第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第12期

第13期

第14期

第15期

第16期

決算年月

平成24年3月

平成25年3月

平成26年3月

平成27年3月

平成28年3月

売上高

(千円)

207,124

60,534

301,348

321,658

1,160,890

経常損失(△)

(千円)

317,602

373,657

516,780

790,234

785,785

当期純損失(△)

(千円)

320,992

377,047

519,301

792,179

787,685

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

778,045

1,239,895

1,571,290

1,576,290

2,037,041

発行済株式総数

(株)

12,934

2,081,100

2,384,105

2,394,105

2,885,442

純資産額

(千円)

341,355

888,008

1,052,839

270,659

403,290

総資産額

(千円)

508,070

922,429

1,886,777

1,146,755

1,694,117

1株当たり純資産額

(円)

263.92

426.70

441.61

104.14

132.44

1株当たり配当額

(円)

(内、1株当たり中間配当額)

()

()

()

()

()

1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

268.10

238.20

240.15

331.86

302.91

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

67.2

96.3

54.7

21.7

22.6

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

362,164

304,903

729,603

970,686

607,374

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

435

458

1,666

49,995

121,746

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

346,672

907,256

1,454,086

9,908

946,991

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

285,534

887,428

1,610,244

599,471

817,342

従業員数

(人)

8

8

13

14

19

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.売上高には、消費税等は含まれておりません。

3.各期の損益の概要は、次のとおりであります。なお、用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

第12期 主にフィルグラスチムバイオ後続品関連の売上及び共同研究開発に伴う役務収益が計上されたことにより、売上高は207,124千円となりました。また、研究開発費を264,667千円計上したこと等により、経常損失は317,602千円、当期純損失は320,992千円となりました。

第13期 主にフィルグラスチムバイオ後続品関連の売上及び共同研究開発に伴う役務収益が計上されたことにより、売上高は60,534千円となりました。また、研究開発費を206,386千円計上したこと等により、経常損失は373,657千円、当期純損失は377,047千円となりました。

第14期 主にフィルグラスチムバイオ後続品関連の売上が計上されたことにより、売上高は301,348千円となりました。また、研究開発費を412,927千円計上したこと等により、経常損失は516,780千円、当期純損失は519,301千円となりました。

第15期 フィルグラスチムバイオ後続品関連の売上が計上されたことにより、売上高は321,658千円となりました。また、研究開発費を689,738千円計上したこと等により、経常損失は790,234千円、当期純損失は792,179千円となりました。

第16期 主にフィルグラスチムバイオ後続品関連の売上が大幅に増加したことにより、売上高は1,160,890千円となりました。一方、研究開発費を1,075,354千円計上したこと等により、経常損失は785,785千円、当期純損失は787,685千円となりました。

4.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。

5.平成24年8月8日付で1株につき100株の株式分割を行いましたが、第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失金額を算定しております。

6.第12期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できず、かつ、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。第13期から第16期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

7.自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。

8.第12期の株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。第13期から第16期までの株価収益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。

9.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は含まれておりません。

 

2【沿革】

年月

事項

平成13年3月

北海道大学遺伝子病制御研究所における免疫関連タンパク質の機能研究の成果を診断薬や治療薬として開発すること及び医薬品開発における受託サービス業務を行うことを目的として、札幌市北区に資本金10,000千円をもって株式会社ジーンテクノサイエンスを設立

平成14年6月

独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター(札幌市豊平区)内に研究所を新設し、バイオ新薬の研究開発を強化するとともに、バイオ後続品事業への参入について検討を開始

平成15年11月

研究所内に本社を移転

平成19年6月

バイオ新薬事業において、科研製薬株式会社に抗α9インテグリン抗体をライセンスアウト

平成19年10月

バイオ後続品事業において、富士製薬工業株式会社とフィルグラスチムバイオ後続品の共同開発契約を締結

平成20年1月

バイオ後続品事業において、東亜製薬株式会社からフィルグラスチムバイオ後続品の産生細胞及び基本生産技術をライセンスイン

平成20年4月

札幌市中央区に本社を移転

平成20年5月

北海道大学遺伝子病制御研究所(札幌市北区)内に研究所を移転

平成20年6月

東京都中央区に東京事務所を新設

平成24年11月

富士製薬工業株式会社との共同開発品であるフィルグラスチムバイオ後続品について、富士製薬工業株式会社及び持田製薬株式会社が国内での製造販売承認を取得(平成25年5月上市済)

