文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
①会社の経営の基本方針
当社グループのサービスは日本人の視点に立った、細やかな「ジャパンスタンダード」のアシスタンスです。グローバル化が進む今日、日本人のお客様のみならず世界のお客様へ一人一人の気持ちになって真に求められているサービスを提供していく必要があると考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束後は、お客様が世界のあらゆる場所で活躍される機会が増えるとともに、慣れない場所での自然災害や、テロなど予期しない出来事に遭われる可能性が高まります。また、今般の新型コロナウイルス感染症のような新たなパンデミックが起こる可能性も充分に考えられます。このような事態に迅速に対応するために、世界の隅々までサービスを提供できるオペレーション能力の向上とサービス体制を構築しつつ、アウトバウンドやインバウンドの医療アシスタンス体制や運用コストの見直しを行い、組織再編を進めるとともに、少数精鋭化の業務運営を目指します。
また、厚生労働省の受託事業から得た経験やノウハウを生かし、新規事業の立ち上げと拡大に注力してまいります。
遠隔診療やヘルスケア市場の拡大は続き、多くの企業が新規に参入してくるものと思われる中、当社におきましてもヘルスケア市場への取り組みをより一層強化し、収益の計上を目指します。データやデジタル技術を活用したDX化への取り組みについても、早急に進め、ビジネスモデルの変革を目指します。
②中長期的な会社の経営戦略
成長シナリオを進めていくために、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題であると認識しており、以下の施策を実践してまいります。
(医療アシスタンス事業)
新型コロナウイルス感染症の収束後を見据え、当社グループの主力事業である海外旅行保険及びクレジットカードに付帯する医療保険に係るアシスタンス事業の一層の拡充を目指します。顧客への世界最高品質のサービス提供を追求することで顧客満足度の一層の向上を図り、高い信頼を得ることが目標です。加えて、国内外の医療機関とのより一層の関係強化を図り、顧客に対して信頼性が高く、よりきめ細かい医療アシスタンスサービスを提供してまいります。
また、医療アシスタンスサービスだけでなく、昨今のテロやデモ・暴動など、世界各国において多様化、高度化、複雑化するセキュリティ・リスクへの対応が求められております。このニーズに対応し、当社グループは医療アシスタンスとセキュリティアシスタンスをセットとしたサービスによる「トータルリスク管理」を支援していきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束後は、日本医療の国際展開を支援・促進する事業において、外国人患者の受入支援事業を中心に着実な売上増加を見込んでおります。当社は多くの医療機関が利用する「医療渡航支援企業」にも指定されていることで認知及び信頼を獲得しており、訪日医療患者の数も一層増加していくことが予想されます。
また、救急救命アシスタンス事業は、民間企業等が海外の僻地で取り組む大規模建設工事現場にサイトクリ二ックを設置し、医師・看護師・救急救命士が常駐して現地医療体制を構築し、病人や怪我人の対応を行うサービス(EAJプロジェクトアシスト)を展開しております。世界的な新型コロナウイルス感染症の影響をうけ、現場サイトでの新型コロナウイルス感染症への感染予防・感染対策を行う日本人医療者派遣の需要が拡大し、2018年より受注しているバングラデシュ事業を順調に運営してまいりました。これらの事業でのノウハウを蓄積し、今後のプロジェクトアシスト事業の拡大、成長を目指します。
(ライフアシスタンス事業)
ライフアシスタンス事業については、これまでに培ったノウハウや既存顧客から獲得している高い信用を生かし、高品質のサービス提供を武器に事業拡大を進めます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。経営指標としては利益の確保に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、配当について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、安定配当の継続に努めてまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①経営環境
2023年度の社会環境を展望すると、新型コロナウイルス感染者数は増減を繰り返し、ゼロになることはないと考えられますが、これまでと同じような経済活動の規制が続く可能性は低く、確実にアフターコロナに向けて社会経済活動が世界的に再活性化する事が見込まれます。3年に亘るコロナ禍を経て、社会の健康志向、危機管理志向はより一層高まっていくと思われます。
②優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの事業環境については、医療アシスタンス事業やライフアシスタンス事業を含むアシスタンス事業全般に早期に黒字が確保できる収益性の高い事業構造に変換していくことが急務であり、既に担当業務や運用プロセス等の見直しに着手しております。また、医療アシスタンス事業及びライフアシスタンス事業に続く新しい事業の柱を構築する必要があると考えております。
経営方針・経営戦略の基本方針に基づき、成長シナリオを進めるための経営戦略上の施策に関連して上述の喫緊の課題への対応の具体的な施策として、2023年度は主として以下の経営方針、事業分野別の実行方策を掲げ、優先的な事業推進に取り組んでまいります。
<経営方針>
A.事業の効率化
(a)既存事業の少数精鋭化
・小人数でも事業運営ができる体制作り(少数精鋭化)
