当連結会計年度の米国経済は製造業、非製造業ともに概ね業況の改善が進み通年を通し堅調を維持する一方、欧州経済では成長率の低下傾向がみられるものの、引き続き堅調な景気拡大が続いております。中国経済においては、製造業投資及び輸出の伸びなどにより若干ながら7年ぶりにGDP成長率が伸びる見込みです。これらの結果、世界経済全体としては安定的な成長を維持し、堅調な地合いが継続してまいりました。
このような状況の中、当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池セパレータ事業におきましては、リチウムイオン二次電池市場の60%超を占める民生用途において、市場の成長の鈍化は否めないものの、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化に伴う高付加価値セパレータ需要の伸び及びパワー系電池市場の拡大により成長が続きました。また、中国市場に牽引されてきた、EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッドカー)といった輸送機器用途では欧米市場での需要増の見通しも明確になりました。これは世界各国の環境規制に主要自動車メーカーが反応し、具体的なEV等の開発、生産及び販売の計画を開示し始めたことによるものであります。
当社グループの販売は民生用途が売上の65%程度を占めます。民生用途においては特に電動工具等のパワー系電池及びスマートフォン用途の販売が主要な市場となっております。一方で35%程度を占める車載用途では中国政府の助成金政策の変更に伴い一時的に電池メーカーの生産性が低下した時期がありましたが、概ね回復しております。また大手電池メーカー各社からの、欧米EV用途向けセパレータサンプル需要の急増への対応と、量産体制の確立への取り組みを継続しております。
連結売上高の47.0%を占める中国市場では新エネルギー車(EVおよびHEV)向けが大きな割合を占めますが、当期は助成金政策の対象となる電池スペックの変更に伴い、電池メーカーの生産が一時低下した期間もあったことを受け、対前期比5.1%の減少となりました。
韓国市場においては韓国大手バッテリーメーカーLGグループへの販売が中心となっておりますが、客先が一時的に特定市場での売り上げを減らしたことに伴い、対前期比1.1%の減少となりました。
日本での販売は東北村田製作所グループ各社への販売が引き続き増えており、対前期比372.0%増となり今後も安定的に供給量を増やす見通しとなっております。
当社グループでは輸送機器向け案件を中心とした顧客各社の旺盛な需要を背景に生産能力増強を継続しております。平成29年下期には大型成膜ラインである第8、9号ラインが量産稼働へ移行しました。更に平成30年上期には新生産子会社であるW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.での累計第10、11号ラインの量産開始を予定しております。
これらの結果、売上高は9,517百万円と、前期比469百万円(対前期増減率5.2%)の増加となり、販売顧客・販売地域の多様化を更に進めました。
一方で、研究開発においては工業用水処理用フィルターなどの新規用途開発に要した結果262百万円と、前期比84百万円の増加となり、その他費用面においても当社製造子会社W-SCOPE KOREA CO.,LTD.の製造環境改善費用、平成30年下期より量産が加速する見通しとなっているEV、PHEV用途電池向けの大量のサンプル出荷及び当第3四半期より設置の大型ライン第8号・9号の生産立ち上げに係る変動費の増加等により大幅に営業利益を圧縮しました。
これらの結果、営業利益は274百万円と、前期比2,096百万円(同△88.4%)の減少となりました。営業外費用は為替差損412百万円(前期は為替差益124百万円)などがあり、結果として、税金等調整前当期純損失は99百万円と、前期比2,579百万円(前期は税金等調整前当期純利益2,479百万円)の減少、親会社株主に帰属する当期純損失は119百万円と、前期比2,065百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,945百万円)の減少となりました。
当期の平均為替レートにつきましては、米ドルが112.13円、1,000韓国ウォンが99.2円となりました。
なお、当社グループはリチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当連結会年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ20百万円(0.2%)増加し、10,529百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは697百万円の収入(前期2,729百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失の計上99百万円、減価償却費の計上1,719百万円があった一方で、たな卸資産の増加365百万円、法人税等の支払額472百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは14,314百万円の支出(前期7,460百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出14,275百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは13,566百万円の収入(前期11,384百万円の収入)となりました。これは主として、短期借入金の純増加額5,387百万円、長期借入による収入9,500百万円があった一方で、長期借入金の返済1,317百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
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事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
