文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
三協立山グループは、創業の原点である「お得意先」「地域社会」「社員」の三者が協力し共栄するという協業の精神に基づいた経営理念のもと、健全な企業活動を通じて社会に貢献していくことが私たちの使命であると考えております。
「お得意先・地域社会・社員の協業のもと、新しい価値を創造し、お客様への喜びと満足の提供を通じて、
豊かな暮らしの実現に貢献します。」
私たちは
私たちの使命は、商品・サービスをはじめ、様々な企業活動を通じて、人々が暮らす快適な空間と満足される生活づくりに貢献していくことであり、そこに企業としての存在意義があると考えております。
ブランドメッセージ“Life with Green Technology ~「環境技術でひらく、豊かな暮らし」~”
には、私たちが保有する環境技術を生かすことで、皆様の暮らしに役立つ「新しい価値」を創造していきたいという思いが込められております。当社は、お客様・市場、そして社会からの期待にしっかりとお応えできるよう、人と社会にやさしい環境商品やサービスを提供することで、豊かな暮らしの実現を目指してまいります。
当社グループを取り巻く経営環境として、国内においては、市場の成熟化と価値の多様化が進む中で、労働人口の減少と高齢化の進行に伴い、労働力不足への対応と社会保障の在り方が問われています。この問題解決の切り札の一つとして、多様な人材やデジタル技術の活用が期待されていますが、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、社会環境のデジタル化は大きく前進しました。「省人化」やいわゆる「ニューノーマルな生活様式」も含めた多様な生活や働き方が求められる中で、デジタル化への対応や多様な人材活用は今後解決すべき重要な課題と認識しております。
さらに人類の諸活動を起点として発生した温室効果ガスの増加に伴い、地球温暖化が進行し、台風及び豪雨の被害が甚大化するなど、気候変動により私たちの暮らし全般へ大きな影を落としつつあります。
このような環境や社会課題を世界的規模で解決すべく、2030年の達成を目指す持続可能な開発目標(SDGs)や各国の温室効果ガス削減目標が国連主導で策定されるとともに、国内における2050年のカーボンニュートラル宣言も加わり、これらの目標実現に向けた企業側の取り組みとその情報開示が求められています。
当社としては、従来の事業環境分析に加え、上記のような環境の変化や社会課題を「機会」と「脅威」として捉えた上で、当社グループで保有するアルミのリサイクル技術や省エネに貢献する製品技術、さらに販売ネットワークの強み等を生かしながら、海外を含めた市場成長性と連動した事業ポートフォリオへの変革が必要と考えております。
上記の背景により、今期からの中期経営計画を策定するにあたり、経営理念とブランドメッセージに基づき、長期的に目指す事業の姿「VISION2030(2031年5月期)」を描きました。
なお、当社グループは、2018年7月、「長期的に目指す事業構造」として2025年5月期の目標を設定いたしましたが、サステナビリティへの取り組みが追加されたことも含め、当社を取り巻く経営環境に変化が見られたことから、10年後の目指す姿、2031年5月期を新たな目標設定といたしました。
1つ目は、
サステナブルで豊かな暮らしに貢献
~環境に配慮した、安心で快適な社会の実現へ~
についてです。
「環境にやさしく」、「安心な社会へ」、「暮らしを快適に」を軸とし、各事業活動を通じて魅力ある価値を創造してまいります。

2つ目は、
多角化した経営
~バランスの取れた事業ポートフォリオへ~
についてです。
建材事業を主力としてきた当社グループにとって、国内建設市場の長期的な縮小は大きな課題であり、将来的な事業環境変化に対応するためには、建材事業は引き続き中核事業として収益力向上を図るとともに、新たな成長分野を創出していく必要があります。当環境の下、2015年3月に、国際事業のM&Aにより、国内外のマテリアル事業を強化し、商業施設事業では、事業承継による規模拡大を図ってまいりました。今後もさらに領域拡大を進め、建材事業に偏らない事業構成により、市場の変化に柔軟に対応できる経営基盤を構築し、持続可能な企業を目指してまいります。
事業ポートフォリオについて、2031年5月期には、建材事業の売上が全体の50%になりますが、当社の中核であることに変わりはありません。国内外のマテリアル事業で30%、商業施設事業は15%へ、そして、新規事業を含む領域拡大を5%に高めていくことを目指してまいります。

■中期的な経営課題
2024年5月期に向けては、低迷する景気や厳しい競争環境の中で、収益性を改善していくことと認識しております。特に国際事業の立て直しを優先すべきと考えており、この3年間の中期経営計画(2022年5月期~2024年5月期)で、健全経営への基盤を固め、VISION2030へ向けて“種をまく”仕込みを実施してまいります。
・中期経営計画
2022年5月期~2024年5月期の中期経営計画の方針
『収益面での健全経営を確立し、安定的に成長する企業グループへ』
を策定し、
1. 国際事業の改革完遂
2. 「強みへのフォーカス」と「効率化の追求」により、変化する国内市場へ対応
