第2  【事業の状況】

 

1  【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、「日本の食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、「生販直結モデル」の事業展開を通じて、第一次産業の活性化と高品質低価格の実現による、食産業における生産者、販売者、消費者のALL-WINの達成を目指しております。

 

<当社グループが目指す、生販直結モデルによるALL-WIN>


 

当社グループでは、上記の達成のため、以下のような課題に取り組んでいく方針であります。

 

① 販売戦略の再構築と事業エリアの選別

当社グループの販売事業は、地鶏と鮮魚をメインとする平均客単価4,000円前後の外食店舗(居酒屋)を主に首都圏に展開しております。ここ数年、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け市場環境は急激に変化しております。

この事態に対処するため、ブランド、店舗業態及び商品構成を顧客や市場動向を分析しながら的確に行い、国内の既存店販売力を向上させます。また、新規事業・海外事業は事業展開の業態・エリアの選別を図り、選択と集中を果敢に実行することで業績向上を推進してまいります。加えて、宅配弁当事業やプラットフォーム活用型デリバリーの拡大、デリバリーの新規事業の立ち上げなどの外食以外の事業は、中期的な施策として中食や小売、通販などの事業拡大の検討していく方針です。また、売上高に見合う水準に本社コストの見直しを行うことなどにより、筋肉質な体制を構築してまいります。

 

② 提携産地の開拓と取組産業の拡充

当社グループの生産流通事業は、宮崎県、鹿児島県、北海道を主な提携産地として、畜産業(地鶏)及び漁業(鮮魚)を主な取組産業として自社生産及び流通を行っております。今後、全国の第一次産業の生産地と直接提携関係の構築を進めながら、卸売市場や仲卸を通さない漁業生産者との直接ネットワークの拡大と、取扱品目拡大の取組みを継続していく方針です。

 

 

③ 店舗の収益性の維持、向上

外食業界においては、従前から低価格志向と景気が改善傾向にあることによる高価格志向の二極化の傾向が見られましたが、価格競争だけでなくサービス力や商品力のある高付加価値を提供している企業の収益は好調に推移しております。その中で当社グループの販売事業は、マーケット状況に応じた商品投入を図りながら生産情報などの付加価値を提供することで中価格帯とされる客単価を維持または向上させる戦略をとる方針です。

 

④ 生産流通事業の収益性の維持、向上

当社グループの生産流通事業は、地鶏、青果物や鮮魚などの主要食材について、農漁業生産者との直接取引又は自社生産による中間流通コストの圧縮と共に、生産の過程で生じる余剰品や未利用品の商品化や「今朝獲れ便」による鮮度向上等の付加価値向上を行っております。今後、そのノウハウを活用し、外部の飲食店や小売店を対象とした卸売販売を強化していくことで、収益の拡大を図っていく方針です。

 

⑤ 衛生管理・環境問題対応の強化、徹底について

食産業においては、食中毒や食品アレルギーなど食品事故の発生により、食品の安全性、商品表示の正確性に対する社会的な要請が強くなっております。また、食品ロスやプラスティックの廃棄など環境への配慮も強く求められております。当社グループの各店舗、事業所では、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理を徹底すると共に、定期的に本社人員による店舗監査や生産子会社への監査及び外部検査機関による検査と改善を行います。加えて、商品表示・環境問題への啓蒙等を行うことで、今後も食産業に求められるコンプライアンス体制の強化を行っていく方針です。

 

⑥ 人材の確保及び教育の強化

当社グループでは、事業拡大において出店店舗数を増加させていると共に、販売促進に関して一定の権限を店舗スタッフに付与し、各自の判断でサービスを提供していることから、従来からの少子化、若年層の減少により雇用対象者が減少する中で、人材の確保及び教育を経営上の重要課題であると考えております。人材の確保については、自社採用ホームページを含むアルバイト採用の強化、新卒採用及び管理職を含む効率的な中途採用を継続していく方針です。人材の教育については、人事本部に留まらず、本部の垣根を超えた社内教育体制の構築と強化を図っております。

 

⑦ 生産流通体制の拡充

当社グループの生産流通事業における施設面、人材面の体制は、当社グループの事業規模に合わせて順次整備を行ってまいりました。一般的に生産面では計画から収穫・出荷までの生産期間、流通面では流通経路等の整備に相応の期間を要するため、中長期的な観点から、養鶏場や加工場、物流拠点などの施設管理と、農漁業や物流・加工などの専門知識、技術を有する人材の採用と教育を行っていく方針です。

