第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日銀の各種政策の効果により、企業収益や雇用情勢が改善されるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、個人消費については、長引く消費税増税の影響に加え、円安による物価上昇等から消費者の節約志向は強く、また、中国経済を始めとした不安定な海外経済の動向も懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループの主要事業の業績に影響を与える海外出国者数につきましては、円安の影響等により2015年の全ての月において対前年同月比で減少し、2015年全体では16,212千人で前年比4.1%減となりました。(日本政府観光局(JNTO)調べ、12月はJNTO推計値)。

 一方、海外からの訪日外客数は、継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大、円安による訪日旅行の割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度拡充等により、前年比47.1%増で過去最高の19,737千人となりました。

当連結会計年度は当社の主要業務である海外における日本人顧客向けの医療アシスタンスサービスにとっては海外出国者数の減少という厳しい環境でしたが、当社は医療アシスタンスに加え、セキュリティアシスタンスサービスを提供する海外リスクマネジメント会社と提携するなどして顧客満足度を最大化するべく努力して参りました。その結果、売上は海外旅行保険の付帯サービス、事業法人向けアシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービスの提供が比較的好調に推移いたしました。

また、国際医療事業につきましては、2015年9月に「医療渡航支援企業」に認定された結果、認知度が向上し信頼が増し、訪日医療患者の数も堅調に推移したため売上高が伸びました。その結果、当連結会計年度の売上高は、2,530百万円となり、前期と比べ15.0%の増収となりました。

費用に関しましては、円安による海外センターコストの増加と事業規模の拡大に対応する支出増で前期比では増加しておりますが、2015年の経営目標である「EAJリエンジニアリング」活動により、コストコントロールと効率的なサービス提供体制の構築を図ることで費用増は一定程度抑制され、当初想定を下回りました。

 この結果、当連結会計年度の売上原価は1,942百万円(前期比9.0%増)、販売費及び一般管理費が453百万円(前期比2.4%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は135百万円(前期 営業損失24百万円)、経常利益は131百万円(前期 経常損失26百万円)、当期純利益は89百万円(前期 当期純損失35百万円)となりました。

 

 セグメントの状況は次のとおりであります。

 (医療アシスタンス事業)

 前述のとおり、円安等の影響で海外出国者数は大幅に減少しており、当社事業にとっては大きな減収要因であります。

一方、海外における高額医療事故が増加傾向にあります。高額医療事故はシニア層の割合が多く、医療搬送が必要となり高額となるケースや、転倒による骨折等が原因で長期入院するケースが発生しており、医療アシスタンスサービスに対するニーズは益々増加しております。

そのような状況の中で、当連結会計年度は海外旅行保険の付帯サービスのシェア拡大による売上高の増加や、事業法人向けアシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービスの提供が好調であったため、営業利益は堅調に推移いたしました。

 また、シェア拡大に伴う業務量の増大に対応するべく、社内体制強化を図りました。高機能電話システムを用い、アジア、アメリカ、ヨーロッパに設置されている全センターを1つのヴァーチャルな拠点として捉えることで、お客様からの電話に対して漏れなく心のこもった対応を効率的に提供できるよう社内体制整備とシステム習熟に努めております。

 また、費用については、2015年の重点目標である「EAJリエンジニアリング」への取組みがコストの削減に寄与したことや、人件費が当初計画を下回ったことで抑制することができました。

 国際医療事業につきましては、9月に「医療渡航支援企業」の認証を得たことを追い風に海外からの外国人患者受入事業を着実に実施しております。また、円安に伴い訪日外客数が増加するため、緊急対応として外国人患者を日本の医療機関に紹介するサービス提供数も増加しております。

 日本の医療を海外に紹介する取組みとして、12月にはアラブ首長国連邦(UAE)でアブダビ国営石油会社と共催で日本医療紹介セミナーを実施し、また、放射線医学ワークショップを開催いたしました。

