当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等の
リスク」についての重要な変更はありません。
なお、本文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
重要事象等に関する事項
当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続して営業損失及びキャッシュ・フローのマイナスを計上しております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しておりますが、当該状況を解消又は改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないものと判断しております。当該状況を解消又は改善するための対応策は、「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載しております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは主要技術である自己組織化ペプチド技術による医療製品の開発に引き続き注力しており、外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「本止血材」という。)および粘膜隆起材:TDM-641(以下「粘膜隆起材」という。)、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)および創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)の事業展開を進めてまいりました。
本止血材
【研究開発状況】
日本:内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、平成29年4月11日に臨床試験を開始するための治験計画届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出いたしました。今回の治験は消化器内視鏡治療の領域において、本止血材の有効性を従来の止血法と比較する試験です。治験計画届後、当第2四半期の平成29年8月8日に第1例の症例登録・施術が実施され、その後、複数の治験施設で治験を進めております。治験期間は概ね1年を予定しており、治験終了後に製造販売承認申請を予定しております。
米国:本止血材の臨床試験開始に向け、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)と引き続きプロトコルに関する協議を進めておりますが、もう一つの開発候補:癒着防止材についても製品化に向けたFDAとの協議を開始しました。米国マーケットを見据えながら最適な開発候補品の選定や優先順位付けを実施し、平成30年4月期中での臨床試験開始や申請に向け開発を進めてまいります。
【販売進捗状況(欧州/アジア/オセアニア/中南米)】
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
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製品販売(計画) |
41.6百万円 |
70.7百万円 |
71.9百万円 |
120.0百万円 |
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製品販売(実績) |
66.2百万円 |
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対計画増減率 |
59.1%増 |
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対前四半期増減率 |
721.2%増 |
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欧州:平成26年1月14日にCEマーキング指令適合を受けた後、事業収益化に向けてドイツ、フランス、英国等の有力医療施設をターゲットに販売業者/代理店(各国別での販売に特化した販売代理店)を通じた製品販売を開始しております。欧州地域で各国毎に販売代理店と契約し販売活動を開始しておりますが、当第1四半期の販売状況においては各医療機関への販売が進み、販売計画通りに推移いたしました。当第2四半期にはフランスの販売代理店PENTAX社が販売開始予定であり、通期計画に織り込んでいなかったスペインやイタリアでも公立病院への入札が一部開始されることとなりました。今後も各領域での代理店の稼働を向上させるべく、更なるプロモーションも実施するなど計画達成に向け注力してまいります。
また欧州の広いエリアで製品販売を開始するため販売提携につき販売パートナー候補先(対象全域に販売網・プロモーション機能を有する企業)と引き続き契約合意に向けて協議を継続しております。契約への課題解消として更なる欧州での販売・使用実績データ、オセアニアでの販売および使用実績等を積み上げることにより、当期での契約に向け取り組んでまいります。
アジア、オセアニア:オーストラリアにおいて前期よりMaquet Australia Pty Ltd(「Maquet社」)を通じて製品販売が開始されております。当第1四半期においてMaquet社の販売が好調に推移したことにより、販売計画比で約3倍の38百万円の製品販売となり、当第1四半期末時点で当期販売計画に対し57.6%の進捗率となりました。香港やインドネシアでも継続して販売が続いていることから、第2四半期以降もオーストラリアを中心とした製品プロモーションを継続し、販売拡大に努めてまいります。また韓国のDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd. (以下「デウン社」)による韓国内での製品登録申請に関しては、当期中での登録承認を見込んでおります。