 

⑧ 経営管理組織の充実

当社グループは、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのため、企業規模の拡大の基盤となる経営管理組織を拡充していくため、今後においても意思決定の明確化、ダイバーシティを考えた組織体制の最適化、内部監査体制の充実及び監査等委員会監査並びに監査法人による監査との連携を強化して、ガバナンスの強化を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役 野本周作がサステナビリティの重要課題(マテリアリティ)に関する経営判断の最終責任を有しております。

今後は更なるサステナビリティの推進を目指し、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会の設置を予定しております。持続可能性の観点で当社グループの企業価値向上をさせるため、当社グループの在り方を提言する事を目的として、以下の内容の協議等を行い、取締役会へ報告を予定しております。

 

①中長期的な視点に立ち、サステナビリティに関する重要課題の特定

②サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会の識別

③サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応方針の策定

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有する立場と位置づけ、 経営会議、サステナビリティ委員会で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての審議監督を行う機関と位置付ける旨を検討しております。

 

(2)戦略

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

<人材育成方針>

当社グループの競争力の源泉は「人材」であり、様々な角度から人材育成を行うことで、従業員の育成キャリア形成を図ってまいります。具体的には、基礎習得期の獲得人材に対しては店舗運営に必要なスキルの可視化と習得を促し、リーダーに求める言動を軸にしたコンピテンシー評価の結果に基づいて3ヶ月に1度の昇進試験を行うことで、早期活躍人材へと育成します。また、求められる能力や専門知識の習得の可視化を行うだけでなく、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援するため、ソムリエ取得・SAKE DIPLOMAなどの取得と多彩な資格取得支援制度を実施しており、学ぶ場の提供を重視しております。さらに、専門知識だけの習得に囚われず、多様な人材を育成するために、オンライン講座を利用したマーケティングやDXの知識取得に向けた講座を提供する体制を整えております。

すでにスキルを持っている人材でも、さまざまな状況変化にも対応できる更なる高みを目指すことや、能力が低下することのないよう、他事業への戦略的配置転換により、継続的な育成に取り組んでおります。

また、組織に不足するスキル・専門性の獲得を社員に促すに当たって、役割等級制度をベースとし、挑戦する姿勢そのものを称える企業文化の形成の観点からMBO(目標管理制度)の運用と、その結果に基づいて人事・事業責任者・執行役員を集めた評価会議での議論を通じて、個々人のキャリアプランや報酬等の処遇反映を半期に1度行っております。

 

<社内環境整備方針>

中長期的な企業価値向上のためには、多様な専門性や経験、価値観などを持った個人を受け入れ、持続的なイノベーションを起こしていくことが重要であると考えております。その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせであります。そのため専門性や経験、感性、価値観、といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となると考えております。さらに、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進するため、以下のような施策を進めてまいります。

 

 

① 特定技能人材の積極採用と定着・活躍支援

慣れない環境の中でも安心して働けるよう、店舗勤務を経た外国籍マネージャーによるサポート体制を構築しながら、日報を通じて業務レベルの把握と遠隔指導を事業単位で行うことで、組織全体とのつながりを強化しております。四半期ごとに全社員集会をオンラインで行い、働きぶりや成長を熟視する機会を作っております。

 

② フルタイム正社員雇用に限定しない柔軟な雇用の促進

女性活躍を促すことに加え、ミドル・シニア層の技術と経験を活かした働きができるよう、柔軟性の高い勤務条件を個別に設定して、それぞれの環境に合わせた雇用に努めております。

 

また、以下のような働く環境の改善や、従業員の健康と安心に繋がるような取り組みを通じて、定着率の改善・向上を図っており、具体的には以下を整備しております。

 

① 社員のエンゲージメントレベルの把握

中期的な組織力の維持・向上を目指し、自社にとって重要なエンゲージメント項目を整理し、全社員を対象としたエンゲージメントサーベイの実施を年に2回実施しております。定期的なサーベイとeNPSに相関のある項目をモニタリングしながら対策を講じ、働きやすい環境を整備しております。

 

② 社内公募制の実施

社員の異動するポジションについては、当社の強みである生販直結を生かし、生産地などへの異動を含めた公募を行い、社員が自律的にキャリアを形成し、戦略的異動による高いエンゲージメントレベルで働ける環境を整備しております。

 

