文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、古くから人々が利用してきたコラーゲン素材を活かし、食品市場や健康・美容市場及び医療分野において新たな価値を創造し、より豊かな生活の実現に寄与することを目標としております。また事業活動を通し、地球環境の保全や地域との共生を図りながら、持続可能な社会の実現に貢献すべく、今後も社是及びビジョンを基に事業活動を展開してまいります。
≪社是≫
愛と信(まこと)を基盤とし、
最高の技術と最大の活力により、
社業を発展させ、もって社会に貢献し、
希望ある人生をきずこう。
≪ビジョン≫
「いつまでも元気で若々しくありたい」
そんな世界中の人々の願いをコラーゲンの飽くなき追求により叶えます。
1.お客様の「もっと」を叶える製品・サービスを提供します。
2.研究開発と生産革新に努め、コラーゲンの活躍の場を広げます。
3.挑戦を良しとする組織風土を築き、新たな市場を開拓・創造します。
経営基盤のさらなる強化・拡大を目指し、以下の3点を経営方針として取り組みます。
① 注力市場に経営資源を重点配分し、高収益な会社になる
前中期経営計画における高付加価値製品の開発と販売の遅れ、関税の段階的な撤廃による競争激化や国内における超高齢化社会への課題等を踏まえ、当社はコア領域であるフードソリューション、ヘルスサポート、バイオメディカルの各領域において、それぞれ注力市場を特定し、重点的に経営資源を配分します。これにより高付加価値製品の販売拡大を図り、高収益な会社を目指します。
② 挑戦を良しとし、取り組むための組織基盤を強化する
技術革新、新製品開発や新市場開拓を推進するには、従業員一人一人が働き甲斐を実感し、共通の目標に向かって挑戦し続けることが重要です。そのために、従業員の評価・処遇制度の見直し、働き方改革や女性活躍の一層の推進、人材育成の強化に取り組みます。加えて、営業部門に新製品の開発をサポートするマーケティングを担う部署を新設する等、組織基盤の強化を図ります。
③ ステークホルダーとのつながりを強化し、価値ある存在となる
当社グループは事業の発展を通じ、持続可能な社会の実現に貢献すると共に、関連するSDGsの達成を目標とします。また、従来取り組んできたCSR活動を強化すべく新たな方針のもと、優先的に取り組む項目を選定し、活動してまいります。加えて、社内外での広報活動を強化することでステークホルダーとのつながりを深め、当社の認知度向上を図ります。
(2)経営戦略等
① フードソリューション
ホテル・レストランや飲食チェーン店には、人手不足を背景とした「手間をかけず簡単に作りたい」というニーズがある一方で、顧客からは「美味しさ」、「新しい食感」等を強く求められています。このようなお客様の課題を解決する加工度の高い業務用製品のラインナップを増やし、販売拡大に積極的に取り組みます。また、タンパク質補給ニーズに対応したコラーゲンペプチド食品や植物性素材を使った食品素材など、当社が長年培ったソリューション力により、新しい食のニーズに対応した新製品開発と提案を行います。
② ヘルスサポート
当社グループは、肌の保湿や弾力維持効果、また血管の若返りや筋肉量の維持などのアンチエイジング効果をもつ機能性コラーゲンペプチドを「Wellnex(ウェルネックス)」ブランドとして展開しており、同ブランドの一層の認知度向上を図ってまいります。重点市場である北米及びアジアでは、機能性コラーゲンによる販売の差別化に注力し、美容用途を主体としたコラーゲンペプチドの販売拡大に取り組んでまいります。
2021年4月には、消費者向け販売子会社であった株式会社ニッタバイオラボを吸収合併し、直販チームを発足しました。今後、より一層製品の開発強化及び販売の効率化を目指します。また、当社初の機能性表示食品「Wellnex 肌。(はだまる)」の販売に注力すると共に、既存製品でのリブランディングやマーケティング強化により直販事業の拡大を図ります。
③ バイオメディカル
再生医療等の先端医療分野は今後も世界規模で成長が見込まれます。当社は、バイオメディカル製品の生産と研究・開発機能を集約し、大阪工場内に新研究棟『みらい館』を建設します。新棟の稼働により、医療用コラーゲン・ゼラチンの品質、コスト、生産量等の競争力を高め、販売拡大を行います。
(3)経営環境
① 新型コロナウイルス感染症の影響
国内外で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始されましたが、感染症の世界的流行の収束が未だに見通せない状況が続いています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために、社会経済活動は大きく制限され、食事の摂り方など人の生活様式は大きく変化しています。
② 関税の段階的な撤廃
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やEPA(経済連携協定)などの影響により関税が段階的に撤廃され、汎用製品の価格低下や競争激化が予想されます。
③ サステナビリティへの意識の高まり
現在、世界は貧困や気候変動、人権問題、環境問題など多くの深刻な課題を抱えており、持続可能な社会を実現するため、企業が環境や社会の課題への取り組みが重視されるようになっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、取引先の皆様や従業員の安全を最優先とし、所謂三密を回避するため、国内外の出張制限を更に強め、テレワーク、フレックス勤務やWeb会議等の積極的な活用など徹底して取り組んでおります。これからも従業員の感染防止策のみならず、生産、販売活動及び物流の維持、強化に努めてまいります。
② 当社グループで生産しているコラーゲン関連製品は、畜肉産業や水産業で取り扱われている健康な牛・豚・魚の骨・皮・鱗を原材料としていますので、需給バランスにより原料価格の変動の影響を受けます。原料の多様化と新たな原料拠点の開拓により、安心・安全な原材料を調達すると共に、原料価格変動の影響を最小化するように努めます。
