第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「お客さまと共に新たな価値を創造します」、「ものづくりを究めます」、「限りない変革への挑戦を続けます」を企業理念とし、お客さまの信頼と、技術への情熱を大切に、新たな可能性に挑み続ける企業づくりを目指しております。電力ネットワークをトータルにサポートする企業として、これまでの電力流通システムのモノ売りから、エネルギー利用の高度化・多様化に対応した事業で、「サステナブル社会」に貢献してまいります。

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

脱炭素化、分散化、デジタル化など電力エネルギー事業を取り巻く環境が急速に変化する中、地球温暖化防止への意識の高まりを受けて、再生可能エネルギー利用や電気自動車が急速に普及しております。また、自然災害の激甚化に伴う防災、電力供給のレジリエンスに関する社会的ニーズは一層高まっております。 

当社グループは2021年4月にこれらの環境変化に対応していくため「2030VISION & 2023中期経営計画」を策定いたしました。コア事業の基盤再構築による変革と、6つの新領域の事業分野の開拓の両利きの経営により、総合エネルギー事業プロバイダーを目指した取り組みに注力しております。

また、「総合エネルギー事業プロバイダー」に向けた取り組みの一環として、2022年6月29日に組織改正を行い、GXソリューション事業本部を設置しました。 

引き続き「2030VISION & 2023中期経営計画」で掲げた「コア事業の深化・変革」、「事業基盤の構造転換」、「2030将来像開拓への挑戦」の基本方針のもとサステナブル社会への貢献と企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

①変成器類の一部製品における不適切事案について

2023年5月16日に公表いたしました通り、当社の変成器類(計器用変圧変流器、計器用変圧器、変流器)に含まれる一部製品(以下「当該製品」という。)について、一部のお客さまに提出した形式試験成績書に関し、1)お客さまの了承を得ることなく、形式試験の一部試験項目について検証器〔形式試験を行うために製造するテスト用の器械〕による試験を実施せずに(i)類似の製品について過去に実施した試験結果の流用、(ii)設計部門から提供された計算値、解析値等の使用、(iii)規格やお客さまの個別の要求仕様で規定されている条件と異なる試験条件下で実施した試験結果の使用を行い、更には、2)形式試験成績書における試験内容(検証器の台数や製造番号、試験日時、試験条件等)について事実と異なる記載を行うといった不適切な形式試験成績書を作出した事案(以下「本事案」という。)が認められました。

2023年5月16日の公表日時点で判明している不適切に作出された形式試験成績書は、約170形式・約350通であり、国内外のお客さま約40社に対して提出しております。

なお、本事案発覚後、当該製品について形式試験成績書の不正作出は一切行っておりません。

また、これに関連し、(a)海外に所在する当社子会社の工場において製造・試験し、一度日本に輸入して当社蓮田事業所で外観検査・銘板取付・試験結果の確認と出荷試験成績書の作成をした後に国外のお客さまに納品していた計器用変圧器について「日本製」と表示して出荷していた事案と、(b)計器用変圧器の一部製品について、製品完成前で出荷試験を実施していないにもかかわらず、販売店からの要求に基づき出荷試験成績書を不正に作出し、提出した事案(製品完成後に適正に出荷試験を実施し出荷試験成績書を再提出)、の二つの不適切な事案(以下「関連事案」という。)が認められました。

なお、これらの関連事案発覚後、速やかに是正策を講じています。

これまでに出荷した当該製品については、一部の項目について形式試験を実施していないものの、(i)既に形式試験を実施済みである製品と同一形式のバリエーション製品であること、(ii)品質上の問題は生じないとの技術的判断の下で、前記1)の方法で形式試験成績書を作成していること、(iii)個々の製品の出荷に際しては、実際に出荷試験を実施していることなどから、当該製品自体の品質及び安全性の問題を惹起することはないと考えておりますが、引続き、調査を進めてまいります。

また、お客さまに対し、現時点で判明している事実関係と納入した製品の品質及び安全性についてのご説明、並びに今後の対応方法の協議を開始しており、今後も誠実に対応を進めてまいります。

当社は、2021年以後、品質コンプライアンス体制の更なる強化のため、「QMS(品質マネジメントシステム)の再構築」、「人財育成の強化」、「コミュニケーションの充実」及び「意識・風土改革」の4つの改革を進めております。

本事案の発覚のきっかけとなった関連事案は、かかる取り組みの最中に当社職員からの内部通報により発覚した事案であることから、意識改革が進行しつつあるとも捉えておりますが、背景も含めた徹底的な真因の究明を進めるとともに、現在の改革施策の有効性を改めて評価し、必要な追加対策を講じてまいります。

また、当社は、2022年5月24日に当社製品の品質に係る総点検調査が完了したとして結果をお知らせいたしましたが、この調査の中で本事案を発見できなかったことを真摯に受け止めています。このため、見落としの原因を分析した上で調査方法を再検討し、変成器類以外の全製品を対象として改めて品質に係る総点検調査を実施してまいります。

お客さまや当社株主の皆さまをはじめ関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。再発防止及び信頼回復に向け、上記の取り組みを全力で進めてまいります。

 

