第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度における我が国経済は、当初、政府及び日銀における経済対策を背景に一部大手企業を中心に企業収益の向上や雇用環境の改善が見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、当該年度後半は、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や原油価格の下落が引き金となって世界的に株安となり、日本においても日銀がマイナス金利を導入するなど対策は打たれておりますが、金融市場は不安定さを増し、景気全般としては依然として先行き不透明な状況が続いております

当社の事業に関わる医療・医薬品分野においては、平成27年9月に厚生労働省から「医薬品産業強化総合戦略」が示され、「後発医薬品80%時代」を目指すべく、国民への良質な医薬品の安定供給・医療費の効率化・産業の競争力強化を三位一体で実現するための緊急的かつ集中的な実効性を伴った戦略を策定するとの発表がありました。この動きは後発医薬品の市場環境整備及び創薬企業の体質強化などの追い風となり、今後の後発医薬品の普及のみならず、国を挙げた新薬の創薬力の向上並びに再生医療等の新たなバイオ産業の育成と飛躍に大きく貢献するものと期待が高まっております

このような状況の下、当社のバイオ後続品事業は、富士製薬工業㈱と持田製薬㈱による好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の販売が順調に推移しており、当社の経営の安定感は一段と増しております。また、このフィルグラスチムBSにおける当社の実績が対外的にも評価され、当事業年度は複数の企業からバイオ後続品にかかる事業提携や資本提携等の協議を持ち掛けられるようになっております。当社としては、この機を逃すことなく、自らの一層の成長と、より品質が高く廉価なバイオ医薬品をより多くの患者様に的確かつ迅速に届けるために、次のとおり既存開発品目の開発の着実な進捗及び新たな開発品目の立上げを積極的に図っております

① フィルグラスチム(G-CSF)の次世代型「ペグフィルグラスチム(PEG-G-CSF)バイオ後続品」の開発

② ㈱三和化学研究所とのダルベポエチンアルファの国内共同開発

③ 持田製薬㈱とのがん領域におけるバイオ後続品の業務提携

④ 千寿製薬㈱との眼科領域におけるバイオ後続品の資本業務提携

⑤ その他複数のバイオ後続品の開発品目の拡充

一方、バイオ新薬事業では、次世代型抗体医薬品の研究開発を進めているほか、㈱ジーンデザインとの核酸共同事業により核酸の医薬品への展開の機会を探ったり、国立がん研究センターと共同特許出願したエクソソームなどの新規技術の取得にも力を入れております

さらに、医薬品の開発には時間を要するため、安定的な経営環境をより強固に構築する目的で、ヘルスケア関連分野である医療機器、診断薬、再生医療などについても広く事業シーズを探索し、事業化に向けて取り組んでおります

また、平成28年3月28日にはNKリレーションズ㈱(ノーリツ鋼機㈱の完全子会社)及び合同会社Launchpad12(NKリレーションズ㈱の完全子会社で、今回の当社との提携のために設立された会社)との資本業務提携契約を締結いたしました。これにより当社は、資本提携として平成28年4月13日付の合同会社Launchpad12を引受人とした2,000,001千円の第三者割当増資及び平成28年4月15日から5月30日までの当社株券等に対する公開買付けによる安定した開発資金の確保、また、業務提携としてノーリツ鋼機グループのバイオ関連事業会社との相互協力の下、さらなる当社のバイオ事業分野の拡充と事業化の推進を目指します。

これらの結果、売上高は1,160,890千円(前年同期比260.9%増)、営業損失は820,289千円(前年同期は824,140千円の営業損失)、経常損失は785,785千円(前年同期は790,234千円の経常損失)、当期純損失は787,685千円(前年同期は792,179千円の当期純損失)となりました

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ217,870千円増加し、817,342千円となりました

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により減少した資金は607,374千円(前年同期は970,686千円の減少)となりました。これは主に、仕入債務の増加69,336千円、未払金の増加127,430千円及び前受金の増加145,000千円があったものの、税引前当期純損失785,785千円及び前渡金の増加200,971千円があったことによるものであります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は121,746千円(前年同期は49,995千円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出116,029千円によるものであります

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により増加した資金は946,991千円(前年同期は9,908千円の増加)となりました。これは、短期借入金の純増加額460,080千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入486,911千円であります

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

バイオ後続品事業

500,700

339.2

 

原薬等販売収益

500,700

339.2

合計

500,700

339.2

(注)1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

 フィルグラスチムバイオ後続品につきましては、ロット単位での受注であり、各ロットの生産高に応じて売上高が変動し、受注金額を確定できないことから、記載を行っておりません。

 なお、上記以外の品目につきましては、研究開発段階での売上であり、その不確実性を鑑み、記載を行っておりません。

 