③ 当社のビジネスモデルは動物資源を有効活用した製品を、食品や健康食品産業等に提供することで、持続可能な社会の実現に貢献しております。今回CSR方針を新たに策定し、事業活動を通じた持続可能な社会への貢献を強化すると共に、引き続きCO₂排出量や水使用量の削減等環境改善への取り組みを進めてまいります。さらに、農業ボランティア活動や当社グランドの有効利用等を通した地域社会との共生に注力してまいります。
また、お客様、株主、地域社会及び従業員等の全てのステークホルダーとのつながりを強化し、企業価値を高めます。そのために社内外に対する広報活動を強化し、認知度向上を図ります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、事業の成長性と収益力向上の観点から、連結売上高及び連結営業利益を重要な経営指標と位置づけています。お客様のニーズに応える製品・サービスの提供及び研究開発と生産革新に努め、コラーゲンの新しい分野を開拓していくことで、事業の持続的な成長と収益の最大化を目指しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の経営成績等の状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
また、これらは、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、コンプライアンス・リスク管理体制を構築しており、コンプライアンス・リスク管理委員会がリスクに関する体制、方針の策定及び各部署のリスク管理体制についての評価、指導を行っております。また、海外グループ会社については、当社経営層と海外グループ会社経営層との定期的なミーティング等を行いグローバルな視点から経営管理を行っております。さらに重大な事態が発生した場合には、必要に応じて緊急事態対策本部を設置し、リスクの低減を図ります。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
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①新型コロナウイルス感染症の拡大 |
・新型コロナウイルス感染症拡大による原材料調達事情の悪化や従業員の感染による生産体制への影響 ・海外事業拠点における経済活動の制限による当社グループの経営成績及び財政状態への影響 |
・新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの制定と従業員への周知徹底 ・テレワークやフレックス勤務体制の整備、Web会議の積極的な活用等による三密回避 ・不要不急な取引先の来訪や商談、出張の制限 |
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②原材料の調達及び価格の変動 |
・世界経済の景気変動による食肉消費量の増減 ・各種動物疾病等による食肉生産の停滞や停止、流通の規制などに起因する原材料調達地域の変更、原材料調達コストの増加 ・各種動物疾病等の影響による販売減少、在庫の増加などの影響 ・世界的な気候変動 |
・原材料調達先及び原材料種の多様化 ・生産性の向上によるコストダウン
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③製品の安全性 |
・重大な品質上の問題発生による損害賠償請求や当社グループの信用失墜 ・管理上の不備により各宗教のルールを逸脱し、認証が取り消された場合の販売機会損失 |
・国内外の主要工場で食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるFSSC22000を取得するなどの、国際的な品質管理システムに従った製品製造 ・原材料から製品に至るまでのトレーサビリティの確保 ・各宗教のルールに従った動物種の原材料調達、適正な方法での製造 ・各宗教認定機関の査察による認証を受けた厳重な原料及び製造管理 |
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④市場動向の変化 |
・畜産業や動物性原材料に対する消費者マインドの変化や、将来的な動物由来製品への規制 ・大豆などの植物性原材料を使用した代替肉や動物細胞を培養して生産される培養肉(人工肉)の開発による、将来的な動物由来原材料の調達困難化 |
・代替市場への当社グループの参入可能性の検討 ・新規事業の創造
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⑤関税の撤廃 |
・TPPやEPAなどの発効に伴う関税撤廃による輸入品の販売価格低下 ・各国の移転価格税制などの国際税務リスク |
・各国における税制改正情報の収集 ・関税撤廃対象国にある海外グループ会社及び提携会社からの調達 ・最適地生産、最適地販売の促進 |
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
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⑥海外市場での競合 |
・事業展開の主要地域である北米市場及び今後注力する中国、インド、東南アジア市場における競合品による販売拡大への影響 |
・グローバル販売価格対応、品質向上 ・競合に対する差別化、技術、サービスの向上 ・最適地生産、最適地販売のグローバル管理 |
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⑦製品開発の長期化 |
・市場環境変化又は顧客の業績変動による長期化 ・規制当局承認申請の長期化などによる医療用途製品の開発期間の大幅な長期化 ・研究開発及び設備投資費用の回収の遅延 |
・市場情報、製品情報、特許情報の収集 ・新規事業の創造 ・優秀な研究者の確保 ・事業計画の進捗管理強化
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⑧継続的な人材の確保、育成 |
・雇用情勢の変動等により、的確な人材の確保や育成が計画通りに進まなかった場合、もしくは人材の流出が増加した場合の、当社グループの競争力の低下や継続性への影響 |
・新卒採用に加え、中途採用の強化 ・従業員の階層別教育研修の強化 ・評価・処遇制度の見直し ・働き方改革及び女性活躍の推進 |
