第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「いいモノを世の中に広め、人々を幸せに」を経営理念としてかかげ、顧客である企業等のメディアを活用した生活者とのコミュニケーション戦略をサポートする事業を展開しています。従来より当社グループが手掛けるPRサービスの分野にとどまらず、技術の進化とともに刻々と変化するメディア環境にもいち早く対応しながら、顧客のコミュニケーション戦略において必要となる実効性の高いサービスを総合的に提供することで、顧客にとっての最適なコミュニケーション環境の構築をサポートすることを目指しております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、顧客である企業等によるメディアを介したコミュニケーション戦略を幅広くサポートするためのサービスの拡充や体制の強化を継続的に推し進めることで成長を実現させてまいりました。

従来のPRサービス分野にとどまらず、目まぐるしく変化を続けるメディア環境や技術の進化にも対応しながら実効性の高いサービスを積極的に取り込み、顧客の「いいモノを世の中に広める」ためのコミュニケーション戦略において必要となる幅広いサービスをタイムリーかつ高いコスト効率によりワンストップで提供する「FAST COMPANY」としてのサービスの拡充と体制の強化に取り組んでおります。

特に最近では急速に技術進歩をしながら成長を続けるデジタルマーケティング領域のサービス強化を目的として、 M&A を含むグループ基盤の強化に取り組んでおります。

今後も市場の動向や技術の進歩も踏まえながら将来にわたってより安定的かつ効率的な収益を確保できるサービスの拡充に取り組み、顧客のコミュニケーション戦略を総合的にサポートできる事業強化を継続的に進めることで、業界における競合優位性を強化し企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

(3) 経営環境

 当社グループがターゲットとしている広告市場は、2022年(1~12 月)の日本の総広告費は7兆1,021億円(前年比4.4%増)とウクライナ情勢や物価高騰など様々な影響を受けつつも、過去最高を更新しました。その中でも、インターネット広告費は3兆912億円(同14.3%増)と社会のデジタル化を背景に継続して成長を続け、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加し、広告市場全体をけん引しました。(出所:株式会社電通)。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、将来にわたってグループの成長を継続させ企業価値の向上を実現するために、以下の課題に積極的に対処してまいります。

 

① 顧客のトータルコミュニケーションをサポートする事業体制の強化

当社グループは、顧客のコミュニケーション戦略を総合的にサポートするための体制を整え、従来のPRサービスの枠組にとらわれない広範な事業に取り組み成長を実現してまいりましたが、将来にわたって当社グループの成長を継続させるためには、従来にも増して目まぐるしく進化を続けるメディア環境やインターネット等の技術の進化にもいち早く対応できるための事業基盤の強化を継続的に進めるとともに、事業の拡大に応じたグループ運営体制の強化を着実に実行していくことが必須であると考えております。

継続的に時機を逃さずに顧客が求めるサービスの拡充を進めるとともに、それらの新しい事業分野を当社グループのサービスラインとして効率的に取り込み、顧客に対して最適なパッケージサービスとして提供するための、グループとしての運営体制の強化に取り組んでまいります。

② コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループは、会社の永続的な発展のために、経営の透明性、効率性及び健全性を確保するとともに経営責任の明確化を進めているところです。当社グループは国内のみならず海外においてもグループ会社が増加し、新しいサービス分野も含めその事業領域を急速に広げながら成長を継続しております。特に最近においては、新しいサービス分野を中心にM&Aや事業譲受なども行いながら積極的に事業体制の強化を進めており、それらの新しい事業リソースを当社グループの経営管理体制に効率的に統合するとともに、その運営においても、新しい事業分野や事業地域で法令やルールを遵守するための体制の整備が重要であると認識しております。