②総合エネルギー事業プロバイダーに向けて

脱炭素化、分散化、デジタル化など電力エネルギー事業を取り巻く環境が急速に変化する中、カーボンニュートラル実現への意識の高まりを受けて、再生可能エネルギー利用や電気自動車が急速に普及しております。また、自然災害の激甚化に伴う防災、電力供給のレジリエンスに関する社会的ニーズは一層高まっております。

当社グループは2021年4月にこれらの環境変化に対応していくため「2030VISION&2023中期経営計画」を策定いたしました。コア事業の徹底的な磨き込みと構造改革による変革と、6つの新領域の事業分野の開拓の両利きの経営により、総合エネルギー事業プロバイダーを目指した取り組みに注力しております。

この両利きの経営を加速するため、次の諸課題への対応を進めております。

Ⅰ コア事業の構造改革として、選択と集中、サプライチェーン改革、アライアンス、生産拠点の再編等の諸課題を一体的に推進する「コア事業構造改革委員会」の設置

Ⅱ カーボンニュートラルやGXに貢献するサービスやソリューションの提供を機動的かつ全体最適で行うため、「GXソリューション事業本部」を新設し、6つの新事業領域の中でGX関連の事業を一体的に推進

Ⅲ 両利きの経営を推進する人財の育成を強化するため、本年6月に「人財育成センター」を設置

Ⅳ お客さまや社会からの信頼のベースとなる製品・サービスの「品質向上」施策を一層強化

Ⅴ 社員自らの手で、安全・品質第一、お客さま志向で常に挑戦し続ける企業文化への変革を実行するための「経営改革タスクフォース」の活動を推進

 

■コア事業構造改革委員会の設置

激しい競争市場にある当社の既存コア事業は、現状の少量多品種の事業構造からの脱却が不可欠であり、限られたリソース(ヒト・カネ)を最適活用し、集中領域での競争力強化によるシェア拡大を図っていかなければなりません。

当社は、事業と技術の「選択と集中」を加速し、選択した領域でシェアNO.1となることを目指し、既存コア事業の構造改革(選択と集中,サプライチェーン改革,アライアンス推進)の方針策定のため、社長を責任者とする「コア事業構造改革委員会」を組成しました。

全体方針を定める本委員会とテーマ別にワーキンググループを設置して具体的な検討に着手しました。

2030VISIONにおけるコア事業1,000億円の経営基盤の強化に向けて、事業と技術の「選択と集中」を加速していきます。

 

 


 

■GXソリューション事業本部の設置

当社は、総合エネルギープロバイダーとして、カーボンニュートラルの実現に向けた経済社会システム全体のGX変革(GX:Green Transformation)に寄与できるモノ(製品)からコト(サービス、ソリューション)への提案を可能とする組織体制とするため、エネルギーソリューション事業本部、イノベーション推進部および社長直轄プロジェクトであるEVインフラ推進プロジェクト、PPP/PFI推進プロジェクトに分かれていた各事業を統合し、2022年6月末にGXソリューション事業本部を設置いたしました。

GXソリューション事業本部は、技術営業・ソリューション営業の体制を強化し、お客さまのニーズやマーケットの動向に応じた重ね合わせ、組み合わせによる多種多様なGXソリューションをご提案してまいります。具体的には、今後増大することが予想される地域の再エネ電源による地産地消、エリアBCP確保、余剰電力の有効活用等のニーズに応じて太陽光発電(PV)、EV、蓄電池、P2G等を統合制御するグリッドEMSソリューションや、EV急速充電器のラインナップ充実やワンストップサービスによるEVインフラ・ソリューション、V2X・マルチ充電システム等を活用した電力系統安定化ソリューション、自動検針・共同検針等の総合メータリング・ソリューション、BEMS/FEMS等による各種ZEBソリューションなど、お客さまのGXへの取り組みを下支えする製品・サービスを提供してまいります。

 


 

 

■人財育成センターの設立

当社は、ヒトの持つ知識や能力を資源(=人材)ではなく資本(=人財)と捉え、「ひとづくり」の育成投資により、その人財価値を高めて最大限に引き出すことが、会社の成長の原動力と考えております。2023年6月末に設立した人財育成センターは、全社の「ひとづくり」をリードし、「社員の成長意欲の向上」と「業界トップの人財を育てる」ことを通して、当社の人財価値を向上させることが役割となります。

 


 

③資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

2023年3月末に東京証券取引所上場部より”資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について”の通達文書が発信されました。

同文書の”背景・趣旨”に記載のある”~プライム市場の約半数、スタンダード市場の約6割の上場会社がROE8%未満、PBR1倍割れと、資本収益性や成長性といった観点で課題がある状況~”との指摘に対し、当社の2023年3月期の状況はROE5.5% PBR:0.7倍となっております。

2019年3月期に比較し改善の状況にはあるものの、今後、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けては、課題があることを真摯に受け止めております。

今後、東京証券取引所の要請内容に従い、現状分析(自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その内容や市場評価に関して取締役会で現状を分析・評価)からスタートし、計画策定・開示に向け取り組んでまいります。

 

その一環として、資本コストや資本収益性を意識した経営管理と業務運営に向け、ROIC指標を活用した取組みを行うべく、各セグメント・機種単位レベルでの指標分析と課題抽出に着手しております。

