第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、地球の環境破壊を防ぎ、反復利用できる容器を活かしたビジネスモデルを推進する当社の姿勢を社員並びに社会と広く共有するため、企業理念として以下の4つを掲げております。

①  わたしたちは、地球の環境破壊を防ぎ、反復利用できる輸送容器を活用した国際総合物流サービスを通じ、人類が未来永劫に亘り活躍できる社会の維持に貢献します。

②  わたしたちは、働く厳しさと喜びを共有するボーダレスな国際総合物流カンパニーとして、高品質でお客様にご信頼いただけるサービスを、責任をもってご提供いたします。

③  わたしたちは、修練された技術のサービスをご提供するため、日頃より克己して研鑽に努めます。

④  わたしたちは、広く社会全体に奉仕する公共性と豊かな国際性を備えた、社会に誇れる環境国際物流企業として邁進します。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、成長性の基準として、「売上高」、「営業利益」及び「経常利益」を、安全性の基準として、「自己資本比率」を重要な経営指標と認識し、目標を設定しております。

なお、2023年12月期におきましては、売上高18,000百万円、営業利益2,670百万円、経常利益2,580百万円を成長性の業績目標とし、自己資本比率60%以上を安全性の経営指標の目標としております。

 

(3) 経営環境

新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し始めた2020年初頭は、ロックダウンによる移動制限や経済活動が弱まったこと等により輸送取扱本数は前年より減少しましたが、2020年後半には輸送取扱本数も回復基調となり、2021年、2022年と過去最高の取引実績を更新いたしました。また、コンテナ船の運航遅延やキャンセル等に伴い、一部の航路で積載スペース確保が難しい状態が継続しておりましたが、2022年の中頃には海上輸送の混乱も落ち着き始め、運行も安定してきたことから、高止まりとなっていた海上運賃も下落し始め、足元ではコロナ前の状況にまで戻りつつあります。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻や米中対立が激化するなか、為替の変動、物価の上昇、日銀総裁の交代による金利上昇懸念等、経営を取り巻く環境は不安定な状態が続いており、こうした変化に迅速かつ適切に対処していくことが新たな課題となっております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、環境に優しいタンクコンテナを活用したビジネスをグローバルに展開し、地球の環境保全に貢献しながら着実な成長を図ることを中長期的な会社の経営戦略としております。具体的には、以下の4つを挙げており、その指標として「売上高」、「営業利益」、「経常利益」及び「自己資本比率」を設定しております。

①  包装材を必要とせず残液や排水を適切に処理することにより、地球の環境を保全しながら化学品の輸送が可能な容器であるタンクコンテナによる物流を、日本をはじめ遍く世界に展開しビジネスの拡大を図る。

②  フロンガスの回収・再生・無害化に至る当社独自のビジネスモデルを日本国内で展開し、ガス関連ビジネスを拡大する。

③  当社独自のグローバルネットワークを活かし、サステナブルな環境保護をしながらビジネスの更なる取り込みを図る。

④  資本業務提携をしている株式会社商船三井との協業体制を通じ、新たな販路をグローバルに展開する。

 

(5) 会社の対処すべき課題

当社グループは、危険物を含む液体貨物や各種ガスの大量輸送を可能とするISO標準規格のタンクコンテナを、長期に亘り繰返し利用することにより環境に優しい輸送サービスをグローバルに提供している企業であります。当社グループにとっての永遠の課題は事故防止と環境保全であり、事業を拡大するうえで最も重要なポイントであると認識しております。

また、タンクコンテナを利用した大量輸送は欧米においてスタートしたものでありますが、日本の物流をタンクコンテナにより変革するパイオニア企業として、今後もお客様の啓蒙を続けながら、液体貨物や各種ガスを輸送する際に発生する様々なニーズにも対応し、事業を拡大していきたいと考えております。そして、そのための設備投資に必要な資金を確保できる体制を維持、強化していくことが課題であると認識しております。

 

