文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、果たすべき使命として「紙の可能性を追求し、多様な機能材との新結合を図ると同時に、環境との調和を目指した商品・サービスの提供を通じて、人類・社会に貢献すること」を掲げ、独自の製品・技術・サービスで世界一の会社を目指しております。
2016年度に創立100周年を迎え、新たなステージとして、私たちに出来る“コト”を進化させ、当社独自の技術・サービスを磨き上げ、周辺技術・サービスを取り込むことで、従来の延長線上にある「機能紙メーカー」から、『コンサルティング型製造サービス業』へ脱皮変革を目標に掲げました。そして、一歩先を行く顧客価値を提供し、お客様の全幅の信頼を得ることにより、世界最高品質のAWAブランドを構築し、成長を図ってまいります。
(2)経営戦略
当社グループは、長期経営について以下の基本方針を掲げております。
「新市場の開拓と事業領域の拡大」
「中核商品のグローバル市場における競争優位の追究」
「新市場の開拓と事業領域の拡大」については、マーケティングとベンチマーク活動、アライアンス戦略により、次世代中核商品の開発と生産体制を確立し、事業領域をさらに拡大してまいります。
「中核商品のグローバル市場における競争優位の追究」については、世界に浸透するブランドの構築により売上・利益の最大化を図ってまいります。
このように、安定成長を見込む中核商品と成長分野での新事業からなる積極的な経営を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、健全な経営と企業価値向上のため、総資産経常利益率(ROA)10%以上を目標として掲げております。売上高及び利益率の持続的向上や資本の効率的運用に取り組み、この目標の達成に向けてグループ一丸となって注力してまいります。
(4)経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府による各種政策の効果もあり、景気は緩やかに回復していくものと予想されます。一方で、海外経済では通商問題の動向や中国景気の減速など、依然として不透明感の残る状況にあります。
当社グループ関連の業界につきましては、自動車関連市場において、インドや東南アジアでは需要が堅調に推移するものの、中国・北米・欧州では需要の鈍化が見込まれます。水処理関連市場においては、世界的な水不足や環境問題に対応した水インフラの整備、工業用の需要増加などから今後も市場規模は拡大するものと予想されます。新たな市場としては、自動車の次世代技術や5G通信整備などが具体化してきております。
このような状況において当社グループは、既存事業において市場の求めるニーズに合った商品開発を行い、積極的に拡販活動を続けていくとともに、新たな事業の創出や事業領域の拡大に注力してまいります。さらに、生産面における原価低減活動や間接部門の業務効率の向上などにより、収益性の確保に努めてまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、2016年度に創立100周年を迎え、今後も持続的な発展と高収益企業の実現を目指し、2017年度を初年度とする第2次中期経営計画を策定し、以降ローリング方式により事業拡大と経営基盤の強化を目標に掲げ、達成に向けた取り組みを行っております。2019年度は、過去2年間の進捗状況を踏まえ、以下の点を重点課題として捉え、全社一丸となって取り組んでまいります。
① 既存事業のグローバル戦略
エンジン用濾材については、グローバル市場における競争優位を確立するため、日本・タイ国・中国でのグローバル生産体制の再構築や高性能濾材の開発に取り組んでまいります。
分離膜用資材については、市場の成長に伴い競争の激化が進む中でさらなる品質の向上と製造コストの低減に取り組んでまいります。
② 新機能材の市場開拓と新規事業の創出
炭素繊維や粉体等を複合して開発したCARMIX(カルミックス)は、多様な市場のニーズの探索により熱拡散用資材、電磁波吸収用資材、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)などのラインナップの拡充を行っております。また、上記商品の市場浸透を図るため、マーケットイン型研究開発活動を推進してまいります。
さらに、新規事業創出の一環として、コーポレートベンチャーキャピタル等の活用を通して、当社の技術と異業種・異分野が持つ技術の融合を図り、新たな市場の創造に取り組んでまいります。
③ 収益構造の改善と資本効率の向上
原燃料の調達及び生産工程、物流、生販在の管理において、IoT・RPA等の活用や創意工夫により生産性向上に取り組み、収益構造の改善と競争力の強化を図るとともに、効率的な経営資源の活用を進めてまいります。
④ 戦略投資の強化
中核商品の競争力強化や品質向上のための投資に加え、持続的な発展に向けて新市場への参入や事業領域の拡大のために、次世代中核商品の開発や事業連携の戦略投資をさらに強化してまいります。
⑤ 中国事業の再展開
エンジン用濾材の生産拠点再構築については、阿波製紙(上海)有限公司から安徽省の滁州市国豊阿波濾材有限公司(合弁会社)への業務移管を完了し、市場競争力のある品質・価格・納期を確保した製品・サービスを安定供給してまいります。
なお、阿波製紙(上海)有限公司については、速やかに土地使用権等の譲渡を完了し、清算業務を開始いたします。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確定要素が内在しておりますので、実際の結果と異なる場合があります。
(1)業界動向・業界環境の激変、業界として直面している課題等による影響について
自動車関連資材及び水処理関連資材については、自動車生産台数・保有台数や水処理プラントの設備投資動向の影響を受けます。近年、新興国の経済発展に伴い、その地域における現地需要がますます高まってきておりますが、経済状況の悪化などを原因として、これらの需要が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、低価格品の納入要求が継続するなか、要求を受け販売価格が低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)強力競合先の存在又は有力な新規参入の増加について
