前事業年度(平成26年12月期)は、決算期の変更により平成26年4月1日から平成26年12月31日までの9ヶ月間となっているため、業績数値の前事業年度との比較は行っておりません。また、前事業年度は連結財務諸表を作成しているため、キャッシュ・フローの状況における前事業年度との比較については記載しておりません。
また、本書において使用される専門用語につきましては、(*)印を付けて「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の末尾に用語解説を設け説明しております。
(1)業績
当社の当事業年度における事業開発活動の状況としましては、検証的契約締結に向けた完全ヒトADLib®システムの営業活動やリード抗体の導出活動を継続してまいりました。しかしながら、平成27年8月14日付プレスリリース「平成27年12月期業績予想、中期経営計画の修正並びに役員報酬の減額に関するお知らせ」のとおり、通期業績予想につきましては完全ヒトADLib®システムや抗セマフォリン3A抗体(*)の契約締結遅延を主因として、通期業績の下方修正を発表いたしました。完全ヒトADLib®システムについては、既存の抗体作製技術にはないユニークさを製薬企業等から評価を頂いている一方で、当社が望む経済条件での導出に向けては更なる抗体作製実績の蓄積が必要な状況となっております。また、平成28年12月期業績予想については、平成26年5月15日付プレスリリース「平成26年3月期決算説明並びに中期経営計画」で示していた黒字化見込みの業績予想から、黒字化困難の見通しへと業績予想を変更いたしました。以上の結果を真摯に受け止め、経営責任を明確にするために役員報酬の一部減額を実施いたしました。今後は、従来のfirst-in-classの医薬品候補となる抗体作製プロジェクトに加え、開発の成功確率が高いと考えられるPOCが確立しているターゲットに対する抗体作製についても取り組み、実績を積み上げることにより導出活動を促進させる予定です。
創薬アライアンス事業においては、中外製薬及び同社の海外子会社であるCPR社(以下「中外製薬グループ」といいます)との契約に基づく研究開発活動に加えて、他製薬企業並びにアカデミアとアライアンスを結び、抗体作製プロジェクトを実施しております。診断薬分野の大手企業である富士レビオとの取引におきましては、ADLib®システムの技術導出に伴うライセンス料を受領しております。加えて、同社においてはADLib®システムから取得した抗体を使用した診断薬キットを販売しており、当社は売上高に応じたロイヤルティ収益を継続して受領しております。
リード抗体ライセンスアウト事業においては、平成27年7月1日付で当社の子会社であったリブテックを吸収合併いたしました。同社が創製した2つのリード抗体のうち、がん治療用抗体を目指すLIV-1205については、スイスのADC Therapeutics社(以下「ADCT社」といいます)とAntibody Drug Conjugate(抗体薬物複合体、以下「ADC」といいます)開発用途での全世界における独占的な開発・販売権に関するオプションライセンス契約を締結しております。現在ADCT社では、同抗体の評価を実施している状況です。なお、ADCT社がオプション権を行使した場合には、当社はオプション行使による契約一時金を受け取り、その後の開発が進んだ場合には開発の進捗に応じ総額で約90億円のマイルストーンペイメントを、さらに製品上市後には売上高に応じたロイヤルティを受領することになります。
また、平成27年10月22日付で、イーベックへの出資をいたしました。同社は、ヒト体内で抗体産生を担う血液Bリンパ球からヒト抗体を作製する独自プラットフォーム技術を有するバイオベンチャーです。すでに感染症領域でのリード抗体を開発した実績を有し、現在、大手製薬企業へリード抗体の導出活動を推進していることから、将来的に当社のビジョン推進や企業価値拡大に資するものと考えております。
以上の結果、当事業年度における売上高は280,113千円、営業損失は1,269,916千円となりました。また、営業外収益として株式会社ヤクルト本社(以下「ヤクルト本社」といいます)との契約終了に係る受取精算金11,330千円及び有価証券利息6,286千円等を計上し、営業外費用として新株予約権発行費2,720千円等を計上し、経常損失は1,253,916千円となりました。さらに、特別利益として新株予約権戻入益2,200千円及び受取和解金1,000千円を計上し、特別損失として関係会社株式評価損27,014千円及び固定資産除却損2,964千円を計上したこと等により、当期純損失は1,282,714千円となりました。
当事業年度の報告セグメント別の業績は次のとおりです。
各セグメント事業の基盤となる技術プラットフォームの研究開発活動の状況につきましては、完全ヒトADLib®システムの改良並びに治療用抗体の作製を継続しながら製薬企業等への導出を目指すとともに、医療環境の未充足な疾患領域での治療用抗体の研究開発を継続しております。
また、研究開発遅延回避のため研究所移転中止を決定したナノ医療イノベーションセンター(iCONM)にかわり、人員や研究等の設備を拡充した旧リブテック研究所が創薬研究所としてリニューアルされ、新たに稼働いたしました。
以上の研究開発活動の結果、当事業年度における研究開発費は828,139千円となりました。なお、当社は創薬基盤技術であるADLib®システムを核として事業を展開しており、全ての保有資産が一体となってキャッシュ・フローを生成していることから、研究開発費を各報告セグメントへ配分しておりません。
① 創薬アライアンス事業
中外製薬グループとの研究開発活動の他、その他製薬企業やアカデミア等と共同研究契約等を締結し、ADLib®システムを用いた創薬支援プロジェクトを実施しております。また、リブテックとヤクルト本社との契約終了に伴う精算手続きが完了し、当事業年度において24,927千円の売上高が計上されております。
以上の結果、当該事業における当事業年度の売上高は248,040千円、セグメント利益(売上総利益)は110,283千円となりました。
② リード抗体ライセンスアウト事業
当事業年度においては、研究領域の集中と選択を行い、治療用途を目的とした抗体の作製・ステージアップ・導出に向けた研究開発活動を継続しております。
