文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、基本理念として「ステークホルダーの期待に応え、広く社会に貢献する企業グループを目指すこと。」及び、「高潔な倫理観と柔軟な発想をもって、全力で事業目的を達成すること。」を掲げておりましたが、このたび、企業の社会的ニーズ、社会の変化するスピード、そして企業を取り巻く諸環境に対して、当社グループの取り組み姿勢をより明確にするため、基本理念をミッションとして「私達の未来を考える ~すべては持続可能な社会のために~」、ビジョンとして「変化をとらえ、進化につなげる」、バリューとして「SPIRIT of Challenge」の3構成として再構築致しました。
使命・存在意義であるミッションは「私達=社会の一員」であるという認識の下、持続可能な社会の実現を目指すために、絶えず未来を考え続けることが私達の使命であり、存在意義であるとの考えをしっかりと持ち続けることが重要であると考え、「私達の未来を考える ~すべては持続可能な社会のために~」と致しました。
近未来の姿であるビジョンについては、今、必要なことは変化の波を的確にとらえ、その大きさ、方向性そして速さを認識することであるとの考えをもとに、独自性を発揮しつつ、自らも変化していかなければならないこと、そして私達の未来は変化に富み、予想しえない事象が起こりうることを認識することが重要であって、これまで以上に、「変化をとらえ、進化につなげる」企業にならなければならないとの思いを込めて定めました。
そして、私達は、変化をとらえるために必要とするバリュー(価値観)を明確にし、それらのバリューを発揮することによって変化に対応していくことができると考えました。常にチャレンジ精神を持ちバリューを発揮していくことを役職員全員がしっかりと認識することを目的に「SPIRIT of Challenge」をバリューとして掲げました。以下8項目がバリューの構成要素です。「Speed:迅速性」「Professionalism:専門性」「Integrity:高潔な倫理観」「Responsibility:当事者意識」「Imagination:想像力」「Toughness:タフネス」「Challenge:挑戦」「Leadership:リーダーシップ」
これら「ミッション・ビジョン・バリュー」の下、当社は創業以来、培ってきたノウハウを活用し、金融事業と総合エネルギー事業を展開し、安定的な収益を確保できる事業基盤を確立し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーに付加価値を提供することを目指しております。また、事業活動を通じ幅広い人財を育成すると共に、経済合理性と強い倫理観を併せ持った企業活動及び社会活動を行ってまいりたいと考えております。
当社グループは資本政策の重要性を十分認識し、株主資本を効率的に活用することによって、強固な財務基盤を構築し、併せ期間収益の安定的確保を目指してまいりたいと考えています。
持続的成長性を計る手段として継続的な「株主資本の増加」を第一に考え、1株当たりの純資産の増加を目指し加えて「フリーキャッシュ創造力」についても重視してまいります。
当社グループは、事業基盤の強化と市場環境に左右されない安定した収益の確保を目指し、資産運用業(アセット・マネジメント事業及びディーリング事業)に加え、再生可能エネルギー関連事業及び電力取引関連事業への参入を決定し、その取り組みを積極的に進めております。
このような中、2017年3月期に2020年(2020年3月期)の当社グループのあるべき姿を定め、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定し、推進してまいりました。この中期ビジョンは、「社会的意義のある新たな事業価値の創造」と「それを実現可能とする統制のとれた組織の構築」を基本理念に掲げ、「強固な財務基盤の構築」、「収益力・成長力の向上」、「人財育成力・組織力の強化」を目指したもので、このビジョンの下、当社グループは、営業収益の増加に向け様々な取り組みを行ってまいりました。
中期ビジョンでは、計数目標として、計画最終年度の2020年3月期における「配当後株主資本60億円程度」、「連結営業収益45億円以上」、「連結ROE8%以上」を目指しておりました。このうち連結営業収益については、電力販売の増加により2018年3月期の時点で大幅に超過し、2020年3月期には119億円となりました。配当後株主資本については、中期ビジョン開始前の2016年3月期の44億円から2017年3月期は53億円、2018年3月末は54億円と順調に推移しましたが、以降は3期にわたる特別配当の実施や自己株式の取得を実施したこと等の影響もあり、最終年度の2020年3月期も54億円にとどまりました。連結ROEについては、2018年3月期と2019年3月期は3%台、2020年3月期は4.5%となりましたが8%を超えることは出来ませんでした。
なお、次期中期ビジョンについては、2020年3月期決算短信の発表時に併せて発表することを予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延による経済社会活動への影響の見極めも必要であることから、本ビジョンの機関決定時期を延期することといたしました。
当社グループは今後更なる事業及び収益の持続的拡大を図るために、以下の課題に取り組んでまいります。
総合エネルギー及び金融関連分野における事業をコアとして事業展開を進めている当社グループとって、今後の新しい事業モデルを構築するためには、株主資本を充実させ企業体力を強化させることと持続的な収益力を確保していくことが最も重要な課題であります。事業展開の優先度を重視し、各セグメントに対する経営資源配分の最適化を図り、事業目標の進捗管理の強化と資金効率をさらに向上させることが必要であると考えています。人財育成等を含め、人的資源の一層の活用を通じて収益力の向上に取り組んでまいります。
また、企業体力を強化するためには収益力の向上に加え、継続的に経費構造を見直し経費率の改善も同時に進めることも重要であると考えております。引き続きコスト削減を徹底してまいります。
上記の目標達成のためには、適材適所の人材配置と業務効率の向上を実現させる組織運営が必要であると考えております。そのためには広く経営管理の質を高めるとともに、一定の時間軸を踏まえた確固たる人財育成方針が必要であり、併せ資金需要に速やかに対応可能な資金調達機能も重要であると認識しています。
