第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって緩やかに回復していくことが期待されておりますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

 このような経済状況のもと、当社グループの主要事業であるデバッグ・検証事業の関連市場においては、スマートフォンやタブレット端末の普及を背景に、大手家庭用ゲームソフトメーカーも参入し、ソーシャルゲーム市場が引き続き拡大しております。また、ソーシャルゲーム開発企業はその開発費を着実に回収し収益機会を増やすために、家庭用ゲームソフト同様、開発したソーシャルゲームをグローバルに展開しております。そのため、従来のデバッグ業務に加え、多言語によるローカライズ(翻訳)やユーザーサポートの需要も拡大しております。家庭用ゲーム市場においては、世界各国で発売された据置型ゲーム機の販売が好調に推移するとともに、新型次世代ゲーム機やバーチャルリアリティシステムの発売が発表されています。

 一方、ネット看視事業の関連市場においては、ネットショッピング、フリマアプリ(フリーマーケットアプリ)や映像・電子書籍等のEコマース(電子商取引)が広がりを見せております。それに伴い、出品物チェック、薬機法や景品表示法等に基づく広告審査、権利侵害調査やエンドユーザーからのお問い合わせ対応等の需要が拡大しております。また、最近は子どもたちのインターネット利用に関するトラブル抑止のため、各自治体の教育委員会や私立学校が、学校裏サイトの看視や生徒及びその保護者を対象にしたネットリテラシー教育に力を入れていることから、看視業務のみならず、リーフレット作成やセミナー講師派遣等の啓発活動に関する需要も増加しております。

 当社グループにおいては、顧客企業の事業多角化や海外展開、業務プロセスの高度化や複雑化に伴い発生する業務のアウトソーシング事業者として、「人」によるチェック、テスト、看視や審査等のサービスを提供しております。当連結会計年度においては、ゲームソフトのグローバル化に対応するため、3月にゲームソフトローカライズを行うエンタライズ株式会社を連結子会社といたしました。9月にはPole To Win Romania SRL.を設立、同月、Pole To Win India Private Limited がインド第2拠点としてハイデラバードスタジオを開設、12月にはPole To Win (Malaysia) Sdn. Bhd. を設立いたしました。また、今後の受注拡大を見据え、2月にピットクルー株式会社では札幌サポートセンターを増床、同月、ピットクルー・コアオプス株式会社では岐阜BCPセンターを開設いたしました。国内拠点と海外8ヵ国16拠点の連携により、デバッグ、ローカライズ、ネット看視、ユーザーサポート等の「ワンストップ・フルサービス」の提供をグローバルで推進いたしました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は19,633,397千円(前年同期比8.3%増)、営業利益は2,409,493千円(同2.1%増)、経常利益は2,312,491千円(同3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,168,569千円(同9.2%減)となりました。

 

 セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

① デバッグ・検証事業

 当事業におきましては、8ヵ国16拠点体制による海外と国内グループ会社の連携を図ることで、国内外ゲームソフトメーカーのグローバル展開サポートに努め、デバッグ、ローカライズ、ユーザーサポート(海外)等のゲームソフトメーカー向けアウトソーシングサービスが拡大いたしました。前連結会計年度より連結子会社となったSide UK Limited 、株式会社クアーズや当連結会計年度より連結子会社となったエンタライズ株式会社の売上高、利益が寄与いたしました。アミューズメント機器向けアウトソーシングサービスの受注減少や円高影響がありましたが、プレイステーション4向けソフトのデバッグが増加いたしました。この結果、デバッグ・検証事業の売上高は16,039,724千円(前年同期比9.6%増)、営業利益は2,499,760千円(同4.0%増)となりました。

 

② ネット看視事業

 当事業におきましては、ネット企業各社がEコマース市場向け事業展開に積極的に取り組んでいることから、ネットショッピングサイト、ネットオークションサイト、フリマアプリにおける出品物チェック業務、薬機法や景品表示法等に基づく広告審査業務、代金や商品到着等に関するユーザーサポート(国内)等のアウトソーシングサービスを受注しましたが、一部顧客企業からの業務縮小により、ネット看視事業の売上高は3,261,359千円(前年同期比1.0%減)、営業損失は27,616千円(前年同期は27,690千円の利益)となりました。

 

 

