第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社経営の基本方針

当社グループは、「ステークホルダーの期待に応え、広く社会に貢献する企業グループを目指すこと。」及び、「高潔な倫理観と柔軟な発想をもって、全力で事業目的を達成すること。」を会社の基本理念としております。 

この基本理念の下、当社は創業以来、培ってきたノウハウを活用し、金融事業と総合エネルギー事業を展開し、安定的な収益を確保できる事業基盤を確立し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーに付加価値を提供することを目指しております。また、事業活動を通じ幅広い人材を育成すると共に、経済合理性と強い倫理観を併せ持った企業活動及び社会活動を行ってまいりたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは資本政策の重要性を十分認識し、株主資本を効率的に活用することによって、強固な財務基盤を構築し、併せ期間収益の安定的確保を目指してまいりたいと考えています。

持続的成長性を計る手段として継続的な「株主資本の増加」を第一に考え、加えて「フリーキャッシュ創造力」及びROE(株主資本利益率)についても重視してまいります。

また、上記に加えアセット・マネジメント事業においては運用資産残高の推移を、再生可能エネルギー関連事業においては保有する太陽光発電設備の発電量を重視しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、かつては、経営資源を資産運用業(アセット・マネジメント事業及びディーリング事業)に集中しておりましたが、企業グループとしての事業基盤の強化と市場環境に左右されない安定した収益の確保を目指し、再生可能エネルギー関連事業及び電力取引関連事業への参入を決定し、その取組みを積極的に進めております。

このような中、2017年3月期に2020年(2020年3月期)の当社グループのあるべき姿を定め、以下の骨子のとおり、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定し、2019年3月期に3年目を終えました。中期ビジョン達成のために役職員全員が「自走(じそう)できる人財&集団」となるべく、人財育成に必要な経営資源を十分に配分することとしております。

 

中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」

① 株主還元と再投資による成長力の強化とバランスを重視した経営を行います。

② 4事業を通じて社会に貢献できる企業を目指します。

③ 当社グループは積極的にイノベーションに取組み、それを支えるガバナンス体制の充実を目指します。

(イノベーション)

1. 従来型の概念にとらわれることなく、新たな事業の発掘と既存事業の進化と深化により、社会的意義のあ

  る新たな価値を創造

2. 異なる組織及び機能との融合により、新たな知見を獲得し独自性を発揮

3. 自発的な人材の育成と人材を活かす組織を構築し、会社と社会に幅広い変革を推進

4. あらゆるステークホルダーからの信頼の確保

(ガバナンス)

1. 業務執行体制と取締役会の監督機能を強化

2. 迅速且つ牽制の効いた機関決定

3. バランスシートマネジメントを重視

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社グループは今後更なる事業及び収益の拡大を図るために、以下の課題に取り組んでまいります。

① 継続的な経常利益と当期純利益の確保並びに株主資本の増加

前述のとおり、2017年3月期において、持続的な企業価値の向上に向けて、2020年3月期の当社グループのあるべき姿を定め、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定しました。

同ビジョン1年目である2017年3月期は、アセット・マネジメント事業で前年比増収増益を達成しましたが、その他3事業は想定通りのセグメント利益を確保できず、当社連結決算は前年度比大幅な減収減益となりました。2016年10月に実施した子会社株式の一部譲渡による収益は、「連結財務諸表に関する会計基準」により、連結財務諸表においては期間収益として認識しないこととなった一方で、弁護士報酬や監査法人への報酬、及び財務諸表では収益計上していることに伴う事業税付加価値割の負担増加分等の関連費用の合計額を、連結損益計算書に約30百万円計上しました。上記子会社株式の一部譲渡を経て、連結での「非支配株主持分」を含む純資産額は、2016年3月期末の約45億円から約60億円に、また株主資本も、同様に約45億円から約53億円に増加しました。

2年目である2018年3月期及び3年目である2019年3月期は、再生可能エネルギー関連事業において従来より推進している投資事業ポートフォリオの入替の一環として高知県奈半利町と大分県中津市の太陽光発電設備を譲渡しました。当該譲渡益は特別利益に計上されているため、本事業のセグメント損益に含まれておりませんが、実質的に本事業の収益と認識しております。また、アセット・マネジメント事業においても継続的にセグメント利益を確保できており、株主資本は、2017年3月期末の約53億円から約54億円に増加しました。

当社グループは、会社の基本理念及び中期ビジョンに基づき、引き続き事業展開の優先度、経営資源の適正な配分と各事業会社の設定目標の進捗管理強化、人財育成等を通じて、中期ビジョンの最終年度2020年3月期においても、継続してこの課題を十分に認識し、対処してまいります。

② 経営資源の効率的な配分及びリスクの効果的な管理

上記の目標達成のためには、当社グループの目指す姿を共有し、事業展開のスピードアップを図り経営効率を上げていかなければなりません。2012年10月1日付の組織再編以降、各事業会社の管理業務は新設持株会社である当社に集約され、当社グループ全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、各事業において必要なファイア・ウォール(業務隔壁)については引き続き徹底しつつ、各々の事業会社の迅速な意思決定を可能とする体制を構築しております。また、中期ビジョンの目指す姿の達成に向け、持株会社はグループ事業を支援する専門家集団として、グループ内の事業を積極的にサポートすると共に、人財育成に注力し、引き続き経営資源の効率的な配分及びリスクの効果的な管理に取り組んでまいります。

③ アセット・マネジメント事業における顧客本位の事業展開と収益基盤の拡充

アストマックス投信投資顧問株式会社(以下、「ASTAM社」という。)は2013年3月期の投資運用会社2社の買収を経て、事業規模拡大を図り、運用資産残高は2013年3月末の1,437億円から6年後の2019年3月末は4,173億円へと増加しました。2016年10月にはヤフー株式会社(以下、「ヤフー」という。)と資本・業務提携を行い、ASTAM社株式の33.4%を譲渡し、当社グループは国民の長期資産形成に資する投資運用事業に本格的に乗り出しました。ASTAM社のさらなる発展のために、当社は2019年4月1日付でASTAM社株式の16.7%をヤフーに追加譲渡し、当社のASTAM社株式の持分比率は49.9%となり、ASTAM社は当社の持分法適用会社になりました。今後も、機関投資家向けの投資運用業の品質の一層の向上に加え、投資家の皆様の長期資産形成に貢献できる投資運用会社としての態勢を構築し、引き続き、運用資産残高の拡大を図るべく、本事業の収益基盤の拡充に尽力してまいります。

④ ディーリング事業の一層の効率化

ディーリング事業は、ここ数年にわたり、取引対象の拡大や取引インフラを整備し収益源の多様化と収益力の拡大を目指してまいりました。2019年3月期は、数年来取り組んでいる経費削減が奏功したこともあり、2年ぶりにセグメント利益となりました。当事業は市場環境に左右される側面があり、現状の取引対象市場における市場規模は従来に比べ縮小してきている事実は否めないことから、引き続き管理部門の業務効率化や経費削減等を行い、コストの低減を図ってまいります。一方で、2018年3月に中国原油市場が海外へ開放されたこと及び2020年3月期には延期されていた電力先物が東京商品取引所に試験上場される予定であることも十分に視野に入れ、資本効率の向上を目指した事業展開を図ってまいります。また、取引所再編にも充分注視しつつ、リスク管理手法の高度化と管理体制の効率化を両立させ、更に低コストで十分な管理運営を行う体制の構築を推進して収益率を高め、利益率の好転を図ります。

