第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、お客様・お取引先様・従業員による「信頼とふれあいの輪」を基本理念とし、お客様に感動を与えるプレゼント選びの場を提供する「アニバーサリーコンセプトショップ」及びお客様が何度でも足を運びたくなる「おもてなしの接客」を事業コンセプトとしております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、事業の規模と展開の成果である売上高とその構成要素となる客数・客単価の推移、収益力を判断するための営業利益を経営指標として重視しており、その向上を図ってまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、人口減少・少子高齢化、お客様ニーズの多様化、ネット通販(EC)の飛躍的拡大、リユース・個人間売買等との競合増加に加えて、円安・物価高騰による消費者マインドの変化が急速に進行したこと等もあり、当社を取り巻く経営環境は急速に変化しております。

 当社はこれまで集客力のある大都市周辺部及び地方都市のSCを中心に店舗を展開し、対面の接客を重視した販売手法により業容を拡大してまいりましたが、経営環境の変化に一層のスピード感をもって対応することが急務であると認識しております。とりわけ、円安進行による輸入ブランド品の価格上昇を受けて消費者購買意欲が低下したこと、人件費・光熱費等の高騰による店舗運営コストが増加したことが、主力であるブランドショップ展開の収益性低下を招いております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 

① 事業モデルの多様化

  当社は、これまでブランドショップの多店舗展開という単一事業モデルでありましたが、当連結会計年度から株式会社AbHeriのM&Aによる完全子会社化をもってグループ経営となりました。環境変化への対応として、収益性の改善と新たな事業基盤の確立が事業上の重要な課題と認識しており、事業モデルの多様化を推進することで業績の回復と中長期的な成長・発展を目指してまいります。具体的には、既存事業の製販一体化事業モデルへの転換による利益率の向上、複数のブランドのM&A・新規事業立ち上げによる収益基盤の確立を進めてまいります。

 

② ハピネス・アンド・ディの構造改革

)商品改革

 環境変化への対応として輸入ブランド雑貨・時計を縮小し利益率の高い宝飾・プライベートブランドの拡充を推進してまいります

)不採算店舗の閉店(10店舗決定済)による収支の改善

 2023年8月期において契約期間満了店舗も含めて不採算店舗を順次閉店し店舗の整理統合を進めることで収支の改善に取り組んでまいります閉店による収支改善が通期決算として寄与するのは2025年8月期となります

 

③ 株式会社No.(ナンバー)の設立によるジュエリー新規事業の開発

  2023年10月6日に完全子会社である株式会社No.を設立いたしました。

  初年度は商品開発期と位置づけ、市場調査・商品企画を中心に展開し、2025年8月期以降の収益化を計画しております。

 

④ M&Aを積極的に推進

  当社グループは、今後さらなる業績・事業規模の拡大を図り、持続的な成長をしていくために、新たな収益機会となり得るM&Aを積極的に推進してまいります。高いシナジー効果が得られる企業を幅広く対象とし、検討

 ・交渉を進めてまいります。

 

⑤ 出店政策の再構築

  当社グループにおけるブランドショップハピネスは、これまで、商圏人口、地域特性、立地条件、競合企業の動向、採算性等を考慮し、大都市周辺部及び地方都市のSCを中心に、主として大型及び中型店舗を出店してまいりました。また、AbHeriについては、都市型の高級感ある店舗展開を特色として出店してまいりました。

  今後においても将来の成長を見据えた新規の出店は成長のために欠かせないと認識しており、外部環境の変化を十分見極めながら、SCとの共働に加えて、当社グループ独自に消費者動向・商圏特性・採算性を検討し、店舗網の拡大を図ってまいります。

 

⑥ マーチャンダイジング(MD)の強化

 当社グループは、お客様一人ひとりに喜びや感動を提供できる魅力的なショップを目指して、ライブ販売等の新たな取組みも実施し、お客様のニーズに合致した商品構成を図ってまいりました。今後さらにその充実を図るために、消費動向の把握や流行の研究等に努め、売れ筋商品の充実のほか新規商品の導入等を図ってまいります。