また、市場取引に係るリスク、信用リスク、流動性リスクに加え、セキュリティリスク、自然災害発生及び感染症拡大等に伴う事業継続に係るリスク等、当社グループ事業を取り巻くリスクは、今後、従来想定していない新たなカテゴリーのものも発生しうると考えられます。こうした事業を取り巻くリスクを迅速かつ的確に管理することの重要性を明確に認識し、不測の事態に備えたリスク管理体制の一層の強化に努めてまいります。
当社グループでは祖業のアセット・マネジメント事業、ディーリング事業に加え、そのノウハウを活かし2012年度以降、再生可能エネルギー関連事業や電力取引関連事業を展開しております。今般、既存ビジネスをさらに拡充していくために電力・ガス小売事業を立ち上げましたが、今後も社会の変化のスピードに遅れることなく、一歩先の動き見据えた次の事業展開を考えていかねばなりません。社会的要請及び時代の方向性に即した事業に参入し、新たな収益基盤を築いていくことが重要であり、新規に参入していく事業分野において結果を得るためには、同業他社とは異なる独自性の高い事業モデルを構築していかねばなりません。
再生可能エネルギー関連事業においては、「持続可能な開発目標(SDGs)」や国のエネルギー基本計画に鑑み、2030年までに最大年間66,000トン(太陽光発電100MW相当)のCO2削減を目指し、再生可能エネルギー関連事業の発掘、開発、アレンジメント、投資及び発電所の維持・運営管理(O&M事業)を行っておりますが、売電収入による収益基盤の強化、譲渡益による期間利益の確保、O&M事業の継続及び業務効率化や経費見直しに取り組んでまいります。その一方で、全国的に太陽光発電設備が増加したことにより九州地方において春や秋等電力をあまり必要としない時期に出力抑制が課される事態が増加してきており、今後は他のエリアでもその可能性が高まることも想定されます。当社グループはこれまで以上に出力抑制が実施される可能性を十分に認識し、業務効率化や経費見直し等を行ってまいります。
地熱発電事業については長期に亘る事業ではありますが、既に宮崎県において調査井4本の掘削が完了し、そのうち3ヵ所において自噴を確認し事業化に向けて着実な前進を示しました。地熱発電事業は太陽光発電に比べリスクが高いことは認識してはおりますが、再生可能エネルギー関連事業の新たな中核の一つとなる様、潜在的なリスク検証も含め、今後はパートナー企業とともに取り組みを加速・拡大させてまいります。発電設備等を電力系統に連系できるまでに時間を要する見通しであることから、現段階では2026年3月期以降になると見込まれますが、発電所としての運転開始に向けて取り組んでまいります。
600社を超える小売電気事業者がひしめき合う中、サービスの過当競争も想定されますが、当事業では、サービスの質の高さと独自のネットワークを武器として引き続き安定した顧客基盤の拡充を図り、収益力の拡大を目指し、事業基盤の確立に努めてまいります。
当社グループは日本における電力のサプライチェーン全体に事業領域を広げ、より機能的なサービスの提供と収益機会の開拓を図る方針を決定し、小売電気事業分野に本格的に参入するために、アストマックス・トレーディング株式会社(以下、「ASTRA社」という。)は小売電気事業を営むJust Energy Japan株式会社(以下、「JEJKK社」という。)を2020年4月に買収いたしました。小売電気事業は、中長期的には既存の事業を高め当社の企業価値向上に寄与するものと考えておりますが、ビジネスモデル上、顧客獲得にかかる代理店・取次店等への販売報酬を営業経費として先に計上し、顧客契約からの収益はその後数年の期間をかけて回収するという特性がある為、顧客を継続的に増やしていく成長過程においては、小売電気事業者は損益計算書上費用先行となるため、損益分岐点にいたるまで、小売事業については赤字が先行することになります。なお、2021年3月期より電力及びガスを対象とする小売事業を新たな報告セグメントとして独立いたします。
また、電力取引関連事業の今後の戦略の一環として新たな事業パートナーとの協働及び新たな事業モデル等検討を開始しておりますが、新規ビジネスフィールドでの取り組みのため、考えられるあらゆるリスクを考慮して推進してまいります。
当社グループのアセット・マネジメント事業を主として担っていたアストマックス投信投資顧問株式会社(以下、「ASTAM社」という。)が2度の株式譲渡を経て2020年3月期より当社の持分法適用関連会社となって以降、ASTAM社については、税引後当期純利益のうち当社の持分49.9%のみが、営業外損益としてアセット・マネジメント事業のセグメント損益に反映されることとなっております。ASTAM社の運用資産残高は2020年3月期末に前年比約1,000億円減少しておりますが、ASTAM社では、この動きに歯止めをかけ、顧客の属性分散、商品開発力及び提供力の拡充等を含めた立て直しを迅速に実行するため、新たな人材の確保と組織体制の見直しを行い運用資産残高の回復に取り組んでおります。
一方、現在当事業を主として推進しているアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社(以下、「AFM社」という。)では、学校法人東京理科大学が主に出資する大学発ベンチャーキャピタルファンドの営業者としてファンド運営業務等を担い、投資金額の順調な積み上げを継続しておりますが、2020年3月末には新たなファンドの運用業務も受託することとなりました。運用対象が拡大するに伴い、この運用業務を適切に行うと共に、ベンチャーキャピタルファンドについては、投資先企業の成長にも寄与できるよう、引き続き努力を継続してまいります。
ディーリング事業は、ここ数年にわたり、取引対象の拡大や取引インフラを整備し収益源の多様化と収益力の拡大を目指してまいりました。当事業は市場環境に左右される側面があり、現状の取引対象市場における市場規模は従来に比べ縮小してきている事実は否めない一方、取引にかかるコストは海外を中心に年々上昇していることから、引き続き管理部門の業務効率化やコストコントロールを積極的に行ってまいります。2020年度には原油と石油製品を除く商品先物がTOCOMから日本取引所グループ傘下の大阪取引所に移され、総合取引所が発足することから、参加者の増加が期待され、当社グループの得意とするリスク管理手法を用いて収益の最大化及び利益率の好転、資本効率の向上を目指して事業展開を行ってまいります。
