第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

(1)事業等のリスク

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染状況や、ロシアによるウクライナへの侵攻等による世界経済への影響については、今後の経過によっては、当社グループの事業活動及び収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において営業損失54,184千円となり、2期連続で継続的な営業損失が発生しております。このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が続いておりますが、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (7)継続企業の前提に関する事項について」に記載のとおり当該事象等を解消するため、具体的な対応策を実施することにより収益力の回復に努めており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、四半期連結財務諸表への注記は記載しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向けて徐々に進む一方で、ウクライナ情勢の長期化により、食料・資源など供給不足・価格上昇に伴う世界情勢の不確実性は高まっており、日本国内でも、為替相場の急激な円安進行、エネルギー資源や原材料の価格にも影響が出ており、今後の経済活動において不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは、野菜苗・苗関連事業を中心に受注拡大に向けた生産体制の強化や営業推進、2021年11月に伊予農産株式会社を完全子会社化したことによる農業資材の売上の拡大や購買力の強化を図ってまいりました。また、原油価格高騰に伴う重油や電気料金、培土や肥料等の原材料費の値上げによる製造経費の増加に加え、配送運賃も上昇傾向が続く中で、更なる、生産効率の向上、原材料の見直しや購買力の強化、配送方法の改善といったコスト削減に努めるとともに、販売価格の見直しを行ってまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は4,231,030千円と前年同四半期と比べ658,387千円(18.4%)の増収となりました。損益につきましては、営業損失193,395千円(前年同四半期は営業損失142,910千円)、経常損失185,952千円(前年同四半期は経常損失144,945千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益40,884千円(前年同四半期比25.1%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、2021年11月30日を企業結合日として、農業用資材等の卸売事業を行う伊予農産株式会社の株式を株式交換により取得し、連結の範囲に含めております。これに伴い、報告セグメントに新たに「卸売事業」を追加したことにより、前年同四半期との比較につきましては、セグメント変更後の区分に基づき比較を行っております。

また、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

 

(野菜苗・苗関連事業)

当事業部門におきましては、2022年3月にいわて花巻農場の生産設備の増設工事が完了し自社での生産能力を拡大したことにより、東北、北海道向けの受注拡大に向け営業強化を行ってまいりました。また、ベルグ福島株式会社において、植物ワクチン総合研究所の稼働に伴い、植物ワクチンの研究開発を開始いたしました。植物ワクチンによる付加価値の高い製品開発を行うことにより、競争力の強化及び収益力の改善を図り、全国の生産者へ、化学農薬に依存しないウイルス病の防除による安全安心の野菜苗が供給できる体制を目指してまいります。

売上面につきましては、伊予農産株式会社を連結範囲に含め、新たな報告セグメントとして「卸売事業」を追加したことにより、野菜苗・苗関連事業から卸売事業を外部顧客とする売上高計上に変更したため、外部顧客への売上高が前年同期比に対して減少しておりますが、春の家庭園芸向けの需要が伸び悩む中で、ホームセンターを中心に野菜苗や花苗の売上拡大、6~7月にかけては、品質及びサービス向上が評価されたことに伴い、北海道・東北地区、九州地区の売上が増加いたしました。

損益面につきましては、生産体制の見直しによる生産効率の改善や原材料の調達コストを抑えるための取り組みを進める一方で、原油価格高騰に伴う、重油や電気料金の値上げ、出荷用資材や培土、肥料などの値上げが続いており製造原価が増加いたしました。また、ベルグ福島株式会社での植物ワクチン研究開始に伴い、初期費用が増加いたしました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,306,380千円(前年同四半期比2.5%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は196,477千円(前年同四半期比18.6%減)となりました。

 

第1四半期連結会計期間において、卸売事業を行う伊予農産株式会社の株式を株式交換により取得し、連結範囲に含めたことより、新たな報告セグメントとして「卸売事業」を追加いたしました。これに伴い、売上高の一部を、野菜苗・苗関連事業から卸売事業を外部顧客とする売上高計上に変更したため、前年同四半期比が減少しております。

 

品目分類別の売上高は次のとおりであります。

品目分類

売上高 (千円)

前年同四半期比 (%)

トマト苗

1,066,661

95.0

キュウリ苗

977,009

96.6

ナス苗

281,892

94.5

スイカ苗

348,774

101.3

メロン苗

247,451

99.2

ピーマン類苗 (注1)

164,662

100.2

その他(注2)

219,929

110.4

合 計

3,306,380

97.5

 

(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しております。

(注2)玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。

 

規格分類別の売上高は次のとおりであります。

規格分類

売上高 (千円)

