、現段階で臨床試験の規模や評価方法等、実施計画につき詳細検討に時間を要しても、より精度の高い臨床試験を開始するためには重要であると判断し今後の製造販売承認申請に繋げていくよう取り組んでまいります。
なお、今後の全体計画に関しては、第3四半期以降の協議の進展状況を踏まえ検討内容等と計画への影響につき精査する必要があり、第3四半期から第4四半期にかけて当該影響を精査し今後の計画に反映していく予定です。
欧州:平成26年1月14日にCEマーキング指令適合を受けた後、プレマーケティングとしてドイツ・フランス・英国等の主要国において著名医師や有力医療機関での臨床使用の実績を重ねてまいりました。現在まで英国・ドイツで販売開始しており、第2四半期でフランス・スイス・スペイン等でも代理店を通じた製品販売を開始いたしました。今後も主要国を中心として着実な販売チャネルの拡大に努めてまいります。また、欧州の広いエリアで製品販売を開始するため第2四半期も引き続き販売パートナー候補先3社と交渉を継続しており、販売権許諾についても第3四半期末を目途に契約締結に向け取り組んでまいります。
アジア・オセアニア:CEマーキング採用地域であり、各国で医療機器としての製品登録申請や製品販売に向けた活動に取り組んでおります。前期にシンガポール・インドネシアで製品登録承認を取得し、韓国は製品登録申請を実施しており当期中の登録承認を予定しております。また第1四半期には、韓国のDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd. (以下「デウン社」という。)との間で、ASEAN地域(タイ・ベトナム・フィリピン)への展開に向けた独占販売権許諾契約を締結し、契約の対価としてデウン社より契約一時金を受領いたしました。第2四半期においてもシンガポール・マレーシアへの展開に向けた販売パートナー交渉を実施しており、当期にインドネシア・香港等で製品販売を開始し、来期にかけてASEAN地域でも販売を開始する予定です。またオセアニアでの取り組みとして、第2四半期にMaquet Australia Pty Ltd(以下「Maquet社」という。)との間で、オーストラリア国内の販売提携を締結いたしました。同国ではMaquet社を通じて製品登録申請を実施済みで当期中での登録承認、来期初での製品販売開始を予定しております。
南米(ブラジル・コロンビア・メキシコ等):CEマーキング採用地域であり、各国で医療機器としての製品登録申請や製品販売に向けた活動を進めております。製品登録に関しては第1四半期にコロンビアで製品登録承認を取得し平成27年11月にブラジルで製品登録を取得、下期中にはメキシコでも製品登録される見込みであり概ね計画通り進捗しております。製品販売に関しては上期中に製品登録の審査対応に注力したことから製品販売に遅れが生じておりますが、ブラジル・メキシコでは販売パートナー候補と交渉を開始しており、特にメキシコでは製品登録承認の取得に合わせて販売契約を締結見込みで下期での販売開始を予定しております。
米国:米国国内での臨床試験開始に向け、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)と引き続きプロトコルに関する協議を進めており、平成28年4月期中の開始を予定しております。
粘膜隆起材
日本:治験の開始に向けPMDAと協議を進め平成26年12月11日に国内での治験を開始いたしましたが、有効性をより明確にできる試験方法や製材の検討を実施するために、平成27年2月16日に自主的に一時中断することといたしました。平成28年4月期第3四半期末までを目途に治験を再開することで現時点では製品上市までの開発計画に変更を及ぼさない予定であり、第2四半期でも製品優位性を確保すべく改善に向けた取り組みを継続しております。
歯槽骨再建材
米国:米国国内での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、FDA承認の後、第1四半期より次のフェーズでの臨床試験を開始しております。骨形成を確認するため経過観察に時間を要しますが、第2四半期においても引き続き製品化に向けた開発を進めております。
創傷治癒材
米国:平成26年10月23日に医療機器の審査プロセスの1つである市販前届510(k)を米国FDAに申請し、平成27年2月16日に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。他薬剤とのコンビネーション(抗生物質・抗がん剤・ヒアルロン酸等との混合投与)により治療効果の増大が期待できることから、第2四半期においても引き続き、熱傷治療、皮膚がん治療を中心に美容整形分野等において付加価値の高い製品化を進めております。
その他領域
国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトに関して、当社は自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。第1四半期において国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K複合体)」を用いた国立がんセンターによる医師主導治験が開始され、第2四半期においても治験が継続されております。また本治験は治療抵抗性の乳がんで体表から触知できる局所腫瘤(かたまり)を有する患者さんを対象とした、世界で初めて人へ投与するファースト・イン・ヒューマンの治験です。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究を平成22年度より「次世代機能代替技術の研究開発/次世代再生医療技術の研究開発/少量の細胞により生体内で自己組織の再生を促す自律成熟型再生デバイスの開発」として行っており、当社は自己組織化ペプチドを軟骨再生の足場材として技術提供しております。
