第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 重要事象等

当社グループは前連結会計年度において営業損失、経常損失を計上しており、当第2四半期連結累計期間においては、新規EV用途案件の量産を開始した一方で、一昨年来継続している同案件等のサンプル費用及び製造ライン承認のための稼働費用等が増加した結果、継続して営業損失、経常損失を計上しております。また、当連結会計年度において経常損失を計上した場合には、一部の長期借入金に係る財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失することとなります。

これらの状況により、継続企業の前提に関して重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消、改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間の世界経済は米中貿易摩擦の影響に対する先行き不安から景気の減速感が高まりつつあり、欧州経済でも製造業の業況悪化が顕著となり企業の景況感は悪化傾向にあります。中国においても、米国との貿易摩擦から輸出の伸びが鈍化し経済の減速が続いております。
 当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池用セパレータ事業においては、民生用途において中国製品の米国向け輸出停滞の影響を受けており、中国自動車市場においては助成金の削減に伴うEV販売の伸び悩みが見られる状況となりました。一方で、欧州自動車メーカー各社のEV事業は順調に量産を開始しており、本年下期以降には安定的な量産が進む見通しとなっております。
 このような状況下で、特に欧州自動車メーカー向けの量産供給を目指す主力電池メーカー各社は、引き続き生産能力の拡大を継続しております。従来、電池量産工場は、日本、韓国、及び中国に集中していましたが、電池メーカー各社とも自動車メーカーの製造拠点に合わせ、欧州や米国への電池製造投資計画の公表も続いております。
 このような市場環境の中で、当社では先に締結した顧客との長期供給量の合意に沿ってセパレータの大型製造ラインの設備投資を続け生産能力と生産性を向上させ、急増するEV需要に対応すべく準備を整えております。更に、リチウムイオン電池の高電圧・高容量化に対応すべく従来製品以上に安全性担保のできる製品開発にも取り組んでおります。
 当期には新規EV案件の量産供給も順調に進み売上高を伸ばしておりますが、一方では当社主要顧客の中国工場において中国からの輸出用ハイエンド製品に搭載される電池の生産量の大幅な減少が見られ、6月単月でこれら市場向けに期初計画比約5億円の売上減少となりました。これらの結果から当第2四半期連結売上高は、5,798百万円(前年同四半期比37.2%増)となりました。
  地域別には、韓国向け売上高において、従来からの主要顧客であるSamsung SDIグループの需要の伸びが大きく、3,627百万円(同60.4%増)となりました。一方、中国向けの売上高は引き続き債権回収を優先しながら継続していることから886百万円(同30.0%減)となりました。また、日本顧客向け販売に関しては民生用途需要の安定的な伸びから980百万円(同40.2%増)となりました。
 営業利益においては、EV案件需要の本年下期からの供給量の急増に備え追加のライン認定を前倒しで実施したことにより、研究開発費が前年同四半期比約4億円増加した他、増産対応のための人員増による人件費が約7億円増加、主要顧客の需要増に備えた設備投資を継続していることから減価償却費が約5億円の増加となっております。
 これらの結果、営業損失は2,415百万円(前年同四半期は875百万円の営業損失)となりました。
 製造の状況に関しては、W-SCOPE KOREA CO., LTD.の製造ライン9本は、一部のラインでEV案件のサンプル生産及びライン認定のための量産実験に取り組んでおりましたが、概ね全製造ラインにおいて順調に稼働しております。昨年下期に据え付けを完了したW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.の累計第10、11号ラインにおいては量産販売を開始し、更に主要顧客向け技術承認用サンプルの製造にも並行して取り組んでおります。更に累計12、13号ラインの据え付けもほぼ完了し下期から試運転を開始します。
 営業外費用は為替差損237百万円(前年同四半期は為替差益286百万円)などがあり、結果として、税金等調整前四半期純損失は2,775百万円(前年同四半期は税金等調整前四半期純損失622百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2,466百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失520百万円)となりました。
 平均為替レートにつきましては、当第2四半期連結累計期間の対1米ドルが前年同四半期比で約1.3円円安の110.02円、対1米ドルが前年同四半期比で70.61ウォンウォン安の1,146.01ウォン、対1,000ウォンでは前年同四半期比で約5.1円円高の96.0円となりました。

当第2四半期連結会計期間末における総資産につきましては53,160百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,663百万円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。
(資産)
 流動資産につきましては7,578百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,255百万円の減少となりました。これは主として、現金及び預金が2,759百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては45,581百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,919百万円の増加となりました。これは主として、機械装置及び運搬具が6,804百万円増加したことによるものであります。
(負債)
 負債につきましては39,866百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,215百万円の増加となりました。流動負債につきましては15,793百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,719百万円の増加となりました。これは主として、未払金の増加1,354百万円や短期借入金の増加1,213百万円によるものであります。固定負債につきましては24,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,495百万円の増加となりました。これは主として、長期借入金の増加6,143百万円によるものであります。
(純資産)
  純資産につきましては13,293百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,550百万円の減少となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上2,466百万円、為替換算調整勘定の減少2,031百万円によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,759百万円減少し、2,548百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,157百万円の支出(前年同四半期は90百万円の支出)となりました。これは主として、減価償却費1,719百万円があった一方で、税金等調整前四半期純損失2,775百万円があったことによるものであります。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、9,934百万円の支出(前年同四半期は4,154百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出9,913百万円によるものであります。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー) 

当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、8,492百万円の収入(前年同四半期は5,496百万円の収入)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1,658百万円、配当金の支払額78百万円があった一方で、長期借入れによる収入8,687百万円、短期借入金の純増減額1,534百万円があったことによるものであります。

 

 

(3) 継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策

当社グループは前連結会計年度において営業損失、経常損失を計上しており、当第2四半期連結累計期間においては、新規EV用途案件の量産を開始したことにより売上が増加基調にある一方で、一昨年来継続している同案件等のサンプル費用及び製造ライン承認のための稼働費用等が増加した結果、営業損失、経常損失を計上しております。また、当連結会計年度において経常損失を計上した場合には、一部の長期借入金にかかる財務制限条項に抵触することとなり、当該財務制限条項が適用された場合には、期限の利益を喪失することとなります。
 当社グループは当該状況を解消すべく、新たな中期経営計画を策定し、金融機関の支援を受けながら、来期の黒字化に向け強い意志で取り組んでおります。第3四半期以降、先に締結した顧客との長期供給量の合意に基づく新規EV用途案件の出荷拡大や製造ラインの稼働率上昇等によるコスト低減等による営業利益の稼得に取り組むほか、既存融資残高を有する金融機関とは緊密にコミュニケーションを取りながら引き続き支援を得られる体制を確保するとともに、中期経営計画を着実に遂行していくための資金調達についても複数の金融機関等と具体的な協議を進めております。
 従って、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在するものの、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は536百万円であります。

 

(5) 従業員数

連結会社の状況

当第2四半期連結累計期間において、当社グループは業容の拡大に伴い、295名人員が増加しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。