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生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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リチウムイオン二次電池用セパレータ |
8,320 |
142.4 |
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合計 |
8,320 |
142.4 |
(注) 1 当社及び連結子会社は、リチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、生産実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの製品は、販売先からの受注による受注生産ですが、生産から納入までの期間が極めて短いため、現実的には販売先からの月次あるいは四半期の購入計画情報を基に、過去の実績、生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っており、受注高及び受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
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事業部門の名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
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販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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リチウムイオン二次電池用セパレータ |
9,517 |
105.2 |
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合計 |
9,517 |
105.2 |
(注) 1 当社及び連結子会社は、リチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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LGグループ |
3,399 |
37.6 |
3,395 |
35.7 |
|
東莞市旭冉電子有限公司 |
2,938 |
32.5 |
3,115 |
32.7 |
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東北村田製作所グループ |
― |
― |
1,477 |
15.5 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前連結会計年度の東北村田製作所グループについては、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略
しております。
5 LGグループには、LG CHEM, LTD.を含んでおります。東北村田製作所グループには、Murata Energy
Device Wuxi Co., Ltd.及びMurata Energy Device Singapore Pte. Ltd.を含んでおります。
当社グループでは、当期までに販売実績をあげた顧客に対しての製品の安定供給化、製品の承認を頂いている顧客への販売量の確保、さらに市場からの高性能・高品質化の要求を受けて、新製品の開発を行っていく必要性があり、今後当社グループでは、以下の点を重要課題として取り組んでまいります。
① 人材確保及び社員教育
当社グループは、リチウムイオン二次電池用セパレータ製造技術における幅広い専門知識と経験を有する優秀な技術者を育成することが中長期的な視点に立った当社グループ戦略のために必要不可欠と考えております。そのため、中途採用による即戦力の確保だけでなく、海外を含めた新卒者の採用にも積極的に取り組んでおります。今後は研修制度の確立及びOJTによる教育制度の強化並びにストック・オプション制度等をはじめとするインセンティブ制度の充実による社員のモチベーションの維持・向上に取り組んでまいります。
② 新規顧客の拡大
当社グループはリチウムイオン二次電池用セパレータを製造し、日本をはじめとしてアジア及び米国を拠点としている顧客を対象として販売活動を行っております。今後は、リチウムイオン二次電池を製造している大手顧客との取引拡大に努め、営業活動を強化してまいります。
③ 資金調達
当社グループは、今後の製品需要の継続的な拡大を見込んでおり、製造設備投資、研究開発投資及び運転資金の増大に対応した資金調達は重要な課題であると認識しており、今後も一層の財務基盤の充実強化を図ってまいります。
なお、資金調達の方針としましては、原則として製造設備投資、研究開発投資資金は内部留保と金融機関からの借入を中心とし、運転資金は金融機関からの借入を中心に調達してまいります。
④ 生産体制の強化
当社グループがリチウムイオン二次電池用セパレータを供給するリチウムイオン二次電池業界は、民生用途の継続的な成長に加え輸送機器用途の本格展開によりリチウムイオン二次電池の需要が増加しており、成長が持続するものと予測されます。
そのような需要の拡大に対して、従来に比べより自立性の高い経営を実現するため、多様な手段により調達した資金によって、市場の拡大に合わせてタイムリーな設備投資を行い、生産能力の強化を図っていく必要があります。
具体的には、今後も生産拠点である韓国において、顧客の需要拡大にタイムリーに対応しながら生産能力の拡大を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① リチウムイオン二次電池用セパレータへの収益の依存について