① 安全と環境問題への取り組み

当社グループが取り扱う液体貨物や各種ガスには漏洩事故等により生命や環境に悪影響を及ぼすリスクが高いものがあり、当社グループの物流洗浄拠点の設備充実に留まらず、タンクコンテナを正しく取り扱うことのできる従業員や危険物を積載したタンクコンテナを安全に輸送できる人材の育成が重要であります。このため、当社グループの従業員や輸送に携わる運送業者に対して、常日頃から安全や環境問題に係る教育を実施したり、取り扱う化学品やガスに関する十分な知識の習得等を徹底することにより、安全の確保や環境の保全に努めております。今後も、安全の確保と環境の保全に向けた体制強化と設備の充実に一段と努めていく所存であります。

また当社の事業は、輸送過程において一度に大量の貨物が輸送できる船舶や鉄道などを利用するモーダルシフトを積極的に推進してCO2の排出量を抑えるほか、フロンガスの確実な回収、無害化(=化学的な分解)等により、オゾン層の破壊や地球温暖化の防止に寄与するものであり、今後も事業の更なる拡大をとおしてSDGsが提唱するサステナブルな社会の実現に貢献して参ります。

 

② お客様の啓蒙とトータルソリューションのご提案

タンクコンテナは、液体貨物や各種ガスの輸送手段として既に世界で広く利用されております。当社グループは、タンクコンテナの持つ利便性・経済性・安全性に関する啓蒙を主に日本のお客様に対して行いながら、貨物の輸出入に絡む各種サービスのご提供を中心とした営業活動を進めて参りました。しかしながら、リーマンショックや東日本大震災の経験を通じ、安定した経営をするためには日本発着の国際輸送取引にとらわれない新たな収益の柱を構築することが不可欠であることを強く認識するに至りました。そのためタンクコンテナを利用した国内輸送の受注拡大に向けた営業活動や欧米大手化学企業との更なる取引の深化、日本を経由しない三国間の輸送取引獲得に向けた営業活動も強化しております。

なお、国内においては、このビジョンに従って主要なコンビナートに拠点の新設・拡充を進めて参りました。この結果、ワンウェイの国内輸送による低コストでのサービスに加え、積載貨物の一時保管やタンクローリー等への移し替え、冷えて固まった貨物を加温して溶かす等の附帯サービスをご提供できる能力が大きく向上しております。また、フロンガスに絡むサービスでは、単なる輸送だけでなく、回収、再生、無害化までの処理を一括してお引き受けできる体制を構築しております。こうしたタンクコンテナ固有の優位性と当社グループのトータルソリューションの提供力により他社との差別化を図りながら、お客様のニーズに応えるご提案を積極的に展開していきたいと考えております。

 

③ タンクコンテナの取扱能力の拡大及びITを活用した省力化への取り組み

取扱量の増加と多様化する顧客ニーズに対応するためのタンクコンテナの増強や支店等の物流洗浄拠点の拡充、並びにITを活用した省力化等による業務の効率化が、業績を向上させるために継続して取り組むべき課題であると認識しております。

 

④ 資金調達と投資行動

これまでの資金調達は、銀行等の金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより行ってきましたが、今後はタンクコンテナの保有基数の拡大や物流洗浄拠点の設備能力増強等の旺盛な投資ニーズに充分応じられるよう、資本市場からの資金調達も視野に入れた財務運営を行っていきたいと考えております。

なお、設備投資にあたっては、投資の有効性や採算性及び液体貨物や各種ガスの荷動きやお客様の動向を慎重に吟味し、リスクを見極めたうえで判断することが肝要であると認識しております。

 

⑤ 財務力の充実

当社グループは、会社設立以来、業容の拡大を続けておりますが、同時に財務内容も着実に改善していきたいと考えております。他方、競争力を維持・向上しながら今後も業容を拡大していくためには、タンクコンテナの保有基数や物流洗浄拠点の増強が不可欠であります。

当社グループの保有する資産の減価償却が長期に亘る中、業容の拡大と財務力の充実のバランスを保った経営が肝要であると考えております。

 

⑥ 人材の育成

当社グループの事業はタンクコンテナを利用したニッチなビジネスモデルであるため、即戦力となる人材を外部から採用することはできず、自社で人材を育成することが必須となっております。国際物流業務に関する知識や経験のみならず、タンクコンテナの取り扱いに関する知識やノウハウに加え、輸送する貨物が危険品であることもあるため、取り扱いには厳重な注意が必要とされます。