(b)DX化による仕事のやり方の抜本的改定
・全社ベース及び社内部門別DX化プロジェクトの積極推進
B.収益の拡大
(a)新しいビジネス分野の構築
・医療アシスタンス事業、ライフアシスタンス事業に続く新しい事業の柱の構築
(b)採算性を考慮したビジネススタイルの徹底
・提供するサービスについては適正な価格と契約条件の設定
<事業分野別の実行方策>
A.医療アシスタンス分野
(a)アウトバウンド
・業務運営の効率化を推進(業務品質と業務効率化の両立)
・社内データシステムの再構築により、サービスの付加価値アップ
(b)インバウンド
・渡航再開を睨み、顧客との関係再構築、当社サービスのアピール等で積極拡大
・フィー設定見直し、運営の柔軟化
(c)渡航医療・ヘルスケア(医療ツーリズム)
・渡航再開を睨み、中国で集客活動強化と日本の医療機関とコーディネート機能強化
・海外エージェント網の拡充
(d)企業/学校法人営業
・コーポレート商品の収支改善(適正価格等)と顧客数拡大に向けて積極販売を展開
・学校法人向け商品(OSSMA)の運営体制の整備、顧客数の大幅な拡大
B.ライフ・ノンメディカルアシスタンス分野
(e)ライフアシスタンス
・コンシェルジュ事業の採算性検証により適正価格・適正条件での継続受注
・効率的な受注体制の中で新規顧客の獲得
(f)ノンメディカル
・既存契約条件の見直し、収支改善
・採算性の良いノンメディカル案件の獲得
C.新規事業分野
(g)新規ビジネス
・中国富裕層を中心ターゲットとしたヘルスケア事業の展開、専門性の高い体制を整えてのセキュリティ・リスク管理事業等で会社事業の新機軸を創設
・厚生労働省業務で培ったノウハウ・システム資産を活用し新規ビジネスを開発
また、外部環境の変化に迅速、柔軟に対応するために健全性を重視した財務基盤の強化を図ってまいります。
なお、財務基盤の強化に係る基本的な考え方及び施策等の状況につきましては、「3 経営者による財政状態、 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まるとともに、経済活動の制限が徐々に緩和され、世界的な景気悪化からの回復とともに当社グループの業績回復が期待されますが、新型コロナウイルス感染症による今後の当社グループへの影響をしっかりと見極めつつ、適宜計画の見直しと必要な施策を実施してまいります。
当社グループは、医療アシスタンスサービス提供事業者として、新型コロナウイルス感染症と最前線の現場で戦う医療従事者の皆様に感謝し、新型コロナウイルス感染症が一刻も早く収束し、株主の皆様、そして世界人類に安息と平和が訪れますことを衷心より祈念いたします。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、継続的な事業活動に影響を及ぼすおそれのあるあらゆるリスクを未然に防止、軽減し経営基盤の安定化を図るとともに、万一これらのリスクが顕在化した場合に迅速かつ的確に対応するため、リスク管理基本規程を定め、全体的なリスク管理を推進する組織としてリスク管理委員会を設置し、リスク管理に関する社内教育・啓蒙策の企画及び実施、経営上重要なリスクの抽出・評価・見直しの実施、対応策の策定、管理状況の確認を定期的に行っております。
また、法務及びコンプライアンスに係るリスク管理につきましては、コンプライアンス規程に基づき、コンプライアンス委員会を設置し、リスクマネジメントの体制強化を推進しております。
なお、以下の各リスクが顕在化する可能性の程度や時期、リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
(1)特に重要なリスク
①在外駐在者、海外渡航者数の急激な減少について
当社グループの中核的な事業は、主に海外駐在者、海外渡航者に対するアシスタンスサービスの提供であります。そのため、国内外の不況、急激な円安、海外の政情不安や治安悪化、地域紛争、戦争、航空運賃の高騰、今般の新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックや伝染病の流行により、海外駐在者、海外渡航者数が急激に減少した場合、アシスタンスサービス提供数が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
日本と諸外国の往来が正常化しつつあり、海外渡航者数も増加傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が完全に払拭されたわけではありません。この非常事態が更に長期化する可能性も想定され、その場合、当社グループの経営成績に対する悪影響が継続するリスクがあります。
②官公庁からの受託業務に係るリスクについて
官公庁からの受注事業であるワンストップ相談窓口事業等につきましては、官公庁からの発注は一般競争入札にもとづいており、当社グループが落札できない場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、計画どおりに予算が執行されず受託業務が縮小した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、厚生労働省から受託している「入国者健康フォローアップセンター業務」及び東京検疫所から受託している「検疫手続確認センター業務」が当社グループにおける売上に大きく貢献しているものの、入国規制緩和を受けた業務の縮小傾向が続く場合や継続受託できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③個人情報の漏洩について