まず、がん細胞表面に発現するDLK-1を標的とした治療用ヒト化抗体であるLIV-1205は、ADCT社とADC開発用途でのオプションライセンス契約を締結し、現在ADCT社にて評価中です。また、がん細胞表面に発現するTROP-2を標的とした治療用ヒト化抗体であるLIV-2008(LIV-2008及びLIV-2008b)については、ヤクルト本社の戦略的理由によりライセンス契約は終了となりましたが、国内外のカンファレンスでのパートナリング・ミーティング等を通じて複数の製薬企業への導出活動を実施しております。引き続き、LIV-1205、LIV-2008の導出契約の獲得のための積極的な活動を実施してまいります。抗セマフォリン3A抗体につきましては、平成27年8月14日付プレスリリース「平成27年12月期業績予想、中期経営計画の修正並びに役員報酬の減額に関するお知らせ」のとおり、導出計画が遅延しております。継続して製薬企業等への導出活動を実施しておりますが、現時点での導出時期は未定であります。
当該事業につきましては、売上高及び利益(又は損失)は発生しておりません。
③ 基盤技術ライセンス事業
オリジナルADLib®システムの技術導出先である富士レビオから、技術導出に伴うライセンス料を受領しております。また、同社は“ビタミンD測定用の抗体を含む診断キット(Lumipulse® G25-OH Vitamin D Immunoreaction Cartridges)”を欧州で販売しており、当社は売上高に応じたロイヤルティを継続して受領しております。また、同社では、ADLib®システムを用いた新たな診断キット創出に向けた研究開発活動が継続的に行われております。
以上の結果、当該事業における当事業年度の売上高は32,073千円、セグメント利益(売上総利益)は31,772千円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は2,100,626千円となり、前事業年度末と比較して2,901,122千円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は1,245,325千円となりました。主な内訳として、税引前当期純損失1,280,695千円に対し、資金の支出を伴わない減価償却費102,368千円や関係会社株式評価損27,014千円を調整した資金の増加、また、支出要因として前受金28,700千円の減少及び未払金23,130千円の減少等があります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は1,780,059千円となりました。支出要因として、有価証券の取得による支出3,698,461千円や有形固定資産の取得による支出163,789千円等があり、また、収入要因として、有価証券の償還による収入1,700,000千円や定期預金の払戻による収入500,000千円等があります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により取得した資金は124,262千円となりました。この内訳は、長期借入れによる収入100,000千円、株式の発行による収入20,683千円及び新株予約権の発行による収入3,578千円等であります。
(1)生産実績
当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
(2)受注実績
当社は研究開発を主体としており、受注実績を定義することが困難であるため、受注実績の記載はしておりません。
(3)販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
|
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
創薬アライアンス事業 |
248,040 |
- |
|
リード抗体ライセンスアウト事業 |
- |
- |
|
基盤技術ライセンス事業 |
32,073 |
- |
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合計 |
280,113 |
- |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
当事業年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
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販売高 (千円) |
割合(%) |
|
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中外製薬グループ |
183,516 |
65.5 |
|
富士レビオ |
32,073 |
11.5 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前事業年度は連結財務諸表を作成しているため、また、決算期変更により平成26年4月1日から平成26年12月31日までの9ヶ月間となっているため、前年同期比については記載しておりません。
当社は、医薬品の中でも成長著しい抗体医薬品市場において、独自の創薬基盤技術であるADLib®システムの特徴を活かすことにより、当社のミッションを達成し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
このような中、我々が対処すべき課題を次のように考えます。
(1) 技術導出・パイプライン拡充のため、医薬品候補抗体の開発実績の蓄積
医薬品業界においては、当社が研究開発に取り組んでいる抗体医薬に加え、低分子医薬(*)、ペプチド医薬、核酸医薬等の研究開発が続いております。このような環境の中で、抗体医薬は、疾患の原因である抗原に対する特異性が高いため、安全性や有効性において他の分子標的薬と比較して優位であると認識しております。
ADLib®システムは当社が保有する抗体作製技術の一つであり、既存の技術にはない独自性について製薬企業等から評価を得ております。今後、リブテックで実績があるハイブリドーマ法(*)や他の方法も駆使することにより、従来のfirst-in-class抗体作製プロジェクトに加え、POCが確立している疾患の抗原に対する抗体作製実績を蓄積し、パイプラインを拡充するとともに、技術導出を促進させることが重要な課題であると認識しております。
(2) リード抗体の早期導出、並びに収益の確保
非臨床開発段階のパイプラインとしてLIV-1205、LIV-2008及び抗セマフォリン3A抗体があり、導出に向けた取り組みを強化しております。
LIV-1205(ADC領域)では、ADCT社と締結済みのオプションライセンス契約がライセンス契約へ移行した場合、当社の中長期的な経営基盤構築に大きく寄与すると考えられることから、ライセンス契約へ移行させることが課題であります。また、LIV-1205(Naked抗体)、LIV-2008及び抗セマフォリン3A抗体についても製薬企業への導出活動を継続し、早期に導出契約を締結できるよう積極的に取り組みます。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.事業環境に由来するリスクについて