(3) 販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

バイオ後続品事業

1,160,890

360.9

 

原薬等販売収益

1,100,890

342.3

 

知的財産権等収益

60,000

合計

1,160,890

360.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

長瀬産業㈱

320,558

99.7

富士製薬工業㈱

1,100

0.3

1,100,890

94.8

 (注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

 

3【対処すべき課題】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) バイオ新薬の開発

 バイオ新薬事業では、ライセンスアウト先が望むデータを揃え、ネットワークやビジネスチャンスを最大限に活用して、早期にライセンスアウトを実現させることが重要であると考えております

 なお、パイプライン拡充のための具体的な取組み等は、以下のとおりであります。

 

① 抗α9インテグリン抗体(開発番号:GND-001、対象疾患領域:免疫疾患、がん)への取組み

 本開発品については、既に科研製薬㈱へライセンスアウトしておりますが、当社は引き続き同社との共同研究において、商業化に向けた大量生産の製法開発や最適な対象疾患の絞込みの研究を進めております。

 また、同社には国内外の開発権を許諾しておりますので、グローバル展開を加速するための提携についても、当社は同社をサポートし、早期にグローバル展開できる提携先も確保したいと考えております。

 

② バイオ新薬候補品の充実

 バイオ新薬は、研究活動によって新薬のシーズを見つけ、次に、細胞レベル・小動物レベルでの有効性を確認した上で特許などの産業財産権による権利化を行い、ここで初めて公開することができます。よって、抗体医薬品候補など現在着手している研究テーマをできるだけ効率的に権利化していくことが目標となります。さらに、バイオ新薬については、設立以来のテーマに留まらず、将来より顕在化しそうな疾患領域や現時点では満足な治療法がない疾患領域を見極め、外部機関との連携も活かしながら研究開発を行っていく所存であります。

 

(2) バイオ後続品の開発

 バイオ後続品の対象となるバイオ医薬品は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」(一般名:アダリムマブ)のように、関節リウマチ、尋常性乾癬などの治療薬として売上高が1兆円を超えるものを筆頭にブロックバスターが目白押しです。これらが特許期間の満了を順次迎えることから、大きな市場が見込まれております。当社は、フィルグラスチムバイオ後続品の開発において培った経験とノウハウを発展的に応用することで、新たなバイオ後続品の開発を効率的かつ優位に進めることが可能であると考えております。新規バイオ後続品の拡充に取り組むことは、当社が継続的に企業価値を高めていくために重要であると認識しております。また、今後、バイオ後続品事業は世界的な競争により拍車がかかると想定されることから、開発品目の選定は多面的な評価をした上で慎重に行い、選定した開発品目については開発リスク低減のために早期に提携関係を構築し、経営資源を集中して効率的な開発を心掛けてまいります。

 なお、パイプライン拡充のための具体的な取組み等は、以下のとおりであります。

 

① フィルグラスチムバイオ後続品(開発番号:GBS-001、対象疾患領域:がん)への取組み

 当社が開発してまいりましたフィルグラスチムのバイオ後続品は、平成25年5月に日本国内において上市され、順調に売上高を伸長しております。さらに、当該医薬品の製品価値を向上させるために、欧米やアジア市場での事業化を検討いたします。

 

② ペグフィルグラスチムバイオ後続品(開発番号:GBS-010、対象疾患領域:がん)への取組み

 当該医薬品は、フィルグラスチムにPEG(ポリエチレングリコール)を修飾することで、投与回数を減らし効果の持続性を増すなど、高付加価値を付与した次世代型フィルグラスチムであります。また、先行品の世界での市場規模が約5,000億円となっていることも大きな魅力となっております。

 当該医薬品の原料が既に日本で上市しているフィルグラスチムであることから、フィルグラスチムバイオ後続品を有する点で、当社は他社に比してペグフィルグラスチムの開発を進める上での優位性があります。また、当社は当該バイオ後続品の原薬製造プロセスを既に確立し、先行品との同等性・同質性に関する良好なデータを得ておりますので、これを訴求データとして国内外の製薬企業との早期の提携を実現し、当該バイオ後続品の上市を着実に進めてまいります。

 

③ アダリムマブバイオ後続品(開発番号:GBS-005、対象疾患:免疫疾患)への取組み

 当該先行品は関節リウマチや尋常性乾癬などの治療薬として世界での売上高が約1.5兆円規模で、現時点で最も販売高を上げている医薬品です。当社は当該医薬品のバイオ後続品の原薬製造プロセスを既に確立し、先行品との同等性・同質性に関する良好なデータを得ております。これらを基に、国内外の製薬企業との早期の提携を実現し、当該バイオ後続品の上市を着実に進めてまいります。

 