当社グループは、業務の性質上多数の個人情報を保有しており、いわゆる個人情報保護法に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、個人情報の取扱いに関して一定の義務を負っており、「プライバシーマーク」を取得するとともに、個人情報保護関連の諸規程を整備し運用するなど、社内の管理体制には万全を期しております。また、特に要配慮個人情報を扱う部署への入室資格者の制限とビデオカメラ撮影による記録の保存、自社サーバー内のデータへのアクセス権限の厳格な管理、従業員への定期的な個人情報保護関連研修などを実施しております。しかしながら、想定外の理由により万一個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、当社グループの信頼低下による大口顧客の契約解除、業務範囲の縮小による売上の減少や損害賠償による費用の発生などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④システムトラブルについて
当社グループの基幹業務システムのトラブルを防止及び回避するために、データベースサーバ及びWEBサーバの外部データセンターへの外出し、冗長化や定期的なバックアップ等を実施しております。しかしながら、万が一予期せぬ大規模災害や人為的な事故等によるシステムトラブルが発生した場合には、システム改修費用や損害賠償等の費用発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤立替金について
当社グループでは、医師・医療機関への事前の支払のため保険会社等に対する立替金が発生し、事業拡大に伴いその金額も大きくなる傾向があります。保険会社に対する立替は、信頼ある保険会社との間の契約に従い実施しているものであり、回収にかかるリスクは限定的と考えております。また、保険会社以外につきましては、原則、顧客より予想される立替金額を上回る前受金を収受するか、もしくは信用ある法人に対しては当社グループの与信管理基準に従いつつ、顧客から支払い確約書を入手した上で行う等の対応を行っております。しかしながら、万が一多額の立替金の回収遅れや回収不能な事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)重要なリスク
①法令・規制の変更について
現在、当社グループが関連する業界においては特定の許認可制度などはないものの、今後、新たな自主規制が設けられたり、公的、準公的資格の取得が義務付けられたりする可能性があります。当社グループの想定を超えた法的規制及び自主規制等が設けられた場合、当社グループのビジネスモデル等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、業界動向等については十分に注意を払ってまいります。
②人材の確保及び育成について
医療アシスタンス事業における二カ国語以上を話すスキルと医療や保険などに関する深い知識を持ったアシスタンスコーディネーター及びライフアシスタンス事業における、二カ国語以上を話し、かつコンシェルジュサービスに関する豊富な知識と経験を持つ従業員は、当社グループの重要な資産であります。しかし、サービス提供に必要な人材が早期に確保・育成できなかった場合には事業展開の速度に影響を及ぼす可能性があります。そのため、年齢、性別にこだわらず間口を大きく広げた採用活動や内部での研修強化により人材の確保と育成に努めています。
③カントリーリスクについて
当社グループでは、現在、米国、中国、タイ国、シンガポール、カナダに子会社、英国に支店を置き、世界各国をサービス提供エリアとした事業展開を行っております。そのため、これらの国々で軍事クーデター、内乱・大規模な騒乱、国家経済の破綻、法的制度の大幅な変化などが生じた場合、当社グループの業務執行に影響が生じる場合があります。また日本人の海外滞在者の多い地域や全世界を範囲とするような上記の事象が生じた場合にも、海外渡航者数の減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④自然災害について
重大な自然災害が発生し当社グループの事業所が被災した場合には、円滑な業務遂行に影響が出ることは避けられず、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのため、このような場合に備えて日本と海外の6カ国に設置しているアシスタンスセンター間を結ぶ高機能電話システムを導入し、特定のセンターが被災して受電できなくなっても、他センターで受電し顧客への通常サービスを提供できる体制としています。また、日本に設置して海外センターと共同で使用するコンピューターサーバーは万全の安全対策を施したサーバーセンターに外出しし、高機能電話システムと合わせて被災時にも顧客への通常サービスを提供できる体制を整えています。
⑤訴訟・クレームに関するリスクについて
これまで当社グループが国内外で行っている事業に関連した重要な訴訟は発生しておりませんが、万一当社グループの提供するサービス等をめぐる重要な訴訟やクレーム等が発生した場合には当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があるため、適切な保険の付帯等によりリスクヘッジ策を講ずるとともに、有力弁護士をかかえる法律事務所と顧問契約を締結し、適切なアドバイスを得て、こうしたリスクの顕在化防止に注力しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果もあり、景気が持ち直していくことが期待されるものの、長引くウクライナ情勢の緊迫化、世界的に金融引締めが進む中での金融資本市場の変動、足元での急激な為替の変動や資源エネルギー価格の高騰など、引き続き厳しい状況が続いております。
当社グループの主要事業の業績に影響を与える海外出国日本人数につきましては2020年1月下旬以降の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い世界的に実施されていた入国制限が、緩和・全廃の動きが加速している影響で、2022年通年では前年比441.1%増の2,771千人と増加となりました(日本政府観光局(JNTO)調べ)。