当社グループが一段と業容を拡大していくためには、人材の育成こそが最も重要なファクターの一つであると考えており、人材の育成は特に優先度の高い事業上の課題であると認識しております。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重大な事故等によるレピュテーションリスクの影響

当社グループは、液体及びフロンガスを始めとした各種ガスの大量且つ遠隔地間輸送が可能な輸送容器であるISO標準規格のタンクコンテナを長期間繰り返し使うことで、環境に優しい輸送サービスを国の内外を問わず提供するインフラ型企業であります。「公共性、信頼性、国際性を備え、社会に誇りうる会社」たるべく、特に事故防止と環境保全が経営の最重要事項であると認識しております。

この観点に立ち、設備の保守や更新、人材教育や社内規則の見直し等を通じた社内体制の改善に継続的に取り組んでおり、緊急事態が発生した場合に迅速かつ適切に対処できるような体制を会社の内外で整備しているほか、リスクの負担軽減を目的として損害に応じた付保等も充実させております。

しかしながら、不測の事態、とくに危険物の漏洩事故や社会的に大きな影響を及ぼす可能性がある環境汚染や想定外の事態等によりレピュテーションに関わる事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が大きな影響を受ける可能性があります。

 

(2) 化学品やガスの製造業界の市況変動や輸送需要の増減及び費用の変動等による影響

当社グループが取り組む国際複合一貫輸送事業においては、輸送する貨物を獲得することによって初めて営業収益の確保が可能となります。従って、世界の化学品やガスの市況変動や輸送需要の動向、海上運賃等の外部環境の大きな変化に伴い、輸送量及び単価、リース及びレンタル収入等が大きく変動する可能性があります。また、タンクコンテナの在庫を上回る輸送需要が見込まれる場合、在庫が潤沢にある地域からタンクコンテナを空のまま回送する必要が生じて、費用のみが発生することがあります。これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 外国為替相場の変動による影響

当社グループが営む国際物流事業においては、売上代金の回収や費用の支払いを米ドル建とするのが取引慣行であり、タンクコンテナの購入代金やレンタル料の支払いも米ドル建で行います。海外連結子会社も現地通貨を使用しており、当社グループの業績は為替相場が変動する影響を受けております。

また、為替相場が変動することに伴い、当社の外貨建資産や海外連結子会社の外貨建の資産及び負債の邦貨換算額が変動することも、当社グループの業績に影響を与えています。

なお、相場の変動により過去多額の為替差損益を発生させた通貨オプション取引は2015年度末時点でゼロになっており、為替相場の変動が収益に及ぼす影響は以前より減少しております。

 

(4) 有利子負債について

当社グループは、更なる業容拡大を目指してタンクコンテナ及び国内・海外の物流洗浄拠点等に対する設備投資を継続しており、これら設備投資資金の多くを金融機関からの借入金等の有利子負債に依存しております。

 

① 依存度

当社グループは、タンクコンテナの取得や物流拠点の増強に必要な資金を借入金やファイナンス・リースで調達しており、2022年12月末時点の有利子負債依存度は24.3%となっておりますが、財務制限条項が設けられた借入金はありません。

 

② 金融機関との関係

設備資金は、特定の金融機関に偏ることなく複数の大手金融機関から原則として、長期の資金を調達しておりますが、これらの金融機関との関係が良好であることから必要資金の新規調達に現時点では懸念はございません。しかしながら、将来、当社グループの業績が急激に悪化した場合や、社会環境及び金融情勢に大きな変動が発生した場合等、何らかの理由により金融機関からの資金調達に支障が生じた場合、当社グループの事業展開は大きな制約を受ける可能性があります。

 

③ 金利変動リスク

当社グループは、将来の利息支払額を予め確定するため固定金利での資金調達を原則としておりますが、変動金利で資金調達をせざるを得ない場合には金利変動リスクにさらされる可能性があります。

 

(5) 法的規制の強化による影響

当社グループが運行するタンクコンテナは、消防法や関税法等の国内規制に加え、危険品の輸送に関する国際的な規則であるIMDGコード(注)や、関税に関するコンテナ条約等、内外の法的規制を受けております。今後各国において新たな法令等による規制が行われたり、条約が締結された場合、当社グループの事業展開に制限が加えられたり、事業費用が嵩むこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。特に、タンクコンテナ洗浄時に発生する廃棄物を正しく処理しなかったり、フロンガスを適切に取り扱わなかったことにより環境問題を発生させた場合、業務停止命令を含めた行政指導を受ける可能性があります。

