第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社経営の基本方針

当社グループは、「ステークホルダーの期待に応え、広く社会に貢献する企業グループを目指すこと。」及び、「高潔な倫理観と柔軟な発想をもって、全力で事業目的を達成すること。」を会社の基本理念としております。 

この基本理念の下、安定的な収益を確保できる事業基盤を確立し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーに付加価値を提供することを目指しております。また、事業活動を通じ幅広い人材を育成すると共に、経済合理性と強い倫理観を併せ持った企業活動及び社会活動を行ってまいりたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは資本政策の重要性を十分認識し、株主資本を効率的に活用することによって、強固な財務基盤を構築し、併せ期間収益の安定的確保を目指してまいりたいと考えています。

持続的成長性を計る手段として継続的な「株主資本の増加」を第一に考え、加えて「フリーキャッシュ創造力」及びROE(株主資本利益率)についても重視してまいります。

また、アセット・マネジメント事業においては上記に加え運用資産残高の推移を重視しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、従来、経営資源を資産運用業(アセット・マネジメント事業及びディーリング事業)に集中してきましたが、企業グループとしての事業基盤の強化と市場環境に左右されない安定した収益の確保を目指し、再生可能エネルギー関連事業及び電力取引関連事業への参入を決定し、その取組みを積極的に進めております。

このような中、平成29年3月期に2020年(平成32年3月期)の当社グループのあるべき姿を定め、以下の骨子のとおり、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定し、平成30年3月期に2年目を終えました。平成30年3月期は中期ビジョン達成のために役職員全員が「自走(じそう)できる人財&集団」となるべく、人財育成に必要な経営資源を十分に配分することとしております。

 

中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」

① 株主還元と再投資による成長力の強化とバランスを重視した経営を行います。

② 4事業を通じて社会に貢献できる企業を目指します。

③ 当社グループは積極的にイノベーションに取組み、それを支えるガバナンス体制の充実を目指します。

(イノベーション)

1. 従来型の概念にとらわれることなく、新たな事業の発掘と既存事業の進化と深化により、社会的意義のあ

  る新たな価値を創造

2. 異なる組織及び機能との融合により、新たな知見を獲得し独自性を発揮

3. 自発的な人材の育成と人材を活かす組織を構築し、会社と社会に幅広い変革を推進

4. あらゆるステークホルダーからの信頼の確保

(ガバナンス)

1. 業務執行体制と取締役会の監督機能を強化

2. 迅速且つ牽制の効いた機関決定

3. バランスシートマネジメントを重視

 

(4) 会社の対処すべき課題

 当社グループは今後更なる事業及び収益の拡大を図るために、以下の課題に取り組んでまいります。

① 継続的な経常利益と当期純利益の確保並びに株主資本の増加

前述のとおり、平成29年3月期において、持続的な企業価値の向上に向けて、2020年3月期の当社グループのあるべき姿を定め、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定しました。

同ビジョン1年目である平成29年3月期は、アセット・マネジメント事業で前年比増収増益を達成しましたが、その他3事業は想定通りのセグメント利益を確保できず、当社連結決算は前年度比大幅な減収減益となりました。

 

平成28年10月に実施した子会社株式の一部譲渡による収益は、「連結財務諸表に関する会計基準」により、連結財務諸表においては期間収益として認識しないこととなった一方で、弁護士報酬や監査法人への報酬、及び財務諸表では収益計上していることに伴う事業税付加価値割の負担増加分等の関連費用の合計額を、連結損益計算書に約30百万円計上しております。上記子会社株式の一部譲渡を経て、連結での「非支配株主持分」を含む純資産額は、平成28年3月期末の約45億円から約60億円に、また株主資本も、同様に約45億円から約53億円に増加しました。2年目である平成30年3月期は、再生可能エネルギー関連事業において従来より推進している投資事業ポートフォリオの入替の一環として高知県奈半利町の太陽光発電設備を譲渡しました。当該譲渡益は特別利益に計上されているため、本事業のセグメント損益に含まれておりませんが、実質的に本事業の収益と認識しております。また、アセット・マネジメント事業においても継続的にセグメント利益を確保できており、株主資本は、前連結会計年度末の約53億円から約54億円に増加しています。

当社グループは、会社の基本理念及び中期ビジョンに基づき、引き続き事業展開の優先度、経営資源の適正な配分と各事業会社の設定目標の進捗管理強化、人財育成等を通じて、平成31年3月期以降も、継続してこの課題を十分に認識し、対処してまいります。

② 経営資源の効率的な配分及びリスクの効果的な管理

上記の目標達成のためには、当社グループの目指す姿を共有し、事業展開のスピードアップを図り経営効率を上げていかなければなりません。平成24年10月1日付の組織再編以降、各事業会社の管理業務は新設持株会社である当社に集約され、当社グループ全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、各事業において必要なファイア・ウォール(業務隔壁)については引き続き徹底しつつ、各々の事業会社の迅速な意思決定を可能とする体制を構築しております。また、中期ビジョンの目指す姿の達成に向け、持株会社はグループ事業を支援する専門家集団として、グループ内の事業を積極的にサポートすると共に、人財育成に注力し、引き続き経営資源の効率的な配分及びリスクの効果的な管理に取り組んでまいります。

③ アセット・マネジメント事業における顧客本位の事業展開と収益基盤の拡充

アストマックス投信投資顧問株式会社(以下、「ASTAM社」という。)は平成25年3月期の投資運用会社2社の買収を経て、事業規模拡大を図ってまいりました。運用資産残高は平成25年3月末の1,437億円から5年後の平成30年3月末は3,942億円へと増加しました。引き続き、運用資産残高の拡大を図るべく、本事業の事業基盤を拡充してまいります。

また、平成28年10月にはASTAM社株式の33.4%をヤフー株式会社(以下、「Yahoo! JAPAN」という。)に譲渡し、資本・業務提携を行い、当社グループは国民の長期資産形成に資する投資運用事業に本格的に乗り出しました。今後も、機関投資家向けの投資運用業の品質の一層の向上に加え、投資家の皆様の長期資産形成に貢献できる投資運用会社としての態勢を構築してまいります。

④ ディーリング事業の一層の効率化

ディーリング事業は、ここ数年にわたり、取引対象の拡大や取引インフラを整備し収益源の多様化と収益力の拡大を目指してまいりましたが、平成30年3月期においても売上総利益(営業収益から売上原価を差し引いた収益)は確保できたものの、2年連続で販売管理費を賄うことはできず、2期連続でセグメント損失となりました。当事業は市場環境に左右される側面があり、現状の取引対象市場における市場規模は従来に比べ縮小してきている事実は否めないことから、管理部門の業務効率化や情報端末の削減、オフィススペース等の見直し等をより積極的に行い、コストの低減を図ってまいりました。引き続き上記施策につぃて継続的に取り組み、加えて平成30年3月に中国原油市場が海外へ開放されたこと及び平成31年3月期には東京商品取引所に電力先物が上場される予定であることも十分に視野に入れ、資本効率の向上を目指した事業展開を図ってまいります。また、リスク管理手法の高度化と管理体制の効率化を両立させ、更に低コストで十分な管理運営を行う体制の構築を推進して収益率を高め、利益率の好転を図ります。

