当社グループは、「日本の食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、「生販直結モデル」の事業展開を通じて、第一次産業の活性化と高品質低価格の実現による、食産業における生産者、販売者、消費者のALL-WINの達成を目指しております。
<当社グループが目指す、生販直結モデルによるALL-WIN>

当社グループでは、上記の達成のため、以下のような課題に取り組んでいく方針であります。
① AI推進による事業モデルの抜本的変革
外食産業における人件費高騰と労働力不足は深刻な構造的課題であり、当社はAI活用を「人が創造性に集中できる組織への変革」の中核に据え、この課題を解決してまいります。
当連結会計年度に始動した全社プロジェクトを深化させ、配膳ロボットの導入やAI需要予測に基づく自動発注、食品ロス削減モニタリング、自動シフト作成といった店舗DXを徹底し、定型業務の自動化を推進します。あわせて、メニューエンジニアリングや需要予測に連動したダイナミックプライシングの導入、独自のデータ資産を基盤としたパーソナライズ・メニューの提供による収益最大化が喫緊の課題です。AIを単なる効率化の手段に留めず、事業モデルそのものを進化させる原動力とし、次世代の外食経営モデルを確立してまいります。
② 人的資本経営の深化:自律型組織への移行と人材力の強化
不透明な経営環境下において、現場一人ひとりが自律的に判断し行動できる組織の構築は不可欠な課題です。当社は、外部採用への過度な依存から脱却し、現場のポテンシャルを発掘して内部から次世代リーダーを輩出する「カンテラ採用」の定着を推進します。教育面においては、独自の「職人技術」と「マネジメント能力」を両立させた自律型人材を育成し、将来の事業拡大を支える人材基盤を強固にすることが課題であると認識しております。また、階層を極力排除した「ぶんちん型フラット組織」への移行により、現場の意思決定スピードを画期的に向上させ、AIによって創出した時間を接客等の創造的業務に再配分します。継続的な賃上げによる処遇改善とともに、全スタッフが誇りを持って挑戦し続けられる組織文化の醸成に取り組んでまいります。
③ 収益構造の強靭化:付加価値の創造と適正な価格転嫁
原材料費やエネルギー価格の継続的な上昇は、収益性を圧迫する大きな課題です。当社は「生販直結」モデルの強みを活かし、産地直送の希少食材やストーリー性のある商品開発を通じて、価格競争に陥らない圧倒的な付加価値を創出することが重要であると考えております。単なるコストアップの転嫁ではなく、提供価値の向上を伴う「適切な価格転嫁」を実行し、生産者の利益確保と当社の収益性向上を両立させる「良循環」を構築・維持することを重点課題として取り組んでまいります。
④ 成長基盤の拡大:グローバル展開と戦略的M&A
国内市場の構造的変化を見据え、成長著しい海外市場において新たな収益の柱を確立することが中長期的な課題です。特に経済成長が続く東南アジア市場において、当社の強みである「日本の食文化」と「直結モデル」をローカライズさせつつ展開を加速いたします。自社による新規出店に加え、シナジー効果が見込めるM&Aを機動的に活用することで、グローバル規模での成長ポートフォリオを構築し、企業価値の持続的な拡大を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制の強化を進めており、代表取締役社長がサステナビリティの重要課題(マテリアリティ)に関する経営判断の最終責任を有しております。
今後は更なるサステナビリティ経営の推進を目指し、取締役会の諮問機関として「サステナビリティ推進プロジェクト」の立ち上げを検討しております。本プロジェクトは、持続可能性の観点から当社グループの企業価値向上に向けた在り方を提言することを目的とし、以下の内容の協議等を行い、取締役会へ報告を行う予定です。
① 中長期的な視点に立った、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の特定
② サステナビリティに関する重要課題におけるリスク及び機会の識別
③ サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応方針の策定
将来的には、取締役会をサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有する立場と位置づけ、経営会議においては、サステナビリティ推進プロジェクトで協議・決議された内容の報告を受け、リスク・機会への対応方針や実行計画等についての審議監督を行う体制の構築を進めております。
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
当社グループの競争力の源泉は「人材」であり、様々な角度から人材育成を行うことで、従業員の自律的なキャリア形成を図ってまいります。具体的には、「新たな制度の創設ではなく、当社がこれまで培ってきた“仕組み”を再点火・接続する人財戦略」を軸とし、産地・店舗・本部・パートナーを有機的につなぐエコシステムの構築を通じて中長期的な事業成長を支える方針であります。