④ ダルベポエチンアルファバイオ後続品(開発番号:GBS-011、対象疾患領域:腎疾患)への取組み

 当該医薬品は、腎性貧血治療薬であるエポエチンアルファの効果の持続性を高めた製品であり、国内では約600億円の市場を形成しております。現在、当社は日本市場に向けて㈱三和化学研究所と共同開発を進めており、早期の臨床試験入りを目標に取り組んでまいります。

 

⑤ がん治療領域のバイオ後続品への取組み

 がんの治療法は日進月歩であり、バイオ医薬品への期待は高く、現在、世界の医薬品市場の上位一角を占めるのはがん治療に係るバイオ医薬品です。当社は、平成27年8月より持田製薬㈱とのがん治療領域におけるバイオ後続品の共同開発に着手しており、当該治療領域におけるバイオ後続品の上市に向けて鋭意取り組んでまいります。

 

⑥ 眼科治療領域のバイオ後続品への取組み

 世界的な高齢化社会の進展や生活習慣の変化に伴い、黄斑変性症等の眼疾患の患者が増加しております。これらの治療薬としてバイオ医薬品が注目されておりますが、当該領域のバイオ医薬品は高額であり、様々な患者様にご使用いただくためにもバイオ後続品の開発の社会的必要性を感じております。当社は、平成27年11月に公表したとおり眼科領域に専門性の高い千寿製薬㈱との当該領域におけるバイオ後続品の共同開発を推進しており、引き続き積極的に開発していく所存です。

 

(3) バイオ医薬品事業全般における優位性の確保

① 開発品目の優先順位

 上述のとおり当社はバイオ新薬及びバイオ後続品事業のいずれにおいても複数の開発品目を保有しており、限られた人員と資金を効率的に投下して最大限の成果を上げられるよう日々深慮し、提携先の製薬企業や委託先と協業の下、当社の開発品目の価値最大化に努めております。その一方で、バイオ医薬品の市場動向、各疾患領域の標準治療法、競合他社の開発状況等も日々変化しています。当社は、社内外の様々な要因を適時勘案し、当社の開発品目の優先順位を柔軟に見直しながら、当社の開発品目の市場優位性を確保しつつ、企業価値の最大化を図ってまいります。

 

② 製品の競争優位性の確保

 医薬品にとって原薬の品質と製造費用は重要ですが、とりわけバイオ医薬品にはその2点が長期的な事業を行う上で最重要な事項となります。当社としては、その点のみならず、製品の使い勝手(ユーザビリティー)が市場優位性を左右するものと考えております。そこで、当社は原薬製造の供給体制及び製造費用に関わる製造委託先との製法開発に注力するとともに、製剤においても医療現場や患者様の使い勝手に優れた製品を目指し、デバイス企業との協議にも積極的に取り組んでまいります。

 

(4) 提携による事業推進

 当社は、成長著しいバイオ医薬品の開発に注力し、がん領域や自己免疫疾患など治療薬がない疾患を対象とするバイオ新薬の開発に取り組んでおります。ただし、当社の経営資源には限りがあることから、経営資源を効率的に活かすために提携によって補完し得る企業と事業推進を図る必要があります。

 一方、バイオ後続品の開発においては、アジアや欧米の製造委託先についても、密接な人的交流をもとにネットワークの形成とその充実を図っております。また、グローバル製薬企業がバイオ後続品にも取り組み始めておりますので、品質・製造費用・製剤などで差別化できる提案を行い、グローバル製薬企業との提携を目指す必要があります。

 以上のように、当社はバイオ新薬及びバイオ後続品の両面において積極的に製造などに関わるネットワークを構築し、国内外の製薬企業との提携により人的・資金的資源を効率的に組み合せながら事業の推進を図ってまいります

 

(5) ノーリツ鋼機グループとの事業推進

 当社は、平成28年3月28日に公表しておりますNKリレーションズ㈱との資本業務提携の下、国内外の大学・公的機関、バイオベンチャー、企業等で眠っている新たなバイオ事業のシーズを探索し、当該バイオテクノロジーを活用した再生医療、遺伝子診断、遺伝子治療等の新規バイオ事業の立上げを推進し、長期的な成長基盤を創造してまいります。それを実現するために、本年度は当社とノーリツ鋼機グループの密接な協業体制を早期に構築し、積極的に新規事業の立上げを行ってまいります。

 

(6) ネットワークの強化

 当社はビジネスモデルとしてファブレス型の経営を掲げております。また、自社だけでは解決できない課題に対し、社外の経営資源も含めた最適な組合せを構築し、迅速かつ積極的に解決を図ってまいります。また、今後推進していく新たなバイオ事業に関する事業のシーズの探索にもネットワークが必要となります。これらのネットワークの構築には、社外との情報交換を積極的に行い、情報集約力を高め、ネットワークのシナジーを最大限に発揮させられる人財の育成が重要であると考えております。