3. 長期成長への仕込み「サステナビリティ取り組み強化」・「新たな強みの創出」・「領域拡大」
を推進します。
各施策の具体的内容については次のとおりであります。
1. 国際事業の改革完遂
2.「強みへのフォーカス」と「効率化の追求」により、変化する国内市場へ対応
3. 長期成長への仕込み「サステナビリティ取り組み強化」・「新たな強みの創出」・「領域拡大」
以上に取り組み、最終年度では、
売上高は3,300億円(2021年5月期比+289億円)、
営業利益は90億円、営業利益率は2.7%
を目標とします。
■長期的な経営課題
2031年5月期に向けては、持続可能な経営や安定的成長に向けた基盤づくり、具体的にはESGの観点も踏まえたサステナビリティやコーポレートガバナンスの強化、さらには既存事業の周辺分野を着実に開拓し、併せて次なる事業領域の創出に取り組むことであると認識しております。
サステナビリティとコーポレートガバナンスの強化については、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードに対応していきます。主な改訂内容は、「取締役会の機能発揮」、「企業の中核人材の多様性の確保」、「サステナビリティを巡る課題への取組み」などであり、独立社外取締役の比率向上も含めて、長期的視点で取締役会の運営体制強化を図るとともに、2021年6月に設置したサステナビリティ推進部及びサステナビリティ政策委員会を中心にマテリアリティを特定し、具体的な長期目標を設定して取り組みます。
既存事業の周辺分野開拓や次なる事業領域の創出については、次世代のデジタル環境として普及が見込まれる商業施設や駅、駐車場などへ設置可能な5G基地局看板アンテナの共同開発の推進に加え、植物工場事業における着実な実績づくりと販売体制の強化、さらには栽培技術の構築にも引き続き取り組みます。加えて、今後の市場成長が見込まれる輸送領域におけるマテリアル事業と国際事業の相乗効果を積極的に活用するなど、三協立山グループの総合力を結集した事業活動を目指してまいります。
当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、現在、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。
なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
当社グループは、ビル建材製品、住宅建材製品、エクステリア製品の開発・製造・販売、アルミニウム及びその他金属の鋳造・押出・加工・販売、店舗用什器、看板の製造・販売、店舗及び関連設備のメンテナンスを主な事業としております。当社グループの製品は多岐にわたり、その多くは国内における建設業、小売業をはじめとした各種産業に使用されており、一部は海外で製造、販売されております。このため、当社グループの経営成績は主に、日本国内及び海外の景気動向、為替動向、資材価格市況、建設会社の建設工事受注高や住宅着工戸数の変動、国内鉱工業生産、民間消費動向等の影響を受ける可能性があります。
このような状況に対処するため、当社は事業セグメントとして「建材」「マテリアル」「商業施設」「国際」と幅広く事業展開することで、特定の経済環境変化により一部の事業が影響を受けてもその他の事業活動で補うことにより、リスクを最小限に抑えるような事業構造を目指しております。
②金利の変動
当社グループは、金融機関等からの借入金など有利子負債を有しております。金利が上昇した場合、支払利息が増加する等、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
金利上昇のリスクを抑えるため、金利スワップ等のヘッジ取引等により金利の固定化を行い、リスク低減に努めております。
当社グループは、重要な取引先、関係会社の株式を中心に、長期投資目的の株式を保有しております。保有株式個々の価格変動が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
そのような状況に対処するため、保有株式の有効性評価を定期的に行い、取締役会にて必要可否を判断し、不要と判断された株式の速やかな処分を行うこととしております。
為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債、売上高等の円貨換算額が当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
このような状況に対処するため、ユーロ、タイバーツ及び人民元等の主要通貨の変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を行っております。
当社グループが使用する原材料・資材等にはアルミニウム地金・鋼材等の市況により価格が変動するものが含まれており、これらは国内外の景気動向や為替動向などの影響を受けております。原材料・資材等の価格が高騰した場合、調達コスト増加の影響を最小限に抑えるためコストダウンや販売価格への転嫁等を実施しておりますが、その影響をすべて吸収できる保証はなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、主原材料であるアルミニウム地金についてはデリバティブ取引の導入や、安定調達と価格変動のリスク分散を目的に長期購入契約を行い、市況や為替変動による調達コストの変動を最小限に抑えるよう努めております。また、部品の共通化や複数購買化を進め、価格の抑制に努めるとともに、吸収できない市況価格の変動については、競合他社の動向を踏まえ、適切な売価への反映を行っております。