ミッションへの深い共感と文化の醸成を目的とした「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)・感情移入文化の再点火」に向けて、ミッション共有研修や個のVISION設計、産地体感フィールド研修、ならびに各種アワード(Values Award / Creators Award)を効果的に連動させ、全社的なエンゲージメントと帰属意識を高めてまいります。また、「フードクリエイター育成」を掲げ、食の専門資格(ソムリエ等)の取得支援や社内マイスター制度を強化するほか、アルバイトリーダー研修や「APキャリアラボ」を通じた学ぶ場の提供を重視し、現場の専門知識およびホスピタリティの底上げを強力に推進しております。
さらに、組織の柔軟性と次世代リーダーの早期育成を両立するため、「連鎖型カンパニー制」を導入し、権限委譲を推し進めるとともに、社内公募やFA(フリーエージェント)制度、ハイブリッド制度を活用した戦略的な人材流動化と適材適所の配置転換を行い、環境変化に対応できる組織基盤と従業員の継続的な成長を支援しております。
<社内環境整備方針>
中長期的な企業価値向上のためには、多様な専門性や経験、価値観などを持った個人を受け入れ、持続的なイノベーションを起こしていくことが重要であると考えております。その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせ(知と経験のダイバーシティ)の積極的な取り込みです。
外食業界における労働力不足への対応および生産性向上の観点から、性別や年齢、国籍などに関係なく様々な人材が意欲をもって活躍できる環境や仕組みを整備するため、「採用ポートフォリオの刷新と若返り」を推進しております。具体的には、店舗のパート・アルバイトから正社員へと地続きでキャリアアップできる「カンテラ採用」の積極的な運用、リファラル採用やアルムナイ(OB・OGネットワーク「ONAKAMA」)の推進、ならびに女性、外国人、特定技能人材、異能人材の採用枠拡大を行うことで、現場を熟知した優秀な人財の定着と組織の多様性確保を両立してまいります。
また、「個が輝く組織&多様なキャリア」の実現に向け、全社的なエンゲージメントレベルを定量的に把握・改善するサイクルを構築しております。年2回のエンゲージメントサーベイに加え、eNPS(従業員ネットプロモータースコア)およびキャリアアンケート(キャリアビジョン保有率)を定期的にモニタリングし、挑戦と成長を可視化する人事制度への刷新を図ることで、組織と個人の生産性を維持・向上させる取り組みを実施しております。
当社グループにおいて、全社的なリスク管理はリスク管理委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、今後立ち上げを予定している「サステナビリティ推進プロジェクト」の中で検討いたします。これにより、サステナビリティ特有のリスクに関する詳細な議論を実現し、取締役会が適切に審議・監督する体制を構築する予定です。
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、実効性を高めるため、FY2031(2031年3月期)に向けた5つの重点施策ごとにKPIを設定し、進捗をモニタリングしております。当該指標に関する現状値及び目標値は、次のとおりであります。
(注)1. 従業員エンゲージメントスコア(eNPS)の現状値(-41.5%)については、主要10業界全体のeNPS平均値(-62.5%)を約20ポイント上回っております。2. 現状値の「FY2026実績」は、一部現状把握のためのアンケートおよびプロジェクト再整備期間中の項目を含んでおり、順次FY2027(2027年3月期)より本格的な計測・運用を開始する計画であります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 各種法的規制について
(a)食品衛生管理について
当社グループは、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。社内衛生管理マニュアルに基づき、店舗および自社工場での厳格なクレンリネス、食材の温度管理、定期的な衛生監査と従業員教育を徹底しておりますが、万が一、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、営業許可の取消しや一定期間の営業停止処分、ブランドイメージの失墜、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(b)食品表示・製造物責任について
当社グループは、「食品表示法」や「製造物責任法(PL法)」等の規制を受けております。これら法令の遵守に向けて、生販直結モデルの強みを活かしたトレーサビリティ(履歴管理)の明確化や、商品開発時における表示チェック体制の二重化等の対策を講じておりますが、万が一、アレルギー表示の誤りや産地誤認表示、異物混入等の法令違反が発生した場合には、製品の廃棄・回収処理、社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(c)労働関連法令および人件費高騰について