 

(7) コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化

 当社が円滑に社外ネットワークを構築していくためには、当社の社会的信用を維持・向上させていくことが重要であると認識しております。当社の取引先の多くは上場企業など社会的信用のある会社や公的研究機関であり、対等な取引関係を維持していくためには、当社にも相応の社会的信用が必要になります。

 このような観点から、当社は小規模組織ではありますが、十分な信頼が得られるよう内部管理体制の強化を図ってまいります。また、コーポレート・ガバナンスを構築し、全てのステークホルダーのニーズに対して組織的かつ的確に対応できるよう、経営の透明性を高めてまいります。また、内部統制の強化についても、経営の効率化に留まらず、コンプライアンス体制を強化し、経営の健全化に努めてまいります。

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち、予想、見通し、方針等、将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果とは異なる可能性があることにご留意下さい。

 

1.法的規制等に関する事項

(1) 許認可等に関するリスク

 当社は、原薬などの販売に当たり医薬品医療機器等法その他の規制を受けますが、これらについて法令違反があった場合、あるいは必要とされる資格を保有する人材が離職しその補充ができない場合には、監督官庁から業務の停止や許認可の取消し等の処分を受けることになり、当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在において、業務の停止や許認可の取消し等の処分を受ける原因となる事由は発生しておりません。

主な許認可等の状況

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

取消し等となる事由

医薬品販売業許可

札幌市

札幌市保健所長

許可

(3092)

平成31年12月23日

(6年ごとの更新)

医薬品医療機器等法、その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、医薬品医療機器等法第75条第1項により、その許可が取り消され又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じられることがある

 

(2) 医薬品の研究開発における医薬品医療機器等法その他の規制に関するリスク

 当社が業を営む医薬品業界では、研究、開発、製造及び販売のそれぞれにおいて、国内外の薬事に関する法令、薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けております。

 当社は、日本国内の市場に留まらず欧米を含む国外の市場もターゲットとして各開発品の研究開発を進めておりますが、これらの開発品を医薬品として上市させるためには、各国の薬事に関する法令、バイオ後続品に係るガイドライン等、及びその他の規制に準拠して製造販売承認の申請を行い、承認を取得することが必須となります。このため、臨床試験等において、医薬品としての品質、有効性及び安全性を示すことができない場合には、承認を得られず、上市できず、当社の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります

 また、現在の医薬品医療機器等法においては、原薬の外部委託製造が可能となっておりますが、今後このような外部委託製造に関する規制や海外品の輸入等に関する規制が改定された場合、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 医療制度改革の影響に関するリスク

 我が国では、医療費の抑制を目的として、薬価改定を含む数々の医療制度改革がこれまで実施されてきており、今後の高齢化社会を見据えた場合、その方針は継続されるものと考えられます。このため、当社開発品の上市に伴い、当該医薬品の薬価が影響を受け、当社が製薬企業に販売する原薬の販売価格にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

2.医薬品開発事業に関する事項

(1) 医薬品開発事業全般に関するリスク

 医薬品開発の分野では、世界各国の製薬企業に加え、当社を含む創薬ベンチャー企業などが技術革新の質とスピードを競い合っております。また、医薬品の基礎研究、開発から製造及び販売に至る過程では、各国における諸規制に従うことから、長期間にわたり多額の資金を投入せざるを得ません。このため、各開発品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在及び将来における開発品についても同様のリスクが内在しております。当社は、研究開発段階から収益が得られるビジネスモデルを構築することにより、各開発品の研究開発リスクの分散を図っておりますが、期待どおりの収益が得られる契約が締結できる保証はありません。このような場合には、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

(2) 医薬品の有用性及び安全性に関するリスク

 当社は、「大学発ベンチャーであることの公共性に準じ、利益の追求に留まらず、希少疾患や難治性疾患を対象とする医薬品開発により、人々のクオリティ・オブ・ライフを向上させ、社会に貢献する」という経営理念のもと、医療ニーズに応えるべく、医薬品の研究開発を行っております。医薬品の研究開発では、基礎研究段階から製造販売承認の取得に至るまで、様々な研究開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において研究開発の続行可否が判断されます。このため、非臨床試験や臨床試験において期待する効果が確認できない場合、予期せぬ副作用が発生した場合、あるいは研究開発期間中に医療現場での標準治療法等が変わり、医療ニーズに対する開発品目の有用性を見出すことが困難となった場合など、医薬品としての有用性及び安全性が確認できない場合には、研究開発が中止されることになります。当社の開発品において研究開発が続行できなくなった場合には、当社の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