⑤ 再生可能エネルギー関連事業における事業基盤の拡充

再生可能エネルギー関連事業においては、再生可能エネルギー関連事業の発掘、開発、アレンジメント及び投資並びに農業生産法人への出資を行っております。

当社グループとしては今後も「発電事業に投資し自ら発電事業を営むと共に、全部または一部をファンド化する等の事業展開により投資資金の早期回収を行い、再投資を行う。」というビジネス展開をベースに事業を推進していく方針です。太陽光発電事業のみならず、地熱等の再生可能エネルギー事業の展開も進めており、これらの取組みを通じて中長期的に安定した事業基盤を早期に確立していきたいと考えております。既に当社グループでは平成30年3月末時点で、太陽光発電設備を約21メガワット開発、その内約10.2メガワットを保有し、これらとは別に約4.5メガワットの案件を開発しております。天候に左右されることはあるものの、既に当社グループが保有する太陽光発電所からの売電収益は当事業の黒字化を実現可能とする水準になりました。

地熱発電事業については、既に宮崎県において調査井2本の掘削及びその内1本の仮噴気試験を完了し、長期に亘る事業ではありますが、着実に前進してきております。一方、大分県で進めていた小規模地熱発電については今期掘削したところ良好な結果を得ることが出来ず断念することになりました。地熱事業は太陽光発電に比べリスクが高いことも認識してはおりますが、再生可能エネルギー事業の新たな中核の一つとなる様、潜在的なリスク検証も含め、着実に取組んでまいります。

⑥ 電力取引関連事業における事業基盤の確立

電力取引関連事業は、電力小売全面自由化を契機に平成29年3月期より再生可能エネルギー関連事業から独立したセグメントにいたしました。米国のEnergy Service Group, LLC(Energy Service Group, Inc.から改組。以下、「ESG社」という。)と電力小売事業者向けのシステムの国内独占販売契約を締結し、同システムの日本仕様化及び販売を進めてまいりましたが、電力小売全面自由化から1年が経った平成30年3月期は、本格的なシステム導入や既に高圧で実績のある会社がシステムの入替等を検討する素地も整い、当事業にとって顧客基盤を拡大できる時期でありました。結果として一定規模の顧客基盤を構築でき、平成30年3月期下期においては月次ベースでは単月黒字化を達成した時期もあるなど、通年での赤字幅は大幅に圧縮されました。また、予定されていた東京商品取引所での電力先物の上場は、平成30年秋を予定しており、電力の調達手段においてもディーリング事業で培ったノウハウが貢献し得るものと考えております。電力取引関連事業としての黒字化が計画より遅れておりますが、前述の事業機会を確実にとらえ、事業年度を通して黒字転換するためにも、引き続き安定した顧客基盤の拡充を図り、収益力の拡大を目指し、事業基盤の確立に努めてまいります。

⑦ コンプライアンスの徹底

上場企業としてグループ内に顧客資産の運用に携わる事業会社を擁する当社グループは、極めて公共性の高いビジネスの担い手であると強く認識しております。よって役職員一人一人に高いモラルが求められており、当社グループの全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を求めると共に、誓約書を提出させております。コンプライアンスについては、継続的な啓蒙活動とチェックが必要であり、引き続きその徹底を図ってまいります。

⑧ 情報管理の徹底

当社グループでは、各事業会社で、商品先物市場及び金融商品市場等において、アセット・マネジメント事業とディーリング事業を行っております。両事業は以前よりオフィスを物理的に隔離し、ICカードキーにより入室者を限定する等、相互に立ち入りができないオフィス管理体制を取っておりましたが、より両事業における情報遮断等を徹底すべく、平成24年10月にはそれぞれの事業を別会社化いたしました。また、両事業の取引データを含む業務上の全てのデータにはアクセス権を設定し、サーバーも物理的に別々のものとする等、厳格なファイア・ウォール体制を築いております。しかしながら、上記コンプライアンスの徹底同様、このファイア・ウォール体制についても役職員の高い意識が重要であるとの認識のもと、今後も継続して役職員の啓蒙、意識の醸成に努めてまいります。

(注)ファイア・ウォールとは、元来は、米国における銀行業務と証券業務を分離するための業務隔壁を指します。また、証券会社の引受部門やM&A部門と、株式部門のディーラーや営業部門との間における未公開情報の交換を防ぎ、インサイダー取引等を未然防止するための隔壁は「チャイニーズ・ウォール」とも呼ばれています。

⑨ 新たな事業への挑戦

当社グループでは、既に、平成30年3月期における個人投資家説明会資料等で説明させて頂いておりますとおり、大学発ベンチャーファンド関連事業及び地方創生事業への取り組みも開始しております。まだ新たな事業セグメントにはなっていませんが、社会的要請及び時代の方向性に即した新たな事業への参入も検討してまいります。 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業内容について

① 商品先物市場・金融市場等の動向について

当社グループの主たる事業であるアセット・マネジメント事業及びディーリング事業は、主に国内外の商品先物市場及び金融市場等を運用の対象市場としております。従って、当社グループの業績は市場動向の影響を排除できない面があり、世界的な政治、経済、社会情勢等の動きがこれらの市場に対して大きな影響を与えています。

当社グループのディーリング事業においては国内外の主要先物市場を通じた裁定取引戦略が主たる取引であることもあり、市場における上昇トレンド・下降トレンドそのものが事業収益に直接大きな影響を与えるわけではありません。一方、アセット・マネジメント事業においては市場連動型の金融商品の運用も行っていることから、市場環境悪化に伴う解約に加え、良好な市場環境においても利益確定の解約が発生することがあります。
また、商品先物市場もしくは金融市場の値動きが極端に小さくなるような市場環境が継続した場合、仮想通貨やFX市場等他のアセットクラスに資金が流れ流動性が極端に低下した場合及び当社グループと同様または優れた手法を駆使するディーリング事業を展開する新規参入者が増加した環境においては、ディーリング事業の収益が低迷する可能性があります。同様にアセット・マネジメント事業においても新規参入者の増加及び既存業者との競合が厳しくなる事態等の発生による受託競争が激化した場合には同事業の業績が悪化する可能性があります。この他、戦争、テロ、疫病、天災、大規模事故等の世界的事件・事故が発生し、商品先物市場または金融市場の閉鎖、取引中断、大幅な取引ルールの変更等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績は大きな影響を受ける可能性があります。