また、一層のカイゼン&DXによる収益力の向上,既存コア事業の構造改革(選択と集中,サプライチェーン改革,アライアンス推進),新規事業のテイクオフ戦略と成長投資,人的資本投資や研究開発投資による無形資産の創造,分かりやすい成長ストーリーの開示とステークホルダーとの対話の充実などにも積極的に取組んでまいります。

 

 

(3) 目標とする経営指標

2023中期経営計画の目標とする経営指標については以下の通りであります。2023年度につきましては、2023年4月26日に修正いたしました。

 

 

 2021年度

2022年度

2023年度

(実績)

(実績)

(修正後目標※)

(予想)

売上高

919億円

977億円

950億円

1,000億円

営業利益
(営業利益率)

46億円

(5.0%)

48億円

(5.0%)

50億円

(5.3%)

45億円

(4.5%)

親会社株主に帰属する当期純利益

32億円

29億円

35億円

34億円

ROE

<自己資本利益率>

6.5%

5.5%

6.4%

6.2%

ROA

<純利益ベース>

3.3%

2.8%

3.4%

3.1%

 

※2022年4月27日公表の修正後目標値

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

 

≪サステナビリティ基本方針≫

東光高岳グループは、企業理念の実践を通して二つの使命を果たし、エネルギーの未来を切り拓いていきます。

 


変わらぬ使命:

電力の安定供給や効率的な利用を支える機器・システムの提供を通して、豊かで快適な暮らしや社会経済活動の発展に貢献する。

 

 


新たな使命:

カーボンニュートラル、地域の防災・レジリエンス強化等の新たな社会的課題に対するソリューションを創造し、持続可能な社会の実現に貢献する。

 

 

 

 

当社は、この使命を果たしつつ、社会とともに持続的な成長を遂げることを目的として策定した「東光高岳グループ企業行動憲章」の実践をサステナビリティの基本方針とします。

※東光高岳グループ企業行動憲章は、以下の通りです。

 https://www.tktk.co.jp/company/charter/

 


(黒はリスク低減サイド、青は収益機会サイドとなります。)

  ※具体的な取り組みにつきましては、東光高岳レポートに記載しております。

    https://www.tktk.co.jp/csr/report/

 

≪ガバナンス≫

当社は、取締役会における機動的な意思決定、議論の活性化及び社外取締役の十分な機能発揮等を図るとともに、取締役会への監督機能を強化することで当社の企業価値を向上させることを目的に、コーポレート・ガバナンスの体制として監査等委員会設置会社を選択しています。

取締役会は取締役10名で構成され、原則月1回、また必要に応じて適時開催され、経営全般に関する重要事項等を審議決定するとともに、取締役から定期的に、また必要に応じて報告を受けること等により、取締役の職務執行を監督しています。

取締役会については、次の事項を考慮・実施したうえで社外取締役も含めて慎重に審議を行うことで実効性の確保に努めています。

● 取締役会付議事項について、業務執行取締役及び常勤監査等委員が経営会議にて事前に協議を行うこと

● 審議にあたって十分な審議時間がとれること

● 取締役会での決議・審議事項を経営における最重要事項に限定すること

● 年間スケジュールについては、毎月最終週の開催を基本として、株主総会、決算発表等の日程を勘案し

  て、予想される付議事項を含めて計画を作成すること

● 開催日については、全取締役が出席可能となるように配慮し、年間のスケジュールを決定すること

● 重要事項については社外取締役に事前に説明を行うこと

 

≪リスク管理≫

当社は、「リスク管理規程」を制定し、業務運営上のリスクを回避、軽減あるいは予防・防止するための対策を検討し、リスクが顕在化した場合の報告経路・対応体制を定めています。また、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、社長を委員長とし、役員・部門長などで構成される「リスク管理委員会」を設置しています。委員会では全社リスク及び経営上重要なリスクを定め、グループ大での対策の進捗点検及び有効性評価を実施、結果を各種施策に反映しています。

 

≪重要なサステナビリティ項目≫

ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

● 環境(E)

• EV普及を後押しする充電インフラ・サービス(急速充電器のラインナップの拡充、LPガス一般停電用予備発電機と接続可能な電気自動車用急速充電システム)

• 環境負荷の小さい機器開発・販売(植物油変圧器等)

• 再生可能エネルギーを活用した事業運営を支える製品・サービス(風力発電向け雷電流装置)

• 省エネとマネジメントをデジタル化でサポートする製品・サービス(T-ZoneSaver、エネルギー地産地消モデル「リソルの森」の新エネ大賞受賞、DX-EGAを活用したSustana(SMBC協業)、「令和4年度蓄電池等分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業」への参画等)

● 社会(S)

• 社員を含むステークホルダーとの関係強化(次世代育成や女性活躍推進に資する各認定の取得、ダイバーシティ講演・研修の開催、リモートワーク環境整備などの働き方改革の推進など)

• 価値向上に社員の力を発揮させるためのリスキリング教育(人財育成センターの組成:2023年6月)

• 地域社会の安全・安心・生活基盤において、豊かな暮らしへの貢献(奉仕活動、防災協定など)

• 海外における電力が十分に行き届かない地域への貢献(海外EPC事業の推進)

● ガバナンス(G)

• 時流に合った組織の変革による迅速な経営判断(GXソリューション事業本部の組成:2022年6月)