(3) 新規開発品の創出に関するリスク

 当社は、社外との提携関係を積極的に構築することで、新規開発品の探索及び創出を図ることについても重要な事業戦略としております。しかしながら、これらの活動により、新規開発品の探索及び創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により、新規開発品の探索及び創出活動に支障が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 研究開発費が多額であることに関するリスク

 当社の平成28年3月期における販売費及び一般管理費に占める研究開発費の比率は72.6%であり、会社規模に比して多額の研究開発費を計上しております。今後も、既存開発品の推進及び新規開発品の獲得のために、研究開発投資を行う方針であります。特に、バイオ後続品については、既存バイオ医薬品の特許切れの時期に合わせ上市できるよう研究開発に着手することが重要であり、適時の研究開発投資が必要になります。当社は、これらの開発品の将来性と財務基盤の安定性を両立しながら慎重かつ積極的に研究開発投資を行う方針でありますが、予定していない研究開発費の増加により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります

 

(5) 研究開発に内在する進捗遅延に関するリスク

 当社は、研究開発型企業として自社単独での研究開発を推進しつつ、社外との提携関係を構築することで効率的な研究開発の推進を図っております。

 しかしながら、当初計画したとおりの研究開発の結果が得られない場合、各種試験の開始又は完了に遅延が生じた場合、提携先との契約等により当社単独で研究開発を進めることができない場合、あるいは提携候補先との契約交渉が遅延した場合には、医薬品としての製造販売承認の取得が遅れる又は制限される可能性は否定できません。当社は、このような事態を極力回避すべく、各開発品の進捗管理及び評価を適時に行い、各開発品の優先順位付け、投下する経営資源の強弱の変更、あるいは研究開発の一時中断の決定などの対応を図っております。このように、当社は研究開発費が大きく増加するリスクを低減しておりますが、研究開発が計画どおりに進捗しない場合には、当社の事業計画並びに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります

 

(6) 医薬品業界における競合に関するリスク

 近年の医薬品業界は、国内外の製薬企業、バイオ関連企業、研究機関などが激しく競争しており、技術革新が急速に進む環境下にあります。このため、これらの競合先との競争の結果により、当社がライセンスアウトした開発品あるいは研究開発中の開発品が市場において優位性を失い、研究開発の中止を余儀なくされるおそれがあります。また、当社の開発品がいち早く上市できた場合でも、これらの競合先が優位性のある製品を市場に投入し、当社の市場シェアを奪うなど、当社の事業計画及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります

(7) 国内外の大手製薬企業等の参入に関するリスク

 近年の国内外における医療費抑制策の中で、ジェネリック医薬品市場の拡大傾向は今後も持続するものと考えております。このため、国内外の大手製薬企業等が日本のジェネリック医薬品市場のみならず、世界市場が非常に大きいと期待されるバイオ後続品市場にも積極的に参入してくることも考えられます。当社が事業領域とするバイオ後続品については、低分子化合物のジェネリック医薬品に比べて豊富な知識、経験及びノウハウが求められることから、参入障壁は比較的高いものと認識しております。しかしながら、国内外の大手製薬企業等が巨額の研究開発費を投じ参入を強化する可能性があります。その結果、バイオ後続品の開発において国内外の大手製薬企業等に先行された場合には、当社の事業計画及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります

 

3.収益モデルに関する事項

(1) 収益計上に関するリスク

 医薬品の基礎研究開始から上市に至るまでには長い年月を要することから、研究開発の成果が事業収益として計上されるまでには長期間を要します。また、医薬品開発の成功確率は近年益々低くなっており、上市に至らないケースも多いため、最終的に事業収益が計上されない可能性もあります。また、当社が臨床開発段階において製薬企業と提携した場合、その製薬企業が臨床試験を実施することになります。このため、臨床試験は提携先の製薬企業に依存し、当該提携先において順調に臨床試験が進まない場合や経営環境の変化や経営方針の変更など、当社が制御し得ない要因が発生した場合には、当該医薬品の開発が遅延あるいは中止となる可能性があります

 一方、研究開発が順調に進捗して上市に至った場合であっても、当該医薬品が市場において評価されず、当初計画していた収益を計上できない可能性があります。

 当社は、研究開発段階から収益の計上方法を多様化することにより、各開発品の収益計上リスクの分散を図っておりますが、研究開発を行ったにもかかわらず、期待どおりの収益が計上できる保証はありません。このような場合には、当社の事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 科研製薬㈱との契約に関するリスク

