第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当社は、創業以来培ったマーケティングノウハウを強みとし、主にインターネットメディア、スマートフォンアプリやSNS、オンライン動画といった最先端のツールを活用した企業のプロモーション・PR支援事業を展開してまいりました。また、新規事業・サービスの開発にも積極的に取り組み、「Anny magazine」や「ZEKKEI Japan」などのメディア開発を行ってまいりました。

 平成27年のインターネット広告費は1兆1,594億円と前年比10.2%増の二桁成長(株式会社電通調べ)と順調に拡大しております。また平成26年度のPR業界全体の年間売上規模は平成24年度と比べ47億円増加の948億円となり(公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会調べ)、市場は拡大傾向にあります。

 このような状況のもと、当社は、既存サービスについては利益率を重視した事業運営を行いながら、新規サービスの立ち上げ、拡大のために積極的に先行投資を行ってまいりました。

 企業のプロモーション・PR支援事業におきましては、ユーザー数が急増しているInstagramを活用したマーケティングサービスの開発に努め、独自のインスタグラマーネットワークの立ち上げ、会員獲得を行ってまいりました。

 また「ソーシャルトレンドニュース」「ZEKKEI Japan」などの自社メディアのタイアップ広告が大幅に成長いたしました。

 新規事業であるギフト特化型メディア「Anny magazine」では、ユーザー数が順調に推移するとともに、メディア内のギフトショップ開設をはじめとした様々な機能追加と商品ラインナップの増加により、EC収益力の強化に努めてまいりました。

 一方で、当社のスマートフォン関連サービスの一部を移管し、当社が平成27年4月1日に設立した株式会社Smarpriseは、平成28年2月4日付けで株式の一部をユナイテッド株式会社に譲渡したことにより当社の関連会社となり、さらに、新規サービスの立ち上げや拡大のために積極的に先行投資したため、前事業年度に比べ売上及び利益が減少いたしました。

 これらの結果、当事業年度の売上高は1,494,931千円(前年同期比17.0%減)、営業利益は28,286千円(同84.1%減)、経常利益は18,541千円(同89.7%減)、当期純利益は48,654千円(同52.5%減)となりました。

 なお、当社はマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当社は、前事業年度は連結財務諸表を作成しておりましたが、当事業年度は財務諸表のみを作成しているため、キャッシュ・フロー計算書に係る比較分析は記載しておりません。

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、860,340千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりになります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果使用した資金は61,893千円となりました。これは主に、法人税等の支払額69,998千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は162,112千円となりました。これは主に、関係会社株式売却による収入110,000千円、投資有価証券の取得による支出300,000千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は22,079千円となりました。これは主に、配当金の支払額25,332千円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2)受注実績

 当社では、概ね受注から納品までの期間が短いため記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

 なお、当社は単一セグメントであるため、セグメントの名称をマーケティング事業として記載しております。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

マーケティング事業

1,494,931

△17.0

合計

1,494,931

△17.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 SNSやスマートフォンの急速な普及により、消費者の情報接点や消費行動が目まぐるしく変化していることに伴い、企業のマーケティング課題はより複雑化しております。そのような環境下においてマーケティング市場を切り開き、社会に新しい価値を提供すべく、当社は以下の領域における各課題に積極的に取り組んでまいります。

 

(1)メディアマーケティング

 自社メディアである「ソーシャルトレンドニュース」「FEELY」「ZEKKEI Japan」を成長させることで、タイアップ広告を軸として収益力のさらなる強化を図ります。また他社メディアとの連携を強化し、独自のメディアネットワークを構築するとともに、効果検証ツールの開発によりデータドリブンなメディアマーケティングを実現してまいります。

 

(2)SNSマーケティング

 SNSマーケティングにおいては、影響力のあるインフルエンサーネットワークの強化とともに、常に最先端のSNSマーケティングサービスを開発し提供し続けることに努めてまいります。

 

(3)ソーシャルギフト(EC)

 ギフト特化型メディア「Anny magazine」においてさらなるユーザー獲得と認知拡大を図るとともに、新たな機能開発とMD強化により、引き続きEC収益力の強化に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した当社の事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを網羅するものではありませんのでご留意ください。なお、当該記載事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)事業環境等に関するリスクについて

