第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

私たちは、取り組むべき事業について、“社会に貢献し、社会の発展に寄与してこそ本当の事業である”と考えています。

産業発展の歴史は生産性向上の歴史とも言えると思いますが、当社は1950年設立以来、顧客の生産性向上に寄与することで社会の発展に寄与することを基本方針に掲げ、日本の中核産業であるものづくり産業の、その根幹に関わる切削工具と耐摩工具の販売に特化することで、ものづくり産業の発展に貢献してきたと自負しております。

今後も、当社グループは切削工具、耐摩工具にこだわりを持ち、提案営業(顧客に潜在する問題点を見つけ出し、自社で提供する商品と使い方の提案にて解決策を提示する営業スタイル)の技術を磨き、営業の質を高め、ものづくり産業の生産性向上を通じて社会に貢献してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは継続的な事業の拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。新中長期経営計画(FY74-FY78)におきましては、「売上高」「営業利益」「ROE」を重要な経営指標と位置づけ、「収益性向上」と「強靭な財務体質の実現」に向けて諸施策を実行してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社を取り巻く経営環境は、製造業の海外移転の加速等に伴い、業界内の競争は年々厳しさを増しております。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、従来の対面販売について活動の制約を受け、今後は新たなスタイルでの営業活動が求められる時代が来るものと思われます。こういった環境の変化を機会と捉え、当社の強みである切削工具や耐摩工具に関する専門性を発揮し、国内市場では、有力代理店の囲い込み、人材育成、全国各地への新規出店、有力な海外メーカーの発掘、テクニカルセンターにおける新商品の加工テストやデータ分析等により新規顧客獲得に努めてまいります。また、新中長期経営計画(FY74-FY78)におきましては、「持続的成長」と「改革」の実現に向けた5つの戦略骨子として以下を定め、企業価値の向上に努めてまいります。

1.M&A・海外マーケット等への戦略投資加速

2.新領域・成長分野への積極展開

3.収益性向上・強靭な財務体質の実現

4.人材戦略・働き方改革・DXの推進

5.サスティナブル経営の推進、IR・ガバナンスの強化

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループは、切削工具を主たる販売商品として対面販売による営業活動を行い、国内外の製造業者の生産性の向上に寄与することで事業を拡大してまいりました。今後の我が国経済の見通しにつきましては、これまでの通商問題のみならず、新たに新型コロナウイルス感染症の拡大の影響等によって、国内外の経済の減速傾向が長期化する可能性もあり、厳しい情勢が続くと思われます。

このような環境の中、改めて経営の基本方針である「社会に貢献し、社会の発展に寄与してこそ本当の事業である」という考えに立ち返り、以下の事項を当社グループの対処すべき課題として取組みを進めてまいります。

 

 ①海外市場への展開

国内製造業においては、日本経済の停滞や海外新興国の成長を受け、生産拠点の海外移転が進んでおります。当社グループとしては、海外展開を進める日系製造業の需要に対応するため、中国、東南アジア諸国、北米等への海外展開を積極的に進めております。国内販売で培った販売ノウハウや仕入先メーカーへの交渉力を使い、海外に現地法人を設立し、事業を進めてまいります。

 

 ②営業活動の効率化

対面販売を基本とする営業活動を少しでも効率化するため、インターネットを利用したWEB販売システム「Cominix On-Line」を構築しております。このシステムの登録ユーザーは、システムにログインすることで24時間いつでも取扱い商品の在庫状況と購入価格の確認ができ、発注することができます。今後も、このシステムの利用率を高めることで、営業活動の効率性を高めてまいります。また、連結子会社においてeコマースサイト「さくさくEC」を展開し、効率的に新たなマーケットへの販路拡大を進めてまいります。

 

 

 ③商品力の強化

当社グループは、発注から納品までリードタイムを要する切削工具事業において、顧客への即時納品体制を重視し、商品の先行手配による早期在庫化や、国内市場で同業他社との競合がない、あるいは少ない商品を選定し代理店として販売するなど、販売商品の「幅」と「奥行き」の充実を基本的な方針としております。従って、同業他社との差別化を推し進めるために、今後もプロダクト・ミックスを重視した商品力の強化に取り組んでまいります。

 

 ④耐摩工具事業、光製品事業の育成

国内の切削工具の需要は、自動車市場が大きなウエイトを占めておりますが、自動車もエンジンからモーター搭載の電気自動車に切り替わると、切削加工は減少する可能性があります。当社グループとしては、主力事業の切削工具販売以外の耐摩工具事業、光製品事業の育成も進めております。