② アセット・マネジメント事業における運用資産残高と報酬率について

当社グループのアセット・マネジメント事業における収益は、運用資産残高と報酬率によって大きく変動します。当社グループでは、安定的な収益拡大のために新たな運用資産の獲得を目指し、運用収益率の向上、新規運用商品の開発及びマーケティングの強化を図っている他、我が国における国民の長期資産形成に資するため、積立型の投資信託の取組に力を入れております。しかしながら、市場環境や政治経済情勢の変化、運用成績の悪化、顧客等の投資方針の変更等により、短期間で運用資産残高が減少する可能性があります。また、投資信託等の資産運用ビジネスにおいては、良好な運用成績などを背景に基準価額が値上がりした際に、利益確定のための契約の解約を受けて、逆に運用資産が減少することもあります。

③ 再生可能エネルギー関連事業について

当社グループ開発案件として、これまでに全国8箇所で太陽光発電設備が既に完成しております。また太陽光発電以外では主として地熱等を利用した発電事業等への取組も進めております。それぞれの案件の事業化に当たっては、関係者との連携を図りつつ、且つ厳格な調査に基づき事業化の是非を検討して進めております。しかしながら、本事業においては、ビジネスの進展が必ずしも予定通りに進まない事態が発生し得ること、想定しきれないコストが発生すること等により、事業採算が悪化するおそれがあります。特に地熱発電事業に関しては、事業化にむけて地表調査及び調査井の掘削が完了し、想定した蒸気や熱水等が得られない場合や、蒸気や熱水が確保できても採算が合わない場合は開発を断念せざるを得ず、その場合これまでにかけた費用の大半を失うというリスクが存在します。

また、事業用地の取得を伴うケースがあることから、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による不動産価値の毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、不動産価値の急激な低下による減損等の新たなリスクを負うことになると共に、第三者に対し損害を及ぼし賠償責任を負うというリスクも存在します。こうした問題が発生した場合には、当社グループに対する信頼の失墜に繋がる可能性があります。その際には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、再生可能エネルギー関連事業においては、当社グループの自己資金に加えて銀行借入等を利用し、レバレッジをかけて投資を行うケースがあります。その際には当社グループが拠出した投資額を上回る規模の事業を行うこととなり、事業採算の僅かな悪化が、当社グループの損益に相対的に大きな影響を与えるおそれがあります。さらに、再生可能エネルギーについては、政府のエネルギー政策によっては諸規則等の改正またはその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

④ 電力取引関連事業について

再生可能エネルギー関連事業の一環として、平成28年4月より自由化された日本の電力小売市場において電力小売事業を行う企業等をサポートするシステム及びサービスの提供に取り組むことを目的として、アストマックス・エナジー・サービス株式会社を設立いたしましたが、事業計画通りに顧客を確保できない場合、または顧客となる電力小売事業者の取り扱う電力量が計画比下回った場合には、サポートシステム等先行投資した資産を減損処理する等のリスクが存在します。

また、発電事業者等他の電力業者から電力を調達し、小売電気事業者等に対し電力を販売する電力取引を拡大しておりますが、電力調達量が販売量を上回る、または下回ることで調達電力量または販売電力量に余剰が生まれることがあり、電力価格が変動することにより余剰電力量について損失が発生するリスク、電力市場の流動性が縮小することにより余剰電力量を処分するためのコストが著しく上昇するリスク等が存在します。

⑤人財の確保に係るリスクについて

当社グループは、事業を維持し持続的な成長を実現するためには、全ての部署において、必要な時期に適切な人財を確保することが重要と考えており、また、人財育成を経営の重要課題の一つとして位置づけております。しかしながら、優秀な人財が社外に流出した場合や人財の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

(2) 当社グループを取り巻く法的規制等に関するリスクについて

① 法的規制等について

ASTAM社は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に定める投資信託委託会社として公募・私募の投資信託の設定を行っていることから、金融商品取引法を始めとする各種法令及び所属する各種協会の自主規制ルール等を遵守し、投資信託等の運用及び管理を適切に行うことが求められるほか、「商品投資に係る事業の規制に関する法律」に定める商品投資顧問業者として、同法を始めとする各種法令等の遵守が求められます。また、金融商品取引法に定める金融商品取引業(投資運用業、投資助言・代理業及び第二種金融商品取引業)に加え、それらに付随する業務も営んでおり、これらの金融商品取引業務においても、同様に、金融商品取引法を始めとする各種法令及び金融商品取引法に定める各自主規制機関の自主規制ルール等に関する厳格な遵守体制が求められております。

一方、平成28年12月に新設したアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社(以下、「AFM社」という。)及びアストマックス・トレーディング株式会社(以下、「ASTRA社」という。)においては、金融商品取引法第63条に基づく「適格機関投資家等特例業務」の届出を行っておりますが、適格機関投資家等特例業務を行う業者に関する金融商品取引法の一部を改正する法律(「平成27年改正金商法」)が、平成28年3月1日に施行され、適格機関投資家等特例業務を行う業者の行為規制等が強化されました。

 当社グループとしては、コンプライアンス態勢及び内部管理体制水準の確立・維持に努め、今後も更なる徹底を図るべく継続して取組んでまいりますが、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の営業活動が制限され顧客ビジネスの展開に支障をきたす可能性もあります。また、投資信託の基準価額に大きな誤りがあった場合を始め、ASTAM社の事務ミス等の過失により投資信託または投資信託の投資者に損害が生じた場合等には、損害賠償責任を負う可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

ASTRA社等が営むディーリング事業及び電力取引関連事業は、関係法令を中心に、国内外の主要取引所の諸規則の遵守を求められており、また再生可能エネルギー関連事業は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法や電気事業法等の規制を受けることとなります。当社グループとしては、これら事業においても、法令遵守の下に事業を進めていく努力をしておりますが、万が一法令違反等が発生した場合には、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けることがあり、また損害賠償責任を負う可能性もあります。そのような事態の発生は当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3) 当社グループの事業体制について

① 持株会社の機能とガバナンス体制について

当社は、平成24年10月1日付で、株式移転によりASTRA社の完全親会社として設立され、即日、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現東京証券取引所JASDAQ)に上場いたしました。当社は主に連結子会社である事業会社を通じて事業運営を行うと共に、当該事業会社等の管理業務を受託することにより、業務委託料収入及び配当金収入を主な収益の源泉とする持株会社となりました。この結果、各事業の管理業務(リスク管理業務を除く。)は持株会社である当社に集約され、当社グループ全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、各事業におけるファイア・ウォール(業務隔壁)の更なる徹底と各々の事業会社の迅速な意思決定を可能とする体制を構築いたしました。また、各事業会社における重要事項については、持株会社におけるグループ経営会議及び取締役会においても十分に審議され、重要事項に関する持株会社としての意思決定もなされています。しかしながら、持株会社におけるガバナンス体制及び管理業務遂行体制が十分に機能しない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 企業買収と統合について