① 市場動向、競合

 当社は、主にインターネットメディア及びソーシャルメディアを利用したマーケティング・プロモーションを提供する事業を行っております。平成27年のインターネット広告費は1兆1,594億円と前年比10.2%増の二桁成長(株式会社電通調べ)と順調に拡大しており、今後も同市場は堅調に推移すると予想しておりますが、当社の想定通りに市場規模が推移しない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制

 当社は、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報の保護に関する法律、著作権法等の適用を受けております。

 当社は法令や各種ガイドライン等の遵守を徹底し事業運営を行っておりますが、万一これらの違反に該当するような事態が発生した場合や、今後新たな法令等の制定、既存法令等の解釈変更がなされ事業が制約を受けることになった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ サービスの陳腐化

 インターネット業界においては、新たな技術やサービスの開発が活発に行われ、提供されており、常に競合他社より有益な価値を顧客企業に対し提供する必要があります。当社では、顧客企業のニーズに対応するため、常に新たな技術の導入を図り、蓄積したノウハウの活用とあわせてサービス機能の強化及び拡充を進めております。しかしながら何らかの要因により、当社が保有するサービス及びノウハウ等が陳腐化し、変化に対する十分な対応が困難となった場合、あるいは変化する顧客企業のニーズに的確な対応ができなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報の漏洩

 当社は自社の会員を保有しており、取扱う個人情報に関しては、個人情報の保護に関する法律の対象となります。また、業務の性質上顧客企業の機密情報も扱っており、情報の管理には万全を期した体制の強化に努めております。万一これらの情報の漏洩や不正使用等があった場合、損害賠償、社会的信用の失墜及び顧客企業との取引停止等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権

 当社は、第三者の知的財産権を侵害しないように努めておりますが、かかる知的財産権の侵害が生じてしまう可能性を完全に排除することは困難であり、万一知的財産権を侵害してしまった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システム障害について

 当社は、コンピューターシステムの管理に細心の注意を払い、システム障害のトラブルが発生することの無いよう運営にあたっており、万一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。しかしながら、大規模なプログラムの不良が発生した場合や、当該地域において当社の想定を上回る大地震、台風等の自然災害や事故、火災等が発生し、開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合及びその他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ メディア各社との関係

 メディア各社との広範かつ親密なネットワークは当社の重要な経営資源であり、メディアへ効果的な露出を図るための事業インフラであります。当社は、メディア各社に対し有用な情報を継続的に提供することにより信頼関係を構築しておりますが、他社との競争激化により相対的に信頼関係が低下した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 広告業界の取引慣行

 わが国においては、欧米の広告業界とは異なり、「一業種一社制」ではなく同一業種の複数の広告主と取引するケースが一般的であり、案件の企画・提案内容が評価されることによって同一業種の複数の広告主からの発注を獲得できます。しかし、わが国でこのような慣行が変化し、その変化に当社が適切に対応できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 訴訟発生リスクについて

 当社では、コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、会員や取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業ブランドイメージの悪化等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 新規事業の展開について

 当社では、メディアマーケティング、SNSマーケティング及びソーシャルギフト(EC)の領域における新規サービス導入を計画しております。サービス開発にあたってはシステム開発を行う必要があり、当該開発が人員不足等の原因により対応が遅れた場合や、サービス開始後に想定どおりに進捗しなかった場合は、当社の利益を減少させる可能性があります。また、システム開発等が想定どおりに進捗した場合であっても、安定して収益を生み出すにはある程度の期間を要することがあり、結果的に当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業の運営体制に関するリスクについて

① 人材の獲得及び育成

 当社が今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには優秀な人材の確保が重要課題となっております。こうした人材の確保が計画どおりに進まなかった場合、育成が計画どおりに進まなかった場合、あるいは重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、当社の取締役、監査役、従業員、及び社外協力者に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。平成28年3月31日現在、新株予約権の目的である株式の数は498,600株であり、当社発行済株式総数3,651,600株の13.65%に相当しております。これら新株予約権又は今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、当社の株式価値が希薄化する可能性があります。

 

③ 配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つであると認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、配当を実施していくことを基本方針としておりますが、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、平成27年3月20日付の取締役会において、平成27年4月1日に設立いたしました子会社の株式会社Smarpriseとの間で、スマートフォンアプリ「キニナルモン」及び「ぽよたん」の事業の譲渡に関する契約を締結することを決議し、平成27年4月1日付で事業譲渡契約を締結し、同日付で譲渡いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当社は、平成27年4月30日付で株式会社H&BCの全株式の譲渡が完了したことにより、当事業年度より同社を連結の範囲から除外しております。

