第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国の農業を取り巻く環境は、国内市場の縮小、農業従事者の高齢化及び後継者不足、耕作放棄地当連結会計年度における我が国の農業を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少に伴う食料消費の縮小、農業従事者の高齢化及び後継者不足、耕作放棄地の拡大等に加え、天候不順や大雨などの災害による全国各地での農業被害も多く発生しており、厳しい状況が続いております。一方、国は食料自給率の維持向上、農業者の所得向上と持続可能な農業構造の実現に向け、6次産業化等の推進、農産物・食品の輸出拡大、農業経営の法人化や経営の多角化等を推進するとともに、農業制度金融の充実を図り農業の内外からの新規就農の支援等、政策目標を設定し様々な施策を実行に移すなど、徐々にではありますが国を挙げての農業改革が進められております。

このような農業環境のもと、当社グループは、引き続き野菜苗市場におけるシェアの拡大並びに生産性及び品質の向上に努めてまいりました。また、海外事業及び園芸小売事業等に加え、新たに千葉県旭市に育種会社を設立し、事業のグローバル化及び多角化を積極的に取組み企業価値の向上に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,623,167千円(前期比5.2%増)、営業損失59,175千円(前期は営業損失98,418千円)、経常損失71,410千円(前期は経常損失91,604千円)、親会社株主に帰属する当期純損失69,178千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益13,981千円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

① 野菜苗生産販売事業

当事業部門におきましては、閑散期間である11月から1月にかけての受注拡大に向け、茨城農場を拠点としての営業推進、品質改善等を取組んだ結果、茨城県向けのピーマン、メロン苗や全国のホームセンター向けの玉ねぎ苗の売上が増加、また、ベルグ福島の生産能力拡大もあり、関東、東北向けのキュウリやトマト等の接ぎ木苗が増加しました。さらに、春から夏にかけて熊本や福岡を中心に九州向けのトマト苗等が好調に推移しました。

一方、損益面におきまして、人件費等の増加はあったものの、ベルグ福島の本格稼動に伴い生産効率の向上、自社農場での生産能力の拡大により製造コストの削減につながりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,345,685千円(前期比5.6%増)、セグメント利益(営業利益)364,175千円(前期比29.4%増)となりました。

 

品目分類別の売上高は次のとおりであります。

品目分類

売上高 (千円)

前期比 (%)

トマト苗

2,071,638

106.0

キュウリ苗

1,177,612

104.6

ナス苗

363,312

98.8

スイカ苗

247,409

107.3

メロン苗

180,087

108.6

ピーマン類苗 (注)

160,390

120.2

その他

145,233

107.3

合 計

4,345,685

105.6

 

(注) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。

 

 

規格分類別の売上高は次のとおりであります。

規格分類

売上高 (千円)

前期比 (%)

ポット苗(7.5㎝~15㎝)

2,241,274

104.2

当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ等)

1,339,770

109.2

セル苗(288穴~72穴)

718,365

102.1

その他

46,275

149.4

合 計

4,345,685

105.6

 

(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。

 

納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。

納品地域分類

売上高 (千円)

前期比 (%)

北海道・東北

546,103

105.5

関東

1,506,039

106.7

中部・甲信越・北陸

652,225

96.8

近畿・中国

523,751

106.5

四国

389,722

106.8

九州・沖縄

727,842

111.3

合 計

4,345,685

105.6

 

 

② 流通事業

コンビニエンスストア部門の売上高は156,643千円(前期比3.8%増)、資材部門の売上高は73,827千円(前期比9.0%減)、農産物部門の売上高は27,668千円(前期比2.7%減)となりました。

この結果、当連結会計年度における流通事業全体の業績は、売上高258,139千円(前期比0.9%減)、セグメント損失(営業損失)12,244千円(前期はセグメント損失15,613千円)となりました。

 