前年同四半期比 (%)

ポット苗(7.5㎝~15㎝)(注)

1,647,454

99.3

当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ、高接ぎハイレッグ苗、ウィルスガード苗、ツイン苗)

1,036,594

99.2

セル苗(406穴~72穴)(注)

576,529

89.4

その他

45,802

109.9

合 計

3,306,380

97.5

 

(注) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗に

育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連

結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。

 

     納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。

納品地域分類

売上高 (千円)

前年同四半期比 (%)

北海道・東北

762,477

95.7

関東

1,117,356

98.3

甲信越

328,386

97.6

中部・北陸

203,669

100.9

近畿・中国

375,299

90.1

四国

155,932

87.2

九州・沖縄

363,257

112.4

合 計

3,306,380

97.5

 

(注) 静岡は「甲信越」に含めて表示しております。

 

 

(農業・園芸用タネ資材販売事業)

当事業部門におきましては、当社オリジナル培土「EARTH MIX 種まき培土」や当社オリジナル規格のアースストレート苗を移植できるロックキューブ「アースinロック」などが営業推進により認知されてきましたことや、2022年1月より販売権が移管された植物ワクチン製剤の販売開始に加え、農薬メーカーとの業務提携により新たな商品の販売推進に取り組み、売上増加に繋がりました。引き続き、グループ企業や農業関連メーカーとの商品開発、肥料メーカー等協力企業との連携を深めることにより商品ラインナップの充実を図り、売上及び利益の拡大に向けて取り組んでまいります。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高88,715千円(前年同四半期比32.6%増)、セグメント利益(営業利益)3,911千円(前年同四半期比93.0%増)となりました。

 

(海外事業)

当事業部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大により中国においては、ロックダウンの対策を講じ経済活動に影響が出るなど厳しい環境が続いております。

現在は野菜苗や鉢花の生産販売事業を中断し、現地の連携企業と協力し事業拡大に向けて中国国内を中心とした農業資材(肥料・種子)の販売に注力しております。また、韓国では肥料販売や日本国内向けの種子や苗の輸出に向けて、営業及びマーケティング活動を行っております。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高54,444千円(前年同四半期比205.2%増)、セグメント損失(営業損失)17,113千円(前年同四半期はセグメント損失26,048千円)となりました。

 

(小売事業)

当事業部門におきましては、コロナ禍において高まっていた家庭園芸需要が収束傾向にある中、早い梅雨明け後から猛暑日が続いたことなど、客足への影響が懸念されましたが、家庭園芸商品の充実を図り、店舗では季節ごとに園芸フェアや各種イベントを開催し集客力の強化を図りました。

また、店舗外営業も強化しており、柑橘など愛媛県産品の販売や新たに連結子会社となった伊予農産株式会社と共に愛媛県内生産者への野菜苗や農業資材等の販売推進を行うことにより売上増加に繋がりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高100,266千円(前年同四半期比2.5%増)、セグメント損失(営業損失)は5,052千円(前年同四半期はセグメント損失8,152千円)となりました。

 

(卸売事業)

第1四半期連結累計期間において、主に愛媛県内のJAや生産者向けに、野菜苗を含む農業資材全般の仕入販売事業を行う伊予農産株式会社を連結範囲に含めたことにより、卸売事業を新たに追加いたしました。これに伴い、第2四半期連結会計期間より連結業績に卸売事業の業績を取り込んでおります。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高681,223千円、セグメント損失(営業損失)は19,910千円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産の合計は、前連結会計年度末と比べ1,211,449千円(23.8%)増加の6,305,656千円となりました。これは、仕掛品の増加292,487千円、原材料及び貯蔵品の増加81,881千円、建物及び構築物の増加276,312千円等によるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債の合計は、前連結会計年度末と比べ950,419千円(24.7%)増加の4,799,438千円となりました。これは、支払手形及び買掛金の増加587,868千円、短期借入金の増加267,500千円、長期借入金の増加161,478千円等によるものであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産の合計は、前連結会計年度末と比べ261,029千円(21.0%)増加の1,506,217千円となりました。これは、資本金の増加220,630千円、資本剰余金の増加187,732千円、剰余金の配当及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等によるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額は70,796千円であります。

野菜苗・苗関連事業においては、連結子会社のベルグ福島株式会社に植物ワクチン総合研究所が完成し、植物ワクチンの開発及びワクチン接種苗の実用化に関わる研究開発を開始いたしました。農業界において、ウイルスやカビが原因となる病害による被害は大きな問題となっており、その対策として、これまでは化学農薬や耐性・抵抗性品種を利用してきました。しかしながら、その効果は十分ではなく日本国内に甚大な被害を与えております。そこで当社グループでは、事前に病害を予防する植物ワクチンを接種することにより、化学農薬等の使用を抑え、人と環境に配慮した安全性の高い植物ワクチン及びワクチン接種苗の開発を進めてまいります。