今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大については、わが国においても、戦後最大の危機であるとの見方もなされていることから、当社グループにおいても、その経済社会に対する影響を慎重に見極めて、今後の事業展開を行っていく必要があると考えております。また、今後起こりうる別種のウイルス等による感染拡大や自然災害に対しての想定も必要となってくると考えております。
なお、当社グループは、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う暫定的な措置として、非常事態宣言が出された4月には在宅勤務を原則とし、出社を許可制にしておりました。政府の自粛緩和等を受け、現状においては、在宅勤務を週2日とする体制をとっております。
社員の安全を第一とし、社内執務ゾーンにおける濃厚接触状態を回避し、社内感染を防ぐためにもフリーアドレス性を活用した執務スペースの確保やアクリルパネルの設置等を実施しております。今後はオンライン化されていない業務の一層のオンライン化について体制を整えていくことが急務であると考えております。
上場企業として、再生可能エネルギー関連事業、電力取引関連事業を展開し、グループ内に顧客資産の運用に携わる事業会社を擁する当社グループは、極めて公共性の高いビジネスの担い手であると強く認識しております。よって役職員一人一人に高いモラルが求められており、当社グループの全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を求めると共に、誓約書を提出させております。コンプライアンスについては、継続的な啓蒙活動とチェックが必要であり、引き続きその徹底を図ってまいります。
当社グループでは、事業別に業務上の全てのデータにアクセス権を設定するだけでなく、情報にアクセスする場所やデバイスにおいても制限を施すことで、情報漏洩のリスクを低減させる取り組みを行っております。
その上で、役職員の高い意識が重要であるとの認識のもと、役職員全員を対象としたサイバー攻撃に関する訓練や研修を定期的に実施しております。
今後も継続して役職員の啓蒙、意識の醸成に努めてまいります。
「新たな事業への挑戦」に記載のとおり、当社グループの事業は複数で構成されているため、既存株主や投資家からそれぞれの事業が分かり難いとの意見を頂いております。IRについては、近年、個人投資家説明会の開催や、四半期決算の補足説明資料開示、株主通信の充実等の取り組みに加え、2020年3月期は既存の月次開示に当社グループが保有する発電所の売電状況を加え、またオンライン決算説明会の開催、第三者機関による当社のレポート作成を実施し、事業全体の関連性及び状態をより分かり易く可視化に努めてまいりました。今後もIRの一層の充実に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績に与えうる影響の程度は発生の蓋然性等に鑑みて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。当社グループは、これらの重要なリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、これらのほかにも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクを表すものではありません。当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、創業以来培ってきたノウハウを活用し、金融事業と総合エネルギー事業を展開しております。
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移し、10月には延期されていた消費増税がスタートしました。世界に目を転じると、各国・地域間の通商問題の動向、中国及び東アジア諸国の政治・経済の先行き、英国のEU離脱問題、中東の地政学リスクの高まり、及びそれらに伴う金融資本市場の変動など、世界経済の先行きが不透明な状況ではあったものの、世界的に緩和基調の金融政策が継続される中、企業業績の更なる伸長が期待されて米NYダウは最高値を更新しました。しかしながら、年が明け新型コロナウイルス感染症が世界中に瞬く間に伝播すると、外出規制・都市封鎖等の措置が取られ、世界中の経済社会活動が大幅に抑制されることとなり、世界の株価も暴落し、わが国でも、12月末に前期末比10%以上上昇していた日経平均株価が、当連結会計年度末には、前期末比10%以上下落し18,917.01円となりました。今後の内外経済の先行きについては極めて不透明であり、当面は、この新型コロナウイルス感染症が市民生活、経済活動に与える影響は引き続き大きいものと判断せざるをえません。
当連結会計年度のセグメント毎の経営環境は以下のとおりです。
原油価格は、中東情勢の不透明さを要因として、前期から引き続き上昇して始まりましたが、米中貿易戦争による景気減退懸念から下落に転じました。9月にサウジアラビアの石油施設が攻撃されたことを受け、ブレント原油は、上場以来一日の最大の上げ幅を記録しましたが、その後は急反落し、10月には再び安値圏での取引となりました。その後、OPECの減産拡大合意などを理由に堅調に推移していましたが、第4四半期連結会計期間に入ると新型コロナウイルス感染症の影響で需要が急減した上に、サウジアラビアが増産を表明したため、3月には大幅に下落しました。安全資産と目された金も大幅に下落しましたが、その後は急激に値を戻し、高値圏での乱高下となりました。
再生可能エネルギーを取り巻く環境については、改正FIT法に基づき、2019年度の太陽光発電のFIT価格は14円(税抜)、2020年度は12円(税抜)となり、入札制度の対象も出力500kW以上の設備から250kW以上の設備にまで拡大されました。また、未稼働案件に対して運転開始期限設定を義務化する新たな仕組みも定められました。
また、既存案件については、当社グループの保有する太陽光発電設備も稼働する九州電力管轄内において、電力需給バランス維持、電力の安定供給の必要性により、出力抑制が発令されました。今後は他の電力管轄内においても発令される可能性が想定されます。