(1) 抗体医薬品市場
平成26年11月現在、欧米で上市されている治療用抗体は47品目あり、年平均4品目が上市されている最近の動向から平成32年には約70品目に達するとの予測もある等、抗体医薬品市場は安定的に成長するものと見込んでおります。しかしながら、各種疾患のメカニズムや病態の解明により、疾患特異的に作用する分子標的低分子医薬の開発、更に低分子特有の副作用を軽減するために疾患部位だけに到達するデリバリーシステムの開発等により想定どおりに市場が拡大しない場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。また、平成25年11月に新規制定された再生医療関連法や改正薬事法等による再生医療による根本的な治療の普及等も抗体医薬品市場の拡大に影響を与える1つの要因と言えます。
(2) 技術革新
当社が属する医薬品開発分野では技術革新が著しく速いため、独自の創薬基盤技術で常に競合優位性を確保すべく、当社は内外の英知と資源を結集してダイナミックに研究開発を展開しております。
完全ヒトADLib®システムは、治療用としての機能性を持つヒト抗体を数週間で作製することを可能とするものであり、将来的なビジョンとして「パンデミック等の新興感染症の発生に即応し、安全で有効な抗体を迅速に提供すること」や「患者さんから疾患に関連する細胞や組織の提供を受け、最適な抗体を迅速に作製・選択するオーダーメイド医療を実現する」等に対応することを描いております。
しかしながら、急激な技術革新等により医薬品開発分野での競合優位性が保持できない場合、また、必要な技術進歩を常に追求するために想定以上の費用と時間を要する場合は、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 他社との競合
競合他社が同じターゲットで優れた機能をもつ抗体を創出した場合は、導出候補先である製薬企業へのライセンスアウト活動が容易でなくなる可能性があります。また、複数の同業他社の参入に伴いアライアンス活動の競争が激化し当社事業の優位性に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制等
平成16年2月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(遺伝子組換え生物等規制法)が施行されました。当社の完全ヒトADLib®システムの技術開発には、当該法律が適用されます。今後、法改正等により規制が強化された場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外取引
当社は、全世界の製薬企業等を対象とした事業展開を図っており、製薬企業等に対して創薬基盤技術を紹介し、取引開始に向けた交渉を行っております。今後、当社の海外における事業展開が進展し、海外の製薬企業等との取引規模が拡大した場合、海外における法的規制や商取引慣行等により、当社の事業展開が制約を受ける可能性があります。また、外貨預金においては、急激な為替相場の変動が生じた場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業内容に由来するリスクについて
(1) 特許権
当社が創製した技術等について、当社の特許権を侵害されるリスク又は当社が他社の特許権を侵害してしまうリスクがあります。こうしたリスクに対応するために、積極的かつ速やかに特許出願等を行うことで排他性の確保を図るとともに、特許情報データベース等を活用して情報収集を行い、当社特許権の侵害及び他社関連特許権の早期発見・対応に努めております。すでに基盤技術特許は国内外で特許が成立しておりますが、第三者の特許の存在により特許侵害訴訟を提起された場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の技術への依存
当社は、理研と創薬基盤技術であるADLib®システムに関する特許ライセンス契約を締結し、積極的な研究開発により技術改良を行いながら事業を展開しておりますが、競合他社が画期的な技術で先行した場合や特許期間が満了した場合、また、当社の技術が他の安価な技術で代替できる場合や技術自体が陳腐化した場合、あるいは当社の技術改良の対応が遅れた場合は、当社の技術優位性が低下し、事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定の取引先への依存
当社は、中外製薬グループと抗体医薬品開発に係る研究契約を締結しており、平成27年12月期における当社の売上高に占める同社グループの割合は高い水準となっております。当社では事業の核となるADLib®システムの更なる技術改良を推進し、付加価値を向上させることで、その他製薬企業等からの収益を高めながら、各クライアントとの良好な取引関係を維持・継続していく方針であります。
しかしながら、中外製薬グループの経営方針の変更による委託業務量の減少や契約条件の変更、また本契約の解除等が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 複数の製薬企業との関係について
当社が製薬企業と共同研究契約を締結する場合、当該契約が定めるターゲット(抗原)に重複が生じないよう配慮しておりますが、研究内容によっては、一部に重なりが発生する可能性も考えられます。その結果、当社がどちらか一方の企業との共同研究の機会を喪失することで当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 提携先に影響されるリスク
当社は、治療用抗体創出のため戦略的アライアンス推進の一環として共同研究での補完関係を前提とした事業を推進しております。しかしながら、提携先の技術及び研究開発の進捗に大きな差が生じた場合、また経営不振や経営方針の変更があった場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 収益計上について
契約の締結時期、医薬品開発の進捗状況、医薬品販売開始時期等の遅れによる収益上の期ずれ、また何らかの事由により医薬品開発、販売が中止となる場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 事業計画の主な前提条件について
① 既存提携先との提携事業の確実な推進