③ 海外事業

当事業部門におきましては、中国山東省にて野菜苗及び花苗の生産、鉢花(シクラメン)の生産、トマト等の青果物の生産を中心とした施設園芸及び生産技術開発の為の試験等を行っております。また、当連結会計年度より海外事業部門を新設して人員を増員することで、海外事業の本格化に向けて技術開発並びに中国国内を中心に農業関連マーケット調査や市場開拓等を強化して、現地企業との連携機会を増やし、事業拡大に向け積極的に取り組みを進めております。

当連結会計年度の業績は、売上高18,729千円(前期比14.2%減)、セグメント損失(営業損失)55,241千円(前期はセグメント損失9,094千円)となりました。

 

④ その他の事業

 当連結会計年度において、貸し農園事業及び育種事業を開始しており、売上高は612千円、セグメント損失(営業損失)は12,095千円となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ2,046千円(0.5%)減少の419,659千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、203,516千円(前連結会計年度は△48,520千円)となりました。これは、税金等調整前当期純損失88,767千円、減価償却費196,181千円、売上債権の増減額△38,889千円、未収消費税等の増減額35,603千円、持分法による投資損益30,904千円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△106,065千円(前連結会計年度は△416,227千円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出△108,647千円等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△99,544千円(前連結会計年度は△42,490千円)となりました。これは、短期借入れによる収入530,000千円、短期借入金の返済による支出△460,000千円、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出△256,548千円等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗生産販売事業

3,259,427

102.4

流通事業

海外事業

21,233

94.5

その他の事業

2,870

合計

3,283,530

102.5

 

(注) 1.金額は、当期総製造費用によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.流通事業については、該当ありません。

 

(2) 商品及び製品仕入実績

当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗生産販売事業

53,899

127.9

流通事業

207,726

103.1

海外事業

その他の事業

81

合計

261,706

107.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.海外事業については、該当ありません。

 

(3) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗生産販売事業

4,233,648

104.9

383,906

114.2

流通事業

海外事業

6,974

72.1

276

435.3

その他の事業

合計

4,240,623

104.9

384,182

114.2

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.流通事業及びその他の事業については、該当ありません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗生産販売事業

4,345,685

105.6

流通事業

258,139

99.1

海外事業

18,729

85.8

その他の事業

612

合計

4,623,167

105.2

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、野菜苗生産をコア事業として取組み「良い苗をいつでも・どこでも・いくらでも」の経営方針の基、使いやすさ、環境への配慮、お客様一人ひとりにあった苗づくりを目指し、閉鎖型育苗施設苗などの新設設備による安定した生産体制と全国各地のパートナー農場との連携により事業展開を拡大してまいりました。そして、当社グループのフィールドは、野菜苗の枠組みを超え、種や培土などの農業資材の開発販売、家庭園芸を楽しむ個人のお客様へのサービス拡充を行い、さらには、アジアを中心とし世界市場へ向けて進み始めています。全ては日本の農業のためになる役に立つ会社になることで農業に革命を起すことができる企業を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、新たなアグリビジネスの構築に向かって、継続的な事業拡大と企業の成長及び収益力の向上を目指します。目標とする経営指標としては、平成32年10月期における「売上高100億円、経常利益8億円」の達成を掲げております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中長期成長に向けた取り組みとして、「全国農場展開」「多角化」「グローバル化」の三つの柱を中心とした成長戦略で事業の拡大を目指してまいります。

 

① 全国農場展開

野菜苗マーケットのシェア拡大策として、全国各地の需要地に向けた直営農場及びパートナー農場の展開を積極的に進めてまいります。具体的には、各産地・地域の個別ニーズに合わせた生産農場を展開し、全国同一の生産体制から、地域密着型の個別農場展開を進めることによって、各地域にきめ細かく対応しシェア拡大を目指してまいります。注力するエリアとしましては、引き続き需要の高い関東・九州エリアに向けた直営農場の増床とパートナー農場の開拓を進め、産地需要・家庭園芸需要の取り込みと、潜在顧客の開拓を加速させてまいります。

 

