継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは前連結会計年度において2期連続で営業損失を計上し、また、継続して経常損失を計上したこと等により当社の長期借入金及び連結子会社の転換社債型新株予約権付社債の期限の利益に係る財務制限条項等に抵触しており、同財務制限条項等が適用された場合、長期借入金等に係る期限の利益を喪失することとなります。これらの状況から、前連結会計年度末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が存在しています。
当社グループは当第1四半期連結累計期間において、「2経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析(2)継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策」に記載のとおり、当該重要事象
等を解消、改善するための対応策を講じておりますが、これらの対応策は実施途上にあり、今後の事業進捗や資金調
達の状況等によっては、当社の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、当第1四半期連結会計期間末
においても継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、このような継続企業の前提に関する重要な不確
実性の影響を四半期連結財務諸表に反映しておりません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、米中貿易摩擦等の影響から回復の兆しが見えたものの、中国に始まっ
たコロナウイルス感染拡大の影響を受け世界的に生産活動の減速が懸念される状況となりました。中国においては
春節明けの製造業の生産再開が例年より2週間から1カ月程度遅れました。すでに2月に中国向け輸出の低迷から
景気が悪化していた欧米でもコロナウイルスの感染拡大が進み、3月にはパンデミック宣言が発せられる状況とな
りました。
当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池セパレータ事業においては、昨年後半から生産販売量が
急増した欧州自動車OEM向けハイエンド車載用電池向けの需要は安定しており期初計画通りの製造販売を続けてき
ました。その結果として自動車セグメントの売上構成比は2019年第4四半期で約63.7%であったものが当第1四半
期では約68.6%にまで拡大しました。これらの要因により当第1四半期連結売上高は4,520百万円となり、前年同期
比1,918百万円(同73.7%増)の増収となりました。
地域別には、韓国顧客に対して車載用電池向け販売が大幅に伸び、4,052百万円(前年同期比2,374百万円増
(141.5%増))となりました。一方で中国顧客に対しては、引き続き債権回収を優先しながらの販売になったため
売上が減少し300百万円(前年同期比12.3%減)、日本顧客に対しては、民生需要が落ち込んで売上が減少し159百万
円(前年同期比68.7%減)となりました。
営業利益に関しては、売上高の増加のほか、コスト面では、製造ライン投資により減価償却費が538百万円増加、
生産規模拡大のための人員増により人件費が305百万円の増加、車載用電池向けの量産が開始したこと等による研究
開発費が269百万円減少、その他生産量の拡大に伴う製品単位当たりの製造固定費負担の減少等により、営業損失は
前年同期比で951百万円改善し、365百万円(前年同期は 1,316百万円の営業損失)となりました。
製造の状況に関しましてはW-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下WSK)の一部製造ラインにおいて昨年上期に民生用途
製造ラインを改造しEV用途製品の量産を開始しましたが、引き続き歩留まりの改善に取り組みながら量産を継続し
ております。一方で一部の民生用途専用ラインにおいては、新製品の量産実験に注力してまいりました。
W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下WCP)においては、昨年下期に稼働を始めた累計12,13号ラインは車載用
セパレータの量産供給を順調に伸ばし、当期の売上高増に大きく貢献しました。一部の製造ラインにおいては民生
案件の受注低調による生産調整は有ったものの、それらの製造ラインを利用し車載用新製品量産実験を実施しまし
た。
営業外費用は支払利息556百万円や為替差損248百万円などがあり、結果として、税金等調整前四半期純損失は
1,104百万円(前年同期は税金等調整前四半期純損失1,404百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は910
百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,202百万円)となりました。
当第1四半期連結累計期間の平均為替レートにつきましては、1米ドルが108.87円、1,000韓国ウォンが91.1円と
なりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産につきましては67,066百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,061百万円減少しました。主な要因は以下のとおりであります。
(資産)
流動資産につきましては18,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,732百万円の減少となりました。これは主として、現金及び預金が2,493百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては48,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,329百万円の減少となりました。これは主として、機械装置及び運搬具が2,775百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債につきましては54,569百万円となり、前連結会計年度末に比べ313百万円の減少となりました。流動負債につきましては14,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ581百万円の減少となり、著増減はありませんでした。固定負債につきましては40,152百万円となり、前連結会計年度末に比べ268百万円の増加となりました。これは主として、転換社債型新株予約権付社債の増加1,145百万円があった一方で、長期借入金が1,179百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては12,496百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,749百万円の減少となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上910百万円、為替換算調整勘定の減少1,837百万円によるものであります。
当社グループは「1 事業等のリスク 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に
関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当社グループはこのような状況を解消す
べく、先に締結した顧客との長期供給量の合意に基づくハイエンド車載用電池向け等の出荷拡大や製造ラインの稼
働率上昇等によるコスト低減による当連結会計年度の黒字化に向けて取り組んでおります。また、資金面では、当
連結会計年度以降の事業計画等をもとに各金融機関等に対し説明を行い、その結果、財務制限条項等が付された借
入について韓国子会社2社(W-SCOPE KOREA CO.,LTD.、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.)による保証差入及び返
済条件の見直し、担保設定を行うことにより、前期末の財務制限条項抵触に係る期限の利益喪失請求権を行使しな
い旨の合意をすべての金融機関等から得ており、現在は上記条件等に係る覚書締結等の手続きを進めています。金
融機関から提示された上記条件を含め今後1年に必要となる資金の調達については、現在も複数の金融機関等との
間で具体的な協議を進めています。
なお、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.による当社借入金に対する保証差入については同社の社債権者の同意が
必要とされており、社債権者の同意を得るべく手続きを進めています。
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は114百万円であります。
転換社債型新株予約権付社債に関する契約