自動車関連資材については、エンジン用濾材の分野では欧米、アジア、日本に、クラッチ板用摩擦材の分野では米国、日本に競合先が存在します。また、水処理関連資材については、日本、米国に競合先が存在しますが、世界的な水不足問題などを受け水処理市場全体は今後も成長を続けると見込まれるため、引き続き新規参入の増加が考えられます。
以上の状況において、競合他社や新規参入との価格競争が激しくなることで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原燃料の調達について
当社グループは主要な原材料である木材パルプ、リンターパルプなどを北米や南米などの海外から調達しております。これらの原産国における自然災害、不作、港湾ストなどの動乱、その他の事象により原材料が一時的あるいは長期にわたって調達難となった場合や、市場での急激な需要増加などによる原材料価格の上昇により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、原油を原料としたポリエステル繊維や合成パルプなども主要な原材料として調達し、生産工程においても重油及びガスを使用しております。そのため、原油価格が高騰した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)設備投資について
当社グループは機能材料の製造・販売を主要な事業としておりますが、その製造工程ならびに製造技術の面から製造設備の新設・増設などには多額の設備投資を必要とします。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合などにおいては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替相場の変動について
当社グループの取引の中には、外貨建ての取引があるため、為替レートの急激な変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)主要株主との取引について
当社グループは2019年3月期末時点で当社の株式を10.5%保有する法人主要株主である三木産業株式会社(以下、この項において「同社」といいます。)と長年にわたり取引関係があります。同社は日本、アジア、米国、ヨーロッパ、中国に現地法人を有する、工業用化学製品、材料等を取扱う商社であります。2019年3月期における取引の内容は、当社グループの同社への製品販売取引892百万円と、同社からの原材料及び荷造材料等の仕入取引1,401百万円であり、取引総額に占める同社の割合は、それぞれ5.5%、15.3%と高いため、同社との取引の継続が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)有利子負債について
当社グループの2019年3月期末における有利子負債依存度は31.8%と高い水準にあります。
当社グループでは国内及び海外の生産能力拡大に伴い多額の設備投資を必要とするなど相応の資金需要が見込まれますが、今後、当社グループが十分な資金調達ができない場合又は金利が上昇した場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)新技術の普及について
当社グループの展開する自動車関連資材においては、電気自動車や燃料電池車の普及が高まった場合には、現在の主力商品であるエンジン用濾材やクラッチ板用摩擦材の需要が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製品のクレームの発生について
当社グループでは、品質管理の取り組みとしてISO9001を取得しており、製品の品質水準の確保に努めております。しかしながら全ての製品において、不良や不具合が発生しないという保証はありません。こうした不良や不具合のある製品を使用した顧客に損害が発生し、発生した損害に対する顧客への金銭的賠償や顧客からの信頼の低下につながった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)海外事業活動について
当社グループの海外事業先であるタイ国及び中国において、自然災害、政治的な動乱、法律、税制や規制の大幅な変更又は強化などにより、事業活動の継続が一時的あるいは長期的に困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害による影響について
当社グループの国内生産拠点は徳島県内に集中しており、大規模地震、津波、台風などの自然災害が発生し、生産体制に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社の阿南事業所は付近の那賀川より工業用水を取水してエンジン用濾材及び分離膜支持体を製造しておりますが、この那賀川の上流に位置する長安口ダムは降雨不足による渇水に見舞われて、厳しい取水制限を余儀なくされる場合があります。これにより当社阿南事業所の稼動に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制について
当社グループは、法令、社会規範、企業倫理等並びにその精神を尊重し、大気汚染防止法や水質汚濁防止法、環境保護の取組みに必要な国際的な法規制等の遵守に努めております。しかし、今後社会情勢などの変化により、当社グループの事業が制限されるような法令の改正及び新たな法規制が設けられた場合には、当社グループの投資計画及び事業計画の大きな変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)訴訟の発生の可能性について