平成24年11月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

平成25年9月

北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター(札幌市北区)内に研究所を移転

平成26年1月

バイオ後続品事業において、株式会社三和化学研究所とダルベポエチンアルファの共同開発契約を締結

平成28年3月

NKリレーションズ株式会社(ノーリツ鋼機株式会社の完全子会社)及び合同会社Launchpad12(NKリレーションズ株式会社の完全子会社)と資本業務提携契約を締結

平成28年6月

合同会社Launchpad12による当社株式に対する公開買付けの結果、同社の議決権所有割合が50%超となりNKリレーションズ株式会社及びノーリツ鋼機株式会社とともに当社の親会社となる

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

 

3【事業の内容】

(1) 事業環境

 製薬企業における永続的成長の源泉は継続的な新薬の創出ですが、化学合成による低分子医薬品は既に多くの基本構造骨格が探索し尽くされ、有望な開発候補品が減少しております。その一方で、遺伝子工学をはじめとするバイオテクノロジーの革新技術によって製造される、生体の仕組みを起源としたバイオ医薬品、特に抗体医薬品は、有効性や安全性などからも注目され、ブロックバスターとなるバイオ新薬がここ十年で急増しております

 当社は、このような環境の下、「大学発ベンチャーであることの公共性に準じ、利益の追求に留まらず、希少疾患や難治性疾患を対象とする医薬品開発により、人々のクオリティ・オブ・ライフを向上させ、社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、バイオ新薬の開発を行っております

 また、既に先進国では、医療費増大による財政圧迫を抑制するために、特許が満了した新薬との同等性を示すだけで承認される安価なジェネリック医薬品の普及が進んでおります(図表1)。さらに、ブロックバスターとなっているバイオ医薬品が続々と特許満了を迎える時期に至っており、バイオ医薬品のジェネリック医薬品であるバイオ後続品(バイオシミラー)は、今後世界的に大きな市場を形成することが見込まれております。しかしながら、バイオ後続品は、従来のジェネリック医薬品と異なり、新薬開発に近い要件が求められるため、従来のジェネリック医薬品の開発企業やバイオ医薬品開発経験がない製薬企業では、バイオ後続品の開発は非常に高い障壁となります

 当社は、バイオ新薬の研究開発に関する技術、知識及び経験を有しており、この優位性を活かし、バイオ後続品の研究開発を積極的に推進することによって、有用な医薬品の普及と患者の経済的負担の軽減にも貢献してまいります

 

図表1 医療先進国におけるジェネリック医薬品の使用状況

 

0101010_001.jpg

 

出典:平成26年度ロードマップ検証検討事業報告書概要(厚生労働省)

   (日本ジェネリック製薬協会 ウェブサイト引用)

 

(2) 当社のビジネスモデル(図表2)

 当社は、市場の拡大が見込まれるバイオ医薬品に着目し、バイオ後続品事業及びバイオ新薬事業の2事業を柱として、医薬品開発に取り組んでおります。バイオ後続品事業は安定性を重視する一方、バイオ新薬事業は成長性を重視し、この両面から経営の安定と成長を目指すビジネスモデルであります。

 さらに、当社は大学などとのバイオ医薬品の共同研究などからターゲットを選定し、開発ノウハウを活かして開発計画を立案した上で、社外の最適な試験受託企業や製造受託企業を選定し積極的に活用することで、複数品目の開発を平行してスピーディーに進めております。

 当社は、これらの活動により得られた成果を、製薬企業にライセンスアウトあるいは製品販売を行うことで収益獲得につなげております。

 

図表2 当社のビジネスモデル

 

