第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 なお、当中間連結会計期間において取得した事業等に係るリスクは、第4四半期連結会計期間以降に発生する新たな事業等のリスクとして現在精査中であります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

当社グループは「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、法人・個人の垣根を壊し、誰もが多様な専門性を生かすことで今まで存在しなかった新しい価値を創造する、“Specialty” Marketplace(スペシャルティマーケットプレイス)「BUYMA(バイマ)」及び「BUYMA TRAVEL(バイマトラベル)」を中心とした事業を展開しております。

当中間連結会計期間(2025年2月1日~2025年7月31日)における世界経済は、国際通貨基金(IMF)が2025年の世界経済成長率予測を上方修正するなど、一部に改善の兆しが見られました。しかし、その上方修正は金融情勢の緩和や一時的な前倒し購入に支えられており、ロシアによるウクライナ侵攻や中東ガザ地区における紛争の長期化、欧米・中国経済の先行き不安、また世界的なインフレに伴う政策金利の引上げ等により、依然として下振れリスクへの不確実性を内包しています。一方で、国内経済においては、コストプッシュ型インフレと歴史的な円安が継続的に消費者の購買意欲に圧力をかけ、特に裁量的支出に対する慎重な姿勢が強まっております。

このような環境の中、当社グループは基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」及び「BUYMA TRAVEL」において、サービスの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。情報の非対称性を失くし、感動するプラットフォームをより多くの人々へ提供できるよう、サービスを拡充しております。また、新規事業創出やM&Aによる中長期的な新収益創出プロセスを着実に進めております。

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は2,898,114千円(前年同期比12.9%増)、営業損失は17,749千円(前年同中間期は営業利益229,651千円)、経常損失は46,017千円(前年同中間期は経常利益199,269千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は49,657千円(前年同中間期は親会社株主に帰属する中間純利益131,897千円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(Fashion Platform事業)

Fashion Platform事業は、主として「BUYMA」の運営を行っております。

当中間連結会計期間におけるBUYMAを取り巻く環境は、上記のような物価高騰と歴史的な円安進行が消費者の購買行動に引き続き影響を与え、国内における消費意欲は「鈍化」から「価値の厳選」へと消費の質の変化へ移行してきております。特に「ファッション」分野では、消費者は「楽しい気持ちになれる」「節約できる・安い」「安心・安全で間違いのない品質」といった、コストパフォーマンスの高い商品やサービスを重視する傾向が強まっております。この環境下で、大型セールや割引といった「合理的価値」を提供するイベントが、消費を喚起する主要なトリガーとなっていると考えられます。また、ファッションEC市場では、実店舗で商品を確認し、オンラインで購入する「ショールーミング」などの消費行動も一般化しており、オンラインとオフラインを融合したOMOマーケティングの重要性が一層高まっております。当社グループは、このような市場環境の変化に柔軟に対応し、BUYMAイベントスペース「BUYMA studio」×パーソナルショッパー、「BUYMA studio」×オウンドメディア「STYLE HAUS(スタイルハウス)」やデジタルメディア(YouTube、Instagram、X(旧Twitter)等)等、連動企画イベントの開催による良質な認知の獲得を進めており、鑑定機能向上による安心・安全対策の継続強化に加え、Buyeeを始めとする海外越境ECとの連携による海外市場へのサービス拡大、ハイファッションを特別価格で提供する「BUYMA BEDIT」のリリース、ラグジュアリーヴィンテージマーケット「BUYMA VINTAGE」の本格リリースにより幅広い顧客需要を取り込むとともに、「BUYMAコンシェルジュ」等の施策による優良顧客獲得促進等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進めております。また、コスト効率性を重視した事業運営による徹底したコストコントロールによる収益確保も継続して取り組んでおります。

以上の結果、Fashion Platform事業における会員数は11,750,137人(前年同期比4.8%増)、商品総取扱高は22,996,440千円(前年同期比3.9%減)となり、売上高は2,532,649千円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益は503,569千円(前年同期比14.7%減)となりました。

(Travel Platform事業)

