第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社経営の基本方針

企業の社会的ニーズ、社会の変化するスピード、そして企業を取り巻く諸環境に対して、当社グループの取り組み姿勢をより明確にするため、当社グループの基本理念は、ミッションとして「私達の未来を考える ~すべては持続可能な社会のために~」、ビジョンとして「変化をとらえ、進化につなげる」、バリューとして「SPIRIT of Challenge」の3構成として2020年3月期に再構築しました。

使命・存在意義であるミッションは「私達=社会の一員」であるという認識の下、持続可能な社会の実現を目指すために、絶えず未来を考え続けることが私達の使命であり、存在意義であるとの考えを持ち続けることが重要であると考え、「私達の未来を考える ~すべては持続可能な社会のために~」としました。

近未来の姿であるビジョンについては、今、必要なことは変化の波を的確にとらえ、その大きさ、方向性そして速さを認識することであるとの考えをもとに、独自性を発揮しつつ、自らも変化していかなければならないこと、そして私達の未来は変化に富み、予想しえない事象が起こりうることを認識することが重要であり、これまで以上に、「変化をとらえ、進化につなげる」企業にならなければならないとの思いを込めて定めました。

そして、私達は、変化をとらえるために必要とするバリュー(価値観)を明確にし、それらのバリューを発揮することによって変化に対応していくことができると考えました。常にチャレンジ精神を持ちバリューを発揮していくことを役職員全員がしっかりと認識することを目的に「SPIRIT of Challenge」を当社グループのバリューとして掲げました。以下8項目がバリューの構成要素です。「Speed:迅速性」「Professionalism:専門性」「Integrity:高潔な倫理観」「Responsibility:当事者意識」「Imagination:想像力」「Toughness:タフネス」「Challenge:挑戦」「Leadership:リーダーシップ」

これら「ミッション・ビジョン・バリュー」の下、当社は創業以来、培ってきたノウハウを活用し、総合エネルギー事業と金融事業の積極的な展開に取り組むと共に、安定的に収益を確保できる事業基盤の拡充を目指し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーに対する一層の付加価値の提供を進めてまいりたいと考えております。また、事業活動を通じ幅広い人財を育成すると共に、経済合理性と強い倫理観を併せ持った企業活動及び社会活動を行ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、資本政策の重要性を十分認識し、株主資本を効率的に活用することによって、強固な財務基盤を構築し、併せて期間収益の安定的確保を目指してまいりたいと考えています。

持続的成長性を測る手段として継続的な「株主資本の増加」を第一に考え、1株当たりの純資産の増加を目指し、加えて「フリーキャッシュ創造力」及び「投資効率」についても重視してまいります。

また、資本コストと資本収益性の状況を分析し、資本コストを上回る収益性を確保できる収益構造の構築を目指してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を事業活動の基本に位置付けております。それは、個々の企業の存続だけでなく、社会全体の持続的な発展が求められている中で、当社グループのビジネスモデルが、その実現のための価値提供を果たすことができると考えているからです。

当社グループは、創業から続くアセット・マネジメント事業とディーリング事業による資産運用中心の事業展開から、収益源の多様化を図るべく2012年の太陽光発電事業参入を機に再生可能エネルギー関連事業を徐々に拡充させ、さらに2016年には電力取引関連事業、そして2020年には小売事業への参画等により、「総合エネルギー事業会社」を目指してまいりました。事業及び社会環境、ビジネスモデル、技術等の変化のスピードは従来にも増して加速化しており、当社グループは、電力を中心とした総合エネルギー事業をより発展させていく所存であります。

加えて、当社は、持続可能な社会の成長に資する脱炭素社会の実現を視野に、エネルギー資源の有効活用を図ると共に、効率的かつ利便性に優れたサービスの提供者にならなければなりません。そのためには当社グループの事業領域における近未来のサービスの在り方をいち早く見極め、必要な外部パートナーとの提携等をより広げ、システム人財・IT人財の確保、プラットフォームの確立に向け、経営資源を集中する必要があると考えております。

これらを具体的に進めるにあたり、当社グループは、「(4)対処すべき課題 ①新たな事業への挑戦と事業モデルの構築」に記載のとおり「中期ビジョン2025」を策定しております。

 

(4) 対処すべき課題

当社グループは今後更なる事業及び収益の持続的拡大を図るために、以下の課題に取り組んでまいります。

(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 新たな事業への挑戦と事業モデルの構築

当社グループは、祖業のアセット・マネジメント事業、ディーリング事業に加え、そのノウハウを活かし2012年度以降、再生可能エネルギー関連事業や電力取引関連事業を展開しております。2021年3月期には既存ビジネスをさらに拡充するために小売事業(電力・ガス)を立ち上げましたが、今後も社会の変化のスピードに遅れることなく、社会的要請及び時代の方向性に即するために、一歩先の動きを見据えた事業展開をさらに進めていく必要があると考えております。

これを実現するために、当社は、2021年11月に、2022年3月期から2025年3月期までを対象期間とする「中期ビジョン2025 事業の深化と進化」を策定いたしました。2022年9月に創業30周年を迎えた当社グループは、本中期ビジョンにおける3年半を第2の創業期と捉え、総合エネルギー事業会社への変革を加速化させ、会社の飛躍的な成長を図ってまいります。

 

優先して取り組む事項は以下の6項目です。

 1. 『電力利用の新しい日常』を創造

 2. 電気は『つくって、ためて、賢く使う』時代を先取り

 3. 蓄電池を活用した事業・ビジネスの拡大

 4. 地域電力設立の支援強化(地域脱炭素化の支援)

 5. 小売電気事業者様向けマネジメントサービス提供型ビジネスの一層の拡大

 6. ファンド等を活用した資金調達による再生可能エネルギーや蓄電池など脱炭素

   (カーボンニュートラル)社会に向けたインフラ投資の推進

(6.については2024年3月期の期首より、事業環境に鑑み「優先して取り組む事項」から除外いたしました)

 

これらの取り組みを推進するにあたり、所有する資産から収益を得るアセット型事業から電力に係る需給管理やリスク管理等各種マネジメントやオペレーションにより収益を得るノンアセット型の事業により重心を移していくことを指向しております。とりわけ、蓄電池については、脱炭素社会に向けて急速に拡大する再生可能エネルギーを効果的に活用するために重要な分野と認識しており、2021年2月より大型蓄電池を用いたエネルギーマネジメントサービスの提供を開始しております。

これらマネジメント/オペレーションサービスの確立及び継続的発展のためには、現行の電力関連事業(再生可能エネルギー関連、電力取引関連、小売)で培いつつあるノウハウはもとより、これまでディーリング事業で培ってきたトレーディングや各種マネジメント等に係るノウハウや、アセット・マネジメント事業で培ってきたアセットオーナーとのコミュニケーション、新規事業投資等に係るノウハウを最大限活用するとともに、資金調達手段の多様化を図り、より一層のAIの活用等によるDXの推進や、人的資本投資の拡充に取り組んでいくことが必要であると考えております。

なお、2025年3月期における定量的目標として、連結営業収益:200億円以上、税金等調整前当期純利益:7億円以上、1株当たり純資産額:500円以上、の3つを設定しております。

 

② 事業規模の拡大

当社グループは、当社グループのエネルギー事業に係る事業領域を、電力サプライチェーン全体に広げ、より機能的なサービスの提供と収益機会の開拓を図ることを目的に、2020年より小売事業(電力・ガス)に参入しております。当社グループが「総合エネルギー事業」を目指す過程においては、小売電気事業の環境変化により、2022年夏以降、小売電気事業の「特別高圧・高圧」の当社の顧客契約数は増加傾向にあります。電力販売量の増加は電力仕入の増加へと繋がり、顧客数の増加は新たな顧客向けサービスのビジネスチャンスとなる等、当社グループの他の事業にも好影響を及ぼします。引き続き新規顧客の獲得と既存顧客の維持管理を並行して行い、事業規模の拡大を図ってまいります。

 

③ 株主資本の充実と持続的な収益力の確保

総合エネルギー事業をコアとし、金融及び市場取引分野において蓄積したノウハウを活用しつつ、事業展開を進めている当社グループにとって、事業規模の拡大と今後の新しい事業モデルを構築するためには、株主資本を充実させ企業体力を強化させることと持続的な収益力を確保していくことが最も重要な課題であります。事業展開の優先度を重視し、各セグメントに対する経営資源配分の最適化を図り、事業目標の進捗管理の強化と資金効率をさらに向上させることが必要であると考えています。人財育成等を含め、人的資源の一層の活用を通じて収益力の向上に取り組んでまいります。

また、継続的に経費構造を見直し、経費率の改善を同時に進めることも重要であると考えており、引き続きコスト削減を徹底してまいります。

 

④ 効率的かつ機動力のある体制の構築とリスク管理の高度化

上記の目標達成のためには、適材適所の人財配置と業務効率の向上を実現させる組織運営が必要であると考えております。特にDXを推進する上では、システム人財の拡充が課題であると認識しており、外部登用や社内の人財活用も含め積極的に取り組んでまいります。

さらに、市場取引に係るリスク、信用リスク、流動性リスクに加え、セキュリティリスク、自然災害発生及び感染症拡大等に伴う事業継続に係るリスク等、当社グループの事業を取り巻くリスクは、今後、従来想定していない新たなカテゴリーのものも発生しうると考えられます。こうした事業を取り巻くリスクを迅速かつ的確に管理することの重要性を明確に認識し、不測の事態に備えたリスク管理体制の一層の強化に努めてまいります。

 

⑤ サステナビリティに関する考え方及び取組

当社グループは、環境・社会・経済という3つの観点において、持続可能な状態の実現に貢献するため、長期的に良好な企業活動を維持し続けることを、サステナビリティ経営として捉えております。

当社は、この経営方針を推進するため、代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、企業が継続するための課題を分析し、気候変動や人的資本を始めとしたグループ全体の重要課題(マテリアリティ)を特定し、サステナビリティに関する方針を策定するとともに各課題について全社的な取り組みを推進します。取り組み状況やリスク管理状況等については、同委員会より取締役会に報告を行う体制となっております。詳細は、後掲の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 再生可能エネルギー関連事業における事業基盤の拡充