 10月にはインドネシア共和国社会省の防災視察団が当社を訪問し、当社の救急救命士と国の防災システム等に関して意見交換をしております。

 フランスのパリで同時多発テロが発生するなど世界各地でテロや内乱等に遭遇するセキュリティリスクが高まっています。そのため、海外でグローバルに活動する企業や大学では医療のみならずセキュリティも含めたトータルリスク管理に対するニーズが増えております。

 当社は4月からユナイテッド・ヘルスケアグローバル社と、9月にスパーテント・グローバル・ソリューションズ社とパートナーシップ契約を締結し、全世界でセキュリティのアシスタンスサービスを提供しております。

 このようなセキュリティアシスタンスと医療アシスタンスを同時に提供することで企業や大学のトータルリスク管理のニーズに応えることができ、法人・大学に対する売上高も増加しております。

 これらの結果、医療アシスタンス事業の売上高は2,111百万円(前期比18.8%増)、セグメント利益は379百万円(前期比98.3%増)となりました。

 

(ライフアシスタンス事業)

 当社は提携会社のカード会員であるお客様のあらゆる要望にお応えできるように社内の体制を強化し、またコンシェルジュノウハウの蓄積と厳しい品質管理・社内教育を実施しております。

 このような高品質のコンシェルジュサービスの着実な提供で、業績は順調に推移しており、当社のコンシェルジュサービスに対する評価と認知度が高まっております。

 この結果、ライフアシスタンス事業の売上高はセグメントの変更もあって419百万円(前期比0.6%減)、セグメント利益は103百万円(前期比12.8%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ56百万円増加し、698百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・インフローは、240百万円(前連結会計年度は20百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益を127百万円計上しましたが、減価償却費を76百万円計上したことに加え、ライフアシスタンス事業の前受収益44百万円の増加、保険会社に対する立替金28百万円の減少、海外センター等に対する未払金19百万円の減少、及び国際医療事業に関する仕掛品12百万円の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、94百万円(前連結会計年度は216百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。この主な要因は、海外センターにおける高性能電話システムの設置等に係る有形固定資産の取得による支出49百万円、高性能電話システムの機能強化・基幹業務システムの改修に係る無形固定資産の取得による支出41百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、81百万円(前連結会計年度は352百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出76百万円、配当金の支払による支出が12百万円あったことによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当社グループはアシスタンス業務の提供を主たる事業として行っており、生産に該当する事項はありません。

 

(2) 受注状況

 当社グループの主たる事業であるアシスタンス業務の提供は、提供するサービスの性格上、受注の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

前年同期比(%)

医療アシスタンス事業 (千円)

2,111,118

+18.8

ライフアシスタンス事業(千円)

419,858

△0.6

合計      (千円)

2,530,977

+15.0

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年1月1日

至 平成26年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

損害保険ジャパン日本興亜株式会社(注)3

995,340

45.2

1,175,219

46.4

American Express International Inc.

364,967

16.6

371,737

14.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.損保ジャパン日本興亜株式会社の企業集団に属するSompo America Insurance Services LLCへの販売高を集約して記載しております。

 

 

3【対処すべき課題】

 2016年度の目標は、「オペレ―ショナル・エクセレンス」の追求で、EAJのオペレーションを徹底的に磨き上げます。オペレーショナル・エクセレンスを確立することで顧客の期待を上回るサービスを提供し、一段と強い競争力を身につけ、他社の追随を許さない圧倒的な優位性を追求します。

 そのための具体策として3項目からなる重点事業目標を定めました。

 この目標に当社グループの全員が一丸となって取り組むとともに、2015年から取組んでいる「EAJリエンジニアリング」を継続して少数精鋭化を更に推し進め、業務品質の向上と効率化の両立をはかります。

 また、強固な事業基盤の上に新規事業領域を拡大し、長期的な発展企業を目指します。

 

[全社重点事業目標]