FIT価格は制度スタート時の40円(税抜)から大幅に低下し、前述の様にFIT制度自体についても見直しが行われていますが、「パリ協定」や「持続可能な開発目標(SDGs)」、「RE100(事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的なイニシアチブ)」など、世界的に推進されている脱炭素社会を目指す動きが、わが国においても、ようやく広がりを見せてきています。新型コロナウイルス感染症の影響で世界経済に不透明感が高まっていますが、SDGs等を重視する流れは一層進むものと考えられ、再生可能エネルギーの重要性も増すことが見込まれます。
電力市場においては、2016年4月の電力小売全面自由化以降、小売電気事業者の事業者数及び切替件数は、共に順調に増加しています。一方、電力価格については、天候不順等による価格変動リスクが高まっており、小売電気事業者や発電事業者の経営においても、電力市場価格の「リスク管理」の重要性が認識されており電力取引のヘッジニーズが高まってきています。
経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
※「法人税等合計」には、「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を含みます。
※「特別利益」、「特別損失」、「法人税等合計」の「増減の主要因ほか」の数字は増減ではなく、実数値を表して
います。
当社は、2019年4月1日付で、アセット・マネジメント事業のさらなる発展のため、ASTAM社の株式の一部をヤフーに追加譲渡し、944百万円の特別利益を計上いたしました。これにより、当社のASTAM社株式の持株比率は49.9%となり、ASTAM社は当社の持分法適用関連会社となりました。
また、詳細は後述しますが、2020年3月期に主に以下のとおり減損処理等を行い、合計229百万円の特別損失を計上いたしました。
① 2018年3月期以降出資している地方創生関連事業(その他事業):98百万円
② 2020年3月期に新たに取得した株式(電力取引関連事業):69百万円
③ 海外取引所の会員権(ディーリング事業):34百万円
④ オフィスリニューアル費用(グループ全体):25百万円
さらに、アストマックス株式会社における、ASTAM社株式の一部譲渡が実現したこと等を受けて、繰延税金資産95百万円を取り崩したこと等により法人税等調整額103百万円を、また、アストマックス連結納税グループとして法人税等268百万円をそれぞれ計上しております。
セグメント毎の経営成績及び取り組み状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.「その他」は、地方創生事業など、報告セグメント化されていない事業を示しています。
2.「調整額」のマイナスの増加は、ASTAM社の非連結化に伴い当社で負担する管理コスト等が増加する等、
全社費用が増加したことによります。
前述のとおり、2019年4月1日付で、当社はアセット・マネジメント事業を主として営むASTAM社株式の一部をヤフーに追加譲渡したため、当社のASTAM社株式の持株比率は49.9%となり、ASTAM社は当社の持分法適用会社となりました。したがって、第1四半期連結会計期間よりアセット・マネジメント事業の営業収益はAFM社の数字のみを表しております。
AFM社においては、学校法人東京理科大学が主に出資する大学発ベンチャーキャピタルファンドの営業者としてファンド運営業務等を担い、投資金額の順調な積み上げを継続しておりますが、2020年3月末には新たなファンドの運用業務も受託することとなりました。
ASTAM社においては、日本の株式への連動又は逆連動を目指すファンドやスワップ取引を対象としたファンドからの資金流出に加え、公募投資信託「WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション/ショート・ポジション/マネー・ ポジション)」の満期償還等を受け、運用資産残高合計は6月末時点で前連結会計年度末比295億円減少の3,878億円となりました。7月から8月の運用資産残高はほぼ横ばいで推移したものの、9月末にかけてはスワップ取引を対象としたファンドで投資家の利益確定の解約の動きがみられたことなどから9月末時点の運用資産残高は前連結会計年度末比571億円減少の3,602億円となりました。10月以降も米ドルへの連動又は逆連動を目指すファンドからの資金流出などを受けて、12月末時点の運用資産残高合計は前連結会計年度末比709億円減少の3,464億円となりました。2020年1月以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて金融市場は値動きの荒い展開が続く中、スワップ取引を対象としたファンドや米ドルへの連動を目指すファンドからの資金流出等もあり、当連結会計年度末の運用資産残高は前連結会計年度末比1,069億円減少の3,103億円になりました。全体として運用資産残高が前年同期間を下回る水準で推移し、報酬率が相対的に高い運用資産残高の減少等を受けて運用資産全体の報酬率も前年同期間と比較して低下したことから、ASTAM社の営業収益の総額は、前年同期間比で減少しました。
以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は100百万円(前年同期間比1,873百万円(94.9%)の減少、持分法適用関連会社となったASTAM社の営業収益は含まず)となり、6期ぶりに27百万円のセグメント損失(前年同期間は168百万円のセグメント利益)となりました。
ASTAM社では、前述のとおり、当連結会計年度を通じて、ファンドの満期償還と機関投資家の解約の動きが続きましたが、低金利が継続している現状の金融市場環境においては、各機関投資家の資産運用ニーズをより的確に捉えることが従来にも増して重要であり、こうしたニーズを十分に把握した上で、外部運用機関との協働も含め、機関投資家の運用成果に貢献しうるファンド組成をタイムリーに行っていくことに注力しております。同時に投資信託の販売会社等との協業も強化することによって運用資産残高の積み上げに努め、収益基盤の拡充にも取り組んでいます。また、ASTAM社ではこれまでの主力事業である機関投資家向けビジネスに加え、個人投資家向けビジネスについても一層の強化を図るべく、投資未経験者を含む個人投資家の皆様に向けて、対面型営業による長期積立型投資信託事業及びヤフーとの協働によるファイナンシャル・テクノロジーを活用した個人投資家の長期資産形成に貢献できる事業を全力で展開し、引き続きASTAM社の企業価値向上を目指しております。