• 自社目線だけに陥らない社外目線の監督機能を取り入れた経営

• デジタル技術を活用した経営情報の迅速な組成と意思決定支援(DX認定事業者への選定)

• 資本効率の視点に立った事業成長を促進させるROICを活用した経営戦略の検討

 

 

(2)人的資本

 

≪戦略≫

 

① ダイバーシティの推進  

当社は、企業価値の向上と、すべての社員が誇れる会社となることを目的として、ダイバーシティ推進に積極的に取り組んでいます。社長を委員長とする「ダイバーシティ推進委員会」を設置し、経営トップの強いコミットメントのもと、多様な人財が活躍できる企業風土づくりや環境整備を行っています。

 

〇女性活躍推進

 当社は、女性社員の活躍を推進しており、2030年度までに、女性社員採用比率25%、女性社員比率15%、女性管理職比率 5%を目指しています。2022年度は、将来の女性管理職育成を目的として、女性のリーダー候補者とその上長に対し、通年での研修を実施しました。また、2022年度は当社の女性活躍推進の取り組みが評価され「えるぼし(3つ星)」の認定を受けています。

 

〇性の多様性

 多様な性のあり方を知るとともに、LGBT当事者が私たちの身近にいることの理解を目的として、株式会社ニューキャンバスの杉山文野氏による講演「LGBTと企業〜職場でのダイバーシティを考える」を実施しました。今後もLGBTに関する認知度向上や相談しやすい環境づくりに取り組んでいきます。

 

〇外国人財の採用

 当社は、多様な人財を雇用するため、積極的に外国人財を採用しています。就業において宗教上の配慮を要する場合などは、配属前に職場へ教育を行うなど、社員が職場環境に馴染みやすいよう配慮を行っています。

 

 

② 人財育成方針

当社は、人財育成方針として、ヒトの持つ知識やスキルを経営資源(=人材)ではなく経営資本(=人財)ととらえ、「ひとづくり」の育成投資により、その人財価値を高めて最大限に引き出すことが、企業の成長の原動力と考えております。

そこで、「仕事こそ人を育てる」という基本的な考え方に基づき、OJTを中心に、研修などのOff-JT、自己啓発の3本の柱により、相互に緊密につながりあい、機能しあうことで効果的な人財育成を行っております。

人財育成のための社内環境整備としては、人的資本を有効活用し、企業価値を向上させるため、「社員の成長意欲を向上させる」、「業界トップの人財を育てる」ことをミッションとする「人財育成センター」を2023年6月末に設立し、以下の取組みを加速してまいります。

 

〇個のスキル向上

OJT実践の仕組みづくり

 人事ローテーションの仕組みの構築やDXの活用などの育成手法を確立させ、年度計画に基づき、人財の成長を促す。

 また、目標管理制度を活用し、年度計画と個人業績目標を紐づけ、業績達成の意識を促す。

・キャリアパスやジョブディスクリプションを構築し、個人別育成カルテを管理・運用する。

・スキルマップを策定、全社員へ水平展開し、技術継承のプラットフォームを構築する。

 

 

Off-JTの充実

職場での実践に向けた動機付けを目的に研修を実施しています。

・選抜研修

 オーセンティックリーダーシップの習得により、将来を担う経営リーダー候補人財のマインドを高める。

・階層別研修

 入社3年間で一人前の社員として育成するとともに、各階層へ昇格した際に求められる役割を意識させて必要なスキルを教育する。

・個別専門研修

 各部門で共通して必要となる専門的なビジネスリテラシーと技術的な知識やスキルの習得のために教育する。

 

  2022年度の主な新規取組


 

自己啓発支援

 業務に関連する資格の有資格者を増やすために、祝い金支給などの資格取得支援の見直しや、経営リーダー候補人財を対象とするeラーニングの拡充などを実施する。

 

〇人財の見える化の活用

 タレントマネジメントシステムを導入し個人の特性を見える化することで、優秀人財の発掘やローテーション計画などに有効活用する。また目標管理制度と連携させることでOJTへ展開する仕組みづくりも可能となる。

 

〇体制整備

 各部門に育成統括責任者を設置することで、人財育成センターと連携し、全社で人を育てる推進体制を確立する。

 専門的な知識やスキルを持つ主管部門とサブワーキングを定期的に実施し、共通技術や要素技術の知識を習得するために個別専門研修に取り入れる。

 

 

≪指標及び目標≫

 

当社グループでは、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

 

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2031年3月までに5%

1.5%

男性労働者の育児休業取得率

2024年3月までに7%

33.3%

労働者の男女の賃金の差異

目標設定なし

70.6%

 

 

 

(3)気候変動への取り組みとTCFDへの対応

 

TCFD提言に基づく気候関連の財務情報開示

 気候変動はグローバル社会が直面している重要な社会課題の1つであり、東光高岳グループでは重要な経営課題の1つと認識しております。東光高岳グループは脱炭素社会の実現に向け、 「東光高岳グループ環境方針」における「脱炭素社会の構築」「循環型社会の構築」「環境保全の推進」という3つの柱に基づき、「東光高岳環境目標」の達成に向けて取り組んでおります。