 また、オリジナルブランドとして展開している、H&D (エイチ アンド ディ)につきましては、利益率の向上へ向けて中長期的な重要課題と位置付けており、商品開発・MDの強化とともにブランドイメージの向上に取り組んでまいります。

 

⑦ 店舗DXの推進

 当社グループは、「おもてなしの接客」、「お客様の立場でのご提案」によって、喜びや感動を提供できる店づくりを目指しております。このため、お客様への接客力や商品提案力を強化することを重要な課題と位置づけ、現場での実践のほか、各種研修を通してその向上に取り組むことに加えて、店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、ABCシステムの導入も図りました。今後においても店舗DXの推進は重要なテーマと考えており、デジタル化社会への変化対応と投資案件の選択に留意し、顧客接点の創出・強化、自社ECサイトの拡大、オムニチャネル化の推進、店舗スタッフが接客に専念できる環境の整備等を図ってまいります。

 

⑧ 人材の確保と育成

 当社グループは、事業の拡大を図るためには、計画的な人材の確保と育成が重要な要素であると考えております。キャリア人材の確保に努めるとともに、労働環境の変化に対応するため、より実効的な採用方法の検討、採用対象の拡大等はもとより、応募動機につながる給与水準の見直し、従業員に対する福利厚生施策の拡充等にも取り組んでおります。また、育成体制の強化を進めるべく、教育店舗における計数・商品知識の充実、接客対応力・アフターサービスの向上等の、現場に即した研修の強化とあわせて、従業員の資格取得についての支援体制も充実させてまいります。

 

⑨ 財務上の課題

 当社グループは、宝飾品、時計、バッグ・小物等のインポートブランド品及びオリジナルブランド商品を販売する小売業を主としております。研究開発等がないことから、各店舗の適切な商品在庫管理と販売費及び一般管理費のコントロールが財務上の重要課題となっております。このため、商品の電子タグによる管理の導入を進めてまいりました。在庫管理の業務改善と効率化を図るとともに、商品情報の電子化による顧客利便性の向上を進めてまいります。また、店舗間の物流経費削減と作業軽減を図るため、物流業務の外注化を順次進めております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 以下に記載するうち、将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する前提に基づくものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。

 

 当社グループでは、従前の経営理念や行動指針を継承しつつ、環境・社会・経済の持続可能性の観点から「サステナビリティの基本方針」を制定しております。この方針は、当社グループがサステナビリティ経営を行っていくうえでの基本的な考え方と行動規範を示すものであり、この方針に基づき、従業員一人ひとりが持続可能な社会の発展と中長期的な企業価値の向上に取り組んでいきます。

 

サステナビリティの基本方針

ハピネス・アンド・ディグループは「信頼とふれあいの輪」という経営理念のもと、事業を通じて、常に洗練された品のあるファッションを提供し続ける会社を目指しています。

この考え方のもとですべてのステークホルダーとともに、時代のニーズに合わせた環境づくり、組織づくり、人財づくり、商品づくりを推進してまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、様々な社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現と、当社グループの持続的な企業価値向上を目指し、各種会議体において、ESG経営の推進、SDGsを含めたサステナビリティに関する各種取組みの検討・報告を行っております。各種の取組みの進捗、状況把握及びリスクにつきましては、定期的に、取締役会に報告し、監督される体制を構築しております。

 また、コンプライアンスに関する事項やリスクに関する事項につきましては、内部監査室及び社長室が中心となり、リスク管理体制を整えております。

 なお、当社のガバナンスに関わる体制の全体像は、「第4.提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 a.企業統治の体制の概要」に示されております。

 