当社は、中外製薬グループや富士レビオをはじめとした既存提携先との継続的な事業提携を基盤として事業計画を策定しております。しかしながら、当社の想定どおりに事業提携が進捗しない場合、あるいは想定していた成果が得られない場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 取引先数及び契約締結数の増加
当社は、複数の製薬企業への継続的な導出活動による契約獲得を目指し、事業計画を策定しております。当社の事業特性として、契約金額が計画を下回る場合、契約締結時期が計画よりも遅れる場合、計画している契約が締結できない場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 医薬品開発の進捗状況、規制当局への申請時期と規制当局からの承認時期
当社は、契約締結時に生じる一時金の他、医薬品開発の進捗に応じて生じるマイルストーン、医薬品販売後に獲得するロイヤルティの収益獲得を前提とした事業構造となっております。
医薬品の開発には、一般的に探索研究、創薬研究、開発、製造、販売のプロセスがあり、抗体医薬品開発においては、初期の研究から販売まで一般的に6.5年~9年の期間が必要となり、各プロセスの進捗や必要となる期間は、対象疾患、開発者の経営状況、規制当局の審査判断等の影響を受けることがあります。
当社はこのような状況を鑑み、医薬品開発の進捗状況や規制当局への申請時期と規制当局からの承認時期等を勘案し事業計画を策定しておりますが、必ずしも当社が計画しているとおりになるわけではありません。医薬品開発の進捗が計画を下回る場合、規制当局への申請時期が計画よりも遅れる場合、規制当局からの承認時期が計画よりも遅れる場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社の創薬基盤技術に関する研究開発の進捗
当社は、ADLib®システムのバージョンアップをはじめとした研究開発活動の進捗を前提として、事業計画を策定しております。しかしながら、研究開発活動を中断せざるを得ない場合、研究開発に想定以上の開発コストがかかる場合、あるいは研究開発から想定どおりの成果が得られない場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)減損会計のリスク
当社は事業用の有形・無形の固定資産を保有しておりますが、経営環境や事業の著しい変化などにより事業計画が想定どおり進まない場合や価値の低下があった場合、減損会計の適用により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.その他のリスクについて
(1) 経営管理体制
① 小規模組織であること
当社は小規模な組織であるため、研究開発体制及び社内管理体制もこの規模に応じたものとなっております。このような限られた人材の中で、業務遂行上、取締役及び幹部社員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分が大きいため、当社の業容の拡大に応じた人員の増強や社内管理体制の充実等を図っておりますが、一部の取締役及び執行役員の退職により事業活動に不備が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の人物への依存
当社の経営戦略、研究開発並びに事業開発等の事業推進については、当社代表取締役、取締役に大きく依存してまいりました。これらの人材は、業務に必要となる知識や経験及びスキルを有し、当社の事業において重要な存在でありますが、当社ではこれら特定の人材に過度に依存しない経営体制を構築するため平成27年4月より執行役員制度を導入し組織体制の強化を図っております。しかしながら、このような状態においても、これらの取締役や執行役員等の業務執行が何らかの理由により困難となる場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の確保・育成等
当社の事業を組織的に推進していくためには、高度な専門的知識や技能、経験を有する人材の確保が不可欠であります。当社は優秀な人材を採用及び確保しながら教育研究等通じてその育成に努めておりますが、このような人材が短期間に大量に流出した場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 過年度の経営成績
① 社歴が浅いこと
当社は社歴が浅い会社であるため、業績の期間比較を行うための十分な財務数値が得られておりません。従って、過年度の経営成績及び財政状態だけでは、今後の当社の業績を判断する材料としては十分な期間とは言えないと考えております。
② マイナスの繰越利益剰余金の計上
当社は、創業時よりADLib®システムを利用した医薬品開発のための研究開発活動を重点的に推進してきたことから、多額の研究開発費用が先行して計上され、第1期から第12期まで当期純損失を計上しております。平成27年12月期(第12期)には、△4,343,594千円の繰越利益剰余金を計上しております。当社は安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指しておりますが、事業が計画どおりに進展せず、当期純利益を計上できない場合には、マイナスの繰越利益剰余金が計画どおりに解消できない可能性があります。
③ 資金調達
当社では、研究開発活動における成果創出のため多額の研究開発費が先行して計上され、継続的な営業損失が生じております。今後も事業運転資金や研究開発投資及び設備投資等の資金需要が予想されます。製薬企業等とのアライアンスによる収益や新株予約権の権利行使等によるキャッシュイン及び人件費や研究開発活動にかかる投資活動等のキャッシュアウトを見込んだ資金計画を策定しておりますが、充分な事業活動資金を確保できない場合には、当社の事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新株式の発行による株式価値の希薄化
当社は資金調達を目的とした増資や新株予約権行使による新株式の発行を機動的に実施していく可能性があります。新株式の発行は当社の事業計画を達成する上で合理的な資金調達手段であると判断しておりますが、発行済株式総数が増加することにより、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。当社は役職員に対して新株予約権を付与しており、今後も優秀な人材の採用や役職員の業績向上に対する意欲を高めるインセンティブとして活用し、当社の中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として新株予約権を付与していくことを予定しております。
(4) 営業機密の漏洩