①オペレーショナル・エクセレンスの追求

 当社グループ全組織において、抜本的な品質向上と効率向上を両立する業務運営を実行します。

 重点対象分野としては医療アシスタンス&コンシェルジュ業務、ICT、国内外ネットワーキング、営業、マーケティング、商品改造・商品開発、事業開拓力、事業開発力、グループガバナンスとします。

 

②リエンジニアリングの継続

 2015年度の重点目標である「EAJリエンジニアリング」を2016年度も継続して実施します。

 各組織の少数精鋭化と業務効率の向上推進を図るとともに、EAJグループ全体のコミュニケーション推進による連携の強化を通じて、グループ全体の組織力の強化を図ります。

 

③事業基盤の横展開による新規事業の獲得

 EAJの医療アシスタンス事業、7カ国に存在する海外センター、海外とのネットワーク、コンシェルジュスキル、社内の救急救命士、看護師等などの社内特有の経営資源を活用してインバウンド医療ビジネス(医療コーディネート&医療アシスタンス)の確立、救急・救命分野の事業開拓、法人の新規開拓等を実施し、売上を増加させ、収益とリスクのバランスの取れた経営を実践します。

 

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

①在外駐在者、海外渡航者数の急激な減少について

 当社グループの中核的な事業は、主に海外駐在者、海外渡航者に対するアシスタンスサービスの提供であります。そのため、国内外の不況、急激な円安、海外の政情不安や治安悪化、地域紛争、戦争、航空運賃の高騰、伝染病の流行などにより、海外駐在者、海外渡航者数が急激に減少した場合、アシスタンスサービス提供数が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②官公庁からの受託業務に係るリスクについて

 官公庁からの受注事業である国際医療事業等につきましては、官公庁からの発注は一般競争入札にもとづいており、当社が落札できない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、計画どおりに予算が執行されず受託業務が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③個人情報の漏洩について

 当社グループは、業務の性質上多数の個人情報を保有しており、いわゆる個人情報保護法に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、個人情報の取扱いに関して一定の義務を負っております。そのため、当社グループでは個人情報保護関連の諸規程を整備し運用するなど、社内の管理体制には万全を期しております。また、特に機微な個人情報を扱う部署への入室資格者の制限とビデオカメラ撮影による記録の保存、自社サーバー内のデータへのアクセス権限の厳格な管理、従業員への定期的な個人情報保護関連研修などを実施しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、当社グループの信頼低下による大口顧客の契約解除、業務範囲の縮小による売上の減少や損害賠償による費用の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④システムトラブルについて

 当社グループの基幹業務システムのトラブルを防止及び回避するために、データベースサーバ及びWEBサーバの冗長化や定期的なバックアップ等を実施しております。

 しかしながら、万が一予期せぬ大規模災害や人為的な事故等によるシステムトラブルが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤立替金について

 当社グループでは、医師・医療機関への事前の支払のため保険会社等に対する立替金が発生し、事業拡大に伴いその金額も大きくなる傾向があるため、当社グループのキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。保険会社に対する立替は、信頼ある保険会社との間の契約に従い実施しているものであり、回収にかかるリスクは限定的と考えております。また、保険会社以外につきましては、原則、顧客より予想される立替金額を上回る前受金を収受するか、もしくは信用ある法人に対しては当社の与信管理基準に従いつつ、顧客から支払い確約書を入手した上で行う等の対応をしております。しかしながら、万が一多額の立替金の回収遅れや回収不能な事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥法令・規制の変更について

 現在、当社グループが関連する業界においては特定の許認可制度などはないものの、今後、新たな自主規制が設けられたり、公的、準公的資格の取得が義務付けられたりする可能性があります。当社グループの想定を超えた法的規制及び自主規制等が設けられた場合、当社グループのビジネスモデル等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、業界動向等については十分に注意をしております。