当社グループは店舗や工場等において多数の短時間労働者を雇用しており、近年の社会保険適用拡大(2024年10月の適用基準拡大等)や最低賃金の大幅な引き上げに伴い、社会保険料および人件費の負担が増加しております。当社グループでは、DX(モバイルオーダーや自動精算機等)の導入による店舗オペレーションの省力化や、多様な働き方を認める人事制度への改定を進め、生産性の向上と定着率の改善を図っておりますが、今後のさらなる労働法制の改正や労働市場の逼迫、人件費の高騰が継続した場合には、労務管理コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(d)その他各種許認可について
当社グループは、生産流通事業において食鳥処理の事業許可、東京都中央卸売市場の買参権などの許認可・権利を受けて事業を行っております。コンプライアンス委員会を中心とした法務チェック体制を構築し、各種許認可の要件維持および期限管理を徹底しておりますが、万が一、法令に基づく許認可の取消しや更新が認められなかった場合には、独自のサプライチェーンが機能しなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 主要食材(みやざき地頭鶏・黒さつま鶏)への依存について
当社グループは、宮崎県内で生産される「みやざき地頭鶏」や鹿児島県で生産される「黒さつま鶏」を主要食材とする「塚田農場」「じとっこ組合」店舗の売上構成比が高い状況にあります。これに対し、宮崎・鹿児島の生産拠点を複数に分散させて供給リスクを軽減するとともに、地鶏以外のブランド(ホルモン、鮮魚、新業態)の育成によるポートフォリオの多様化や、価格転嫁に頼らないメニュー付加価値の向上に取り組んでおります。しかしながら、鳥インフルエンザ等の疫病の発生による供給停止、近年の円安や穀物価格高騰に伴う配合飼料価格・エネルギーコストの上昇、消費者の嗜好や市場の変化等が発生した場合には、仕入コストの上昇や販売低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 食材の生産、流通について
当社グループの特徴である「生販直結」モデルにおいて、みやざき地頭鶏、鹿児島黒さつま鶏以外にも、他の地鶏、鮮魚、ホルモンなどの当社のビジネスモデルを特徴づける食材を扱っております。当社グループでは、現地生産者(契約農家・漁師)との強固なパートナーシップの維持、および多角的な調達ルートの開拓・最適化を進めておりますが、これらの食材の安全性確保に不測の事態が生じて調達に制限を受けたり、天候不順や災害、ウイルスの流行等の外的要因により需給関係が逼迫して仕入コストが大幅に上昇するなど、食材の安定確保に支障が生じる事態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 自然災害について
当社グループの多数の店舗が首都圏に集中しており、また各地で畜産業や漁業などの生産事業を行っております。当社グループでは、店舗および生産拠点におけるBCP(事業継続計画)の策定、定期的な防災訓練の実施、および損害保険への加入等により有事の早期復旧体制を整えておりますが、首都圏において大規模な地震や台風等による災害が発生した場合、その直接的、間接的影響による販売低下を招くリスクがあります。同様に、当該生産地域で大型の自然災害が発生した場合にも、生産活動が妨げられて食材供給が滞るなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 出退店政策について
当社グループは、主に高い集客が見込める都心部及び郊外の主要駅周辺に出店をしております。新規出店に際しては厳格な投資基準を設け、立地条件、賃貸条件、投資回収期間等を総合的に検討して出店候補地を決定しておりますが、すべての条件に合致する物件が計画通り確保できない可能性があります。また、月次の店舗ごとの損益状況や当社グループの退店基準に基づき、不採算店舗等の業態変更や退店を早期に判断・実施しておりますが、業態変更や退店に伴う固定資産の除却損、減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ 差入保証金について
当社グループは、賃借により出店等を行うことを基本方針としており、すべての店舗において保証金を差し入れております。契約締結時に賃貸人の信用状態を確認するとともに中途解約条項等のリーガルチェックを徹底しておりますが、今後の賃貸人の経営状況の悪化(倒産等)によっては、当該店舗における営業の継続に支障が生じたり、退店時に差入保証金等の一部又は全部が返還されない可能性があります。また、当社の都合によって契約を中途解約する場合等には、締結している賃貸借契約の内容によって差入保証金等の一部又は全部が返還されない場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ 有利子負債の依存度
当社グループは、店舗設備及び差入保証金等の出店資金並びに生産設備資金を金融機関からの借入により調達しております。2026年3月期において、当社グループの有利子負債残高は4,734百万円となり、有利子負債依存度は59.0%となっております。現在は営業キャッシュ・フローによる自己資金の蓄積と有利子負債の圧縮を進めておりますが、当該資金を主として変動金利に基づく長期借入金により調達しているため、昨今のわが国における金融政策の転換(金利上昇局面)に伴い金利が上昇した場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(注)有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定を含む)、リース債務、社債の合計額であります。