Travel Platform事業は、主として「BUYMA TRAVEL」の運営を行っております。

当中間連結会計期間におけるBUYMA TRAVELを取り巻く環境は、海外旅行需要の回復を追い風に引き続き高成長を維持しているものの、その回復状況はまだ完全にはコロナ前の水準に戻っておりません。2025年6月の出国者数は1,054,045人(法務省出入国在留管理庁速報値)であり、2019年比では依然として30.7%減の水準にとどまっています。この不完全な回復は、BUYMA TRAVEL事業に今後大きな成長余地が残されていることを表しており、市場全体が完全回復に向かうにつれて、事業規模のさらなる拡大が期待できると考えております。当社グループの新たな収益の柱としての旅行事業の成長に向け、BUYMA TRAVELを中心として独自性のある高品質なプライベートガイドサービスに、アクティビティ、ホテル、レストラン予約等を連携するとともに、日本人に人気のあるグアム及びハワイを拠点とする孫会社のアクティビティ事業を強化するなど、積極的に事業戦略を進めております。

以上の結果、売上高は365,465千円(前年同期比6,615.9%増)、セグメント損失は173,466千円(前年同中間期はセグメント損失21,626千円)となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産合計

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末より3,840千円増加し、14,447,961千円となりました。主な要因は、投資有価証券が644,918千円、のれんが374,519千円、建物(純額)が86,080千円増加した一方で、現金及び預金が571,949千円、前払金が467,353千円減少したことによるものであります。

 

② 負債合計

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末より113,213千円減少し、2,891,239千円となりました。主な要因は、繰延税金負債が239,486千円増加した一方で、預り金が245,577千円、未払金が45,494千円、未払法人税等が30,185千円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より117,053千円増加し、11,556,721千円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が579,211千円の増加、親会社株主に帰属する中間純損失49,657千円の計上、剰余金の配当396,726千円による減少であります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、7,515,594千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動により使用した資金は90,111千円となりました。

この主な減少要因は、預り金の増減△245,698千円、法人税等の支払額150,007千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動により使用した資金は1,118,794千円となりました。

この主な減少要因は、定期預金の預入による支出1,000,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動により使用した資金は397,515千円となりました。

この主な減少要因は、配当金の支払額396,726千円によるものであります。

 

(4)重要な会計方針及び見積り

当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社は2027年度以降の継続的な中長期成長に向けた経営方針を新たに策定しました。詳細につきましては、2025年9月12日公表の「2026年1月期 第2四半期 新経営方針・決算補足説明資料」をご参照下さい。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(8)経営成績に重要な影響を与える要因、今後の方針について

当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。

また、今後の方針について、当社は、2025年9月12日開催の取締役会においては2028年度1月期以降の継続的な中長期成長に向けた経営方針を新たに策定いたしました。

 

経営方針に基づき推進する各事業の取り組みを着実に実行し売上及び収益性の向上に取り組むとともに、株主還元方針の見直しによる資本構成の最適化、及び資本市場との対話を通じた中長期的な成長戦略の発信強化により、資本効率の向上に取り組んでまいります。

 

株主還元方針については、上記の考え方に基づき、配当強化を実施する方針を新たに定めることといたします。

 

<株主還元方針の設定>

当社は、グループの持続的な企業価値向上に向けて、安定した経営基盤の確保及び積極的な成長投資に努めるとともに、財務健全性の維持や資本効率を勘案し、今後2年間(2026年1月期及び2027年1月期)を「構造改革期間」と位置づけ、2028年1月期以降の成長ステージに接続します。経営の最重要KPIを「調整後EPS」に一本化し、「調整後EPS連動の還元設計」、「資本配分の最適化」、「株主価値と連動した全社コミットメント」を合わせて新経営方針の4つの柱として、還元・配分・実行体制までを一体で最適化します。最重要KPIである「調整後EPS」の成長を、株主還元に直接結びつける仕組みを導入し、成長ステージ移行後には「配当性向」と「DOE(株主資本配当率)」を比較し、いずれか高い基準を採用することで、安定的かつ実感できる還元を実現いたします。

 

(配当)

「構造改革期間」と位置付ける2026年1月期及び2027年1月期の各期の配当額は、30円(普通配当10円+記念配当20円)とします。

 

2028年1月期以降の各期の配当額は調整後EPS40円以上を目指し、配当性向50%又はDOE5%のいずれか高い方を採用し、持続的な利益成長を通じた増配をめざします。

 

※調整後EPS=(親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却費+無形資産償却費

+M&A関連一時費用+その他非現金支出項目)÷ 期中平均株式数

株主総会を決定機関とする年1回の期末配当を基本といたします。

 

なお、株主還元方針(配当)については、2026年1月期からの適用といたします。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。