⑦人材の確保及び育成について

 医療アシスタンス事業における二カ国語以上を話すスキルと医療や保険などに関する深い知識を持ったアシスタンスコーディネーター及びライフアシスタンス事業における、二カ国語以上を話し、且つコンシェルジュサービスに関する豊富な知識と経験を持つ従業員は当社グループの重要な資産であります。しかし、サービス提供に必要な人材が早期に確保・育成できなかった場合には事業展開の速度に影響を及ぼす可能性があります。そのため、年齢、性別にこだわらず間口を大きく広げた採用活動や内部での研修強化により人材の確保と育成に努めています。

⑧カントリーリスクについて

 当社グループでは、現在、米国、中国、タイ国、シンガポール、バングラデシュに子会社、英国にアシスタンスセンターを置き、世界各国をサービス提供エリアとした事業展開を行っております。そのため、これらの国々で軍事クーデター、内乱・大規模な騒乱、国家経済の破綻、法的制度の大幅な変化などが生じた場合、当社グループの業務執行に影響が生じる場合があります。また日本人の海外滞在者の多い地域や全世界を範囲とするような上記の事象が生じた場合にも、海外渡航者数の減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨自然災害について

 重大な自然災害が発生した場合には、円滑な業務遂行に影響が出ることは避けられず、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのため、このような場合に備えてリスク管理基本規程を定め、会社経営に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合に速やか且つ的確な対応を行うため、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。また、自然災害や広域感染症、その他の重大事故発生時に備えて非常事態等対策規程を定めて運用しております。さらに米国、英国、中国、タイ国、シンガポール、バングラデシュにアシスタンスセンター及び子会社を設置しており、万一の事態に至っても顧客へ通常のサービスを提供できる体制を確保しています。

⑩訴訟・クレームに関するリスクについて

 これまで当社グループが国内外で行っている事業に関連した訴訟は発生しておりませんが、当社グループの提供するサービス等をめぐる訴訟やクレーム等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社では医療アシスタンス事業の重要な契約として損害保険会社、海外プロバイダー、国内外の医療機関などと重要な契約を締結しております。また、ライフアシスタンス事業の重要な契約として、クレジットカード会社のコンシェルジュ業務受託についての契約があります。

 

契約会社名

相手方の名称・属性など

契約内容

契約期間

日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社)

損害保険ジャパン日本興亜株式会社

相手方の海外旅行保険を購入した顧客(被保険者)へのアシスタンスサービスの提供、請求書類精査などの支援を行う。対価は原則として年間サービス提供料と個別処理内容・件数に応じた個別料金を受け取る。

平成27年2月1日より平成28年1月31日まで(以降1年ごとの自動更新)

日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社)

海外のプロバイダー

相手方は当社コーディネーターの指示に従い顧客へのサービスを提供する。

原則は1年ごとの自動更新であるが、個別契約による。

日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社)

国内外の協力病院

相手方がキャッシュレスサービスを提供する。(注)

原則は1年ごとの自動更新であるが、個別契約による。

日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社)

American Express

International, Inc.

相手方の顧客(カード会員)に海外でのコンシェルジュサービスを提供する。対価として年間サービス提供料を受け取る。

平成20年5月12日より平成29年3月31日まで

(注)相手方が提供するサービスは以下のとおりです。

キャッシュレスサービスの提供(当社が契約した個人又は当社と契約した法人とアシスタンスサービスの契約を締結した個人が医療機関で支払いをすることなく受診できるサービス。当社は医療機関に対し医療費の立替払いを行いますが、キャッシュレスサービスに対する医療機関への役務提供料等の支払いはありません)。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、研究開発活動は実施しておりませんので該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下の記載における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、売掛金等に対する貸倒引当金、及び資産・負債の報告数値ならびに財務諸表の開示内容に影響を与えるその他の事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。従って、実際の結果がこれらの見積り額と異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与えることがあります。重要な会計方針については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