当社グループは、平成24年8月1日付でマネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社の発行済全株式を取得し、平成24年12月28日付でITCインベストメント・パートナーズ株式会社の発行済株式の99%を取得して子会社化しました。その後、平成25年4月1日付で、当社グループにおけるアセット・マネジメント事業を統合し、ASTAM社として新たに事業を開始しております。今後、組織統合して誕生したASTAM社において、計画通りに事業展開が進まない場合には、企業買収に伴って計上している「のれん」の減損損失を計上することになるリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ コンプライアンスの徹底について

当社は、上場企業として、当社グループ各社を含めたコンプライアンスの徹底を最重要課題の一つとして取り組んでおります。前述のとおり、当社グループが営む業務には、それぞれの営む事業毎に様々な法的規制や業界団体による自主規制ルールがあり、これらをグループ各社が企業として遵守することのみならず、役職員一人一人にモラルが求められていると考えております。当社グループでは、全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を要求するとともに、毎年度、その旨誓約書を提出させており、加えて継続的な研修を含む啓蒙活動とチェックを実施することにより、その徹底を図っております。しかしながら、万一役職員による不祥事等が発生した場合は当社グループのイメージが失墜し、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ アセット・マネジメント事業に関する株主間・業務提携契約の解除に関して

当社は、平成28年8月8日付で、Yahoo! JAPANとの間で、当社の子会社であるASTAM社に関する資本・業務提携を実施するべく、株主間契約及び業務提携契約を締結いたしました。当社は、当社が保有する連結子会社であるASTAM株式を2段階(第1譲渡及び第2譲渡)に分けてYahoo! JAPANに譲渡することとなっております。第1譲渡においては平成28年6月30日現在の発行済株式総数の33.4%に相当する23,757株を譲渡すること、また、第2譲渡においては平成28年6月30日現在の発行済株式総数の50.1%に相当するASTAM社株式をYahoo! JAPANが保有することとなるよう、11,878株を下記発動条件付きで第1譲渡と同じ譲渡価格にてYahoo! JAPANが買い取ることができるコールオプションを付与することにつき、合意しています。

第2譲渡は、投資運用業の経営に実績のある当社が、一定期間、現経営体制を維持すると共に、既存顧客への様々なサービス等を継続して提供を続けることの重要性を充分に認識し、両社が協働して推進する事業の規模が、おおよそ現時点におけるASTAM社の既存事業規模に達することを発動条件として行使できるコールオプションが実行されることにより実現します。

平成28年10月3日に第1譲渡が完了し、両社は事業目標達成のために最大限の努力をいたしますが、両社が合意している事業計画におけるミニマム・ガイドラインを一定期間にわたりクリアできない状態が継続した場合においては、本株主間・業務提携契約を解除する可能性があります。

その際、当社は、当該契約解除時に算定する第三者評価による評価価格にてYahoo! JAPANからASTAM社の株式を買取るオプションを保有しており、買取るオプションを行使するためには多額の現金が必要となります。

 

 

(4) その他

① システム障害に係るリスクについて

当社グループのコンピュータ・システムは、業務上不可欠なインフラとなっております。
現状、重要なデータについては外部のデータセンター利用を通じたバックアップ体制を確立するなど、業務上及びセキュリティー上必要とされる水準を備えていると考えておりますが、ハードウェア、ソフトウェアの不具合や人為的ミス、天災、停電、テロ、コンピュータウィルス、サイバー攻撃その他の不正アクセス等によりコンピュータ・システムに障害が発生する可能性はあります。システム障害のレベルによっては、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟の可能性について

当社グループが平成19年6月に旧三井物産フューチャーズ株式会社(当時)の全株式を取得して以来抱えていた6件の被告事案は全件和解が成立しております。しかしながら、旧三井物産フューチャーズ株式会社の顧客等から訴訟を提起される可能性は残されております。この他にも、「(1) 当社グループの事業内容について③再生可能エネルギー関連事業について」及び「(2)当社グループを取り巻く法的規制等に関するリスクについて①法的規制等について」に記載された事項に係る訴訟の可能性があります。。

 

これらのほかにも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクを表すものではありません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における金融市場は、世界経済の緩やかな拡大を背景にリスク資産価格の上昇基調が続きましたが、期末にかけてはリスク回避色が強まり、株式、債券市場ともに乱高下する展開となりました。

欧米を中心とした景気見通しの改善や、主要中央銀行による流動性供給が下支えとなって世界的に株価は上昇傾向が続き、欧米主要市場は過去最高値を更新する展開となりました。しかし1月下旬以降は、長期金利の急騰や米中貿易戦争への懸念などから投資家のリスク選好が低下し、米国市場に端を発した株価下落の動きは主要株式市場に広がりました。

国内株式市場は9月以降に騰勢を強め、日経平均株価は1月には約26年ぶりとなる2万4千円台に乗せましたが、期末にかけては一時2万1千円台を割り込む水準まで調整が進みました。

また、世界的にインフレなき経済成長が続き、主要市場の長期債利回りは低位での安定的な推移が継続しましたが、年明け以降の長期債利回りは米国の利上げペース加速や欧州中央銀行の量的緩和縮小などが懸念されて、世界的に上昇しました。前年度末との比較では、米、英、独の長期国債利回りは上昇し、日、仏、伊などでは低下しました。 

商品市況は堅調に推移しました。原油価格は北米生産量の増加から春先より軟調に推移したものの、米ドル安や需給逼迫を受けて6月を底に反発し、WTI原油先物は1月には66ドル台を付けました。金価格はレンジ内での取引が続きましたが、米ドル安の進行や地政学リスクの高まりを材料に1月以降高値で推移しました。穀物価格は、7月には北米の天候を材料に急騰したほか、1月以降は南米産地の高温乾燥による供給懸念などから上昇基調を辿りました。 

再生可能エネルギーを取り巻く環境については、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向けて、「エネルギーミックスを踏まえた電源間でバランスの取れた導入の促進」、「国民負担の抑制のためコスト効率的な導入の促進」、「電力システム改革の成果を活かした効率的な電力の取引及び流通」を実現することを目的に、固定価格買取制度(FIT)の見直しが行われ、改正FIT法が施行されました。