このような結果、第2四半期連結累計期間の業績につきましては、事業収益面に関しては欧州・アジアでの本止血材の製品販売とアジアでの販売提携に関する契約一時金を受領したことから、事業収益52,739千円(前年同四半期比52,739千円増加)となりました。欧州・南米での製品販売売上は計画比で遅れが生じておりますが、一方で欧州では臨床使用やサンプル提供等のプレマーケティングを経て各医療機関より製品オーダーが入ってきている状況もあり、現状の動向や下期計画を勘案し通期計画に影響を及ぼさない範囲で進捗しております。また費用面に関しては研究開発費を含め通期計画の範囲内で推移しております。その結果、経常損失978,197円(前年同四半期は経常損失984,509千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失930,838千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,148,475千円)となりました。
なお、当社グループの事業は単一セグメント(医療製品事業)であるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間における総資産は5,826,977千円(前連結会計年度末比982,268千円の減少)となりました。
流動資産につきましては、5,223,385千円(同980,534千円の減少)となりました。これは主に、現金及び預金の減少875,972千円によるものです。
固定資産につきましては、603,591千円(同1,733千円の減少)となりました。これは主に、投資その他の資産に含まれる長期前払特許費用の増加37,294千円があるものの、有形固定資産に含まれる減価償却累計額の増加9,997千円及び無形固定資産であるのれん償却額による減少35,000千円によるものです。
負債につきましては、417,525千円(同10,196千円の減少)となりました。これは主に、流動負債のその他に含まれる未払費用の増加19,005千円及び前受金の増加18,260千円があるものの、未払金の減少53,269千円によるものです。
純資産の部につきましては、5,409,451千円(同972,071千円の減少)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少930,838千円によるものです。
(3) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間の事業費用につきましては、販売管理費の増加等により1,032,789千円となりました。このような結果、営業損失は980,050千円となりました。
また、営業外費用につきましては、支払利息2,648千円及び支払手数料2,005千円を計上したこと等により4,987千円となりました。このような結果、経常損失は978,197千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は930,838千円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前四半期純損失の計上等により、前連結会計年度末に比べ875,972千円減少し、4,260,863千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、減少した資金は829,250千円(前年同四半期は976,122千円の資金の減少)となりました。これは、主にたな卸資産の減少額63,346千円がある一方、税金等調整前四半期純損失930,106千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、減少した資金は44,660千円(前年同四半期は54,178千円の資金の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出18,322千円並びに長期前払費用の取得による支出25,803千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、増加した資金は616千円(前年同四半期は4,234,567千円の資金の増加)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出7,060千円があるものの、新株予約権の行使による株式の発行による収入9,737千円によるものであります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(6) 研究開発活動
研究開発目的・体制
当社グループは、外科医療や再生医療の発展に寄与すべく、自己組織化ペプチド技術を外科領域では吸収性局所止血材および粘膜隆起材、再生医療領域では歯槽骨再建材および創傷治癒材等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。
当社の研究開発活動は、製造販売承認申請・品質管理体制等を管掌する薬事開発部、臨床試験における臨床施設・治験医師・治験モニタリング等を担当する事業開発部の2部門で行っており、全体を代表取締役社長が統括・管掌する体制を取っております。また、必要に応じて適宜外部機関に対する一部検査・試験等の委託やCROを活用する等、少人数で効率的に研究開発が進められる体制を整備しております。子会社においても、当社のサポートの下で、外部の薬事コンサルタントなどの外部支援を得て、研究開発活動を進めております。