なお、適用対象となる主要国内法令は次表に示すとおりであり、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」及び「関税法」に基づく許認可以外に期限の定めはありません。現時点におきましては、許認可等の取消事由は発生しておりませんが、将来、法令に違反したことにより事業の停止命令や許可取消等がなされた場合、当社の事業活動は重大な影響を受ける可能性があります。当社グループはコンプライアンスを最重要課題の一つとして位置付け、これらの法的規制に抵触することのないよう全社一丸となって法令順守を徹底しております。

 

 

対象

法令等名

監督官庁

法的規制の内容

有効期限

主な
取消事由

利用運送事業

貨物利用運送事業法

国土交通省

貨物利用運送事業の適正かつ合理的な運営を図り、もって利用者の利益の保護、及びその利便の増進に寄与することを目的とした各種の規制が定められております。

期限の定めなし

第12条
第16条
第28条
第33条

倉庫事業

倉庫業法

国土交通省

倉庫業の適正な運営を確保し、倉庫の利用者の利益を保護するとともに、倉庫証券の円滑な流通を確保することを目的とした各種の規制が定められております。

期限の定めなし

第21条

消防法

総務省

消防法における危険物該当品の保管を行う際は、予め許可を得た危険物貯蔵所にて取り扱う旨定められております。

期限の定めなし

第12条の2

タンク
コンテナ

コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行う貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律

財務省

免税コンテナを輸入した場合、その輸入の許可の日から1年以内に再び国際輸送に使用(再輸出)せねばならないと定められております。

期限の定めなし

第10条

消防法

総務省

消防法における危険物該当品を国内で輸送する場合、移動式タンク貯蔵所として届出を行い許可を受けるよう定めております。

期限の定めなし

第12条の2

タンク
コンテナ
洗浄

廃棄物の処理及び
清掃に関する法律

環境省

洗浄時に発生する廃油、及び排水処理設備より排出される汚泥が産業廃棄物に該当し、その収集・運搬、及び処理について定められております。

期限の定めなし

第14条の3
の2

危険物該当品の移し替え

消防法

総務省

消防法における危険物該当品の容器間の移し替え、及び一時的留置を行う際は、予め許可を得た取扱所内において作業を行わなければならない旨、定められております。

期限の定めなし

第12条の2

第一種
製造者

高圧ガス保安法

経済産業省

高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動その他の取扱、及び消費並びに容器の製造、及び取扱を規制するとともに、民間事業者、及び高圧ガス保安協会による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し、公共の安全を確保することを目的とした各種の規制が定められております。

期限の定めなし

第9条
第38条

第一種
フロン類
再生業者

フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律

経済産業省

オゾン層の保護及び地球温暖化を防止するため、フロン類の使用の合理化、管理の適正化に関する指針、製造業者並びに管理者の責務等を定めるとともに、管理の適正化のための措置等を講じてフロン類の大気中への排出を抑制し、国民の健康で文化的な生活の確保、人類の福祉に貢献することを目的とした各種の規制が定められております。

5年

第55条

フロン類
破壊業者

第67条

保税蔵置場

関税法

財務省

関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出入についての税関手続きの適正な処理を図ることを目的として、各種の規制が定められております。

10年

第48条

 

(注)  IMDGコード:International Maritime Dangerous Goods Code の略称で、特定の危険物に関する分類、及び
それら危険品を国際海上輸送する際の輸送容器、包装基準、積載方法、船積書類などについての基準を包括的
に定めた国際的な規則。

 

 

(6) 自然災害または政治的、社会的非常事態などによる影響

 当社グループの事業活動範囲は、日本、東アジア、東南アジア、オセアニア、欧州、中東、北米、及びそれらの周辺地域であります。これらの地域においては、一部に政情不安定な地域も含まれていることから、政治的、社会的非常事態が発生した場合には、顧客へのサービスの提供が一時的もしくは長期に亘って滞る可能性があります。また、当社グループの物流洗浄拠点は、港湾の周辺地域に立地しております。このため、自然災害等に対して定められた法令に応じた防災対策を施してはおりますが、地震、津波、台風、洪水等の大規模な自然災害が発生した場合は、直接、間接に甚大な被害を受ける可能性があります。こうした政治的、社会的非常事態や自然災害が発生し、通常の物流活動を妨げるような事態となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(7) タンクコンテナのオペレーションにかかるリスク