その実現のために、事業規模の拡大に対応した効率的な経営管理体制の整備を進め、法令及び社内諸規程を遵守した業務執行の定着を推進するとともに、内部監査を継続的に実施し、会社業務の適正な運営ならびに財産の保全を図り、さらにその実効性を高めていくための経営効率化に取り組んでまいります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、現時点においても成長途上であると認識しており、営業基盤の拡大による企業価値の継続的拡大を目指していることから、営業基盤の指標として『営業利益』を重視しております。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に係るリスク

①景気の変動

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

企業の広告宣伝・広報関連予算は企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり、景況感が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループのPR・広告事業においては、様々な産業セクターへ営業活動を行うことにより、特定産業の景況の影響を受けるリスクの分散をはかっています。

また、ダイレクトマーケティング事業などPR・広告事業以外の事業を展開しており、企業の広告宣伝・広報関連予算減少のリスク低減に努めています。

 

②災害・事故等に関わるリスク

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

企業の広告宣伝・広報関連予算は、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、流通の混乱、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向にあります。したがって、これらの災害・事故等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

ダイレクトマーケティング事業などPR・広告事業以外の事業を展開しており、企業の広告宣伝・広報関連予算減少のリスク低減に努めています。

また、従業員の安否確認システムの導入、リモート対応ができるようなシステム環境を整備する等、事業継続への影響を最小限に抑える体制構築に努めています。

 

(2)事業戦略に係るリスク

①海外展開

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループはアジア・ASEAN地域を中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進しております。海外事業展開には、常に為替リスク、カントリーリスク等があり、損失の発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

アジア・ASEAN地域は新型コロナウイルスに対する防疫措置などにより顕在化する可能性は高いと想定されます。翌期においても発生する可能性があると考えられます。

[リスクへの対応策]

海外市場の動向を慎重に見極め、リスクコントロールを徹底することにより、当該リスクの低減に努めています。

 

②新規事業

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループは、企業価値の向上と事業領域の拡大を目的に、M&A・事業提携、新規事業や新規市場の開拓を積極的に推進する方針です。しかしながら、財務状況の悪化、予測と異なる状況による事業計画との著しい乖離等により、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

 

[リスクへの対応策]

当社グループでは、市場状況・事業環境のタイムリーで的確な把握と、事業計画の進捗把握と改善に注力し、適時適切な撤退判断等、当該リスクの低減に努めています。

 

③インベストメントベンチャー活動

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループは、2023年2月期より投資活動を事業化し、優良ベンチャー企業への投資活動にも取り組んでおります。ベンチャー企業に対して、当社グループの中核事業である戦略PRやIRサービスを提供するのとあわせて、出資を行うことにより資本面での支援もあわせて行い、投資先の総合的な企業成長の支援をするものです。当年度は3社の投資先が株式上場を果たしており、おおむね順調に推移しておりますが、投資先である未公開企業は、その将来性における不確定要素により業績が悪化し、投資が回収できず、当社グループの損益に影響を与える可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループでは出資額に応じて定めた適切な意思決定機関で、事業予測や投資の回収可能性等のリスクを総合的かつ慎重に検討し、投資の実施判断を行い、当該リスクの低減に努めています。

 

(3)事業運営に係るリスク

①人材確保

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループの成長力および競争力は、優秀な人材の獲得と維持に依存します。今後、優秀な人材の獲得が困難となる場合又は現在在職する人材の社外流出が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕材化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループは、人材採用及び人材育成を重要な経営課題と位置づけております。当社グループでは、離職抑制及び多様性のある人材確保のため、公正で柔軟な人事制度導入とともに、多様な働き方への対応など労務環境のさらなる改善を推進しており、当該リスクの低減に努めています。

 

②メディアとの関係及び新たなメディアの成長

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループのPR事業領域においては、マスメディアおよびデジタルメディア各社に対し有用な情報を長期的かつ継続的に提供することにより、メディアの意思決定者と継続的かつ良好な関係を維持することが、顧客へ提供するサービスの品質・効果における重要な要素となります。誤った情報の提供等の理由によりメディアとの信頼関係を失った場合、またインターネット環境の整備及びスマートフォン等の新しいデバイスの普及による新興メディアの考査が十分に機能しなかったこと等によるレピュテ―ションリスクが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループでは、社内研修等を通じてメディアに対し有用かつ正しい情報を提供できるように人材の育成に努めており、当該リスクの低減に努めています。