(2)戦略

 当社グループにおきましては、企業としての社会的責任(CSR)及び持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、サステナビリティにつきまして、5つのマテリアリティ(人財戦略を除く)を特定しております。これらは、持続可能な社会の実現を目指して、当社が企業価値を高めていくために特に重要であると考える事項であります。

 

マテリアリティ

SDGs

当社の取り組み

貧困

1番目 貧困をなくそう

「お買い物を通じて社会問題への解決を図る商品開発」をテーマに、世界最貧国バングラデシュの工場にPB製品製造を依頼しております。

10番目 人や国の不平等をなくそう

健康・福祉

3番目 すべての人に健康と福祉を

子ども虐待防止を呼び掛ける「オレンジリボン運動」への参加・支援を行っております。

バリアフリー基金の考えに賛同し、寄付を行っております。

ジェンダー

5番目 ジェンダー平等を実現しよう

特定の店舗をモデル店舗に設定し、女性の雇用制度と研修内容の見直しに取り組んでおります。

資源保全

12番目 つくる責任つかう責任

ショッピングバッグを有料化することで、貴重な資源の消費量削減に努めております。

リサイクル素材を活用したPBダウンコートの開発・販売を行っております。

海洋保護

14番目 海の豊かさを守ろう

「海への関心や好奇心の喚起、海の問題解決に向けたアクションの輪を広げる」という考えに賛同し、海と日本プロジェクト推進基金に寄付を行っております。

 当社グループにおける人財戦略につきましては、大きく変化する社会環境、経営環境に対応するため、制度、教育において各種取組みを進めております。具体的には、自律型成長人財の育成を目指す<人財育成方針>と、働きやすい労働環境の構築を目指す<社内環境整備方針>の2本の柱を掲げて戦略を立てております。

 

<人財育成方針>

 大きく外部環境が変化する現在におきましては、従業員に求められる知識・スキルは多種多様であります。このような状況において当社グループが持続的に成長を続けるためには、会社からの指示に対して受動的に動くのみならず、自らの意思で能動的に業務を遂行し、さまざまな環境の変化に対応しながら成長することができる人財が必要不可欠であります。

 そこで、当社グループにおきましては、当社グループの経営方針や経営戦略を共通の価値観として持ちながらも、従業員が自ら考え、判断・行動し、それぞれの持つポテンシャルを最大限発揮できるよう、個々の能力開発を支援しております。

 

a.自律的なキャリア形成支援

 当社におきましては、変化していく事業内容・外部環境において、従業員には自ら目指すキャリアと、そのために必要なアクションを考えることを推奨しております。制度といたしましては、各部署から求人を募り、従業員が自発的に応募し、マッチングによる異動を実現する社内公募制度を設けております。また、非正社員である従業員を対象とした正社員登用制度を設けており、意欲のある対象の従業員に対して更なる成長への道の門戸を開いております。

 

b.業務利用及び自己啓発促進のための資格取得の奨励

 当社におきましては、上記の人財育成方針の一環として、社員の業務遂行能力の向上、自己啓発の促進による会社組織の活性化を目的に資格取得援助制度を設けております。具体的には、会社が認定しております6種類の資格について、受験料・登録料・更新料などを会社が負担する制度となっております。

 

c.人的資本価値を向上させるための教育研修

 当社におきましては、人的資本の価値を向上させるための教育研修を、管理職及び経営陣が直接行っております。具体的には、階層別教育として、各階層に見合う知識やスキルの獲得を目的とし、対面及びオンラインの方式で、双方向の研修を実施しております。

 

<社内環境整備方針>

d.多様な働き方に応じた労働環境の整備

 当社におきましては、フレキシブルで効率的な業務ができる就業環境を整えております。具体的には、テレワーク制度・店舗勤務者におけるシフト制・短時間正社員への雇用形態変更などの制度を導入しております。