当社における事業では、当社は顧客である製薬企業から抗原の情報を預かる立場にあります。従いまして、当社は役職員との間において顧客情報を含む機密情報に係る契約を締結しており、さらに退職時にも個別に同様の契約を締結し顧客情報を含む機密情報の漏洩の未然防止に努めております。また、抗原名をプロジェクトコード化した社内共通言語を用いた顧客情報管理を実施するとともに、顧客情報へのアクセス制限も行っております。しかしながら、万一顧客の情報が外部に漏洩した場合は、当社の信用低下等により当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 自然災害等の発生
当社は、東京都渋谷区及び川崎市宮前区に研究所を設置しており、事業活動や研究開発活動に関わる設備及び人員が同研究所に集中しております。そのため、同研究所の周辺地域において、地震等の自然災害、大規模な事故、火災、テロ等が発生し、当社が保有する抗体ライブラリの滅失、研究所設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の経営上の重要な契約は次のとおりであります。
(1) 基盤技術に関する特許ライセンス契約
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相手方の名称 |
相手先 の 所在地 |
契約締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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理研 |
日本 |
平成23年1月1日 |
平成23年1月1日から 平成35年7月28日まで |
ADLib®システムの基盤特許に関する実施権及び再実施権の取得、及びその対価である一定比率のロイヤルティの支払い |
(2)アライアンス契約
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相手方の名称 |
相手先 の 所在地 |
契約締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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中外製薬 |
日本 |
平成20年11月1日 |
平成20年11月1日から 平成28年12月31日まで (注) |
抗体作製に関する共同研究を実施 |
|
中外製薬 |
日本 |
平成23年6月30日 |
平成23年7月1日から 平成28年12月31日まで |
抗体作製に関する委託研究を実施 |
|
CPR社 |
シンガポール |
平成24年8月1日 |
非開示 |
効率的な抗体医薬品の開発に必要な研究材料の調製等の業務 |
(注)平成27年12月17日付覚書により平成28年12月31日まで契約延長
(3)ライセンス契約
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相手方の名称 |
相手先の 所在地 |
契約締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
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富士レビオ |
日本 |
平成22年9月30日 |
特許期間満了まで (ただし、共同研究開発は平成22年9月30日から平成28年9月30日まで) |
ADLib®システムの非独占的実施許諾及び共同研究開発契約 |
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富士レビオ |
日本 |
平成25年6月20日 |
特許期間満了まで |
ADLib®システムの使用により取得したビタミンD類の測定を目的とした抗体を含む体外診断用医薬品の製造及び販売に係る実施許諾 |
当社は研究開発型のバイオ医薬品企業として、経営資源を医薬品の研究開発活動に集中しております。研究開発費は当社が保有する開発品の開発費、次期開発候補品の探求及び創薬基盤技術の研究にかかる費用で構成されております。研究開発活動の具体的な内容は、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりです。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。
2.財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は4,273,501千円となり、前事業年度末と比較して1,300,512千円減少しました。この主な要因は、販売費及び一般管理費の支出や有価証券の取得による現金及び預金の減少等や、有価証券の取得による有価証券の増加等であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は645,279千円となり、前事業年度末と比較して107,800千円増加しました。この主な要因は、投資有価証券の取得による投資有価証券114,000千円の増加や研究機器の購入等による有形固定資産40,053千円の増加等であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は237,529千円となり、前事業年度末と比較して4,400千円増加しました。この主な要因は、借入による1年内返済予定の長期借入金45,837千円の増加や、決算期変更に伴う賞与支給対象期間の変更による賞与引当金12,756千円の増加等であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は117,010千円となり、前事業年度末と比較して53,771千円増加しました。この主な要因は、借入による長期借入金54,163千円の増加等であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は4,564,241千円となり、前事業年度末と比較して1,250,884千円減少しました。この主な要因は、当期純損失の計上による利益剰余金1,282,714千円の減少、新株予約権の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ10,573千円増加したこと、新株予約権の発行等により新株予約権が10,684千円増加したことであります。
3.経営成績の分析