⑤ 再生可能エネルギー関連事業における事業基盤の拡充

再生可能エネルギー関連事業においては、再生可能エネルギー関連事業の発掘、開発、アレンジメント、投資及び発電所の管理・オペレーション業務並びに農業関連法人への出資を行っております。

当社グループとしては今後も「発電事業に投資し自ら発電事業を営むと共に、全部または一部をファンド化する等の事業展開により投資資金の早期回収を行い、再投資を行う。」というビジネス展開をベースに事業を推進していく方針です。太陽光発電事業のみならず、地熱等の再生可能エネルギー事業の展開も進めており、これらの取組みを通じて中長期的に安定した事業基盤を早期に確立していきたいと考えております。既に当社グループでは2019年3月末時点で、太陽光発電設備を約24メガワットを自社開発、約4メガワットを購入し、これらとは別に約2.2メガワットの案件を開発しております。天候に左右されることはあるものの、既に当社グループが保有する太陽光発電所からの売電収益は当事業の黒字化を実現可能とする水準になりました。その一方で、全国的に太陽光発電設備が増加したことにより春や秋等電力をあまり必要としない時期に出力抑制が課されることがエリアによっては増加してきていることから、これまでどおり、出力抑制可能性を十分に認識した事業運営を行ってまいります。

地熱発電事業については長期に亘る事業ではありますが、既に宮崎県において調査井3本の掘削及びそれらの調査・仮噴気試験を完了し、着実に前進してきております。調査結果を受け、2019年5月にはASTRA社の100%子会社としてアストマックスえびの地熱株式会社(以下、「えびの地熱社」という。)を新設しました。当社グループが開発を進めている宮崎県尾八重野地域の地熱発電事業については、今後えびの地熱社を主体とし、パートナー企業の事業参画を得ながら取り組みを加速・拡大させていきます。地熱発電事業は太陽光発電に比べリスクが高いことは認識してはおりますが、再生可能エネルギー事業の新たな中核の一つとなる様、潜在的なリスク検証も含め、着実に取組んでまいります。

⑥ 電力取引関連事業における事業基盤の確立

電力取引関連事業は、電力小売全面自由化を契機に2017年3月期より再生可能エネルギー関連事業から独立したセグメントにいたしました。米国のEnergy Service Group, LLC(以下、「ESG社」という。)と電力小売事業者向けのシステムの国内独占販売契約を締結し、同システムの日本仕様化及び販売を進めてまいりましたが、電力小売全面自由化から1年が経った2018年3月期は、本格的なシステム導入や既に高圧で実績のある会社がシステムの入替等を検討する素地も整い、当事業にとって顧客基盤を拡大できる時期でありました。2019年3月期は電力取引が拡大し2019年3月期下期においては月次ベースでは単月黒字が続き、通年での赤字幅は大幅に圧縮されました。また、予定されていた東京商品取引所での電力先物の上場は、2020年3月期に試験上場する見込みに延期されているものの、電力の調達手段においてもディーリング事業で培ったノウハウが貢献し得るものと考えております。電力取引関連事業としての黒字化が計画より遅れておりますが、前述の事業機会を確実にとらえ、事業年度を通して黒字転換するためにも、引き続き安定した顧客基盤の拡充を図り、収益力の拡大を目指し、事業基盤の確立に努めてまいります。

⑦ コンプライアンスの徹底

上場企業として、再生可能エネルギー関連事業、電力取引関連事業を展開し、グループ内に顧客資産の運用に携わる事業会社を擁する当社グループは、極めて公共性の高いビジネスの担い手であると強く認識しております。よって役職員一人一人に高いモラルが求められており、当社グループの全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を求めると共に、誓約書を提出させております。コンプライアンスについては、継続的な啓蒙活動とチェックが必要であり、引き続きその徹底を図ってまいります。

⑧ 情報管理の徹底

当社グループでは、各事業会社で、商品先物市場及び金融商品市場等において、アセット・マネジメント事業とディーリング事業を行っております。両事業は以前よりオフィスを物理的に隔離し、ICカードキーにより入室者を限定する等、相互に立ち入りができないオフィス管理体制を取っておりましたが、より両事業における情報遮断等を徹底すべく、2012年10月にはそれぞれの事業を別会社化いたしました。また、両事業の取引データを含む業務上の全てのデータにはアクセス権を設定し、サーバーも物理的に別々のものとする等、厳格なファイア・ウォール体制を築いております。しかしながら、上記コンプライアンスの徹底同様、このファイア・ウォール体制についても役職員の高い意識が重要であるとの認識のもと、今後も継続して役職員の啓蒙、意識の醸成に努めてまいります。

 

⑨ 新たな事業への挑戦

当社グループでは、既に、2018年3月期における個人投資家説明会資料等で説明させて頂いておりますとおり、大学発ベンチャーファンド関連事業及び地方創生事業への取り組みも開始しております。社会的要請及び時代の方向性に即した新たな事業への参入も検討してまいります。 

⑩ IRの充実

当社は2012年度以降、既存事業に加え、再生可能エネルギー関連事業や電力取引関連事業を展開しておりますが、既存株主や投資家からそれぞれの事業が分かり難いとの意見を頂いております。IRについては、近年、個人投資家説明会の開催や、四半期決算の補足説明資料開示、株主通信の充実等に取り組んでまいりましたが、事業全体の関連性及び状態を、より分かり易く可視化する必要性があると考えており、今後は月次開示の拡充や、個人投資家説明会の開催頻度見直し、オンライン説明会の実施、第三者機関による当社のレポート作成等を検討し、IRの一層の充実に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業内容について

① 商品先物市場・金融市場等の動向について

当社グループの主たる事業であるアセット・マネジメント事業及びディーリング事業は、主に国内外の商品先物市場及び金融市場等を運用の対象市場としております。従って、当社グループの業績は市場動向の影響を排除できない面があり、世界的な政治、経済、社会情勢等の動きがこれらの市場に対して大きな影響を与えています。

当社グループのディーリング事業においては国内外の主要先物市場を通じた裁定取引戦略が主たる取引であることもあり、市場における上昇トレンド・下降トレンドそのものが事業収益に直接大きな影響を与えるわけではありません。一方、アセット・マネジメント事業においては市場連動型の金融商品の運用も行っていることから、市場環境悪化に伴う解約に加え、良好な市場環境においても利益確定の解約が発生することがあります。

また、商品先物市場もしくは金融市場の値動きが極端に小さくなるような市場環境が継続した場合、仮想通貨やFX市場等他のアセットクラスに資金が流れ流動性が極端に低下した場合及び当社グループと同様または優れた手法を駆使するディーリング事業を展開する新規参入者が増加した環境においては、ディーリング事業の収益が低迷する可能性があります。同様にアセット・マネジメント事業においても新規参入者の増加及び既存業者との競合が厳しくなる事態等の発生による受託競争が激化した場合には同事業の業績が悪化する可能性があります。この他、戦争、テロ、疫病、天災、大規模事故等の世界的事件・事故が発生し、商品先物市場または金融市場の閉鎖、取引中断、大幅な取引ルールの変更等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績は大きな影響を受ける可能性があります。