「太陽光発電」については、FIT価格が、平成27年度の29円及び27円(税抜)から、平成28年度には24円(税抜)となったことに続き、当連結会計年度には21円(税抜)と更に引き下げられました。また、改正FIT法により、2メガワット以上の特別高圧案件について入札制度が導入されるとともに、未稼働案件発生防止の仕組みが盛り込まれました。8月末には、稼働済みの太陽光発電所に関し、パワーコンディショナの出力を変更せずに行う太陽光パネルの事後的な増設を制限する目的で、改正FIT法施行規則の一部改正省令が公布され、同日施行されました。

このような市場環境等のもと、当社グループの当連結会計年度の営業収益は6,186百万円(前年同期間比2,663百万円(75.6%)の増加)、営業費用は6,019百万円(前年同期間比2,705百万円(81.7%)の増加)、営業利益は166百万円(前年同期間比42百万円(20.4%)の減少)、経常損失は1百万円(前年同期は100百万円の経常利益)となりました。営業収益と営業費用の増加は、主として電力取引関連事業において、電力の販売と仕入れが増加したことによるものです。

後述の「セグメント毎の業績及び取り組み状況」の再生可能エネルギー関連事業に記載の通り、同事業への投資に係るポートフォリオの入替の一環として実施した奈半利ソーラー発電所の売却に伴う特別利益338百万円により、税金等調整前当期純利益は297百万円(前年同期間比198百万円(201.6%)の増加)となりました。法人税等合計は110百万円(前年同期間比76百万円(220.1%)の増加)、非支配株主に帰属する当期純利益は24百万円(前年同期間比37百万円(61.1%)の減少)となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は162百万円(前年同期間比160百万円(7,855.4%)の増加)となりました。

 

法人税等合計は、主としてアセット・マネジメント事業を推進するアストマックス投信投資顧問株式会社(以下、「ASTAM社」という。)において、税務上の繰越欠損金が当連結会計年度において消滅したことなどを受けて繰延税金資産を44百万円取り崩したこと、及び再生可能エネルギー関連事業の地熱発電において掘削した井戸等の原状回復費用にかかる繰延税金負債11百万円を計上したこと等により増加しました。また、当連結会計年度よりASTAM社では法人税等25百万円、アストマックス連結納税グループとして法人税等17百万円、合計42百万円が発生しております。

当連結会計年度における総資産は、奈半利ソーラー発電所(太陽光発電設備)の売却を主な要因とした機械及び装置(純額)の減少(831百万円)及び太陽光発電事業と地熱発電事業の推進に伴う建設仮勘定の増加(826百万円)等により、12,078百万円(前年同期比0.3%減)となりました。

負債は、固定負債のその他に含まれる長期預り金の増加(367百万円)、自己先物取引差金の増加(256百万円)及び前述における太陽光発電設備の売却等による長期借入金の減少(966百万円)等により、6,135百万円(前年同期比0.1%増)となりました。

純資産は、非支配株主への配当等による非支配株主持分の減少(118百万円)及び利益剰余金の増加(70百万円)等により、5,942百万円(前年同期比0.7%減)となりました。

 

セグメント毎の経営成績及び取り組み状況は次のとおりです。 

<アセット・マネジメント事業>

当事業は、主にASTAM社が推進しており、金融商品取引業と商品投資顧問業等を行っております。

当連結会計年度においては、ヤフー株式会社(以下、「Yahoo! JAPAN」という。)との協働により、4月に公募投資信託「Yjamライト!」を新規に設定したほか、米ドルへの連動又は逆連動を目指すファンド(私募の投資信託)などへの資金流入も見られましたが、スワップ取引を対象としたファンドや外貨建債券を対象としたファンドにおいては投資家の解約の動きが見られたことや公募の投資信託「日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)」からの資金流出が継続したこともあり、運用資産残高合計は9月末時点で前連結会計年度末比211億円減少の約3,642億円となりました。10月以降は、Yahoo! JAPANとの協働により設定した公募投資信託「Yjamプラス!」への資金流入なども見られましたが、「日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)」の満期償還(償還時の純資産総額は114億円)や米国国債への連動又は逆連動を目指すファンドからの資金流出などもあり、運用資産残高合計は12月末時点で前連結会計年度末比275億円減少の約3,579億円となりました。1月以降は、前述の米国国債への連動又は逆連動を目指すファンド、米ドルへの連動又は逆連動を目指すファンドや「Yjamプラス!」への資金流入が見られたことなどから運用資産残高は増加に転じ、当連結会計年度末では前連結会計年度末比88億円増加の3,942億円となり、月末運用資産残高として過去最高額を更新しました。しかしながら、報酬率が相対的に高い運用資産残高の減少等を受けて運用資産全体の報酬率が前年同期間比低下して推移したことなどから、営業収益の総額は前年同期間比で微増にとどまりました。一方、販売管理費は、公募投資信託に係る広告宣伝費の増加等を受けて、前年同期間比で増加しました。

学校法人東京理科大学が主に出資する大学発ベンチャーキャピタルファンドについては、アストマックス・ファンド・マネジメント株式会社が営業者としてファンド運営業務等を担い投資金額の積み上げを継続しております。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は、2,089百万円(前年同期間比47百万円(2.4%)の増加)、セグメント利益は185百万円(前年同期間比220百万円(54.3%)の減少)となりました。

当事業では、今後とも拡充した事業基盤を活用し、投資信託の販売会社等との協業を通じて運用資産残高の積み上げに努めるとともに、収益基盤の拡充にも取り組んでまいります。なお、既存主力事業である機関投資家ビジネスに加え、個人投資家向けビジネスについても、一層の強化を図るべく、投資未経験者を含む個人投資家の皆様に対して、対面型営業による長期積立型投資信託事業に加え、ファイナンシャル・テクノロジーを活用した長期資産形成に貢献できる事業を展開してまいります。 

<ディーリング事業>

当事業は、主にアストマックス・トレーディング株式会社(以下、「ASTRA社」という。)が推進し、東京商品取引所、CME、ICE等、国内外の主要取引所において商品先物を中心に、株価指数等の金融先物をも取引対象とした自己勘定取引を行っております。

当連結会計年度における商品先物市場は、1月に金、原油など商品価格が当期最高値を付ける展開となり、1月及び2月は貴金属を中心に市場間の値差を利用した裁定取引が好調に推移したことにより収益を確保しましたが、第3四半期連結累計期間までに計上された期間損失を埋めるには至りませんでした。

また、株式市場や仮想通貨、FX市場等に資金が流れている状況が続いており、商品先物市場への参入者減少に加え、総じて価格変動率が低下している局面も続いており、当事業にとってのビジネス環境は依然として厳しい環境にあるものと判断しています。