中南米:製品販売に向けてブラジル、メキシコ、チリでは現地の販売代理店と販売契約を締結済みであり、当期に販売拡大に向け取り組んでおります。当期販売計画は保守的に下期からの販売を見込んでおりますが、当第1四半期ではブラジルでの製品販売を実施し、当第2四半期ではチリでの製品オーダーが見込まれており当期の販売計画に対し順調に推移しております。
粘膜隆起材
平成26年12月11日に国内での臨床試験を開始いたしましたが、有効性をより明確にできる試験方法や製材の検討を実施するために、平成27年2月16日に自主的に臨床試験を一時中断しております。製品優位性の検討を続けてまいりますが、中期経営計画(平成30年4月期~平成32年4月期)上も織り込んでおりません。
歯槽骨再建材
米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、FDA承認の後、前第1四半期より次のフェーズでの臨床試験を開始しております。骨形成を確認するため経過観察に時間を要することから、現在においても臨床試験を継続しており、今後も製品化に向けた開発を進めてまいります。
創傷治癒材
平成26年10月23日に医療機器の審査プロセスの1つである市販前届510(k)を米国FDAに申請し、平成27年2月16日に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。他薬剤とのコンビネーション(抗生物質・抗がん剤・ヒアルロン酸等との混合投与)による治療効果の増大に向け、熱傷治療、皮膚がん治療を中心に美容整形分野等で研究を進め、付加価値の高い製品化に向けて取組んでおります。
その他領域
主に国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトを実施しており、当社は自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。前期に国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K複合体)」を用いた国立がんセンターによる医師主導治験が開始され、現在においても治験が継続されております。本治験の内容は治療抵抗性の乳がんで体表から触知できる局所腫瘤(かたまり)を有する患者さんを対象とした、世界で初めて人へ投与するファースト・イン・ヒューマンの治験です。
このような結果、当第1四半期連結累計期間の業績について、事業収益面は本止血材の製品販売(欧州:約27,414千円、アジア、オセアニア:約37,691千円及び中南米:約1,151千円)を計上し、事業収益66,256千円(前年同四半期比58,188千円増加)となりました。当第1四半期の販売計画比では約159%と計画を超過しており、第2四半期以降も販売に注力し計画達成に向け取組んでまいります。費用面に関しては通期計画の範囲内で推移しており、その結果、経常損失332,381千円(前年同四半期は経常損失522,973千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失355,006千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失548,918千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間における総資産は3,299,770千円(前連結会計年度末比123,873千円の減少)となりました。
流動資産につきましては、3,263,995千円(同124,185千円の減少)となりました。これは主に、売掛金482,629千円の減少による現金及び預金351,104千円の増加があるものの、たな卸資産30,778千円の減少によるものです。
固定資産につきましては、35,775千円(同312千円の増加)となりました。これは主に、投資その他の資産312千円の増加によるものです。
負債につきましては、740,737千円(同75,563千円の減少)となりました。これは主に、未払法人税等16,183千円の減少、流動負債その他59,379千円の減少によるものです。
純資産の部につきましては、2,559,032千円(同48,311千円の減少)となりました。これは主に、資本金179,179千円の増加、資本準備金179,141千円の増加があるものの、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金355,006千円の減少によるものです。
(3) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間の事業収益につきましては、製品売上高の増加により、事業収益合計66,256千円となりました。また事業費用につきましては、主に製品販売の増加に伴う原価の増加等により、482,144千円となりました。このような結果、営業損失は415,887千円となりました。
営業外収益につきましては、為替差益84,974千円の計上等により86,168千円となりました。営業外費用につきましては、支払利息2,493千円の計上等により2,663千円となりました。このような結果、経常損失は332,381千円となりました。
また、特別損失として減損損失22,322千円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は355,006千円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は114,712千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
A 吸収性局所止血材(TDM-621)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした外科医療における吸収性局所止血材の世界展開に向け開発を進めております。平成26年1月に欧州子会社がCEマーキングの指令適合について第三者認証機関からの認証を取得しました。これにより、EU加盟国での製品販売を開始しております。