当事業年度における売上高は、国内製薬企業とのアライアンス契約に基づく収益の計上等により280,113千円となりました。販売費及び一般管理費は1,411,972千円となり、その主なものは研究開発費828,139千円であります。この結果、営業損失は1,269,916千円、経常損失は1,253,916千円、当期純損失は1,282,714千円となりました。
これらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりです。
4.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
5.経営戦略の現状と見通し
当事業年度において当社は、「創薬アライアンス事業」「リード抗体ライセンスアウト事業」「基盤技術ライセンス事業」の3つを報告セグメントとしておりましたが、平成28年1月から、当社の事業展開と連動させ「創薬事業」「創薬支援事業」の2つの報告セグメントに変更しました。詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご覧ください。なお、本項においては変更後のセグメント区分で説明いたします。
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、当社の事業開発活動の状況を踏まえた経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は多様な抗体を迅速に創出して新規医薬品の開発につなげることにより、新しい治療法を必要とする患者さん、御家族及び医療従事者の方々のお役に立ちたいと願っています。
がんや自己免疫疾患さらには感染症等、多くの疾患に対して抗体医薬品が開発されていますが、ある患者さんには有効性を認める抗体が他の患者さんには有効性を認めないことがあります。これは、例えば同じ肺がんでも患者さんによってがん細胞の性質が異なることがあるためです。その場合、患者さんのがん細胞に適合した抗体を迅速に作製して治療に用いることが望まれます。このように、本来であれば個々の患者さんの疾患原因に対する最適な治療薬が必要となる訳ですが、現在の医療制度ではそれは適いません。
また、治療法が確立されていない難治性あるいは希少疾患と広域に流行する新興感染症はいずれも人類にとって大きな脅威です。新興感染症の爆発的な流行には、グローバルな素早い対応が求められます。
ADLib®システムの多様性や迅速性に加え、他の抗体作製技術や新規の創薬技術の特長を最大限活かし、これらの疾患の克服と人類の健康に貢献します。
(2) 目標とする経営指標
創薬事業においては、ADLib®システムの継続的な改良及び技術導入や共同研究提携等の戦略的アライアンスを推進することで、創薬力を高めてまいります。また、パイプライン数の増大に向けては、ADLib®システムに加えてリブテックで実績のあるハイブリドーマ法等も駆使して、医薬品の未充足な新規ターゲットやPOCが確立されている疾患の抗原に対する抗体作製実績を積み重ねます。リード抗体の価値最大化に向けては、前臨床試験段階のみならず初期臨床試験まで実施した上での導出を検討します。
創薬支援事業においては、アライアンス契約や技術ライセンス契約を継続的に締結することで、収益基盤の安定化を目指します。その上で、当社の抗体作製技術、これまでの経験と実績を活かしてクライアントの要望を上回る成果を提供して包括契約の締結を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
独自の創薬基盤技術であるADLib®システムを核とした中長期的な事業シナリオは次のとおりです。
① 治療用リード抗体の創出
当社はADLib®システムの特性を活かし、従来の技術では獲得が困難である抗体の作製に取り組んでいます。また、企業やアカデミアとの共同研究開発を継続して、医薬品候補として有望な抗体を自社で作製し、製薬企業へ早期に導出することを目指します。
ADLib®システムに加えてハイブリドーマ法等を用いて抗体を作製すること及びリブテックの抗体導出実績で培われた経験やノウハウを活用することで、研究開発の初期段階を大幅に短縮し、抗体医薬品の販売開始時期を早める等、製薬企業に大きなメリットをもたらすものと考えます。
② 技術開発と事業開発の連動
当社のような創薬基盤技術型のバイオベンチャー企業の場合、技術開発、医薬品候補抗体の作製及び事業開発が相互に影響を与えながら事業が展開されます。そのため、事業開発と継続的な技術開発の連動を図り、柔軟な事業展開を行っていく方針です。
③ グローバル展開の加速
現在当社では、製薬企業等と共同研究契約及び技術アライアンス契約を締結しております。今後も相互補完的な価値を持つ企業との戦略的アライアンスを推進することにより、欧米における事業開発や研究開発活動を加速させてまいります。それにより、抗体創薬企業としての認知度をグローバルで高めることで、最先端の情報をより早く入手し、優秀な人材を確保することが出来ると考えます。
④ 創薬事業の規模拡大
製薬企業との新規アライアンス契約の締結、並びに既に締結済みの契約の規模拡大を目指します。新規契約の協議時には、本格契約に至る前段階として検証契約(オプションライセンス契約)を設定し、クライアント自身により導出予定の抗体の検証・評価を行うことを提案します。その上で提供した抗体がクライアントのニーズに則していた場合には、早期に本格契約(ライセンス契約)へと繋げていくことを目指します。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
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用語 |
意味・内容 |
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キメラ抗体 |
ヒト以外の動物に由来する抗体分子のうち抗原と結合する部分(可変領域)を取り出し、ヒト由来の抗体分子の定常領域と交換したものをヒトキメラ抗体といいます。このような異種の抗体のキメラ抗体は、一般的に可変領域のもっている抗原と結合する能力を保持することが知られています。 |
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クローン |
同一の起源を持ち、かつ均一な遺伝情報を持つ核酸、細胞、個体の集団のことをいいます。 |
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クロマチン構造 |
クロマチンとは、真核細胞内に存在するDNAとタンパク質の複合体のことを表します。例えばヒトの場合、一つの核に納められているDNAの総延長はおよそ2mといわれており、これを10μmの核に収納するための構造がクロマチン構造であります。 |