③ その他

 Palabra株式会社において、今後の映像バリアフリー化時代を見据え、テレビ番組や映画のバリアフリー字幕や音声ガイド制作のサービスを提供しております。また、IMAid株式会社では、医療関連人材紹介サービスを提供しております。当事業の売上高は332,313千円(前年同期比77.0%増)、営業損失は90,221千円(前年同期は81,614千円の損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて560,897千円減少し、5,075,574千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、+1,517,623千円(前連結会計年度は+1,623,481千円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益+2,135,590千円、法人税等の支払額△928,683千円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△542,977千円(前連結会計年度は△995,031千円)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出△303,966千円、子会社株式の取得による支出△145,933千円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,349,973千円(前連結会計年度は△304,345千円)となりました。主な要因は、配当金の支払額△342,777千円、自己株式の取得による支出△733,740千円等であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 該当事項はありません。

 

(2) 受注状況

 デバッグ・検証事業は、受注から販売までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。ネット看視事業は、継続的役務提供のため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年2月1日

至 平成29年1月31日)

前年同期比(%)

デバッグ・検証事業(千円)

16,039,724

109.6

ネット看視事業(千円)

3,261,359

99.0

報告セグメント計(千円)

19,301,084

107.6

その他(千円)

332,313

177.0

合計(千円)

19,633,397

108.3

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年2月1日

至  平成28年1月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年2月1日

至  平成29年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Take-Two Interactive Software, Inc.

1,938,925

10.7

(注)当連結会計年度におけるTake-Two Interactive Software, Inc.の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1) 当面の対処すべき課題の内容

 当社グループは、「世の中がどれだけシステム化が進んでも、最終的に人が行わなければならない確認・チェックがある」という企業使命を実現するために、連結子会社であるポールトゥウィン株式会社が平成6年よりデバッグ・検証事業、同じくピットクルー株式会社が平成12年よりネット看視事業を行っております。これまで、ゲーム業界、インターネット業界やEコマース業界と強固な取引関係が築かれ、提供しているサービスもデバッグ・検証、ネット看視にとどまらず、ゲーム開発・運営やネットサービスを支えるローカライズ、広告審査、ユーザーサポート等に広がりを見せております。

 今後、デバッグ・検証事業、ネット看視事業というセグメントや、国内、海外という地理的な枠組みにとらわれず、当社グループと強固な取引関係にあるゲーム業界、インターネット業界、Eコマース業界向けに既存顧客からのニーズが高いBPOサービスを拡充し、これらの業界におけるBPOサービス取引シェア拡大を図ります。また、コアサービスであるデバッグ・検証やネット看視を新市場・業界へ展開するとともに、経営管理体制を充実させることが課題であると認識しており、特に以下の点に留意し、経営活動に取り組んでまいります。

 

① 顧客バリューチェーンに着目して国内外連携BPOサービスを拡大し、1顧客毎の取引増加を図る

 当社グループは、デバッグ・検証事業、ネット看視事業の先駆者として、これらのアウトソーシング市場を創出してまいりました。顧客のバリューチェーンに基づき、デバッグ・検証事業、ネット看視事業というセグメントや、国内、海外という地理的な枠組みを超えて使い勝手のよい「ワンストップ・フルサービス」の提供を行い、1顧客毎の取引増加を図ってまいります。

 

② 新たな業務システムや業務フロー導入によりサービスの変革を図り、新市場へ新BPOサービス投入を模索する

 AI(人工知能)等を活用した新たな業務システム導入、既存サービスや国内外拠点間における新たな業務フロー構築によりサービスを変革させ、新市場へ新BPOサービスの展開を目指します。

 

③ 掘り起し余地の大きい海外市場の営業開拓を強化する

 当社グループが海外事業を展開して以来、当初は日系企業との取引が中心でありましたが、M&A等の成果により海外現地企業との取引も増加し、海外売上が順調に増加しております。海外ゲームソフトメーカーやソーシャルゲームメーカーは、国内メーカーに比べ、デバッグ、ローカライズ、ユーザーサポートの業務規模が大きいことが多く、既存取引先との取引を拡大するとともに新規営業開拓を強化いたします。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針について

 当社は、平成29年3月28日開催の取締役会において、平成29年4月27日開催の第8回定時株主総会の終結の時をもって、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(事前警告型買収防衛策)」を継続せず、廃止することを決議しております。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 環境について