丈夫で安全な輸送容器であるタンクコンテナは、ステンレス鋼又は炭素鋼で製造されていることから高価ではあるものの、適切なメンテナンスを行うことにより長期間に亘り反復使用することができます。当社ではタンクコンテナの経済的耐用年数に合わせて20年かけて減価償却をしておりますが、継続して業容を拡大していくためには保有基数を恒常的に増やしていくことが必須であることから、今後もタンクコンテナの減価償却は続くこととなります。
 また、液体貨物の荷動きが鈍くなることにより稼働率が低下する場合に備えて、保有基数の2~3割程度はレンタル方式で調達しております。長期に亘り稼働率の低下が見込まれる場合は、レンタルしているタンクコンテナを返却して固定費を圧縮することにより業況への影響を軽減する運営をしております。しかしながら、想定以上に稼働率が低下した場合やタンクコンテナの保管場所と輸送ニーズがある地域がアンバランスになることにより大量の空回送が必要となる場合は、減価償却費の負担に加えてタンクコンテナの保管や回送等にかかる費用が増加することにより、当社グループの経営成績が大きく影響を受ける可能性があります。

 

(8) 事業規模の拡大に伴うリスクについて

当社グループは、グローバルネットワークを引き続き拡充していくことを基本方針としており、今後、米州地域やアジア諸地域等に対してさらなる事業展開を進めて参ります。

海外においては、現地の法律や規制の突然の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用や確保の困難さ等、事業を行ううえで直接影響を受ける事業継続リスクに加え、テロ、戦争、その他の要因による社会的または政治的混乱等が発生するリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することにより、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画が影響を受ける可能性があります。

 

(9) 感染症による影響について

新型コロナウイルス感染症による当社事業への影響は2022年度以降は限定的なものとなっており、2023年度においても大きな懸念はないと考えておりますが、気候変動等に伴う新たな感染症の蔓延などが発生し、長期化した場合、これに伴う経済活動の停滞により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの新型コロナウイルス感染症への対策としては、ラッシュアワーを避けた時差通勤の推奨、ウェブ会議システム等を利用した社内外のコミュニケーションの維持、また手指用の消毒液を複数設置する等、他の感染症にも有効な予防対策を継続的に実施しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 

前連結会計年度
(自 2021年1月1日
  至 2021年12月31日

当連結会計年度
(自 2022年1月1日
  至 2022年12月31日

増減額(増減率)

売上高(千円)

17,000,529

23,081,110

6,080,580

(35.8%)

営業利益(千円)

2,803,983

4,885,113

2,081,129

(74.2%)

経常利益(千円)

2,720,187

4,709,050

1,988,863

(73.1%)

親会社株主に帰属する
当期純利益(千円)

1,919,981

3,261,643

1,341,661

(69.9%)

保有基数(12月末時点)

9,701基

10,036基

335基

(3.5%)

稼働率(12ヶ月平均)

77.0%

73.6%

△3.4%

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、水際対策緩和によるインバウンド需要の急回復により宿泊・飲食サービスなどの消費関連の景況感が大幅に改善する一方で、原料コストの増加により石油・石炭製品や紙・パルプなどの素材業種を中心に製造業の景況感は悪化しました。輸出においては、半導体需要の循環的な落ち込みにより電子部品やデバイスは下降傾向にある一方で、供給制約が緩和した自動車は復調しつつあるほか、世界的に堅調な設備投資を背景に資本財も増加しました。

世界経済に目を向けますと、米国では、製造業や建設業などの財生産部門の低迷が続いた一方、鉱業やサービス部門が全体を押し上げました。また、非国防資本財受注は増勢を維持するなど、設備投資は底堅く推移しました。ユーロ圏では高インフレが継続しているものの、資源価格の高騰が一服したことから12月の消費者物価上昇率は2ケ月連続で騰勢が鈍化する一方、食品・エネルギーを除くコア指数は前月から伸びが続いています。また、英国では化学や素材型産業などのエネルギー集約型産業では、2021年春先をピークに生産の減少に歯止めがかからず、コロナ前を下回る水準を続けております。中国では、ASEAN向けの輸出が堅調さを維持する一方で、米国とEU向けの輸出が幅広い品目で減少しただけでなく、輸入の回復も緩やかなものに留まりました。