 こうした中、東光高岳グループでは2022年6月にTCFD※提言への賛同を表明し、今回、要求項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿って、気候変動に関する情報開示を行いました。

 気候変動による影響は、電力の安定供給を支える製品・サービスをコア事業とする東光高岳グループにとって大きなリスクになると共に、エネルギー市場の大きな変化は、「総合エネルギー事業プロバイダー」を目指す東光高岳グループにとって、新たなビジネスの機会にもなりえます。今後の気候変動に関連する事象を、経営リスクとして捉えて対応すると同時に、新たな機会も見いだし、企業戦略へ生かしてまいります。

 


※ TCFD:G20の要請を受け、金融安定理事会により設立された

 「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on

  Climate-related Financial Disclosures)」

 

 


 重要な気候関連リスク・機会を特定し、適切にマネジメントするため、東光高岳グループでは「リスク管理委員会」「環境管理委員会」を設置しています。各委員会は、半期に1回開催し、年度計画の策定、重点課題に関するグループ全体の取り組みを推進・サポートし、進捗をモニタリングすると共に、対応方針の立案や関連部署への展開を行います。また、これらの結果を毎年1回、取締役会に報告し、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行います。

 


 東光高岳グループは、事業が気候変動によって受ける影響を把握・評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しており、特定したリスク・機会は、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しております。


 

 事業におけるリスク・機会は、東光高岳グループの課題やステークホルダーからの要求・期待、事業における環境側面の影響評価などにより特定し、経営に及ぼす影響を総合的に判断し、優先度合いをつけて課題の対応に取り組んでおります。また、企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規則変更などの外部要因や、東光高岳グループの施策進捗状況、今後のリスク・機会などの内部要因の両側面から課題を抽出し、グループ全体で課題解決に向けて取り組んでおります。

 

 


 気候変動による影響は、電力の安定供給を支える製品・サービスをコア事業とする東光高岳グループにとって大きなリスクになると共に、エネルギー市場の大きな変化にもつながるため、「総合エネルギー事業プロバイダー」を目指す東光高岳グループにとっては、新たなビジネスの機会にもなりえます。

 2022年度は下記内容を前提条件として設定の上、当社が掲げる「2030Vision」実現に向けたリスクおよび機会を特定、財務インパクトを算出し対応策を整理しました。

 

前提条件


 

気候関連の主なリスク/機会と対策


 

 


 当社は、2050年カーボンニュートラルに向け、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を下記の通り定めております。「東光高岳グループ環境方針」も考慮しつつ、サプライチェーン全体のGHG排出削減を目指し取り組んでおります。

 


 


 

主な取り組み

 気候変動への対策として、再生可能エネルギーの有効活用や省エネルギーによるエネルギー由来のCO2削減に取り組んでおります。また、温室効果ガスであるSF6(六フッ化硫黄)ガスの排出抑制に取り組んでおります。

 


 

今後の対応

・Scope3の検討および開示につきましては継続して取り組んでまいります。

・グループ大での展開の取り組みを進めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループでは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、社長を委員長とし、役員・部門長などで構成される「リスク管理委員会」を設置しております。委員会では全社リスク及び経営上重要なリスクを定め、グループ大での対策の進捗点検及び有効性評価を実施、結果を各種施策に反映しております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定事業への依存について

電力機器の生産販売をコア事業とする当社グループは、東京電力パワーグリッド(株)向けの製品販売比率が39.7%となっているなど、電力会社向けの製品販売が売上高の過半を占めており、電力会社の設備投資・修繕費の増減と内容が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては電力会社向け以外への売上を拡大するべく、コスト競争力の強化及び新市場への展開を進めております。

 
  (2) 資材調達

当社グループでは主力製品の製造に鉄・銅・油・碍子などを使用しておりますが、これら重要資材の価格の上昇リスクについては市況に応じた在庫の確保や、価格上昇によるコストアップを吸収すべく継続的な原価低減活動、購入先の多様化、売価への反映によってリスクの低減を行っております。

また、半導体を始めとした調達部品の長納期化については上記施策に加え代替品の使用、設計変更などの施策によりリスクの低減を行っております。

 

(3) 技術開発

当社グループは、様々な先端技術の開発及び製品化を進めておりますが、計画どおりに開発が進まず、適切な時期に製品の市場投入ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについてはリスク顕在化の未然防止、ならびに極小化に向け、経営による定期的な進捗管理を行っております。
 

(4)  製品品質

当社グループでは、生産販売する製品について徹底した品質管理の下で製品の製造に努めております。しかしながら、品質問題が発生した場合、不良品の回収や交換、賠償等の損失コストにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(不適切事案の影響)

当社の変成器類(計器用変圧変流器、計器用変圧器、変流器)に含まれる一部製品について、一部のお客さまに提出した形式試験成績書に関し、①お客さまの了承を得ることなく、 形式試験の一部試験項目について検証器〔形式試験を行うために製造するテスト用の器械〕による試験を実施せずに(i) 類似の製品について過去に実施した試験結果の流用、(ii) 設計部門から提供された計算値、解析値等の使用、(iii) 規格やお客さまの個別の要求仕様で規定されている条件と異なる試験条件下で実施した試験結果の使用を行い、更には、② 形式試験成績書における試験内容(検証器の台数や製造番号、試験日時、試験条件等)について事実と異なる記載を行うといった不適切な事案が判明しました。