 

e.働きやすい労働環境への取り組み

 当社におきましては、従業員の職業生活と家庭生活との両立の支援を行うことにより、働きやすい就業環境を整えております。具体的には、育児休業等を取得しても中長期的に処遇上の差を取り戻すことが可能となる昇進基準及び人事評価制度の構築に向けた取り組みを行っております。また、年次有給休暇の取得を促進させるために、計画期間を設定しております。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、宝飾品やインポートブランド品等を中心とした小売業を主たる事業としております。そのため、輸入品商材の調達及び供給等、店舗の運営に大きな影響を与えるリスクの発生が想定されます。そこで、様々な観点からリスク要因の抽出・検討・対応に取り組んでおります。

 

 人財の獲得競争の激化や転職などによる人財市場の活発化により、十分な多様性のある人財の確保及び育成ができず、当社グループの競争力が低下し、業績及び財務状況に及ぼすリスクがあります。従業員に成長の機会を提供し、活躍しやすい環境を整えることで、リスクヘッジに努めております。

 抽出しましたリスク一覧につきましては、「第2.事業の状況 3.事業等のリスク」に示されております。

 

 

 

(4)指標及び目標

 当社では、上記「(2)戦略」において記載いたしました、5つのマテリアリティの推進及び人材戦略の推進につきまして、次の指標を用いております。

戦略実現の要素

KPI

実績

目標

マテリアリティ2

健康・福祉

バリアフリー基金への寄付

H&D商品売上の0.5%を寄付

(2023年8月期)

更なる寄付金額向上に努める

マテリアリティ4

資源保全

ショッピングバッグの有料化

有料化により販売件数当たりのショッピングバッグ利用率69%削減

更なる拡大を目指す

マテリアリティ5

海洋保護

海と日本プロジェクト推進基金への寄付

H&D商品売上の0.5%を寄付

(2023年8月期)

更なる寄付金額向上に努める

自律的なキャリア形成支援

社内公募制度

2件

(2023年8月期までの2年間)

正社員登用制度

14件

(2023年8月期までの2年間)

業務利用及び自己啓発促進のための資格取得の奨励

ジュエリーコーディネーター検定合格者

41名合格(2023年3月試験実施ジュエリーコーディネーター検定)

全店舗1名以上の同検定3級保有者在籍を目指す

働きやすい労働環境への取り組み

管理職に占める女性労働者の割合

29.2%

更なる女性活躍に向けて女性管理職割合向上を目指す

男性労働者の育児休業取得率

60.0%

更なる制度の周知を通じて取得割合向上拡大を目指す

 

3【事業等のリスク】

 