当社グループは、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売に特化しており、当連結会計年度において、その売上高は当社グループの売上高の全額を占めています。今後につきましてもリチウムイオン二次電池用セパレータの売上が引き続き第一の収益源になると予測しています。
当社グループが開発、製造、販売しているリチウムイオン二次電池用セパレータは国内外のESS(エナジー・ストレージ・システム)、携帯電話、ノートパソコン、電気自動車(EV)、ハイブリッドカー(HEV)など多様な分野で使用されているリチウムイオン二次電池に利用されております。そのため、経済状況の悪化等を原因とした民生用ポータブル機器や輸送用機器などの需要が縮小した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合他社について
当社グループは、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売を事業としている企業と競合関係にあります。 この業界は、大手企業が市場シェアの大半を占めているため、当社グループは後発企業として、それらの大手企業と競合することになると認識しております。既存競合各社は、概して当社グループより大きな顧客基盤を持ち、当社グループより豊富な財源、技術的資源及び人的資源を有しています。これらの当社グループに対する優位性により、競合他社が技術革新を進め、高性能な新製品を開発・販売した場合、または当社グループの製品よりも安価な製品を提供し、さらに自社製品をより効率的に販売促進した場合などにおいて、当社グループが十分な競争力を発揮できない事態となれば、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新とライフサイクルの短期化について
当社グループは、先端の生産技術を駆使した製品を販売しておりますが、近年、リチウムイオン二次電池産業全体の技術革新が加速化しており、リチウムイオン二次電池部材全体の性能改善が強く求められる傾向があります。当社グループは、今後もリチウムイオン二次電池用セパレータの超薄膜化や耐熱性向上の為の研究開発を強化する方針であります。
しかしながら、当社グループの予測よりも早く技術革新が起こった場合、新製品の販売開始時期が遅れ、また、既存製品が陳腐化することが想定され、その結果、市場での競争力を失い当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 製品の品質にかかるリスク
当社グループでは、高品質の製品を安定して供給する努力を継続しておりますが、設備等の不良や顧客要求の厳格化等により計画通りの品質や稼働率を達成できず、結果として販売単価や生産数量が下落する可能性があります。また、当社グループではISO/TS16949に基づいて厳格な品質管理を実施し、出荷製品につきましては細心の注意を払っております。しかし出荷製品の不具合により、製品回収や損害賠償、取引の停止等が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 知的財産権について
当社グループは、リチウムイオン二次電池用セパレータ製造技術に関する特許を保有しており、今後も更なる研究開発を進め、必要に応じて特許を出願する方針であります。しかしながら、当社グループが現在出願している特許及び将来出願する特許の全てが登録されるとは限らず、当社グループの技術やノウハウを必ずしも適切に保護できるとは限りません。
また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように常に留意し、定期的に外部の弁護士・弁理士等を通じて調査をしておりますが、万一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より製造の差し止めや損害賠償などを請求される可能性があります。その場合、当社グループの経営陣が多大な時間と労力の投入を強いられ、弁護士費用等の費用が増加し、当社グループの評判が低下することにより、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 原材料及び燃料の価格変動に関するリスク
当社グループのリチウムイオン二次電池用セパレータの主材料であるポリオレフィンの価格は安定しておりますが、当社グループの生産活動においては、多くの原材料を使用するため、これらについて供給の逼迫や遅延、価格の高騰等が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 特定仕入先への依存に関するリスク
当社グループがリチウムイオン二次電池用セパレータの製造において購入する資材等には、仕入先や供給品の代替が困難なものや、少数特定の仕入先からしか調達できないものがあります。当社グループで使用する資材、部品、その他の機械・装置等が、現在十分確保されていると認識しておりますが、今後、特定の仕入先における経営悪化や天災等の事情により、供給の遅延・中断や供給不足が生じる可能性があります。当社では、代替調達先を用意する努力を継続しておりますが、その場合にも安定供給が可能であるという保証はありません。また、資材価格の値上りが生じた場合、資材の調達に多額の費用が必要となる可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 顧客の集中に関するリスク
当社グループの売上高は、一部特定の企業によって占められており、当連結会計年度における売上高の91.3%を上位5社が占めております。今後も売上の多くを限られた数の顧客に依存することになると予測しております。かかる顧客が当社グループからの製品の購入を大幅に減らさないという保証はなく、また当社グループからの製品の購入を中止しないという保証もありません。そのため、かかる顧客による当社グループの製品の購入が減少した場合や、中止された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ カントリーリスクについて