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⑨法的規制 |
・国内外の各種法規制の改廃や新設 ・排水量や排水基準等、環境に関する規制変更 |
・環境管理委員会による全社的な環境負荷軽減の取組み ・各種業界団体への加入等による情報収集 ・コンプライアンス・リスク管理委員会設置によるリスクマネジメント強化 ・水のリサイクル、リユース及び工程革新により給排水の減量及び水質の維持 |
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⑩訴訟等の発生 |
・偶発的に発生する訴訟又は訴訟に至らない請求等の動向による経営成績及び財政状態への影響 ・知的財産権などの帰属や侵害に関して当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合の経営成績及び財政状態への影響 |
・内部統制体制の強化、法令遵守及び社会道徳遵守を含めたコンプライアンスの強化 ・特許権などの取得による独自技術の知的財産権の保護 ・知的財産権を含む第三者が保有する権利侵害防止策の遂行 |
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⑪為替・金利等の変動 |
・想定を超える為替変動・金利変動による経営成績及び財政状態への影響 |
・為替予約による営業取引に係る為替変動リスクの低減 ・借入金などの有利子負債の圧縮 |
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⑫自然災害や不測の事態の発生 |
・主要原料調達地域及び主要販売地域における自然災害や戦争等の発生による原材料調達や製品の製造・販売への影響 |
・事業継続計画(BCP)の整備と定期的な見直し ・サプライチェーンの多様化 |
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⑬情報漏洩 |
・情報システムの安定的運用が困難になった場合の事業活動への支障 ・営業情報、顧客情報の流出が発生した場合の顧客からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜 |
・セキュリティポリシーの浸透及びネットワーク監視の強化 ・ウィルス制御ソフト等の体制整備 ・情報入手、分析システムの安定運用及びシステムに含まれる営業情報や個人情報等の流出防止のためのアクセス権の厳重管理 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始されましたが、その普及には今しばらくの時間を要することから収束が見通せない状況が続きました。日本経済は、2度の緊急事態宣言発出により経済活動が制限を受けたことに加え、社会の行動様式が大きく変化するなど先行きは不透明な状況が続きました。
このような状況の中、テレワークの定着やインバウンド需要消失により、当社グループの主要な取引先である食品業界や健康食品業界は大きな影響を受けました。また外食産業においては、政府による観光、外食需要喚起策等により回復の兆しも見られましたが、2021年1月の緊急事態宣言の再発出により、需要が再び減少しました。
当社グループでは、引続き取引先並びに従業員の感染防止を最優先とし、所謂三密を回避するためテレワーク、フレックス勤務やWeb会議等を積極的に活用しつつ、生産、販売活動及び物流の維持、強化に努めました。また、選択と集中の方針のもと、2021年2月には当社の接着剤事業(製造)を持分法適用関連会社であるボスティック・ニッタ株式会社へ譲渡を完了しました。
売上高は、前期にコラーゲンケーシング事業から撤退したこと及び日本での売上減少の影響により30,550百万円(前年同期比11.6%減少)となりました。また、売上高の減少により営業利益は1,356百万円(前年同期比19.8%減少)、経常利益は持分法による投資利益の減少等により1,364百万円(前年同期比24.1%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は742百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失694百万円)となりました。
販売区分と製品群は以下のとおりです。
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販売区分 |
製品群 |
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フードソリューション |
食品用ゼラチン、食品材料ほか |
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ヘルスサポート |
カプセル用ゼラチン、健康食品用・美容用コラーゲンペプチド、 医療用ゼラチン・コラーゲンほか |
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スペシャリティーズ |
接着剤、工業用ゼラチンほか |
販売の状況は、次のとおりです。
(フードソリューション)
フードソリューションにおいては、コラーゲンケーシング事業撤退に伴う売上高減少に加え、日本での販売減少が影響し、全体の売上高は減少しました。
日本では、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした巣ごもり需要により、自宅での菓子づくりのニーズが高まり、家庭向け製菓・調理用ゼラチンの販売が増加しました。一方、在宅勤務の定着や外出自粛等により移動中や外出先で食されていたグミキャンディー用途向けの売上が減少しました。都市部のコンビニエンスストアでの昼食需要の減少から総菜用途向けの売上も減少しました。また、外食産業の営業時間短縮が継続したことから、外食産業向け業務用スープ・調味料用途向け等の販売が減少しました。
海外では、北米地域において在宅時間増加によりグミキャンディー、ゼリー菓子市場等で販売が堅調に推移しましたが、前期にコラーゲンケーシング事業から撤退したことにより売上高が大きく減少しました。