このような環境のもと一昨年の秋より始まった海上輸送の混乱も落ち着きを取り戻し、アメリカ西海岸を筆頭とした港湾の混雑解消も進んでおります。また、コンテナ船の運航も安定してきており、積載スペースのタイト感も緩和されつつあります。更に、2022年度は法律で定められた工場設備の定期点検・修理を実施するメーカーのうち日数を要する大型定期修理の年に該当する取引先が多くありましたが、全社一丸となって営業活動を推進することにより原料や仕掛品の一時保管など支店の附帯サービスを通じた国内輸送等売上も大きく業績を伸ばしました。他方、米ドル建てで値決めがされる国際輸送においては、春先からの急激な円安進行が円ベースの売上高の増加(為替相場が1ドル=115円と想定した場合と比べて1,050百万円程度の増収。試算ベース)に寄与し、当社グループ全体として前連結会計年度を大幅に上回る実績を残すことができました。この他、事業開始から6年目となるガスタンクコンテナ事業は、売上原価に占める変動費の割合が少ないなか着実に業績を伸ばしており、売上高が前連結会計年度の665百万円から921百万円に増加するなど収益率の向上に貢献しております。

この結果、当連結会計年度における売上高は、過去最高を記録した前連結会計年度を6,080百万円上回る23,081百万円(前期比35.8%増)を達成いたしました。他方、タンクコンテナへの積極的な投資は継続しており、当連結会計年度末時点の保有基数は10,000基を超え、次の中間目標である20,000基が視野に入る状態となりました。これにより減価償却費が増加したほか、物価上昇を鑑みて他社に先駆けて一時金を含む賃金の引き上げや職場環境の改善や将来を睨んだ積極的な設備増強等により販売費及び一般管理費も1,951百万円(前期比26.4%増)に増えましたが、強力な営業力により前連結会計年度を2,081百万円上回る4,885百万円(前期比74.2%増)の営業利益を上げることができました。また、経常利益は、前連結会計年度を1,988百万円上回る4,709百万円(前期比73.1%増)を確保するなど、昨年に続いていずれも過去最高を更新しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて3,738百万円増加し、7,173百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とこれに係る要因は次のとおりであります。

a. 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、5,703百万円(前期は2,546百万円の収入)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益4,708百万円、減価償却費1,469百万円、仕入債務の増加額253百万円、その他の営業活動による増加額695百万円であり、主な資金の減少要因は、売上債権の増加額482百万円、法人税等の支払額1,054百万円です。

 

b. 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果支出した資金は、555百万円(前期は628百万円の収入)となりました。主な資金の減少要因は、定期預金の純増額80百万円、有形固定資産の取得による支出473百万円です。

 

c. 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果支出した資金は、1,530百万円(前期は1,253百万円の支出)となりました。主な資金の増加要因は、長期借入れによる収入100百万円であり、主な資金の減少要因は、長期借入金の返済による支出400百万円、リース債務の返済による支出735百万円、配当金の支払額455百万円です。

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

  a. 生産実績

該当事項はありません。

 

  b. 受注実績

該当事項はありません。

 

  c. 仕入実績

仕入内容は、主に海上及び陸上運送費用、作業料、倉庫料などの外注費であります。仕入金額は、連結損益計算書の売上原価に相当する金額であります。

当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

国際複合一貫輸送事業

16,244,378

128.4

合  計

16,244,378

128.4

 

(注) 当社及び連結子会社の事業は、タンクコンテナを使用した国際複合一貫輸送及び附帯業務の単一事業であります。

 

  d. 販売実績

当連結会計年度における輸送形態別の販売実績は次のとおりであります。

輸  送  形  態  別

当連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

輸出売上

10,520,395

141.8

輸入売上

6,675,985

143.7

三国間売上

1,142,424

154.9

国内輸送等売上

4,293,098

114.7

その他

449,205

99.1

合  計

23,081,110

135.8

 