 

(6) 従業員数

連結会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、主として株式交換により伊予農産株式会社を連結の範囲に含めたことに伴い、卸売事業において前連結会計年度末に比べて24名増加いたしました。

 

(7) 継続企業の前提に関する事項について

当社グループは、全国へ安定的に野菜苗の生産供給を行うため、育苗設備の増設、新たな生産設備導入など積極的に設備投資を行っております。また、農業を中心としたフードバリューチェーンの構築に向け、種子の開発、農業関連資材等の仕入販売、小売事業展開、海外での苗事業及び農業資材販売等を積極的に行っており、事業活動及び人材強化を図ってまいりました。このような中、2020年10月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、移動制限が実施され十分な営業活動が行えなかったことに加え、コロナ禍での人員確保を優先したことにより製造コストにおける労務費が増加、また、新規事業への取り組みに向けて人材を確保したこと等により販売費及び一般管理費も増加いたしました。2021年10月期は、中期経営目標を設定し、3つの成長戦略を柱とした事業展開及び収益改善を目指し、販売費及び一般管理費の見直し、生産工程や生産効率の改善により当初の業績予想より改善はされましたが、2期連続での営業損失計上となりました。

この結果、継続的に営業損失が発生しており継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しているものと認識しております。当社グループは、これらの事象等を解消し、経営基盤の安定化に向け、以下の事項に取り組んでまいります。

 

野菜苗・苗関連事業につきましては、自社農場の増設及び連携企業との農場展開により、安定的な供給と生産者により近い農場からの出荷体制を整え、新規需要の開拓を行い、売上拡大を図ります。また、閑散期対策の一つでもある「苗の多品目化」へ向けて自社での花苗、葉菜苗等の生産品目の拡大、パートナー農場や農業関連企業との関係を強化し、戦略的なパートナーシップを構築することで安定的な生産と多様な品種・品目の供給が可能となり、閑散期における売上拡大と収益力向上を実現させ、当事業を重要な経営基盤として強化してまいります。

一方で、生産拡大に向けて、雇用確保が重要となり、条件等含め今後も厳しい状況が続くと想定されます。そのため、生産量の増加に伴い労務費の増加も見込んでおりますが、生産工程の見直しを図り、作業効率を改善することにより収益力の向上に努めてまいります。また、新たに連結子会社となった伊予農産株式会社との連携により購買力を強化し、原材料の調達コストの削減を図ります。

農業・園芸用タネ資材販売事業につきましては、生産者のニーズに応える高付加価値商品の推進及び横展開での売上の拡大を図り、関連会社である株式会社むさしのタネと共同で耐病性などに優れた付加価値の高い種子の開発等を行い国内外への供給を目指してまいります。また、日本国内の農業関連メーカーとの連携を高め、農業生産者の持続可能な生産に貢献できる商品、サービスにも注力し農業資材等の売上拡大を目指してまいります。

海外事業につきましては、コロナ禍でのアジア情勢の変化により事業戦略の見直しを進めてまいります。まずは、中国においては肥料を中心とした農業資材の販売事業を現地の優良パートナーと連携し事業基盤を構築いたします。また、関連会社との協業により中国・台湾・韓国などから優良な種子を日本へ輸入し売上拡大を目指します。連結子会社の青島芽福陽園芸有限公司につきましては、生産規模縮小に伴い人件費などの製造経費が削減され収益改善に努めながら、今後は、現地の育苗事業会社と連携し技術指導を行いながら苗の普及やマーケティング活動を行い事業確立に取り組んでまいります。

小売事業につきましては、連結子会社のファンガーデン株式会社が愛媛県内において2店舗を運営しており、店舗及びインターネット販売を通じて家庭園芸を行う一般消費者からプロ生産者向けに各種種苗をはじめ、農業園芸用資材の販売を行っております。よりお客様のニーズに合った商品を充実させ、イベント等の開催による集客率の向上を図り売上拡大に努めるとともに、商品構成の見直し、仕入先の選定等により収益の確保を目指してまいります。また、伊予農産株式会社との連携により愛媛県内の一般消費者への販売活動にも注力し、愛媛県内で唯一無二の存在となれる総合園芸店を目指し店舗運営を行ってまいります。

以上の各事業セグメントにおいて、一つ一つの戦略を実行し、収益力の回復と経営基盤の安定化に向けて努めてまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。