⑧ M&Aについて
当社グループは、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、当社グループに関連する事業のM&Aを検討していく方針です。M&A実施に際しては、外部の専門家(公認会計士、弁護士等)を起用して対象企業の財務・法務・事業等について事前に厳格なデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務・労務問題の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まないことにより、のれんの減損処理を行う必要が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨ 人材の確保及び育成について
当社グループは継続的な新規事業の開発及び更なる店舗展開を図っていく方針であり、「人的資本経営」の視点に基づき、社内研修の充実、明確なキャリアパスの提示、従業員エンゲージメントの向上等により人材の確保・育成に注力しております。しかしながら、必要な店長候補、料理人、本部人材、および店舗アルバイト等の十分な人材の確保及び育成が計画通り進まない場合には、新規事業開発の遅れ、サービスの低下による集客力の低下、計画どおりの出店が困難となること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑩ 固定資産の減損損失について
当社グループが保有する店舗等の固定資産において、定期的な収益管理と採算性の改善に努めておりますが、周辺環境の変化や競争激化、市場環境の悪化等に伴う資産価値の下落、あるいは店舗キャッシュ・フローの低下等によって減損処理を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、堅調な雇用情勢やインバウンド需要の継続的な拡大が景気を下支えしたものの、食品・エネルギー価格の相次ぐ値上げが家計を圧迫し、個人消費は依然として選別傾向が続きました。また、地政学リスクの長期化や為替相場の変動、米国の経済政策の影響など、先行き不透明な状況が継続いたしました。
外食産業におきましては、インバウンド需要の定着や年末の忘年会需要の回復により、都心部を中心に客足の戻りが鮮明となりました。一方、食材価格の高騰や深刻な人手不足による人件費の上昇、光熱費の負担増が収益を圧迫し、経営環境は引き続き厳しい局面にありました。
このような環境の中、当社グループは「食のあるべき姿を追求する」というミッションのもと、「FOOD CREATIVE FIRM」として、計画的に出店を抑制し、既存店の質の向上に経営資源を集中する「筋肉質経営」を徹底いたしました。食材価格・人件費の上昇という外的逆風に対しても、生産地と直結した独自の「生販直結モデル」が生み出す高付加価値業態の強みが発揮され、客単価の上昇局面においても顧客離れを招くことなく、適正な価格で質の高い食体験を提供し続けることができました。この「高品質・中価格」というポジションが時代の消費選別傾向とまさにマッチした一年であったと認識しております。
店舗数につきましては、海外を含めた直営店舗で138店舗を運営しており、前連結会計年度末と比較し、17店舗の減少となりました。なお、このうち10店舗は、連結子会社である株式会社リアルテイストの全株式を株式会社FS.shakeへ譲渡したことによるものであります。
また、当該株式譲渡に伴い関係会社株式売却益を特別利益として計上し、自己資本の拡充に繋げたほか、2025年10月に完了した第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の払込により、成長投資に向けた資金調達と財務基盤のさらなる安定化を実現いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は21,821百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は845百万円(前年同期比221.3%増)、経常利益は721百万円(前年同期比185.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,135百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失36百万円)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。
(国内外食事業)
国内外食事業では、「生販直結モデル」の基幹として飲食店舗の運営を行っております。「居酒屋事業」「専門店事業」「レストラン事業」にポートフォリオを細分化し、出店抑制・既存店重視の方針のもと、各領域の特性に応じた経営資源の最適配分を推進いたしました。