再生可能エネルギー関連事業においては、「持続可能な開発目標(SDGs)」や国のエネルギー基本計画に鑑み、2030年までに最大年間66,000トン(太陽光発電100MW相当)のCO2削減を目指しております。

本事業を取り巻く環境としては、再エネ特措法の改正、競合他社の参入、優良案件の減少等、案件確保が容易ではない状況が引き続き継続することが想定されます。こうした環境下、当社は、長年に亘り培ってきた再生可能エネルギーに係るノウハウとネットワークの力を活用し、固定価格買取制度に頼らない、非FIT太陽光発電設備を用いたPPAの展開にも取り組んでおります。固定価格買取制度上のセカンダリー市場(完成した発電所の売買市場)での案件確保、保有している既存発電設備について譲渡を行うこと等を含め、事業ポートフォリオの一部入替を検討する等、期間利益を確保し、FITモデルから非FITまたはFIPモデルへの転換を図りながら、事業採算性の向上に取り組んでまいります。

その一方で、全国的に太陽光発電設備が増加したことにより、九州地方において春や秋等電力をあまり必要としない時期に出力抑制が課される事態が増加してきており、2022年4月に入ってからは従来出力抑制が実施されていなかった他のエリアにおいても出力抑制が課せられております。また、2022年12月からは九州地方において経済的出力抑制の制度もスタートしております。当社グループはこれまで以上に出力抑制が実施される可能性を十分に認識し、業務効率化や経費見直し等を行ってまいります。

地熱発電事業については長期に亘る事業ではありますが、既に宮崎県において調査井4本の掘削が完了し、そのうち3ヵ所において自噴を確認しており、事業化に向けて着実に前進していると考えております。地熱発電事業は太陽光発電に比べリスクが高いことは認識してはおりますが、再生可能エネルギー関連事業の新たな中核の一つとなるよう、潜在的なリスク検証も含め、パートナー企業とともに取り組みを加速・拡大させてまいります。なお、当初計画の2MW分については、発電設備等を電力系統に連系するための工事費負担金契約を九州電力株式会社との間で締結しており、2026年度の運転開始を予定しております。一方、計画規模拡大後の連系枠については、現行制度においては空き容量が無い状態が続いておりますが、2023年4月1日よりローカル系統におけるノンファーム型接続の受付が開始されるなど、系統利用の在り方については制度変更を含め様々な議論が進められているため、今後の動向を確認しながら引き続き系統確保に向けて、取り組んでまいります。

 

② 電力取引関連事業における収益力強化

電力取引関連事業においては小売電気事業者向けの業務代行の受注に加え、顧客の多様な電力調達ニーズに対応するため電力の仕入・販売に注力してきた結果、着実に当社の収益基盤として成長してきております。しかしながら、事業をとりまく環境は2021年1月の電力需給ひっ迫に加え、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻等によりエネルギー価格が高騰し、電力の仕入価格が販売価格を上回る状況が断続的に発生する等、当社の重要顧客である小売電気事業者にとっては厳しい事業環境となりました。当社といたしましては、AIを用いた電力の需要予測等、質の高いサービスと独自のネットワークを武器として引き続き安定した顧客基盤の拡充を図り、一層の収益力の拡大と事業基盤の強化を目指してまいります。

 

③ 小売事業の事業基盤の確立

当社グループは小売電気事業者を有するAEKK社を2020年4月に買収し、2022年3月期から小売電気事業を積極的に展開しております。しかしながら、前述のとおり、小売電気事業者を取り巻く環境は厳しい状況に変化しており、AEKK社も事業計画の見直しを行っております。このような状況の中、2022年4月から販売を開始した低圧顧客向けの電力プラン「フリープラン」は、電力の価格を変動料金と固定料金を組み合わせ、カスタムメイドな電気プランを実現できるプランであり、特に太陽光発電や蓄電システムを導入し、家庭内のエネルギーマネジメントに関心のある顧客に適しております。フリープランとともに家庭の家電制御とデマンドレスポンスへの対応を可能とするデバイスのモニターサービスも2022年冬から開始しており、これらを組み合わせて使用することで、小売事業の付加価値を高めていきたいと考えております。

高圧及び特別高圧の法人顧客に対しては、大手電力会社が引き受けを停止し、電力プランが実質的に市場連動に切り替わることがアナウンスされたこともあり、当社の「フリープラン」に対する比較優位性があらためて認識され、2022年夏以降顧客数が大きく増加しております。さらなる顧客の獲得に加え、コーポレートPPAや蓄電池の活用等を小売事業とも連携させ、質の高いサービスを提供してまいりたいと考えております。

 

④ アセット・マネジメント事業の収益基盤の拡充

当事業を主として推進しているアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社では、学校法人東京理科大学が主に出資する大学発ベンチャーキャピタルファンドの営業者としてファンド運営業務等を担い、投資金額の順調な積み上げを継続しております。運用対象が拡大するに伴い、この運用業務を適切に行うとともに、ベンチャーキャピタルファンドについては、投資先企業の成長にも寄与できるよう、引き続き努力を継続してまいります。

なお、当社グループのアセット・マネジメント事業を主として担っていたPayPayアセットマネジメント株式会社は、2度の株式譲渡を経て2020年3月期より当社の持分法適用関連会社となって以降、税引後当期純損益のうち当社の持分49.9%相当を営業外損失としてアセット・マネジメント事業のセグメント損益に反映しておりましたが、2022年8月に残る全株式を譲渡したことに伴い、持分法適用関連会社から除外されました。

 

⑤ ディーリング事業の一層の効率化

ディーリング事業は、ここ数年にわたり、取引対象の拡大や取引インフラを整備し収益源の多様化と収益力の拡大を目指してまいりました。当事業は市場環境に左右される側面があり、現状の取引対象市場における市場規模は従来に比べ縮小してきている事実は否めない一方、取引にかかるコストは海外を中心に年々上昇していることから、引き続き管理部門の業務効率化やコストコントロールを積極的に行ってまいります。2020年度には原油と石油製品を除く商品先物が東京商品取引所から日本取引所グループ傘下の大阪取引所に移され、総合取引所が発足しましたが、期待した程の参加者の増加は未だ見受けられないものの、当社グループの得意とするリスク管理手法を用いて収益の最大化、利益率及び資本効率の向上を目指して事業展開を行ってまいります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延を受けて

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は約3年となり収束の目途も立ってきましたが、その間、業務システム導入等によるIT化やデジタル化を進めた結果、ニューノーマルな生活や勤務体制が一般化しました。在宅勤務の利便性が確認できたと共に、リアルな時間や場所を共有できないことに伴う弊害についてもあらためて認識しつつ、アフターコロナの時代において、ハイブリッドな勤務体制を維持しつつ、当社の全てのステークホルダーにとっての最適解を導くべく、今後も様々な施策にトライしてまいります。

また、今後起こりうる別種のウイルス等による感染拡大や自然災害に対しての想定も必要になってくるものと考えております。

 

⑦ コンプライアンスの徹底

上場企業として、再生可能エネルギー関連事業、電力取引関連事業、小売事業、アセット・マネジメント事業を展開している当社グループは、極めて公共性の高いビジネスの担い手であると強く認識しております。よって役職員一人一人に高いモラルが求められており、当社グループの全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を求めるとともに、誓約書を提出させております。コンプライアンスについては、研修を行う等継続的な啓蒙活動とチェックが必要であり、引き続きその徹底を図ってまいります。

 

⑧ セキュリティ対策

当社グループでは、事業別に業務上の全てのデータにアクセス権を設定するだけでなく、情報にアクセスする場所やデバイスにおいても制限を施すことで、情報漏洩のリスクを低減させる取り組みを行っております。

その上で、役職員の高い意識が重要であるとの認識のもと、役職員全員を対象としたサイバー攻撃に関する訓練や研修を定期的に実施しております。

今後も継続して役職員の啓蒙、意識の醸成に努めてまいります。

 

⑨ IRの充実

当社グループの事業は複数で構成されているため、既存株主様や投資家からそれぞれの事業が分かり難いとのご意見をいただいております。IRについては、月次開示(当社グループが保有する発電所の売電状況)、四半期決算の補足説明資料開示、年に2回のオンライン決算説明会、年次の株主通信の充実や、各種適時開示等にて、事業全体の関連性及び状態をより分かり易く可視化に努めております。今後もIRの一層の充実に取り組んでまいります。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

企業活動は「環境・社会・経済」に大きな影響を与えるため、企業活動においてその影響を考慮することは、事業の長期的な維持および継続には欠かせないファクターであります。また、当社グループは、これら3つの要素の持続可能性に貢献することを、企業経営上の重要な課題のひとつとして認識しております。企業価値を継続的に向上させるためにも、「環境・社会・経済」それぞれの観点から、長期的に良好な企業活動を維持し続けることを「サステナビリティ経営」と捉え、この経営方針を推進する体制を構築し強化してまいりたいと考えています。

サステナビリティ委員会は、代表取締役を委員長とし、気候変動や人的資本を始めとした重要課題(マテリアリティ)や基本方針を特定・定義のうえ、そのリスク管理状況等について、同委員会より取締役会に報告を行う体制となっております。

 

当社のサステナビリティ経営推進体制は以下のとおりです。


 

代表取締役は気候変動及び人的資本に関する当社方針に責任を持ち、これらに関するリスクと機会の評価と管理の責任を有する。

 

取締役会:

サステナビリティ委員会の設置を決議し、気候変動、人的資本をはじめサステナビリティに係る当社の重要課題(マテリアリティ)に関するサステナビリティ委員会の対応等の報告を受け進捗状況を管理する。また、サステナビリティ委員会にリスク管理等に関する検討を指示する。

 

サステナビリティ委員会: 

当社の事業が継続するための課題を分析し、気候変動や人的資本を始めとしたグループ全体の重要課題(マテリアリティ)を特定し、リスク分析、必要に応じ戦略、指標及び目標に関する検討を行い、サステナビリティに関する方針を策定する。各課題について全社的な取り組みを推進し、対応策の実行については執行役員会と協議を行い各事業部門が方針に従って実行する。取り組み状況やリスク管理状況等については、同委員会より取締役会に報告を行う体制。