当社グループ製品の100%は韓国の子会社によって生産されております。また当社グループの海外売上高は、前連結会計年度において8,726百万円(海外売上高の割合96.4%)、当連結会計年度において7,998百万円(海外売上高の割合84.0%)であります。連結子会社W-SCOPE KOREA CO.,LTD.は、販売先の現地におけるサービスを行うために、現在香港・中国深圳に子会社を設立しております。当社グループは今後も国内、韓国、中国、米国のみならず、その他海外向けの販売を強化する計画であるため、地域展開と共に海外の子会社が増える可能性があります。したがって、顧客及び当社グループ子会社が存在する国または地域の政治的、経済的情勢及び政府当局が課す法的な規制の影響またはテロ、戦争、感染症、自然災害その他の要因による社会的混乱により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.は、平成19年8月に韓国財政経済部(現、企画財政部)より、リチウムイオン電池用隔離膜製造事業が韓国における租税特例制限法上の高度技術随伴事業に該当し、同法施行令第116条の2の規定による租税減免の基準を満たしたという判断を受けて租税減免決定を受けております。また、平成27年以降は韓国政府が指定した、外国人投資地域に入居した場合に申請が可能な団地型の租税減免決定を受けております。これらによりW-SCOPE KOREA CO., LTD.は、生産ライン毎に利益を初めて計上した年から3年間に渡り法人税の100%の減免を受け、その後2年間に渡り法人税の50%の減免を受ける優遇税制の適用を受けています。但し、租税特例制限法の規定によりますと大韓民国国民等が外国法人または外国企業の議決権のある株式または出資持分を直接または間接に10%以上を所有し、その外国法人または外国企業が租税減免を受けられる外国人投資を行う場合、大韓民国国民等のその外国法人または外国企業に対する株式所有比率に対しては、租税減免対象になりません。
当連結会計年度末現在の韓国の法人税率は、2億ウォン以下分については10%、2億ウォン超過・200億ウォン以下分については20%、200億ウォン超過分については22%が適用されおり、当連結会計年度末現在においてはW-SCOPE KOREA CO., LTD.は減免率による減免を享受することになっています。しかし、租税特例制限法上の減免税額の追徴事由が発生した場合、かかる優遇税制の適用期間の満了により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
最近2連結会計年度の販売地域別の売上高の内訳
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韓国 |
中国 |
欧米 |
日本 |
計 |
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平成28年12月期(百万円) |
3,525 |
4,720 |
479 |
321 |
9,048 |
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(構成比)(%) |
(39.0%) |
(52.2%) |
(5.3%) |
(3.6%) |
(100.0%) |
|
平成29年12月期(百万円) |
3,488 |
4,477 |
32 |
1,519 |
9,517 |
|
(構成比)(%) |
(36.6%) |
(47.0%) |
(0.3%) |
(16.0%) |
(100.0%) |
⑩ 販売先が海外に集中しており、与信管理や取引先管理が十分に行われないリスク
当社グループはアジア及び米国等の諸外国において主に事業展開しております。海外の国・地域においては商習慣の違いにより取引先との関係構築においても予想し得ないリスク等、予測不可能な事態が生じる可能性があります。当社グループでは、与信管理規程等各種規程を厳格に運用し、与信審査を十分に行い、特に中国市場におきましては、一部は販売協力会社を通じて販売し、また一部は前受金決済でのビジネスにより、売上債権等の未回収リスクの低減を図っております。しかし、予期しない事態により、取引先が不測の債務不履行等に陥り、当社グループが有する債権の回収が困難となる場合には、当社グループの業績等が悪影響を受ける可能性があります。
⑪ 為替変動の影響について
当社グループ製品は、連結子会社W-SCOPE KOREA CO.,LTD.で生産され、世界各国で主に米ドル建で販売活動を行っており、為替レートの変動による影響を受けております。また子会社の外貨建ての利益、費用、資産及び負債の評価は為替レートの変動による影響を受けております。
事業活動において為替変動リスクを完全に排除することは困難でありますので、今後著しい為替変動があった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 設備投資にかかるリスク
当社グループは、現在第10号~第13号ラインへの投資を実施中であります。第14号ライン以降の投資決定に関しましては、市場動向や投資回収について検討の上、迅速に対応する方針です。しかしながら、市場環境の急速な変化や、設備の立ち上げの遅延等により、投資決定時に比べ投資回収期間が長期化することで当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。同様に、当社グループが予定通りの増産計画が達成できなかった場合には、顧客の供給量に関する要求にこたえることができないなどの理由により、当社グループ製品の購入を減少させる又は中止させることで、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑬ 人材の確保と定着に関するリスク
当社グループは製品を開発、製造し、製品についての顧客サポート及びマーケティングを行うため、これらの分野における経験を有する専門性の高い研究者及び装置の開発に熟知している技術者を中心に採用しなければなりません。また、韓国においては、専門性を有する人材はソウルへ一極集中傾向があり、経験者の採用に課題があります。