海外からの訪日外客数についても2022年6月10日より観光目的の入国受入れ再開や段階的な水際措置の緩和がなされ、特に、本格的な受入れ再開を行った10月以降顕著な回復傾向が見られ、前年比1,458.6%増の3,831千人と大幅な増加となりました(日本政府観光局(JNTO)調べ)。
医療アシスタンス事業の売上高は、海外旅行保険付帯の医療アシスタンスサービス等既存事業が出国日本人数や訪日外客数の増加傾向に伴い、着実に回復の兆しが見られたこと、また、厚生労働省から受託している「入国者等健康フォローアップセンター業務」及び東京検疫所から受託している「検疫手続確認センター業務」が売上に大きく貢献したことなどから、前期比で増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,241百万円(前期比43.2%増)と増収になりました。このうち「入国者等健康フォローアップセンター業務」が2,218百万円、「検疫手続確認センター業務」が1,989百万円と売上に大きく貢献しました。
また、当連結会計年度の売上原価は、「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託費の増加により4,975百万円(前期比36.0%増)、販売費及び一般管理費は548百万円(前期比18.5%増)となり、営業利益は、717百万円(前期比204.1%増)、経常利益は729百万円(前期比199.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は500百万円(前期比179.6%増)となりました。
セグメントの状況は次のとおりであります。
(医療アシスタンス事業)
a.海外旅行保険の付帯サービス
海外旅行保険の付帯サービスに関しましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を引き続き受けているものの、出国日本人数が徐々に増加傾向にあり、売上高は前期比で増加となりました。
b.法人向け医療アシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービス
当社グループは医療アシスタンスサービスとセキュリティ・アシスタンスサービスを法人に、留学生危機管理サービスとセキュリティ・アシスタンスサービスを大学等の学校法人に提供しております。
法人向け医療アシスタンスサービスは、売上高が前期比で減少しましたが、セキュリティ・アシスタンスサービスは、前期比で若干増加しました。また、大学向けの留学生危機管理サービスは、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延による留学のキャンセルが相次いでおりましたが、留学が再開し始めており、売上高が前期比で増加しました。
c.救急救命アシスタンス事業
救急救命アシスタンス事業は、民間企業が海外の僻地で取り組む大規模建設工事現場にサイトクリニックを設置し、医師・看護師・救急救命士が常駐して現地医療体制を構築し、病人や怪我人の対応を行う事業(EAJプロジェクトアシスト)です。
世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、現場サイトでの新型コロナウイルス感染症への感染予防・感染対策を行う日本人医療者派遣の需要が一時は拡大したものの、一部の大規模建設工事現場の工事完成による事業終了もあり、前期比で売上高は減少しました。
d.国際医療事業(医療ツーリズム)
国際医療事業(医療ツーリズム)につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には戻っておりませんが、売上高は前期比で増加しております。また、入国制限の緩和に伴い、新規問い合わせや、過去に日本で治療、検査した方からの問い合わせが増えてきている事から、今後の業績の回復が期待されます。
e.訪日外国人向け緊急対応型医療アシスタンス事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、海外からの訪日外客数の大幅な減少に伴い、日本国内で外国人が病気や怪我など不測の事態が起こった場合の医療アシスタンスサービスの提供機会は大幅に減少したままの状況が続いておりましたが、入国制限の緩和に伴い、売上高は前期比で若干増加しております。
f.ワンストップ相談窓口
厚生労働省や大阪府その他の自治体より、外国人診療に関する相談窓口事業を順調に運営し、医療機関向けの相談対応業務を実施しております。今後、地方自治体や医療機関との外国人患者受入に関する連携の一層の強化を目指します。
g.入国者等健康フォローアップセンター業務
厚生労働省から受託している「入国者等健康フォローアップセンター業務」につきましては、新型コロナウイルス感染症関連事業として、売上に大きく貢献しました。
h.検疫手続確認センター業務
東京検疫所から受託している「検疫手続確認センター業務」につきましても、「入国者等健康フォローアップセンター業務」と同様に、新型コロナウイルス感染症関連事業として、売上増加に大きく貢献しました。
これらの結果、医療アシスタンス事業の売上高は5,821百万円(前期比51.5%増)、セグメント利益は946百万円(前期比289.8%増)となりました。
(ライフアシスタンス事業)
ライフアシスタンス事業につきましては、既存取引先との契約見直しに伴い、前期比で売上高が減少しました。