② 多角化

ファンガーデン株式会社にて野菜苗・花苗を中心とした利益率の高い園芸商材を直売し、園芸愛好家や小規模農家にも提案可能な園芸店を運営しております。ユーザーに直接提案できるメリットを最大限に活かし、一般家庭園芸目線の商品開発や多彩な商品供給など、一般消費者から小規模兼業農家の要望にワンストップで応えられる園芸店を目指してまいります。また、ファンガーデン株式会社と併設して平成29年4月に貸し農園「ベルみん畑」をオープンしました。収穫の喜び、選ぶ楽しみ、家族で作る幸せ、新しい発見など家庭園芸の魅力を伝え、より包括的なサービス提供を目指してまいります。

平成29年8月には千葉県旭市に育種及び品種開発等を事業とする株式会社むさしのタネを設立し育種事業を開始いたしました。日本一の供給力を持つ苗事業との相乗効果により、生産者の期待に応えられる品種の開発及び改良に取り組み、付加価値の高い苗の供給に繋げてまいります。

 

③ グローバル化

農業の成長産業化を見据えた展開としてグローバル化は必須と考え、巨大マーケットである中国市場に進出致しました。中国の2018年経済発展方針の重点活動に「農村振興戦略の実施」が掲げられており、三農問題(農業・農村・農民)の解決を重要課題とし、近代化農業の推進、農村土地制度の改革が進められております。また、国民の食の安全・環境意識の高まりもあり、先進的な農業技術、特に日本の安心安全を担保する農業生産に高い注目が集まっております。当社グループとしても、日本国内で培ってきた技術やノウハウを活かし、現地企業と連携しながら事業基盤を整え、中国国内の需要を取り込むため、種苗から農産物生産にわたるアグリビネス事業の展開を推し進めてまいります。

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループは、国内市場の縮小、農業従事者の高齢化及び後継者不足など厳しい状況が続く環境の中で事業拡大に向けて、積極的に国内設備投資や研究技術開発を行い、海外事業も積極的に推進しております。その結果、これらの先行投資により、継続的に営業損失が発生しており継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。当社グループは、これらの事象等を解消するために以下の事項に取組んでまいります。

① 苗事業の売上拡大及び収益性の改善

・値上げを含む苗単価の見直しによる利益率の改善   

・自社農場、パートナー農場を生かした産地営業強化及び販路拡大と効率的な運営による生産性の向上

・研究・技術開発を中心にした新商品の開発、生産工程の改善の推進による生産性の向上

・全社的な苗品質の見直しによる安定した品質の確保

 

② 苗事業拡大における設備投資の在り方の見直し

・自社農場の増設、他企業との連携による農場展開及び優良パートナー農場の開拓のバランスを整えることでの設備投資負担の軽減

・効率化につながる機械装置、設備の改善及び導入

・野菜以外の苗事業による設備や人員の稼働率の向上

 

③ 流通事業における事業内容の見直しと販売強化

・コンビニエンスストア事業の撤退による収益性の改善

・青果物の仕入販売取引の見直し、専門業者との連携強化による苗事業や資材の販売事業における付加価値の向上

・農業生産者及び園芸愛好家向けの種子や資材の販売強化

 

④ コスト削減策

・間接経費の見直し及び削減

・品質向上を前提とした生産資材や生産工程の見直しによる製造経費の削減

・子会社である株式会社むさしのタネでの、コスト削減につながる優良品種の開発

 

⑤ 海外事業の推進

・開発拠点の子会社である青島芽福陽園芸有限公司を通じ、本格的な苗事業による収益の向上

・種子や農業資材等の輸出入による収益の確保

 

⑥ 関連会社との連携

・ファンガーデン株式会社の早期黒字化による収益の確保

・ベルグアースグループとファンガーデン株式会社との更なるシナジー効果の推進

 

以上の具体的な対応策を実施することにより、収益力の回復および経営基盤の強化を図り、当該事象等の改善に努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 天候不順、異常気象について