当社グループにおいても、主要な人材を採用及び確保できない場合、当社グループの事業運営が混乱し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 新規事業に関する投資リスク
当社グループではリチウムイオン電池用のセパレータの開発製造によって培ったメンブレンフィルムの生産技術を他の用途に転用すべく、新規事業として取り組んでいます。現在はメンブレンフィルムを淡水化フィルターなど工業用用途に使用する為のフィルムの開発を行っておりますが、これらが成果をもたらすという保証はなく、研究開発費用の支出の回収が困難となる可能性があります。
⑮特定の人物への依存について
当社グループの取締役はそれぞれ、経営、技術開発、マーケティング、営業戦略、製造戦略等当社グループの業務に関して専門的な知識・技術を有し重要な役割を果たしています。これらの者が当社を退職した場合や、病気等の事情で業務遂行が困難となった場合、後任者の選任に関し深刻な問題に直面する可能性があり、当社グループの事業展開及び経営成績に重要な影響が生じる可能性があります。
⑯ 法的規制等に関するリスク
当社グループが事業を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、独占禁止、製造物責任、環境、労務、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。当社グループは、こうした法令及び規制を遵守し公正な企業活動に努めておりますが、万一当社グループに適用される規制に反することにより、当社グループに制裁金が課されたり、一定の事業活動が強制的に停止させられたりする場合や法令・規制違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利な結果が生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑰ 特徴的な組織構成について
当社グループはグローバルに事業を展開しており、日本本社のほか、韓国、中国に連結子会社を保有しております。その中でも、当社グループの製造拠点を韓国に所在する連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO.,LTD. に集約させるなど、特徴ある組織構成を構築しており、役職員は、日本本社が18名、韓国子会社が485名、中国子会社が7名となっております。また当社は製造業として製造現場を最重要視し、日本本社の取締役5名のうち2名を韓国に駐在させております。
当社グループでは、今後の事業拡大に伴い人員の増強、内部管理体制の一層の充実に努め、複数の国で事業展開を行うにあたってのグループ全体のコミュニケーションの充実を図っていく方針でありますが、必要な人員が確保できない場合や内部管理体制の充実に適切かつ充分な対応ができない場合、国家間の通信手段の途絶等によりグループ全体のコミュニケーション等が迅速に行えないような場合には、当社グループにおけるガバナンスが発揮できなくなるおそれがあり、業務遂行及び事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
⑱ 自然災害、操業上の事故に関するリスク
当社グループが事業を行っている国及び地域では、地震、台風等の自然災害の影響を受ける可能性があります。同様に火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等に大きな被害を受け、その一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産設備において生じうる一定の損失を補償するために、当社グループの財産に対する損害及び製 造の中断をカバーするための保険に加入していますが、かかる保険は生じうる全ての損失や費用をカバーできない可能性があります。そのため自然災害、操業上の事故等により当社グループの制御できない事象により大きな損失を被った場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑲ ストック・オプションについて
当社は、新株予約権方式によるストック・オプション制度を採用しており、当連結会計年度末現在における潜在株式数は1,545,000株で、発行済株式総数31,197,600株に対する割合は、5.0%となります。当社は、当該制度が役員や従業員等の業績向上に対する意欲を持たせることを目的とした有効な制度であると認識しており、今後もストック・オプションの発行を実施する可能性があります。従いまして、当該新株予約権が行使された場合及び新たに発行・行使された場合には当社の株式価値は希薄化することになります。
⑳ 財務制限条項について
当社における長期借入金の一部(当連結会計年度末残高10,466百万円)には財務制限条項が付されており、全ての債務の履行が完了するまで遵守維持するものとなります。これに抵触した場合、借入先金融機関からの通知により当該借入金の期限の利益を喪失し、一括返済することになり、財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 土地の賃貸借に関する契約
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契約社名 |
W-ABLE CO.,LTD(現 W-SCOPE KOREA CO.,LTD.) |
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契約書名 |
梧倉外国人投資地域入居契約書(賃貸) |
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契約先 |
韓国産業団地公団 |
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契約締結日 |