なお、調査の結果、当該製品自体の品質及び安全性の問題を惹起することはないと考えております。

また、当社は、2022年5月24日には、当社製品の品質に係る総点検調査が完了したとして、結果を当社ホームページにてお知らせいたしましたが、この調査の中で本事案を発見できなかったことを真摯に受け止めています。このため、見落としの原因を分析した上で調査方法を再検討し、変成器類以外の全製品を対象として改めて品質に係る総点検調査を実施してまいります。

これまでの社内調査及び検証において、本事案に起因した、製品の品質・性能に影響する具体的な問題は現時点では確認されておりませんが、今後の進捗次第では、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 保有資産価値の変動

当社グループでは事業用の資産や投資の際に生じるのれんなど、様々な有形・無形資産を保有しております。今後の経営環境変化に伴い、これらの資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合には減損損失を計上し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては定期的に将来キャッシュ・フロー及びその基礎となる事業計画の合理性をモニタリングし、兆候の把握とリスク低減に向けた対応を行っております。

 

(6) 大規模災害

当社グループは、各拠点において防災対策を実施しておりますが、拠点のいずれかが大規模災害により被災し、生産設備の損壊、原材料や部品の調達停止、物流販売機能の麻痺などによる操業停止などが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては各拠点にて耐震対策を計画的に実施、また、調達面では調達先の多様化を行っております。

 

(7) 情報セキュリティ

標的型攻撃やランサムウエアなど、増加・深刻化するサイバー攻撃により重要情報の漏洩や業務の停止が発生することで、当社グループにおける調達体制、生産体制、物流体制、営業体制等、事業活動の継続に影響が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当リスクについては各種セキュリティ対策の実施、従業員への教育・訓練の実施等、リスク極小化に向けた諸施策を実施し、事業活動への影響の低減を図っております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は、昨年2022年10月1日をもちまして、前身会社である高岳製作所と東光電気の2社での共同持株会社(旧:東光高岳ホールディングス)設立による経営統合から10周年を迎えました。

これを記念し、昨年2022年12月6~7日に「2022東光高岳10th Anniversary ソリューションフェア~総合エネルギー事業プロバイダーを目指して~」を開催しました。会場へは多数の方々にご来場いただき、盛況を収めることができましたことを心より感謝申し上げます。

この節目の年を迎え、これからの10年を2030VISIONを実現し、GX(GX:GreenTransformation)をリードする「総合エネルギー事業プロバイダー」への飛躍期と位置付け、今後の持続的成長に向けて前進してまいります。

 

2023年5月16日に当社の変成器類(計器用変圧変流器、計器用変圧器、変流器)の一部製品における不適切事案について公表いたしました。お客さまや当社株主の皆さまをはじめ関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

当社といたしましては、今後このような事態を再び起こすことのないよう、コンプライアンス体制の一層の強化を図り、再発防止及び信頼の回復に努めてまいります。

なお、本件の詳細につきましては、(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に記載いたしております。

 

次に、当社グループを取り巻く状況ですが、最大取引先である電力業界においては、ウクライナ情勢と円安進行による燃料価格・電力市場価格の高騰や電力需給の不安定性の顕在化に加え、カーボンニュートラルの実現、地域社会の防災・レジリエンス強化への要請など、事業環境が大きく変化するとともに一層厳しくなっており、生産性向上と徹底的なコスト削減が各社で進められております。一方、脱炭素社会の実現に向けては、日本政府が2050年カーボンニュートラル宣言をしたことにより、国内では再生可能エネルギーを含めた分散型エネルギー関連設備の更なる普及や、電気自動車向け急速充電器需要が立ち上がりつつあります。

 

当社グループは、2021年4月に「2030VISION&2023中期経営計画」を策定し、「コア事業の深化・変革」、「事業基盤の構造転換」、「2030将来像開拓への挑戦」の3つの基本方針のもと、既存事業の変革と新規事業の開拓を同時に行う両利きの経営をスタートさせております。

この2030VISIONで掲げた「総合エネルギー事業プロバイダー」に向けた取り組みの一環として、昨年2022年6月29日に組織改正を行い、GXソリューション事業本部を設置いたしました。

このGXソリューション事業本部は、カーボンニュートラルの実現に向けた経済社会システム全体のGXに貢献するサービスやソリューションの提供を機動的かつ全体最適で行うため、これまで分かれていたGX関連の事業を一元化した組織体制としました。

具体的には従来のエネルギーソリューション事業本部、イノベーション推進部及びEVインフラ推進プロジェクト、PPP/PFI推進プロジェクトを統合し、シナジー発揮を促進すると共に、多様なお客さまニーズへ最適な提案を進めてまいります。

本組織改正に伴い、第2四半期連結会計期間より開示セグメントを変更しました。変更内容は、従来のエネルギーソリューションをGXソリューションに名称変更し、当セグメントに前述のGXソリューション事業に加えて、情報機器事業を含めました。本変更実施後の当社開示セグメントは、電力機器、計量、GXソリューション、光応用検査機器、その他の5セグメントとなりました。