当社グループは、事業活動において取引先と取り交わした契約等を遵守し、違反や不履行がないか最大限の注意を払いながら事業活動を行っております。しかしながら、以下の場合において訴訟等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
[知的財産権の侵害]
当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を与えるような特許権、商標権、著作権等その他の知的財産権が他社により侵害されているという事実はありません。また同様に、当社グループの申請済みの知的財産権が他社の知的財産権を侵害しているという事実はありません。
しかしながら今後、当社グループの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を主張して法的手段に訴えた場合、あるいは逆に当社グループが法的手段に訴える場合、訴訟に発展する可能性があります。また、その訴訟の結果によって、当社グループの事業が差し止められたり、損害賠償等の金銭的な負担を余儀なくされた場合などにおいて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
[公害、事故の発生]
各事業所において、当社グループの過失により周辺の自然環境を著しく損なう公害の発生又は周辺に著しい損害を与える操業上の事故の発生などにより、その過失や補償を巡って第三者との訴訟に発展する可能性があり、その場合において当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)固定資産の減損損失について
当社グループでは、所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、経営環境の変化などに伴い収益性が低下し投資額の回収が見込めないなどの状況から減損損失を計上する場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)M&Aに伴う投資について
当社グループは、既存事業における周辺市場や新規事業領域の拡大のため、M&Aや資本業務提携の検討を進めております。しかしながら、市場環境の変化や期待したシナジー効果が得られないなどの状況により、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測に基づき回収可能性を検討し計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合や税制の改正等があった場合に、繰延税金資産の取り崩しが生じるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度において、世界経済は米国を中心に総じて緩やかな拡大基調で推移しておりましたが、年度後半に入り米中貿易摩擦の影響が徐々に顕在化し始めたことなどから、中国や欧州諸国などでは経済成長の減速傾向が強まりました。
世界の自動車販売台数は、前年に比べ国内及びインドや東南アジアにおいて増加となったものの、北米・中国・欧州などで前年に比べ減少いたしました。このような状況のもと、当社グループの関連市場である自動車部品業界では、新車販売台数減少の影響はあるものの、補修用部品の需要は堅調に推移いたしました。また、水処理関連市場では、浄水器用途や産業用途の需要が好調に推移する中で、最大市場である中国において参入企業が相次ぎ、激しい競争が続いております。
当社グループは、このような状況において、既存事業については主にアジア地域を中心として拡販に注力するとともに、高性能商品の開発に取り組んでまいりました。新商品については国内を中心に用途開発に注力してまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、自動車関連資材が市場環境の変化や顧客の生産効率アップなどの影響を受け減収となったものの、水処理関連資材が分離膜用資材の需要が堅調に推移したこと、一般産業用資材は主に空調用資材や産業用濾材の販売が増加したことにより、売上高は16,158百万円(前年同期比74百万円増、0.5%増)、営業利益は原燃料価格の上昇や人件費、研究開発費等の増加により275百万円(前年同期比140百万円減、33.7%減)、経常利益は徳島県などからの補助金収入も含め360百万円(前年同期比28百万円増、8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産を取り崩したことなどにより36百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,219百万円)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産総額は、16,627百万円となり、前連結会計年度末より188百万円減少しております。これは主に原材料及び貯蔵品の増加203百万円、電子記録債権の増加123百万円があったものの、受取手形及び売掛金の減少284百万円、現金及び預金の減少143百万円、繰延税金資産の減少136百万円があったことによるものであります。
負債総額は10,164百万円となり、前連結会計年度末より177百万円減少しております。これは主に電子記録債務の増加1,500百万円があったものの、支払手形及び買掛金の減少1,307百万円、流動負債のその他に含まれる未払金の減少205百万円、短期借入金の減少105百万円、設備関係支払手形の減少63百万円があったことによるものであります。なお、電子記録債務の増加、支払手形及び買掛金の減少は、主に当連結会計年度から支払方法を電子記録債務に変更したことによるものであります。