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

項目

発生

時期

発生

可能性

影響度

リスク

顕在化した場合の影響

対策

① 業績の季節変動

第2

四半期

・クリスマス時期を中心とした12月の年末に売上高及び利益が偏重するため期中の利益が平準化しない

・12月に自然災害、感染症の流行等が発生した場合、購買行動を抑制する可能性がある

・売上高及び利益の減少

・シーズンごとの商品展開の強化

・定番収益商材の品揃え強化

② 商品仕入れ及び在庫

不特定

・海外ブランドの商品供給政策等によっては特定のブランド品を仕入れることができなくなる可能性がある

・流通経路のトラブルや需要と供給のバランスの崩壊により、人気ブランドの商品仕入が極端に制限される可能性がある

・自然災害や感染症の流行等により、インポートブランド品の生産国・流通経路等における経済活動が長期にわたり停滞する可能性がある

・売上高及び利益の減少

・プライベートブランドのパイプライン増加

・国内外の仕入バランスの調整

・海外仕入国または地域の分散

③ 偽造品・不正商品の混入

不特定

・取扱商品に偽造品や不正商品が紛れ込んでしまう可能性がある

・同業他社が偽造品や不正商品を販売する可能性がある

・購入者からの賠償請求及び信用力の低下等

・風評被害

・売上高及び利益の減少

・ブランド品の新規仕入先を原則日本流通自主管理協会(略称AACD)加盟企業とする

・新商品を取り扱う際は本社仕入担当者が商品チェックする

・既存商品については必要に応じ、AACDからの情報などを参考に本社・店舗でチェックを行う

④ 為替や貴金属相場の変動、カントリーリスク

不特定

・ナショナルブランド商品及びプライベートブランド商品の生産拠点が海外にあることで為替変動の影響を受ける可能性がある

・地政学的リスク、社会リスク、信用リスク、市場リスクの影響を受ける可能性がある

・宝飾品等の原材料である貴金属の価格変動を速やかに販売価格へ反映させることが困難である

・売上高及び利益の減少

・値ごろ感の消失による集客力の低下

・諸物価の高騰による消費マインドの減退

・プライベートブランドパイプラインの増設

・宝飾新規事業の立ち上げ

⑤ M&A等の投資

不特定

・買収後に偶発債務や未認識の債務の発生する可能性がある

・のれん等の発生の可能性がある

・収益性の誤認の可能性がある

・事業計画に対して大幅未達となる可能性

・のれん等の減損処理

・対象企業の詳細なデューデリジェンス実施

・事業ポートフォリオのモニタリング

計画的なPMIの実施

⑥ 新規事業の取組

不特定

・計画通りに新規事業が推移せず投資に対する十分な回収を得られない可能性がある

・投資に対する損失の計上等

・新規事業に対する経営陣のモニタリング

⑦ 知的財産権管理

不特定

・プライベートブランドのうち知的財産権管理を行っていないものが模倣される可能性がある

・第三者の商標権等知的財産権に関する当社の調査が不十分な場合は第三者の知的財産権を侵害する可能性がある

・店舗のブランド力低下

・売上高及び利益の減少

・損害賠償請求

・外部の弁理士を活用した情報収集と必要な対応を実施

⑧ 郊外型SC等への店舗集中

不特定

・周辺地域の地域活性化や商業施設の開設による商圏中心地が移動する可能性がある

・来館者の変化により客層、ニーズが変化する可能性がある

・当社グループの出店するSCが閉鎖する可能性がある

・閉店に伴う損失発生

・閉店店舗の売上高・利益の剥落

・賃貸借契約の解約に伴う損失の発生

・業態開発

・M&Aによる新規事業の確保

・店舗の収益性を維持、向上

・展開商品の見直しによる収益性向上

⑨ 人材不足

不特定

・人材の獲得競争激化及び人材市場(転職市場)の活発化による離職者の増加により人材不足となる可能性がある

・売上高及び利益の減少

・店舗運営が困難となる

・従業員の待遇改善により、採用強化と定着率の向上を図る

・新卒採用者へのフォローアップの実施により、早期離職率低減を図る

・採用手法を多様化させる

・店舗の収益性改善及びコスト削減により利益の確保を図る

⑩ 不正行為の発生

不特定

・内部関係者が関与する詐欺、横領、または規制・法令・社内規則の潜脱を目的とした類の行為が発生する可能性がある

・従業員のモチベーション低下

・社会的信用の低下

・内部通報制度の制定

・内部監査の実施

損失事象データの蓄積と分析等を通じたオペレーショナルリスクの管理

・従業員に対する教育、研修の実施

⑪ 自然災害等

不特定

・大地震や津波、台風、洪水等の自然災害により店舗施設に物理的に損害が生じる可能性がある営業時間の短縮や休業、配送の遅延により当社グループの販売活動や物流、仕入活動が阻害される可能性がある