当社グループは、積極的に研究開発を行い、市場のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに提供し、成長性及び収益性の維持・向上に努めておりますが、競合企業による新たな競合製品の投入や価格競争により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、市場分析を踏まえ、価格競争に巻き込まれにくい差別化製品及び高付加価値製品の開発に取り組んでおります。
当社グループは、海外に販売拠点、生産拠点を有しております。進出各国における自然災害、政治的不安、テロその他の社会的混乱、物価上昇、ストライキ等の経済的混乱が発生した場合、海外における生産・販売活動の変動、事業活動の停止や復旧対応により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
そのような状況に対処するため、政治情勢、財政情勢、政策変更等について、情報収集を実施し、政情不安等の兆候の早期把握に努めております。
当社グループは、JISその他国内外の品質基準及び社内の品質基準に則って各種製品を製造しておりますが、重大な製造物責任賠償やリコールが発生した場合、多額の支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、開発及び設計の各段階で、品質確認のための試験やユーザー視点での確認会を実施し、指摘された問題を解決しなければ次工程に進めることができないルールの設定と運用により、重大な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性の抑制を行っております。
当社グループは、事業の許認可や独占禁止、為替、租税、知的財産、環境、労働関連等、多くの法規制を受けております。将来のこれら法規制の改正、新規規制に伴うコスト増加等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、法令遵守に努めておりますが、法令遵守違反が発生した場合は、公的制裁や社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、担当部署が中心となり、適宜外部の専門家(例えば弁護士)を活用しながら、専門部署がサポートすることで法を遵守しております。法改正に関する動向については、専門部署が情報収集を行い、経営層及び各事業会社へ情報共有しております。
また、法令遵守違反への対応として「コンプライアンス基本方針」を定め、従業員一人一人の意識の向上を図るとともに、グループ内で発生したコンプライアンス事案はコンプライアンス委員会で情報集約、対応することで内部統制の強化を行っております。
当社グループは、産業廃棄物の処理に関する法律及び大気、水質、騒音、振動、土壌汚染等の環境諸法令遵守を徹底しております。しかしながら、人為的ミス等による環境汚染により社会的信用が失墜した場合や、関係法令等の変更によって新規設備の投資によるコスト増加が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後想定される脱炭素化の流れへの対応が必要になることが考えられます。
このような状況に対処するため、気候変動対策や環境保全活動をはじめとしたサステナビリティ活動に関する方針の審議・策定を行う「サステナビリティ政策委員会」と具体的施策を策定し推進する「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。その中で環境保全に関する方針や方向性の策定を行い、方針に基づく様々な課題(エネルギー転換等による温室効果ガス対策、資源循環リサイクル、環境配慮設計、化学物質管理)に取り組んでおります。また、主要な自社工場においては、環境管理や監視体制の強化、産業廃棄物管理の徹底のため、ISO14001の認証を取得して問題発生の抑制に努めております。
当社グループでは、業務に関連して多数の企業情報を保有するとともに、多数の個人情報を保有しております。これらの企業情報及び個人情報については、万全の管理に努めておりますが、予期せぬ事態により情報が漏洩した場合には、損害賠償の発生及び社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、グループ全体のセキュリティリスクの把握や対策を推進する「情報セキュリティ委員会」を設置し、学習管理システムを用いたセルフチェック、研修動画の視聴、ウイルスメール対応訓練などにより従業員のセキュリティ意識を向上させるとともに、社外持ち出しPCへの暗号化ソフト導入、不審メール等の検知システム導入、アクセス時やアプリ利用に使用するIDの定期的な検証(利用者と権限)など仕組みの面でセキュリティ対策を強化する方策を講じることで、社内情報流出など問題発生の抑制に努めております。