 

(2)戦略

当社グループは、サステナビリティ関連リスクとして認識される重要課題について、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会において対応策の策定を行い、執行役員会及び関連部署とともに対応策を実行する体制となっています。

気候変動リスクと人的資本・多様性に関するリスクは、当社にとって重要なリスクの一つであるとの認識のもと、気候変動リスクについては当社が事業を推進する上で影響があり得る可能性のある事項について、公表されている関連報告書等も参考に評価を行うこととしています。

また、人的資本・多様性については、当社は管理職や中核人財の登用に、男女差や国籍による区別は設けておらず、判断力・協調性・独創性等の人財としての総合力と様々な分野における専門性の2軸による評価を行う人事評価制度に加え、高度専門性を別途評価する職群を定めた制度を採用すること等により、多様性の確保を図っております。人的資本・多様性に関するリスク管理に関しては、当社のこれらの体制のもと、人財の確保・育成を進めるためのリスクの評価を行っております。

 

<人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略>

人財育成に関する考え方:

当社は中期ビジョンに掲げる『総合エネルギー事業会社への変革』や『GXとDXの推進』を実現するため、従業員の個々のリスキリングを目的とした人財育成への取り組み、個々の専門性を適正に評価するための人事考課制度の見直し等を含め運用を進めてまいります。

 

多様性確保に関する考え方:

人財の多様性の確保については、これまで通り、性別・国籍・年齢等を問わず、能力・適性を判断した採用及び人事評価を行います。その結果として、当社における同一労働同一賃金を維持します。

採用はキャリア採用を中心に行い、多様な価値観を相互に尊重できる社内風土を醸成します。

 

社内環境整備に関する考え方:

・従業員のエンゲージメントを高めるための施策を検討・導入するため、従業員満足度調査を行い、人事戦略の取り組みにおける成果の数値化を行います。

・ハラスメント防止体制の確立やメンタルヘルス対策の拡充をはかり、従業員が安心して働ける環境を構築します。

・受動喫煙の防止のため、職場内の分煙だけでなく、会食の場での受動喫煙の防止も励行します。

 

(3)リスク管理

気候変動によるリスクと機会

炭素税やリサイクル規制の導入、再生可能エネルギー導入支援等、厳しい気候変動に対する対策を講ずることによって、気温上昇を2℃未満に抑えることが可能であっても、慢性的な物理リスクとして気温上昇、急性的な物理リスクとしての気象変動の激甚化することが想定されます。

 

リスク:

 

想定シナリオ

当社グループのリスクの所在

財務上の影響

当社の取り組み

物理的リスク

・台風、豪雨、水害等の発生頻度の増加・激甚化

 

・降水量及び洪水発生頻度の増加

 

・平均気温の上昇

当社保有太陽光発電所、蓄電所

4箇所

発電等の停止による営業収益減

損害保険料の増加

ハザードマップ等の活用による事前調査、損害保険付与

O&M契約受託済み他社保有再生可能エネルギ―関連施設

16箇所

メンテナンス業務中断等による営業収益減

監視システムの活用、契約件数の拡大と契約先地域の多様化

資金調達

-

気候変動への対策が不十分との認識により、ESG投資・ グリーンファイナンス等の機会喪失

SDGs推進融資

移行リスク

脱炭素に向けた制度等の変更

炭素税の導入、 法規制等の強化

新規発電所・ 蓄電所等の建設

設備等の除却

原材料価格上昇による設備投資、施設建設費用の増加

 

リサイクル及び除却コストの増加

法体系等の制度変更に関する前広な調査・検討の実施

 

機会:

想定シナリオ

当社グループの機会

エネルギーミックスにおける再生可能エネルギー比率の増加

・洋上風力・屋根置き太陽光等の自然変動電源の増加

・再エネ価値の上昇

 

・FIP制度による電力取引の増加

 

・需要調整電源の必要性の高まり

 

 

カーボンニュートラルに向けた国民意識の高まり

・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギ―・ハウス)の普及

 EV、蓄電池、省エネ家電等の利用の増加

・使用電力の見える化、節電コントロール

 

 

カーボンニュートラルに向けた企業の行動強化と広がり

・地熱発電事業とCPPA事業の推進

 

・再エネ証書取引の活性化、流動性の増加、価格の上昇等による好取引環境

・需要予測・発電予測、インバランスマネジメントのニーズ増加によるBPO

 事業機会の拡大

・蓄電池事業の推進

 

 

 

・低圧向けのクリーンエネルギー共有を含めた多様な電力プランの提供機会

 の増加

 

・個人向け効率的電力利用サービスの提供

 

・オフサイトCPPA事業の推進

・排出権取引機会の拡大

 

 

人的資本・多様性に関するリスクと機会

リスク:

想定シナリオ

当社グループのリスクの所在

当社の取り組み

採用コストの上昇

労働人口減少による人手不足

ダイバーシティ推進及びワークライフバランス充実による魅力向上及び採用コスト抑制

人財確保ができないことによる競争力低下

採用市場の低迷

ダイバーシティ推進により性別・年齢・国籍等にとらわれない採用市場の利用

リスキリングの停滞

人財教育への積極的投資による既存従業員のリスキリング

人財の流出

従業員満足度の低下

魅力のある福利厚生の採用など満足度向上施策の検討

エンゲージメントの低下

働き方+働きがい改革の推進

チームワークの低下

ダイバーシティの進展による一時的なコミュニケーションの低下

多様な価値観を相互に認める社内風土の醸成

 

機会:

想定シナリオ

当社グループのリスクの所在

当社の取り組み

多様な人財の確保・活躍

従業員満足度の向上による人財の社外流失の抑制と採用コストの抑制

従業員満足度調査の実施と施策検討

ワークライフバランスの充実

エンゲージメントの向上による人財の社外流失の抑制と貢献度上昇

ハラスメント防止体制構築、メンタルヘルス対策

優秀な人財の活躍による事業機会の創出

ダイバーシティ推進により性別・年齢・国籍等にとらわれない活躍の場の提供

専門性をより適正に評価することのできる人事評価制度

人財教育への積極的投資による既存従業員のリスキリング

 

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

人財の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

(連結ベース)

指標

中期目標

2023年3月期の状況

従業員満足度

80%以上

78%

離職率

10%以下

14%

人財教育費の伸び率

10%増

97%増

基幹職以上の女性比率(※)

50%

13.6%

 

(※)当社グループにおける基幹職は、管理監督者の役割を任せることができる程度の知見を有する従業員を指します。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績に与えうる影響の程度は発生の蓋然性等に鑑み、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。当社グループは、これらの重要なリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、これらのほかにも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループの全てのリスクを表すものではありません。当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(特に重要なリスク)

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

グループ経営のガバナンスについて

当社グループでは、様々な事業を手掛けておりますが、各々の事業については、迅速かつ的確な経営判断が求められます。

ガバナンス体制及び管理業務遂行体制が十分に機能しない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

グループ会社を含めた各事業部門における重要事項については、執行役員会、常勤役員会、経営会議及び取締役会において十分に審議され、重要事項に関する親会社としての意思決定がなされています。

また、週次で開催している執行役員会の資料共有、月次に開催される社外取締役との定例打合せ等を含め、社外役員との積極的な意見交換を行っております。さらに、必要に応じて、臨時取締役会及び事前説明会を開催し、当社グループにとっての重要な判断に、取締役会のガバナンスが効果的に及ぶ体制を維持しております。

各事業の管理業務はバックオフィス及びミドルオフィスに集約し、当社事業全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、事業部門の迅速な意思決定を可能とする体制としております。

法的規制等に対するコンプライアンスの徹底について

当社グループにおける事業には様々な法的規制がおよびます。

ディーリング事業及び電力取引関連事業は、関係法令を中心に、国内外の主要取引所の諸規則の遵守を求められており、再生可能エネルギー関連事業においては、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法や電気事業法等の規制を受けることとなります。また、小売事業においては電気事業法のほか、個人情報保護法等を遵守することが求められています。

当社及びアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社(以下、「AFM社」という。)は、金融商品取引法第63条に基づく「適格機関投資家等特例業務」の届出を行っておりますが、適格機関投資家等特例業務を行う業者に関する金融商品取引法の一部を改正する法律(「2015年改正金商法」)が、2016年3月1日に施行され、適格機関投資家等特例業務を行う業者の行為規制等が強化されました。

万が一、上記等に関しての法令違反等が発生した場合には、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けることがあり、その内容によっては通常の営業活動が制限され顧客ビジネスの展開に支障をきたす可能性もあります。また、一役職員による不祥事等が発生した場合であっても当社グループのイメージが失墜し、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社は、上場企業として、当社グループ各社を含めたコンプライアンスの徹底を最重要課題の一つとして取り組んでおります。

当社グループが営む事業毎に存在する様々な法的規制や業界団体による自主規制ルールについて、グループ各社が企業として遵守することのみならず、役職員一人一人にモラルが求められていると考えております。当社グループでは、全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を要求するとともに、毎年度、その旨誓約書を提出させており、加えて継続的な研修を含む啓蒙活動を行っております。

体制としては、内部監査を中心とするチェック体制及びコンプライアンスチェックリストを用いた自主点検を定期的に実施する体制を敷くことにより、その徹底を図っております。

当社グループとしては、コンプライアンス体制及び内部管理体制水準の確立・維持に努め、今後も更なるコンプライアンスの徹底を図るべく継続して取り組んでまいります。

企業買収

/出資等と統合に係るリスクについて

当社グループでは、主要事業及びそれに関連する事業会社またはファンド等に出資等も行っており、連結子会社・持分法適用関連会社として収益等を取り込んでいるものや、関連会社に該当しない出資先もあります。

出資先で想定した利益が見込めない場合、出資先の経営状況が著しく悪化した場合、またはファンドの投資成果が大きなマイナスとなった場合などには、連結損益にマイナスの影響を与える可能性があります。

出資先の選定にあたっては、出資による投資成果とリスクを見積ると共に、当社事業との関係性や当社事業展開における付加価値及び事業計画等の妥当性等を判断した上で、社内規程に基づく慎重な検討を行っております。また出資後においても、協働または経営指導などを通じて出資先の価値の向上を図ることに努めております。