 当社は、科研製薬㈱に対して抗α9インテグリン抗体をライセンスアウトしておりますが、当該開発品については、同社における経営環境の変化や経営方針の変更など当社が制御し得ない要因によって、中断あるいは中止となる可能性があります。当社は、このような事態が発生した場合、他の製薬企業などとの新たな提携関係を構築するなどして、事業計画への影響を最小限に留めるための施策を講じる方針ではありますが、これらが適時に実現されない場合には、当社の事業計画及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 富士製薬工業㈱との契約に関するリスク

 当社は、富士製薬工業㈱との間でフィルグラスチムバイオ後続品製剤の原薬供給に関する売買基本契約書を締結しておりますが、何らかの理由により当該契約が解除された場合には、当社の事業戦略や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

(4) フィルグラスチムバイオ後続品の販売に関するリスク

 当社の開発品であるフィルグラスチムバイオ後続品は、富士製薬工業㈱と持田製薬㈱の2社が販売を行っておりますが、何らかの理由により、いずれかの企業が販売に支障をきたした場合には、当該医薬品の売上減少に伴い当社の原薬売上が減少し、当社の事業計画及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) ㈱三和化学研究所との契約に関するリスク

 当社は、㈱三和化学研究所との間でダルベポエチンアルファバイオ後続品に関する共同開発契約を締結しておりますが、同社における経営環境の変化や経営方針の変更など当社が制御し得ない要因によって中断あるいは中止となる可能性を含め、何らかの理由により当該契約が解除された場合には、当社の事業戦略や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

(6) 千寿製薬㈱との契約に関するリスク

 当社は、千寿製薬㈱との間で眼科治療領域のバイオ後続品に関する資本業務提携契約を締結しておりますが、同社における経営環境の変化や経営方針の変更など当社が制御し得ない要因によって中断あるいは中止となる可能性を含め、何らかの理由により当該契約が解除された場合には、当社の事業戦略や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

4.事業推進体制に関する事項

(1) ノーリツ鋼機グループとの資本業務提携に関するリスク

 平成28年4月13日から5月30日までを期間とした合同会社Launchpad12(NKリレーションズ㈱(ノーリツ鋼機㈱の完全子会社)の完全子会社で、今回の当社との提携のために設立された会社)による当社株式の公開買付けが実施されました。当該公開買付けの結果、同社の議決権所有割合が50%超となり、NKリレーションズ㈱及びノーリツ鋼機㈱とともに当社の親会社となりました

 当該公開買付け後も当社の上場は維持されており、当社の方針・政策決定及び事業展開については当社独自の意思決定によって進められるものの、親会社は当社の経営上のガバナンスに一定の影響を及ぼすことができます。このため、ノーリツ鋼機グループとしての経営方針や営業戦略等を変更した場合、当社の業績及び事業展開に何らかの影響を及ぼす可能性があります

 

(2) 提携関係に関するリスク

 当社は、研究開発の各段階において、開発や販売を行う製薬企業などとの広範な提携関係を構築することで、固定費の増加を回避しつつ専門性の高い社外の技術力を活用し、戦略的かつ柔軟に研究開発を推進しております。しかしながら、計画通りに提携関係が構築できなかった場合、提携関係に変更が生じた場合あるいは提携関係が解消された場合には、当社の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) ファブレス(外部委託)型経営に関するリスク

 当社は、ファブレス型企業であることから、医薬品開発に伴うGLP試験やGMPに基づく原薬などの製造を受託企業に委託しております。このため、当該委託先において一定の信頼性や品質を有する対応が困難となり、代替先への製造移管を速やかに行うことができない場合には、当該開発品の研究開発に遅れが生じたり、研究開発自体が中止となることで、当社の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります

 また、当社は、当該開発品の上市後、原薬などを安定供給することが必要となりますが、製造委託先が商業用規模での安定供給に支障をきたし、代替先への製造移管を速やかに行うことができない場合には、当該医薬品の販売開始の遅延や市場への供給不足が発生し、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 小規模組織であることに関するリスク

 当社の人員は、本書提出日現在、取締役6名(非常勤取締役3名を含む。)、監査役3名(非常勤監査役2名を含む。)、従業員18名であります

 当社の研究開発の特長は、社外との提携関係を構築することで、固定費を抑えつつ効率的に事業を推進することにあります。このため、少人数による組織体制が適しておりますが、今後積極的に開発品の拡充を図るためには、人員の増強が必要になるものと考えております。しかしながら、想定通りに人材の確保ができない場合あるいは人材の流出が生じた場合には、研究開発の推進や社外との提携関係の構築に支障が生じ、当社の事業計画や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 また、事業の拡大に伴い、内部管理体制の強化も必要になってまいります。この点においても研究開発と同様に少人数の組織であるため、想定通りに人材の確保ができない場合あるいは人材の流出が生じた場合には、内部管理体制の質の低下を招き、当社の社会的信用を損なう可能性があります。

 