0101010_002.jpg

 

(3) 当社のビジネスモデルの特長

 当社は、市場ニーズを勘案した医薬品開発を重視し、以下の4点を特長とした研究開発活動を行っております。

① バイオ医薬品に着目

 バイオ医薬品は、遺伝子工学をはじめとするバイオテクノロジーの革新技術によって製造される、生体の仕組みを起源とした医薬品であり、既存の低分子医薬品では達成できない薬理作用が注目されております。また、市場についてもバイオ医薬品市場として、2008年に1,000億ドルを超え、世界の医薬品市場の約15%を占めるに至っておりましたが、その後も市場は拡大し、2014年には1,790億ドル、世界の医薬品市場の23%までに急成長しております。大型医薬品世界売上ランキングをみても上位10製品の中でバイオ医薬品は2000年の1製品から、2014年には7製品に増加しており、バイオ医薬品のうち21製品が売上20億ドルを超えております

 このように急速に拡大する市場ニーズに応えるため、当社は、バイオ医薬品に着目した研究開発活動を行っております

 

② バイオ後続品事業とバイオ新薬事業

 バイオ後続品は、有効性及び安全性が確認されていることから、バイオ新薬と比較して少ない経営資源で開発が可能である反面、市場規模などの点で制約を受けます

 一方、バイオ新薬では、従来の医薬品で治療の難しい疾患に対して新たな治療の可能性が期待できる反面、従来の新薬開発と同様に多くの経営資源を投入する必要があります

 そこで、当社は、バイオ後続品とバイオ新薬の長所・短所を考慮したパイプラインを機動的にマネジメントし、安定性の高いバイオ後続品事業で経営の安定を築きながら、バイオ新薬事業に取り組むことで高い成長性を目指すハイブリッド型の事業モデルを構築しております

 

③ 複数の開発品のパイプライン

 当社は、バイオ後続品とバイオ新薬それぞれの事業領域で複数の開発品を揃えたパイプラインを保有することで、研究開発リスクの分散を図っております。

 

④ 社外との提携関係の構築

 医薬品開発に必要な要件は多岐にわたる一方、当社の経営資源には限りがあるため、全てを当社単独で担うことは難しく、開発のスピードにも限界が生じます。そこで、当社は、社外の受託機関を積極的に活用することにより、最適な開発体制を組み立て、各々の得意分野(原薬製造、非臨床試験など)を融合することで、開発力の強化と開発スピードの向上を図っております。また、当社は、研究開発段階早期から事業化を強く意識しており、闇雲に研究開発投資を行うのではなく、相互にメリットが得られる提携先の探索を念頭に進めております。

 また、医薬品の研究開発活動を進めるには巨額の先行投資資金が必要になりますが、社外との提携関係を構築することで、各々が担当領域の開発費用を分担することとなり、開発リスクを分散することができます。

 さらに、医薬品開発においては、ブランド力や信用も重視されることから、製薬企業や大学を含む公的研究機関などとの提携関係を積極的に構築しております。

 

(4) 開発の流れ、収益モデル及び開発品目の選定方針

① バイオ後続品事業

イ 開発の流れ(図表3、図表4)

 当社は、開発研究の初期段階から、既存バイオ医薬品と同等又はそれを上回る品質の原薬の製造方法構築を目標とし、その原薬を用いた非臨床試験を実施いたします。具体的には、まず、バイオ医薬品の原薬製造の根幹である産生細胞株を自社で構築あるいは社外から導入いたします。その産生細胞株を用いて、製造受託企業において最適な原薬の製造方法及び原薬製造体制を構築します。その後、原薬製造方法の最適化、既存バイオ医薬品との品質的な比較、製剤における最適処方の検討、薬効及び安全性評価の非臨床試験を同時並行で進め、臨床試験につなげてまいります。なお、これらの開発過程における分析・評価については、試験受託企業において行います。並行して、バイオ後続品を販売する製薬企業と共同開発の提携関係を構築いたします