システム障害に係るリスクについて

当社グループのコンピュータ・システムは、業務上不可欠なインフラとなっております。

とりわけ、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、当社グループでも在宅勤務の併用などを実施しており、オンラインでの効率的な業務体制の維持は更に重要度を増している、と考えております。

ハードウェア、ソフトウェアの不具合や人為的ミス、天災、停電、テロ、コンピュータウィルス、サイバー攻撃その他の不正アクセス等によりコンピュータ・システムに障害が発生する可能性は否定できず、システム障害のレベルによっては、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

現状、重要なデータについては外部のデータセンター利用を通じたバックアップ体制を確立、「情報セキュリティ委員会」を定期的に開催して、重要データの漏洩防止を含めた「情報セキュリティ」体制の維持に努めております。

当社グループは、「情報セキュリティ」を重要な経営課題と捉えて、業務上及びセキュリティ上必要とされる水準の維持・向上に努めております。

 

再生可能エネルギー関連事業について

当事業において当社グループがこれまでに開発等で携わった案件は全国18箇所となり、その内17箇所の太陽光発電所が既に完成しております。また太陽光発電以外では主として地熱等を利用した発電事業等への取り組みも進めております。本事業においては、ビジネスの進展が必ずしも予定通りに進まない事態が発生し得ること、想定しきれないコストが発生すること等により、事業採算が悪化する可能性がある他、事業全体としての採算が合わない場合は開発を断念せざるを得ないこともあり得ます。

また、事業用地の取得を伴うケースがあることから、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による不動産価値の毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、不動産価値の急激な低下による減損等の新たなリスクを負うことになると共に、第三者に対し損害を及ぼし賠償責任を負うというリスクも存在します。こうした問題が発生した場合には、当社グループに対する信頼の失墜に繋がる可能性があります。その際には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、再生可能エネルギーについては、政府のエネルギー政策によっては諸規則等の改正またはその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。加えて、全国的な太陽光発電設備の増加により、電力の供給が過剰となり出力抑制が課されることがエリアによって増加してきております。当社グループが保有する太陽光発電所は出力抑制に上限が付いているものが殆どですが、出力抑制がかかるたびに売電収入は減少することから課される回数によっては当社の営業収益に大きな影響を与えるリスクがあります。

それぞれの案件の事業化にあたっては、関係者との連携を図りつつ、且つ厳格な調査に基づき事業化の是非を検討して進めております。

特に地熱発電事業に関しては、事業化にむけて地表調査及び4本の調査井の掘削が完了しており、現時点におきましては事業性として有望であると判断しておりますが、想定した蒸気や熱水が得られない場合等においては、計画規模4.8MWのうち2.8MWは未だ電力会社との連系が確保出来ておらず、また近隣に地熱発電所が建設される等の場合においては、当初の計画に影響を及ぼすリスクが存在します。専門業者との密接な連携を図りつつ、共同事業者を募って本事業を進めることによって事業リスクの分散化も図っております。

また、当事業においては、当社グループの自己資金に加えて銀行借入等を利用し、レバレッジをかけて投資を行うケースがあります。その際には当社グループが拠出した投資額を上回る規模の事業を行うこととなり、事業採算の僅かな悪化が、当社グループの損益に相対的に大きな影響を与えるおそれがあります。当社グループにおいては、再生可能エネルギー関連事業での資金調達の大半を、SPC(特別目的会社)を用いたノンリコースローン(責任財産限定型ローン)で行っており、当社グループのリスクを出資金等の額に限定することを図っております。

気候変動リスクについて

気候変動によるリスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)リスク管理 気候変動によるリスクと機会」のとおりです。

 

 

 

(重要なリスク)

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

人財の確保に係るリスクについて

当社グループは、事業を維持し持続的な成長を実現するためには、全ての事業において、必要な時期に適切な人財を確保することが重要と考えております。

しかしながら、優秀な人財が社外に流出した場合や人財の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

当社グループでは、人財育成を経営の重要課題の一つとして位置づけております。従業員教育に注力する他、より働き易い環境、従業員一人一人の能力を更に伸ばせる職場環境を提供するため、在宅勤務制度やフレックスタイム制度、時差勤務制度等を導入し、ワークライフバランスの充実に取り組んでおります。また、従業員の専門性をより適正に評価することのできる人事制度も導入いたしました。

「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」も参照下さい。

電力取引関連事業について

需要と供給を常時マッチングさせることが求められる電力取引の性格上、同市場の価格は他の市場取引に比し、大きな値動きをすることがあります。特に市場の流動性が縮小する時には、価格が著しく変動するリスク等も存在します。

また、当事業においては、事業の拡大に伴い与信供与する取引先が増加しており、電力価格の高騰等により、万が一与信先が破綻した場合は、少なからずその影響を受ける可能性があります。

電力取引関連事業においては、発電事業者等他の電力業者から電力を調達し、小売電気事業者等に対し電力を販売する電力取引を拡大しておりますが、電力調達量が販売量を上回るまたは下回ることで電力量に過不足が生まれることがあり、そのまま期限が到来した場合は電力価格の変動を直に受けるため損失が発生するリスクがあります。なお、価格変動リスクは、当社グループが1992年の創業以来続けてきているディーリング事業で培ってきたリスク管理ノウハウを十分に活用してコントロールしております。

また、与信リスクについては、取引先毎のリスク限度の管理やリスクを抑制できる取引形態及び与信リスクの転嫁等を通じ与信リスク量のコントロールに努めております。

小売電気事業について

小売電気事業は、電気事業法に基づく申請を行い、経済産業大臣による登録により事業を開始することが可能となっております。参入障壁が低いことから、新規参入事業者が急増し、自由化以降の7年間で700を超える事業者が登録されております。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があります。また、電力購入価格の高騰を適切に販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また営業収益は、顧客の電気使用量の季節的変動(気温や気象等)による影響を受けるため、業績が季節変動するリスクがあります。

 

2020年4月に、傘下に小売電気事業を展開する企業を子会社化いたしました。

低圧顧客向けの小売電気事業のビジネスモデルは、顧客を継続的に増やしていく成長過程において、顧客数が一定に達するまでは費用先行になる傾向があります。一方、足元では高圧・特別高圧向けの顧客が増加しており、全体として当事業の黒字化が視野に入っておりますが、顧客が他社に流出するリスクは存在します。

小売電気事業への本格的参入は、従来からの再生可能エネルギー関連事業、電力取引関連事業に加え、日本における電力のサプライチェーン全体に事業領域を広げ、より機能的なサービスの提供と収益機会の開拓を図る方針に基づいたものです。当社グループの総合エネルギー事業を伸ばしていくためには、自前の小売電気事業が欠かせないものと考えております。

低圧顧客を継続的に増やす過程における費用先行については、再生可能エネルギー関連事業や電力取引関連事業との連携や、エネルギーマネジメントシステムを取り入れる等、同業他社とのサービスの差別化に取り組むことにより顧客基盤の拡大に努め、早期の業績改善を目指しております。

増加した高圧・特別高圧の顧客については、当社のサービスの独自性、優位性を紹介すること等を通じて、中長期的な取引の継続に繋げる取り組みを行っております。また、電力販売量の増加に伴う資金需要については、事業推進に必要な資金量を確保すべく、計画的な取り組みを行っております。

電力価格の変動等によるリスクについては、電力取引関連事業に関する説明のとおり、的確にコントロールして事業運営を行っております。

商品先物市場・金融市場等の動向について

ディーリング事業は、主に国内外の商品先物市場及び金融市場等を運用の対象市場としております。従って、当社グループの業績は市場動向の影響を排除できない面があり、世界的な政治、経済、社会情勢等の動きがこれらの市場に対して大きな影響を与えています。

また、商品先物市場もしくは金融市場の値動きが極端に小さくなるような市場環境が継続した場合、仮想通貨やFX市場等他のアセットクラスに資金が流れ流動性が極端に低下した場合及び当社グループと同様または優れた手法を駆使するディーリング事業を展開する新規参入者が増加した環境においては、ディーリング事業の収益が低迷する可能性があります。

この他、戦争、テロ、疫病、天災、大規模事故等の世界的事件・事故が発生し、商品先物市場または金融市場の閉鎖、取引中断、大幅な取引ルールの変更等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績は大きな影響を受ける可能性があります。

当社グループにおけるディーリング事業においては、国内外の主要先物市場を通じた裁定取引戦略を主たる取引として、市場における上昇トレンド・下降トレンドそのものが事業収益に直接大きな影響を与えることを低減させる戦略をとっております。

アセット

・マネジメント事業における運用資産残高と報酬率について

アセット・マネジメント事業における収益は、契約資産残高と報酬率によって変動します。当事業の連結対象であるAFM社においては、引き続き、適格機関投資家を中心とする投資家のためのベンチャーファンド及び再生可能エネルギーファンド等の資産運用業務に注力しております。これまでのところ、同社における契約資産は順調に拡大しておりますが、同社の収益は、報酬の対象となる契約資産に依存しています。今後、報酬の対象となる契約資産が大幅に減少する場合や報酬率の大幅な見直しがあった場合は、収益が減少することがあります。

AFM社の資産運用業務においては、安定した良好な運用成果を達成して顧客満足度の向上に努め、新ファンドの運用受託も含めた契約資産の拡大にも務めております。

なお、当事業における「契約資産」とは、顧客運用資産のことであり、その大半は、当社グループ自体の投資ではありません。

 

訴訟の可能性について

当社グループが2007年6月に旧三井物産フューチャーズ株式会社(当時)の全株式を取得して以来抱えていた6件の被告事案は全件和解が成立しております。しかしながら、旧三井物産フューチャーズ株式会社の顧客等から訴訟を提起される可能性は残されております。

また、2020年4月に買収した企業は1件の被告事案を抱えており、2021年3月期に本事案に関する引当金を計上しております。しかしながら、今後の訴訟の進展によっては計上した引当金以上の当社負担が発生する可能性があります。