その結果、フードソリューション全体の売上高は11,690百万円(前年同期比18.8%減少)となりました。
(ヘルスサポート)
へルスサポートにおいては、アジア地域での美容用コラーゲンペプチド等の販売が増加しましたが、日本での販売減少が影響し、全体の売上高は減少しました。
日本では、新型コロナウイルス感染症の拡大によるドラッグストア等店頭販売の減少とインバウンド需要の消失により、美容用コラーゲンペプチド並びにカプセル用ゼラチンの売上高が減少しました。
海外では、北米地域において新型コロナウイルス感染症の拡大により、健康維持や予防意識が高まりソフトカプセル用ゼラチンの販売が増加した一方、店頭での美容コラーゲンペプチド製品の販売は減少し、売上高が減少しました。アジア地域では機能性訴求型の美容用コラーゲンペプチドの売上伸長に加え、カプセル用ハラルゼラチンの販売が引き続き増加しました。また、インドでは医薬用・健康食品用カプセル向けの販売が回復し、売上高は前年同期並みとなりました。
その結果、ヘルスサポート全体の売上高は14,071百万円(前年同期比1.4%減少)となりました。
(スペシャリティーズ)
スペシャリティーズにおいては、2021年2月に接着剤事業(製造)の譲渡が完了したことによる販売減少及び外出自粛による写真用ゼラチンの販売減少により、全体の売上高は4,789百万円(前年同期比18.5%減少)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における資産及び負債の増減状況は、当社(接着剤事業(製造))を分割会社とし、ボスティック・ニッタ株式会社を分割承継会社とする会社分割を行った影響が含まれております。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末比1,363百万円増加の34,915百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が733百万円、たな卸資産が893百万円減少した一方で、現金及び預金が2,609百万円、退職給付に係る資産が437百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比49百万円減少の16,041百万円となりました。主な要因は、長期借入金が700百万円、繰延税金負債が320百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が664百万円、1年内返済予定の長期借入金が278百万円及び未払金が159百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比1,412百万円増加の18,873百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が523百万円、退職給付に係る調整累計額が282百万円及び非支配株主持分が285百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は48.1%(前連結会計年度末46.7%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末比2,616百万円増加の3,998百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は3,509百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益1,306百万円、減価償却費1,348百万円、売上債権の減少額893百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は897百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出1,220百万円、事業分離による収入348百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は31百万円となりました。主な要因は、長期借入れによる収入3,012百万円、長期借入金の返済による支出2,591百万円、配当金の支払額218百万円、リース債務の返済による支出216百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、「コラーゲン事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コラーゲン事業(百万円) |
25,877 |
85.0 |
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合計(百万円) |
25,877 |
85.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度においてコラーゲンケーシング事業から撤退したこと等によるものです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは、「コラーゲン事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コラーゲン事業(百万円) |
30,550 |
88.4 |
|
合計(百万円) |
30,550 |
88.4 |
(注)1.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先がありませんので、主要な販売先の記載を省略しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度においてコラーゲンケーシング事業から撤退したこと等によるものです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,992百万円減少し、30,550百万円(前年同期比11.6%減)となりました。
主な要因は、前期にコラーゲンケーシング事業から撤退したこと及び新型コロナウイルス感染症の拡大を
背景として、日本での販売が減少したことによるものです。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ996百万円減少し6,302百万円(前年同期比13.7%減)となりました。