③ リモートワークへの対応

コロナ禍を契機に、就業規則の見直しを行いリモートワークへの対応を進めております。社内SNS等を活用したコミュニケーションツールの活用、WEBミーティングの導入や、クラウドサイン等の社内決裁の簡素化・デジタル化等を行い、組織と個人の生産性を維持・向上させる取り組みを実施しております。

 

(3)リスク管理

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスク管理委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、今後設置を予定しているサステナビリティ委員会の設置を検討することにより、詳細な議論の実現を行い、取締役会で審議、監督する体制を構築する予定です。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、上記 「(2) 戦略」 において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

指標

目標

定着率(1-離職率)

2025年3月までに 、当連結会計年度と比較し+5Ptの増加

人時売上高

2025年3月までに、当連結会計年度と比較し105%の増加

 

(注)従業員の定着率は国内事業の目標として設定しております。

また、人時売上高は国内飲食事業の目標として設定しております。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 各種法的規制について

(a)食品衛生管理について

当社グループは、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて、全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。衛生管理マニュアルに基づき厳格な衛生管理と品質管理を徹底しておりますが、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、食材等の廃棄処分、営業許可の取消し、営業の禁止もしくは一定期間の営業停止処分、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(b)製造物責任について

当社グループは、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)、「製造物責任法」(PL法)等に基づく規制を受けており、これらの法令の遵守についても対策を講じておりますが、万が一これらの法令に違反した場合、製品の廃棄処分、回収処理などが必要となるおそれがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 

(c)労働関連法令について

現在、厚生労働省において短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用基準を拡大する案が検討されております。当社グループは店舗や加工場等において多数の短時間労働者を雇用しており、これらの法改正の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(d)その他各種許認可について

当社グループは、生産流通事業において食鳥処理の事業の許可、東京都中央卸売市場の買参権などの許認可を受けて事業を行っており、これらの権利の更新ができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 主要食材(みやざき地頭鶏・黒さつま鶏)への依存について

当社は、宮崎県内で生産されるみやざき地頭鶏を主要食材とする「塚田農場」「じとっこ組合」店舗の売上構成比が高い状況にあります。生産拠点を複数構えることによりリスク分散を行っておりますが、自然災害による生産量の減少、鳥インフルエンザ等の疫病の発生、食品衛生問題等によるブランド毀損、消費者の嗜好や市場の変化等が発生した場合には、仕入コストの上昇や販売低下により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 食材の生産、流通について

当社グループでは、みやざき地頭鶏以外にも、他の地鶏、鮮魚、ホルモンなどの当社のビジネスモデルを特徴づける食材がありますが、これらの食材の安全性確保に疑義が生じ、当社グループでの食材の生産や調達に制限を受けたり、天候不順や災害、ウイルスの流行等の外的要因により需給関係が逼迫した場合の仕入コストの上昇など、食材の確保に支障が生じる事態となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 自然災害について

当社グループの多数の店舗が首都圏に集中しており、首都圏において大規模な地震や台風等による災害が発生した場合、その直接的、間接的影響による販売低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは、各地で畜産業や漁業などの生産事業を行っております。したがって当該生産地域で大型の自然災害が発生した場合、その直接的、間接的影響により生産活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 出退店政策について

当社グループは、主に高い集客が見込める都心部及び郊外の主要駅周辺に出店をしておりますが、新規出店におきましては、立地条件、賃貸条件、投資回収期間等を総合的に検討して、出店候補地を決定しているため、すべての条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、当社グループでは、月次の店舗ごとの損益状況や当社グループの退店基準に基づき業績不振店舗等の業態変更、退店を実施することがあります。業態変更や退店に伴う固定資産の除却損、減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 差入保証金について

当社は、賃借により出店等を行うことを基本方針としており、すべての店舗において保証金を差し入れております。今後の賃貸人の経営状況によっては、当該店舗における営業の継続に支障が生じたり、退店時に差入保証金等の一部又は全部が返還されない可能性があります。また、当社の都合によって契約を中途解約する場合等には、締結している賃貸借契約の内容によって、差入保証金等の一部又は全部が返還されない場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 有利子負債の依存度

当社グループは、店舗設備及び差入保証金等の出店資金並びに生産設備資金を金融機関からの借入により調達しております。2023年3月期において、当社グループの有利子負債残高は6,847百万円となり、有利子負債依存度は74.9%となっております。現在は、当該資金を主として変動金利に基づく長期借入金により調達しているため、金利変動により、資金調達コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