 

 ⑤社員教育

商社の競争力は社員の能力であるため、社員教育には力を入れており、豊富な知識を有することが、他社との差別化、競争力の源泉と考えております。当社では年間を通じて計画的に海外メーカーや専門研修機関による研修を実施しております。また、テクニカルセンターを社員教育の場としても活用するなど今後も営業担当者のスキル向上に努めてまいります。

 

 ⑥切削工具卸売業界の再編に備えた財務体質強化

製造業の海外移転の加速により、国内市場の大きな成長が期待できなくなっており、当社グループの所属する業界は再編の動きが出る可能性があります。当社グループもシェア拡大を目指し、時にはM&Aにも備えて積極的に再編に動けるよう、自己資本比率を高め財務体質の強化を進めてまいります。

 

 ⑦国内製缶業界以外の耐摩工具の販売先開拓

当社グループの耐摩工具事業においては、国内製缶業界向け製缶工具の販売割合が高い状況となっております。今後は、国内製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、海外の製缶業界への販売及び国内の製缶業界以外への販売を進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績変動リスク

当社グループの主要販売商品である切削工具は、自動車業界が主要なユーザーであり、当社グループの業績は同業界の設備投資動向及び生産動向に強く影響を受けております。

従って、今後の同業界の業況変化による商品需要の大幅な変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、国内では、耐摩・光製品のセグメントへ展開を進めることで特定の業界(自動車業界)への依存度を低減させてまいります。海外では特定の地域(主に日本と中国)への依存度を低減するため、進出国・拠点を増やすことでリスクを分散してまいります。なお、現時点において新型コロナウイルス感染症による顧客企業の工場の操業停止や当社のサプライチェーンに大きな影響は生じておりませんが、今後再び全世界的に拡大した場合や、ウクライナをめぐる国際情勢の不安が拡大した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(2) 金利変動リスク

当社グループの有利子負債には、変動金利条件となっているものがあります。当社グループでは、金利変動リスクを回避する目的で、有利子負債の短期から長期への転換や金利スワップ取引を利用しておりますが、今後金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 取引先与信のリスク

当社グループは、与信管理の徹底を図り、不良債権発生の未然防止に努めておりますが、今後の景気動向等によっては想定を超える取引先の信用状態の悪化等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、取引先ごとに与信額を設定するほか、1年ごとに信用調査会社のデータをもとに与信の一括見直しを行っております。また回収遅延資料を毎月作成し、不良債権を適宜モニタリングしております。なお、新型コロナウィルス感染症による取引先からの支払に影響は出ておりませんが、今後再び全世界的に拡大した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 商品在庫に関するリスク

当社グループは、特に切削工具については多品種の在庫を有しており、お客様への即時納品体制を確立しています。今後、市況の変化によっては過剰在庫となり商品評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、継続発注は販売実績データに基づく適正発注量決定システムでの運用等を行い、新規発注は販売計画に基づく発注量を決定しリスクを低減しております。

 

(5) 災害・事故によるリスク

地震等の自然災害や人災・事故などにより、当社グループ及び取引先の営業拠点や従業員が被害を受ける可能性があります。これに伴う売上高の減少、物流機能の麻痺、営業拠点の修復又は代替のための費用発生等が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループではあらゆる災害・事故によるリスクに備え、大阪、名古屋、北関東の3つの物流拠点を確立し、流通への影響を低減しております。また、「Cominix On-Line」による非対面販売の実施に加え、2020年10月から連結子会社さくさく株式会社においてeコマース事業の本格的に参入いたしました。またグループ内の取り組みといたしましては、グローバルな相互補完体制を構築する事業継続計画(BCP)の策定、在宅勤務の推進に支障が生じる業務プロセスの見直について継続的に整備を取り組んでおります。

 

(6) 仕入先に係る代理店契約の解消・終了に関するリスク

当社は住友電気工業株式会社と特約販売契約を締結しております。当社は同社と1954年8月に特約販売契約を締結し、同社が製造する切削工具等を中心に事業を展開してまいりました。当該契約書には対象となる製品、販売地域、支払方法及び解除事由等が記載されております。