 

③PR業界における取引習慣

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループのPR事業領域においては、PRの計画や内容に柔軟かつ機動的な変更を要求される業界特有の取引習慣となっているため、役務提供過程においても企画内容、実施時期、報酬額及びその支払時期等が変更される場合もあります。取引条件について取引先との認識の相違や係争が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループでは、契約書、発注書の変更に対して覚書等の文書を取り交わすこととしており、取引条件の明確化に努めています。

 

④法規制

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループの事業は様々な法規制の影響を受けております。特にダイレクトマーケティング事業領域においては、「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。これらの法令の制定や改正、新たなガイドライン等により規制が強化された場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループは、各規制に従って業務を遂行しております。法律の改定状況をモニタリングし、社内研修による周知等、法令違反を防止する社内管理体制を構築し、当該リスクの低減に努めています。

 

⑤知的財産権

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループが事業推進において第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起されるなどして、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内教育の実施や顧問弁護士による調査・チェックを実施し、リスクの低減に努めています。

 

⑥情報管理

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループは事業を推進していく中で、クライアントの機密情報や個人情報を扱う機会があります。不測の事態によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの業績及び社会的信用力に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

情報管理については必要な措置を講じており、その一環として2013年1月にISO27001の認証を取得するなど、各種情報の取り扱いの重要性については、社内研修等を通じて啓蒙活動を実施しています。

 

⑦内部管理

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が間に合わない状況が発生した場合、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化を進めており、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用し、リスクの低減に努めています。

 

⑧企業活動におけるレピュテ―ションリスク

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

当社グループの事業活動やイメージについて批判的な評価や誤った情報が拡散した場合等、様々な要素によって当社グループのブランド価値や信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクが顕在化する可能性の程度や時期]

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと考えられます。また時期については常に発生する可能性が考えられます。

[リスクへの対応策]

当社グループでは、社内で連携し適切な情報発信ができる体制となっております。また、当社では日頃から、これら風評の早期発見及び影響の極小化に努め、当該リスクの低減に努めています。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の業績の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況
 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展に伴う行動制限の緩和や各種政策の効果等により、持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢の影響によるエネルギー価格の高騰を背景としたインフレ圧力の上昇、急激な金利上昇や円安進行等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 広告業界においては、株式会社電通が2023年2月に発表した「2022年日本の広告費」によると、2022年(1~12月)の日本の総広告費は7兆1,021億円(前年比4.4%増)とウクライナ情勢や物価高騰など様々な影響を受けつつも、過去最高を更新しました。その中でも、インターネット広告費は3兆912億円(同14.3%増)と社会のデジタル化を背景に継続して成長を続け、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加し、広告市場全体をけん引しました。

 このような市場環境のもと、当社グループは、顧客の「いいモノを世の中に広める」ためのマーケティング戦略をワンストップで総合的にサポートする「FAST COMPANY」として、デジタルサービスを中心に実効性の高いサービスの強化を進め、当社グループが有する既存顧客を中心に積極的に展開しました。