② アセット・マネジメント事業における運用資産残高と報酬率について

当社グループのアセット・マネジメント事業における収益は、運用資産残高と報酬率によって大きく変動します。当社グループでは、安定的な収益拡大のために新たな運用資産の獲得を目指し、運用収益率の向上、新規運用商品の開発及びマーケティングの強化を図っている他、我が国における国民の長期資産形成に資するため、積立型の投資信託の取組に力を入れております。しかしながら、市場環境や政治経済情勢の変化、運用成績の悪化、顧客等の投資方針の変更等により、短期間で運用資産残高が減少する可能性があります。また、投資信託等の資産運用ビジネスにおいては、良好な運用成績などを背景に基準価額が値上がりした際に、利益確定のための契約の解約を受けて、逆に運用資産が減少することもあります。

③ 再生可能エネルギー関連事業について

当社グループがこれまでに開発等で携わった案件は、全国13箇所となり、その内12箇所の太陽光発電所は既に完成しております。また太陽光発電以外では主として地熱等を利用した発電事業等への取組も進めております。それぞれの案件の事業化に当たっては、関係者との連携を図りつつ、且つ厳格な調査に基づき事業化の是非を検討して進めております。しかしながら、本事業においては、ビジネスの進展が必ずしも予定通りに進まない事態が発生し得ること、想定しきれないコストが発生すること等により、事業採算が悪化するおそれがあります。特に地熱発電事業に関しては、事業化にむけて地表調査及び3本の調査井の掘削が完了しており、現時点におきましては事業性として有望であると判断しておりますが、今後予定している調査井において想定した蒸気や熱水等が得られない場合や、事業全体としての採算が合わない場合は開発を断念せざるを得ないこともあり得ます。そのような場合においては、これまでにかけた費用の大半を失うというリスクが存在します。

また、事業用地の取得を伴うケースがあることから、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による不動産価値の毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、不動産価値の急激な低下による減損等の新たなリスクを負うことになると共に、第三者に対し損害を及ぼし賠償責任を負うというリスクも存在します。こうした問題が発生した場合には、当社グループに対する信頼の失墜に繋がる可能性があります。その際には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、再生可能エネルギー関連事業においては、当社グループの自己資金に加えて銀行借入等を利用し、レバレッジをかけて投資を行うケースがあります。その際には当社グループが拠出した投資額を上回る規模の事業を行うこととなり、事業採算の僅かな悪化が、当社グループの損益に相対的に大きな影響を与えるおそれがあります。さらに、再生可能エネルギーについては、政府のエネルギー政策によっては諸規則等の改正またはその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。加えて、全国的な太陽光発電設備の増加により、春や秋等電力をあまり必要としない時期に出力抑制が課されることがエリアによって増加してきております。当社グループが保有する太陽光発電所は出力抑制に上限が付いているものが殆どですが、出力抑制がかかるたびに売電収入は減少することから課される回数によっては当社の営業収益に大きな影響を与えるリスクがあります。

④ 電力取引関連事業について

再生可能エネルギー関連事業の一環として、2016年4月より自由化された日本の電力小売市場において電力小売事業を行う企業等をサポートするシステム及びサービスの提供に取り組むことを目的として、アストマックス・エナジー・サービス株式会社を設立いたしましたが、事業計画通りに顧客を確保できない場合、または顧客となる電力小売事業者の取り扱う電力量が計画比下回った場合には、サポートシステム等先行投資した資産を減損処理する等のリスクが存在します。

また、発電事業者等他の電力業者から電力を調達し、小売電気事業者等に対し電力を販売する電力取引を拡大しておりますが、電力調達量が販売量を上回るまたは下回ることで電力量に過不足が生まれることがあり、そのまま期限が到来した場合は電力価格の変動を直に受けるため損失が発生するリスクや、電力市場の流動性が縮小することにより価格が著しく変動するリスク等が存在します。

さらに、当事業においては、事業の拡大に伴い与信供与する取引先が増加しています。当社は取引先に対する与信管理を実施しているものの、万が一与信先が破綻した場合は、少なからずその影響を受ける可能性があります。

⑤人財の確保に係るリスクについて

当社グループは、事業を維持し持続的な成長を実現するためには、全ての部署において、必要な時期に適切な人財を確保することが重要と考えており、また、人財育成を経営の重要課題の一つとして位置づけております。しかしながら、優秀な人財が社外に流出した場合や人財の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

⑥出資に係るリスクについて

当社グループでは、主要4事業及びそれに関連する事業会社またはファンド等に出資も行っており、連結子会社・持分法適用会社として収益等を取り込こんでいるものや、関連会社に該当しない出資先もあります。

出資先の選定に当っては、出資による投資成果とリスクを見積もると共に、当社事業との関係性や当社事業における価値、及び事業計画等の妥当性等を判断した上で、社内規程に基づく慎重な検討を行っており、また出資後においても、経営指導などを通じて出資先の価値の向上を図っておりますが、出資先で想定した利益が上がらない場合、出資先の経営状況が著しく悪化した場合、またはファンドの投資成果が大きなマイナスとなった場合など、連結損益にマイナスの影響を与える可能性があります。

 

(2) 当社グループを取り巻く法的規制等に関するリスクについて

① 法的規制等について

ASTAM社は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に定める投資信託委託会社として公募・私募の投資信託の設定を行っていることから、金融商品取引法を始めとする各種法令及び所属する各種協会の自主規制ルール等を遵守し、投資信託等の運用及び管理を適切に行うことが求められるほか、各種法令等の遵守が求められます。また、金融商品取引法に定める金融商品取引業(投資運用業、投資助言・代理業及び第二種金融商品取引業)に加え、それらに付随する業務も営んでおり、これらの金融商品取引業務においても、同様に、金融商品取引法を始めとする各種法令及び金融商品取引法に定める各自主規制機関の自主規制ルール等に関する厳格な遵守体制が求められております。

一方、2016年12月に新設したアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社(以下、「AFM社」という。)及びアストマックス・トレーディング株式会社(以下、「ASTRA社」という。)においては、金融商品取引法第63条に基づく「適格機関投資家等特例業務」の届出を行っておりますが、適格機関投資家等特例業務を行う業者に関する金融商品取引法の一部を改正する法律(「平成27年改正金商法」)が、2016年3月1日に施行され、適格機関投資家等特例業務を行う業者の行為規制等が強化されました。

 当社グループとしては、コンプライアンス態勢及び内部管理体制水準の確立・維持に努め、今後も更なる徹底を図るべく継続して取組んでまいりますが、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の営業活動が制限され顧客ビジネスの展開に支障をきたす可能性もあります。また、投資信託の基準価額に大きな誤りがあった場合を始め、ASTAM社の事務ミス等の過失により投資信託または投資信託の投資者に損害が生じた場合等には、損害賠償責任を負う可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

ASTRA社等が営むディーリング事業及び電力取引関連事業は、関係法令を中心に、国内外の主要取引所の諸規則の遵守を求められており、また再生可能エネルギー関連事業は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法や電気事業法等の規制を受けることとなります。当社グループとしては、これら事業においても、法令遵守の下に事業を進めていく努力をしておりますが、万が一法令違反等が発生した場合には、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けることがあり、また損害賠償責任を負う可能性もあります。そのような事態の発生は当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3) 当社グループの事業体制について

① 持株会社の機能とガバナンス体制について

当社は、2012年10月1日付で、株式移転によりASTRA社の完全親会社として設立され、即日、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現東京証券取引所JASDAQ)に上場いたしました。当社は主に連結子会社である事業会社を通じて事業運営を行うと共に、当該事業会社等の管理業務を受託することにより、業務委託料収入及び配当金収入を主な収益の源泉とする持株会社となりました。この結果、各事業の管理業務(リスク管理業務を除く。)は持株会社である当社に集約され、当社グループ全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、各事業におけるファイア・ウォール(業務隔壁)の更なる徹底と各々の事業会社の迅速な意思決定を可能とする体制を構築いたしました。また、各事業会社における重要事項については、持株会社におけるグループ経営会議及び取締役会においても十分に審議され、重要事項に関する持株会社としての意思決定もなされています。しかしながら、持株会社におけるガバナンス体制及び管理業務遂行体制が十分に機能しない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 企業買収と統合について