研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は341,142千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました
①外科領域
A吸収性局所止血材(TDM-621)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした外科医療における吸収性局所止血材の世界展開に向けた開発を進めております。平成26年1月に欧州子会社がCEマーキングの指令適合について第三者認証機関からの認証を取得しました。これにより、EU加盟国での製品販売が可能となりました。
このCEマーキング認証は欧州だけでなくアジア・オセアニア・南米等グローバルに広く採用されており、同認証を用いて製品登録承認を取得することにより製品販売が可能となります。アジアではシンガポールとインドネシアで登録承認を取得し、南米ではコロンビアとブラジルで登録承認を取得いたしました。
日本・米国・中国は製品販売に向けて臨床試験と製造販売承認取得が必要であり、各国での当局対応や試験開始に向け準備を進めております。日本においてはPMDAに対して製造販売承認申請を行っておりましたが、平成27年3月に申請の取下げを行い、有効性評価をより客観的に検証するための再臨床試験に向けた準備および協議を実施しております。米国においては、臨床試験の開始に向けた米国FDAとプロトコルの協議を継続しております。
B粘膜隆起材(TDM-641)
当社グループは、TDM-621に続く外科領域のパイプラインとして、主にTDM-641の製品化に向けた研究開発を進めております。当連結会計年度に日本での臨床試験を開始いたしましたが、平成27年2月に製材検討を実施するために一時中断することとし、製品優位性の確保に向けた研究試験を継続しております。
C血管塞栓材(TDM-631)
TDM-631については、前臨床試験を進め、必要なデータを収集しております。
②再生医療領域
A歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。TDM-711は米国子会社で開発・製品化を目指しており、平成23年7月に米国FDAからIDEの承認を取得したことに続き、平成24年2月に米国ハーバード大学の医学部・歯学部の付属研究所であるフォーサイス・インスティテュート(Forsyth Institute)において臨床試験を開始いたしました。プロトコルに規定した15症例の施術が完了し、米国FDAと臨床試験の拡大に向けた協議を進めておりましたが、骨再生に有効なデータを得られたことから、次のフェーズでの試験を実施しております。
B創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。TDM-511は米国子会社で開発・製品化を目指しており、平成26年10月に医療機器として市販前届510(k)を米国FDAに申請し、平成27年2月に販売承認を得ました。TDM-511は、皮膚(表皮、表皮・真皮)からの出血を迅速に止血する局所止血材、皮膚の創傷部の再生環境を整え創傷治癒を促す創傷治癒材としての活用に加え、他薬剤とのコンビネーションによる治療効果の増大が期待できることから、熱傷治療、皮膚がん治療、美容整形分野での研究開発を進めております。
③DDS領域
当社は界面活性ペプチド(A6K)を用い国立がん研究センターと新規癌治療技術の開発に向けて共同研究を行っております。癌細胞への徐放技術の確立に向け前臨床試験実施し、乳がん治療に向けたsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)を共同開発しておりましたが、当第1四半期に国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K複合体)」を用いた国立がんセンターによる医師主導治験が開始され、当第2四半期においても治験が継続されております。
<用語解説>(50音順、アルファベット)
*自己組織化ペプチド
生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成するペプチド群。
*510(k)
既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。
*DDS
必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。Drug Delivery Systemの略称。
(7) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するた
めの対応策
「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
当該重要事象等を解消又は改善するために、当社グループは医療製品事業においてグローバルに展開している吸収性局所止血材製品の販売による売上収入の計上を図るとともに、主に欧米・アジア・南米地域における販売権許諾等の契約一時金やマイルストーンペイメント収入を獲得してまいります。また親子会社間での研究開発において基礎研究の共有・効率化や、業務効率化による諸経費の節減等により販売費及び一般管理費の圧縮にも取り組むことで収益構造を改善し、重要事象等の解消に向け取り組んでまいります。
また当社グループの研究開発及び事業活動を進めるに際しての事業資金は十分に確保しており、各金融機関より機動的な借入金の調達を行える借入枠の設定及びコミットメントライン契約を実施しております。