 

(3) 当社は、平成28年2月3日付の取締役会において、株式会社Smarpriseの株式の一部をユナイテッド株式会社へ譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、平成28年2月4日付で株式譲渡が完了いたしました。これに伴い、株式会社Smarpriseは当社の関連会社となりました。

 

(4) 当社は、平成28年3月17日付の取締役会において、レッドホースウェルネス株式会社の株式を売却することを決議し、平成28年4月4日付で株式譲渡契約を締結し、平成28年4月28日に売却が完了いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 以下の記載における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産の部)

 当事業年度末における総資産は1,969,474千円となり、前事業年度末に比べ35,906千円減少しました。これは主に、投資有価証券の評価替えにより、26,762千円減少したことによるものであります。

 

(負債の部)

 当事業年度末における負債は233,393千円となり、前事業年度末に比べ62,229千円減少しました。これは主に、未払消費税が39,520千円、未払法人税等が42,703千円減少したことによるものであります。

 

(純資産の部)

 当事業年度末の純資産は1,736,080千円となり、前事業会計年度末に比べ26,322千円増加しました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加48,654千円であります。

 

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度における売上高は1,494,931千円となり、前事業年度と比べ306,280千円減少しました。これは主に、当社のスマートフォン関連サービスの一部を移管し、平成27年4月1日に設立した株式会社Smarpriseが、平成28年2月4日付で株式会社Smarpriseの株式の一部をユナイテッド株式会社に譲渡したことにより当社の関連会社となったことによるものであります。

 

(売上原価・売上総利益)

 当事業年度における売上原価は698,823千円となり、前事業年度と比べ218,777千円減少しました。これは主に、既存サービスについて低利益率商品の販売見直しを行ったことによるものであります。その結果、売上総利益は前事業年度と比べ87,503千円減少し、796,108千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は767,821千円となり、前事業年度と比べ62,304千円増加しました。これは主に、既存サービスにかかる費用は大幅に圧縮し98,543千円減少しましたが、新規サービスへ積極的に先行投資を行ったことにより160,848千円増加したことによるものであります。その結果、営業利益は前事業年度と比べ149,807千円減少し、28,286千円となりました。

 

(営業外損益・経常利益)

 当事業年度の営業外収益は18,516千円となり前事業年度と比べ14,593千円増加しました。また、営業外費用は28,261千円となり前事業年度と比べ26,957千円増加しました。その結果、経常利益は162,171千円減少し、18,541千円となりました。

 

(特別損益・当期純利益)

 当事業年度の特別利益は60,040千円となりました。これは主に、平成28年2月4日付で株式会社Smarpriseの株式の一部をユナイテッド株式会社に譲渡したことによる関係会社株式売却益60,000千円によるものであります。なお、特別損失の計上はありません。その結果、当期純利益は前事業年度と比べ53,783千円減少し、48,654千円となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 「業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5)戦略的現状と見通し

 昨今の広告の領域においてはテクノロジーとの融合が急激に進む一方、マーケティングは感性が求められるクリエイティブな活動であるため、属人的な領域から脱するのは困難とされてきました。当社はマーケティングとテクノロジーとの融合に取り組むとともに、SNSやスマートフォンアプリ・オンライン動画をはじめとした最先端のメディアを活用することで、引き続き新たなマーケティングソリューションを開発してまいります。

 一方で新規事業の開発にも積極的に取り組み、特定の領域に特化したバーティカルメディアの開発に今後も注力してまいります。領域を絞ることで良質でより不可欠なユーザー体験を可能とし、その領域におけるインフラとなることを目指します。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社は社員の平均年齢が30.1歳と若く、小規模組織でのスピーディーな事業運営により成長を続けてまいりましたが、今後成長を続けるインターネット広告市場において、当社がさらに事業を拡大し、成長を続けていくためには、拡販や新規サービス開発等を担う優秀な人材の確保が重要な課題となると認識しております。
 当社はこれまでもスマートフォンに慣れ親しみ、ソーシャルメディアと親和性が高いと考えられる新卒採用に注力し、また高い専門性を有する人材及びマネジメント層の獲得のため中途採用にも取り組んでまいりました。今後も優秀な人材を恒常的に確保できるよう一層努めていくとともに、現場への大幅な権限移譲による事業のスピード化を実現し、持続的な成長と更なる発展を目指してまいります。