当社グループは、2012年8月1日付でマネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社の発行済全株式を取得し、2012年12月28日付でITCインベストメント・パートナーズ株式会社の発行済株式の99%を取得して子会社化しました。その後、2013年4月1日付で、当社グループにおけるアセット・マネジメント事業を統合し、ASTAM社として事業を開始しております。今後、ASTAM社において計画通りに事業展開が進まない場合には、企業買収に伴って計上している「のれん」の減損損失を持分法による投資損益に含めて計上することになるリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。尚、2019年4月1日付で、当社はヤフー株式会社にアストマックス投信投資顧問株式会社株式の一部(16.7%)を譲渡し、同社は子会社から外れ、持分法適用会社となりました。

③ コンプライアンスの徹底について

当社は、上場企業として、当社グループ各社を含めたコンプライアンスの徹底を最重要課題の一つとして取り組んでおります。前述のとおり、当社グループが営む業務には、それぞれの営む事業毎に様々な法的規制や業界団体による自主規制ルールがあり、これらをグループ各社が企業として遵守することのみならず、役職員一人一人にモラルが求められていると考えております。当社グループでは、全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を要求するとともに、毎年度、その旨誓約書を提出させており、加えて継続的な研修を含む啓蒙活動とチェックを実施することにより、その徹底を図っております。しかしながら、万一役職員による不祥事等が発生した場合は当社グループのイメージが失墜し、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) その他

① システム障害に係るリスクについて

当社グループのコンピュータ・システムは、業務上不可欠なインフラとなっております。
現状、重要なデータについては外部のデータセンター利用を通じたバックアップ体制を確立するなど、業務上及びセキュリティー上必要とされる水準を備えていると考えておりますが、ハードウェア、ソフトウェアの不具合や人為的ミス、天災、停電、テロ、コンピュータウィルス、サイバー攻撃その他の不正アクセス等によりコンピュータ・システムに障害が発生する可能性はあります。システム障害のレベルによっては、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟の可能性について

当社グループが2007年6月に旧三井物産フューチャーズ株式会社(当時)の全株式を取得して以来抱えていた6件の被告事案は全件和解が成立しております。しかしながら、旧三井物産フューチャーズ株式会社の顧客等から訴訟を提起される可能性は残されております。この他にも、「(1) 当社グループの事業内容について③再生可能エネルギー関連事業について」及び「(2)当社グループを取り巻く法的規制等に関するリスクについて①法的規制等について」に記載された事項に係る訴訟の可能性があります。

 

これらのほかにも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクを表すものではありません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は、創業以来、培ってきたノウハウを活用し、金融事業と総合エネルギー事業を展開しております。

当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における金融市場は、緩やかな景気拡大と低金利環境下で株高が進む「適温相場」が転換点を迎え、リスク資産は下半期に乱高下する展開となりました。

株式市場は、米国株に主導された形で、先進国を中心に上半期は堅調に推移しましたが、米中貿易戦争の激化や米欧の金融政策正常化と長期金利の上昇等が嫌気され、10~12月には世界的に下落しました。年明け以降、米欧中央銀行の金融政策スタンスがハト派色を強め、主要国の長期金利が低下に向かったことから投資家のリスク選好が回復し、年度末にかけて世界的に急反発しました。国内株式は、米株高や円安を背景に9月の日経平均株価が約27年ぶりに2万4千円台を回復する等、上半期は堅調に推移しました。しかし、10月以降は世界的な株安に連れ下げ幅を拡大しました。1月以降、世界的な株高の動きから反発に転じましたが、3月末の日経平均株価は2万1千円台と、前年度末比ほぼ変わらない水準となりました。

債券市場は堅調に推移しました。世界経済が拡大基調をたどり、米欧の金融政策正常化が進んだことから、上半期は世界的に債券利回りが上昇し(債券価格は低下)、米10年国債利回りは10月上旬に約7年ぶりとなる3.2%台を付けました。11月以降は、世界同時株安を受けた「質への逃避」や、世界的な景況感の悪化から債券利回りは低下基調をたどりました。年明け以降は、米欧中央銀行の金融政策スタンスの緩和への転換を受けて債券利回りは一段と低下しました。日本の長期国債利回りは、日銀の金融政策柔軟化を受けて7月には上昇しましたが、10月上旬をピークに低下基調をたどり、年明けには10年国債利回りは約1年半ぶりのマイナス圏入りとなりました。

商品市場は総じて軟調な動きとなりました。原油価格は期首より堅調に推移しましたが、供給過剰懸念や世界的な株安から年末にかけて大幅に下落しました。しかし、年明け以降はOPEC等による協調減産効果等から反騰しました。金価格は、米ドル高が進行した上半期は軟調に推移しましたが、年末にかけての世界的な株安局面で反発、年明け以降も米国の利上げ打ち止め観測等から続伸しました。大豆価格は、豊作見通しと中国の対米報復関税を受けて下落しましたが、9月以降は底堅く推移しました。銅、ニッケル等の非鉄金属価格は、米中貿易摩擦の激化や中国景気減速懸念から6月以降軟調に推移し、その後も上値の重い展開が続きました。

 

再生可能エネルギーを取り巻く環境については、2018年度の太陽光発電のFIT価格が18円(税抜)、2019年度については14円(税抜)となり、500kw以上は入札により調達価格を決定するものとなりました。また、国民負担の抑制に向けた対応の一環として、2012年度から2014年度にIDを取得した事業用太陽光発電案件のうち、運転開始期限が設定されていない未稼働案件に対する運転開始期限設定を義務化する新たな仕組みも定められました。

九州電力管轄内においては、再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電の接続量は着実に増加しているため、電力需給バランス維持、電力の安定供給の必要性により、出力抑制が発令されました。

上述のとおり、FIT価格は制度スタート時の40円(税抜)から大幅に低下しましたが、2015年に第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)にて採択された気候変動抑制に関する「パリ協定」が、欧州連合も含めた110の国及び団体によって批准されたことを受け、脱炭素社会を目指す動きが世界的に広がりをみせています。わが国においても「RE100(事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的なイニシアチブ)」に加盟する企業が増えている他、経済産業省資源エネルギー庁の掲げる「第5次エネルギー基本計画(2018年7月)」では、再生可能エネルギーについて「確実な主力電源化」を目指すために、「円滑な大量導入に向けた取組を引き続き積極的に推進していく。」と明記されたことに加え、「分散型エネルギーシステム」についての多くの記述があったことが注目されています。

 

わが国の電力市場においては、2016年4月の電力小売全面自由化以降、小売電力事業者の事業者数及び切替件数、共に、右肩上がりの順調な増加が継続しています。一方、電力価格については、日本卸電力取引所(JEPX)で取引されるスポット市場価格で、2018年夏、冬に発電状況や天候によって一時的に通常の数倍の価格が出現する等、小売電力事業者の経営おいても、電力市場価格の「リスク管理」の重要性が認識されており電力取引のヘッジニーズが高まってきています。

 

