当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。なお、重要事象等については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策」をご参照ください。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済は回復基調にあるものの、物価上昇圧力を背景に米国をはじめとした各国での金融引き締めにより景気下振れリスクの顕在化による景気回復ペースの鈍化が懸念されています。一方、当社事業に影響の大きいEV市場に関しては、自動車業界全体で部品不足が続いている中でもEVの生産・販売の優先順位が上がっていることから、好調な受注に対応すべく生産が進んでいます。
当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池セパレータ事業においては、欧米を中心とした景気回復の基調とEV市場の安定成長に支えられ、当第3四半期連結会計期間の販売数量は主要顧客の需要は計画通りの増加となりました。その結果、車載用電池向けの売上高は15,447百万円となり前年同期比41.5%の増加となりました。また、民生用途も電動工具、コードレス家電およびE-Bike用途のハイエンド電池向けの需要は安定しており、売上高は16,996百万円となり前年同期比80.3%増加して推移しております。これらの要因により当第3四半期連結売上高は32,444百万円となり、前年同期比12,114百万円(同59.6%増)の増収となりました。
顧客別には、韓国顧客に対して車載用電池向け及び民生向け需要が引き続き増加しており、売上高は31,125百万円となり、前年同期比11,601百万円(同59.4%増)の増収となりました。
営業利益に関しては、売上高が前年同期比12,114百万円の増収となった一方で、販売数量の増加に伴い原材料費1,624百万円、減価償却費1,311百万円、人件費1,063百万円など、売上原価等の費用が前年同期比7,309百万円増加しました。なお、当第1四半期連結会計期間に負担が大きかった水道光熱費は、当第2四半期連結会計期間で前年同期比995百万円の増加となりましたが、当第3四半期では増加額が鈍化し、前年同期比1,503百万円の増加にとどまりました。また、研究開発費に関しては当第2四半期に引き続き、車載用途新モデルの開発費及び生産性改善のための工程テストの費用を中心に443百万円の増加となりました。また、世界的なコスト上昇が継続している中、生産性の改善が継続しており、当第3四半期連結会計期間の3か月間における営業利益率は20.2%となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業利益は前年同期比で4,804百万円増加し、5,227百万円(前年同期は422百万円)となり、営業利益率は16.1%(前年同期比14.0%増加)となりました。
製造の状況に関しては、W-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、WSK)においては引き続き生産効率改善に取り組みW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)においては前年第4四半期連結会計期間から量産稼働を開始した累計14・15号の生産量も安定したことから、製膜ライン生産数量を大きく増やしております。また、WSK,WCPのコーティングラインでは既存ラインの製造工程改良に取り組んでおり、これにより生産性が大きく向上しております。
営業外収益は米ドル建て債権債務で為替評価差益2,211百万円を計上しており、営業外費用として支払利息455百万円、当第1四半期連結会計期間に発生した転換社債型新株予約権付社債に係るオプション評価損17百万円などがありました。結果として、税金等調整前四半期純利益は7,102百万円(前年同期は税金等調整前四半期純損失3,801百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,690百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失3,486百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間の平均為替レートにつきましては1米ドルが127.97円、1,000韓国ウォンが100.9円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産につきましては133,855百万円となり、前連結会計年度末に比べ50,489百万円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。
(資産)
流動資産につきましては66,651百万円となり、前連結会計年度末に比べ40,479百万円の増加となりました。これは主として、現預金が31,339百万円増加したことに加え、売掛金が5,685百万円、棚卸資産が2,067百万円増加したことによるものであります。固定資産につきましては67,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,009百万円の増加となりました。これは主として、建設仮勘定が12,321百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債につきましては25,779百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,153百万円の減少となりました。流動負債につきましては16,681百万円となり、前連結会計年度末に比べ116百万円の増加となりました。これは主として、短期借入金が595百万円、1年内返済長期借入金が330百万円、未払金が239百万円それぞれ増加した一方で、未払法人税等が1,500百万円減少したことなどによるものです。固定負債につきましては9,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,270百万円の減少となりました。これは主として、長期借入金の減少1,646百万円、転換社債型新株予約権付社債の減少2,695百万円、オプション負債の減少3,137百万円などによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては108,075百万円となり、前連結会計年度末に比べ57,642百万円の増加となりました。これは主として、為替換算調整勘定が1,091百万円増加、資本剰余金が12,234百万円増加、非支配株主持分が40,420百万円増加したことによるものであります。
当社グループは前連結会計年度に営業損益が黒字転換し、営業活動によるキャッシュ・フローのプラスを計上しましたが、当社は継続して営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスを計上しており、当期においても連結子会社を含めた資金繰りを考慮する必要があります。そのため、当第2四半期連結会計期間において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していました。
当社グループはこのような事象又は状況を解消すべく、昨年から顧客との長期供給量の合意に基づくハイエンド車載用電池向け等の出荷拡大により売上を拡大しており、また、WCPの新設大型成膜ラインの稼働によりWSKで生産していた製品をWCPの新設ラインでの製造にシフトして生産品目の切替を行い、生産の最適化を実現してコスト低減を促進した結果、WSKは前第4四半期連結会計期間から営業利益を計上し、当第3四半期連結累計期間の営業キャッシュ・フローはプラスとなっています。当社グループでは、前第4四半期連結会計期間から引き続き、長期供給合意を締結している顧客を中心に売上の拡大を図るとともに生産の最適化を実現して、継続的な利益の創出に取り組んでいます。
また、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)は、2022年9月30日に韓国証券市場であるKOSDAQ(コスダック)市場に株式上場を行い、資金調達資金432,000百万KRW(約43,500百万円)のうち約1,000百万円(税引き前)は当社の株式売出しによるものです。
以上の当社グループによる対応策の結果、当第3四半期連結会計期間末において当社の資金繰りは改善し、当面の間の運転資金が充分に賄える状況であることから、当社グループは継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在せず、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は844百万円であります。
(自社株価予約取引契約)
当社は株式会社SBI証券と自社株価予約取引契約を締結しました。
本契約の概要は、以下の通りです。
(連結子会社株式の一部売却)
当社は、当社が所有する連結子会社であるW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)の株式の一部売却を行いました。なお、詳細につきましては、「第4 経理の状況 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。