現在、当社と同社とは良好な関係にあるものと認識しておりますが、当社と同社との関係に変化が生じた場合、あるいは同社の特約販売戦略や特約販売店各社に対する諸条件もしくは当社に対する戦略が変更された場合等には、上記特約販売契約の内容等に変更の可能性があり、その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、現時点では解除事由を含めて当該契約の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には、事業活動に影響を与える可能性があります。

 

(7) 海外事業に関するリスク

当社グループは積極的に海外での事業展開を図っておりますが、進出しております各国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、為替などのリスクによって、今後の事業戦略や当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による新たな規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、海外展開を図る場合には、事前の徹底した情報収集をもとに事業計画を立案し意思決定するとともに、経営環境等の変化により事業計画の見直しの必要性が発生した場合には、撤退も含めて早急に対応を検討する体制を構築しリスクを低減しております。

(注)新型コロナウイルスによる影響については、(1)業績変動リスクの記載参照

 

(8) 為替変動によるリスク

当社は外貨建てによる輸出入取引を行っておりますので、大幅な為替変動が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建ての財務諸表を作成しておりますので、連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。

当社グループでは、外貨建の仕入に対する為替リスクについては、通常の為替変動であれば粗利益を調整し、異常な為替変動があれば、販売価格の改定を行うことでリスクを移転しております。

 

(9) 退職給付債務に関するリスク

当社では確定給付型の退職金制度を採用し、一部を確定給付企業年金制度で運用しておりますので、退職給付債務を計算する前提条件の変更などが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当社は確定拠出型企業年金制度を導入し、前述のリスクの低減を図っております。

 

 

(10) システム障害の発生によるリスク

当社では販売チャネルとしてオンライン発注システム「Cominix On-Line」の構築と、eコマース事業として切削工具専門通販サイト「さくさくEC」を立ち上げており、システムの安定稼動の維持に努め不測の事態に備えた対策も講じておりますが、自然災害や事故、サイバー攻撃等によるコンピューターシステムの停止や通信ネットワークの切断、不備による誤動作、不正使用、不正アクセス、コンピューターウイルス等に起因して当社グループの業務に支障が生じた場合には、大きな信用失墜と機会損失に繋がり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、サーバーのセカンダリ確保を行い、システムのデータバックアップの徹底を図っております。また外部からの攻撃に対しては、ファイアウォール装置の導入するなどリスクを低減しております。

 

(11) レアメタル原材料(タングステン)不足や価格上昇によるリスク

当社グループの主要商品である超硬切削工具に使用されている原材料(タングステン)は、切削工具製造メーカーがその調達のほとんどを中国からの輸入に依存しているため、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、自然災害、伝染病の流行等の不測の事態により原材料(タングステン)が調達できなくなった場合や、その原材料の著しい価格上昇が発生した場合には、当社の販売活動に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12)  特定の業界に依存していることに起因するリスク

当社グループの耐摩工具事業は、連結営業利益に占めるセグメント利益の割合が高く、同事業の販売先では国内製缶業界向け製缶工具の割合が高い状況となっております。

今後とも製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、同業界向け製缶工具の安定的な取引の確保に努めてまいりますが、同業界における技術革新や市場動向等によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、国内製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、海外の製缶業界への販売及び国内の製缶業界以外への販売を進めてまいります。

 

なお、上記に記載の事業等のリスクにおけるセグメントごとの影響度については次のとおりであります。

リスク名

切削工具
事業

耐摩工具
事業

海外事業

光製品
事業

その他事業

全社(共通)

(1)業績変動リスク

 

(2)金利変動リスク

 

 

 

 

 

(3)取引先信用リスク

(4)商品在庫に関するリスク

 

(5)災害・事故によるリスク

(6)仕入先に係る代理店契約の解消・終了に関するリスク

 

 

 

 

 

(7)海外事業に関するリスク

 

 

 

 

(8)為替変動によるリスク

 

 

(9)退職給付債務に関するリスク

 

 

 

 

 

(10)システム障害の発生によるリスク

(11)レアメタル原材料(タングステン)不足や価格上昇によるリスク

 

 

 

(12)特定の業界に依存していることに起因するリスク

 

 

 

 

 

     (注) 影響度につきましては次の通りの区分で示しております。

◎・・・大

○・・・中

△・・・小

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りであります。

 

a.財政状態

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,214,336千円増加し、15,229,330千円となりました。これは主に、売掛金が514,368千円、棚卸資産が411,751千円、電子記録債権が200,843千円増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて701,660千円減少し、3,427,632千円となりました。これは主に、本社ビルの売却により土地が721,599千円、建物及び構築物(純額)が183,466千円減少した一方で、のれんが60,987千円、投資有価証券が55,652千円増加したことなどによります。