 臨床開発は、主に製薬企業が担当し、厚生労働省にバイオ後続品の製造販売承認の申請を行います。当社は、製薬企業との共同研究開発において、臨床試験に使用する原薬などを製薬企業に販売するとともに、製薬企業に対して開発推進及び申請のための助言や支援を行います。さらに、上市後には、原薬などの製造を継続的に信頼できる製造受託企業に委託し、製薬企業に原薬を安定的に販売してまいります

 

図表3 開発の流れと収益モデル(バイオ後続品事業)

 

0101010_003.png

 

(注) 各開発ステージにおける年数は、一般的なバイオ後続品開発における所要年数であります。

 

図表4 事業系統図(バイオ後続品事業)

 

0101010_004.png

 

ロ 収益モデル(図表3)

 バイオ後続品事業の収益モデルとしては、研究開発段階及び上市後において、医薬品の主原料である原薬などを製薬企業に供給することによって得られる販売収益や開発の進捗に応じた開発マイルストンペイメントによる収益と、研究開発段階において、共同研究開発契約を締結し、当社のノウハウなどを製薬企業に提供することで得られる役務収益があります

ハ 開発品目の選定方針

 バイオ後続品は、新薬の開発に比して経営資源が少なくて済み、また、有効性及び安全性が確認されているため、研究開発リスクは低いと言えます。このため、バイオ後続品については、想定される市場規模、収益性及び競合状況に重点を置いて開発品目の選定を行っております

 バイオ後続品の市場規模は、既存バイオ医薬品の市場規模にバイオ後続品の薬価比とバイオ後続品への置換率を乗じて求めることができます。このようにして求めたバイオ後続品の市場規模に、当社開発品の想定シェアを乗じることで、当社開発品の売上予測を行うことができます

 一方で、収益性については、バイオ後続品の想定薬価と製造原価をもとに、利益率を計算しております

 さらに、魅力あるバイオ後続品にはグローバルな競争の激化が見込まれることから、競合他社の数や質を把握し、それらも開発品目の選定における判断材料の要件としております

 

② バイオ新薬事業

イ 開発の流れ(図表5、図表6)

 バイオ新薬の研究開発は、まず、医薬品シーズの探索を行う基礎研究から着手いたします。医薬品シーズを効率的に探索するため、自社での研究のみならず、大学や研究機関などとの共同研究を行っております。

 次に、開発研究においては、候補品について薬効・安全性の基本データを得るための分析及び評価を行います。なお、これらの分析及び評価において、必要に応じて試験受託企業への委託を行います。

 その後の臨床開発以降は、膨大な費用、要員及び期間を要し、さらに、開発リスクも伴うことから、原則として自社では行わず、製薬企業へのライセンスアウトを基本方針としております。なお、ライセンスアウト後は製薬企業が主体的に開発を進めることになるため、当社の関与は大きく減ることになりますが、ライセンスアウト先製薬企業への薬効試験や製法・品質データの補充など、当社の経験を活かせる開発推進及び申請のための助言や支援は、引き続き行ってまいります。

 

図表5 開発の流れと収益モデル(バイオ新薬事業)

 

0101010_005.png

 

(注) 各開発ステージにおける年数は、一般的なバイオ新薬開発における所要年数であります。

 

図表6 事業系統図(バイオ新薬事業)

 

0101010_006.png

 

ロ 収益モデル(図表5)

 バイオ新薬事業における収益モデルは、主に、研究開発段階において、共同研究開発契約を締結し、当社のノウハウなどを製薬企業に提供することで得られる役務収益と、特許実施権を製薬企業にライセンスアウトすることで得られる収益があります。ライセンスアウトによる収益は、契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストンペイメント及び上市後の売上高に対するロイヤリティからなります

ハ 開発品目の選定方針

 バイオ新薬の開発品目の選定においても、バイオ後続品事業と同様に、想定される市場規模と収益性を考慮しますが、新薬の開発は原則として特許を確保して進めることから、競合などはバイオ後続品の開発品目の選定時ほど重要な要素ではありません。むしろ、新薬の研究開発リスクは非常に高いことから、作用メカニズムなどから判断して対象疾患における現行治療法に対して、臨床的意義がどの程度想定できるかが最も重要であると考えております。医薬品としてのニーズ、有効性及び安全性を示すことにより、有利な条件で製薬企業にライセンスアウトすることができます