2022年3月

2023年3月

有利子負債残高(百万円)

7,774

6,847

有利子負債依存度(%)

80.3

74.9

 

(注)有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定を含む)、リース債務の合計額であります。

 

⑧ M&Aについて

当社グループは、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、当社グループに関連する事業のM&Aを検討していく方針です。M&A実施に際しては、対象企業の財務・法務・事業等について事前にデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画通りに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

⑨ 人材の確保及び育成について

当社グループは継続的な新規事業の開発及び更なる店舗展開を図っていく方針であるため、十分な人材の確保及び育成ができない場合には、新規事業開発の遅れ、サービスの低下による集客力の低下、計画通りの出店が困難となること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 固定資産の減損損失について

 当社グループが保有する固定資産において資産価値の下落や、キャッシュ・フローの低下等によって減損処理をした場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 継続企業の前提に関する重要事象等について

2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置を受けて、酒類の提供制限や一部店舗で臨時休業・営業時間短縮などを実施した結果、売上高及び営業利益等の業績が著しく低下いたしました。また、政府・自治体による営業活動自粛要請等が解除された2022年3月以降も、新型コロナウイルス感染症第7派の影響などを受けて、当連結会計年度においても当社業績に多大な影響を受けており、その結果、当第3四半期末時点では一時的に債務超過となりました。そのため、当社は、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在していると認識しております。

しかしながら、策定した資金計画に基づき、取引金融機関等との連携を深化拡大させたとともに、第三者割当による新株式の発行により当連結会計年度末において債務超過は解消しております。また、新型コロナウイルス感染症の収束後の新たな消費者ニーズに対応するため、事業ポートフォリオの見直し・コスト構造改革を一層加速させることで、早期の業績改善を図ってまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナのもと、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必要があります。

外食業界におきましても、コロナ禍での生活習慣の変化で夜間利用の戻りは鈍く、更にかつてない資源価格や原材料の仕入価格の高騰に加え、人件費の上昇等によって依然厳しい状況が続いております。

このような環境の中、当社グループにおきましては消費環境の変化に対応し、付加価値の高い商品の開発や販売におけるサービスの更なる強化に取り組んでおります。「食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、DX化の推進などによる既存ブランドの再構築を行うことで、生産者との継続的な深い関わりに基づく商品力を基軸とした新たなビジネスに取り組むなど、専門店化への事業モデルの転換に努めております。

 

(生産流通事業)

生産流通事業では、「生販直結モデル」の一部として、地鶏の生産事業及び、鮮魚・青果物などの生産並びに流通事業を行っております。食産業全般において、仕入価格の不安定化が事業課題になっておりますが、当社グループにおいては主要食材を当社グループ会社や安定した契約農家などから調達できることが事業の安定化につながっており、それが強みとなっております。

直近では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う行動制限の解除によって販売事業の売上高が増加したことにより、地鶏の生産量や野菜の流通量は徐々に増加しており、加えて、地鶏のグループ外への販売も堅調に推移しております。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,362百万円(前年同期比78.5%増)、セグメント損失は12百万円(前年同期はセグメント損失202百万円)となりました。

 

(販売事業)

販売事業では、「生販直結モデル」の一部として、主に外食店舗を運営しております。

コロナ禍を通じて消費環境が大きく変化したこともあり、国内飲食事業では、売上高は回復途上で、まだコロナ前の水準にまで戻り切ってはおりませんが、このような環境の中でも来るべき本格回復時期に売上高・利益を最大化するべく、様々な取り組みを進めてまいりました。

改めて産地や食材に向き合った商品の開発については、最も店舗数の多い塚田農場業態にて積極的な取り組みを進めました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は16,544百万円(前年同期比117.7%増)、セグメント損失は1,722百万円(前年同期はセグメント損失3,567百万円)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は17,175百万円(前年同期比114.8%増)、営業損失は1,734百万円(前年は営業損失3,769百万円)、経常損失は1,103百万円(前年同期は経常利益1,598百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,312百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益31百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より331百万円増加し、1,817百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,023百万円となりました。これは主に雇用調整助成金・新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金に関する未収入金の回収による収入1,313百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は560百万円となりました。これは主に新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出513百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は159百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入658百万円及び株式発行による収入850百万円と長期借入金の返済1,325百万円の差額によるものであります。

 

③ 生産、仕入及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

生産流通事業     

751,145

113.6

      合計   

751,145

113.6

 

