2019年末に新型コロナウイルス感染症が中国で初めて確認され、これまでに多くの国や地域へ拡大しております。国内線を中心とした航空運送事業を行う当社においても需要が大きく縮小した状況が継続しておりますが、このような状況に対し、2020年3月以降、国内線および国際線の運休・減便を行うとともに、徹底した費用削減等の施策を継続することにより、業績への影響の低減を図ってまいりました。
前年同期と比較すると需要は徐々に回復し、仮に原油価格の上昇や円安の影響がなければ四半期営業利益が想定されていたほどに、業績は確実に改善傾向にあります。しかしながら、原油価格の上昇や大幅な円安は業績に大きな影響を及ぼし、当第1四半期累計期間において1,415百万円の四半期純損失(前年同期の四半期純損失は1,581百万円)を計上し、当第1四半期会計期間末の純資産合計は1,198百万円に減少しております。
また、一部の借入契約に付されている財務制限条項(2022年3月期末日における純資産の部の合計金額、2022年3月期における経常損失)に抵触し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
このような事象又は状況を解消するために、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・内容検討及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載した対応策を継続して実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社は航空運送事業を主な事業とする単一業種の事業活動を営んでいるため、セグメント別の記載は行っておりません。
(1)経営成績の状況
当第1四半期累計期間における当社を取り巻く環境は、依然として厳しい競争環境が続いたことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは不透明な状態が続いております。
市場の動向については、原油価格は期初から上昇し、前年同期と比較すると高水準となりました。また、為替相場も期初から円安が進行し、前年同期と比較すると円安となりました。
(就航路線の状況)
就航路線の状況につきまして、当第1四半期会計期間末における路線便数は、国内定期便1日当たり5路線33往復66便、国際定期便1日当たり2路線2往復4便であります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要の急激な減退に伴い、2020年3月11日より順次、国内線
の一部路線を減便し、国際線を運休しております。
(2022年6月30日現在)
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路線 |
便数(1日当たり)(注) |
備考 |
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国内定期路線 |
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北九州-羽田線 |
11往復22便 |
2020年3月11日から一部の便を減便 |
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関西-羽田線 |
5往復10便 |
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福岡-羽田線 |
8往復16便 |
2020年3月26日から一部の便を減便 |
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福岡-中部線 |
6往復12便 |
2020年3月23日から一部の便を減便 |
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山口宇部-羽田線 |
3往復6便 |
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国内定期路線 計 |
33往復66便 |
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国際定期路線 |
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北九州-台北(台湾桃園)線 |
1往復2便 |
2020年3月11日から運休 |
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中部-台北(台湾桃園)線 |
1往復2便 |
2020年3月11日から運休 |
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国際定期路線 計 |
2往復4便 |
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合計 |
35往復70便 |
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(注)新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要減退に伴う減便および運休を含めない、本来の1日当たりの便数を記載しております。
飛行時間につきましては、依然として新型コロナウイルス感染症による航空需要減退の影響により、北九州-羽田線、福岡-羽田線などの一部減便、国際定期便2路線の運休を実施したものの、当第1四半期累計期間の飛行時間は7,479時間(前年同期比26.8%増)となりました。
(就航率、定時出発率)
就航率、定時出発率につきましては、社内で継続して就航率・定時性向上プロジェクト(ON TIME FLYER活動)を推進しておりますが、当第1四半期累計期間の就航率、定時出発率は前年同期を下回る結果となりました。
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項目 |
前第1四半期累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) |
当第1四半期累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
増減 |
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就航率(%) |
99.8 |
99.5 |
△0.2pt |
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定時出発率(%) |
98.8 |
97.7 |
△1.2pt |
(注)就航率の算出において、新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要減退に伴う減便および運休を含めておりません。
旅客状況につきましては、需要の回復を見極めながら積極的に運航したことにより自社提供座席キロは343百万席・km(前年同期比38.2%増)となり、旅客数は22万人(前年同期比92.2%増)、座席利用率は61.4%(同17.5ポイント増)となりました。
上記により、生産量(総提供座席キロ)および有償旅客数は前年同期と比べ著しく増加し、航空運送事業収入は6,766百万円(前年同期比60.9%増)となりました。また、附帯事業収入は23百万円(前年同期比7.3%増)となり、これらの結果として、当第1四半期累計期間の営業収入は6,789百万円(前年同期比60.6%増)となりました。
一方、費用面につきましては、機材の減少および全社一丸となったコスト削減などによる固定費の減少があるものの、前年同期と比較して円安水準であったことにより外貨建ての機材費および整備費等が増加し、原油価格も高水準で推移したことにより燃油費も増加しました。さらに、将来の航空機材の定期整備費用に備えるための定期整備引当金は米ドル建てで金額を見積もっていることにより、期中の著しい円安進行に伴い引当金の追加繰入額が大幅に増加しました。結果として、事業費ならびに販売費及び一般管理費の合計額である営業費用は、8,503百万円(前年同期比38.4%増)となりました。
これらにより、当第1四半期累計期間の営業損失は1,713百万円(前年同期は営業損失1,916百万円)、経常損失は1,448百万円(前年同期は経常損失1,897百万円)、四半期純損失は1,415百万円(前年同期は四半期純損失1,581百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期会計期間末の資産合計は21,125百万円となり、前事業年度末に比べ1,035百万円増加しました。