主な要因は、前期にコラーゲンケーシング事業から撤退したこと及び新型コロナウイルス感染症の拡大を
背景として、日本での販売が減少したことによるものです。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ662百万円減少し、4,946百万円(前年同期比11.8%減)となりました。
主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大による出張旅費、交際費等の経費減少及び前期にコラーゲンケーシング事業から撤退したことによるものです。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ334百万円減少し、1,356百万円(前年同期比19.8%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ434百万円減少し、1,364百万円(前年同期比24.1%減)となりました。
主な要因は、営業利益の減少及び持分法による投資利益の減少です。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、742百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失694百万円)となりました。主な要因は前期にコラーゲンケーシング事業撤退に伴い計上した関係会社株式売却損について、当期はその発生がないためです。
b.財政状態
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c.戦略的現状と見通し
世界経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始されたものの、その普及による感染症の収束と景気回復には時間がかかることが予想されます。日本経済においても、2021年4月に3度目の緊急事態宣言が発出されるなど感染拡大に歯止めがかかっておらず、予断を許さない状況が続くことが見込まれます。
こうした環境下、フードソリューションにおいては、日本でのテイクアウトやデリバリーサービスの増加を捉え、これに対応する新しい製品やアプリケーションを開発し、販売拡大につなげてまいります。
ヘルスサポートにおいては、健康食品用途のコラーゲンペプチドの販売拡大に取り組みます。日本では機能性表示食品の届出が受理された製品による新規顧客の獲得に努め、アジアでは、美容を主体としたコラーゲンペプチド販売の拡大を図ります。北米では、堅調に推移すると予想されるカプセル用途の販売拡大に加え、コラーゲンペプチドは機能性訴求による販売の差別化に取り組みます。
上記事業活動に加え、長年に亘り機能性研究をしてきたコラーゲンペプチドを働く女性に直接届けたいとの想いから、当社初のコラーゲンドリンク専門店「CAFE RIWACO(カフェリワコ)」を2021年4月に開店しました。当社創業者、新田長次郎の出身地である愛媛県松山市においては、コラーゲン製品の提供やスポンサー契約を通じて松山で活躍する女子アスリートを応援する活動を始めました。
当社グループでは、これまで以上にお客様の「もっと」にお応えする製品・サービスを提供するため、これからもコラーゲンというユニークな素材の可能性を追求していきます。また、研究の成果を活かした製品づくりにより、ビジョンに掲げる「いつまでも元気で若々しくありたい」というお客様の願いに貢献してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,998百万円(前連結会計年度より2,616百万円増加)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造経費、販売費及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
上記の資金需要に対し、自己資金及び金融機関からの借入を基本として必要な資金の調達を行う方針です。
なお、当社グループは運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行4行とシンジケーション方式により総額4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、緊急の資金需要等の流動性リスクに備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社のコア素材であるコラーゲンには、無限の可能性が秘められています。「いつまでも元気で若々しくありたい」との人々の願いを叶えるため、これからもチャレンジ精神を持って、市場からの要望やニーズを吸い上げ、お客様の「もっと」を叶える製品・サービスを提供します。さらに研究開発と生産革新に努め、コラーゲンの活躍の場を広げ、新たな市場を開拓・創造します。
当社グループでは顧客・市場からの要望に対して、日本、北米、アジアに営業・研究開発・生産スタッフを横断的に配置し、迅速に対応できる体制をとっています。研究スタッフは、外部研究機関・大学などと共同研究や研究委託を積極的に行い、素材の基礎研究や応用技術の習得にも努めています。また、当社の研究開発の推進・活性化のため、「テクニカルディスカッション」を行い技術力と知識の向上を図っています。
バイオメディカル製品の生産と研究開発機能並びに全事業部門の研究開発機能を集約し、新事業につながる製品の創出を図るため、大阪工場内に新研究棟『みらい館』を建設し、積極的に研究開発活動を行います。
当連結会計年度における研究開発活動(研究課題)は以下のとおりであり、研究開発費の総額は
コラーゲン事業
① フードソリューション
・原料・生産工程での技術改良・改革
・新タイプゼラチンの開発(新規原料、新機能)
・新素材開発(総菜用、医療食などのシニア食用製品)
・アプリケーション開発
・コンシューマ製品の企画・開発(コラーゲン飲料・食品)
・新製品開発
② ヘルスサポート
・生産技術開発(ペプチド化、精製技術)
・機能性研究
・化粧品の開発
③ バイオメディカル
・細胞培養用・生体材料用コラーゲンの研究開発
・医療用ゼラチン、コラーゲンの新製品開発