第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

売上高

(百万円)

7,448

9,048

9,517

8,731

13,167

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

2,054

2,479

108

3,305

3,950

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

1,829

1,945

119

2,861

3,517

包括利益

(百万円)

1,235

1,387

2,289

5,048

5,325

純資産額

(百万円)

12,405

20,670

22,948

17,844

15,245

総資産額

(百万円)

17,047

30,394

46,674

47,496

70,127

1株当たり純資産額

(円)

435.01

665.73

734.23

569.12

418.31

1株当たり当期純利益
金額又は

当期純損失金額(△)

(円)

64.52

65.28

3.85

91.53

108.35

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

62.08

61.46

自己資本比率

(%)

72.5

67.8

49.1

37.5

21.7

自己資本利益率

(%)

15.6

11.8

0.6

14.1

21.3

株価収益率

(倍)

34.9

26.8

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

2,668

2,729

697

943

2,087

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

3,562

7,460

14,314

9,825

16,225

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

924

11,384

13,566

5,644

25,833

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

3,948

10,508

10,529

5,308

12,619

従業員数

(名)

289

383

502

618

1,046

 

(注) 1  売上高には、消費税等は含まれておりません。

   2  当社は、2016年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第11期の期
      首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額又は当期純損失
      金額(△)及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を算定しております。

3 第13期より金額の表示単位を千円単位から百万円単位に変更しております。なお、比較を容易にするため、第12期以前につきましても百万円単位で表示しております。

4 第13期から第15期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

5 第13期から第15期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

売上高

(百万円)

1,266

807

1,596

1,883

2,749

経常利益

(百万円)

1,253

406

1,124

207

58

当期純利益又は

当期純損失(△)

(百万円)

1,216

382

1,075

196

34

資本金

(百万円)

4,131

7,633

7,676

7,692

9,094

発行済株式総数

(株)

14,206,600

30,956,600

31,197,600

31,299,600

36,369,600

純資産額

(百万円)

10,112

17,373

18,436

18,577

21,268

総資産額

(百万円)

13,725

25,608

35,132

39,531

42,801

1株当たり純資産額

(円)

354.33

559.21

589.60

592.52

583.92

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

10.00

(-)

2.50

(-)

2.50

(-)

2.50

(-)

(-)

1株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額(△)

(円)

42.88

12.83

34.54

6.28

1.07

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

41.26

12.08

33.12

6.06

自己資本比率

(%)

73.4

67.6

52.4

46.9

49.6

自己資本利益率

(%)

13.0

2.8

6.0

1.1

0.2

株価収益率

(倍)

52.5

136.4

67.8

186.6

配当性向

(%)

11.66

19.49

7.24

39.81

従業員数

(名)

6

8

10

10

10

株主総利回り

(%)

642.5

500.7

669.8

337.5

295.3

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(112.1)

(112.4)

(137.4)

(115.5)

(136.4)

最高株価

(円)

2,250

3,675

2,495

2,410

1,887

最低株価

(円)

335

1,297

1,331

773

540

 

(注) 1  売上高には、消費税等は含まれておりません。

   2  当社は、2016年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第11期の期
      首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整
      後1株当たり当期純利益金額を算定しております。

3  第11期の1株当たり配当額には、創立10周年記念配当5円を含んでおります。なお、第11期の1株当たり配当額については、基準日が2015年12月31日であるため、2016年7月1日付の株式分割(1:2)は加味しておりません。

4 第13期より金額の表示単位を千円単位から百万円単位に変更しております。なお、比較を容易にするため、第12期以前につきましても百万円単位で表示しております。

5 第15期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

6 第15期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

7 第15期の配当性向については、無配であるため記載しておりません。

 

2 【沿革】

当社は、2005年にリチウムイオン二次電池用セパレータ(ポリオレフィン微多孔膜(注))(以下「リチウムイオン二次電池用セパレータ」という)の開発製造・販売を目的として設立されました。当社設立以後の企業集団に関わる経緯は次のとおりであります。

 

年月

概要

2005年10月

神奈川県横浜市港北区にリチウムイオン二次電池用セパレータの開発製造、販売会社として設立(資本金54,000千円)
同時に大韓民国忠清北道に子会社W-ABLE CO.,LTD.(現・連結子会社)を設立

2005年11月

同社の外国人投資企業登録が完了

2006年5月

本社を神奈川県川崎市高津区に移転

2007年3月

子会社W-ABLE CO.,LTD. がISO14001認証を取得

2007年8月

同社が韓国財政経済部よりリチウムイオン電池用隔離膜製造事業に対し租税減免決定を受ける

2008年2月

同社がW-SCOPE KOREA CO.,LTD.に社名変更

2008年12月

同社が韓国知識経済部の部品素材専門企業認証取得

2009年7月

同社がISO/TS16949認証取得

2010年10月

同社がベンチャー企業として地域経済発展に貢献したとして韓国中小企業庁長官賞及び韓国忠清北道知事賞授賞

2011年1月

香港に同社の子会社としてW-SCOPE HONGKONG CO.,LIMITED(現・連結子会社)を設立

2011年2月

中国深圳にW-SCOPE KOREA CO.,LTD.の駐在事務所を設立

2011年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2012年3月

台湾にW-SCOPE KOREA CO.,LTD.の駐在事務所を設立

2012年5月

本社を東京都品川区に移転

2014年2月

中国深圳に同社の子会社としてW-SCOPE New Energy(Shenzhen) CO., Limited(現・連結子会社)を設立

2014年4月

台湾のW-SCOPE KOREA CO.,LTD.駐在事務所を閉鎖(W-SCOPE HONGKONG CO.,LIMITEDに移管)