 さらに、顧客の「いいモノを世の中に広める」ためのマーケティング戦略をサポートする新しいサービス分野にも積極的に取り組み、時代の先を見据えたサービスを提供すべく、2022年3月には、九州支社を開設し、九州エリアの企業へのPRサポートを強化しております。また、ライバーマネジメント事業を展開する株式会社INFLUENCER BANK(旧株式会社Liver Bank)にて、SNS同時配信やデータ分析が簡単に行えるライブコマースツール「自社でライブコマースできるくん」の提供を開始しております。2022年12月には、動画を活用した転職・キャリア支援サービス「JOBTV転職」のβ版提供を開始しております。また、デジタルマーケティングのサービス強化を目的として、2022年9月には株式会社ターミナルからデジタル広告事業を譲り受けました。2022年12月には、運用型広告の運用代行事業を展開する株式会社キーワードマーケティングを連結子会社化しました。2023年3月には、SNSを用いた集客支援事業を展開する株式会社トライハッチを連結子会社しました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は55,225百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は6,276百万円(前年同期比22.4%増)、経常利益は6,623百万円(前年同期比27.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,172百万円(前年同期比53.1%増)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響額は、売上高の減少4,022百万円、営業利益の減少3百万円であります。

 

 なお、当社グループが投資事業として行うベンチャー企業等への出資活動において、出資先に対してPRおよびIR もあわせたサポートを提供し、その結果として、株式会社メンタルヘルステクノロジーズが2022年3月28日に、セカンドサイトアナリティカ株式会社が2022年4月4日に、株式会社プログリットが2022年9月29日に、いずれも東京証券取引所グロース市場へ、株式会社シーラテクノロジーズが2023年3月31日に米国ナスダック市場への上場を果たしました。

 また、ベンチャー企業に対する支援の一環として、美容業界に特化したクラウド型店舗システム等の店舗DXサービスを展開する株式会社クラウドビューティ(旧株式会社ジオベック)を2022年7月29日に、360 度カメラを使用した自由視点映像の生成・配信プラットフォーム事業を展開するMasterVisions株式会社を2022年11月18日に、フランチャイズマッチングプラットフォーム事業を展開する株式会社アミーを2022年11月21日に連結子会社化しました。PRやIR支援だけでなく経営も含めたサポートを行うことで、同社サービスの成長を加速し、上場を視野に入れた幅広いサポートを提供してまいります。

 

 セグメント業績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、セグメントの名称を「メディア事業」より「メディアCMS事業」に、「ファンド事業」より「投資事業」に変更しております。

また、「投資事業」は、当連結会計年度より会計処理を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載の通りであります。

 

・PR・広告事業

 PR・広告事業においては、主にコンサルティングを基本とする戦略PRサービスの提供およびタクシーの車内に設置するタブレットを活用したIoTサイネージサービスによる広告販売などを提供しております。デジタル領域におけるサービスなど時代のニーズを汲み取ったマーケティング施策を展開したことにより、海外事業が新型コロナウイルスの影響を受け落ち込む中でも、国内事業が業績を力強く牽引しました。また、動画を活用した採用プラットフォームを展開するJOBTV事業において、開発費や広告費等の先行投資を実施し508百万円の営業損失を計上しましたが、好調な国内事業が補い、過去最高の売上高および営業利益を更新しました。

 以上の結果、PR・広告事業における売上高は29,518百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益は2,984百万円(同40.4%増)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響額は、売上高の減少3,488百万円であります。

 

・プレスリリース配信事業

 株式会社PR TIMESが手掛けるプレスリリース配信事業においては、プレスリリース配信サイト「PR TIMES」をはじめとした多数のWebサイトにプレスリリースを配信・掲載しており、社会インフラとして多くの企業に活用され、2023年2月には利用企業社数が79,000社を突破しました。また、さらなる新規顧客獲得に向け、テレビCM等の積極的な広告投下を実施しました。

 以上の結果、プレスリリース配信事業における売上高は5,706百万円(前年同期比17.5%増)、営業利益は1,190百万円(同35.1%減)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響はありません。

 

・ビデオリリース配信事業

 株式会社NewsTVが手掛けるビデオリリース配信事業は、営業人員を育成しリード獲得に注力した成果が表れ、売上高は前年同期比で微増となり、販管費を削減したことで赤字幅が減少しました。

 以上の結果、ビデオリリース配信事業における売上高は1,385百万円(前年同期比1.7%増)、営業損失は34百万円(前年同期は72百万円の営業損失)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響額は、売上高の減少6百万円であります。