① 市場動向について

 当社グループは、デバッグ・検証事業においてはゲームソフト市場及びパチンコ・パチスロ等のアミューズメント機器市場を主たる事業領域とし、ネット看視事業においてはインターネット関連サービス市場を主たる事業領域としており、当社グループの事業はこれら市場動向の影響を受けております。また、これら各市場については、ゲームソフトにおけるオンライン展開、ソーシャルメディア及びソーシャルアプリの普及等もあり、近年においてその関連は強まっているものと認識しております。

 なお、当社グループにおいては、これらの市場動向を踏まえて、既存事業の強化と新たな顧客ニーズ等の取り込みを図るとともに、両事業間における連携強化を図ること等により事業拡大を推進していく方針であります。しかしながら、当社グループにおいては、各市場動向の影響を受ける可能性があるとともに、事業間における十分なシナジーが発揮できなかった場合には、当社が想定する事業展開に支障が生じ、結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競争激化の可能性について

 当社グループは、デバッグ・検証事業及びネット看視事業ともに業界の先駆者として、設立以来、多くの顧客企業との取引実績を有しており、これら業務においてノウハウの蓄積及びサービスの多様化等を図り、他社との差別化に努めております。

 しかしながら、当社グループが事業領域とする両業界においては複数の企業が事業参入しており、これら企業との競合が生じております。当社グループの今後の事業展開において、競争激化に対して十分な差別化が図られなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ アウトソーシング業務の需要について

 当社グループは、デバッグ・検証事業においてはソフトウェア開発会社等を、ネット看視事業においてはインターネットサイト運営企業等を、それぞれ主たる顧客層として各種アウトソーシングサービスを提供しております。

 従来、当社グループが行う業務は、顧客企業内において行われておりましたが、専門性を有する人材育成やノウハウ蓄積等を自社で行うことの限界、製品・サービスの品質向上・充実等のための経営資源及び人的資源の集中、コスト低減や業務の効率化等を図る目的から、近年においてアウトソーシングによる業務運営が広く浸透しているものと認識しております。

 当社グループは、今後も顧客企業等におけるアウトソーシング業務の需要は維持・拡大していくものと認識しておりますが、将来を予測するには不透明な部分もあり、顧客企業等におけるアウトソーシング業務の需要が拡大しない若しくは減少した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、顧客企業の業務プロセスに関して一定のシステム化が生じた場合でも、最終的に「人」によるチェック、テスト、看視又は審査等に係るアウトソーシング業務は必要となるものと考えております。しかしながら、技術進歩その他により当社グループが提供する業務サービスの一部について需要が減少する可能性は否定できず、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) デバッグ・検証事業について

① 業務請負者(個人事業主)の活用について

 デバッグ・検証事業におけるデバッグ業務等の実務は、当社グループの管理者が作業計画等を策定した上で、当社グループに登録する業務請負者(個人事業主)を活用することにより遂行しており、業務の多くをこれら人材に依存しております。業務請負者とは、適正な運用を確保するために必要と考えられる契約等の整備や運用体制の構築等を行っており、また、各拠点において人材の十分な確保に努めております。しかしながら、今後において、何らかの要因により当該業務運営に支障が生じた場合又は登録人材の不足が生じた場合には、当該事業における業務遂行及び受注活動に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② サービス品質及び瑕疵担保責任について

 デバッグ・検証事業は、主として顧客企業が開発したソフトウェア等のデバッグ及び検証業務を受託しております。顧客企業は、一般に、当社グループによるサービス提供の完了後において、ソフトウェア等の最終検査を独自に実施した上で製品を発売しておりますが、製品発売後において不具合が発生する場合があります。

 当社グループの受託案件において、製品発売後における不具合発生が増加した場合、当社サービス品質の信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループは顧客企業に対して、(ⅰ)一般にソフトウェア等から不具合を完全に除去することはできないこと、(ⅱ)当事業サービスは不具合の発見に注力するものであり、製品の品質そのものを保証するものではないこと、の二点について事前に十分な説明を行うよう努めており、契約上も一定の免責条項等を規定しております。しかしながら、何らかの事情により瑕疵担保責任或いは損害賠償責任の追及を受ける可能性を否定できず、この場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外展開について

 デバッグ・検証事業においては、国内ゲームソフト企業のグローバル展開への対応及び海外企業への展開等を図る計画を有しており、国内以上に大きなゲームソフト市場の存在する海外へのサービス展開が、持続的成長を遂げるために必要な経営課題であると認識しております。