当事業は、ASTRA社が推進し、TOCOM、CME、ICE等、国内外の主要取引所において商品先物を中心に、株価指数等の金融先物を取引対象とした自己勘定取引を行っております。
前述の市場環境の中、原油市場では市場間の値差を利用した裁定取引で期間を通じて一定の収益を確保することができました。一方、貴金属の裁定取引では、第1四半期連結会計期間は値鞘の拡大が一方的な展開となり、損失が発生しました。第2四半期連結会計期間以降、貴金属でも裁定取引の機会が増加し利益を上げることができたものの、3月に入り新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延から取引所間の価格体系が崩れ再び損失を被りました。
以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は426百万円(前年同期間比58百万円(12.1%)の減少)、セグメント損失は56百万円(前年同期間は10百万円のセグメント利益)となりました。
なお、当事業のセグメント損益には含まれておりませんが、ASTRA社が保有する海外取引所の会員権の価格が簿価から50%以上下落したため、評価損34百万円を特別損失として計上いたしました。また、既に開示しておりますとおり、株式会社日本取引所グループが実施しておりましたTOCOMの株式の公開買付は終了し、ASTRA社が保有するTOCOMの普通株式及び無議決権株式は全て買付けられ68百万円の特別利益を計上しました。
当事業では、今後も引き続き経費節減に努めると同時に、ディーリング資金の効率的な運用を行い、取引所の組織や制度変更にも適切に対応し、引き続き収益力の回復を目指してまいります。なお、海外投資家へ開放された中国の先物取引市場については、第3四半期連結会計期間より取引を開始しております。
当事業は主にASTRA社及びアストマックスえびの地熱株式会社(以下、「えびの地熱社」という。)が推進しております。再生可能エネルギーを取り巻く環境は冒頭のとおりですが、当事業は、企業理念と行動指針に基づき、エネルギー問題、気候変動問題を中心とした環境への取り組みにより、世界が「持続可能な開発目標(SDGs)」によって目指していく社会の実現に貢献したいと考えております。わが国のエネルギー基本計画に沿って、2030年までに最大年間66,000トン(太陽光発電100MW相当)のCO2削減を目指すとともに、再生可能エネルギーの導入及び拡大に寄与する方針であり、以下のとおり、継続的に再生可能エネルギー発電所の開発、取得、発電及び電気の供給(発電事業)、維持・運営管理(O&M事業)を行っております。
(太陽光発電事業)
当事業では、引き続き、以下の①を開発中であることに加え、建設中であった案件③は2019年11月に、②は2020年3月にそれぞれ完工し、運転を開始いたしました。これにより、当事業が従事した完工済みの案件は合計31.4MWとなり、今後着工する案件は以下の①のとおり、1箇所、2.1MWになります。
改正FIT法の施行、競合他社の参入、優良案件の減少等、案件確保が容易ではない事業環境ではありますが、当事業では、長年にわたり培ってきた優良案件を見極める力とネットワークの力を活用して、引き続き、太陽光発電設備の自社開発に加え、未稼働ID(FIT認定済みの運転未稼働案件)及びセカンダリー市場(完成した発電所の売買市場)での案件確保に取り組むと共に、保有している既存発電設備についても、譲渡を行うこと等を含めて、事業ポートフォリオの一部入替を検討する等、期間利益を確保しながら、事業採算性の向上にも取り組んでまいります。
自社開発(建設中):
① 栃木県大田原市 出力規模:約2.1MW 2024年5月完工予定
稼働後はASTRA社による管理・オペレーション業務を行います。
自社開発(運転開始):
② 茨城県石岡市 出力規模:約0.3MW
2020年3月に完工し、運転開始となりました。
③ 鹿児島県霧島市 出力規模:約2.2MW
既に開示しておりますとおり、2016年10月に着工となりました本案件につきましては、当社グループとしての事業リスクを限定するために、SPC(特別目的会社)及び匿名組合契約(ASTRA社を出資者とし、SPCを営業者とする契約)を使った投資スキームを利用しており、2016年12月16日付にて太陽光発電設備を設置する合同会社に対し出資をしております。稼働開始は、2018年3月を見込んでおりましたが、工程が変更となったため、2019年11月末に稼働開始となりました。稼働後は、ASTRA社による管理・オペレーション業務を行っております。
セカンダリー市場:
新たな案件についても精査を行っております。
ポートフォリオの入替:
既に開示しておりますとおり、2019年9月30日付にて太陽光発電設備合計約3.0MW(岩手県内約0.9MW、埼玉県内約0.9MW、岡山県内約1.2MW)を譲渡し、売上総利益53百万円を計上しております。なお、譲渡後もASTRA社による管理・オペレーション業務を行っております。
(地熱発電事業等)
当事業では、ベースロード電源である地熱を利用した発電事業の取り組みも進めております。
宮崎県えびの市尾八重野地域では、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構による「地熱資源開発調査事業費助成金交付事業」の採択を受け、2MW規模の地熱発電の事業化を目指して、2016~2018年度に3本の調査井掘削を完了し、1・3号調査井については自噴を確認、2号調査井については熱水資源の還元ゾーンとしての十分な能力を確認してまいりました。
この結果を受け、事業規模の計画拡大及び、最大49%までの範囲による第三者からの事業参画をより容易にすることを目的に、2019年5月7日にASTRA社からの新設分割によりえびの地熱社を設立し、宮崎県えびの市の地熱事業の全てを承継いたしました。その後、2020年3月16日付でえびの地熱社の事業損益の10%を分配する匿名組合契約を大和エナジー・インフラ株式会社(代表取締役社長:松田守正、本社:東京都千代田区丸の内一丁目9番1号)と締結しております。なお、匿名組合出資と損益分配の開始は発電所の運転開始時となります。
えびの地熱社は、2019年度助成事業として4号調査井を掘削しており、2020年3月に自噴を確認し、2020年4月まで順調に仮噴気試験を継続しました。