こうした環境の中、事業の「選択と集中」を実行するために、アストマックス・エナジー株式会社にて行っていた現物株式取引については、今後の収益の拡大の見通しが立て難いことから6月末で取引を停止し、主力である商品先物へのディーリング資金の配分を増加いたしました。また、管理部門において、従来よりも少人数でこれまでと同レベルのリスク管理体制を維持できる体制を構築し、人的コストの削減を図るとともに、情報ベンダーの整理・オフィスレイアウト変更によるディーリング事業の経費負担軽減等の経費削減を実行し、当連結会計年度のディーリング事業損益分岐点を、前連結会計年度に比べ約2割低下させました。この結果、第4四半期連結会計期間の3ヶ月間においては、セグメント黒字を確保いたしました。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は538百万円(前年同期間比111百万円(17.2%)の減少)、セグメント損失は41百万円(前年同期間は18百万円のセグメント損失)となりました。

当事業では、更なる経費削減を検討する一方、ディーリング資金の効率的な活用を行い、電力先物等の新規上場や3月末に開放された中国市場の活用を模索し、収益力の回復を目指す所存です。 

<再生可能エネルギー関連事業>

当事業は主にASTRA社等が推進しております。当事業では主として再生可能エネルギー等を利用した発電及び電気の供給に関する事業を行っております。

当事業の進捗状況については継続的に開示しておりますが、当連結会計年度における状況は以下のとおりです。

(太陽光発電事業)
1. 鹿児島県霧島市 出力規模:約2.2メガワット

平成28年10月に着工となりました本案件につきましては、当社グループとしての事業リスクを限定するために、SPC(特別目的会社)及び匿名組合契約(ASTRA社を出資者とし、SPCを営業者とする契約)を使った投資スキームを利用しており、平成28年12月16日付にて太陽光発電設備を設置する合同会社に対し出資をしております。稼働開始は、平成30年3月を見込んでおりましたが、造成工事に時間を要した影響で工程が変更となり平成31年となる見込みです。稼働後はASTRA社による管理・オペレーション業務を行います。

2. 大分県中津市 出力規模:約2.3メガワット

平成29年10月27日付にて合同会社に対し匿名組合出資をしております本案件の稼働開始は、平成30年4月を見込んでおりましたが、天候や造成工事に時間を要した影響で工程が変更となり平成30年6月以降となる予定です。稼働後はASTRA社による管理・オペレーション業務を行います。

3. 再生可能エネルギー関連事業投資に係るポートフォリオの入替

平成30年3月29日付にて太陽光発電設備1件(高知県安芸郡奈半利町)を譲渡し、特別利益338百万円を計上しております。なお、本件譲渡後も引き続きASTRA社による管理・オペレーション業務を行います。

4. リファイナンス(融資の借換)

今後の投資事業採算を向上させることを目的として、平成30年3月30日付にて太陽光発電設備(熊本県菊池市)のリファイナンス(融資の借換)を実行いたしました。本件リファイナンスの実行により、当連結会計年度において営業外費用(資金調達費用)52百万円を計上いたしましたが、平成31年3月期以降の事業採算は大幅に改善される見込みです。

太陽光発電事業につきましては、前述のほか、未稼働ID及びセカンダリー市場(完成した発電所の売買市場)での案件取得に取り組んでおります。改正FIT法の施行、競合他社の参入、優良案件の減少等により競争率が高くなっており、案件取得が困難な状況ですが、今後につきましても、引き続き太陽光発電設備の未稼働ID及びセカンダリー市場での案件取得に取り組み、譲渡を行うこと等を含め、期間利益の獲得を目指してまいります。また、保有している既存発電設備においても、投資事業ポートフォリオの一部入替、リファイナンス、生産性向上のため増設等を行うことも予定しており、これらを通じた事業採算の向上に取り組んでまいります。

(地熱発電事業等)

ASTRA社では、ベースロード電源である地熱を利用した発電事業の取り組みも進めております。

宮崎県えびの市尾八重野地域では、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構による「地熱資源開発調査事業費助成金交付事業」の採択を受け、2メガワット規模の地熱発電の事業化を目指し、平成29年3月に1号調査井、平成29年12月に2号調査井の掘削を完了しております。発電規模を確認するための仮噴気試験につきましては、平成30年2月にて1号調査井の自噴を確認いたしました。平成30年度においては2号調査井の仮噴気試験及び3号調査井(還元井)の掘削を実施し、2メガワット以上の開発も視野に入れつつ、引き続き事業化に向けて取り組んでまいります。なお、本件は、九州電力株式会社主宰の電源接続案件募集プロセス(電源接続案件募集プロセスとは、平成27年4月に設立された電力広域的運営推進機関により新たに規定されたルールであり、発電設備等を電力系統に連系するにあたり、系統連系希望者により工事費負担金を共同負担する手続きのこと。)に移行しております。

このほかに、大分県日田市において、100キロワット規模のバイナリー(温泉)発電の事業化について取り組みを進めておりましたが、温泉井の掘削結果を慎重に検討した結果、遺憾ながら以後の開発を断念することといたしました。この結果、当連結会計年度において39百万円の特別損失を計上いたしました。 

当事業では、前連結会計年度に続き建設中の発電所の開発に係るコスト(銀行借入に対する金利負担等)を負担しております。また、当社グループが保有する太陽光発電所は、第1四半期連結会計期間においては全般的に日射量に恵まれておりましたが、夏から秋にかけて全国的に記録的な台風や長雨が続いたことの影響もあり、当事業における当連結会計年度の営業収益は669百万円(前年同期間比112百万円(20.1%)の増加)となりました。また、前述のとおりリファイナンスによる営業外費用52百万円を計上したことから、セグメント損失は78百万円(前年同期間は76百万円のセグメント損失)となりました。

なお、当社グループのセグメント損益は、経常損益をもって公表(特別損益を含まない)しております。固定資産の譲渡である高知県奈半利町の太陽光設備に係る譲渡利益338百万円は特別利益として、また大分県日田市での小規模地熱発電の開発断念による減損損失39百万円は特別損失として計上したことから、再生可能エネルギー関連事業のセグメント損益には含まれておりませんが、当社グループが保有する既存の太陽光設備の譲渡は、従前より開示しておりますとおり、当事業の事業展開の一環として行う投資事業ポートフォリオの入替であり、本特別利益及び特別損失は当事業に帰属するものになります。  

<電力取引関連事業>

当事業は小売電気事業者等を対象にシステム及び付帯サービスを提供するアストマックス・エナジー・サービス株式会社(以下、「AES社」という。)と、小売電気事業者であり、日本卸電力取引所の会員でもあるASTRA社による協業により推進しております。

AES社では、電力自由化の先進国である米国において実績のあるEnergy Services Group, LLCの電力・ガス小売事業サポートシステムの日本版を提供するとともに、ASTRA社との協業による需要予測等を含む需給管理業務並びに顧客のための電力調達業務を通じて、小売電気事業者等のニーズに応えるべくきめ細かいサービス及びソリューションの提供に取り組んでおります。