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抗原 |
通常、細菌やウイルスの持つタンパク質等、体内で異物と認識され、抗原抗体反応を起こさせる物質のことを抗原と言います。抗原が体内に入ると、これを撃退するための物質として抗体が作られ、抗原を排除するために働きます。さらにこの意味から派生して、抗体に結合する物質、あるいはこれから抗体を作製したい物質全般を、抗原と呼ぶこともあります。 |
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抗セマフォリン3A抗体 |
セマフォリン3A(Semaphorin 3A)は神経軸索ガイダンス因子として同定された分子で、神経軸策伸張を抑制することにより伸長方向を決めていることが知られています。最近の研究では、骨や臓器の発生と成長に重要な役割を果たしていること、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起きること、また炎症・免疫反応やがん、アルツハイマーとも関連していることが報告されています。 |
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抗体遺伝子 |
抗体遺伝子とは、抗体タンパク質の設計図となる遺伝子のことです。 |
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抗体遺伝子座 |
遺伝子座とは、染色体やゲノムにおける遺伝子の位置のことをいい、抗体遺伝子座とは、ゲノムの中で抗体を形作る遺伝子が存在する場所のことを示します。 |
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抗体医薬品 |
抗体を利用した医薬品のことです。 |
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相同組換え |
相同組換え(相同的組換え)は、DNAの塩基配列がよく似た部位(相同部位)の間で起こる遺伝子の組換えメカニズムのことをいいます。 様々な化学物質や放射線により切断されたDNAは主に相同組換えによって修復されます。また、相同組換えがうまくいかないと配偶子が形成されなくなる等、生命が存続するために不可欠な仕組みの一つです。トリDT40における抗体遺伝子座の相同組換えは、抗体遺伝子の多様化を創出するための仕組みとして機能しています。 |
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探索 |
創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性をもつ物質を探索する研究段階があります。この研究を一般的に探索研究と呼びます。 |
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低分子医薬 |
分子量が小さく、ごく少数の機能的な分子グループを含む比較的単純な構造をした有機化合物。医薬品の領域では、概ね分子量数百程度のものを低分子(型)化合物といいます。 |
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特異的抗体 |
抗原抗体反応において、ある特定の抗原に結合する抗体です。 |
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トリコスタチンA(TSA) |
ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導するために利用する薬剤でヒストン脱アセチル化酵素という種類の酵素の働きを阻害する働きがあります。 |
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バイスペシフィック(多重特異性)抗体 |
1つの抗体分子で2つのターゲット(抗原)を認識する多重特異性抗体のことです。 |
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ハイブリドーマ法 |
抗原を実験動物に免疫して、抗体を作り出すB細胞と増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)を融合した細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法です。 |
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ヒト化抗体 |
ヒトの抗体に似ていますが、一部他の動物由来の構造を保持する抗体のことをいいます。 |
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用語 |
意味・内容 |
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ファージディスプレイ法 |
遺伝子工学的手法でファージ(細菌に感染するウイルス)粒子に多様な抗体タンパク質の抗原認識部位を発現提示させ、抗原と反応するファージを回収して、モノクローナル抗体を作製する方法です。 |
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免疫化学的アッセイ |
免疫化学的アッセイとは、生物材料を用いて行うバイオアッセイ(生物化学的実験)の一つであり、特に抗体を用いて行う分析手法をいいます。抗体が、抗原に対して非常に特異的に結合する特長を持っているため、免疫化学的アッセイはバイオアッセイの中でも特に広く用いられる手法です。 |
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免疫寛容 |
特定の抗原(例えば、自身の体の構成成分やそれに似ているもの)に対しては、これが異物とみなされないために体が免疫反応を示さず、体内で抗体を産生しない状態をいいます。 |
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免疫チェックポイント阻害剤 |
いわゆる免疫療法の一種です。最近話題になっているこの治療薬は、これまでの免疫療法では免疫細胞の攻撃力を高める、アクセルをかける働きが中心であったのに対し、免疫細胞にかけられたブレーキを外す働きをもっています。他に治療法のなかった患者さんにも治療効果をあげることに成功しています。 |
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免疫反応 |