この他にも、「(特に重要なリスク)②法的規制等に対するコンプライアンスの徹底について及び⑤再生可能エネルギー関連事業について」に記載された事項に係る訴訟の可能性があります。

当社グループは、前述のとおり、コンプライアンス体制の維持に努めておりますが、単に法令または各自主規制機関の自主規制ルール等を遵守するのみならず、対外契約の遵守、取引先等との適切なコミュニケーションを図ることによっても、訴訟等のリスク低減に努めてまいります。

また、顧問弁護士等への事前相談及び事業進行中の相談を通じても、訴訟等のリスクに備えてまいります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、総合エネルギー事業をコアとし、金融及び市場取引分野において創業以来培ってきたノウハウを活用し事業を展開しております。

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染第6波、第7波を経て、11月以降の第8波により感染者数が過去最高水準まで増加したものの、重症者の比率が低下したこともあり、経済社会活動の正常化は徐々に進んでおります。一方で、ウクライナ情勢の長期化などによるエネルギー価格を中心とする諸物価の上昇に対し、欧米のインフレ対策としての金利引き上げと内外金利差を背景に円相場では急激な円安傾向が続いておりましたが、2022年12月に日本銀行がイールドカーブコントロールにおける長期金利の上限に関し0.5%への引き上げを決定すると、一転して円は急騰する展開となりました。引き続き、為替・債券及び株式市場の変動に注視しなければならない状況にあると判断しております。

 

このような環境の中、当社は、2021年11月に策定した「中期ビジョン2025」において総合エネルギー事業会社への変革を加速させることを掲げ、戦略的投資と事業資産の入れ替え(選択と集中)を検討しておりました。その結果、当連結会計年度においては2社の株式譲渡を行いました。

一つめは、当社の持分法適用関連会社であったPayPayアセットマネジメント株式会社(以下、「PPAM社」という。)の当社保有全株式を2022年8月にアセットマネジメントOne株式会社(以下、「AM-One社」という。)に譲渡いたしました。譲渡先であるAM-One社は、PPAM社の更なる発展を目指す方針であり、本株式譲渡を行うことがPPAM社の今後の企業価値の更なる向上に資すると判断するとともに、本株式譲渡により得られる資本を総合エネルギー事業に直接かかわる事業に投下することが当社グループの株主価値の向上に寄与すると判断いたしました。

アセット・マネジメント事業のセグメントについては、引き続きアストマックス・ファンド・マネジメント株式会社(以下、「AFM社」という。)を中心としたベンチャーキャピタルファンド等の運用業務を行うことに加え、当社における他の総合エネルギー事業とのシナジー効果が期待される領域の事業展開等に重点を置く方針です。

二つめは、2022年12月27日付で、当社の子会社であった長万部アグリ株式会社(以下、「アグリ社」という。)の株式の譲渡であります。これは、前述のとおり「中期ビジョン2025」において、総合エネルギー事業会社への変革を図るべく、事業領域の選択と集中を行う旨を明らかにしたことで、アグリビジネス分野に関する注力度は、引き下げる方針としたため、そのような中で、当社がアグリ社の経営権を継続的に保有し、農場運営及びアグリ社の発展を目指すことは難しいとの判断によります。譲渡先は、北海道を拠点として、新千歳空港における店舗運営を含めた道産品の販売チャネルを有し、グループ内で農産物の生産も行う等、農業事業の拡大を目指す会社です。引き続きアグリ社は、譲渡先の会社及び同社グループ内における、地方創生の中核事業の一つとして、今後も発展を目指すこととなります。

 

当社は、「中期ビジョン2025」の目標に掲げております「総合エネルギー事業会社への変革」に向かって、事業構造と経営資源配分の見直し、コア事業向けの資金調達等を含め、着実な一歩を踏み出しております。今後はセグメント間の連携を一層強化し、引き続きグループ一丸となって総合エネルギー会社への変革に取り組んでまいります。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営環境は以下のとおりです。

再生可能エネルギーを取り巻く環境については、2021年度の事業用太陽光発電のFIT価格が11円(税抜)、2022年度は10円(税抜)となり、250kW以上の設備は、引き続き入札制度適用区分として定められております。また、2022年4月に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が改正され、未稼働案件に対して運転開始期限設定を義務化する失効制度、市場連動型のFIP(Feed-in Premium)制度、源泉徴収的な外部積立を前提とした廃棄費用積立て制度、再生可能エネルギーのポテンシャルを活かす系統増強等が示されました。

再生可能エネルギーの増加に伴い、電力需給バランスの維持及び電力安定供給の必要性から出力抑制が発令されており、当連結会計年度において当社グループが保有する青森県の発電所では通常制御が合計2回、熊本県の発電所では合計9回(前年同期間比19回減)となりました。なお、出力制御及び系統の運用の最適化から、オンライン制御事業者が出力制御を実施する代わりに、オフライン制御事業者が対価を支払う、経済的出力制御(オンライン代理制御)が九州電力管轄内で2022年12月から始まりました。それに伴い、当社グループが所有する熊本県の発電所において、制度開始以降継続的にオンライン代理制御が発生しております。

 

電力市場においては、天候不順や燃料市場の高騰、再エネ電源の増加による既存発電施設の運用コスト増加等により市場価格の変動リスクが高まっております。前連結会計年度から当連結会計年度にかけては、燃料価格が上昇したことから発電コストが上昇し、電力卸売価格が高騰、燃料費調整単価の上昇や電力小売価格の値上げ等で需要家の負担が増えると同時に、安価での販売による小売電気事業者の収支の悪化、事業撤退が相次ぎました。当連結会計年度は、ウクライナ情勢の悪化などの影響で高騰していた燃料価格が軟調に推移し、高値で推移していた電力卸売価格も2023年の年初より下落傾向にあることもあり、来年度の買いヘッジを目的とした電力取引が増えております。電力卸売価格が大きく変動する中、小売電気事業者や発電事業者の経営においては、電力価格の「リスク管理」の重要性が再認識されており、電力取引のヘッジニーズは高い状態が続くものと考えられます。

 

商品市場においては、前連結会計年度にウクライナ情勢を受けて大幅高となった原油価格及び貴金属価格は、当連結会計年度に入り、落ち着きを取り戻しやや軟調に推移しておりましたが、2023年3月以降欧米の銀行破綻及び金融システムへの懸念が続いたことにより、金価格は日々最高値を更新することとなりました。引き続きウクライナ情勢、世界的なインフレ傾向・金融政策を注視する必要があると考えます。

 

電力小売業界では、2021年度後半から2022年度にかけての電力スポット市場の高止まり傾向により、小売電気事業者を取り巻く環境は厳しさを増しております。電力スポット価格の高騰は、スポット市場からの電力調達を余儀なくされる小売電気事業者へ大きな打撃を与えており、2022年度においては、当該事業から撤退または倒産する企業や、新規契約の受付停止をする企業が相次ぎました。上昇する燃料費と電力料金の消費者の負担感は高まってきており、国は2023年1月から価格激変緩和事業として電気料金とガス料金の一部を補助金で負担する制度を開始しています。また冬の電力需給のひっ迫に備え、2022年12月~2023年3月に「節電ポイント」制度等を設ける小売事業者を通じて、国や自治体が節電特典を支給する対策を実行しました。

 

このような市場環境等のもと、当連結会計年度における経営成績は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

2022年3月
連結会計年度

2023年3月

連結会計年度

増減

増減率(%)

増減の主要因ほか

営業収益

12,769

11,774

△995

△7.8

①電力取引関連事業(△1,865)※2

②再生可能エネルギー関連事業(+7)

③小売事業(+734)

④ディーリング事業(+113)

⑤アセット・マネジメント事業(+22)

営業費用

12,241

12,525

283

2.3

電力仕入の増加(+121)

営業利益又は

営業損失(△)

527

△750

△1,278

 

 

経常利益又は

経常損失(△)

324

△857

△1,182

①投資有価証券売却益(+30)

②持分法による投資損失の減少(+79)

特別利益

21

613

592

①当社保有のPPAM社全株式を譲渡したことによる

特別利益(+575)

②補助金収入(+20)

特別損失

11

125

113

965.5

①投資有価証券の減損(+101)

②固定資産圧縮損(+20)

税金等調整前当期純利益又は税金等調整

前当期純損失(△)

334

△369

△703

 

法人税等合計

(※1)

206

△21

△228

 

非支配株主に帰属する当期純利益

1

10

9

794.9

 

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

127

△357

△485

 

 

※1 「法人税等合計」には、「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を含みます。

※2 当連結会計年度の営業収益における電力取引関連事業に係る減少の要因については、「セグメント毎の経営成績及び取り組み状況<2 電力取引関連事業>」をご参照ください。

 

セグメント毎の経営成績及び取り組み状況は次のとおりです。

セグメント利益:ディーリング事業はセグメント利益。

セグメント損失:小売事業とアセット・マネジメント事業のセグメント損失は、前年同期間比減少。

        再生可能エネルギー関連事業のセグメント損失は、前年同期間比増加。

        電力取引関連事業は、<2 電力取引関連事業>に記載した押し下げ要因によりセグメント損失。

 

(セグメント別営業収益・セグメント損益)                          (単位:百万円)

 

 

2022年3月
連結会計年度

2023年3月
連結会計年度

増減

増減率(%)

再生可能エネルギー

関連事業

営業収益

635

671

36

5.7

セグメント損益

△11

△12

△1

電力取引関連事業(※3)

営業収益

11,502

9,823

△1,679

△14.6

セグメント損益

875

△537

△1,412

小売事業

営業収益

391

1,122

731

186.8

セグメント損益

△234

△196

37

アセット・

マネジメント事業

営業収益

148

170

22

14.9

セグメント損益

△159

△45

113

ディーリング事業

営業収益

343

457

113

33.1

セグメント損益

△45

33

79

その他(※1)

営業収益

23

14

△8

△37.7

セグメント損益

△19

△7

11

調整額

営業収益

△275

△485

△210

セグメント損益

△81

△92

△11

連結財務諸表計上額

営業収益

12,769

11,774

△995

△7.8

セグメント損益

324

△857

△1,182

 