(5) 少数の事業推進者への依存に関するリスク

 当社は小規模組織であるため、事業戦略の推進は各部門の責任者に強く依存する傾向があります。当社は、今後も優秀な人材の確保及び教育に努めてまいりますが、人材の確保及び教育が想定どおりに進まない場合あるいは人材の流出が生じた場合には、当社の事業戦略の推進に支障をきたす可能性があります。

 

(6) 大学・公的研究機関との共同研究に係る費用負担に関するリスク

 当社は、医薬品シーズの探索を目的として、北海道大学をはじめとする複数の大学や公的研究機関との共同研究を行っておりますが、共同研究に係る費用の一部については当社が負担しております。また、共同研究の進捗状況に応じて、追加的な費用を負担する場合もあります

 当社は、今後も大学や公的研究機関との共同研究に積極的に取り組む方針であり、相応の共同研究費を負担する予定でありますが、共同研究に係るテーマなどの状況により、当社が予定していない費用負担が発生することになった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

(7) 研究所の使用に関するリスク

 当社は、北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センターが民間企業との共同研究等のために設けているオープンラボラトリスペースの一部を、当社研究所として使用しております。このため、共同研究契約の終了など何らかの理由により、同施設の使用ができなくなった場合には、当社研究所の移転を余儀なくされ、追加的な設備投資や賃借料の発生などによって、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

5.知的財産権に関する事項

(1) 知的財産権に関するリスク

 当社は、事業活動の中で様々な知的財産権を使用しておりますが、これらは当社の権利及び当社が権利出願中のもの、社外から適法に使用許諾を受けたもの、あるいは特許権が期間満了に至ったものであると認識しております。

 しかしながら、当社が出願中の特許等の全てが成立する保証はありません。また、特許等が成立した場合でも、当該特許等を超える優れた技術の台頭により、当社の特許等に含まれる技術が淘汰される可能性もあります。このような場合には、当社の競争力が失われ、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 一方、本書提出日現在において、当社の事業活動について第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた事実はありません。また、当社は今後発生し得る紛争を未然に防止するため、社内において、あるいは弁護士や弁理士を通じて特許調査を適宜実施しておりますが、万が一当社が第三者の特許等を侵害していた場合、当該第三者から差止請求や損害賠償請求を受け、高額な許諾料を請求されるなど、当社の事業活動並びに財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、第三者が当社の特許等を侵害する場合には、権利保全のために必要な措置をとるなど、その解決のために多大な費用と時間を要する可能性があります。

 

(2) 特許の確保に関するリスク

 当社が職務発明の発明者から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は当該発明者に対して特許法第35条第3項に定める相当の対価を支払わなければなりません。これまでに対価の支払いについて発明者との間で問題が生じたことはありませんが、将来的に権利の対価の相当性について紛争が生じる可能性を否定することはできません。これらの紛争により、発明者に追加の対価を支払わなければならない場合には、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 権利者からの契約解除等に関するリスク

 当社の開発品の中には、第三者から実施許諾を得たうえで研究開発を進めるものもあります。当社は、当該ライセンス契約に定める諸条件に従って、開発品を製品化する努力義務を負っております。ライセンス契約に定める諸条件の全てを当社が満たすことができるかどうかについては、多くの要因に依存しており、これらの中には当社が制御不能な要因も含まれております。このため、将来的に当社がライセンス契約の解除条項に抵触し、権利者から権利の許諾を受けられなくなった場合には、当社の事業計画並びに財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります

 

6.業績等に関する事項

(1) 財政状態及び経営成績に関するリスク

 当社は研究開発型企業であるため、開発品が安定的に収益計上できるようになるまでは研究開発費が先行して計上されますので、現時点では利益を計上することができておりません。当社は、早期の黒字化を目指しておりますが、事業計画が想定通りに進捗しない場合には、黒字化の時期が遅れたり、繰越利益剰余金がマイナスからプラスに転じる時期が遅れる可能性があります。

 

(2) 税務上の繰越欠損金に関するリスク

 当社は本書提出日現在において、税務上の繰越欠損金を有しており、現在は所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が課されておりません。しかしながら、当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合あるいは税制改正に伴い所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が発生した場合には、計画している当期純利益又は当期純損失並びにキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定の販売先への依存に関するリスク

 現在、当社の販売先は少数の製薬企業等に限定されており、特定の販売先への売上依存度が非常に高い状態にあります。

 当社は新規販売先の開拓を進めることで、特定の販売先への売上依存度の引き下げを図る方針でありますが、新規販売先の開拓が想定通りに進まない可能性があります。また、現在契約を締結している販売先との契約解消等が生じた場合には、当社の経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(4) 資金調達に関するリスク