・未知のウイルス等による大規模な感染症の発生、拡大により商業施設が営業時間の短縮や休業、集客力に影響を与える可能性がある

・人的被害が発生する可能性がある

・人員不足

・店舗閉鎖、休業、営業時間短縮等による業績の悪化

・勤務人員の通勤経路等を考慮し当社グループ独自に判断、営業時間の短縮を早めることによる安全確保

⑫ 情報セキュリティ

不特定

・人為的過誤、サイバー攻撃、広範囲な自然災害、外部業者トラブル等によりコンピュータシステムや通信ネットワークに問題が生じ適切に利用できなくなる可能性がある

・個人情報(会員に関する情報、クレジットカード情報、購入履歴、従業員情報等)が漏洩する可能性がある

・仕入、営業のノウハウの流出の可能性がある

・信用力の低下等

・事故対応費用の発生

・被害者からの損害賠償請求

・不正アクセス対策、コンピュータウイルス対策、不信通信対策等の実施

・各種規程の制定

・各種情報が記載された媒体の適正処理を徹底

・退職時の情報持出の管理徹底

⑬ 有利子負債への依存度

不特定

・有利子負債への依存度が高い(2023年8月末現在の有利子負債残高5,886百万円、総資産に対する有利子負債の比率64.7%

・金融機関の支援が得られない場合に資金繰りが逼迫

・市場金利が上昇した場合に支払利息が増加

・金融機関との関係を維持・強化

・キャッシュ・フローを改善し有利子負債の削減を図る

・案件ごとに複数の金融機関と交渉

・エクイティファイナンスの活用

⑭ 減損損失の発生

不特定

・店舗の収益性の著しい低下や閉店の意思決定が発生する可能性がある。

・減損損失の発生

・インポートブランドを中心とした販売政策の転換

・収益性の高い商材の販売拡大

・店舗の収益性改善及びコスト削減により利益の確保を図る

・本社経費等の削減により全社の収益性を向上

⑮ 繰延税金資産の取り崩し

期末

・繰延税金資産の全部または一部が回収できない可能性がある

・利益の減少

・店舗の収益性改善及びコスト削減により利益の確保を図る

・インポートブランドを中心とした販売政策からの転換

・収益性の高い商材の販売拡大

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度及び前連結会計年度末との比較は行っておりません。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症が5月には5類へ移行され、行動制限や入国規制の緩和等により緩やかな景気回復が期待される状況になる一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化とともに、円安進行とエネルギー価格の上昇等により、電気料金や食料品等の生活基盤に関わる値上げが続いており、消費マインドの冷え込みが懸念されるなど厳しい経営環境が続いております。

 

 このような状況下で、当社単体では、アプリと社内システムの連携を図るDX投資、外訪型・在宅型のセールスセンター構築へ向けた人材投資、プライベートブランド(PB)商品の開発パイプライン構築、オンラインとオフラインを融合させたOMO型店舗の準備、事業の成長とサステナビリティの融合を目指した社会貢献への取組み等を引き続き推進してまいりました。また、宝飾部門の強化策として、2022年12月にジュエリーの都市型店舗展開で強いブランド力を有する株式会社AbHeriを100%連結子会社化し、グループとして事業領域の拡大も図りました。

 上記当社単体におけるDX投資といたしましては、店舗DXの中心となる「ABCシステム(注)」が当社全店で稼働いたしました。これによりお客様のスマートフォンアプリを店内ビーコンが検知することで、当社CRMにおいて統合されたお客様それぞれの購買履歴等の確認が容易となり、その場のお客様にカスタマイズされた接客・商品提案等が可能となります。お客様の来店をチェックインとして感知し、お客様と販売スタッフの一人ひとりのつながりのサポートを実現してまいります。

 (注)ABCシステム:お客様のアプリ(Application)、店内ビーコン(Beacon)、顧客情報管理システム(Crm)の頭文字をとった社内システムの総称。

 

 店舗展開といたしましては、10月に土岐店(岐阜県)、4月に豊川店(愛知県)及び橿原店(奈良県)を出店、1月に長久手店(愛知県)を閉店いたしました。また、既存店舗の活性化として10月に北見店を移転リニューアルしたほか、大和郡山店・羽生店・新居浜店・秋田店・倉敷店・座間店の改装を実施いたしました。AbHeri直営店3店舗を加えますと、8月末現在の当社グループ店舗数は91店舗となりました。