流動資産合計は1,104百万円増加しましたが、これは主として、新株予約権の行使による株式の発行などにより現金及び預金が354百万円、デリバティブ債権が982百万円増加したことによるものです。一方で、固定資産合計は68百万円減少しましたが、これは主として、保有資産の減価償却などによるものです。
当第1四半期会計期間末の負債合計は19,926百万円となり、前事業年度末に比べ1,194百万円増加しました。
これは主として、借入金(流動負債および固定負債合計)およびリース債務(流動負債および固定負債合計)が約定返済により412百万円減少した一方で、期中の著しい円安進行に伴い定期整備引当金が1,486百万円増加したことによるものです。なお、当第1四半期会計期間末の有利子負債残高は4,523百万円となりました。
当第1四半期会計期間末の純資産合計は1,198百万円となり、前事業年度末に比べ158百万円減少しました。
これは、新株予約権の行使による株式の発行により資本金、資本準備金がそれぞれ300百万円増加、デリバティブ取引に係る繰延ヘッジ損益が661百万円増加した一方で、四半期純損失の計上により1,415百万円の利益剰余金が減少したことなどによるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 営業実績
前第1四半期累計期間および当第1四半期累計期間の営業実績の状況は、次のとおりであります。
なお、当社は航空運送事業を主な事業とする単一業種の事業活動を営んでおりますので、提供するサービス別に記載をしております。
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科目 |
前第1四半期累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) |
当第1四半期累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
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金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
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航空運送 事業収入 |
定期旅客運送収入 |
4,168 |
98.6 |
6,721 |
99.0 |
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貨物運送収入 |
36 |
0.9 |
37 |
0.6 |
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不定期旅客運送収入 |
- |
- |
6 |
0.1 |
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小計 |
4,205 |
99.5 |
6,766 |
99.7 |
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附帯事業収入 |
21 |
0.5 |
23 |
0.3 |
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合計 |
4,227 |
100.0 |
6,789 |
100.0 |
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(注)1 定期旅客運送収入および貨物運送収入には、全日本空輸株式会社への座席販売および貨物輸送分を含めております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。なお、当該取引の内容は、コードシェアによる座席販売および貨物輸送分であります。
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相手先 |
前第1四半期累計期間 |
当第1四半期累計期間 |
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販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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全日本空輸株式会社 |
2,476 |
58.6 |
3,265 |
48.1 |
② 輸送実績
前第1四半期累計期間および当第1四半期累計期間の輸送実績の状況は、次のとおりであります。
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項目 |
前第1四半期累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) |
当第1四半期累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
増減率 |
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有償旅客数(千人) |
116 |
223 |
+92.2% |
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有償旅客キロ(百万人・km) |
109 |
210 |
+93.1% |
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提供座席キロ(百万席・km) |
248 |
343 |
+38.2% |
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座席利用率(%) |
43.9 |
61.4 |
+17.5pt |
(注)1 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
2 有償旅客キロは、路線区間の有償旅客数に区間距離を乗じたものであります。
3 提供座席キロは、路線区間の提供座席数に区間距離を乗じたものであります。
③ 運航実績
前第1四半期累計期間および当第1四半期累計期間の運航実績は、次のとおりであります。
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項目 |
前第1四半期累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) |
当第1四半期累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
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運航回数(回) |
3,822 |
4,786 |
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飛行距離(千km) |
3,268 |
4,172 |
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飛行時間(時間) |
5,896 |
7,479 |
(4)主要な設備
当第1四半期累計期間において、主要な設備の著しい変動および主要な設備の前事業年度末における計画の著しい変動はありません。
(5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・内容検討及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社には、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社は、このような事象又は状況を解消するために、収支改善の施策を推進するとともに財務状況の安定化を図ることとします。具体的には下記を推進し、事業の継続、その後の回復を目指しております。
事業継続のための取り組み
・運転資金の安定的確保
・需要減少に応じた生産体制の構築(計画的減便・運休、社員の一時帰休等)
・迅速に生産調整を行える弾力的な体制の構築
・感染症拡大阻止への取り組み(組織的な全社員の健康管理、テレワークの実施等)
・プロジェクト体制での収支改善・生産性向上の取り組み
また、これらの当社独自の対応策を実施することに加え、金融機関との緊密な連携関係を維持し、財務制限条項への抵触に関しても、一括返済の請求は行わない旨の同意を得ております。これらの結果、当面(今後1年間)の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。