2014年6月

中国深圳のW-SCOPE KOREA CO., LTD. 駐在事務所を閉鎖(W-SCOPE New Energy(Shenzhen) CO.,Limitedに移管)

2015年11月

東京証券取引所市場第一部に市場変更

2016年10月

大韓民国忠清北道に当社子会社として、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.(現・連結子会社)を設立

 

(注)ポリオレフィン微多孔膜

ポリオレフィン微多孔膜の性質は「無数の穴があって表面積が多いこと」であり、ポリオレフィン微多孔膜は物質の分離機能、隔膜機能等が生かされた用途に使用されています。

 

3 【事業の内容】

当社及び当社の関係会社は、当社と連結子会社4社(W-SCOPE KOREA CO.,LTD.、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.、W-SCOPE HONGKONG CO.,LIMITED、W-SCOPE New Energy(Shenzhen) CO.,Limited)の合計5社(以下、「当社グループ」)で構成されております。当社グループはリチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売を主たる事業とし、日本、韓国、中国及び米国に拠点を置くリチウムイオン二次電池メーカーを主要な顧客としております。

リチウムイオン二次電池の主要材料は、正極材、負極材、電解液、セパレータであり、4つの主要材料以外に、銅箔、バインダー、添加剤など関連部材は、20~30点ありますが、リチウムイオン二次電池の性能と価格は主要材料によってほとんど決定されております。                     

当社グループの主要製品のセパレータには、一般的にポリオレフィン製の微多孔膜が用いられており、正極材と負極材を隔離しつつ、正極・負極間のリチウムイオンの伝導性を確保する役割があります。また電池が異常発熱し高温状態になった場合、ポリオレフィンが溶融して孔を塞ぐ安全機構(シャットダウン特性)により、リチウムイオンの移動を阻止して安全に電池の機能を停止させる重要な役割があり、電池の安全性を担っています。

またセパレータは、リチウムイオン二次電池の繰り返し充放電機能を支える中核部品であり、製造においては高分子設計、高分子材料加工(フィルム化、多孔質化)など複数の技術が必要とされております。具体的には、数ミクロンレベルでの厚さの作り分け及び厚さ管理が要求され、さらに直径100ナノメートル前後の微孔を均一に分布させる高い技術と製造ノウハウが必要とされております。

 

当社製品出荷仕様


 

 

当社製品5万倍拡大写真


 

 

 

リチウムイオン二次電池用セパレータの最終製品への流れは、以下のとおりであります。


 

 

(当社グループの生産・販売・研究開発体制)

 当社グループの製品の製造は、連結子会社W-SCOPE KOREA CO., LTD.と連結子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD. で行っております。当社グループでは当社にて日本、北米、ヨーロッパ市場及びグループ全体での営業活動を統括し、連結子会社のW-SCOPE KOREA CO., LTD.にて韓国市場を、W-SCOPE KOREA CO., LTD.の連結子会社W-SCOPE HONGKONG CO., LIMITED及びW-SCOPE New Energy (Shenzhen) CO., Limitedにて中国、香港市場への営業活動を展開しております。また、当社グループの研究開発活動は、主にW-SCOPE KOREA CO., LTD.の開発部門にて行っており、超薄膜化及び高耐熱セパレータの開発に取り組んでおります。

 当社グループはリチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

(以下図示)

 


 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業
の内容

議決権の所有
割合

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

W-SCOPE KOREA
CO.,LTD.

大韓民国忠清北道清州市

2,486
百万ウォン

リチウムイオン二次電池用セパレータの開発製造及び販売

100%

当社へ製品等を供給
当社による社債取得
当社による債務保証

役員の兼任あり
(2名)

W-SCOPE HONGKONG

CO.,LIMITED

中華人民共和国
香港特別行政区
尖沙咀

100,000
香港ドル

リチウムイオン二次電池用セパレータの販売

100(100)%

役員の兼任あり
(2名)

W-SCOPE New Energy (Shenzhen) Co.,Limited

中華人民共和国広東省深圳市福田区

600,000
米ドル

リチウムイオン二次電池用セパレータの販売

100(100)%

W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.

大韓民国忠清北道忠州市

3,619
百万ウォン

リチウムイオン二次電池用セパレータの製造

100%

当社による社債取得

当社による債務保証

役員の兼任あり
(2名)

 

(注) 1  W-SCOPE KOREA CO.,LTD.及びW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.は特定子会社であります。

2  「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。

3  W-SCOPE KOREA CO.,LTD.は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

①売上高

9,464百万円

 ④純資産額

14,829百万円

 

②経常損失(△)

△3,581百万円

 ⑤総資産額

29,629百万円

 

③当期純損失(△)

△3,010百万円

 

 

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2019年12月31日現在

区分

従業員数(名)

全社(共通)

1,046

合計

1,046

 

(注) 1  従業員数は就業人員であります。

2  当社及び連結子会社は、リチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、従業員数は会社共通として記載しており、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

3 前連結会計年度に比べて従業員数が428名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2019年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数

平均年間給与(円)

10

408ヶ月

49ヶ月

5,512,000

 

(注) 1  従業員数は就業人員であります。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3  当社は、リチウムイオン二次電池用セパレータ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好であります。