この結果、ライフアシスタンス事業の売上高は419百万円(前期比18.7%減)、セグメント利益は160百万円(前期比49.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ593百万円増加し、2,301百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・インフローは、920百万円(前連結会計年度は245百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益727百万円の計上、減価償却費54百万円の計上、為替差益19百万円の計上、売上債権449百万円の減少、仕掛品22百万円の減少、未払金317百万円の減少、未払消費税等13百万円の増加、預り金67百万円の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、63百万円(前連結会計年度は16百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出39百万円、無形固定資産の取得による支出27百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、309百万円(前連結会計年度は353百万円のキャッシュ・インフロー)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額270百万円、長期借入金の返済による支出14百万円、配当金24百万円の支払であります。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループはアシスタンス業務の提供を主たる事業として行っており、生産に該当する事項はありません。
(受注実績)
当社グループの主たる事業であるアシスタンス業務の提供は、提供するサービスの性格上、受注の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年増減比(%) |
|
医療アシスタンス事業 (千円) |
5,821,326 |
51.5 |
|
ライフアシスタンス事業(千円) |
419,892 |
△18.7 |
|
合計 (千円) |
6,241,218 |
43.2 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
厚生労働省 |
2,506,601 |
57.5 |
4,249,883 |
68.1 |
|
損害保険ジャパン株式会社(注)2 |
663,058 |
15.2 |
844,045 |
13.5 |
2.損害保険ジャパン株式会社の企業集団に属するEndurance Services Limitedへの販売高を集約して記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
(売上高)
当社グループの売上に対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、特に医療アシスタンス事業の売上高は、出国日本人数と訪日外客数が新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には戻っていないものの、足元では着実に回復の兆しが見られ増加傾向にあり、また、厚生労働省から受託している「入国者等健康フォローアップセンター業務」及び東京検疫所から受託している「検疫手続確認センター業務」が売上に大きく貢献しました。
この結果、売上高は前年比43.2%増の6,241百万円となりました。
(営業利益)
売上原価は、厚生労働省から受託した「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託費の増加により4,975百万円(前期比36.0%増)、販売費及び一般管理費は548百万円(前期比18.5%増)となりました。
以上の結果、営業利益は717百万円(前期比204.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
営業外収益において為替差益13百万円(前期比22.1%増)を計上しました。また、特筆すべき特別利益及び特別損失の計上はありません。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は500百万円(前期比179.6%増)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ129百万円増加し、3,932百万円となりました。主な増減要因としては、現金及び預金599百万円の増加、売掛金445百万円の減少、仕掛品22百万円の減少がありました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ395百万円減少し、2,326百万円となりました。主な増減要因としては、短期借入金270百万円の減少、未払金333百万円の減少、未払法人税等123百万円の増加がありました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ525百万円増加し1,605百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が500百万円発生し、利益剰余金972百万円(前期比474百万円増)を計上したことによるものと、為替換算調整勘定87百万円(前期比42百万円増)によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は40.0%(前期比12.2ポイント増)となりました。
当社の事業におきましては、医療機関に対する立替払いや厚生労働省から受託した「入国者等健康フォローアップセンター業務」の再委託先への立替払いの実施など、ビジネスを拡大するにつれて借入が増えるビジネスモデルとなっておりますが、当連結会計年度末の自己資本比率は、一般的な水準である30%以上を維持しております。
また、重要な経営指標である自己資本利益率を高めるために、より高収益体質へと転換を図ってまいります。