また、純資産につきましては、6,462百万円となり、前連結会計年度末より11百万円減少しております。これは主に非支配株主持分の増加41百万円があったものの、利益剰余金の減少33百万円、為替換算調整勘定の減少17百万円があったことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は28.5%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は401百万円となり、前連結会計年度末と比較して、180百万円の減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,084百万円(前年同期比861百万円減、44.3%減)となりました。これは主に減価償却費717百万円、税金等調整前当期純利益349百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,043百万円(前年同期比534百万円減、33.9%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出796百万円、投資有価証券の取得による支出123百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、213百万円(前年同期比436百万円減、67.2%減)となりました。これは主に短期借入金の純減額100百万円、配当金の支払額69百万円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目の名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連資材(千円) |
9,293,338 |
△2.5 |
|
水処理関連資材(千円) |
5,290,225 |
7.3 |
|
一般産業用資材(千円) |
1,503,137 |
19.6 |
|
合計(千円) |
16,086,700 |
2.3 |
(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目の名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連資材(千円) |
9,204,185 |
△6.7 |
|
水処理関連資材(千円) |
5,445,284 |
9.9 |
|
一般産業用資材(千円) |
1,508,672 |
19.6 |
|
合計(千円) |
16,158,141 |
0.5 |
(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
オザックス株式会社 |
3,071,371 |
19.1 |
3,122,306 |
19.3 |
|
株式会社サンコー |
2,417,945 |
15.0 |
2,742,088 |
17.0 |
|
株式会社ダイナックス |
1,966,345 |
12.2 |
1,683,093 |
10.4 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績等について
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ増収となりました。主な要因は、自動車関連資材が市場環境の変化や顧客の生産効率アップなどの影響を受け減収となったものの、水処理関連資材が分離膜用資材の需要が堅調に推移したこと、一般産業用資材が主に空調用資材や産業用濾材の販売が増加したことによるものであります。営業利益においては、前連結会計年度に比べ減益となりました。これは、主に原燃料価格の上昇や人件費、研究開発費等の増加によるものであります。
このようななか、当社グループは、持続的な発展と高収益企業の実現に向けて、事業成長戦略の策定・実行を進めております。事業成長戦略の2本柱として、「新市場の開拓と事業領域の拡大」「中核商品のグローバル市場における競争優位の確立」を掲げております。
新市場の開拓と事業領域の拡大については、次世代中核商品の開発と生産体制の確立を進めており、そのなかでも炭素複合材CARMIX(カルミックス)において熱拡散用資材、電磁波吸収用資材、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)などのラインナップ拡充を図り、市場展開のため積極的に展示会に出展するなどして、商品化に向けて注力しております。
中核商品についてはグローバル市場における競争優位を確立するため、エンジン用濾材は日本・タイ国・中国でのグローバル生産体制の再構築、高性能濾材の開発、アジア地域での拡販などに努め、水処理関連資材は商品ラインナップの拡充、安定供給体制の確立、製造コストの低減などに努めてまいります。
これらを達成するための経営基盤の強化を図るため、収益構造の改善と資本効率の向上を目指し、老朽化生産設備の廃止や不採算事業からの撤退を進めてまいります。また、多様で専門性の高い人財の採用と育成計画の計画的実行を進めることにより、全社一丸となって競争力強化や新市場開拓等の促進につなげてまいります。さらに、アライアンス戦略の一環として立ち上げたコーポレートベンチャーキャピタルを通じた活動や、M&Aの検討・実行により、異業種・異分野の企業と事業連携しイノベーションの創出に取り組み、事業領域の拡大を目指してまいります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因として、市場動向、原燃料価格の変動、自然災害などがあります。
当社グループが関連する市場としては、主として自動車部品業界や水処理関連市場となりますが、成長市場であることから、今後もグローバル競争の激化や有力な新規参入の増加などが予想されます。こうしたなか、当社グループは、グローバル企業として成長していくため、高性能品の開発や商品ラインナップの拡充、安定供給体制の確立などに努めてまいります。
原燃料価格の変動については、調達方法の見直しや製品価格の是正などで生産効率の向上を図り、収益確保に努めてまいります。