 

・ダイレクトマーケティング事業

 株式会社ビタブリッドジャパン等が手掛けるダイレクトマーケティング事業においては、期初から継続して広告投下を実施したことにより、計画以上の新規顧客を獲得することができた結果、「ターミナリアファースト」の販売が好調に推移し、通期における過去最高の売上高および営業利益を更新しました。

 以上の結果、ダイレクトマーケティング事業における売上高は14,691百万円(前年同期比19.2%増)、営業利益は984百万円(同27.0%増)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響額は、売上高の減少414百万円であります。

 

・メディアCMS事業

 株式会社スマートメディアが手掛けるメディアCMS事業は、外部環境に左右されない強固な収益基盤を構築するため、メディア事業の人員をオウンドメディア事業に配置転換するなど、オウンドメディア事業の体制を強化したことで、自社Webメディアの広告収入に寄与する新規タイアップ案件の獲得を抑制しましたが、売上高は前年同期比で微増、営業利益は前期の赤字から黒字に転換しました。

 以上の結果、メディアCMS事業における売上高は956百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は3百万円(前年同期は22百万円の営業損失)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響額は、売上高の減少2百万円であります。

 

・HR事業

 株式会社あしたのチームが手掛けるHR事業は、SaaS型商材の販売強化に向けた販売戦略の見直しや営業人員の強化を行いつつ、新規顧客獲得のための広告費や機能強化に向けた開発費を投下しながらも、過去最高の営業利益を更新しました。

 以上の結果、HR事業における売上高は2,372百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は352百万円(同49.3%増)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響額は、売上高の減少109百万円であります。

 

・投資事業

 投資事業においては、一部の投資先において評価損を計上しましたが、保有株式を一部売却したことにより、売却益が売上高および営業利益の増加に寄与しました。

 以上の結果、投資事業における売上高は1,601百万円(前年同期比29.3%増)、営業利益は775百万円(同203.2%増)となりました。なお、収益認識に関する会計基準適用による影響はありません。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は13,372百万円と、前連結会計年度末に比較して149百万円の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は1,457百万円となりました(前連結会計年度比70.7%減)。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上5,712百万円、減損損失793百万円、仕入債務の増加額641百万円、未払金の増加額698百万円による増加及び売上債権及び契約資産の増加額925百万円、棚卸資産の増加額948百万円、営業投資有価証券の増加545百万円、預け金の増加982百万円、法人税等の支払額2,491百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は1,288百万円となりました(前連結会計年度は1,308百万円の支出)。これは主に、出資金の回収による収入515百万円、貸付金の回収による収入247百万円、敷金及び保証金の回収による収入102百万円、及び有形固定資産の取得による支出261百万円、事業譲受による支出550百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出978百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は358百万円となりました(前連結会計年度は1,060百万円の支出)。これは主に、短期借入金の純増額4,711百万円、長期借入れによる収入901百万円、及び長期借入金の返済による支出1,660百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,028百万円、子会社の自己株式の取得による支出1,990百万円、配当金の支払額618百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループの主たる業務は、PR・広告事業であるため、生産に該当する事項はありません。

 

b.受注実績

当社グループの主たる業務であるPR・広告事業は、提供するサービスの性格上、受注の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

事業の名称

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

前年同期比(%)

PR・広告事業(百万円)

29,290

113.7%

プレスリリース配信事業(百万円)

5,569

118.6%

ビデオリリース配信事業(百万円)

1,089

103.3%

ダイレクトマーケティング事業

(百万円)

14,550

119.3%

メディアCMS事業(百万円)

754

114.2%

HR事業(百万円)

2,371

94.4%

投資事業(百万円)

1,599

129.6%

合 計(百万円)

55,225

114.8%

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,768百万円増加し、36,343百万円となりました。

流動資産におきましては、当連結会計年度末残高は30,115百万円と前連結会計年度末に比べ3,797百万円の増加となりました。これは、現金及び預金が149百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が1,393百万円、営業投資有価証券が369百万円、商品及び製品が709百万円、流動資産その他に含まれている預け金が1,007百万円、前払金が204百万円増加したことが主な要因となります。