平成17年11月7日 |
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契約期間 |
平成17年11月7日から50年(10年単位再契約) |
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主な契約内容 |
①W-ABLE CO.,LTD(現 W-SCOPE KOREA CO.,LTD.)は、忠清北道清原郡梧倉邑角里 ②賃借料は平成18年12月31日まで㎡当たり112ウォン/月とし、それ以降は産業資 ③外国人投資促進法第13条及び梧倉外国人投資地域管理基本計画による賃借料減 ④賃借料減免の決定以降、W-ABLE CO.,LTD(現 W-SCOPE KOREA CO.,LTD.)が減免資 |
(注) 賃借料減免事項は、契約日平成17年11月より3年以内に外国人投資資金が30,000,000ドルを超えた場合、
土地の賃借料が減免されるというものであります。
入居契約申請の際に提出した工場設立事業契約書による外国人投資計画を履行しない場合または入居契約
後に外国人投資家の持分が30%未満に変動する場合等には同契約は解除されることもあります。また、解
除事由によって契約が解除される場合、これに対する損害賠償を請求することができず、復旧費用等に対
して賠償責任があります。
上記の外国人投資契約に従って契約日以降の現在における累積投資額は30,000,000ドルを超過しており、
外国人投資計画書上の条件は満たしている状態であります。
(2) 土地(第2工場用地)の賃貸借に関する契約
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契約社名 |
W-SCOPE KOREA CO., LTD. |
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契約書名 |
梧倉外国人投資地域入居契約書(賃貸) |
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契約先 |
韓国産業団地公団 |
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契約締結日 |
2015年7月1日 |
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契約期間 |
2015年7月1日から2055年11月6日(第1工場最大賃貸期間)まで |
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主な契約内容 |
① W-SCOPE KOREA CO., LTD.は、忠清北道清原郡梧倉邑角里653-11にある用地 ② 年間賃貸料は㎡当り、該当年度の個別公示価(取得価額が個別公示価より高い ③“入居企業”が外国人投資地域の運営指針第15条による入居限度以上の外国人 ④“韓国産業団地公団”が賃貸料減免決定以降に“入居企業”が虚偽に減免決定
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(注)賃借料減免事項は、2020年6月30日以内に外国人投資資金が8,498,361ドルを超えた場合、土地の賃借料が
減免されるというものであります。
入居契約申請の際に提出した工場設立事業契約書による外国人投資計画を履行しない場合または入居契約後
に外国人投資家の持分が30%未満に変動する場合等には同契約は解除されることもあります。また、解除事由
によって契約が解除される場合、これに対する損害賠償を請求することができず、復旧費用等に対して賠償
責任があります。
(3) 土地(第3工場用地)の賃貸借に関する契約
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契約社名 |
W-SCOPE KOREA CO., LTD. |
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契約書名 |
梧倉外国人投資地域入居契約書(賃貸) |
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契約先 |
韓国産業団地公団 |
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契約締結日 |
2016年10月21日 |
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契約期間 |
2016年10月21日から2055年11月6日(第1工場最大賃貸期間)まで |
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主な契約内容 |
① W-SCOPE KOREA CO., LTD.は、忠清北道清原郡梧倉邑角里653-10にある用地 ② 年間賃貸料は㎡当り、該当年度の個別公示価(取得価額が個別公示価より高い ③“入居企業”が外国人投資地域の運営指針第15条による入居限度以上の外国人 ④“韓国産業団地公団”が賃貸料減免決定以降に“入居企業”が虚偽に減免決定
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(注)賃借料減免事項は、2021年10月20日以内に外国人投資資金が7,896,651ドルを超えた場合、土地の賃借料が
減免されるというものであります。
入居契約申請の際に提出した工場設立事業契約書による外国人投資計画を履行しない場合または入居契約後
に外国人投資家の持分が30%未満に変動する場合等には同契約は解除されることもあります。また、解除事由
によって契約が解除される場合、これに対する損害賠償を請求することができず、復旧費用等に対して賠償
責任があります。
(4)土地の賃貸借に関する契約
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契約社名 |