このような市場環境等のもと、当社グループの当連結会計年度の営業収益は11,120百万円(前年同期間比4,934百万円(79.8%)の増加)、営業費用は10,960百万円(前年同期間比4,940百万円(82.1%)の増加)、営業利益は160百万円(前年同期間比5百万円(3.5%)の減少)、経常利益は130百万円(前年同期間は1百万円の経常損失)となりました。税金等調整前当期純利益は206百万円(前年同期間比90百万円(30.5%)の減少)、法人税等合計は△20百万円(前年同期間は110百万円)、非支配株主に帰属する当期純利益は59百万円(前年同期間比35百万円(145.3%)の増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は168百万円(前年同期間比5百万円(3.5%)の増加)となりました。

営業収益と営業費用の大幅な増加は、主として電力取引関連事業において、電力の販売と仕入れが増加したことによるものです。再生可能エネルギー関連事業にて前連結会計年度末に行った融資の借換により支払利息等が減少したこと等により、経常利益は前年同期間に比べ大幅に改善しました。また、再生可能エネルギー関連事業において、2018年12月に大分県中津市の太陽光発電所を譲渡したことによる譲渡益132百万円は特別利益に計上されております。一方、複数の農業関連企業への出資の評価損等により68百万円の特別損失(前年同期間比28百万円の増加)が発生しましたが、繰延税金資産が積み増されたことにより法人税等調整額が大幅に減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は前年並みとなりました。

 

セグメント毎の経営成績及び取り組み状況は次のとおりです。 

<アセット・マネジメント事業>

当事業は、主にASTAM社が推進しており、金融商品取引業等を行っております。

日本や米国の国債への連動又は逆連動を目指すファンドへの資金流入等を受け、5月末時点における運用資産残高合計は4,000億円を超える水準となりました。その後は、スワップ取引を対象としたファンドの満期償還や米ドルへの連動を目指すファンドからの資金流出等もあったことから、9月末時点における運用資産残高合計は前連結会計年度末比199億円減少の3,742億円となりましたが、10月以降は日本の株式への連動を目指すファンドへの資金流入等を受け、12月末時点における運用資産残高合計は月末運用資産残高として過去最高額である4,266億円となりました。2019年1月以降は、日本の株式への連動を目指すファンド(安定運用移行済みのファンド)の満期償還等がありましたが、当連結会計年度末の運用資産残高は前連結会計年度末比232億円増加の4,173億円になりました。全体として運用資産残高が前年同期間を上回る水準で推移したことはプラス要因となったものの、報酬率が相対的に高い運用資産残高の減少等を受けて運用資産全体の報酬率が前年同期間と比較して低下したことから、営業収益の総額は、前年同期間比で減少しました。また、営業収益の総額の減少等を受けて売上原価が減少したこと等から営業費用も減少しました。

学校法人東京理科大学が主に出資する大学発ベンチャーキャピタルファンドについては、アストマックス・ファンド・マネジメント株式会社が営業者としてファンド運営業務等を担い、投資金額の順調な積み上げを継続しております。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は、1,974百万円(前年同期間比114百万円(5.5%)の減少)となり、セグメント利益は168百万円(前年同期間比16百万円(8.9%)の減少)となりました。

なお、当連結会計年度期間中に商品投資顧問業務は全て終了し、2019年3月31日をもって商品投資顧問業を廃止しました。

当事業では、投資信託の販売会社等との協業を通じて運用資産残高の積み上げに努めるとともに、収益基盤の拡充にも取り組んでまいります。なお、既存主力事業である機関投資家ビジネスに加え、個人投資家向けビジネスについても一層の強化を図るべく、投資未経験者を含む個人投資家の皆様に向けて、対面型営業による長期積立型投資信託事業に加え、ファイナンシャル・テクノロジーを活用した長期資産形成に貢献できる事業を展開してまいります。

また、2019年4月1日付で開示しましたとおり、当社はアセット・マネジメント事業を主として営むASTAM社の株式の一部をヤフー株式会社(以下、「ヤフー」という。)に追加譲渡し、当社の持分比率は49.9%となりました。ASTAM社は当社の持分法適用会社となりましたが、当社は、引き続きASTAM社の企業価値向上を目指し、ASTAM社において推進する協働事業に全力で取り組んでまいります。

 

 

<ディーリング事業>

当事業は、ASTRA社が推進し、東京商品取引所、CME、ICE等、国内外の主要取引所において商品先物を中心に、株価指数等の金融先物を取引対象とした自己勘定取引を行っております。

前述の市場環境の中、主たる取引市場である商品先物市場では、貴金属価格が上昇後安定、原油価格は上昇後下落、今年に入り反転する展開となり、市場間の値差を利用した裁定取引で一定の収益を確保することができました。先物価格における変動率の低下等によって、取引機会が少ない期間も多かったことから収益は伸び悩みましたが、ここ数年注力してきた大幅なコスト削減の成果もあり、セグメント黒字を確保することができました。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は485百万円(前年同期間比53百万円(9.9%)の減少)、セグメント利益は10百万円(前年同期間は41百万円のセグメント損失)となりました。

当事業では、今後も経費節減に努めると同時に、ディーリング資金の効率的な運用を行い、取引所の組織や制度変更にも適切に対応し、また収益力の増加を図るため中国先物市場の海外投資家への開放等の取引の好機を的確に捉え、引き続き収益力の回復を目指してまいります。

 

<再生可能エネルギー関連事業>

当事業は主にASTRA社等が推進しております。当事業では主として再生可能エネルギー等を利用した発電及び電気の供給に関する事業を行っております。当事業の進捗状況については継続的に開示しておりますが、当連結会計年度における状況は以下のとおりです。

(太陽光発電事業)

太陽光発電事業につきましては、自社開発に加え、未稼働ID及びセカンダリー市場(完成した発電所の売買市場)での案件取得に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、以下の2のとおり自社開発した太陽光発電設備を譲渡し、以下の3のとおり新設の発電所を取得したほか、以下の4及び5のとおり既に売電を行っている太陽光発電所を2箇所取得しました。

改正FIT法の施行、競合他社の参入、優良案件の減少等により、環境的には案件確保は容易ではないと言えますが、今後におきましても、引き続き太陽光発電設備の未稼働ID及びセカンダリー市場での案件確保に取り組むと共に、保有している既存発電設備についても、譲渡を行うこと等を含めて、事業ポートフォリオの一部入替を検討する等、期間利益を確保しながら、事業採算の向上に取り組んでまいります。

(自社開発・新設取得)
1. 鹿児島県霧島市 出力規模:約2.2メガワット

既に開示しておりますとおり、2016年10月に着工となりました本案件につきましては、当社グループとしての事業リスクを限定するために、SPC(特別目的会社)及び匿名組合契約(ASTRA社を出資者とし、SPCを営業者とする契約)を使った投資スキームを利用しており、2016年12月16日付にて太陽光発電設備を設置する合同会社に対し出資をしております。稼働開始は、2018年3月を見込んでおりましたが、工程が変更となり2019年10月以降となる見込みです。稼働後はASTRA社による管理・オペレーション業務を行います。