※1「その他」は、地方創生事業など、現時点で事業セグメント化されていない事業を示しています。

※2 セグメント利益又は損失は、当連結会計年度の経常損益と調整を行っており、連結会社間の内部取引消去等の調整額が含まれております。各事業に帰属する特別利益及び特別損失は含んでおりません。

※3 当連結会計年度の営業収益における電力取引関連事業に係る減少の要因については、「セグメント毎の経営成績及び取り組み状況<2 電力取引関連事業>」をご参照ください。

 

<1 再生可能エネルギー関連事業>

当事業は主に当社及びアストマックスえびの地熱株式会社(以下、「えびの地熱社」という。)が推進しております。再生可能エネルギーを取り巻く環境は前述のとおりですが、当社は当事業を通じて、更なる再生可能エネルギーの導入及び拡大に寄与する方針であり、2030年までに最大年間66,000トン(太陽光発電100MW相当)のCO2削減を目指しております。現時点においては、以下のとおり、継続的に再生可能エネルギー発電所の開発、取得、発電及び電気の供給(発電事業)、維持・運営管理(O&M事業)を行っております。また、前述の経営環境にあるとおり、足元のエネルギー価格の高騰等を受け、PPA(需要家と発電事業者が長期間の電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結することで、初期投資不要で太陽光設備等を導入利用できるもの。)を中心とした自家消費モデルは今後も拡大していくと考えられ、当社も企業や自治体への展開に積極的に取り組んでおります。

 

(太陽光発電事業)

当事業が従事した完工済みの案件は合計31.4MWであり、今後着工する案件は以下の①のとおり、1か所、2.1MWになります。

再エネ特措法の改正、競合他社の参入、優良案件の減少等、案件確保が容易ではない事業環境が引き続き想定されます。当事業では、長年に亘り培ってきた再生可能エネルギーに係るノウハウとネットワークに加え、小売事業部門と連携を取りながら潜在顧客の発掘とアプローチを行い、固定価格買取制度に頼らない、非FIT太陽光発電設備を用いたPPAの展開を中心にマーケティングを行っております。また、並行して固定価格買取制度上のセカンダリー市場(完成した発電所の売買市場)での案件確保、保有している既存発電設備について譲渡を行うこと等を含め、事業ポートフォリオの一部入替を検討する等、期間利益を確保しつつ、FITモデルから非FITまたはFIPモデルへの転換により、事業採算性の向上に取り組んでおります。

自社開発(建設中):

① 栃木県大田原市 出力規模:約2.1MW 2024年5月完工予定

稼働後は当社が維持・運営管理(O&M事業)を行います。

自社開発(運転開始):

当連結会計年度に運転開始した案件はありません。

セカンダリー市場:

新たな案件についても精査を行っております。

ポートフォリオの入替:

当連結会計年度に入替を実施した案件はありません。

維持・運営管理(O&M事業):

当社が開発に携わった案件等16か所、合計29.5MWの太陽光発電所の維持・運営管理(O&M事業)を行っております。後述のコーポレートPPA案件も順次締結予定です。

なお、2023年3月に当社グループが所有する栃木県の発電所において、ケーブルの一部盗難が発生いたしました。復旧工事及び復旧に要する費用及び本休業に伴う休業補償について、今後保険金の請求を行う予定です。

コーポレートPPA事業:

既に開示いたしましたとおり、当社は北海道山越郡長万部町と包括連携協定を締結し、「持続可能な街づくりと脱炭素化・再生可能エネルギー推進を同時実現することを目的とした事業」を協同で推進しており、本案件は当第4四半期連結会計期間に運転開始しております。この他、民間企業との案件が順次運転開始する予定となっております。

 

(地熱発電事業等)

当事業では、ベースロード電源である地熱を利用した発電事業の取り組みも進めております。

宮崎県えびの市尾八重野地域では、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構による「地熱資源開発調査事業費助成金交付事業」(以下、「助成事業」という。)の採択を受け、2MW規模の地熱発電の事業化を目指して、2016~2018年度に3本の調査井掘削を完了し、1号調査井及び3号調査井については自噴を確認、2号調査井については熱水資源の還元ゾーンとしての十分な能力を確認してまいりました。

この結果を受け、当社は、事業規模の計画拡大及び、最大49%までの範囲による第三者からの事業参画をより容易にすることを目的として、2019年5月に、新設分割により設立したえびの地熱社に、宮崎県えびの市における地熱開発事業の全てを承継させました。2020年3月には大和エナジー・インフラ株式会社とえびの地熱社との間で、事業収益の10%を分配する匿名組合契約を締結いたしました。匿名組合出資と損益分配の開始は発電所の運転開始時となります。

その後、えびの地熱社では、2019年度助成事業として掘削した4号調査井についても自噴を確認しており、これまでの調査結果から計画規模を4.8MWに拡大し、発電所建設のための検討を進めております。また2021年3月には、JFEエンジニアリング株式会社とえびの地熱社との間で、事業損益の10%を分配する匿名組合契約を締結し、合計2回の匿名組合出資を受けました。損益分配の開始は発電所の運転開始時となります。

なお、当初計画の2MW分については、発電設備等を電力系統に連系するための工事費負担金契約を九州電力株式会社との間で締結しており、2026年度の運転開始を予定しております。一方、計画規模拡大後の連系枠については、現行制度においては空き容量が無い状態が続いておりますが、2023年4月1日よりローカル系統におけるノンファーム型接続の受付が開始されるなど、系統利用の在り方については制度変更を含め様々な議論が進められているため、今後の動向を確認しながら引き続き系統確保に向けて、取り組んでまいります。

 

再生可能エネルギー関連事業では、出力抑制が前年同期間に比べて大幅に減少したことや、発電効率向上のためパネル洗浄を実施したこと等から営業収益は前年同期間比増加いたしましたが、地熱開発を含む発電所の開発に係るコスト(建設コストを賄うための銀行借入に対する諸手数料や金利負担等)を負担しているほか、今年度より源泉徴収的な外部積立を前提とした廃棄費用積立て制度が始まったことによる負担の増加、保険料の増加、さらに新機能開発部門で準備を進めている系統用蓄電池発電にかかる事業のコスト負担増等により営業費用も前年同期間比増加しました。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は671百万円(前年同期間比36百万円(5.7%)の増加)、12百万円のセグメント損失(前年同期間は11百万円のセグメント損失)となりました。

 

<2 電力取引関連事業>

当事業は、当社が推進し、小売電気事業者への電力取引の提供、需給管理業務を中心とした業務代行サービスの提供を行っております。

電力取引については、顧客の電力調達及びヘッジニーズに対応し、電力現物先渡取引、デリバティブ取引である電力スワップ取引、電力先物取引に取り組んでおります。電力取引の増加及び多様化に伴うリスク管理の重要性が高まっていることに鑑み、当社グループでは、リスク管理体制の強化も推進し、変動率が高い相場展開の中、リスクを適切に抑制しながら取引を実行しております。

当連結会計年度においては、夏場に高騰していた電力卸売価格も燃料価格の軟調な地合いを受けて下落、年初以降、冬場及び来年度の小売電気事業者からの取引ニーズが増加いたしました。しかしながら電力卸売価格の水準は全般的に高く推移したことから、取引量は前年同期間比減少いたしました。小売電気事業者の事業継続に向けた電力調達及び価格リスクヘッジから電力取引のニーズは引き続き高く、価格が落ち着いてきている中、取引量は増加するものと考えております。

業務代行サービスについては、既存顧客へ安定したサービスの提供をしながら、引き続き新規取引先を増やすべく、電力取引のリスク管理コンサルティング等新メニューを加え顧客ニーズにあったきめ細かいサービスの提案を行っております。自治体、企業ともに電力を自社の電源を活用、調達する動きが増えており、当連結会計年度においては、新規サービス提供先を4件獲得しましたが、前述のとおり小売電気事業者の事業縮小、撤退の影響を受け、3件の取引先でサービス提供が終了となりました。

また、当社がコンサルタントとして開発に携わっている、日鉄ソリューションズ株式会社の電力リスク管理システム「エネファロス」の販売は、今年度から開始いたしました。

なお、当連結会計年度の電力取引関連事業の営業収益減少は以下の理由によるものです。

当連結会計年度末を越えて受渡しが行われる電力現物先渡取引は時価評価の対象ではありませんが、当該取引をヘッジする目的で行う電力先物取引はデリバティブ取引として時価評価の対象となります。電力先物取引のうち、一部取引所では取引所の規定によって3カ月以上の期間のポジションは期末が近付いた段階で決済され、より短い期間の新たなポジションに分割されます。これに伴う決済損失75百万円(純額)と、当連結会計年度末を越えて限月を迎える電力先物取引の時価評価損158百万円(純額)は、当連結会計年度末を越えて受渡しが行われる電力現物先渡取引と同一の会計期間に認識されないため、当連結会計年度の営業収益を押し下げ、電力取引関連事業のセグメント損失を増加させる要因となっております。一方、同様の理由で、当連結会計年度に受渡しが行われる電力現物先渡取引をヘッジする目的で行われた電力先物取引に係る前連結会計年度に認識された決済利益344百万円(純額)及び時価評価益82百万円(純額)は当連結会計年度の営業収益を押し下げ、電力取引関連事業のセグメント損失を増加させる要因となっております。

以上の結果、電力取引関連事業の当連結会計年度の営業収益は9,823百万円(前年同期間比1,679百万円(14.6%)の減少)となり、セグメント損失は537百万円(前年同期間は875百万円のセグメント利益)となりました。

 

<3 小売事業>

当事業は、当社及びアストマックス・エネルギー株式会社(以下「AEKK社」)が推進しております。

当社は特別高圧・高圧市場の顧客へ電力販売を行い、AEKK社では個人を中心とする低圧市場の顧客へ電力とガスの販売を行っております。

 

(電力小売事業)

AEKK社では前連結会計年度に、固定料金の基本プランとして4つのプランのラインナップを揃え、また実質再生可能エネルギーによる電力を100%供給する「プラス・グリーン」を各基本プランにトッピングできるサービスを開始いたしました。

