第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。なお、重要事象等については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策」をご参照ください。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間の世界経済は、米国の関税政策の進展や貿易規制などの不確実性はあるものの、主要国の足元の経済成長率については比較的堅調に推移しています。

このような状況において、当社グループの主力事業であるセパレータ事業では、当社の主力市場の欧州でEV購入者に対するEUの補助金の新制度や安価なEV車種の発売などの積極的な需要喚起策がとられていますが、欧州EV市場の成長鈍化が継続しています。また、米国市場においてもEV政策は消極的であるため、二次電池市場の成長は停滞が続いています。一方で、当中間連結会計期間から当社グループの新しいセグメントとなったイオン交換膜事業においては、昨年出荷が完了したPosco Argentina S.A.U.へのBPED Substack(イオン交換膜スタックモジュール)の交換需要に対する製品供給契約が締結され、当下半期から製造と出荷を開始する予定です。新規案件としては、鉱石から水酸化リチウムを精製するプラント向けの双極電気透析(BPED)モジュールの供給を開始しました。

なお、当社グループの報告セグメントは従来「リチウムイオン二次電池用セパレータ」の単一セグメントでありましたが、当中間連結会計期間より、単一セグメントからセパレータ事業、イオン交換膜事業の区分に変更しております。

収益に関しては、EV需要の停滞による販売数量減少の継続やW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)が前第3四半期よりの連結子会社から持分法適用会社へ移行したことが影響し、セパレータ事業の売上高は847百万円(前年同期比3.1%)、イオン交換膜事業の売上高は603百万円(前年同期比56.9%)、連結売上高の合計は、1,450百万円(前年同期比5.0%)となり、27,612百万円の減少となりました(前年同期は29,062百万円)。

営業利益に関しては、収益の減少に伴って、原材料費4,584百万円、水道光熱費2,946百万円、減価償却費3,474百万円、人件費4,389百万円がそれぞれ減少となりました。これは、電池需要が減少したことによりセパレータの出荷量が減少したことで生産量を抑えたことや、WCPの連結除外等により変動費・固定費が減少したことによるものです。これらにより、販売費及び一般管理費を含めた売上原価等の費用が前年同期比23,673百万円の減少となりました。これらの結果から、当中間連結会計期間の営業利益は前年同期比で3,939百万円減少し、2,868百万円の営業損失(前年同期は営業利益1,070百万円)となりました。

営業外収益は取引先からの余剰在庫などに対する受取補償金148百万円などを計上しており、営業外費用としては、米ドル建て債権債務で為替差損199百万円、支払利息122百万円、前第3四半期よりWCPが持分法適用会社となったことから、持分法による投資損失2,402百万円などを計上しております。結果として、税金等調整前中間純損失は5,412百万円(前年同期は税金等調整前中間純利益1,751百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は5,429百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益1,280百万円)となりました。

当中間連結会計期間の平均為替レートにつきましては1米ドルが148.39円、1,000韓国ウォンが103.9円となりました。

当中間連結会計期間末における総資産につきましては55,580百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,498百万円減少しました。また、負債につきましては10,337百万円となり、前連結会計年度末に比べ67百万円減少し、純資産につきましては45,243百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,431百万円の減少となりました。それぞれの主な要因は以下のとおりであります。

 

(資産)

流動資産につきましては3,537百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,224百万円の減少となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産が2,235百万円、商品及び製品が685百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産につきましては52,043百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,274百万円の減少となりました。これは主として、投資有価証券が1,208百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

流動負債につきましては7,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ652百万円の減少となりました。これは主として、短期借入金が839百万円減少したことによるものです。固定負債につきましては2,498百万円となり、前連結会計年度末に比べ585百万円の増加となりました。これは主として、長期借入金が545百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

純資産につきましては45,243百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,431百万円の減少となりました。これは主として、為替換算調整勘定が998百万円増加した一方で、利益剰余金が5,429百万円減少したことによるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の中間期末残高は、前連結会計年度末に比べ104百万円減少し、158百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,096百万円の収入(前年同期は3,484百万円の収入)となりました。これは主として、売上債権の減少2,121百万円があった一方で、税金等調整前中間純損失の計上5,412百万円、減価償却費793百万円の計上、持分法による投資損失の計上2,402百万円によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、849百万円の支出(前年同期は27,203百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出764百万円によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、318百万円の支出(前年同期は17,024百万円の収入)となりました。これは主として、短期借入金の返済による支出が285百万円あったことによるものであります。

 

(3) 継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策

当社グループは、継続的かつ重要な営業損失の計上により、当中間連結会計期間末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。

しかしながら、当社グループの資金面においては、当中間連結会計期間に営業活動によるキャッシュ・フローのプラスを計上しており、また、当中間連結会計期間末の手元資金の確保状況、今後の収支推移見込み、及び金融機関からの資金調達計画等を踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

なお、当社は、新規顧客とのハイエンド車載用電池向けや新規事業の取引開始に向けて準備を進めております。また、連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.は、イオン交換膜事業における顧客との一部新規契約を締結し、下期以降においても新規契約及び既存交換需要を見込んでおります。さらに、セパレータ事業においても関連会社であるW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.の主要顧客であるSamsung SDI社との現状の協議においては2026年以降からの需要の回復を見込んでおります。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は320百万円であります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。