本件に関しては、九州電力株式会社主宰の電源接続案件募集プロセス(2015年4月に設立された電力広域的運営推進機関により新たに規定されたルールであり、発電設備等を電力系統に連系するにあたり、系統連系希望者により工事費負担金を共同負担する手続)が続いておりましたが、2019年7月に募集プロセスが完了したため、その後工事費負担金契約を締結しております。今後は、4号調査井の仮噴気試験結果の解析を行い、計画規模に合わせた追加の系統確保の調整を含め、引き続き事業化に向けて取り組んでまいります。
再生可能エネルギー関連事業では、前連結会計年度に続き地熱開発を含む発電所の開発に係るコスト(建設コストを賄うための銀行借入に対する諸手数料や金利負担等)を負担しております。九州地方では春に加え冬季も出力抑制が複数回発令された他、夏には長雨による日射量不足に見舞われましたが、前述のとおり、ポートフォリオの入れ替えを行ったことや、売却目的で保有している太陽光発電設備の売電収入もありセグメント利益を増加することができました。
以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は1,580百万円(前年同期間比1,004百万円(174.4%)の増加)、セグメント利益は34百万円(前年同期間比27百万円(350.8%)の増加)となりました。
当事業は、小売電気事業者等を対象にシステム及び付帯サービスを提供するAES社と、小売電気事業者であり、日本卸電力取引所の会員でもあるASTRA社の協業により推進しております。
2016年4月の電力の小売全面自由化以降、600件を超える小売電気事業者が設立され、小売電力の販売シェアを伸ばしています。当事業では、小売電気事業者をサポートするために、需給管理業務を中心とした業務代行サービスの提供、電力取引の提供、電力小売事業用システムの販売協力及びサポートサービスの提供を行っております。
また、2018年10月にはASTRA社のガス小売事業者登録が完了し、商品ラインナップの1つとしてガス小売事業を開始するべく準備を行っております。
(電力事業)
当事業の内、業務代行及びシステムサポートについては、既存顧客へのサービスの提供により収入を確保しながら、引き続き新規取引先を増やすべく、顧客ニーズにあったきめ細かいサービスの提案を行っております。当連結会計年度には新たに3件の契約を獲得することが出来ました。
電力取引については、顧客の電力調達ニーズ、価格変動リスク及び電力市場の需給状況等を考慮し、電力先渡取引を行うと同時に、電力取引における価格変動リスクを抑える目的でデリバティブ取引である電力スワップ取引、2019年9月よりTOCOMに新規上場された電力先物取引にも取り組んでおります。前連結会計年度に続き顧客開拓を続けた結果、当連結会計年度には合計15件の新規取引先を獲得し、加えて冬季の電力ヘッジ取引も活発化したことにより、営業収益と営業費用はともに大幅に増加しました。会計上現物取引である上記電力先渡取引については、時価評価の対象ではなく、確定損益のみが損益計上されています。電力取引は年度を越えて長期契約する可能性があり、また、電力価格と取引量には季節性があることから、月次及び四半期の損益変動幅が拡大する可能性があります。
電力取引の増加及び多様化に伴うリスク管理の重要性が増加していることに鑑み、当社グループでは、リスク管理体制の強化も推進しております。
(ガス事業)
当事業では、引き続き事業の開始に向けて、パートナー候補である複数の企業と交渉を行っております。早期の事業開始を目標とし、第4四半期連結会計期間以降においても各企業との契約締結に向けて、取り組んでまいります。
以上の結果、電力取引関連事業の当連結会計年度は、前述のとおり、業務代行サービスの顧客増加や電力販売の増加により、営業収益は9,723百万円(前年同期間比1,655百万円(20.5%)の増加)となり、当事業開始以降初めて、18百万円のセグメント利益(前年同期間は14百万円のセグメント損失)となりました。
なお、当事業のセグメント利益には含まれませんが、当事業の今後の戦略の一環として2019年12月に一般事業会社に200百万円の出資を行いましたが、当連結会計年度末における将来見積もり可能なキャッシュ・フローに基づき評価を行った結果、69百万円の特別損失を計上いたしました。
当事業は報告セグメントとして独立しておりませんが、2020年3月期に減損損失を計上したこともあり、事業の状況について説明いたします。
当事業は北海道長万部町で実施されている「長万部地方創生事業」において、「町と東京理科大学の連携による再生可能エネルギーを活用した先進的アグリビジネス事業」の確立を目指し2017年11月に設立された長万部アグリ株式会社(以下、「アグリ社」という。)が主に推進しております。当社グループはアグリ社の設立当初より出資しておりましたが、2018年6月にアグリ社の第三者割当増資を引き受けアグリ社は当社の子会社となりました。
アグリ社では、サンゴ砂礫及び焼成したホタテ貝殻のアルカリ培地を利用してミニトマトを生産し2年が経過しました。2020年2月にはアグリ社のミニトマト「ENRICH MINI TOMATO(エンリッチミニトマト)」が、一般財団法人格付けジャパン研究機構が主催する格付け認証により、ミニトマト部門において、「データプレミアムNo1」を取得する等、一定の成果が出てきております。しかしながら、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、アグリ社の保有する固定資産について投資額の回収可能性を検討した結果、収益性の低下が見られたため98百万円の減損損失を計上いたしました。2020年度はこれまでの経験を活かし生産の安定と、格付け認証取得を活用し販路の拡大を進めてまいります。
また、当社グループが現在のオフィスに入居し丸10年を前に、ASTAM社が社屋を移転したこと及び、残るレイアウトと設備が経年劣化していたことを受けて、「中期ビジョン」の1つとして掲げていた「人財育成力・組織力の強化」を実現するため、発想力を高め、コミュニケーションを取りやすく且つ働きやすいオフィスへリニューアルすることといたしました。2020年3月末までに新たなオフィスに生まれ変わりましたが、これに伴う残存設備の償却等により25百万円の特別損失を計上いたしました。