 当社グループは、国内企業の海外展開のサポートに加えて、現地企業の開拓を積極的に推進していく方針でありますが、海外においては、地域によりデバッグ業務・サービス等の形態も一部異なっていることから、今後における事業展開が当社グループの想定どおりに推移しない可能性があります。また、現地における各種法規制を受ける可能性や事業展開する地域の市場動向又は為替変動等の影響を受ける可能性があり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) ネット看視事業について

① インターネットにおける規制等の動向について

 近年、インターネット業界においては各種の法的規制が生じており、その多くは通信事業者やサイト運営事業者等に対して適正な運営を促すものであります。例えば、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(以下、「青少年ネット規制法」という)は、青少年がインターネットを通じて有害な情報に触れることなく、適切な形でインターネット利用できることを目的としており、各携帯電話キャリアに対しては保護者が申し出ない限りは未成年者の使用端末にコンテンツフィルタリングサービスを提供することを、インターネット接続業者にはコンテンツフィルタリングサービスの普及に努めることを、サイト管理者には有害情報が含まれる際には未成年者の閲覧を防ぐ措置をとることをそれぞれ義務付けております。

 これらの法的規制は、当社グループの事業活動自体を規制するものではなく、今後において新たな法令制定等が生じた場合には顧客企業における対応のための新たなサービス需要等が生じる可能性がありますが、一方で顧客企業の事業が何らかの制限を受けることとなった場合又は当社グループの事業が法的規制を受けることとなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 臨時従業員の確保について

 ネット看視事業では、作業実務の多くを臨時従業員によって行っており、相応規模の作業人員確保を継続して実施していく必要があります。人材の確保及び育成には万全を期しておりますが、何らかの理由で人員確保等が困難となった場合は、ネット看視事業における業務遂行及び受注活動に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システムダウンや不具合について

 ネット看視事業では、顧客企業からの委託に基づき24時間365日体制でサービスを提供しております。そのため障害発生や障害の兆候が見受けられる場合は、速やかに委託元である顧客企業の担当者に通知する体制を整えております。しかしながら、当社が運営代行するインターネットサービスは全て通信ネットワークに依存しており、自社設備や第三者が所有し運営する通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼働することが前提であります。サーバー、回線の二重化、冗長化等の対策をしておりますが、災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合、コンピュータウイルスによる被害があった場合、外部から不正アクセス等があった場合、または、運営代行するインターネットサービス自体が何らかのトラブルで稼働停止した場合は、委託された業務の継続ができなくなる可能性があります。また、障害や通信ネットワークの切断の原因が当社にあった場合は、顧客企業からの信頼性が低下する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 労働者派遣法による規制について

 当社グループのデバッグ・検証事業及びネット看視事業は、一部において実務作業者の人材派遣業務を行っており、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に基づく厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業」の許可を事業所ごとに取得しており、同法の規制を受けております。

 当社グループにおいては、法令遵守を徹底し事業を運営しておりますが、万一法令違反に該当するような事態が生じた場合、顧客企業からの信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報漏洩リスクについて

 当社グループのデバッグ・検証事業においては発売前のゲームソフト等に関する機密情報を、ネット看視事業においては一部個人情報を含むインターネットサイト等に関する機密情報を、それぞれ取り扱っており、これらの情報に関しては高い水準の情報管理体制の構築及び運用が求められております。

 当社グループにおいては、顧客企業の機密情報が外部に漏洩することのないよう、当社グループ関係者等との間で秘密保持契約を締結するとともに、研修等における守秘義務の重要性の理解促進及び情報漏洩防止の徹底を図っており、また、設備面においても入退室管理システムや監視カメラ設置等の諸施策を講じております。

 しかしながら、当社グループにおいて、業務上知り得た機密情報等について何らかの要因により外部への流出等が生じた場合には、顧客企業からの信頼性が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 当社グループの事業体制について

① 経営管理体制について

 当社は平成21年2月にポールトゥウィン株式会社とピットクルー株式会社による共同株式移転の方法で設立しており、この経営統合により、将来においても競争力のある企業集団として発展・成長していくことを目指しております。当社グループにおいては、適宜適切な人員体制の強化を推進していく方針でありますが、グループにおける経営管理体制が十分に機能しなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

 当社グループは、今後における事業拡大を図るため、継続した人材の確保が必要であると考えており、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めていく方針であります。しかしながら、優秀な人材の確保が計画どおり進捗しない又は在籍する人材の多くが流出する等の状況が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) M&Aについて