生体が外来性あるいは内因性の物質に対して自己か非自己かを識別し非自己に対してこれを排除することで、個体の生存維持及び種の存続のために起こす一連の生体反応をいいます。 |
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モノクローナル抗体 |
DT40細胞やハイブリドーマ等、単一の抗体を産生する細胞から得られた抗体のこと。 |
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ライブラリ |
一つ一つの細胞が異なる構造の抗体を持っているような、大量の細胞の集団のことを、図書館にたとえて、ライブラリと呼びます。 |
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リード抗体 |
医薬品の候補となる抗体のことです。 |
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ADC抗体 |
抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。ADCの特徴は、悪性腫瘍や炎症性疾患等の目的の組織や細胞表面タンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に抗がん剤等の薬物を結合させることにより、薬剤を病変部位に選択的に到達させ、細胞内に放出させることで、がん細胞等を死滅させることができます。 |
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ADLib® axCELL |
ADLib®システムの応用技術の一つです。ADLib®システムで使用する抗原を細胞にまで拡大した技術で、当社で開発に成功した独自技術です。細胞表面に発現する抗原をそのまま自然な状態で利用することで従来技術では取得困難であった抗体を得ることができます。 |
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ADLib® Combo |
ADLib®システムの応用技術の一つです。既存の抗体とは異なったエピトープ(抗体が認識する抗原の一部分)を認識する抗体の取得方法で、当社で開発に成功したものです。 |
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ADLib®(アドリブ)システム |
ニワトリのBリンパ細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性を増大させ、特定の抗原を固定した磁気ビーズで特異的抗体を産生する細胞をつり上げる仕組みです。理研で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていること及び従来困難であった抗体取得が可能であること等の点に特徴があると考えております。 |
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Bリンパ細胞 |
リンパ球の1種で、主に抗体を産生します。 |
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DT40細胞 |
ニワトリのファブリキウス嚢(鳥類に特有な一次免疫器官)から取り出され、がん遺伝子の導入により不死化されたB細胞(抗体産生細胞の一種)の一つです。このDT40細胞株の抗体遺伝子座において起こる遺伝子変換を人為的に誘導することによって、多様な抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)が得られます。これがADLib®システムの技術の基になっています。 |
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用語 |
意味・内容 |
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ELISA |
ELISA (Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay) は、試料中に含まれる抗体あるいは抗原の濃度を検出・定量する際に用いられる免疫化学的アッセイの一つです。 |
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first-in-class |
一般的には、その作用機序の医薬品のなかで市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)を疾患治療用のターゲットとして初めて用いる場合、その抗体はfirst-in-class抗体と呼ばれます。first-in-class抗体のターゲット抗原の候補は、潜在的なものも含めてアカデミアを中心としたさまざまな疾患研究の中に多く存在していると考えられます。当社ではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。 |
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GPCR |
GPCR(G Protein Coupled Receptor)は、7回膜貫通型タンパク質であり、がんや免疫疾患の治療を目的とした有力な医薬品ターゲットとして注目されています。 |
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IgG |
抗体は、構造の違いによっていくつかのタイプに分けられ、その中の免疫グロブリンG(Immunoglobulin G)の名称を略したものです。IgG抗体はヒトの抗体の大部分を占めている抗体です。 |
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IgM |
抗体は、構造の違いによっていくつかのタイプに分けられ、その中の免疫グロブリンM(Immunoglobulin M)の名称を略したものです。オリジナルのADLib®システムによって作製する抗体は一般的にこのタイプのものです。なお、当社では、ADLib®システムによって作製したIgM抗体をIgG化する技術も保有しております。 |
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Nature Biotechnology |
Nature誌と同じ出版社であるNature Publishing Group社が発行するバイオテクノロジー専門の論文雑誌です。 |