    (注)  金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。

 

b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

生産流通事業     

341,569

140.1

販売事業       

4,621,054

211.7

      合計   

4,962,624

204.5

 

    (注)  金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

生産流通事業

1,362,414

178.5

 

地鶏関連

1,362,414

178.5

 

その他(野菜、鮮魚等)

販売事業

16,544,027

217.7

 

地鶏モデル(塚田農場等)

8,420,526

234.1

 

鮮魚モデル(四十八漁場等)

1,690,352

350.3

 

ホルモンモデル(芝浦食肉等)

657,697

469.6

 

やきとりモデル(若どり屋等)

890,683

313.6

 

中食モデル(弁当等)

2,036,790

125.5

 

その他

2,847,977

193.5

合計

17,906,442

214.2

 

  (注)  金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

財政状態の分析

当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ544百万円減少し、9,139百万円となりました。これは主に現金及び預金が331百万円、売掛金が393百万円増加したものの、雇用調整助成金・新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金に関する未収入金が967百万円減少したこと等によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度に比べ119百万円減少し、当連結会計年度における負債合計は9,021百万円となりました。これは主に返済により長期借入金が667百万円減少したためです。

純資産につきましては、前連結会計年度に比べ424百万円減少し、当連結会計年度における純資産合計は118百万円となりました。これは主に新株の発行及び資本金からの振替により資本準備金が876百万円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失により1,312百万円減少したためです。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、17,175百万円(前年同期比114.8%増)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、生産流通事業が1,362百万円(前年同期比78.5%増)、販売事業が16,544百万円(前年同期比117.7%増)となっており報告セグメントの合計は17,906百万円となっております(連結売上高との差額は内部取引によるものです)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う行動制限の解除によって販売事業の売上高が回復したことが影響し、生産流通事業の売上高も増加しております。

 

(営業利益又は営業損失)

当連結会計年度は営業損失1,734百万円(前年は営業損失3,769百万円)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、生産流通事業がセグメント損失12百万円(前年はセグメント損失202百万円)、販売事業がセグメント損失1,722百万円(前年はセグメント損失3,567百万円)となっており報告セグメント合計はセグメント損失1,734百万円(前年はセグメント損失3,769百万円)となっております(営業利益との差額は連結上の調整額によるものです)。生産流通事業は、売上高が増加したことにより、セグメント利益が増加となっております。販売事業においても、売上高が回復したことにより、セグメント利益は前年より増加となりました。

 

(経常利益又は経常損失)

当連結会計年度は経常損失1,103百万円(前年は経常利益1,598百万円)となりました。これは、主に新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金187百万円や雇用調整助成金334百万円があったことにより営業外収益が合計805百万円となったことと、借入れによる支払利息108百万円など営業外費用が合計174百万円となったことによるものです。

 

 

(親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は1,312百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益31百万円)となりました。これは減損損失116百万円を計上したこと等によるものであります。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は6,847百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,817百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) シンジケートローン契約締結について

当社は、資金繰りの安定化と計画的な有利子負債の削減を目的として、2019年9月30日に株式会社りそな銀行をアレンジャーとする総額44億円のシンジケートローン契約を締結しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化に備えて、手元資金を厚くすることを目的として、株式会社りそな銀行をアレンジャーとする総額15.8億円のシンジケートローン契約を締結し、2022年6月30日に実行しました。

なお、株式会社りそな銀行をアレンジャーとする総額16.7億円のシンジケートローン契約は、2022年6月30日をもって終了いたしました。

 

(2) コミットメント契約締結について

当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行と貸出コミットメント契約を締結しております。この契 約に基づく連結会計年度末の借入未実行残高は次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

貸出コミットメントの総額

2,000,000

千円

2,000,000

千円

借入実行残高

千円

千円

 差引額

2,000,000

千円

2,000,000

千円

 

 

(3) ライセンス契約

当社はライセンス契約者との間で、以下のようなライセンス契約を締結しております。なお、契約内容の要旨は次のとおりです。

「じとっこ」「宮崎県日南市じとっこ組合」ライセンス契約

契約内容

ライセンシーは、「じとっこ」「宮崎県日南市じとっこ組合」ブランドを使用し、みやざき地頭鶏の仕入、流通システムの利用、「じとっこ」「宮崎県日南市じとっこ組合」店舗経営ノウハウを利用する

契約期間

契約締結日から5年間

契約金

契約時に一定額

ライセンス料

店舗坪数により毎月一定額

保証金

契約時に一定額

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。