うち、広州加茂川国際貿易有限公司のM&Aによる影響額(増加)は、現金及び預金70,026千円、売掛金105,006千円、棚卸資産34,676千円、のれん61,523千円であります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて512,676千円増加し、18,656,962千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて214,327千円増加し、8,810,779千円となりました。これは主に、未払法人税等が210,153千円、支払手形及び買掛金が147,278千円、電子記録債務が55,025千円増加した一方で、短期借入金が186,829千円、1年内返済予定の長期借入金が120,985千円減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて593,508千円減少し、3,168,672千円となりました。これは、長期借入金が649,939千円減少したことなどによります。

うち、広州加茂川国際貿易有限公司のM&Aによる影響額(増加)は、買掛金65,245千円であります。

この結果、負債は、前連結会計年度末に比べて379,181千円減少し、11,979,451千円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて891,857千円増加し、6,677,511千円となりました。これは、利益剰余金が778,965千円(親会社株主に帰属する当期純利益による増加888,861千円、剰余金の配当による減少109,896千円)、為替換算調整勘定が117,596千円増加したことなどによります。

 

b.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症に対するワクチン接種が進み、徐々に持ち直しの動きもみられましたが、新たな変異株の流行による断続的な緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が実施されるなど依然として先行きは不透明な状況が続いております。また、半導体部品や資材不足の回復は引き続き鈍い状況にあり、加えて世界経済においてはウクライナをめぐる国際情勢の不安や、新型コロナウィルス感染症急拡大による行動制限の強化など、影響を懸念される事項が多く、不透明な事業環境が続くことが予想されております。

 当社はこのような不透明な状況のなかでも、新たに子会社化した広州加茂川国際貿易有限公司を含め、Cominixグループ全体でのグローバル展開を武器に、グループの業容拡大に注力しました。

 また、2021年11月実施の本社移転による職場環境の整備・改善による業務効率の向上も引き続き推進し、主要事業である切削工具事業、海外事業で業績は堅調に推移いたしました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は26,929,002千円(前連結会計年度比28.3%増)、営業利益は663,249千円(前連結会計年度比811.3%増)、経常利益は781,770千円(前連結会計年度比544.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は888,861千円(前連結会計年度比201.2%増)となりました。

 なお、当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、当連結会計年度の財産及び損益の状況については、当該会計基準等を適用した後の数値を記載しております。

 

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当年度より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

切削工具事業

 切削工具事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う生産調整や、原材料の価格高騰など懸念材料は存在するものの、生産活動・設備投資は持ち直しの動きが広がっています。
このような状況のなかで、回復基調の顧客状況にあわせた提案型の営業を積極的に推進したことにより、売上高は16,724,594千円(前連結会計年度比25.6%増)、セグメント利益は206,288千円(前連結会計年度は106,199千円のセグメント損失)と増収増益となりました。

 なお、収益認識会計基準等の適用により売上高が211,480千円、営業利益が45,882千円それぞれ減少しております。

 

耐摩工具事業

 耐摩工具事業につきましては、アルミ缶等の生産需要は堅調に推移したものの、主力の製罐業界向けの大型設備案件の減少に伴い、上高は2,566,738千円(前連結会計年度比1.2%減)、セグメント利益は159,089千円(前連結会計年度比38.6%減)と減収減益となりました。

 

海外事業

 海外事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染急拡大による活動制限の強化や、ウクライナをめぐる国際情勢の不安は残るものの、当社の進出国では景況感が回復基調にある米国や、自動車販売や設備投資の増加を受けて工具需要が拡大する中国を中心に、一部の国を除き堅調に推移し、売上高は5,616,505千円(前連結会計年度比43.7%増)、セグメント利益は293,329千円(前連結会計年度は107,681千円のセグメント損失)と増収増益となりました。

 

光製品事業

 光製品事業につきましては、引き続き世界的な半導体不足の影響により、一部案件の進捗・納品の遅延等が発生している中で、高単価の商材に注力する施策を実施して参りましたが、原材料価格の高騰などもあり、売上高は1,232,216千円(前連結会計年度比5.1%増)、セグメント利益は75,684千円(前連結会計年度比2.1%減)と増収減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,677,985千円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、151,995千円(前連結会計年度は330,649千円の獲得)となりました。

