当第1四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
平成27年12月期第1四半期累計期間は四半期連結財務諸表を作成しております。これに伴い、比較対象となる平成27年12月期第1四半期財務諸表を作成していないため、業績数値の前年同四半期との比較は行っておりません。また、当第1四半期会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
なお、本書において使用される専門用語につきましては、(*)印を付けて「第2 事業の状況 3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の末尾に用語解説を設け説明しております。
(1)業績の状況
当社の当第1四半期累計期間における事業開発活動の状況としましては、従来のfirst-in-class(*)の医薬品候補となる抗体作製プロジェクトに加え、開発ステージにある先行品により治療薬につながることが期待されているターゲットに対する抗体作製プロジェクトを進めながら、ADLib®システムの営業活動やパイプラインの導出活動を継続してまいりました。
創薬事業においては、がん治療用抗体を目指すLIV-1205(ヒト化抗DLK-1(*)抗体)について、スイスのADC Therapeutics社(以下「ADCT社」といいます)とAntibody Drug Conjugate(抗体薬物複合体、以下「ADC(*)」といいます)開発用途での全世界における独占的な開発・販売権に関するオプションライセンス契約を締結しております。現在ADCT社では、同抗体の評価を実施している状況です。また、様々な固形がんの細胞表面に発現するTROP-2(*)を標的としたインターナリゼーション(*)活性を有している治療用ヒト化抗体であるLIV-2008bについても、ADCT社とADC開発用途での全世界における独占的な開発・販売権に関するオプションライセンス契約を新たに締結し、同抗体の評価を開始いたしました。なお、ADCT社がオプション権を行使した場合には、当社はライセンス契約締結による契約一時金を受け取り、その後の開発が進んだ場合には開発の進捗に応じ、LIV-1205においては総額で約90億円、LIV-2008bにおいては総額で約110億円のマイルストーンペイメントを、さらに製品上市後には売上高に応じたロイヤルティを受領することになります。
創薬支援事業においては、中外製薬株式会社及び同社の海外子会社であるChugai Pharmabody Research Pte.Led.(以下「中外製薬グループ」といいます)との契約に基づく研究開発活動に加えて、他製薬企業等とアライアンスを結び、抗体作製プロジェクトを実施しております。診断薬分野の大手企業である富士レビオ株式会社(以下「富士レビオ」といいます)との取引におきましては、ADLib®システムの技術導出に伴うライセンス料及び売上高に応じたロイヤルティ収益を継続して受領しております。
以上の結果、当第1四半期累計期間における売上高は51,832千円、営業損失は302,385千円、経常損失は300,643千円、四半期純損失は301,037千円となりました。
各セグメント事業の基盤となる技術プラットフォームの研究開発活動の状況につきましては、ADLib®システムの改良並びに治療用抗体の作製実績を積み上げながら製薬企業等への導出を目指すとともに、医療環境の未充足な疾患領域での治療用抗体の研究開発を継続しております。
以上の研究開発活動の結果、当第1四半期累計期間における研究開発費は175,916千円となりました。なお、当社は創薬基盤技術であるADLib®システムを核として事業を展開しており、全ての保有資産が一体となってキャッシュ・フローを生成していることから、研究開発費を各報告セグメントへ配分しておりません。
当第1四半期累計期間における報告セグメント別の業績は次のとおりです。
① 創薬事業
前事業年度に引き続き、研究領域の集中と選択を行い、治療用途を目的とした抗体の作製・ステージアップ・導出に向けた研究開発活動を継続しております。
また、パイプライン数の増大に向けては、ADLib®システムに加え、他の抗体作製技術等を駆使して、治療用抗体の作製プロジェクトを進め、抗体作製実績の蓄積を継続しております。
LIV-1205及びLIV-2008bは、ADCT社とADC開発用途でのオプションライセンス契約を締結し、現在ADCT社にて評価中です。引き続き、LIV-1205、LIV-2008、LIV-2008bおよび抗セマフォリン3A抗体(*)のライセンス契約獲得のための積極的な活動を実施してまいります。
以上の結果、当該事業における当第1四半期累計期間の売上高は5,935千円、セグメント利益(売上総利益)は5,935千円となりました。
② 創薬支援事業
中外製薬グループとの研究開発活動の他、その他製薬企業や診断薬メーカー等と共同研究契約等を締結し、ADLib®システムを用いた創薬支援プロジェクトを実施しております。
オリジナルADLib®システムの技術導出先である富士レビオから、技術導出に伴うライセンス料を受領しております。また、同社は“ビタミンD測定用の抗体を含む診断キット(Lumipulse® G25-OH Vitamin D Immunoreaction Cartridges)”を欧州で販売しており、当社は売上高に応じたロイヤルティを継続して受領しております。また、同社では、ADLib®システムを用いた新たな診断キット創出に向けた研究開発活動が継続的に行われております。
以上の結果、当該事業における当第1四半期累計期間の売上高は45,896千円、セグメント利益(売上総利益)は14,345千円となりました。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産の残高は4,031,377千円となり、前事業年度末と比較して242,123千円減少いたしました。この主な減少要因は、コマーシャル・ペーパー等の有価証券が599,724千円減少したこと等によるものであります。一方、増加要因として、現金及び預金が365,608千円増加したこと等があります。
(固定資産)
当第1四半期会計期間末における固定資産の残高は617,683千円となり、前事業年度末と比較して27,595千円減少いたしました。この主な要因は、減価償却費の計上等によるものであります。
(流動負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債の残高は204,800千円となり、前事業年度末と比較して32,729千円減少いたしました。この主な要因は、未払金が13,865千円減少したことや賞与引当金が賞与の支給等に伴い13,087千円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第1四半期会計期間末における固定負債の残高は99,613千円となり、前事業年度末と比較して17,397千円減少いたしました。この主な要因は、長期借入金が16,668千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産の残高は4,344,648千円となり、前事業年度末と比較して219,592千円減少いたしました。この主な要因は、四半期純損失により利益剰余金が301,037千円減少したこと等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
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用語 |
意味・内容 |
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インターナリゼーション |
抗体が抗原と結合後、細胞内に取り込まれる現象。 |
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セマフォリン3A抗体 |
神経軸策ガイダンス因子の1つであり、神経軸策の伸張を抑制する液性因子であるセマフォリン3A(Semaphorin 3A)をターゲットとしたヒト化モノクローナル抗体。セマフォリン3Aを阻害することにより、神経再生が起こること、また免疫系、がん等、幅広い疾患領域での適応が期待されます。 |
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ADC |
抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。ADCの特徴は、悪性腫瘍や炎症性疾患等の目的の組織や細胞表面タンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に抗がん剤等の薬物を結合させることにより、薬剤を病変部位に選択的に到達させ、細胞内に放出させることで、がん細胞等を死滅させることができます。 |
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first-in-class |
一般的には、その作用機序の医薬品の中で市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。 |
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DLK-1 |
DLK-1は、細胞膜タンパク質であり、正常な組織ではほとんど発現が見られず、がん細胞の細胞表面で発現が増大している分子です。 |
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TROP-2 |
TROP-2は、細胞膜タンパク質であり、様々な固形がんで発現が増強されており、がん治療のターゲットとして注目されている分子です。 |