固定資産におきましては、当連結会計年度末残高は6,228百万円と前連結会計年度末に比べ970百万円の増加となりました。これは、ソフトウエアが169百万円、投資有価証券が237百万円、敷金及び保証金が179百万円減少した一方で、のれんが1,426百万円、繰延税金資産が336百万円増加したことが主な要因となります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ5,186百万円増加し、20,584百万円となりました。

流動負債におきましては、当連結会計年度末残高は16,623百万円と前連結会計年度末に比べ5,802百万円の増加となりました。これは、未払法人税等が325百万円減少した一方で、買掛金が686百万円、短期借入金が4,721百万円、未払金が1,336百万円増加したことが主な要因となります。

固定負債におきましては、当連結会計年度末残高は3,960百万円と前連結会計年度末に比べ616百万円の減少となりました。これは、その他固定負債に含まれている長期未払金が239百万円増加した一方で、長期借入金が519百万円、社債が231百万円減少したことが主な要因となります。

 

b.経営成績の分析

(営業利益の状況)

営業利益の詳細につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の業績の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

(経常利益の状況)

投資事業組合運用損を41百万円計上している一方で営業利益が前連結会計年度に比べ1,148百万円増加し投資事業組合運用益を366百万円計上しております

これらを主な要因として、経常利益は前連結会計年度に比べ1,414百万円増加の6,623百万円(前連結会計年度比27.2%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益の状況)

法人税等合計を2,121百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を418百万円計上しております。

これを主な要因として、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,172百万円(前連結会計年度比53.1%増)となりました。

 

当社グループは、現時点においても成長途上であると認識しており、営業基盤の拡大による企業価値の継続的拡大を目指していることから、営業基盤の指標として営業利益を重視しております。

当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度に比べ1,148百万円増加し6,276百万円(前連結会計年度比22.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の業績の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループにおける主な資金需要は、運転資金及びベンチャー投資事業における投資資金となります。運転資金としては、主に人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費の支払となります。これらの資金につきましては、内部資金、金融機関から借入及び社債により調達しております。当連結会計年度における現金及び預金は13,372百万円、短期借入金は5,056百万円、長期借入金(一年内返済予定を含む)は4,403百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますこの連結財務諸表を作成するにあたって資産負債収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますがこれらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載しておりますまた新型コロナウイルス感染症の影響につきましては「注記事項(追加情報)」に記載されているとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2022年7月29日付で株式会社ジオベックの株式を取得し、同社及びその関係会社である株式会社BeautySpaceGlobalを連結子会社化いたしました。また、2022年11月18日及び2022年12月26日にMasterVisions株式会社の株式を追加取得し、同社を連結子会社化いたしました。さらに、2022年11月21日付で株式会社アミーの株式を追加取得するとともに、2022年11月30日付で当社が保有する同社発行の転換社債型新株予約権付社債を株式に転換し、同社を連結子会社化いたしました。加えて、2022年12月26日に株式会社キーワードマーケティングの株式を取得し、同社を連結子会社化いたしました。

 当社は、2022年9月30日付で株式会社ターミナルが提供するデジタル広告事業を譲り受けました。また、2022年8月29日付で株式会社ビタブリッドジャパンの株式を追加取得し、2022年10月31日付で株式会社あしたのチームの株式の追加取得をいたしました。

 当社は、2023年2月15日付で株式譲渡契約を締結し、2023年3月1日付で株式会社トライハッチの株式を取得いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)及び(重要な後発事象」に記載の通りであります。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループ全体の研究開発活動の金額は、126百万円であります。

当研究開発活動は、PR・広告事業、ビデオリリース配信事業及びHR事業の各セグメントに係るものであり、主な内容は新サービスの開発であります。