地震・水害等の自然災害、火災・停電等の事故災害、感染症の拡大等によって、当社グループの生産・販売・物流拠点及び設備の破損や社員の感染による操業停止に陥る可能性があります。災害や感染症等による影響を最小限に抑える対策を講じておりますが、被害を被った場合は、復旧対応や事業活動の停止により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、災害への対応については、非常時の初期対応や報告経路、対策本部の設置と役割を定め、災害発生の際には適切な対応ができるよう仕組みを構築しております。また、災害防止や被害を最小限に抑えるために、設備の定期点検や防災訓練の実施、生産・販売・物流拠点に応じたBCP(事業継続計画)を作成し、被災時の速やかな事業の復旧が行えるよう備えております。感染症への対応については、各拠点と連携し、社員の感染予防対策の実施及び感染状況に関する情報収集と対策実施を行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「(9)新型コロナウイルス感染症拡大に関するリスク」をご参照ください。
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒見積高を算定し貸倒引当金として計上しておりますが、売掛・手形等の債権が回収不能となり貸倒れが当該前提等を大幅に上回った場合には、貸倒引当金の計上が不十分となる可能性があります。また経済状況の悪化や取引先等の信用不安等による前提条件等の見直しにより、貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、取引先の信用力チェックや与信枠の設定に関して規程やマニュアルを整備するとともに、信用力についての調査と評価を実施し、経営改善状況やリスク低減策等のモニタリングを行なっております。
当社グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待しているキャッシュ・フローを生みださない状況になるなど、その収益性の低下により減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、減損の兆候等について定期的に取締役会に報告し、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。
当社グループの退職給付費用は、退職給付債務の算出に使用する割引率が低下した場合や、年金資産の運用環境の悪化により前提条件と実績に乖離が生じた場合に、数理計算上の差異が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、年金資産の運用は安全性を考慮した投資配分に努めるとともに、定期的なモニタリングを行っております。また、退職給付制度には確定給付型と確定拠出型を組み合わせた制度を導入しております。
当社グループが海外への事業展開を含め持続的に成長するためには人材確保が不可欠であり、雇用制度の充実や能力開発制度等を通じて雇用確保と人材育成に努めておりますが、雇用競争の激化や退職率の上昇などにより有能な人材の獲得や流出防止が困難な場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、4月の定期採用に加えて通年のキャリア採用推進を行っております。また、高齢者や女性労働力の確保等ダイバーシティの推進を行うとともに、通信教育受講の奨励や社内e-ラーニングの提供等自己啓発支援を行い、人材育成に努めております。また、仕事と生活の両立を目指した長時間労働削減(ワークライフバランス推進)や生産性向上への取り組み(従業員教育、自己啓発支援、従業員満足度調査)を行っております。
2020年2月頃から世界各国にまん延し始めた新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内外の多くの産業における経済活動が多大な影響を受けました。ワクチン接種など感染拡大防止策が講じられていますが、未だ感染の収束が見通せない状況であり、経済の先行きは非常に不透明な状況となっております。今後、従業員への感染が拡大すると、国内及び海外における製造・販売活動など当社グループ事業の活動が停滞し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対処するため、当社グループでは対策本部を設置し、各拠点の状況を注視しながら、出張等移動の制限、感染予防対策の徹底、感染発生時の対応などを行うとともに、社内会議のオンライン化やテレワークの推進など勤務体制に関する積極的な対応を行っております。お客様への対応についても、Web会議や電話折衝を中心に、感染リスクを低減した接客を心掛けております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による影響を受け停滞している中で、米国、中国では景気対策の効果により持ち直し、回復の動きが見られましたが、依然として先行きは不透明な状況です。
わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、個人消費、設備投資、住宅投資、輸出など内外の需要が大きく落ち込みました。昨年秋以降は、個人消費や自動車及び半導体等電子部品の輸出で持ち直しの動きが見られるものの、国内景気は前年同期を下回る水準で推移し、依然として厳しい状況が続きました。