 また、一部の不採算店舗10店舗については、2024年8月期における閉店の決定を行い、収支改善へ向けての取り組みを強化いたしました。

 

 業績面におきましては、当社の年末年始商戦において諸物価の急激な高騰が重なり、主力である海外ブランド商品も価格高騰の影響を受けました。春先以降はマーチャンダイジング(MD)見直しによる客数対策を進めましたが、高価格帯商材の購買意欲の回復が伴わず、単価の伸び悩みの状況が続きました。一方、時計を中心に適正水準への在庫圧縮に努めるとともに、好調な金商品については品揃えの拡充に努めました。なお、AbHeriは海外インバウンド需要を中心に業績は堅調に推移いたしました。販売費及び一般管理費におきましては、その削減に努めたものの、人件費と光熱費高騰の外部環境の影響によりコストアップとなったこと、将来を見据えた人材投資・DX投資に関わる費用が増加したことで、前年を上回る結果となりました。

 なお、上記のほか、雇用調整助成金 1,807千円等を特別利益に計上いたしました。また、特別損失として、店舗の改装等に伴う固定資産廃棄損 3,309千円、不振店の閉店の決定等に伴う店舗閉鎖損失引当金繰入額 20,780千円、減損損失 187,131千円を計上いたしました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末における資産合計は9,093,801千円となりました。

 当連結会計年度末における負債合計は7,590,329千円となりました。

 当連結会計年度末における純資産合計は1,503,472千円となりました。

 詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.財政状態の分析」をご参照ください。

 

(経営成績)

 当連結会計年度の売上高は12,742,594千円となりました。

 当連結会計年度の営業損失は216,799千円となりました。

 当連結会計年度の経常損失は243,762千円となりました。

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は668,051千円となりました。

 詳細については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ロ.経営成績の分析」をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,937,234千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、減少した資金は33,749千円となりました。これは、主として棚卸資産の減少204,999千円、減価償却費200,488千円、減損損失187,131千円、売上債権の減少79,048千円があった一方で、税金等調整前当期純損失453,021千円、未払消費税等の減少125,652千円、法人税等の支払額117,480千円、仕入債務の減少77,451千円があったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は53,578千円となりました。これは、主として定期預金の払戻による収入257,051千円があった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出167,677千円、無形固定資産の取得による支出56,305千円、有形固定資産の取得による支出53,577千円、敷金及び保証金の差入による支出28,520千円があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、増加した資金は360,955千円となりました。これは、主として長期借入れによる収入2,800,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出2,109,913千円、長期未払金の返済による支出201,230千円、短期借入金の減少50,000千円、配当金の支払額37,882千円、自己株式の取得による支出37,484千円があったこと等によるものです。

 

③販売及び仕入・生産の実績

 当社グループは、宝飾品、時計及びバッグ・小物等の販売・製造という単一セグメントのため、品目別に販売及び仕入・生産の実績を記載しております。

イ. 販売実績

a. 品目別販売実績

 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

・宝飾品は、AbHeriは高価格商品が堅調に推移したものの、ブランドショップハピネスは原材料高騰による価格上昇の影響を受けました。ただ、金商品の販売が好調であったことで、売上高 2,875,017千円となりました。

・時計は、価格上昇により海外ブランド時計の販売が大幅に落ち込んだものの、MD見直しをメンズ向け商品中心に取り組み、売上高 2,532,305千円となりました。

・バッグ・小物は、主力である海外ブランドの価格高騰による買い控えの傾向が顕著となったものの、オリジナルブランドH&D革小物は堅調に推移し、売上高 7,335,271千円となりました。

<商品区分別売上高>

 

当連結会計年度

前事業年度

宝   飾   品(千円)

2,875,017

2,543,292

時        計(千円)

2,532,305

3,349,434

バッグ・小物(千円)