一方、前述の事業環境のとおり、小売電気事業者から撤退する企業や倒産する企業が続出している中、電力会社の切替えを希望する顧客も多く、顧客を増加させる好機であるものの、現在の市場状況下での新規顧客獲得は電力調達コストが高騰していることから逆ザヤによる採算悪化となるため、プランを限定して新規顧客獲得を行わざるを得ない状況となっております。AEKK社でも、2022年4月より基本プランの新規受付を停止し、2022年6月には既存顧客に対する基本プランの料金改定を発表しました。

このような状況の中AEKK社では、市場連動型プランでありながら市場価格と固定価格を自由に組み合わせることができる新プラン「フリープラン」の提供を2022年4月から開始いたしました。本プランは、特に太陽光発電や蓄電システムを導入し、家庭内のエネルギーマネジメントに興味のある顧客に適した、他社との差別化ができる当社独自の商品となっております。また、「フリープラン」と連携して自宅の家電をスマートフォン上のアプリでどこからでも制御できるスマートリモコンの機能と、自宅の電力使用量や太陽光発電の発電量を計測・分析できる機能を兼ね備えた「アストHEMS」の開発を終え、一般モニターの募集を2022年10月から開始いたしました。

特別高圧・高圧の電力市場では電力価格の高騰により、2022年度に入ってからみなし小売事業者を含む多くの小売事業者が顧客への供給契約の停止や撤退を進めた結果、電力供給を絶たれた多くの顧客は送配電事業者による最終保障契約に移行いたしました。その結果、送配電事業者は2022年9月より最終保障契約の値上げを発表し、実質的な市場連動型料金に変更しております。こうした動きもあり、特別高圧・高圧電力では市場連動型料金体系が従来に比べ一般的になってきた市場環境の下、2022年夏季より当社は特別高圧・高圧向けフリープランの営業に注力してまいりました。その結果、同プランの優位性が認知され、撤退する事業者の顧客引受や媒介店からの流入を中心とした新規顧客が急増いたしました。今後もサービスの拡充と知名度の向上に努め、早期の黒字化を目指して取り組んでまいります。

 

(ガス小売事業)

2021年1月より、AEKK社は当社のガス小売り取次店として、既存の電力顧客に対し電気とガスのセット販売を行っておりましたが、2022年10月以降は、AEKK社は当社の業務提携関係である株式会社グローバルエンジニアリングのガス小売り取次店として電気とガスのセット販売を継続しております。ガス小売取次営業の新規顧客推移は横ばいとなっておりますが、これは前述した当社特別高圧・高圧電力の営業が好調に推移していることから、当社経営資源を高圧電力営業に大きく配分していることに起因しております。

 

獲得した特別高圧・高圧の顧客への電力供給開始時期は2023年1月以降より徐々に本格化していることから、当連結会計年度における特別高圧・高圧事業の収益寄与は限定的でした。

以上の結果、小売事業の当連結会計年度の営業収益は1,122百万円(前年同期間比731百万円(186.8%)の増加)となり、196百万円のセグメント損失(前年同期間は234百万円のセグメント損失)となりました。

 

<4 アセット・マネジメント事業>

当事業は、当社とAFM社が推進し、学校法人東京理科大学が主に出資する大学発ベンチャーキャピタルファンドの営業者としてファンド運営業務等を担う他、2020年3月から開始したファンドの運用業務も継続しております。2022年10月には、学校法人東京理科大学が支援する新たな再生可能エネルギーファンドの受託を開始しました。この新たな再生可能エネルギーファンドにおいては、当社の「中期ビジョン2025」でも重点課題となっている「地域の地産地消のための再エネ導入」を、産官学連携の力も活用して計ってまいります。AFM社が営業者として運用しているファンドは順調に運用資産を増加させており、当セグメントの営業収益に計上する運用報酬額は前年同期間比増加しております。

なお、冒頭に記載しましたとおり、当社は保有していたPPAM社の全株式を2022年8月にAM-One社に譲渡し575百万円の特別利益を計上しましたが、当社のセグメント損益は経常損益にて計算されていることから、当該特別利益はアセット・マネジメント事業のセグメント損益には反映しておりません。一方、2022年4~7月までのPPAM社の持分法による投資損失73百万円は営業外費用としてアセット・マネジメント事業のセグメント損益に含んで表示しております。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は170百万円(前年同期間比22百万円(14.9%)の増加、持分法適用関連会社のPPAM社の営業収益は含まず)となり、45百万円のセグメント損失(前年同期間は159百万円のセグメント損失)となりました。

 

 

<5 ディーリング事業>

当事業は、当社が推進し、OSE、TOCOM、CME、ICE、INE等、国内外の主要取引所において商品先物を中心に、株価指数等の金融先物を取引対象とした自己勘定取引を行っております。

当連結会計年度における原油市場の動きは、上期はウクライナ情勢等を受け高値で推移していましたが、下期は原油需要の減少懸念などから軟調な推移が続きました。上期に軟調に推移していた貴金属の価格は、下期は金融引き締め減速期待などから上昇しました。裁定取引の機会は、特にプラチナの取引が国内外取引所の値差の動きが激しい中、安定してプラスに貢献し、金や原油市場でも総じてコンスタントに裁定取引機会がありました。

また、AIを活用した分析やトレーディングシステムを開発し、為替やプラチナ等の取引において実稼働しております。

以上の結果、当事業における当連結会計年度の営業収益は457百万円(前年同期間比113百万円(33.1%)の増加)、セグメント利益は33百万円(前年同期間は45百万円のセグメント損失)となりました。

当事業では、今後も引き続き経費節減に努めると同時に、ディーリング資金の効率的な運用を行い引き続き収益力の強化を目指してまいります。

 

<6 新機能開発部門>

2021年4月に設置した「新機能開発部門」は、当社が推進する総合エネルギー事業の様々な領域において、当部門が中心となって各事業部門との連携を図り、DXの推進や新しいビジネスモデルを組み立てていくことを業務目的としております。AI活用による需給管理や、発電/供給サイドの事業と販売/需要サイドの事業のアグリゲート(集約化)及び、双方のマッチングによる新たなサービスを展開すること等、独自性の高いビジネスフィールドを考えてまいります。

当連結会計年度においても、AI等を活用した電力の需要予測や太陽光発電出力予測等の需給管理、リスク管理の高度化に取り組んでおります。 業務代行サービスを提供している既存顧客の電力需要予測及び太陽光発電出力予測に関して、AIによる予測精度向上を確認し、順次、自動システム化に取り組んでおり、電力需要予測及び家庭における太陽光発電の余剰売電予測のAIを活用したシステムは電力取引関連事業にて実稼働しております。今後は更なる精度向上を図りつつ適用社数を増加させていく計画です。

また、再生可能エネルギーのアグリゲート事業に必要な太陽光発電出力予測及び九州等のエリア全体の再生可能エネルギー発電出力予測や需要予測及びJEPX価格予測等、顧客の新しいニーズに対応したAI化にも取り組んでおります。

さらに、電力需給調整や再エネ価値向上等に資する系統用蓄電池(発電所併設型含む)による蓄電事業開発については、再生可能エネルギー関連事業と連携を取りながら候補地の選定等に積極的に取り組んでおります。

 

<7 その他(地方創生ほか)>

当事業は報告セグメントとして独立しておりませんが、事業の状況について説明いたします。

2017年11月に設立されたアグリ社は、北海道長万部町における「長万部町と東京理科大学との地方創生に係る包括的連携協定」を背景に、内閣府の助成を受けた産官学連携の「地方創生事業」の担い手として設立され、これまで先端技術を活用した先進的アグリビジネスの推進や、「働きがいのある」雇用の創出等に取り組んでまいりました。しかしながら冒頭に記載しましたとおり、当社は保有していたアグリ社の株式77.27%のうち、67.27%を2022年12月27日付で譲渡し、アグリ社は第3四半期連結会計期間末において当社の連結対象から除外されました。さらに5%を2023年1月に譲渡した結果、当社の持株比率は5%となりました。

 

上記、セグメント利益又は損失は当連結会計年度の経常損失と調整を行っており、セグメント間の内部取引消去等の調整額が含まれております。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,934百万円(前年同期間比10.8%増)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主として預り保証金の増加による収入(593百万円)、差入保証金の減少による収入(451百万円)等により、239百万円(前年同期は△442百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として投資有価証券の売却による収入650百万円)等により、259百万円(前年同期は△269百万円)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出(長期借入れによる収入との純額は△137百万円)等により、△211百万円(前年同期は133百万円)となりました。

 

③ 営業収益の状況

a. 営業収益実績

当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー関連事業

(千円)

570,185

1.4

電力取引関連事業

(千円)

9,444,763

△16.5

小売事業

(千円)

1,116,818

192.5

アセット・マネジメント事業

(千円)

170,416

14.9

ディーリング事業

(千円)

457,504

33.1

その他収益

(千円)

14,523

△38.0

 

合 計

(千円)

11,774,210

△7.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当社グループのアセット・マネジメント事業、ディーリング事業は生産・受注といった区分が困難であるため、「生産・受注及び販売の状況」に代わり「営業収益の状況」を記載しております。また、同様の理由で「主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」について記載をしておりません。

 

b. 太陽光発電所発電量実績〔再生可能エネルギー関連事業〕

以下の表は、当社グループが保有する太陽光発電所の発電実績を示したものです。

 

発電所数

パネル出力(MW)

発電量(kWh)

(調整量を含む)

オンライン

代理制御(注2)

調整電力量(kWh)

CO2削減効果

(kg-CO2)

(調整量含)(注1)

2022年4月

4

10.9

1,242,575

-

683,416

5月

4

10.9

1,298,553

-

714,204

6月

4

10.9

1,161,498

-

638,824

7月

4

10.9

1,091,907

-

600,549

8月

4

10.9

1,152,985

-

634,142

9月

4

10.9

1,122,581

-

617,420

10月

4

10.9

1,045,497

-

575,023

11月

4

10.9

858,584

-

472,221

12月

4

10.9

723,075

△2,350

397,691

2023年1月

4

10.9

723,912

△31,871

398,152

2月

4

10.9

795,431

△65,397

437,487

3月

4

10.9

1,098,959

 

604,427

合計

-

-

12,315,557

△99,618

6,773,556

 