このCEマーキングの認証は欧州だけでなくアジア、オセアニア、南米等グローバルに広く採用されており、同認証を用いて製品登録承認を取得することにより製品販売が可能となります。既にアジア、オセアニアではシンガポール、インドネシア、タイ、オーストラリアで登録承認を取得し、南米ではブラジル、メキシコ、コロンビアで登録承認を取得しております。
日本、米国、中国は製品販売に向けて各国内での臨床試験と製造販売承認取得が必要であり、各国での当局対応や試験開始に向け準備を進めております。日本においてはPMDAとの間で再度の臨床試験開始に向けた協議を継続しておりましたが、内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、平成29年4月に治験計画届をPMDAに提出、平成29年8月より治験を開始しております。また米国においては、臨床試験の開始に向けた米国FDAとプロトコルの協議を実施しております。
B 粘膜隆起材(TDM-641)・血管閉塞材(TDM-631)
当社グループは、TDM-621に続く外科領域のパイプラインとして、主にTDM-641の製品化に向けた研究開発を進めております。日本での臨床試験を開始いたしましたが、平成27年2月に自主的に臨床試験を一時中断しております。製品優位性の確保に向けた研究試験を実施しております。
② 再生医療領域
A 歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。TDM-711は米国子会社で開発・製品化を目指しており、平成23年7月に米国FDAからIDEの承認を取得したことに続き、平成24年2月に米国ハーバード大学の医学部・歯学部の付属研究所であるフォーサイス・インスティテュート(Forsyth Institute)において臨床試験を開始いたしました。プロトコルに規定した15症例の施術が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、米国FDA承認後、次のフェーズでの臨床試験を実施しております。
B 創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。TDM-511は米国子会社で開発・製品化を目指しており、平成26年10月に医療機器として市販前届510(k)を米国FDAに申請し、平成27年2月に販売承認を得ました。TDM-511は、皮膚(表皮、表皮・真皮)からの出血を迅速に止血する局所止血材、皮膚の創傷部の再生環境を整え創傷治癒を促す創傷治癒材としての活用に加え、他薬剤とのコンビネーションによる治療効果の増大が期待できることから、熱傷治療、皮膚がん治療、美容整形分野での研究開発を進めております。
③ DDS領域
当社は界面活性ペプチド(A6K)を用い国立がん研究センターと新規癌治療技術の開発に向けて共同研究を行っており、癌細胞への徐放技術の確立に向け前臨床試験を実施し、乳がん治療に向けたsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)を共同開発しております。主に国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトを実施しており、当社は自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。前連結会計年度より国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K複合体)」を用いた国立がんセンターによる医師主導治験が開始され、現在も治験が継続されております。本治験の内容は治療抵抗性の乳がんで体表から触知できる局所腫瘤(かたまり)を有する患者さんを対象とした、世界で初めて人へ投与するファースト・イン・ヒューマンの治験です。
<用語解説>(50音順、アルファベット)
*自己組織化ペプチド
生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成する
ペプチド群。
*510(k)
既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。
*DDS
必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。
Drug Delivery Systemの略称。
(7) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するた
めの対応策
「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
当該重要事象等を解消又は改善するために、当社グループは医療製品事業においてグローバルに展開している吸
収性局所止血材製品の販売による売上収入の計上を図るとともに、主に欧米、アジア/オセアニア、中南米地域における販売権許諾等の契約一時金やマイルストーンペイメント収入を獲得してまいります。また親子会社間での研究開発において基礎研究の共有・効率化や、業務効率化による諸経費の節減等により販売費及び一般管理費の圧縮にも取り組むことで収益構造を改善し、重要事象等の解消に向け取り組んでまいります。
また当社グループの研究開発及び事業活動を進めるのに必要な事業資金を十分に確保するためにも、手元資金に加え、平成29年4月に金融機関に対し行使価額修正条項付き第17回新株予約権(第三者割当て)の発行を決議し、新株予約権の行使に伴う資金調達を進めております。また機動的な資金調達が行えるように各取引銀行との間で借入コミットメントライン契約及び借入枠の設定も継続するなど、財務基盤の拡充に向けて取組んでまいります。
以上により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないものと判断しております。