当社グループの主たる事業は、野菜苗の受注生産であります。生産の大部分はハウス内で栽培しておりますので、気温及び日照等、天候の影響を受けることになります。また、天候不順が続くと苗の品質に影響し、製品価値の低下に繋がります。そのため、当社グループでは、品質の安定化を目指し、閉鎖型苗生産施設や冷房設備等の新型設備の導入、天候に合わせた栽培方法・技術・ノウハウの蓄積、研究開発及び委託展開による生産地の分散等の施策を行ってまいりました。しかしながら、天候不順の影響は完全に回避できるものではなく、猛暑、日照不足、台風といった天候不順及び異常気象の発生により、十分な品質や生産量が確保されない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、上述の通り生産地の分散を進めておりますが、一次育苗については現時点において、その大部分を本社農場で行っております。その結果、上述の天候不順及び異常気象の影響を受ける場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 自然災害による影響について

平成23年3月11日に発生しました東日本大震災では、当社のいわて花巻農場において停電、燃料不足、物流機能の停滞等が発生しました。また、平成26年2月に関東甲信地域で発生した記録的な大雪では、当社の顧客(農家)が所有するビニールハウス等の農業施設が倒壊するなどの甚大な雪害が発生し、当社への苗の発注が減少いたしました。当社は自社農場及びパートナー農場(委託先)の全国展開によりリスク分散を図っておりますが、今後、このような想定を上回る自然災害が発生した場合、本社機能の停止、生産農場の停止、受注の減少等により、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 種子、原油価格の変動について

原材料である種子は、一般的に品種改良されるたびに新品種として発表され、基本的には付加価値が高くなるにつれて仕入価格も上昇していきます。また、現在は海外での採種が主流であるため現地の経済状況及び採種環境等の影響により突然値上がりする場合があります。また、原油価格の上昇は重油・灯油の値上がりによる冬期の育苗コストの上昇に加え、あらゆる育苗資材の仕入価格上昇に繋がることとなります。

当社グループは、過去に発生したこのような原材料価格及び燃料単価高騰時においては、仕入先の変更、種子メーカーとの連携、省エネ資材・設備の利用等によりコストダウンを図りながら製品販売価格の調整を行ってまいりましたが、今後、消費者の低価格志向が進むことにより価格調整での対応ができない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 病害虫について

当社グループは、一部、完全閉鎖型苗生産施設を利用しておりますが、大部分は屋外でのハウス栽培を行っております。そのため、病気や害虫の発生を完全に防ぐことは極めて難しい状況にあります。当社グループでは病害虫の発生を防ぐため、長年のデータ蓄積による発生予測、病害虫侵入防止設備の導入(物理的防除)、圃場内の清掃、予防農薬の散布、病害虫の早期発見に努めておりますが、生産者に納品した後に病害虫が発生する可能性があります。この場合、発生時期と病害虫の種類によっては当社グループの責任において生産者に対する何らかの補償を行う可能性や風評により受注が減少する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 栽培技術者の育成について

当社グループは、生産拠点を全国展開しており、栽培技術者個々の技術・ノウハウを組織全体に広げていく必要があります。そのため、技術・ノウハウを早く習得させるために、入社後すぐに実践の場に立たせ、多くの経験を蓄積できる体制にしております。また、栽培技術者の担当する品目や育苗施設を固定化し、栽培技術指導者を中心としたチームを組織して競争意識を持たせるなどの相乗効果を図っております。

全国の自社農場で技術・ノウハウを習得した栽培技術者も育ち始めており、現在のところ不足はしておりませんが、今後生産拠点がさらに増加及び拡大されることによって、十分な栽培指導が行き渡らなくなる場合や技術・ノウハウ向上のための費用が増加する場合、また、人材確保が困難な場合や人材確保のための費用が増加する場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 競合について

当社グループは、野菜接ぎ木苗の生産販売に特化しており、接ぎ木苗の利用者の獲得において先行しているものと認識しております。今後も更なるシェアの拡大を目指し、営業部門の強化、顧客ニーズに対応した商品開発、生産能力の拡大等を図っておりますが、今後、異業種からの参入及び競合他社の拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが今後において、競合他社等の影響により当社グループの競争優位性が低下した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 野菜苗生産販売事業への依存について