また、激変する経営環境の中で2030VISIONを達成するためには、両利き経営を推進できる人財が不可欠であり、既存事業を磨きこみ・深化させる人財、新規領域で新たな付加価値を創造し稼ぐことができる人財の双方を、これまでよりも体系立て、効果・効率的、迅速に育成することが必要と考えています。このため、人的資本を高めて有効活用し、企業価値を向上させることを目的に、「社員の成長意欲を向上させる」、「業界トップの人財を育てる」ことを推進する組織として「人財育成センター」を2023年6月29日付けで設置しました。

 

当連結会計年度の業績につきましては、一部製品において半導体を始めとして部品調達の長納期化による販売機会の逸失や、資材価格の高騰の影響を強く受けましたが、部品先行手配、代替品・市中品の探索、売価の適正化等により影響の極小化に取り組んでまいりました。その結果、売上高につきましては、海外工事物件等が減少したものの、計量事業全般、三次元検査装置、断路器、配電機器等の増加により、97,752百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

利益面では、上記各事業の売上高が増加したことやDXによる既存事業の収益性向上、調達改革によるコストダウン、カイゼン活動の磨きこみによる生産性向上の成果等により、営業利益4,847百万円(前年同期比4.8%増)、経常利益4,704百万円(前年同期比12.8%増)と増益となりましたが、前年同期は多額の特別利益の計上があったため、親会社株主に帰属する当期純利益は2,919百万円(前年同期比11.0%減)と減益になりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

電力機器事業は、断路器、配電機器等が増加したものの、電力会社向けのプラント物件や海外工事物件等の減少により、セグメント全体の売上高は56,944百万円(前年同期比1.2%減)と減少し、セグメント利益につきましても5,214百万円(前年同期比17.9%減)と減益になりました。

計量事業は、検定代弁等が減少したものの、変成器やスマートメーター等の増加により、セグメント全体の売上高は27,953百万円(前年同期比15.3%増)と増加し、セグメント利益につきましても2,337百万円(前年同期比35.8%増)と増益となりました。

GXソリューション事業は、電気自動車向け急速充電器の引き合いを多数受けたものの部品調達の長納期化の影響により販売台数は前期並みに留まりましたが、システム・インフラソリューション事業やエネルギー・マネジメント・システム(EMS)等が増加したことにより、セグメント全体の売上高は7,711百万円(前年同期比12.7%増)と増加し、セグメント損失につきましても207百万円(前年同期はセグメント損失284百万円)と赤字幅が縮小しました。なお、セグメントの変更により、前年同期につきましても変更後のセグメントに組み替えて比較しております。

光応用検査機器事業は、半導体の需要増に伴い三次元検査装置の売上が増加し、セグメント全体の売上高は4,150百万円(前年同期比94.0%増)と増加し、セグメント利益につきましても1,496百万円(前年同期比210.4%増)と大幅な増益となりました。

その他事業は、不動産賃貸収入の減少により、セグメント全体の売上高は992百万円(前年同期比5.0%減)と減少し、セグメント利益につきましても667百万円(前年同期比5.8%減)と減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、10,659百万円(前年同期は12,448百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

売上債権の増加4,033百万円、棚卸資産の増加4,124百万円の減少要因がありましたものの、税金等調整前当期純利益の計上4,411百万円、減価償却費の計上2,346百万円、仕入債務の増加2,279百万円の増加要因により、2,245百万円の収入(前年同期は4,140百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形及び無形固定資産の取得による支出2,094百万円により、1,923百万円の支出(前年同期は1,460百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

借入金の返済1,310百万円、配当金の支払891百万円により、2,202百万円の支出(前年同期は5,781百万円の支出)となりました。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器事業

60,560

5.1

計量事業

31,164

13.3

GXソリューション事業

6,713

30.8

光応用検査機器事業

4,329

99.7

報告セグメント計

102,767

11.2

その他の事業

合計

102,767

11.2

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

   2.金額は販売価格で表示しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器事業

68,505

17.1

56,698

25.6

計量事業

28,372

14.5

3,199

15.1

GXソリューション事業

8,327

14.2

2,596

31.1

光応用検査機器事業

3,160

△50.3

4,556

△17.8

報告セグメント計

108,366

11.8

67,051

20.9

その他の事業

992

82.9

合計

109,358

12.2

67,051

20.9

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

   2.金額は販売価格で表示しております。

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電力機器事業

56,944

△1.2

計量事業

27,953

15.3

GXソリューション事業

7,711

12.7

光応用検査機器事業

4,150

94.0

報告セグメント計

96,760

6.5

その他の事業

992

△5.0

合計

97,752

6.3

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

   2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東京電力パワーグリッド㈱

37,763

41.1

38,820

39.7

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6,080百万円増加し、106,322百万円となりました。これは現金及び預金が減少したものの、売上債権、棚卸資産が増加したことによるものです。

(負債の部)

負債は、前連結会計年度末に比べ3,178百万円増加し、47,862百万円となりました。これは短期借入金、長期借入金が減少したものの、仕入債務、未払金、未払費用が増加したことによるものです。

(純資産の部)

純資産は、前連結会計年度末に比べ2,902百万円増加し、58,460百万円となりました。これは主に配当金の支払いによる減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。

 