W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD. |
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契約書名 |
忠州外国人投資地域入居契約書(賃貸) |
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契約先 |
韓国産業団地公団 |
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契約締結日 |
2016年12月15日 |
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契約期間 |
2016年12月15日から50年(10年単位再契約) |
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主な契約内容 |
① W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.は、忠清北道忠州市大召院面にある用地 ② 年間賃貸料は㎡当り、該当年度の個別公示価(取得価額が個別公示価より高い ③“入居企業”が外国人投資地域の運営指針第15条による入居限度以上の外国人 ④“韓国産業団地公団”が賃貸料減免決定以降に“入居企業”が虚偽に減免決定
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(注)賃借料減免事項は、2021年12月14日以内に外国人投資資金が33,435,513ドルを超えた場合、土地の賃借料が
減免されるというものであります。
入居契約申請の際に提出した工場設立事業契約書による外国人投資計画を履行しない場合または入居契約後
に外国人投資家の持分が30%未満に変動する場合等には同契約は解除されることもあります。また、解除事由
によって契約が解除される場合、これに対する損害賠償を請求することができず、復旧費用等に対して賠償
責任があります。
当社グループは、リチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、研究開発活動は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当連結会計年度における研究開発活動は、市場の新たなニーズに応えることのできるリチウムイオン二次電池用セパレータの開発、安定的な高品質製品の供給に資する生産システムの開発を目的として、日々活動しております。
また今後も引き続き、高品質なリチウムイオン二次電池用セパレータの開発及び生産効率向上に向けて鋭意努力してまいります。
当社グループの研究開発活動は、連結子会社W-SCOPE KOREA CO.,LTD.に設置した研究所(構成メンバー18名)及び当社開発部(構成メンバー2名)により遂行しております。
当社グループでは、リチウムイオン二次電池用セパレータの耐熱性改善、高容量化及びリチウムイオン二次電池以外の電池用セパレータの開発を中心として、以下のような研究を行っております。
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テーマ |
テーマ |
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品質改善(ポリマー、プロセス等) |
燃料電池用膜の基礎研究 |
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コーティングセパレータ(セラミック、ポリマー) |
水処理用膜 |
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レドックスフロー電池用セパレータ |
新規用途探索 |
これらの研究開発活動により、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は262百万円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、投資有価証券の評価、繰延税金資産の計上、退職給付債務及び年金資産の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。これらの見積りは、過去の実績等を慎重に検討した上で行い、見積りに対しては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。
(2) 経営成績の分析
(売上高)
当社グループの販売は民生用途が売上の65%程度を占めます。民生用途においては特に電動工具等のパワー系電池及びスマートフォン用途の販売が主要な市場となっております。一方で35%程度を占める車載用途では中国政府の助成金政策の変更に伴い一時的に電池メーカーの生産性が低下した時期がありましたが、概ね回復しております。また大手電池メーカー各社からの、欧米EV用途向けセパレータサンプル需要の急増への対応と、量産体制の確立への取り組みを継続しております。
連結売上高の47.0%を占める中国市場では新エネルギー車(EVおよびHEV)向けが大きな割合を占めますが、当期は助成金政策の対象となる電池スペックの変更に伴い、電池メーカーの生産が一時低下した期間もあったことを受け、対前期比5.1%の減少となりました。
韓国市場においては韓国大手バッテリーメーカーLGグループへの販売が中心となっておりますが、客先が一時的に特定市場での売り上げを減らしたことに伴い、対前期比1.1%の減少となりました。
日本での販売は東北村田製作所グループ各社への販売が引き続き増えており、対前期比372.0%増となり今後も安定的に供給量を増やす見通しとなっております。
当社グループでは輸送機器向け案件を中心とした顧客各社の旺盛な需要を背景に生産能力増強を継続しております。平成29年下期には大型成膜ラインである第8、9号ラインが量産稼働へ移行しました。更に平成30年上期には新生産子会社であるW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.での累計第10、11号ラインの量産開始を予定しております。