当事業を取り巻く環境は、平成28年4月に電力小売全面自由化されて以来、新電力への切替(スイッチング)は確実に進み、平成29年11月末現在のスイッチング件数は契約総数の約8.2%に当る514万件と1年前と比べ3倍近くに増加しております。このような中、当連結会計年度においては、複数件のシステム販売及び付帯サービス契約の獲得に至り、サービスの提供を開始しております。また、顧客の多様な電力調達ニーズに対応するため、ASTRA社では電力調達手段の多様化に積極的に取り組み、徐々にその成果が出てきております。

なお、顧客の増加により取扱う電力量が増加することに伴い、当事業の電力取引に係るリスク管理体制の拡充を図ると共に、今後の事業展開を見据え、小売電気事業者向けの新たな業務支援体制の構築を図っており、人員を増加しました。引き続き当事業の電力取引に係るリスク管理体制の拡充、精緻化を図っております。

以上の結果、当事業の当連結会計年度は、顧客の増加に伴う電力の卸売や仕入れが大幅に増加し営業収益及び営業費用は前年同期間比大幅に増加しました。また、前述のとおり、新規契約のサービス提供を開始したことによる導入に伴う報酬の獲得に加え、当事業の顧客である電力小売事業者の顧客数も増加したことから、営業収益は2,888百万円(前年同期間比2,612百万円(945.6%)の増加)、セグメント損失は60百万円(前年同期間は185百万円のセグメント損失)となり、損失を減少させることができました。

 

上記、セグメント利益又は損失は当連結会計年度の経常損失と調整を行っており、連結会社間の内部取引消去等の調整額が含まれております。

   

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、3,443百万円(前年同期間比6.6%減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益による収入(297百万円)、非資金項目である減価償却費(316百万円)、長期預り金の増加による収入(367百万円)等により、801百万円(前年同期は367百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として地熱発電事業に係る有形固定資産の取得による支出(△883百万円)、投資有価証券の取得による支出(△150百万円)、太陽光発電事業に係る有形固定資産の売却による収入(910百万円)等により、△38百万円(前年同期は△1,247百万円)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出(長期借入れによる収入との純額は△1,008百万円)等により、△1,004百万円(前年同期は2,608百万円)となりました。 

 

③ 営業収益の状況

a. 営業収益実績

当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

アセット・マネジメント事業

(千円)

2,087,255

2.6

うち管理報酬

(千円)

155,738

△17.1

うちその他

(千円)

2,741

△57.0

うち投信委託者報酬

(千円)

1,928,776

4.8

ディーリング事業

(千円)

538,922

△17.2

再生可能エネルギー関連事業

(千円)

662,209

20.3

電力取引関連事業

(千円)

2,888,658

945.6

その他収益

(千円)

8,974

△9.2

 

合 計

(千円)

6,186,020

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当社グループのアセット・マネジメント事業、ディーリング事業は生産・受注といった区分が困難であるため、「生産・受注及び販売の状況」に代わり「営業収益の状況」を記載しております。また、同様の理由で「主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」について記載をしておりません。

 

b. 運用資産残高の状況[アセット・マネジメント事業]

以下の表は、当連結会計年度の運用資産残高の状況を示したものです。

 

平成29年
3月

6月

9月

12月

平成30年
3月

商品

(百万円)

470

449

479

510

489

証券

(百万円)

384,985

364,423

363,785

357,427

393,670

 合計

(百万円)

385,455

364,873

364,264

357,937

394,160

 

 

 

c. 自己資産運用における取引高比率の推移[ディーリング事業]

以下の表は、東京商品取引所の総取引高における自己勘定投資事業の取引高の比率の推移を示したものです。

 

平成29年
4月

5月

6月

7月

8月

9月

 

取引所における
総取引高(枚)

3,331,650

3,714,774

4,206,050

4,433,206

4,477,784

4,394,016

 

ディーリング事業が占める取引高の比率(%)

5.28

5.28

4.61

3.89

4.33

3.60

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月

11月

12月

平成30年
1月

2月

3月

年間

取引所における
総取引高(枚)

3,725,858

3,724,356

4,098,640

4,940,756

4,842,626

4,536,668

50,426,384

ディーリング事業が占める取引高の比率(%)

3.44

3.61

4.14

3.96

4.26

4.01

4.18

 

(注) 1  上記に記載した取引所における総取引高は、東京商品取引所発表の取引高を記載しております。

2  上記は、当社グループにおける東京商品取引所での自己売買取引の比率を記載しておりますが、それ以外にも国内取引所や海外取引所において取引を実施しております。 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社の経営者は、連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、連結営業収益は6,186百万円(前期比2,663百万円の増加)、営業費用は6,019百万円(前期比2,705百万円の増加)、営業利益は166百万円(前期比42百万円の減少)、経常損失は1百万円(前年同期は100百万円の利益)となりました。営業収益及び営業費用の増加は、主として電力取引関連事業において、電力の販売と仕入れが増加したことによるものです。

税金等調整前当期純利益は、再生可能エネルギー関連事業における事業ポートフォリオの入替の一環として実施した奈半利ソーラー発電所の設備譲渡に伴う特別利益338百万円等の計上により、297百万円(前期比198百万円の増加)となりました。また、法人税等合計が110百万円(前期比76百万円の増加)、非支配株主に帰属する当期純利益が24百万円(前期比37百万円の減少)となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は162百万円(前期比160百万円の増加)となりました。

なお、当社が最も重視している財務指標の1つである株主資本は、前期比71百万円増加し5,417百万円となりました。

当社グループは、当連結会計年度において2020年に向けた中期ビジョンを策定し、「持続的な企業価値の向上」と「外部環境に耐性のある安定的収益基盤の強化」を謳っております。

アセット・マネジメント事業は、営業収益が前連結会計年度比2.4%増加しましたが、マイナス金利等の外部環境の影響もあり、運用資産全体の報酬率が前年同期間比で低下したことや、長期資産形成に係る公募投資信託の広告宣伝費用を先行投資していること等からセグメント利益は前連結会計年度比54.3%減少しました。

ディーリング事業における営業収益は前連結会計年度比17.2%減少となり、2年連続のセグメント損失となりました。当事業においては、株式市場や仮想通貨、FX市場等への資金流入が続いたことの影響もあり、国内商品先物価格の市場変動率が相対的に低い状況であったこと等、厳しいビジネス環境にあったとの認識を有しております。

このような認識の下、当事業では、販売管理費を前連結会計年度比2割程度削減する等、経費率を改善いたしました。今後も一層の経費率改善を目指すとともに、ディーリング資金のより効率的な活用を図ることによって事業の収益率を向上させてまいりたいと考えております。