なお、今後の見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(医療アシスタンス事業)
医療アシスタンス事業においては、当社グループの主要業務である海外における日本人顧客向けの医療アシスタンスサービスについて、海外出国日本人数の増加傾向に伴い、サービス提供数に応じた変動的な売上体系である海外旅行保険の付帯サービス及び留学生危機管理サービスともに着実に回復の兆しが見られたこと、また、訪日外客数についても増加傾向となっており、医療ツーリズム及び訪日・在日外国人向け緊急医療アシスタンスサービスにつきましても、前期比で若干増加しており、今後の業績回復が期待されます。
また、厚生労働省から受託している「入国者等健康フォローアップセンター業務」及び東京検疫所から受託している「検疫手続確認センター業務」が売上に大きく貢献しました。
これらの結果、当連結会計年度の医療アシスタンス事業の売上高は、前期比51.5%増の5,821百万円、セグメント利益は、前期比289.8%増の946百万円の結果となりました。
(ライフアシスタンス事業)
ライフアシスタンス事業においては、年間契約料ベースの固定的な売上体系のため、新型コロナウイルス感染症拡大による直接的な影響を受けることはありませんが、既存取引先との契約見直しに伴い、前年比で売上高が減少しました。
当連結会計年度のライフアシスタンス事業の売上高は、前期比18.7%減の419百万円、セグメント利益は、前期比49.8%減の160百万円の結果となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・インフロー920百万円により、当連結会計年度末時点で2,301百万円の十分な水準の手元流動性を確保しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの当連結会計年度の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
a.基本的な財務戦略及び経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、財務基盤の強化に努め、自己資本比率を一般的な水準である30%以上を維持するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画と立替資金及びリスク対応の留保分を考慮したうえで保有すべき現預金水準を概ね8~10億円程度以上と設定し、適正なレンジでの手元流動性を維持しております。
b.資金需要の内容
当社グループは、主力事業である医療アシスタンスサービスにおいて、医療機関に対して立替払いを実施するため、また、事業規模の拡大と収益源の多様化を求めるために必要に応じて資金調達を実施いたします。
c.資金調達の方法
当社グループは、投資のための資金調達は基本的には銀行からの固定金利での長期借入金によっております。
また、機動的な資金確保のため取引銀行10行と当座貸越契約を締結し、適正な水準の手元流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、売掛金等に対する貸倒引当金及び資産・負債の報告数値並びに財務諸表の開示内容に影響を与えるその他の事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。従って、実績がこれらの見積り額と異なることで結果として連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の注記事項(追加情報)に記載しております。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社) |
損害保険ジャパン 株式会社 |
相手方の海外旅行保険を購入した顧客(被保険者)へのアシスタンスサービスの提供 |
2020年2月1日より2021年1月31日まで(以降1年ごとの自動更新) |
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日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社) |
海外のプロバイダー |
相手方は当社コーディネーターの指示に従い顧客へのサービスを提供する。 |
原則として1年ごとの自動更新 |
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日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(当社) |
国内外の協力病院 |
相手方がキャッシュレスサービスを提供する。(注) |
原則として1年ごとの自動更新 |
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日本エマージェンシーアシスタンス株式会社 (当社) |
厚生労働省 |
入国者等健康フォローアップセンター業務 |
2022年4月1日から2023年3月31日まで |
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日本エマージェンシーアシスタンス株式会社 (当社) |
東京検疫所 |
検疫手続確認センター業務 |
2022年4月1日から2023年3月31日まで |
(注)相手方が提供するサービスは以下のとおりです。
キャッシュレスサービスの提供(当社が契約した個人又は当社と契約した法人とアシスタンスサービスの契約を締結した個人が医療機関で支払いをすることなく受診できるサービス。当社は医療機関に対し医療費の立替払いを行いますが、キャッシュレスサービスに対する医療機関への役務提供料等の支払いはありません)。
当社グループは、研究開発活動は実施しておりませんので該当事項はありません。