国内建設市場は、2020年度の新設住宅着工戸数が81.2万戸(前年度比8.2%減)、非木造建築物着工床面積は64.5百万㎡(前年度比8.0%減)と前年度を下回りました。
アルミニウム押出形材(サッシ・ドアを除く)の国内市場は、一般機械、輸送用機器などの需要減少により、前連結会計年度を下回りました(前連結会計年度比5.1%減)。
商業施設市場は、小売業での人手不足、人件費上昇を背景とした省人化・省力化投資があったものの、店舗着工棟数は前年度を下回りました(前年度比18.6%減)。
海外市場は、海外経済の減速を背景にドイツ・タイなどで自動車生産台数が減少しました(ドイツ:前年度比22.4%減、タイ:前年度比24.4%減)。
このような環境下、当社は新型コロナウイルス感染症へのリスク対応とともに、将来の市場構造変化に対応した事業ポートフォリオの構築に向け、『変革と価値創造~安定かつ成長可能な事業構造へ~』を基本方針とする2019年5月期~2021年5月期までの中期経営計画の最終年度として、「収益改善」「成長事業、グローバルシナジーの拡大」「次なる事業領域の開拓」に向けた諸施策の展開に注力してまいりました。
「収益改善」では、建材事業においては、販売粗利改善、業務効率化及び生産コスト改善などを図り、商業施設事業においては、業務効率化による販管費抑制を進めました。「成長事業、グローバルシナジーの拡大」では、国際事業において、欧州子会社で、EV(電気自動車)向けバッテリーフレーム用部材を受注し、出荷を開始しました。「次なる事業領域の開拓」では、商業施設や駅、駐車場などへ設置可能な5G基地局看板アンテナの共同開発や植物工場システムの受注、新規事業の探索と事業展開の具体的検証を進めました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は3,011億84百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりましたが、建材事業やマテリアル事業での生産コスト改善、商業施設事業での業務効率化などにより、営業利益は45億68百万円(前連結会計年度比126.7%増)となりました。また、経常利益は52億51百万円(前連結会計年度比225.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億83百万円(前連結会計年度は15億33百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。








資産合計は、前連結会計年度末に比べ69億54百万円増加し、2,529億35百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億0百万円増加し、1,688億53百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ57億53百万円増加し、840億81百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.6ポイント上昇の32.1%となりました。
なお、詳細については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億66百万円減少の223億69百万円(前連結会計年度比6.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)フリー・キャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は、前連結会計年度に比べ15億11百万円減少の78億47百万円(前連結会計年度比16.1%減)となりました。これは、退職給付に係る資産負債の増減額21億53百万円があった一方で、減価償却費80億79百万円の計上があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、前連結会計年度に比べ23億80百万円増加の91億4百万円(前連結会計年度比35.4%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出70億41百万円、有価証券の取得による支出13億79百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、前連結会計年度に比べ32億78百万円減少の6億63百万円(前連結会計年度比83.2%減)となりました。これは、長期借入れによる収入232億1百万円、短期借入金の純増加額74億46百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出182億77百万円、社債の償還による支出105億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出18億25百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出5億37百万円があったことなどによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、実際仕入金額によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における建材事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度の売上高は、3,011億84百万円(前連結会計年度比4.0%減)と減収となりましたが、営業利益は45億68百万円(前連結会計年度比126.7%増)、経常利益は52億51百万円(前連結会計年度比225.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億83百万円(前連結会計年度は15億33百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