資金の減少の主な内訳は、有形固定資産売却益665,723千円、売上債権の増加額509,126千円、棚卸資産の増加額275,803千円、法人税等の支払額324,169千円などであり、資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,459,968千円、減価償却費188,037千円などであります。

当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、1,227,539千円(前連結会計年度は268,255千円の使用)となりました。

資金の増加の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入1,606,093千円などであり、資金の減少の主な内訳は、子会社株式の取得による支出163,663千円、無形固定資産の取得による支出99,985千円、有形固定資産の取得による支出105,452千円などであります。

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、1,323,940千円(前連結会計年度は631,946千円の獲得)となりました。

資金の減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出992,492千円、短期借入金の返済による支出378,925千円などであります。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

 a. 生産実績

機械工具の販売を主たる事業としておりますので、生産実績はありません。

 

 b. 受注実績

受注実績については、販売実績と大差がないため、記載を省略しております。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

切削工具事業

16,724,594

125.6

耐摩工具事業

2,566,738

98.8

海外事業

5,616,505

143.7

光製品事業

1,232,216

105.1

その他事業

788,947

25,341.2

合計

26,929,002

128.3

 

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 その他事業につきましては報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、eコマース事業及び製造事業であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。

当社グループは、超硬工具に特化した高度専門商社としてグローバルに事業を展開しております。当社グループでは、業界NO.1に向けた成長戦略を海外市場及び国内市場にて推進しております。

海外市場は、ユーザーの海外移転が進む国内市場と比較して、より成長余地が大きい市場と捉えております。当社グループの海外進出可能な直販体制と商品力・提案力を武器に海外市場へ積極的に経営資源を投入しております。一方、国内市場においては、後継者問題や顧客の海外展開への対応などの課題を抱える販売会社に対する友好的なM&A・テクニカルセンターを活用した技術営業体制の強化・新商材の拡充など業界独自の販売方法を通してシェア拡大を図っております。

こういった方針のもと、当連結会計年度は、テクニカルセンターにおける各種ツール導入による技術営業体制の強化、eコマース事業として切削工具専門通販サイト「さくさくEC」を展開しております。M&A施策としては、広州加茂川国際貿易有限公司に対するM&Aを実施いたしました。

この結果、売上高は26,929,002千円(前連結会計年度比28.3%増)、売上高総利益率は20.8%(前連結会計年度から0.4ポイント増)自己資本比率は35.7%(前連結会計年度から4.0ポイント増)となりました。

今後、M&Aを実施した連結子会社とのグループ間シナジーを高めてまいります。また海外市場で獲得したユーザーの国内拠点を開拓するなど海外市場と国内市場のシナジーを実現し、物流環境の効率化・情報の高度化等により利益の伴った成長を実現しつつ、新たな海外拠点の開設など成長市場への投資を行い、当社グループ全体の成長を図ってまいります。

また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財政及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。

将来の成長のための内部留保については、長期的な展望に立った事業所開設資金ならびに新規取扱い商品の購入資金に投入し、さらなる企業競争力の強化に取り組んでまいります。

当連結会計年度においてはM&A施策として、広州加茂川国際貿易有限公司を連結子会社化いたしました。設備投資については、本社移転に伴う内装工事及び設備の更新、新規事業における設備等の購入及びWEB販売システムの刷新費用などの投資を行いました。この結果、当連結会計年度における固定資産の取得による支出は205,437千円となりました。尚、これらの投資のための所要資金は、自己資金、借入金にて賄っております。

この結果、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債残高は5,082,309千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,677,985千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

当社グループは、税効果会計、貸倒引当金、商品の評価、投資その他の資産の評価、のれんの評価及び偶発事象等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

翌連結会計年度における世界経済は、新型コロナウィルス感染症の影響による不確実性が残るものの、ワクチンの普及や各国の財政、金融政策により回復力が増してくるものと期待されています。

財務諸表の作成に当たっては、「翌連結会計年度においては、さらにワクチン接種が進み、様々な制限が緩和されていくことから通期において通常需要の見通しである」との仮定に基づき見積り及び予測を行っております。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響は不確実要素が多く、現時点で業績等、全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

契約内容

契約締結日

契約期間

当社

住友電気工業

株式会社

住友電気工業株式会社が製造するイゲタロイ及びダイヤ製品の特約販売に関する基本契約。販売地域は、原則として日本国内とする。

2004年7月23日

自 2004年7月23日

至 2005年7月22日

以降1年毎の自動更新

 

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。