7,335,271

7,716,188

合    計(千円)

12,742,594

13,608,915

※当連結会計年度は株式会社AbHeriの売上高を含んでおります。なお、参考情報として記載

している前事業年度の数値は、当社単体の売上高であります。

 

b. 地域別売上高

 当連結会計年度の地域別売上高は次のとおりであります。

 地域

 当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

 売上高(千円)

 前年同期比(%)

北海道地区

664,576

東北地区

1,543,167

関東地区

3,560,895

中部地区

2,027,407

関西地区

1,398,184

中国・四国地区

1,244,327

九州・沖縄地区

2,073,925

海外

21,364

EC事業

208,746

合計

12,742,594

(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較はしておりません。

 

ロ.仕入・生産実績

 当連結会計年度の仕入・生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 品目

 当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

 仕入・生産高(千円)

 前年同期比(%)

宝飾品

1,368,705

時計

1,573,786

バッグ・小物

5,111,753

合計

8,054,245

(注)1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較はしておりません。

2.宝飾品の仕入・生産高には、株式会社AbHeriの製造原価137,789千円が含まれております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

a. 流動資産

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、7,403,866千円となりました。主な内訳は現金及び預金が1,937,234千円、商品及び製品が4,464,805千円であります。

b. 固定資産

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,689,935千円となりました。主な内訳は建物及び構築物(純額)が607,062千円、有形固定資産のその他(純額)が142,566千円、敷金及び保証金が702,541千円であります。

 

c. 流動負債

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、3,407,013千円となりました。主な内訳は支払手形及び買掛金が570,719千円、電子記録債務が269,819千円、1年内返済予定の長期借入金が1,868,575千円、その他が410,290千円であります。

d. 固定負債

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,183,315千円となりました。主な内訳は長期借入金が3,557,981千円、資産除去債務が337,841千円、その他が275,732千円であります。

e. 純資産

 当連結会計年度末における純資産の残高は、1,503,472千円となりました。主な内訳は資本金が348,699千円、資本剰余金が335,723千円、利益剰余金が804,459千円であります。

 

ロ.経営成績の分析

a. 売上高

 売上高は12,742,594千円となりました。

 当連結会計年度は3店舗の新規出店と1店舗の閉店により、年度末の当社グループ店舗数は91店舗となりました。売上高については物価上昇や、インポートブランド商品の価格上昇の影響を受け、購買意欲の回復が伴わず、販売に苦戦する状況が続きました。

b. 売上総利益

 売上総利益は4,464,658千円となりました。PB商品の販売を強化したことで、売上総利益率は35.0%となりました。

c. 営業利益

 営業損失は216,799千円となりました。当連結会計年度の販売費及び一般管理費は人件費や水道光熱費の上昇に伴う増加により4,681,458千円となりました。

d. 経常利益

 経常損失は243,762千円となりました。営業外費用として主に支払利息30,713千円を計上いたしました。

e. 特別損益

 特別利益は1,961千円となりました。従業員の雇用調整助成金1,807千円等を計上いたしました。

 特別損失は211,221千円なりました。店舗の改装等に伴う固定資産廃棄損3,309千円、不振店の閉店の決定等に伴う店舗閉鎖損失引当金繰入額20,780千円、減損損失187,131千円を計上いたしました。

f. 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額

 法人税、住民税及び事業税58,400千円、法人税等調整額156,629千円となり、合計額は215,030千円となりました。

g. 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純損失は668,051千円となりました。

 

ハ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容

 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、前記「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの分析については、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資を目的とした資金需要は、新規出店と既存店改装に関わる設備投資及び今後強化を図る計画であるM&Aやデジタル・IT投資であります。

 当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入により対応し、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としております。

 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。詳細については、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 この会計上の見積りには、その性質上不確実性があり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2022年11月28日開催の取締役会において、株式会社AbHeri(アベリ)の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し2022年12月1日付で全株式を取得しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。