営業利益は、前連結会計年度と比べ25億53百万円増加の45億68百万円となりました。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
経常利益は、前連結会計年度と比べ36億39百万円増加の52億51百万円となりました。
税金等調整前当期純利益は、46億16百万円となりました。これは、投資有価証券売却益1億52百万円などを特別利益に、減損損失4億22百万円などを特別損失に計上したことによります。
税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度と比べ1億16百万円増加の25億78百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は3億54百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は16億83百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ69億54百万円増加し、2,529億35百万円となりました。増減の主な内訳は以下のとおりであります。
流動資産
現金及び預金が13億72百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が24億68百万円、有価証券が13億36百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ29億13百万円増加の1,268億84百万円となりました。
固定資産
繰延税金資産が15億26百万円、無形固定資産が7億14百万円、それぞれ減少したものの、退職給付に係る資産が49億7百万円、投資有価証券が9億50百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ40億41百万円増加の1,260億50百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ12億0百万円増加し、1,688億53百万円となりました。増減の主な内訳は以下のとおりであります。
流動負債
短期借入金が77億95百万円、1年内返済予定の長期借入金が16億72百万円、支払手形及び買掛金が12億53百万円、それぞれ増加したものの、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が75億円、1年内償還予定の社債が30億円、未払金等のその他流動負債が28億71百万円、それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ30億22百万円減少の1,072億77百万円となりました。
固定負債
長期借入金が33億97百万円、繰延税金負債が9億65百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ42億23百万円増加の615億76百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ57億53百万円増加し、840億81百万円となりました。これは、退職給付に係る調整累計額が27億9百万円、繰延ヘッジ損益が15億27百万円、利益剰余金が15億26百万円、それぞれ増加したことが主な要因であります。なお、自己資本比率は32.1%(前連結会計年度末は30.5%)となりました。
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、生産能力増強、生産効率向上のための設備投資及び、新商品開発投資等の長期資金需要と、製品製造のための原材料等購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。今後も、財務基盤の安定を図りつつ、国際事業の改革完遂、変化する国内市場への対応、更には領域拡大に向けた投資など長期的な視点の資金需要に対応する方針であります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針として、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、銀行などの金融機関からの借入、資本市場における社債の発行等により、必要資金を調達しております。当社は、運転資金は基本的に内部資金からの充当及び短期借入による調達を基本としており、設備投資やその他の投資資金の調達については、金融機関からの長期借入及び100億円の社債発行登録枠内での社債の発行等を基本としております。