自然災害については、当社グループの国内生産拠点が徳島県内に集中していることから、自然災害の発生により当社グループの生産体制に支障をきたす可能性が想定されますが、BCP対応に努め、災害時においても早期に安定供給体制が復旧出来るよう体制整備に取り組んでまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や副資材などの購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や研究開発投資などによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資などの長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,291百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は401百万円となっております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループでは、健全経営維持と企業価値向上のため、事業領域の拡大と収益性の向上を目標としております。また、資本効率と収益性の両面を測る指標として、「総資産経常利益率(ROA)」を経営の重要指標として位置付け、5%以上を中期目標に掲げております。
この指標を達成するために、当社グループとして「売上高経常利益率」や「総資産回転率」の向上に注力しております。具体的には、アライアンスを含めた新規事業の拡大、既存事業の収益改善、総資産の効果的かつ効率的な運用に努めてまいります。
当連結会計年度におけるROAは2.2%(前年同期比0.3ポイント増)となりましたが、中期目標である5%以上の達成に向けて、グループ一丸となって注力してまいります。
該当事項はありません。
研究開発の基本方針
当社グループは、環境に配慮し広範囲で高度な機能材料の開発に取り組むことにより、顧客要求にマッチした製品を提供し社会に貢献することを開発の基本方針としております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1)自動車関連資材分野
① エンジン用濾材
エンジン用濾材は、用途として主に吸気用、潤滑油用、燃料用フィルターに使用されております。
天然パルプ、コットンリンター、ポリエステルなどの合成繊維を主原料として、空気中のゴミ、他車から排出されるスス、潤滑油中のカーボン粒子、燃料中のゴミ、水分などを取り除き、エンジンに清浄な空気、燃料を供給すること及び潤滑油の性能を維持することができます。
当連結会計年度においては、国内だけでなくインドを含めた東南アジア向けの多塵地域に適した濾材が採用されました。
紙と不織布のコンポジット化につきましては、欧州フィルターメーカー等にて高評価を得られております。
② クラッチ板用摩擦材
クラッチ板用摩擦材は、主にオートマチック自動車用のクラッチ板用摩擦材として使用されております。
多種多様な原材料を当社の技術により混合、定着させてシート化し、優れた耐摩耗、耐久、耐熱、高摩擦性能を有する高品質な紙となっております。
当連結会計年度においては、既存製品の品質向上において製造工程改善の取り組みを継続して行うとともに、原材料についても品質と供給の両面の安定化を検討・提案してきました。また、原価低減活動においては、安価な原材料の検討・提案を行い、既存品の代替や他品番への水平展開を進めております。
(2)水処理関連資材分野
① 分離膜用資材
分離膜用資材は、主に世界の水処理用分離膜メーカーが製造する逆浸透膜モジュールに分離膜支持体として使用されております。
当商品は、専用の抄紙機及び加工機で製造されたポリエステル繊維100%の湿式不織布であります。耐水強度が高く、平滑性に優れることから水処理用の支持体紙として最適です。用途市場としては、海水淡水化や廃水処理などのインフラ用途をはじめ、工業用、家庭用浄水器など高度な水の需要に対応する分離膜に幅広く使用されており、高い伸び率で成長しております。
当連結会計年度においては、お客様により一層安定して使用していただくため、またコストダウン対応のために、現行製品の改良タイプを提案いたしました。また、新規顧客獲得のためにサンプルワークするとともに、各お客様の要求に合致した改良品の提案も実施しており、引続き注力してまいります。
② M-fine(エム・ファイン)
M-fine(エム・ファイン)とは、当社が提供するメンブレン(ナノレベルの微細な孔径を有する分離膜)及び水処理などのモジュール・ユニットの総称であります。
当社の事業領域の拡大の一環として、廃水処理に使用されるMBR(膜分離活性汚泥法)用浸漬膜及びユニットの事業化推進に取り組んでおり、品質のさらなる向上や高性能化に向けた開発を継続的に行っております。
また、新たに当社の小型ユニットを活かした「小型廃水処理装置」の開発にも着手し、その用途の一つとして「水も電気もなく排水も出来ない」場所でも水洗トイレや温水洗浄便座が使用できる「独立水循環型快適トイレ」の実証試験を開始するなど、事業の川下化に向けた取り組みを行っております。
(3)一般産業用資材分野
CARMIX(カルミックス)とは、当社が提供する炭素複合材の総称であります。
CARMIX熱拡散シートは、ラインナップ品とカスタマイズ品が採用されており、販売中であります。電気電子分野においては部品の高性能化に伴い放熱要求も高まっており、新たな市場創造に向けて鋭意開発をしております。
CARMIX CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)マットは、ポリプロピレン・ナイロン・ポリカーボネートの3種類の樹脂でラインナップをしております。軽さと成形性の良さを生かし、輸送機器・電子機器・建材など幅広い市場へ展開中です。リサイクル炭素繊維の適用につきましても、特許を出願済みであり鋭意開発中です。また、熱伝導性CFRTPや高耐熱CFRTPも開発に着手いたしました。
これらに加え、電磁波吸収体の開発にも取り組んでおり、自動車の自動運転技術や第5世代移動体通信システムといった高度情報化社会到来に向けた電波対策商材開発も進めております。
さらに、当連結会計年度においては、東京ビッグサイトで開催された「第7回高機能プラスチック展」(2018年12月)にこれらの商材を展示し、電子機器関連のみならず自動車関連まで様々な分野での顧客要求を確認し、新たな機能を活かした放熱材(熱拡散シート)や立体成形体(CFRTP)、電磁波対策材の商品化に向けて開発を進めております。