これらの結果、売上高は9,517百万円と、前期比469百万円(対前期増減率5.2%)の増加となり、販売顧客・販売地域の多様化を更に進めました。
(売上総利益)
当社グループの当連結会計年度の売上総利益は、1,599百万円(前期比52.9%減)となりました。
売上総利益率は16.8%と、前期比で20.7ポイント減少しております。主な要因は、労務費や減価償却費等の固定費増加の他、新規大型ライン8号、9号の生産立ち上げに係る原材料等の変動費増加によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当社グループの当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,324百万円となりました。販売費及び一般管理費のうち主要なものは役員報酬160百万円、給与手当229百万円、支払報酬73百万円、支払手数料239百万円であります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は274百万円(前期比88.4%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当社グループの当連結会計年度の営業外収益は、主に助成金収入67百万円により144百万円となり、営業外費用は、主に支払利息84百万円、為替差損412百万円により527百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常損失は108百万円(前期は経常利益2,479百万円)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当社グループの当連結会計年度の特別利益は、新株予約権戻入益8百万円となり、特別損失の発生はありませんでした。この結果、税金等調整前当期純損失は99百万円(前期は税金等調整前当期純利益2,479百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は119百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,945百万円)となりました。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産につきましては46,674百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,279百万円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。
(資産)
流動資産につきましては14,985百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,166百万円の増加となりました。これは主として、商品及び製品の増加377百万円、原材料及び貯蔵品の増加149百万円、受取手形及び売掛金の増加419百万円によるものであります。固定資産につきましては31,688百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,112百万円の増加となりました。これは主として、建物及び構築物の増加2,205百万円、機械装置及び運搬具の増加6,655百万円、建設仮勘定の増加6,104百万円によるものであります。
(負債)
負債につきましては23,725百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,001百万円の増加となりました。流動負債につきましては9,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,357百万円の増加となりました。これは主として、短期借入金の増加5,754百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加749百万円によるものであります。固定負債につきましては14,631百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,644百万円の増加となりました。これは主として、長期借入金の増加7,432百万円によるものであります。
(純資産)
純資産につきましては22,948百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,277百万円の増加となりました。これは主として、為替換算調整勘定の増加2,409百万円によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池用セパレータ事業におきましては、輸送機器用途市場の中長期的拡大が見込まれ、これに伴いリチウムイオン二次電池の主要部材であるセパレータにつきましても需要拡大が見込まれております。さらに民生用途では、電池の高エネルギー密度化に伴う高付加価値セパレータの販売が伸びる見込みであり、輸送用機器用途では、中国のみならず欧米の各自動車メーカーからのEV、PHEVの多数の新モデル発売が予定されております。このような市場環境からリチウムイオン二次電池用セパレータ市場は引き続き顕著な成長が期待されます。
当社グループでは上記のような市場の拡大に備え、設備投資を継続実施しており、平成30年期初で9本の量産成膜ラインが稼働し、更に上期にWCPにおいて第10、11号大型成膜ラインの完工および量産移行(第2四半期中)の見込みとなっております。更に、コーティングセパレータの需要増加に伴い、WSK第3工場にて累計6本のコーティングラインの稼働を予定しております。
これらを勘案し、民生用途では韓国及び日本の主要顧客との取引拡大に加え、新規顧客獲得により大幅な売上増加を見込んでおります。輸送用途においても中国市場に加え、欧米自動車業界への電池供給者となる顧客との取引開始を目論み、引き続き旺盛な拡大を予定しております。