  当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ52百万円増加し、2,048百万円となりました。主な増減要因としては、営業キャッシュフローが増加することによる現金及び預金49百万円の増加、医療アシスタンスサービス提供に対する売掛金13百万円の増加、国際医療事業に関する仕掛品12百万円の増加、及び立替金の28百万円の減少、基幹業務システムの改修に伴い旧システムを償却したことによる無形固定資産16百万円の減少がありました。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ21百万円減少し、1,379百万円となりました。主な増減要因としては、ライフアシスタンス事業における前受収益44百万円の増加、課税所得が発生したことによる未払法人税等20百万円の増加、前受金14百万円の増加及び長期借入金76百万円の減少、未払金44百万円の減少がありました。

  純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ74百万円増加し、668百万円となりました。これは主に、当期純利益が89百万円発生したこと、主として前連結会計年度分の配当金の支払いのために資本剰余金が8百万円減少したこと及び新興国通貨の減価により為替換算調整勘定が13百万円減少したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日銀の各種政策の効果により、企業収益や雇用情勢が改善されるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、個人消費については、長引く消費税増税の影響に加え、円安による物価上昇等から消費者の節約志向は強く、また、中国経済を始めとした不安定な海外経済の動向も懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

当社グループの主要事業の業績に影響を与える海外出国者数につきましては、円安の影響等により2015年の全ての月において対前年同月比で減少し、2015年全体では16,212千人で前年比4.1%減となりました。(日本政府観光局(JNTO)調べ、12月はJNTO推計値)。

一方、海外からの訪日外客数は、継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大、円安による訪日旅行の割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度拡充等により、前年比47.1%増で過去最高の19,737千人となりました。

当連結会計年度は当社の主要業務である海外における日本人顧客向けの医療アシスタンスサービスにとっては海外出国者数の減少という厳しい環境でしたが、当社は医療アシスタンスに加え、セキュリティアシスタンスサービスを提供する海外リスクマネジメント会社と提携するなどして顧客満足度を最大化するべく努力して参りました。その結果、売上は海外旅行保険の付帯サービス、事業法人向けアシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービスの提供が比較的好調に推移いたしました。

また、国際医療事業につきましては、2015年9月に「医療渡航支援企業」に認定された結果、認知度が向上し信頼が増し、訪日医療患者の数も堅調に推移したため売上高が伸びました。その結果、当連結会計年度の売上高は、2,530百万円となり、前期と比べ15.0%の増収となりました。

費用に関しましては、円安による海外センターコストの増加と事業規模の拡大に対応する支出増で前期比では増加しておりますが、2015年の経営目標である「EAJリエンジニアリング」活動により、コストコントロールと効率的なサービス提供体制の構築を図ることで費用増は一定程度抑制され、当初想定を下回りました。

この結果、当連結会計年度の売上原価は1,942百万円(前期比9.0%増)、販売費及び一般管理費が453百万円(前期比2.4%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は135百万円(前期 営業損失24百万円)、経常利益は131百万円(前期 経常損失26百万円)、当期純利益は89百万円(前期 当期純損失35百万円)となりました。

 

 

(売上高)

売上高は前年比15.0%増の2,530百万円になりました。増加要因は、医療アシスタンス事業において、海外旅行保険の付帯としてのサービス提供による取扱い件数の増加、国際医療交流支援サービスにおける受入外国人患者数の増加したこと、また法人・大学の危機管理意識の高まりにより、事業法人向けアシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービスの提供数が増加したこと等によるものであります。

 

(売上原価)

 売上原価は前年比9.0%増の1,942百万円となりました。

 円安による海外センターコストの増加と事業規模の拡大に対応する支出増で前期比では増加しておりますが、2015年の経営目標である「EAJリエンジニアリング」活動により、コストコントロールと効率的なサービス提供体制の構築を図ることで費用増は一定程度抑制され、当初想定を下回りました。

 

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は前年比2.4%増の453百万円となりました。増加要因は、事業拡大に伴う諸経費の増加によるものであります。

 

(営業外収益及び営業外費用)

 営業外収益は助成金収入4百万円、貸倒引当金戻入額2百万円等があり11百万円となりました。営業外費用は円安の影響による為替差損8百万円と支払利息6百万円の計上等があり15百万円となりました。