なお、上記セグメント利益又は損失は当該連結会計年度の経常利益又は経常損失と調整を行っており、連結会社間の内部取引消去等の調整額が含まれております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,788百万円(前年同期間比11.3%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主として、たな卸資産(売却目的で取得した太陽光発電設備)の減少による収入(649百万円)、税金等調整前当期純利益による収入(613百万円)、非資金項目である減価償却費(378百万円)、関係会社株式売却益(△944百万円)等により、669百万円(前年同期は△61百万円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として地熱発電事業及び太陽光発電事業に係る有形固定資産の取得による支出(△1,021百万円)、定期預金の預入による支出(△680百万円)等により、△1,693百万円(前年同期は△478百万円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主として短期借入金による収入(短期借入金の返済による支出との純額は853百万円)等により、669百万円(前年同期は239百万円)となりました。
当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当社グループのアセット・マネジメント事業、ディーリング事業は生産・受注といった区分が困難であるため、「生産・受注及び販売の状況」に代わり「営業収益の状況」を記載しております。また、同様の理由で「主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」について記載をしておりません。
以下の表は、当連結会計年度の運用資産残高の状況を示したものです。
以下の表は、東京商品取引所の総取引高における自己勘定投資事業の取引高の比率の推移を示したものです。
(注) 1 上記に記載した取引所における総取引高は、東京商品取引所発表の取引高を記載しております。
2 上記は、当社グループにおける東京商品取引所での自己売買取引の比率を記載しておりますが、それ以外にも国内取引所や海外取引所において取引を実施しております。
以下の表は、当社グループが保有する太陽光発電所の発電実績を示したものです。
(注) 1 環境省の制定する「CO2削減効果算定マニュアル」に基づき算出しています。
CO2排出係数(代替値):0.55kg-CO2/kW
2 譲渡目的で所有している発電所は一覧から除いています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、連結営業収益は11,932百万円(前期比811百万円の増加)、営業費用は12,098百万円(前期比1,138百万円の増加)、営業損失は166百万円(前期は160百万円の営業利益)、経常損失は185百万円(前期は130百万円の経常利益)となりました。営業収益及び営業費用の増加は、主として電力取引関連事業において、電力の販売と仕入れが増加したことによるものです。また、ASTAM社の非連結化に伴い当社で負担する管理コスト等が増加する等、全社費用が増加したことは営業損失となった要因の一つです。
一方、ASTAM社の株式をヤフーに一部追加譲渡したこと及び東京証券取引所グループによるTOCOM株式に対するTOBに応諾したこと等による特別利益合計1,028百万円や、地方創生関連や新規に取得した株式等を含む減損等により合計229百万円の特別損失を計上したため、税金等調整前当期純利益は613百万円(前期比406百万円の増加)となりました。法人税等合計は371百万円(前期は△20百万円)、非支配株主に帰属する当期純損失が2百万円(前期は59百万円の純利益)となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は243百万円(前期比75百万円の増加)となりました。
中期ビジョンの計数目標として、計画最終年度の2020年3月期における「配当後株主資本60億円程度」、「連結営業収益45億円以上」、「連結ROE8%以上」を目指しておりましたが、このうち連結営業収益については、電力販売の増加により2018年3月期の時点で大幅に超過し、2020年3月期には119億円となりました。配当後株主資本については、中期ビジョン開始前の2016年3月期の44億円から2017年3月期は53億円、2018年3月末は54億円と順調に推移しましたが、以降は3期にわたる特別配当の実施や自己株式の取得を実施したこと等の影響もあり、最終年度の2020年3月期も54億円にとどまりました。連結ROEについては、2018年3月期と2019年3月期は3%台、2020年3月期は4.5%となりましたが8%を超えることは出来ませんでした。
再生可能エネルギー関連事業では、当連結会計年度においても、保有する太陽光発電所の売電収入に加え、ポートフォリオの入替を目的とした保有する太陽光発電所の設備譲渡等により事業採算性の改善を図りセグメント利益は、34百万円(前年比27百万円(350.8%))となりました。
2014年度から着手している宮崎県えびの市で進めている地熱発電事業は、4本の調査井の掘削および仮噴気試験が完了しております。2019年5月には今後の事業規模の拡大を目指すことを前提に、最大49%までの範囲にて第三者からの事業参加を想定し、パートナー企業の参画をより容易にすることを目的に、宮崎県えびの市の地熱事業を新たに設立したえびの地熱社に承継させる新設分割を実施いたしました。2020年3月にはえびの地熱社の事業損益の10%を分配する匿名組合契約を大和エナジー・インフラ株式会社と締結しました。なお、匿名組合出資と損益分配の開始は発電所の運転開始時となります。
電力取引関連事業においては、顧客の電力調達ニーズが多様化してきたこと等も受け電力取引も活発化してきており、営業収益は前連結会計年度比20.5%と前年に続き増加しました。電力販売量に見合う電力仕入れも大幅に増加したことから、電力仕入による営業費用も増加しておりますが、盛夏や冬の電力需要増加により取引が活発化したことにより、年間を通した黒字化を達成し、18百万円のセグメント利益となりました。
アセット・マネジメント事業は、ASTAM社の非連結化により営業収益は前連結会計年度比94.9%減少しました。また、ASTAM社における運用資産の大幅減少に加え運用資産全体の報酬率が前年同期間比で低下したこと等から27百万円のセグメント損失となりました。