2.大分県中津市 出力規模:約2.3メガワット

既に開示しておりますとおり、2018年12月5日付にて、太陽光発電設備の譲渡が完了し、2019年3月29日付で匿名組合出資の全てを回収しました。

3. 岡山県岡山市 出力規模:約1.2メガワット

2019年3月に設備を取得しました。稼働後はASTRA社による管理・オペレーション業務を行っております。

(セカンダリー市場)
4.栃木県栃木市 出力規模:約2.0メガワット

2018年12月に中古設備を取得しました。

5.岩手県奥州市 出力規模:約0.9メガワット

2018年12月に中古設備を取得しました。

(生産性向上)
6.既設案件への増設

栃木県佐野市の既設案件へ約0.1メガワット増設し、2018年11月に運転を開始しました。

熊本県菊池市の既設案件へ約0.3メガワット増設し、2018年11月に運転を開始しました。

 

(地熱発電事業等)

ASTRA社では、ベースロード電源である地熱を利用した発電事業の取り組みも進めております。

宮崎県えびの市尾八重野地域では、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構による「地熱資源開発調査事業費助成金交付事業」の採択を受け、2メガワット規模の地熱発電の事業化を目指し、2017年3月に1号調査井、2017年12月に2号調査井、2018年9月に3号調査井の掘削を完了しております。発電規模を確認するための仮噴気試験につきましては、2018年2月に1号調査井の自噴を確認し、2号井については2018年5月に高温熱水の存在を確認しました。3号調査井は熱水資源の還元ゾーンを調査する目的でしたが、掘削結果を受け、生産ゾーンの調査へと目的を切り替え、仮噴気試験を実施したところ、2019年1月に自噴を確認致しました。今後、2メガワット以上の開発も視野に入れつつ、引き続き事業化に向けて取り組んでまいります。なお、本件は、九州電力株式会社主宰の電源接続案件募集プロセス(2015年4月に設立された電力広域的運営推進機関により新たに規定されたルールであり、発電設備等を電力系統に連系するにあたり、系統連系希望者により工事費負担金を共同負担する手続き)の手続き中です。また、既に開示しておりますとおり、今後の事業規模の拡大を目指すことを前提に、最大49%までの範囲にて第三者からの事業参加を想定し、パートナー企業の参画をより容易にすることを目的に、宮崎県えびの市の地熱事業を新たに設立したえびの地熱社に承継させる新設分割を、2019年5月7日に実施いたしました。

 

再生可能エネルギー関連事業では、前連結会計年度に続き発電所の開発に係るコスト(建設コストを賄うための銀行借入に対する諸手数料や金利負担等)を負担しております。2018年3月に奈半利ソーラー発電所を譲渡したことや、西日本豪雨及び台風の影響により、当社グループ最大規模(約7.8メガワット)の熊本県の発電所が日射量に恵まれなかったこと等により、営業収益は前年同期間比で減少しましたが、既存案件増設による採算性向上、上述のとおり、2018年3月に実施した融資の借換により借入コストが減少したこと、当社が受託している発電所の保守見直しによりコストを低減できたこと等から、セグメント利益を確保することができました。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は575百万円(前年同期間比93百万円(14.0%)の減少)、セグメント利益は7百万円(前年同期間は78百万円のセグメント損失)となりました。

なお、当社グループのセグメント損益は、特別損益を含まず、経常損益をもって表示しております。特別利益として計上した奈半利ソーラー発電所の増設分の譲渡益12百万円及び大分県中津市の太陽光発電所の譲渡益132百万円、また特別損失として計上した農業関連企業への出資の評価損の内20百万円は、当事業に帰属するものとなります。

 

<電力取引関連事業>

当事業は、小売電気事業者等を対象にシステム及び付帯サービスを提供するアストマックス・エナジー・サービス株式会社(以下、「AES社」という。)と、小売電気事業者であり、日本卸電力取引所の会員でもあるASTRA社の協業により推進しております。 

小売電気自由化が開始された2016年4月から2019年1月までのみなし小売電気事業者から新電力へのスイッチングの累積件数は916万件、全体に占める割合は14.6%となり、1年前に比べ347万件増加しております。一方、販売電力量に占める新電力のシェアは当連結会計年度の月次平均で14.3%のシェアを占め、前連結会計年度に比べ2.5%増加しました。

このような環境の中、AES社では、電力自由化の先進国である米国において実績のあるEnergy Services Group, LLCの電力・ガス小売事業サポートシステムの日本版を提供するとともに、ASTRA社と協業し、需要予測等を含む需給管理業務並びに顧客のための電力調達業務を行っておりますが、これらの業務を通じて小売電気事業者等のニーズに応えるべく、きめ細かなサービス及びソリューションの提供に取り組んでおります。また、2018年10月にはASTRA社の経済産業大臣へのガス小売事業者登録が完了し、商品ラインナップの1つとしてガス小売事業を開始するべく準備を行っております。

(電力事業)

当事業の内、システム販売及び代行サービスについては、既存顧客へのサービスの提供により収入を確保しながら、引き続き新規取引先を増やすべく、顧客ニーズにあったサービスの提案を行っています。

電力取引については、顧客の電力調達ニーズ、価格変動リスク及び電力市場の需給状況等を考慮し、電力先渡取引を行うと同時に、電力取引における価格変動リスクを抑える目的でデリバティブ取引である電力スワップ取引にも必要に応じて取り組んでおります。当連結会計年度においては、顧客の多様な電力調達ニーズに対応するために取り組んでいた電力の調達及び販売の多様化が評価され、多くの小売電気事業者との新たな電力取引が開始できたこと、また既存顧客との取引も活発化したこと等により、営業収益と営業費用はともに大幅に増加しました。 なお、会計上現物取引である上記電力先渡取引については、引き続き、当連結会計年度において時価評価の対象ではありません。

電力取引の増加及び多様化に伴い、リスク管理の重要性が増加していることに鑑み、社内に新たに「電力取引委員会」を立ち上げる等リスク管理体制の強化も推進しています。

(ガス事業)

2018年9月付でガス小売事業開始のお知らせを行い、10月には経済産業省へのガス小売事業者登録が完了し、都市ガスの卸売り及びガス消費機器の定期点検等の保守業務を委託する東京エナジーアライアンス株式会社と契約を締結しました。販売面においては、主に取次店方式で最終需要家への販売を進めていく計画ですが、9月には、そのパートナー候補である新電力会社を対象に今後の活動計画やパートナー企業との連携の考え方に関する説明会を開催し、多数のご参加をいただきました。現時点においては、引き続き事業開始に向け、複数の契約候補会社と契約内容及び事業計画の確認を進めております。

 

以上の結果、当事業の当連結会計年度は、前述のとおり電力取引(電力の販売と仕入)が増加しているため、営業収益及び営業費用が前年同期間比大幅に増加し、営業収益は8,067百万円(前年同期間比5,179百万円(179.3%)の増加)となりました。2018年12月以降、当事業は単月黒字となりましたが、それまでの損失を補うことは出来ず、14百万円のセグメント損失(前年同期間は60百万円のセグメント損失)となりました。

 

上記、セグメント利益又は損失は当連結会計年度の経常利益と調整を行っており、連結会社間の内部取引消去等の調整額が含まれております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、3,143百万円(前年同期間比8.7%減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主としてたな卸資産(売却目的で取得した太陽光発電設備)の増加による支出(△1,435百万円)等により、△61百万円(前年同期は801百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として太陽光発電事業に係る有形固定資産の取得による支出(△1,385百万円)、投資有価証券の取得による支出(△228百万円)、太陽光発電事業に係る有形固定資産の売却による収入(1,130百万円)等により、△478百万円(前年同期は△38百万円)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として短期借入れによる収入(短期借入金の返済による支出との純額は662百万円)等により、239百万円(前年同期は△1,004百万円)となりました。

 

 