 

(5) 主力上市品・開発品

 当社の事業基盤はバイオ医薬品(バイオ新薬及びバイオ後続品)の研究開発です。その中で最も早く事業化可能で収益が望めるのはバイオ後続品です。バイオ後続品の申請・承認は、これまでの低分子化合物のジェネリック医薬品と大きく異なり、製法・品質の検討、非臨床試験及び臨床試験を必要とし、新薬に近い要件が求められています。バイオ医薬品の開発経験を有する製薬企業でないと開発が非常に難しく、参入障壁が高いと言えます。一方、既存バイオ医薬品の薬価が高いことから、バイオ後続品では、低分子化合物のジェネリック医薬品よりも高い収益性が期待できます。そこで、当社は、バイオ新薬研究で培った技術、知識及びノウハウを最大限に活用し、科学的かつ論理的にバイオ後続品の開発を進めております。さらに、当社はバイオ後続品事業において複数の開発品目を開発することで、早期に収益の源泉を構築し、事業基盤を安定化する方針です

 また、バイオ新薬の分野では、有効性と安全性が期待できる抗体医薬品を主力開発品とし、さらに、既存の抗体医薬品と異なる分子を標的とすることで、特に希少疾患や難治性疾患を対象とする医薬品の開発を目指します

 

① バイオ後続品事業

・フィルグラスチムバイオ後続品(開発番号:GBS-001、対象疾患領域:がん)

 顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)は、白血球の一種である好中球の分化・増殖を促進させるほか、骨髄からの好中球の放出を促進したり好中球機能を亢進する作用があります

 当社は、平成19年10月より富士製薬工業㈱と共同開発の下、日本のバイオ後続品のガイドラインに沿った、日本で最初のバイオ後続品の製造販売承認を取得すべくフィルグラスチムバイオ後続品の開発を進めました。平成24年11月21日に富士製薬工業㈱と持田製薬㈱が国内での製造販売承認を取得し、平成25年5月31日に上市されました

 現在、当社は富士製薬工業㈱に対して当該医薬品の原薬を安定的に供給し、富士製薬工業㈱と持田製薬㈱が2ブランド2チャンネルで販売を行っております。当社のフィルグラスチムバイオ後続品の産生細胞株は韓国のDong-A ST Co., Ltd.(旧東亜製薬㈱)から導入しており、同社にはロイヤリティを支払っております

 

② バイオ新薬事業

・抗α9インテグリン抗体(開発番号:GND-001、対象疾患領域:免疫疾患、がん)

 インテグリン分子群は、免疫疾患、骨疾患、がん転移などに関与しているタンパク質群であり、インテグリン分子群に属するα9インテグリンが骨のオステオポンチンと結合すると、様々な炎症が惹起されるなどの事実が明らかにされております

 これらの知見から、α9インテグリンとオステオポンチンとの結合を阻害することができれば、免疫疾患の治療に有効であると考えられます。さらに、がんは対象疾患として大きな目標であることから、引き続き研究を進める考えでおります

 当社は、北海道大学遺伝子病制御研究所の上出利光教授との共同研究から、α9インテグリンとオステオポンチンとの結合を阻害するα9インテグリンに対する抗体を既に作製し、本抗体の独占的開発、製造及び販売権を科研製薬㈱に譲渡し、その対価として平成19年7月に契約一時金を受領しております。当社は今後、開発の進捗に応じてマイルストン契約金を、上市後にはロイヤリティを受領する予定であります

 

《用語解説》

 

[α9インテグリン]

細胞接着分子であるインテグリン分子群の一つで、炎症細胞の働きに関わると言われている。

 

[GLP試験]

厚生労働省令で定められた医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準がGLP(Good Laboratory Practiceの略)であり、これに従って行われる試験をGLP試験という。