当社グループは、野菜接ぎ木苗の生産販売に特化しており、売上高及び利益の大部分に貢献しております。当社グループといたしましては、実生苗(接ぎ木をしていない苗)の売上拡大や農業資材・農産物の仕入販売事業(流通事業)の拡大、販売先の新規開拓や深耕拡大、新規事業の開発に取り組んでおりますが、現時点では野菜の接ぎ木苗に依存しております。

接ぎ木苗の普及は引き続き進んでいるものの、今後、日本農業がどのように進展していくかについては不透明な部分もあり、国の政策方針の転換、輸入野菜の増加、農家の高齢化及び後継者不足等により、今後の日本農業に大きな変化が生じた場合、また、予期せぬ技術革新によって接ぎ木苗の需要が著しく減少した場合、当社グループの事業展開や業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 業績の変動について

当社グループの業績は、第1四半期において、他の四半期に比べ売上高が低下する傾向にあり、利益も売上高の変動の影響を受けて低下する傾向になっております。これは、当社グループの主力製品である野菜苗の需要が、当社の第1四半期にあたる11月~1月に全国的に減少するためであります。現在、閑散期に向けた新製品の開発を急いでおりますが、当面は第1四半期の売上高が他の四半期に比べて低下することが予想されます。このため、第1四半期の業績が、年間の業績の傾向を示さない可能性があります。

なお、平成29年10月期における四半期毎の業績の概要は以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

年度合計

売上高
(構成比 %)

501,760
(10.8)

1,472,934
(31.8)

1,045,892

(22.6)

1,602,579

(34.6)

4,623,167

(100.0)

売上総利益
(構成比 %)

1,541

(0.1)

 385,064

(36.0)

286,109

(26.7)

395,574

(37.0)

1,068,289

(100.0)

営業利益又は営業損失(△)
(構成比 %)

△235,035

(-)

73,908

(-)

 △9,459

(-)

111,411

(-)

 △59,175

(-)

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(9) 特有の法的規制等について

当社及びベルグ福島株式会社は、農地法で規定された農業生産法人ではないため、農地の取得が認められておりません。なお、以前は農地保護を目的とした農地法の規定により、一般の事業会社は農地を借りることもできませんでしたが、現在は、規制緩和の流れを受けた過去数度の農地法及び関連法規の改正によって一般事業会社が農地を借りることが可能になりました。現在、当社につきましても農地を賃借して野菜苗を生産しており、この流れは、当社グループにとって生産設備拡張の自由度が増し、規模拡大への追い風となっております。

しかしながら、今後の新たな農地法及び関連法規の改正の動向が当社グループの事業展開や業績に影響を与える可能性があります。また、農地法及び関連法規以外に、農薬については農薬取締法、毒物及び劇物取扱法、育苗については種苗法の規制を受けており、それらの法規の改正等の動向によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 中国での事業展開について

当社グループは、中国の巨大マーケットでの事業活動を実施するため、平成26年11月に中国の青島芽福陽園芸有限公司を子会社化いたしました。今後、中国における法的規制、政情・経済の変動など予測不能な事態が発生し、中国子会社の事業展開に影響が出た場合、当社グループの事業展開や業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 重要な事象等について

当社グループは、前連結会計年度においては、営業損失98,418千円、当連結会計年度においては、営業損失59,175千円となり、継続的な営業損失が発生しております。

このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が続いておりますが、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)継続企業の前提に関する事項について」に記載のとおり当該事象等を解消するため、具体的な対応策を実施することにより収益力の回復に努めており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、連結財務諸表への注記は記載しておりません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 委託生産に関する外注取引契約