(注) 1  環境省の制定する「CO2削減効果算定マニュアル」に基づき算出しています。

      CO2排出係数(代替値):0.55kg-CO2/kWh

(注) 2.オンライン代理制御とは、オンライン制御事業者がオフライン制御事業者の代わりに出力制御を行い、オフライン制御事業者がオンライン事業者に対価を支払う経済的出力制御のこと。オンライン代理制御による調整電力量はおよそ3か月後に判明します。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、連結営業収益は11,774百万円(前期比995百万円の減少)、営業費用は12,525百万円(前期比283百万円の増加)、営業損失は750百万円前期は527百万円の営業利益)、経常損失は857百万円(前期は324百万円の経常利益)となりました。

営業収益の減少は、電力取引関連事業の取引先である小売電気事業者の事業縮小等により取引量が前年比減少したことに加え、前掲の「セグメント毎の経営成績及び取り組み状況<2 電力取引関連事業>」に記載のとおり、電力先渡取引に対するヘッジ目的の取引に係る損益が、ヘッジ対象取引と同一期間に認識されないことによる影響によります。その他の4事業の営業収益はそれぞれ前年比増加いたしましたが、電力取引関連事業の減少が大きく、全体としては前期比減少となりました。

営業費用の増加は、主に小売電気事業にかかる電力の仕入が増加したことによります。

PPAM社の全株式譲渡による575百万円とPPA事業にかかる補助金収入20百万円の特別利益と、投資有価証券の減損処理による101百万円とPPA事業にかかる固定資産圧縮損20百万円の特別損失により、税金等調整前当期純損失は369百万円(前期は334百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。法人税等合計は△21百万円(前期比228百万円の減少)、非支配株主に帰属する当期純利益は10百万円(前期比9百万円の増加)となったことから、親会社株主に帰属する当期純損失は357百万円(前期は127百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

自己資本は2022年3月期末の5,601百万円から5,201百万円と400百万円減少し、純資産は5,763百万円となりました。

 

再生可能エネルギー関連事業では、当連結会計年度は、ポートフォリオの入替を目的とした保有する太陽光発電所の設備の譲渡等は無く、保有する太陽光発電所の売電収入や管理する太陽光発電所の維持運営報酬等が主な収入となり、営業収益は前年比5.7%増加となりました。営業費用については、従来より、地熱開発を含む発電所の開発に係るコストを負担しておりますが、当連結会計年度においては、太陽光発電システムの廃棄費用積立制度の開始や、調査費用の増加、また、新機能開発部門で準備を進めている系統用蓄電池事業のコスト負担増等により、結果として、12百万円のセグメント損失となりました。

2014年度から着手している宮崎県えびの市で進めている地熱発電事業は、2026年度の事業化に向けて、匿名組合契約を締結いたしましたパートナー企業である大和エナジー・インフラ株式会社様とJFEエンジニアリング株式会社様と共に、引き続き協働をしております。発電規模を2MWから4.8MWに拡大した分の連系につきましては、2023年4月1日より、ローカル系統におけるノンファーム型接続の受付開始が予定されるなど、系統利用の在り方につきましては、制度変更を含め、様々な議論が進められている状況ではありますが、今後の動向を確認しながら、引き続き系統確保に向けての取り組みを進めております。

 

電力取引関連事業では、上記、全体の営業収益の減少要因として記載した背景等により営業収益が前期比1,679百万円減少し、537百万円のセグメント損失となりました。

 

小売事業では、電力の新料金プラン「フリープラン」の販売を開始し、特高・高圧需要家様向けの販売が順調に伸び、期末時点での契約件数は400件超となりました。実際の供給開始は契約締結後、一定のタイムラグを経て始まるため、当期への収益貢献は限定的であり、2023年3月期も通期ではセグメント損失となっておりますが、営業収益は前年比186.8%増加いたしました。

本事業は本年3月には単月黒字を達成しており、2024年3月期における通期黒字化達成に向け、さらなる顧客獲得を目指し、引き続き積極的な事業展開を進めてまいりたいと考えております。

 

アセット・マネジメント事業は、ファンド運用業務の新規受注などにより、営業収益は前連結会計年度比14.9%増加しました。利益面では持分法適用関連会社による損失が7月までとなったことから、セグメント損失は前期比113百万円改善し、45百万円のセグメント損失となりました。

 

ディーリング事業は、プラチナの取引が国内外取引所の値差の動きが激しい中、裁定取引の機会が多く収益に貢献しました。金や原油市場でも総じてコンスタントに裁定取引機会がありました。

営業収益は前連結会計年度比33.1%増加し、33百万円のセグメント利益となりました。

 

なお、当連結会計年度の経営成績と事業の種類別セグメント情報の詳細やその背景となる当社を取り巻く環境等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、以下の事項であると考えております。

(再生可能エネルギー関連事業)

引き続き積極的に経営資源を投入し、太陽光発電事業の更なる拡大と地熱発電事業等への取り組みを継続しております。FIT制度からFIP制度への移行が進む中で、新しい取り組みとして、電力の自家消費モデルを企業や、自治体へ展開していくことに取り組んでおります。これは、需要家と発電事業者が、長期間の電力購入契約を締結することで、初期投資不要で太陽光設備等を導入することが可能となるという、ひとつのモデルとして、脱炭素化への貢献につながるものと考えております。

なお、同事業は、市場の変動の影響を受けにくい安定収益源として営業収益への貢献が期待できる一方で、「事業等のリスク」に記載の通り、不測の事態が生じた場合は、同事業の業績にマイナスの影響を与える可能性があります。

 

(電力取引関連事業)

同事業においては、国内における電力契約の切替ニーズの変化や小売電気事業者数の増減等が同事業の経営成績に影響を与える可能性があります。また、業務代行サービスを利用する顧客数及び顧客の取り扱う電力量や需給逼迫等による電力価格の高騰が経営成績に影響を与えることとなります。

 

(小売事業)

当事業では2022年度に電力の新料金プラン「フリープラン」の販売を開始し、秋以降、特高・高圧需要家様向けの販売が順調に伸び、期末時点で400件を突破いたしました。2024年3月期も各事業部門間の連携を一層強化し、当社サービスの認知によりさらなる特高・高圧の顧客獲得に努め、ひいてはPPA事業や電力取引の拡大に繋げていきたいと考えております。しかしながら想定以上に顧客の解約が発生する場合は経営成績に影響を与えることとなります。

 

(ディーリング事業)

ディーリング事業にとって、取引対象銘柄の出来高の大幅な減少や市場変動率の著しい低下(または、その反対に著しく急激な上昇)などの市場環境によって取引機会が減少する場合、同事業の業績は大きな影響を受ける可能性があります。また、2020年度に貴金属を中心とする銘柄は日本取引所へ移管が完了しましたが、東京商品取引所と大阪取引所の旧東京商品取引所銘柄を合算した日次出来高は前連結会計年度末の数字をやや下回っております。市場参加者の増加と市場流動性の向上を今後も期待するものの、現時点におきましては、減少後横這い傾向にあり、さらに市場参加者や市場の流動性が減少する場合は同事業の業績に影響を与える可能性があります。

 

 経営者の問題認識と今後の方針については、以下のとおりであります。

当社の経営者は、現状の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。

電力を中心とした総合エネルギー事業をより発展させるには、当社のトレーディング及びリスク管理ノウハウを生かしつつ新たなビジネスモデルの構築を早急に進めていく必要があり、加えて、当社は持続可能な社会の成長に資する脱炭素社会の実現を視野に、エネルギー資源の有効活用を図ると共に、効率的かつ利便性に優れたサービスの提供者になる必要があると考えております。このような考えの下、当社グループの事業領域における近未来のサービスの在り方をいち早く見極め、人財育成と確保、そして当社の事業展開を補完する事業パートナーの発掘を含め、スピード感をもって事業領域を広げると同時に深めるため、中期ビジョン2025「事業の進化と深化」の優先的に取り組む事項に沿って、事業を推進しております。

そのような中、2023年3月期は「事業の選択と集中」を進め、さらに、特高・高圧需要家向けの電力供給拡大や系統用蓄電池の事業化第1号に着手するなど「総合エネルギー会社」としての素地は出来つつあると考えております。2024年3月期は前期の流れをさらに拡大出来るよう、セグメント間の連系を強め全社一丸となって取り組んでまいります。

一方、当社の各事業に関連する事業の成果は、内外の金融商品市場、電力関連市場及び商品先物市場等の動向等の諸経済情勢の影響を大きく受けるものとなっております。このため、これらの市場等に関する情報を幅広く入手し、市場動向に迅速に対応すべく努力することは以前にも増して重要となっております。

業績と事業計画に大きな乖離が生じる可能性がある場合には、事業計画を抜本的に見直すことも含めて、環境変化への対応を適切に行ってまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(資産、負債及び純資産の状況)

当連結会計年度における総資産は、主にディーリング事業と電力取引関連事業に係る差入保証金の減少(462百万円)等により、12,942百万円(前年同期比1.4%減)となりました。

負債は、主に電力取引関連事業に係る1年内返還予定の預り保証金の増加(594百万円)等により、7,178百万円(前年同期比3.3%増)となりました。

純資産は、主に利益剰余金の減少(396百万円)等により、5,763百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

 

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,934百万円(前年同期間比10.8%増)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主として預り保証金の増加による収入(593百万円)、差入保証金の減少による収入(451百万円)等により、239百万円(前年同期は△442百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として投資有価証券の売却による収入650百万円)等により、259百万円(前年同期は△269百万円)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出(長期借入れによる収入との純額は△137百万円)等により、△211百万円(前年同期は133百万円)となりました。

 

再生可能エネルギー関連事業における資金需要については、主としてプロジェクトファイナンスによって投資資金を確保することを想定しております。なお、手元流動性を超える資金需要の増加が見込まれる場合におきましては、銀行借り入れ等による財務活動を通じた資金調達も視野に入れております。

電力小売事業における資金需要については、手元流動性に加え、銀行借り入れにより確保いたします。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 (減損の認識)

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に基づき、収益性が著しく低下した資産又は資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

また、地熱発電開発事業に係る固定資産の評価に関する会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。