③ 営業収益の状況

a. 営業収益実績

当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

アセット・マネジメント事業

(千円)

1,974,352

△5.5

うち管理報酬

(千円)

149,375

△4.1

うち成功報酬

(千円)

22,037

-

うちその他

(千円)

973

△64.5

うち投信委託者報酬

(千円)

1,801,966

△6.6

ディーリング事業

(千円)

485,432

△9.9

再生可能エネルギー関連事業

(千円)

561,730

△15.2

電力取引関連事業

(千円)

8,067,973

179.3

その他収益

(千円)

31,220

247.9

 

合 計

(千円)

11,120,710

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当社グループのアセット・マネジメント事業、ディーリング事業は生産・受注といった区分が困難であるため、「生産・受注及び販売の状況」に代わり「営業収益の状況」を記載しております。また、同様の理由で「主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」について記載をしておりません。

 

b. 運用資産残高の状況[アセット・マネジメント事業]

以下の表は、当連結会計年度の運用資産残高の状況を示したものです。

 

2018年
3月

6月

9月

12月

2019年
3月

商品

(百万円)

489

-

-

-

-

証券

(百万円)

393,670

395,579

374,233

426,650

417,366

 合計

(百万円)

394,160

395,579

374,233

426,650

417,366

 

 

c. 自己資産運用における取引高比率の推移[ディーリング事業]

以下の表は、東京商品取引所の総取引高における自己勘定投資事業の取引高の比率の推移を示したものです。

 

2018年
4月

5月

6月

7月

8月

9月

 

取引所における
総取引高(枚)

3,616,130

3,943,726

4,227,962

3,575,832

3,986,690

2,920,222

 

ディーリング事業が占める取引高の比率(%)

4.30

4.56

3.79

2.37

2.72

3.47

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月

11月

12月

2019年
1月

2月

3月

年間

取引所における
総取引高(枚)

3,780,672

3,484,690

3,202,938

3,045,906

3,031,584

3,160,426

41,976,778

ディーリング事業が占める取引高の比率(%)

3.94

3.00

2.85

3.85

3.05

2.62

3.40

 

(注) 1  上記に記載した取引所における総取引高は、東京商品取引所発表の取引高を記載しております。

2  上記は、当社グループにおける東京商品取引所での自己売買取引の比率を記載しておりますが、それ以外にも国内取引所や海外取引所において取引を実施しております。 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

当社の経営者は、連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、連結営業収益は11,120百万円(前期比4,934百万円の増加)、営業費用は10,960百万円(前期比4,940百万円の増加)、営業利益は160百万円(前期比5百万円の減少)、経常利益は130百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。営業収益及び営業費用の増加は、主として電力取引関連事業において、電力の販売と仕入れが増加したことによるものです。

税金等調整前当期純利益は、再生可能エネルギー関連事業における事業ポートフォリオの入替の一環として実施した大分県中津市の太陽光発電所や奈半利ソーラー発電所の増設分の設備譲渡に伴う特別利益144百万円等の計上により、206百万円(前期比90百万円の減少)となりました。また、法人税等合計が△20百万円(前期は110百万円)、非支配株主に帰属する当期純利益が59百万円(前期比35百万円の増加)となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は168百万円(前期比5百万円の増加)となりました。

なお、当社が最も重視している財務指標の1つである株主資本は、前期比24百万円増加し5,442百万円となりました。

当社グループは、2020年に向けた中期ビジョンを策定し、「持続的な企業価値の向上」と「外部環境に耐性のある安定的収益基盤の強化」を謳っております。

アセット・マネジメント事業は、営業収益が前連結会計年度比5.5%減少しましたが、マイナス金利等の外部環境の影響もあり、運用資産全体の報酬率が前年同期間比で低下したこと等からセグメント利益は前連結会計年度比8.9%減少しました。

ディーリング事業における営業収益は前連結会計年度比9.9%減少となりました。当事業においては、株式市場や仮想通貨、FX市場等への資金流入が続いたことの影響もあり、国内商品先物価格の市場変動率が相対的に低い状況であったこと等、厳しいビジネス環境にあったとの認識を有しております。

このような認識の下、当事業では販売管理費を前連結会計年度比2割程度削減する等、さらに経費率を改善し2期ぶりにセグメント黒字に転じました。今後も一層の経費率改善を目指すとともに、ディーリング資金のより効率的な活用を図ることによって事業の収益率を向上させてまいりたいと考えております。

再生可能エネルギー関連事業の営業収益は、2018年3月に奈半利ソーラー発電所を譲渡したことにより前連結会計年度比14.0%の減益となりました。当連結会計年度においては、保有する太陽光発電所の売電収入に加え、ポートフォリオの入替を目的とした保有する太陽光発電所の設備譲渡(大分県中津市)、既存発電所の増設や融資の借換等により事業採算性の改善を図ってまいりました。

当社グループのセグメント損益は、特別損益を含まない経常損益をもって公表しておりますが、太陽光発電所の設備譲渡に伴う特別利益及び農業関連企業へ出資の評価損を勘案した場合、当事業における税金等調整前当期純利益は、約132百万円となります。

2014年度から着手している宮崎県えびの市で進めている地熱発電事業は、3本の調査井の掘削および仮噴気試験が完了しております。既に開示しておりますとおり、今後の事業規模の拡大を目指すことを前提に、最大49%までの範囲にて第三者からの事業参加を想定し、パートナー企業の参画をより容易にすることを目的に、宮崎県えびの市の地熱事業を新たに設立したえびの地熱社に承継させる新設分割を、2019年5月7日に実施いたしました。

電力取引関連事業においては、顧客の電力調達ニーズが多様化してきたこと等も受け電力取引も活発化してきており、営業収益は前連結会計年度比179.3%と前年に続き大幅に増加しました。増加の大半を電力販売が占めており、電力販売量に見合う電力仕入れも大幅に増加したことから、電力仕入による営業費用も増加しております。新電力へのスイッチング件数や小売電気事業者の数は1年前と比べ増加傾向が継続していることから、今後も事業機会を的確に捉えると同時に新規顧客確保に努め、年間を通した黒字化を達成してまいりたいと考えております。

 

なお、当連結会計年度の経営成績と事業の種類別セグメント情報の詳細やその背景となる当社を取り巻く環境等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、以下の事項であると考えております。

(アセット・マネジメント事業)

顧客層の拡充・事業基盤の拡大に努めてはおりますが、依然として、債券市場・外国為替市場・株式市場・商品市場等の動きによっては、投資家による利益確定または損失限定のための投資行動などにより解約が集中することで、同事業の業績が影響を受ける可能性があります。また、信託報酬率の低下傾向が今後も続くような場合も同事業の収益に影響を与える可能性があります。なお、個人投資家を対象とする長期資産形成の事業は、一定規模の事業規模を達成するためには、時間を要する事業と認識しております。

(ディーリング事業)

当連結会計年度においては、一時的に商品先物価格の市場変動率上昇することはありましたが、東京商品取引所の取引は総体的に保合相場となることが多く、ディーリング事業にとって取引機会が少ない展開が続いておりました。今後も同取引所における出来高が大きく減少したり、市場変動率が著しく低下するなどの市場環境によっては、同事業の収益が大きく影響を受ける可能性があります。

(再生可能エネルギー関連事業)

引き続き積極的に経営資源を投入し、太陽光発電事業の更なる拡大と地熱発電事業等への取り組みを継続しております。同事業は、市場の変動の影響を受けにくい安定収益源として営業収益への貢献が期待できる一方で、「事業等のリスク」に記載の通り、不測の事態が生じた場合は、同事業の業績にマイナスの影響を与える可能性があります。