 当社グループは、既存事業の強化、グローバル展開の加速及び新たな事業領域への展開等を目的として、国内外におけるM&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。

 M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスク低減に努めております。しかしながら、対象案件の性質上、時間的制約等から十分なデューデリジェンスの実施が困難となる場合があり、買収後において偶発債務の発生や未認識債務又は瑕疵等が判明する可能性があります。

 また、M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があることに加えて、新規事業領域に関しては、M&Aによりその事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

 この連結財務諸表の作成に当たりましては、部分的に資産・負債、収益・費用の数値に影響を与えるような見積り等の介在が不可避となりますが、当社経営陣は過去の実績や提出日現在の状況等を勘案し、会計基準の許容する範囲内かつ合理的にそれらの判断を行っております。

 なお、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して1,512,925千円増加し、19,633,397千円(前年同期比8.3%増)となりました。主な要因は、デバッグ・検証事業においては、国内外ゲームメーカーのグローバル展開サポートに努め、デバッグ、ローカライズ、ユーザーサポート(海外)等のゲームソフトメーカー向けアウトソーシングサービスが拡大したことにあります。また、ネット看視事業においては、Eコマース市場向け事業展開に積極的に取り組んでいることからネットショッピングサイト、ネットオークションサイト、フリマアプリにおける出品物チェック業務、薬機法や景品表示法等に基づく広告審査業務、代金や商品到着等に関するエンドユーザーからのお問い合わせ対応等の各種サポート業務を受注しましたが、一部顧客企業からの業務縮小により売上高は減少しました

 

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は、売上増加に伴う人件費増加や海外拠点の人員増加、設備の整備費用等により前連結会計年度と比較して977,525千円増加し、13,007,097千円(前年同期比8.1%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上総利益は6,626,300千円(同8.8%増)となりました。

 

(営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、新規連結子会社ののれん償却額や人件費の増加により、前連結会計年度と比較して485,965千円増加し、4,216,807千円(前年同期比13.0%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における営業利益は2,409,493千円(同2.1%増)となりました。

 

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、保険解約返戻金の増加等により、前連結会計年度と比較して21,793千円増加し、54,003千円(前年同期比67.7%増)となりました。また、当連結会計年度における営業外費用は、為替差損の減少等により、前連結会計年度と比較して12,388千円減少し、151,005千円(同7.6%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における経常利益は2,312,491千円(同3.8%増)となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益の発生により、2,479千円(前年同期は109千円)となりました。また、当連結会計年度における特別損失は、減損損失の発生等により、179,380千円(前年同期比151.5%増)となりました。

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は2,135,590千円となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は978,516千円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,168,569千円(同9.2%減)となりました。

(3) 財政状態の分析

(資産の部)

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて232,629千円(2.6%)減少し、8,703,500千円となりました。これは、主に受取手形及び売掛金が445,366千円増加しましたが、現金及び預金が560,897千円、その他(未収入金)が216,748千円減少したこと等によります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて242,920千円(7.2%)減少し、3,138,582千円となりました。これは、主に建物及び構築物が137,804千円増加しましたが、のれんが326,153千円、無形資産が210,278千円減少したこと等によります。

 この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて475,549千円(3.9%)減少し、11,842,083千円となりました。

 

(負債の部)

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて65,623千円(2.6%)増加し、2,604,249千円となりました。これは、主にその他(預り金)が225,113千円減少しましたが、未払法人税等が105,372千円、未払金が76,953千円、未払費用が31,076千円、その他(前受金)が29,370千円増加したこと等によります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて69,778千円(26.7%)減少し、191,604千円となりました。これは、主に繰延税金負債が52,085千円減少したこと等によります。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,154千円(0.1%)減少し、2,795,853千円となりました。

 

(純資産の部)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて471,395千円(5.0%)減少し、9,046,230千円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,168,569千円増加しましたが、配当金の支払いにより利益剰余金が342,777千円、為替換算調整勘定が517,697千円減少、自己株式を732,600千円取得したこと等によります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末における純資産は9,046,230千円であり、前連結会計年度末と比較して471,395千円減少しております。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,168,569千円計上しましたが、配当金の支払いにより利益剰余金が342,777千円、為替換算調整勘定が517,697千円減少、自己株式を732,600千円取得したこと等によります。