契約会社名

相手先の名称

契約品目

契約内容

契約期間

ベルグアース株式会社

株式会社山口園芸

野菜苗全般

野菜苗の外注取引契約

平成19年11月1日~平成20年10月31日
(但し、契約期間終了後も異議のない限り自動的に1年間ずつ更新する)

ベルグアース株式会社

株式会社花の海

同上

同上

平成19年11月1日~平成20年10月31日
(但し、契約期間終了後も異議のない限り自動的に1年間ずつ更新する)

 

 

(2) 土地利用に関する契約

契約会社名

相手先の名称

農場名

契約品目

契約内容

契約期間

ベルグアース株式会社

地主5名

本社農場

農地: 8,267㎡

農業生産法人以外の一般法人が農地を賃借し、利用できる契約

平成28年11月1日~
平成33年10月31日

ベルグアース株式会社

地主1名

本社農場

農地:   485㎡

同上

平成28年10月10日~
平成34年10月31日

ベルグアース株式会社

地主2名

本社農場

農地: 1,318㎡

同上

平成25年7月1日~
平成35年6月30日

ベルグアース株式会社

地主1名

本社農場

農地:   207㎡

同上

平成25年9月1日~
平成35年8月31日

ベルグアース株式会社

地主1名

本社農場

農地:   361㎡

同上

平成27年6月26日~
平成32年6月25日

ベルグアース株式会社

地主1名

本社農場

農地: 2,891㎡

同上

平成26年7月1日~
平成36年6月30日

ベルグアース株式会社

地主1名

本社農場

農地: 2,199㎡

同上

平成27年11月1日~
平成32年10月31日

ベルグアース株式会社

地主7名

長野農場

農地:20,111㎡

同上

平成28年4月1日~
平成31年3月31日

ベルグアース株式会社

地主1名

長野農場

農地: 5,950㎡

同上

平成26年7月1日~
平成29年6月30日(注)

ベルグアース株式会社

地主1名

松山農場

農地: 2,702㎡

同上

平成24年12月12日~
平成29年12月11日

ベルグ福島株式会社

地主1名

ベルグ福島

宅地:20,055㎡

一般法人が土地を賃貸し、利用できる契約 

平成27年4月30日~
平成37年4月29日

 

(注)契約期間終了後も異議のない限り自動的に3年間ずつ更新する。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、野菜苗メーカーとして、最先端の育苗技術の開発及び既存技術の課題解決を目的とした研究技術開発活動を続けております。また、野菜苗の育苗技術を活用し新たな苗の開発にも積極的に取り組んでおります。大学・公立研究機関・民間企業等とも協力体制を構築し、共同研究及び受託研究に積極的に取り組み、農業の発展に貢献していく方針であります。

当連結会計年度における一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額は65,837千円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) 野菜苗生産販売事業

当事業部門では、苗の生産性向上、品質向上、付加価値化を最大の研究テーマとして取り組んでおります。

具体的には、育苗施設の環境モニタリングによる最適育苗環境の構築、閉鎖型育苗の生産性向上や苗の高付加価値化、新規完全閉鎖型育苗装置の開発、病害虫防除効果の高い新規接ぎ木苗の開発など多岐にわたる課題に取り組み、一定の成果をあげております。

また、大学や公立研究機関との協力体制を構築しており、苗の開発・普及において研究データの共有化や意見交換を行い、研究成果を迅速に生産現場へ落とし込む体制を整えております。

 

(2) 流通事業

該当事項はありません。

 

(3) 海外事業

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

流動資産は、前連結会計年度末と比べ6,019千円(0.4%)増加の1,668,827千円となりました。これは、受取手形及び売掛金が38,889千円、商品及び製品が21,307千円それぞれ増加した一方で、未収消費税等が35,603千円、未収法人税等が13,125千円、現金及び預金が10,446千円減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べ92,361千円(4.5%)減少の1,971,990千円となりました。これは、茨城農場の育苗施設新設工事により建設仮勘定が59,040千円増加した一方で、有形固定資産の減価償却が進んだことにより、196,181千円減少したこと等によるものであります。