ディーリング事業における営業収益は前連結会計年度比12.1%減少となりました。当事業においては、株式市場や仮想通貨、FX市場等への資金流入が続いたことの影響もあり、引き続き国内商品先物価格の市場変動率が相対的に低い状況であったこと等、厳しいビジネス環境にあったとの認識を有しております。加えて新型コロナウィルス感染症発生当初の影響による市場の混乱で損失を被ったことにより当期は56百万円のセグメント損失となりました。
なお、当連結会計年度の経営成績と事業の種類別セグメント情報の詳細やその背景となる当社を取り巻く環境等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
引き続き積極的に経営資源を投入し、太陽光発電事業の更なる拡大と地熱発電事業等への取り組みを継続しております。同事業は、市場の変動の影響を受けにくい安定収益源として営業収益への貢献が期待できる一方で、「事業等のリスク」に記載の通り、不測の事態が生じた場合は、同事業の業績にマイナスの影響を与える可能性があります。
同事業においては、国内における電力契約の切替ニーズの変化や小売電気事業者数の増減等が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、システムや業務代行サービスを利用する顧客数及び顧客の取り扱う電力量が経営成績に影響を与えることとなります。
ASTAM社では顧客層の拡充・事業基盤の拡大に努めてはおりますが、依然として、債券市場・外国為替市場・株式市場・商品市場等の動きによっては、投資家による利益確定または損失限定のための投資行動などにより解約が集中することで、同事業の業績が影響を受ける可能性があります。また、ASTAM社における信託報酬率の低下傾向が今後も続くような場合も同事業の業績に影響を与える可能性があります。なお、個人投資家を対象とする長期資産形成の事業は、一定規模の事業規模を達成するためには、時間を要する事業と認識しております。
当連結会計年度においては、一時的に商品先物価格の市場変動率上昇することはありましたが、東京商品取引所の取引は総体的に保合相場となることが多く、ディーリング事業にとって取引機会が少ない展開が続いておりました。同事業においては、今後も同取引所における出来高の大幅な減少や市場変動率の著しい低下などの市場環境によって、同事業の業績が大きく影響を受ける可能性があります。一方、2019年度に実施された日本取引所グループにおける本邦先物取引所の再編により、貴金属を中心とする銘柄は2020年度に日本取引所へ移管されることが予定されており、移管された際は市場参加者の増加と流動性の向上が期待され、同事業の業績が大きく影響を受ける可能性があります。
当社の経営者は、現状の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社を取り巻く経営環境は、依然として、内外の金融商品市場及び商品先物市場等の動向等の諸経済情勢により大きく影響を受けるものとなっております。このため、金融商品市場及び商品先物市場等に関する情報を幅広く入手し、市場動向に迅速に対応すべく努力する一方、前述のとおり、当社グループの事業について、市場動向の影響を受けにくい体質への改善を進めております。また、上記のほか我が国の再生可能エネルギー等に対する政策の動向も踏まえつつ、業績と事業計画に大きな乖離が生じる可能性がある場合には、事業計画を抜本的に見直すことも含めて、環境変化への対応を適切に行ってまいります。
当連結会計年度における総資産は、霧島福山太陽光発電所(太陽光発電設備)の完工を主な要因とした機械及び装置(純額)の増加(537百万円)及び太陽光発電事業と地熱発電事業の推進に伴い建設仮勘定の増加(431百万円)等により、13,526百万円(前年同期比2.7%増)となりました。
負債は、主に太陽光発電事業及び地熱発電事業の推進に伴う短期借入金の増加(838百万円)及び主に地熱発電事業における未払金の増加(348百万円)等により、7,827百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
純資産は、非支配株主持分の減少(265百万円)及び自己株式の取得に伴う減少(122百万円)等により、5,699百万円(前年同期比4.9%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,788百万円(前年同期間比11.3%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主として、たな卸資産(売却目的で取得した太陽光発電設備)の減少による収入(649百万円)、税金等調整前当期純利益による収入(613百万円)、非資金項目である減価償却費(378百万円)、関係会社株式売却益(△944百万円)等により、669百万円(前年同期は△61百万円)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として地熱発電事業及び太陽光発電事業に係る有形固定資産の取得による支出(△1,021百万円)、定期預金の預入による支出(△680百万円)等により、△1,693百万円(前年同期は△478百万円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主として短期借入金による収入(短期借入金の返済による支出との純額は853百万円)等により、669百万円(前年同期は239百万円)となりました。
再生可能エネルギー関連事業における資金需要については、主としてプロジェクトファイナンスによって投資資金を確保することを想定しております。なお、手元流動性を超える資金需要の増加が見込まれる場合におきましては、銀行借り入れ等による財務活動を通じた資金調達も視野に入れております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に基づき、収益性が著しく低下した資産又は資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
なお、当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(98,709千円)を計上しております。」
該当事項はありません。
該当事項はありません。