居酒屋事業では、九州・北海道・炭火焼鳥の各「塚田農場」およびライセンス事業を展開しております。組織コンディションの向上を背景に、通年を通じたメニュー刷新や販促施策が奏功し、忘年会シーズンを含む最需要期においても力強い集客を実現いたしました。
専門店事業では、「四十八漁場」等の魚業態や焼鳥・ホルモン業態を運営しております。インバウンド需要が定着した中高級の焼鳥店舗が好調を維持するとともに、旬の食材を活かした生販直結ならではの提案が幅広い顧客層から支持を得ました。
レストラン事業では、商業施設を中心に中高級業態や立ち寿司業態を展開しております。株式会社リアルテイストの売却完了により店舗数は減少したものの、売上高は前年比で増加し、従業員のキャリアパスを支える重要事業として位置付けております。
店舗数につきましては、直営店舗で123店舗を運営しており、前連結会計年度末と比較し13店舗の減少となっております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は15,604百万円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益は445百万円(前年同期比1,588%増)となりました。
(海外外食事業)
海外外食事業では、香港・シンガポール・インドネシア・アメリカ合衆国において事業を展開しております。当連結会計年度は、海外事業の構造転換が完了した年として位置づけております。
香港においては不採算店舗の撤退を完了し、管理機能の内製化によるコスト構造の抜本的な見直しを断行した結果、37か月ぶりに事業単体での黒字転換を達成いたしました。また、運営する「Kicho」香港店がミシュランガイドに選出されるなど、ブランド価値の向上においても大きな成果を上げました。シンガポール・アメリカ合衆国においては責任者を刷新し、事業再構築を図っております。インドネシアにおいては、既存全店舗の客数が堅調に推移するとともに新規出店も好調な立ち上がりを見せており、今後の海外成長の中心軸として積極的な出店を継続してまいります。
店舗数につきましては、直営店舗で15店舗を運営しており、前連結会計年度末と比較し4店舗の減少となっております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,054百万円(前年同期比18.1%減)、セグメント損失は17百万円(前年同期はセグメント損失147百万円)となりました。
(中食事業)
中食事業では、株式会社塚田農場プラスが運営する宅配弁当事業「塚田農場おべんとラボ」が当社の第2の収益柱として確固たる地位を確立しつつあります。行楽・行事需要に加え、法人向けイベント需要を年間を通じて着実に取り込んだことで宅配事業および駅ナカ事業の売上高は大きく伸長いたしました。
競合他社との差別化においては、当社グループの経営理念である「高品質・中価格」の提供価値が中食領域においても一貫して発揮されており、食材品質を担保しつつ客単価が上昇する局面においても顧客離れを招かない強固な支持基盤を築いております。現在、さらなる需要拡大に対応すべく生産工場の拡張工事を実施中であり、進行期より本格拡大フェーズへ移行する計画であります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,680百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は244百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
(生産流通事業)
生産流通事業では、「生販直結モデル」の中核として地鶏の生産事業および鮮魚・青果物等の流通事業を展開しております。円安の継続やエネルギー価格の影響による飼料価格の高止まりが生産コストの押し上げ要因となりましたが、宮崎県における加工場の統合・効率化施策および独自の生販直結モデルを活かした迅速な価格転嫁により、安定した事業運営を継続いたしました。
当連結会計年度の特筆すべき成果として、営業部門で顕著な実績を上げたプロパー社員を1次産業の責任者へ抜擢いたしました。これにより、マーケットのニーズを生産現場へ即座にフィードバックし、1次から3次産業までを一気通貫で最適化する体制を構築いたしました。これは当社が推進する「人的資本経営」の具現化であり、生産・流通・販売の一体運営による圧倒的な競争優位の確立に繋がるものと確信しております。また、グループ内供給の最適化を図りつつ、高品質な食材への旺盛な外部需要を取り込むことで、グループ外販の販路拡大も着実に進展しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,628百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益は173百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より254百万円増加し、1,171百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,263百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,062百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により得られた資金は24百万円となりました。