(電力取引関連事業)

同事業においては、国内における電力契約の切替ニーズの変化や小売電気事業者数の増減等が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、システムや業務代行サービスを利用いただく顧客数及び顧客の取り扱う電力量が経営成績に影響を与えることとなります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

(資産、負債及び純資産の状況)

当連結会計年度における総資産は、製品(売却目的で取得した太陽光発電設備)の増加(1,415百万円)及び太陽光発電事業と地熱発電事業の推進に伴う建設仮勘定の増加(228百万円)等により、13,167百万円(前年同期比9.0%増)となりました。

負債は、主に太陽光発電事業の推進に伴う短期借入金の増加(662百万円)及び主に電力取引関連事業における営業未払金の増加(590百万円)等により、7,173百万円(前年同期比16.9%増)となりました。

純資産は、非支配株主持分の増加(26百万円)及び利益剰余金の増加(23百万円)等により、5,993百万円(前年同期比0.9%増)となりました。

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、3,143百万円(前年同期間比8.7%減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主としてたな卸資産(売却目的で取得した太陽光発電設備)の増加による支出(△1,435百万円)等により、△61百万円(前年同期は801百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として太陽光発電事業に係る有形固定資産の取得による支出(△1,385百万円)、投資有価証券の取得による支出(△228百万円)、太陽光発電事業に係る有形固定資産の売却による収入(1,130百万円)等により、△478百万円(前年同期は△38百万円)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として短期借入れによる収入(短期借入金の返済による支出との純額は662百万円)等により、239百万円(前年同期は△1,004百万円)となりました。

 

ASTAM社株式の一部譲渡によって増加した手元流動性は、今後も引き続き電力取引関連事業におけるファイナンスに伴う資金需要、再生可能エネルギー関連事業への投資等に充当することに加え、株主還元及び資本効率の向上にも充当したいと考えております。再生可能エネルギー関連事業における資金需要については、主としてプロジェクトファイナンスによって投資資金を確保することを想定しております。なお、手元流動性を超える資金需要の増加が見込まれる場合におきましては、銀行借り入れ等による財務活動を通じた資金調達も視野にいれております。

 

 経営者の問題認識と今後の方針については、以下のとおりであります。

当社の経営者は、現状の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社を取り巻く経営環境は、依然として、内外の金融商品市場及び商品先物市場等の動向等の諸経済情勢により大きく影響を受けるものとなっております。このため、金融商品市場及び商品先物市場等に関する情報を幅広く入手し、市場動向に迅速に対応すべく努力する一方、前述のとおり、当社グループの事業について、市場動向の影響を受けにくい体質への改善を進めております。また、アセット・マネジメント事業におきましては、投資運用業者が求められる社会的役割を十分に認識し、今後一層、個人投資家向け長期資産形成事業への注力度を上げてまいります。上記のほか我が国の再生可能エネルギー等に対する政策の動向も踏まえつつ、業績と事業計画に大きな乖離が生じる可能性がある場合には、事業計画を抜本的に見直すことも含めて、環境変化への対応を適切に行ってまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)重要な子会社株式の譲渡

当社は、2019年3月13日の臨時取締役会において、下記のとおり、ヤフー株式会社(東京都千代田区 代表取締役社長:川邊 健太郎、以下、「ヤフー」という。)に、当社が保有する当社連結子会社であるアストマックス投信投資顧問株式会社(以下、「ASTAM社」という。)の2018年12月31日現在の発行済株式総数の16.7%に相当する株式11,878株を2019年4月1日付で譲渡することを決議し、2019年3月13日付で株主間契約に関する覚書(以下、「本覚書」という。)を締結いたしました。また、本覚書に基づき、2019年4月1日付でASTAM社株式の一部を譲渡いたしました。当該譲渡によりASTAM 社は当社の連結子会社から外れ、持分法適用会社となり、ASTAM 社の損益の49.9%が持分法による投資損益として認識される見込みです。 

 

① 子会社株式譲渡(第2譲渡)に至る経緯および理由

当社はヤフーとASTAM 社を対象会社とする資本・業務提携(以下、「本資本・業務提携」という。)を実施すべく、2016年8月8日に株主間契約・業務提携契約を締結し、当社連結子会社であるASTAM 社株式を2段階(第1譲渡及び第2譲渡)に分けてヤフーに譲渡することに合意しております。

具体的には、第1譲渡においては、当社がASTAM 社の2016年6月30 日現在の発行済株式総数の33.4%に相当する23,757 株を一株あたり71,700 円にてヤフーに譲渡すること、また、第2譲渡においては、当社がASTAM 社の2016年6月30 日現在の発行済株式総数の16.7%に相当するASTAM 社株式11,878 株につき、下記発動条件付きで第1譲渡と同一譲渡価格にてヤフーが買い取ることができるコールオプションをヤフーに付与し、当該オプションの行使をもって株式譲渡が実行されることとなっております。

第1譲渡は、2016年10 月3日付で完了しております。

また、第2譲渡を実現するコールオプションの発動条件は、既存顧客への様々なサービス等を継続して提供を続けることの重要性に鑑み、投資運用業の経営・運営に実績のある当社が、一定期間、第1譲渡実行時における経営・運営体制を維持しつつ、両社が協働して推進する事業規模が、おおよそ第1譲渡時点におけるASTAM 社の既存事業規模に達することとしておりました。

両社が協働して推進する事業規模は、現時点においては、上記の水準に達しておりませんが、第1譲渡以降、両社は協働して既存顧客層である機関投資家向けビジネスに加え、長期資産形成に寄与すること等を目的とする個人投資家向けビジネスに注力し、運用資産残高を増加させることができました。

今般、両社は、こうした協働による新たな事業展開において、一定の事業成果が得られていること、今後の事業方針を明確に共有できていること、また既存顧客へのサービスの提供等を含めた経営・運営体制についても今後の事業展開を推進する上で支障となるべき事項がないこと等を確認し、両社によるASTAM 社への出資比率の変更を前倒しの上実行し、今後の協働事業展開をさらに積極的に推進することを合意し、本覚書を締結いたしました。

 

 

② 売却する相手会社の名称及び事業内容

名称

ヤフー株式会社

事業内容

インターネット上の広告事業、イーコマース事業、

会員サービス事業、その他事業

 

 

③ 譲渡する子会社の名称及び事業内容

名称

アストマックス投信投資顧問株式会社

事業内容

金融商品取引業(第二種金融商品取引業、投資運用業、投資助言・代理業)、商品投資顧問業

 

 

④ 契約等の時期

取締役会決議日

2019年3月13日

覚書締結日

2019年3月13日

株式譲渡実行日

2019年4月1日

 

 

⑤ 譲渡する株式の数、譲渡価格、譲渡損益及び譲渡後の持分比率等

譲渡する株式の数

11,878株

譲渡価格

851,652千円

譲渡損益

 2020年3月期において関係会社株式売却益(約643 百万円)を認識する見込みです。

 また、当社は第1譲渡実行時にコールオプションとして約278 百万円の負債を会計上認識しておりますが、今般の第2譲渡完了時において、当該コールオプションは消滅することとなることから、約278 百万円が関係会社株式売却益(約643 百万円)とは別に特別利益として認識される予定で、特別利益は合計で約921 百万円になる見込みです。

譲渡後の持分比率

49.9%(直接保有)

 

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。