(b) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は97,752百万円(前年同期比6.3%増)となり、前連結会計年度に比べて5,816百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は21,550百万円(前年同期比4.8%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比0.4%減少し、22.0%となりました。これは主に資材価格の高騰によるものです。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、各事業の売上高が増加したことやDXによる既存事業の収益性向上、調達改革によるコストダウン、カイゼン活動の磨きこみによる生産性向上の成果等により、4,847百万円(前年同期比4.8%増)となりました。

なお、営業利益率は前連結会計年度と同じく、5.0%となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度における持分法による投資損失の計上の反動等により、4,704百万円(前年同期比12.8%増)となりました。

なお、経常利益率は前連結会計年度比0.3%増加し、4.8%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において受取損害賠償金、抱合せ株式消滅差益等多額の特別利益の計上があったため、2,919百万円(前年同期比11.0%減)と減益になりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度の資金調達につきましては、経常的な運転資金を金融機関からの借入金にて調達しておりますが、特筆すべき重要な事項はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループは連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(a) 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、事業別あるいは会社を1つの単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

回収可能価額の評価においては、合理的な事業計画に基づいて将来キャッシュ・フローを慎重に見積っておりますが、経営環境や市場環境の変化により収益性が著しく低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

(b) 投資の減損

当社グループが保有する投資有価証券には、非上場会社の株式が含まれております。非上場会社の株式の評価においては、実質価額と取得価額を比較し、実質価額が著しく低下した場合又はのれん相当額と超過収益力を比較し、超過収益力が著しく低下した場合に減損処理の要否を検討しております。経営環境や市場環境の変化により、将来において投資先の業績動向が著しく低下した場合、投資有価証券の減損処理が必要となる可能性があります。なお、重要な会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。 

 

(c) 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得見込額や実行可能なタックス・プランニングを慎重に検討し計上しております。

繰延税金資産の回収可能性の判断においては、合理的な事業計画に基づいて課税所得の発生時期及び金額を見積っておりますが、経営環境や市場環境の変化により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、繰延税金資産を取り崩す可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

(1)技術提携契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約品目

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社

東光高岳

HANAKA

220-500kV POWER TRANSFORMER MANUFACTURING JOINT STOCK COMPANY

ベトナム

大型変圧器

2023年5月30日

2023年

5月30日

2038年

5月29日

大型変圧器製造技術の提供

 

(注)対価として一定料率のロイヤリティを受け取る予定です。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、電力ネットワークをトータルにサポートするNO.1企業を目指し、「お客さまと共に新たな価値を創造します」「ものづくりを究めます」「限りない変革への挑戦を続けます」の企業理念に基づいて、これまで蓄積してきた計測・伝送・制御の技術をベースとし、カーボンニュートラルやサステナビリティ課題に貢献する研究開発を販売部門・研究開発部門の密接な連携のもとに行っており、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,044百万円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

なお、研究開発費の総額には、各セグメントに配分できない研究開発費として、各セグメントに共通的な基盤技術である構造や系統、熱・流体等の数値解析技術、高電圧大電流試験・評価技術、各材料の分析・評価技術等の研究開発費用506百万円が含まれております。

 

(1) 電力機器事業

① 配電機器関連では、再エネ導入拡大やBCP、レジリエンス強化に対応するため、分散電源対応型機器や地中線用配電機器の製品開発を行いました。

② 保護制御装置関連では、電力インフラ機器のデジタル化に向けて国際標準であるIEC61850に準拠した製品開発を進めるとともに、各種センサーを用いて運転状態をモニタリングし、機器の劣化状態を診断する技術の開発を進めています。また、風力発電設備用計測装置では、洋上風力など大口径に対応した雷電流計測装置の開発を行っています。

当事業に係る研究開発費は1,185百万円であります。

 

(2) 計量事業

① 電力会社・産業向けスマートメーターでは、継続的に競争力強化に対応できる製品開発を行っています。

② 変成器関連では、コストダウンに加え、環境対応やデジタル化に向けた最新の機器開発などにより競争力強化を図っています。

当事業に係る研究開発費は774百万円であります。

 

(3) GXソリューション事業

① 電気自動車(EV)用充電インフラ関連では、さまざまな充電シーンに対応するため、事業所、工場、ビルなどでの充電に適した出力容量である中容量の急速充電器を開発し、販売を開始しています。また、クラウドを活用して集合住宅やホテル、旅館など向けに充電コンセントの給電制御と電力量計測を行うEV用普通充電管理システムの機能向上を図っています。

② 自動検針システム関連では、点在している計量ポイントの一括検針を行うクラウド検針システムでお客さまの運用コスト低減と利便性向上に繋がる機能強化を行いました。

③ 次世代配電事業関連では、NEDO実証で培ったエネルギーマネジメントシステム(EMS)の知見、技術をもとに、自律型地域エネルギー社会の普及・拡大に向けた開発を行っています。

当事業に係る研究開発費は503百万円であります。

 

(4) 光応用検査機器事業

① マイクロバンプを搭載した先端半導体パッケージ基板を、搬送用トレーから取り出すことなく効率的に検査できるイントレー型バンプ検査装置を開発しました。

② チップレット技術の普及に伴い、今後急速に進むと考えられるバンプピッチの狭小化に対応可能な次世代3Dセンサの開発を進めています。

当事業に係る研究開発費は73百万円であります。