これは主に、株式会社リアルテイストの連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入475百万円によるものであります。一方で、来期に予定している株式会社塚田農場プラスの工場増設に係る建設仮勘定として229百万円の支出を計上しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は1,051百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出1,480百万円を計上した一方で、長期借入金の借入による収入595百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
財政状態の分析
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ324百万円増加し、8,012百万円となりました。これは主に現金及び預金が254百万円増加したこと、並びに売掛金が98百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度に比べ851百万円減少し、6,888百万円となりました。これは主に短期借入金が1,370百万円減少したことによるものです。一方で、未払消費税等が117百万円増加したほか、転換社債型新株予約権付社債99百万円を計上しております。
純資産につきましては、前連結会計年度に比べ1,175百万円増加し、1,124百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,135百万円により利益剰余金が1,137百万円増加したことによるものです。資本剰余金の減少81百万円があったものの、自己株式の減少156百万円や利益剰余金の増加があったことにより、純資産合計は前期△50百万円から当期1,124百万円へと転じました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、21,821百万円(前年同期比3.6%増)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、国内外食事業が15,604百万円(前年同期比3.8%増)、海外外食事業が2,054百万円(前年同期比18.1%減)、中食事業が3,680百万円(前年同期比19.4%増)、生産流通事業が1,628百万円(前年同期比0.7%増)となっており報告セグメントの合計は22,968百万円となっております(連結売上高との差額は内部取引によるものです)。
(営業利益)
当連結会計年度は営業利益845百万円(前年は営業利益263百万円)となりました。当社の報告セグメントごとの内訳は、国内外食事業がセグメント利益445百万円(前年同期はセグメント利益26百万円)、海外外食事業がセグメント損失17百万円(前年同期はセグメント損失147百万円)、中食事業がセグメント利益244百万円(前年同期はセグメント利益239百万円)、生産流通事業がセグメント利益173百万円(前年はセグメント利益145百万円)となっており報告セグメント合計はセグメント利益845百万円(前年はセグメント利益262百万円)となっております(営業利益との差額は連結上の調整額によるものです)。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,135百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失36百万円)となりました。これは固定資産除却損28百万円及び減損損失79百万円を計上した一方で、株式会社リアルテイストの売却に伴う関係会社株式売却益438百万円を計上したことに加え、業績好調に伴い減損損失が前連結会計年度に比べ174百万円減少したこと等によるものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,734百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,171百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
(1) シンジケートローン契約
当社は、2026年5月28日開催の取締役会において、シンジケートローン契約の締結について決議し、2026年6月25日付で契約を締結いたしました。
(2) コミットメント契約締結について
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行と貸出コミットメント契約を締結しております。
(注)期末日時点における借入実行残高等については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注
記事項(連結貸借対照表関係)」に記載しております。
(3) ライセンス契約
当社はライセンス契約者との間で、以下のようなライセンス契約を締結しております。なお、契約内容の要旨は次のとおりです。
「じとっこ」「宮崎県日南市じとっこ組合」ライセンス契約
該当事項はありません。