 また、資金の流動性については、当連結会計年度末における流動比率は334.2%となっており(当連結会計年度末流動資産8,703,500千円、流動負債2,604,249千円)、前連結会計年度末における水準(前連結会計年度末流動比率352.0%、流動資産8,936,130千円、流動負債2,538,625千円)から低下しておりますが、十分な流動性を確保しております。

 

(5) キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(7) 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、ソフトウェア・ハードウェアの品質向上をサポートするために不具合の検出を行うデバッグ・検証事業、インターネットの健全な成長をサポートするために種々のコンテンツに含まれる違法有害情報の検出や不正利用の検出を行うネット看視事業を主要な事業としております。顧客企業の業務プロセスのIT化、システム化が進む中、最終的に「人」によるチェック、テスト、看視や審査が必要な事業領域に対してサービスを提供しており、現在においては、主にゲーム業界、インターネット業界及びEコマース業界に対するBPOサービスを主要事業としております。

 当社グループでは、「Create Customer Value」という企業理念に基づき、「人間にしかできないこと」と「より高品質なシステム」の融合を図り、顧客企業の最善のパートナーとして、使い勝手のよいサポートサービスを提供してまいります。

 従前、デバッグ・検証事業はゲーム業界向け、ネット看視事業はネット業界向けに各種サービスを提供してきましたが、ソーシャルゲームの誕生によりゲーム業界とネット業界が融合し、ソーシャルゲーム業界はデバッグ・検証事業、ネット看視事業双方の取引業界となっております。また、家庭用ゲームソフト、ソーシャルゲームともグローバル展開がスタンダードになりつつあり、ゲーム業界向けBP0ビジネスを行うアウトソーシング事業者もグローバル対応を行えることが必要となります。当社グループとしましては、デバッグ・検証事業、ネット看視事業というセグメントや、国内、海外という当社グループ各社の枠組みを超え、顧客にとって使い勝手のよいBPOサービスを開発、提供してまいります。

 

 セグメントの見通しにつきましては、次のとおりであります。

 

① デバッグ・検証事業

 国内におきましては、バーチャルリアリティシステムが発売され、また、新型次世代ゲーム機の発売が予定され、引き続き、デバッグ・検証事業の関連市場は好調に推移するものと予測されます。当社グループにおいては、スマートフォン向けアプリ・ソーシャルゲーム、家庭用ゲームソフト、アミューズメント機器それぞれの分野においてシェア拡大を目指します。市場における営業力強化、顧客との緊密な関係構築やサービス向上のための人材投資施策により、品質の高いサービスを継続的安定的に提供することができるように取り組んでまいります。

海外におきましては、8ヵ国16拠点の連携を強化するとともに、国内拠点との連携も図り、海外現地企業及び国内企業のグローバル展開に対応してまいります。ゲームや各種ネットサービスは、ますますグローバル化が進むことが予想されることから、現地ネイティブスタッフによるデバッグ、ローカライズやユーザーサポート業務の受注拡大を目指します。また、デバッグ、ユーザーサポートのコアサービスをゲーム業界以外へ展開する営業活動にも取り組みます。

 

② ネット看視事業

 スマートフォンやタブレット端末の普及により、ネットショッピング、ネットオークション、フリマアプリや電子書籍等のEコマース利用者が増加しております。国内の消費全体に占めるEコマースの割合は米国等に比べてもまだ低く、今後、ますますEコマース市場が拡大することが予想されます。Eコマース事業の成否は信頼されるサイト運営にあることから、当社グループにおいては、出品物や広告表記の審査、エンドユーザーからのお問い合わせ対応業務の受注拡大を目指します。また、これまでインバウンド中心のユーザーサポート業務を行っておりましたが、フェイスブックやツイッター等のソーシャルメディア上における消費者の声を拾い上げて対応するアクティブサポートサービスやアウトバウンドのニーズも高いことから、コールセンター、コンタクトセンターの機能強化を図ります。変化の早いネット業界において、顧客のニーズを汲み上げ、課題を解決する高付加価値サービスを企画、提供できる人材の育成・採用にも取り組んでまいります。

 

③ その他

 Palabra株式会社では、今後の映像バリアフリー化時代を見据え、テレビ番組や映画のバリアフリー字幕や音声ガイド制作のサービスを提供するとともに、IMAid株式会社では、医療関連人材紹介サービスに取り組んでおります。今後も、当社ノウハウを活用した新ビジネスの事業化へ取り組んでまいります。