また、流動性に関しては、財務柔軟性を確保するため、金融機関との借入限度額205億円のコミットメントラインの契約や、機動的に活用できる債権の流動化枠を確保することで調達手段の多様化を図り、現金及び現金同等物の残高が適正になるように努めております。
その結果、当連結会計年度末における借入金及び社債は、前連結会計年度末に比べ23億65百万円増加の690億21百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は223億69百万円となりました。
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 ②経営指標」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、2025年までの長期的に目指す事業構造を描き、『変革と価値創造~安定かつ成長可能な事業構造へ~』を中期経営計画の基本方針とし、「収益改善」「成長事業、グローバルシナジーの拡大」「次なる事業領域の開拓」を目指した研究開発に取り組みました。
その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(建材事業)
建材事業では、環境配慮とユニバーサルデザインを基本に、「性能」「機能」「ロングライフ」の三つの要素を使う人の立場に配慮して盛り込み、安心・安全で快適な空間と生活に寄与することを目指した商品開発を実施しております。
ビル建材分野では、個別防火認定品運用への対応として基幹サッシ「MTG-70R」、「STフロント」の商品バリエーション拡充を図るとともに、高性能省エネサッシ「ARM-S U-Series」、住宅防音商品「MTG-70R-JB」の防火商品を追加市場投入しました。また、建築物省エネ法、集合住宅ZEHへの支援事業による更なる省エネ需要拡大対応に向けアルミ樹脂複合サッシ「ALGEO(アルジオ)-Bv」のバリエーション追加を行いました。
住宅建材分野では、住宅トレンドの変化への対応としてアルミ樹脂複合サッシ「ALGEO(アルジオ)」に内観色追加、玄関ドア「ファノーバ」にデザイン・色追加を行いました。また、インテリア分野強化として木質建材「LiVERNO(リヴェルノ)」、床材「Sフロア」の色体系強化を図りました。さらに、リフォーム市場拡大の対応として新リフォームカバー工法「ノバリス サッシ」の開発を進めております。
エクステリア分野では、自然災害に備えた耐風圧強度の高い商品へのニーズの高まり対応として、形材フェンス・形材門扉「レジリア」、公共向け大型伸縮門扉「アルテンダフォルテ」、またコロナ禍におけるイエナカ生活を快適にする空間づくり対応としてリアル木調人工木デッキ「ひとと木キュアーズ」、バルコニー「オルネ」、カーポート&マルチルーフ「ビームス」、宅配ボックス付き機能ポール「フレムスLight」、住宅建物の正面部分(ファサード)への商品提案として高級鋳物門扉「ジオグランテ」、さらに、地元伝統工芸を生かしたコラボ商品の照明・表札「TAKAOKA MADE」を市場投入いたしました。
研究開発費総額は
(マテリアル事業)
アルミニウム関連事業では、輸送関連及び一般機械を主たるターゲットとし、中強度から高強度に至る6000系合金のラインナップの拡充を図るべく、合金開発を推進しております。
産学官連携事例としては、東海旅客鉄道株式会社様が中心となり進めております、アルミ車両の水平リサイクル推進委員会(日本アルミニウム協会)の実証事業「アルミ水平リサイクル」の取り組みを継続しております。東海道新幹線新型式車両N700Sの荷棚材に採用された、新幹線の廃車両から選別・抽出した再生アルミ材の適用範囲の更なる拡大に向けて、関連技術の構築を推進しております。
鍛造用小径ビレット事業では、当社が開発した高強度合金を展開し、自動車のサスペンション部材としてご採用いただきました。本合金の開発により、複数の大型物件の受注獲得に成功しております。
マグネシウム関連事業では、NEDO委託研究事業「革新的新構造材料等研究開発」プロジェクトにおいて、難燃性や加工性に優れた新開発マグネシウム合金材の鉄道車両構体への実用化に向けた研究開発を継続中です。高速車両構体を模した大型モックアップ構体による気密疲労試験を完遂し、車両走行時の構造安全性を検証しております。
研究開発費総額は
(商業施設事業)
商業施設事業では、市場環境の変化と成長分野に対応した商品の開発を推進しており、特に労働人口減少に対応した「店舗の省人化・省力化」、環境に配慮した「省エネ・省資源」をテーマとした商品開発に注力しております。
店舗の省人化・省力化商品では、セルフレジ化に対応したカウンターの商品化、陳列作業を軽減するスライド棚板のバリエーション拡充を行いました。省エネ対応では、既存看板の光源を蛍光灯からLEDへ完全切替に向けた開発を推進しております。また、店舗における感染拡大予防として、レジ精算時の飛沫感染を防止するための「飛沫ガードフェンス」の商品化や抗ウイルス商品の開発を推進いたしました。主力業態であるコンビニエンスストアやドラッグストア・専門店等に対しては、積極的に商品提案を行い、受注領域の拡大を図っております。
研究開発費総額は
(国際事業)
欧州・タイ・中国に展開した押出事業においては、自動車・産業機械・鉄道・航空・建材を主要分野とし、各分野で顧客との密接なプロジェクトにより、顧客が将来に向け求める技術及び製品の開発、市場調査等を実施しております。
研究開発費総額は