 

再生可能エネルギー関連事業の営業収益は、平成28年7月に売電を開始した出力規模約7.8メガワットの太陽光発電所が年間を通じて稼働したこともあり前連結会計年度比20.1%の増収となりました。当連結会計年度においては、保有する太陽光発電所の売電収入に加え、新たな太陽光発電所の建設(大分県耶馬渓)やポートフォリオの入替を目的とした保有する太陽光発電所の設備譲渡(高知県安芸群奈半利町)、融資の借換(熊本県菊池市)等を行うことにより、本事業における事業採算性の改善を図ってまいりました。

当社グループのセグメント損益は、特別損益を含まない経常損益をもって公表していることから、当事業は、前連結会計年度に続きセグメント損失を計上しておりますが、太陽光発電所の設備譲渡に伴う特別利益及び融資の借換に伴う営業外損失を勘案した場合、当事業における税金等調整前当期純利益は、約221百万円の利益計上となります。なお、融資の借換に伴う期間損益の改善効果は、来年度以降に反映される予定です。

平成26年度から着手している地熱発電事業は、小規模地熱発電については誠に遺憾ながら断念せざるを得ない結果となったものの、宮崎県で進めている案件は、2本の調査井の掘削が完了し、これまでの調査結果を基に、引き続き事業化に向けた検討に取り組んでおります。
 前連結会計年度より独立したセグメントとした電力取引関連事業においては、小売電気事業者向けの拡販に向けた営業活動が奏功し、システム提供及び業務代行サービスについて複数の契約を締結することができました。顧客の電力調達ニーズが多様化してきたこと等も受け電力取引も活発化してきており、営業収益は前連結会計年度比945.6%と大幅に増加しました。増加の大半を電力販売が占めており、電力販売量に見合う電力仕入れも大幅に増加したことから、電力仕入による営業費用も増加しております。新電力へのスイッチング件数や小売電気事業者の数は1年前と比べ増加傾向が継続していることから、今後も事業機会を的確に捉えると同時に新規顧客確保に努め、年間を通した黒字化を達成してまいりたいと考えております。

 なお、当連結会計年度の経営成績と事業の種類別セグメント情報の詳細やその背景となる当社を取り巻く環境等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、以下の事項であると考えております。

(アセット・マネジメント事業)

顧客層の拡充・事業基盤の拡大に努めてはおりますが、依然として、債券市場・外国為替市場・株式市場・商品市場等の動きによっては、投資家による利益確定または損失限定のための投資行動などにより解約が集中することで、同事業の業績が影響を受ける可能性があります。また、信託報酬率の低下傾向が今後も続くような場合も同事業の収益に影響を与える可能性があります。なお、個人投資家を対象とする長期資産形成の事業は、一定規模の事業規模を達成するためには、時間を要する事業と認識しております。

(ディーリング事業)

当連結会計年度においては、一時的に商品先物価格の市場変動率上昇することはありましたが、東京商品取引所の取引は総体的に保合相場となることが多く、ディーリング事業にとって取引機会が少ない展開が続いておりました。今後も同取引所における出来高が大きく減少したり、市場変動率が著しく低下するなどの市場環境によっては、同事業の収益が大きく影響を受ける可能性があります。

(再生可能エネルギー関連事業)

引き続き積極的に経営資源を投入し、太陽光発電事業の更なる拡大と地熱発電事業等への取組みを継続しております。同事業は、市場の変動の影響を受けにくい安定収益源として営業収益への貢献が期待できる一方で、「事業等のリスク」に記載の通り、不測の事態が生じた場合は、同事業の業績にマイナスの影響を与える可能性があります。

(電力取引関連事業)

同事業においては、国内における電力契約の切替ニーズの変化や小売電気事業者数の増減等が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、システムや業務代行サービスを利用いただく顧客数及び顧客の取り扱う電力量が経営成績に影響を与えることとなります。

 

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

(資産、負債及び純資産の状況)

当連結会計年度における総資産は、奈半利ソーラー発電所(太陽光発電設備)の売却を主な要因とした機械及び装置(純額)の減少(831百万円)及び太陽光発電事業と地熱発電事業の推進に伴う建設仮勘定の増加(826百万円)等により、12,078百万円(前年同期比0.3%減)となりました。

負債は、固定負債のその他に含まれる長期預り金の増加(367百万円)、自己先物取引差金の増加(256百万円)及び前述における太陽光発電設備の売却等による長期借入金の減少(966百万円)等により、6,135百万円(前年同期比0.1%増)となりました。

純資産は、非支配株主への配当等による非支配株主持分の減少(118百万円)及び利益剰余金の増加(70百万円)等により、5,942百万円(前年同期比0.7%減)となりました。

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、3,443百万円(前年同期間比6.6%減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益による収入(297百万円)、非資金項目である減価償却費(316百万円)、長期預り金の増加による収入(367百万円)等により、801百万円(前年同期は367百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として地熱発電事業に係る有形固定資産の取得による支出(△883百万円)、投資有価証券の取得による支出(△150百万円)、太陽光発電事業に係る有形固定資産の売却による収入(910百万円)等により、△38百万円(前年同期は△1,247百万円)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出(長期借入れによる収入との純額は△1,008百万円)等により、△1,004百万円(前年同期は2,608百万円)となりました。 

 

平成29年3月期に行ったASTAM社株式の一部売却によって増加した手元流動性は、今後も引き続き電力取引関連事業におけるファイナンスに伴う資金需要、再生可能エネルギー関連事業への投資等に充当する予定ですが、再生可能エネルギー関連事業における資金需要については、主としてプロジェクトファイナンスによって投資資金を確保することを想定しております。なお、手元流動性を超える資金需要の増加が見込まれる場合におきましては、銀行借り入れ等による財務活動を通じた資金調達も視野にいれております。

 

 経営者の問題認識と今後の方針については、以下のとおりであります。

当社の経営者は、現状の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社を取り巻く経営環境は、依然として、内外の金融商品市場及び商品先物市場等の動向等の諸経済情勢により大きく影響を受けるものとなっております。このため、金融商品市場及び商品先物市場等に関する情報を幅広く入手し、市場動向に迅速に対応すべく努力する一方、前述のとおり、当社グループの事業について、市場動向の影響を受けにくい体質への改善を進めております。また、アセット・マネジメント事業におきましては、投資運用業者が求められる社会的役割を十分に認識し、今後一層、個人投資家向け長期資産形成事業への注力度を上げてまいります。上記のほか我が国の再生可能エネルギー等に対する政策の動向も踏まえつつ、業績と事業計画に大きな乖離が生じる可能性がある場合には、事業計画を抜本的に見直すことも含めて、環境変化への対応を適切に行ってまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。