 

(特別利益及び特別損失)

 特別損失は固定資産除却損3百万の計上がありました。

 

 以上に加え、課税所得に対する法人税が発生したこと等により法人税等合計は38百万円となりました。この結果、当期純利益は89百万円となりました。

 

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの分析については、「第2.事業の状況、1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」を参照してください。

 

②資金需要及び資金調達

 当社グループは医療機関に対して立替払いを実施するため、また事業規模の拡大と収益源の多様化を求めるために必要に応じて資金調達を実施いたします。投資のための資金調達は基本的には銀行からの固定金利での長期借入金によっております。また機動的な資金確保のため取引銀行7行と当座貸越契約を締結しております。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、クロスカルチャー・クロスボーダーの環境下で生活をされる方々にサービス提供を行っております。そのため、国家間の戦争や世界的なテロ、世界同時不況、自然災害等が発生し、国際的な活動が大幅に制限されることになった場合には、サービスの提供対象となるサービス受益者が減少することにより、経営成績に重大な影響を受けることが予想されます。一方で危機管理意識の高まりにより、緊急医療や不安定な情勢にある国からの緊急脱出等のニーズが生まれ、プラス要素となる場合もありますが、当社グループが提供するサービス自体が制限されたり、不可抗力により提供出来ないことになる可能性があります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、引き続き主力事業である海外旅行保険およびクレジットカードの付帯としてのアシスタンス事業の拡充を目指してまいります。今後は顧客に世界最高品質のサービスを提供することで、顧客満足の向上を図り、高い信頼を得ることが目標です。

 また、法人・大学がグローバル化を推し進め、駐在員や留学生が増加する中で、海外で事故や病気になる件数が増加しており、医療アシスタンスサービスに対する需要は増加しております。

 また、医療アシスタンスだけでなく、昨今のISのテロやデモ・暴動など、海外の成長市場においては多様化、高度化、複雑化するセキュリティ・リスクへの対応強化が喫緊の課題となっております。高まるセキュリティ分野でのアシスタンス需要においても当社のセキュリティサービスを提供することで企業様のニーズに対応し、トータルリスク管理に資するソリューションを提供したいと考えております。

 新規分野である日本の医療の国際展開事業においては外国人患者の受入支援事業を中心に着実な売上増加を見込んでおります。

 当社は2015年9月に国内で初めて「医療渡航支援企業」に認定され、認知度が向上し信頼が増し、訪日医療患者の数も堅調に推移することが予想されます。

 また、円安基調及び2020年の東京オリンピックの開催による訪日外国人の増加という環境を生かして、これらの人々へのアシスタンス提供事業でも万全の処理体制を構築し、更なるビジネス拡大を図りたいと考えております。

 そして、ライフアシスタンス事業については、これまでに培ったノウハウや既存顧客から獲得している高い信用を生かし、高品質のサービス提供を武器に事業拡大を進めます。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

 グローバル化の進展に伴い、当社グループが提供するサービスすなわちアシスタンスへの需要は今後も増加するものと考えております。それは一方では当社グループのお客様が世界のあらゆる場所で活躍される機会が増え、慣れない場所での自然災害やパンデミック、テロなど予期しない出来事に遭われる可能性が高まることを意味します。世界の隅々まで対応できるサービスオペレーション能力とサービス体制を構築して行かなければ、このような事態に迅速に対応することはできません。

 また、当社グループのサービスは日本人の視点に立った、細やかな「ジャパンスタンダード」のアシスタンスであり、グローバル化が進む中では日本人のお客様のみならず世界のお客様へ一人一人の気持ちになって真に求められているサービスを提供していく必要があります。そのため、サービスのより一層の質の向上のための設備投資と社員教育を行ってまいります。

 「アシスタンスで(お客様の)世界を広げる」を合言葉として、さらなる規模の拡大を目指してまいります。