 

[GMP]

厚生労働省令で定められた医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準であり、Good Manufacturing Practiceの略。

 

[オステオポンチン]

骨基質に存在するタンパク質で、インテグリンとの結合を介して、骨系細胞の分化誘導や機能発現に重要な役割を果たす。

 

[POC]

Proof Of Conceptの略で、新薬候補物質の有用性・効果が、動物での非臨床試験やヒトでの臨床試験において認められること。

 

[基礎研究]

病気の要因を特定する研究やそれを治療できる医薬品の種を探し出す研究のこと。

 

[原薬]

薬効成分の原料を原薬と呼び、原薬に添加剤を加え、製剤とすることにより、医薬品となる。

 

[亢進]

生化学や薬学分野において、分子の機能などが「高まる」ことの意味で使われる。

 

[抗体]

体内に異物が侵入した際に、それを無毒化又は体外へ強制的に排出するために白血球細胞で作られるタンパク質であり、異物である抗原という特定の物質のみに結合する機能を持つ。

 

[好中球]

白血球の一種で、炎症部に集合し、細菌、真菌などの異物を貪食、殺菌、分解し、生体を防御する。

 

[産生細胞]

目的のタンパク質や抗体を大量に効率よく作り出す能力を持った(あるいは遺伝子工学によってそのような能力を持たせた)細胞のことを言い、それを大量に培養し、抽出・精製することを経て、バイオ医薬品が製造される。

 

[シーズ]

医薬品の種(seeds)のこと。

 

[ジェネリック医薬品]

特許期間が満了になった医薬品と同じ成分の医薬品は、動物やヒトでの薬効や毒性はその成分で検証されているので、簡単な品質試験と血中濃度での同等性を証明することで承認される。このような医薬品をジェネリック医薬品と呼ぶ。

 

[上市]

医薬品として承認され、実際に市販されること。

 

[ダルベポエチンアルファ]

持続型赤血球造血刺激因子製剤であり、保存期慢性腎臓病から透析期までの腎性貧血患者に対して、腎性貧血の症状を改善する目的で使用されている。

[低分子医薬品]

通常、化学合成で作製される分子量が数千以下の医薬品のこと。

 

[バイオ医薬品]

バイオテクノロジーを応用した医薬品のこと。

 

[バイオ後続品]

既に販売承認を与えられているバイオ医薬品と同等/同質の医薬品のこと。

 

[バイオ新薬]

バイオ医薬品の新薬のこと。

 

[パイプライン]

石油・天然ガスなどの流体を長距離にわたって輸送するためのパイプと同様に、絶え間なく医薬品の創出ができるように開発品が整っている様を指し、開発品のリストを研究開発パイプラインと呼ぶ。

 

[非臨床試験]

ヒトで実施できない試験を動物で行うことを非臨床試験と言い、薬効を調べる薬理試験、薬の体内動態を調べる薬物動態試験及び毒性を調べる毒性試験からなる。

 

[ファブレス型企業]

自社で製造設備などを持たない企業のこと。

 

[ブロックバスター]

従来の治療体系を超える薬効を持ち、全世界での年間売上が10億ドルを超える新薬に対して用いられることが多い。

 

[ユーザビリティー]

製品の最終ユーザー(医療現場や患者)における使い勝手のこと。

 

[ライセンスアウト]

知的財産権の実施権や物品・技術の使用・販売権などを製薬企業等に許諾し、対価(契約金、開発マイルストンペイメントやロイヤリティなど)を得ること

 

[ライセンスイン]

知的財産権の実施権や物品・技術の使用・販売権などを譲り受け、対価(契約金、開発マイルストンペイメントやロイヤリティなど)を支払うこと

 

[臨床試験]

非臨床試験での有効性及び安全性の結果を踏まえ、ヒトでの医薬品の効果を調べる試験のこと。

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

平成28年3月31日現在

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

19

50.2

4.1

5,451,616

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は含まれておりません。

2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。

3.当社の事業セグメントは、医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。

 

(2) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。