(注) 1  「輸出売上」「輸入売上」「三国間売上」「国内輸送等売上」「その他」は、輸送経路による区分であります。

     2   国内輸送等売上には、国内輸送に加え保管及び加温に関するサービスも含まれております。

     3  「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

国際複合一貫輸送事業

23,081,110

135.8

合  計

23,081,110

135.8

 

(注) 1 当社及び連結子会社の事業は、タンクコンテナを使用した国際複合一貫輸送及び附帯業務の単一事業であります。

2 主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1) 経営成績等

 a. 売上高の分析

一昨年の秋より始まったコンテナ船の運航スケジュールの乱れはコンテナ船の積載スペース確保を困難にするとともに海上運賃高騰の要因となりましたが、第3四半期入ると落ち着きを取り戻し始めました。他方、年初は落ち着いていた為替相場は第2四半期に入ると急速にドル高が進み、10月に入ると1ドル=151円94銭を付ける場面もありました。こうした環境のもと、当社はタンクコンテナの供給力とコンテナ船の積載スペース確保力を活かした営業活動により国際輸送売上を伸ばすことができました。また、国際輸送は米ドル建てで値決めをされることから円安の進展は円ベースでの売上高の伸びにも寄与しております。

国内輸送等売上におきましても、取扱本数が増加したことに加えて、工場設備の定期点検・修理を実施するメーカーの原料や仕掛品の一時保管などの附帯サービスが増えたほか、高圧ガスビジネスにおける事業拡大や新規顧客の獲得が進んだ結果、当連結会計年度における売上高は23,081百万円(前期は17,000百万円、前期比35.8%増)となり、前連結会計年度に続いて過去最高を更新しました。

 b. 費用・利益の分析

海上運賃高騰により売上原価が大幅に増加したほか、タンクコンテナへの積極的な投資を継続していることから減価償却費が毎年増加する一方、物価上昇を鑑みて他社に先駆けて一時金を含む賃金引き上げや職場環境の改善、ならびに将来を睨んで積極的な設備増強等に取り組んだことから、当連結会計年度の営業利益は4,885百万円(前期は2,803百万円、前期比74.2%増)となり、経常利益は4,709百万円(前期は2,720百万円、前期比73.1%増)となるなど、いずれも前連結会計年度に続いて過去最高益を計上しました。

なお、特別損益におきましては、経営成績に大きな影響を与えるものは発生しておりません。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,261百万円(前期は1,919百万円、前期比69.9%増)となりました。

 

2) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

 a. 財政状況の分析

流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,915百万円増加40.3%増)し、13,622百万円となりました。現金及び預金が3,833百万円、売掛金が664百万円増加したものの、その他流動資産が489百万円減少したことが主な要因です。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ102百万円減少0.8%減)し、12,554百万円となりました。建設仮勘定が185百万円増加したものの、建物及び構築物(純額)が195百万円、タンクコンテナ(純額)が123百万円減少したことが主な要因です。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3,812百万円増加17.0%増)し、26,177百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ996百万円増加27.1%増)し、4,673百万円となりました。買掛金が332百万円、未払法人税等が521百万円増加したことが主な要因です。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ320百万円減少5.7%減)し、5,266百万円となりました。リース債務が95百万円増加したものの、長期借入金が425百万円減少したことが主な要因です。

純資産は、前連結会計年度末に比べ3,137百万円増加23.9%増)し、16,237百万円となりました。利益剰余金が2,812百万円、為替換算調整勘定が324百万円増加したことが主な要因です。

 

 b. キャッシュ・フローの分析

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照ください。

 

 (当社グループの資本の財源及び資金の流動性について)

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、売上の伸びに伴う海上運賃等の売上原価の増加や人件費の増加等であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、タンクコンテナ保有基数の増加や支店設備の増強があります。

当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及びファイナンス・リース等により資金調達を行っており、自己資本比率等の財務健全性指標を注視しながら選択をしていきます。また、米ドル建ての債務については、海外子会社の米ドル建ての余剰資金を活用することにより資金効率の向上と為替相場の変動による影響を減少させる努力をしております。

なお、当連結会計年度末の有利子負債は、6,355百万円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入については、政府系金融機関の制度融資も利用して長期資金の調達を行うことにより年間返済額を低く抑えるほか、金利変動リスクを避けるため固定金利で調達しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。