流動負債は、前連結会計年度末と比べ131,753千円(9.5%)増加の1,513,485千円となりました。これは、短期借入金が70,000千円、未払金24,307千円、支払手形及び買掛金20,444千円それぞれ増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度と比べ131,259千円(14.1%)減少の798,208千円となりました。これは長期借入金が137,132千円減少したこと等によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ86,836千円(6.1%)減少の1,329,123千円となりました。これは、利益剰余金が81,876千円減少したこと等によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度における売上高は4,623,167千円(前期比5.2%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要」をご参照ください。

 

② 売上原価

当連結会計年度における売上原価は3,554,878千円(前期比3.4%増)となりました。この結果、売上総利益は1,068,289千円(前期比11.4%増)となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,127,464千円(前期比6.6%増)となりました。この結果、営業損失は59,175千円(前期は営業損失98,418千円)となりました。

 

④ 営業外損益

当連結会計年度における営業外収益は受取手数料2,752千円、補助金収入17,450千円等により24,422千円となりました。営業外費用は支払利息4,851千円、持分法による投資損失30,904千円等により36,658千円となりました。この結果、経常損失は71,410千円(前期は経常損失91,604千円)となりました。

 

⑤ 特別損益

当連結会計年度における特別損失は有形固定資産除却損3,018千円、投資有価証券評価損14,057千円等により17,356千円となりました。この結果、税金等調整前当期純損失は88,767千円(前期は税金等調整前当期純利益151,895千円)となりました。

 

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は△10,314千円(前期は86,258千円)、非支配株主に帰属する当期純損失は9,273千円(前期は非支配株主に帰属する当期純利益51,655千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は69,178千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益13,981千円)となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ2,046千円(0.5%)減少の419,659千円となりました。

なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5) 継続企業の前提に関する事項について

当社グループは、国内市場の縮小、農業従事者の高齢化及び後継者不足など厳しい状況が続く環境の中で事業拡大に向けて、積極的に国内設備投資や研究技術開発を行い、海外事業も積極的に推進しております。その結果、これらの先行投資により、継続的に営業損失が発生しており継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。当社グループは、これらの事象等を解消するために以下の事項に取組んでまいります。

① 苗事業の売上拡大及び収益性の改善

・値上げを含む苗単価の見直しによる利益率の改善   

・自社農場、パートナー農場を生かした産地営業強化及び販路拡大と効率的な運営による生産性の向上

・研究・技術開発を中心にした新商品の開発、生産工程の改善の推進による生産性の向上

・全社的な苗品質の見直しによる安定した品質の確保

② 苗事業拡大における設備投資の在り方の見直し

・自社農場の増設、他企業との連携による農場展開及び優良パートナー農場の開拓のバランスを整えることでの設備投資負担の軽減

・効率化につながる機械装置、設備の改善及び導入

・野菜以外の苗事業による設備や人員の稼働率の向上

③ 流通事業における事業内容の見直しと販売強化

・コンビニエンスストア事業の撤退による収益性の改善

・青果物の仕入販売取引の見直し、専門業者との連携強化による苗事業や資材の販売事業における付加価値の向上

・農業生産者及び園芸愛好家向けの種子や資材の販売強化

④ コスト削減策

・間接経費の見直し及び削減

・品質向上を前提とした生産資材や生産工程の見直しによる製造経費の削減

・子会社である株式会社むさしのタネでの、コスト削減につながる優良品種の開発

⑤ 海外事業の推進

・開発拠点の子会社である青島芽福陽園芸有限公司を通じ、本格的な苗事業による収益の向上

・種子や農業資材等の輸出入による収益の確保

⑥ 関連会社との連携

・ファンガーデン株式会社の早期黒字化による収益の確保

・ベルグアースグループとファンガーデン株式会社との更なるシナジー効果の推進

以上の具体的な対応策を実施することにより、収益力の回復および経営基盤の強化を図り、当該事象等の改善に努めており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、連結財務諸表への注記は記載しておりません。