 当社はバイオ後続品事業を始めバイオテクノロジーに関する事業化を目指した研究開発型企業であるため、先行投資としての研究開発資金を必要としますが、当社が業を営む医薬品業界やバイオ事業の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、また、これに伴うリスクも高いため、調達資金が投資家の期待する成果に必ずしも結びつかない可能性があります。このため、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、間接金融による資金調達は難しく、増資を中心とした資金調達を行う方針であります。その場合には、当社の発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、機動的な資金調達が困難な場合には、研究開発を継続することができなくなる可能性があります

 

(5) 配当政策に関するリスク

 当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にはありません。当面は早期の黒字化を目指し、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先する方針であります。一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が想定通りに進捗せず、今後も安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。

 

(6) 投資有価証券の価値変動に関するリスク

 平成28年3月31日現在において、当社は投資有価証券を保有しております。

 このため、当該投資有価証券の価値変動に伴い評価損が計上された場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替レートの変動に関するリスク

 当社は、社外との提携関係の構築をグローバルに展開していることから、海外の取引先との間で外貨建取引を行っております。これまでは、当社の外貨建取引の多くが支払サイトも短いことから、多額の為替差損益を計上することはありませんでしたが、当社の今後の事業規模の拡大に伴い、外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

7.その他

(1) 情報流出に関するリスク

 当社が研究開発の過程で入手する知見、技術、ノウハウ等には重要な機密情報が多く含まれております。当社は、これらの機密情報が社外に流出しないよう、役職員や取引先との間で秘密保持義務等を定めた契約を締結し、厳重な情報管理に努めております。

 しかしながら、役職員や取引先によりこれらが遵守されなかった場合には、重要な機密情報が流出し、当社の事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

 

(2) システム障害等に関するリスク

 当社はシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するために様々な手段を講じておりますが、ウィルス、権限のないアクセス、自然災害、通信エラーあるいは電気障害などが引き起こす事故が発生する可能性を否定することはできません。システム障害、セキュリティ侵害等が発生した場合、当社が保有する医薬品開発過程における重要な情報が喪失又は流出する可能性があります。データの喪失あるいは機密情報の流出を招いた場合、データ復旧のために金銭的・時間的に多大な負担を余儀なくされたり、特定の開発品の開発の進捗が遅延したり、取引先から損害賠償を請求されたり、当社の社会的信用が失墜して社外との提携関係の構築が難しくなるなど、当社の事業計画の進捗に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 医薬品の品質・副作用に関するリスク

 当社が開発に関与する医薬品の安全性に関する情報は、限られた被験者を対象に実施した臨床試験から得られたものであり、上市前に副作用の全てを把握することはできません。当社は、直接医薬品の販売を行う計画はありませんが、上市後に予期せぬ副作用が発生する可能性があります。その場合、製品の回収あるいは販売中止を余儀なくされ、当社の原薬などの販売についても継続することが困難となり、以後の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(4) 訴訟等に関するリスク

 当社は、コンプライアンス体制の構築に注力しておりますが、製薬企業などから特許等の侵害を理由として損害賠償請求を受けたり、訴訟を提起される可能性があります。また、製造物関連、環境関連、労務関連その他に関する訴訟が提起される可能性もあり、これらの結果、当社の社会的信用が失墜し、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 災害に関するリスク

 当社は、事業活動の中心となる事業所を北海道と東京に設けており、地理的なリスク分散を図っております。また、当社は研究開発活動の一部を社外に委託していることから、実質的にはさらに広くリスク分散されているものと考えております。

 しかしながら、これらの地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊やインフラの機能停止などにより、当社の事業活動が影響を受ける可能性があります。

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 原薬販売に関する契約

契約書名

売買基本契約書

相手先名

富士製薬工業㈱

契約締結日

平成25年2月25日

契約期間

フィルグラスチムバイオ後続品製剤の製造販売承認取得日(平成24年11月21日)から7年間

主な契約内容

富士製薬工業㈱がフィルグラスチムバイオ後続品製剤を日本国内で商業的に製造販売するため、当社は、フィルグラスチムバイオ後続品製剤の原薬を継続的・安定的に同社に売り渡し、同社はこれを独占的に買い受ける。

 

(2) ライセンスアウトに関する契約

契約書名

ライセンス契約書

相手先名

科研製薬㈱

契約締結日

平成19年6月29日

契約期間

契約締結日から本契約に定める全ての特許の満了日まで

主な契約内容

① 抗α9インテグリン抗体の全世界における医薬品用途での開発及び企業化のために、特許、ノウハウ、技術及び改良技術の再実施権付独占的実施権を許諾する。

② 当社は、本契約の締結に伴う契約一時金、臨床試験から上市に至る各段階におけるマイルストン契約金及び上市後におけるロイヤリティを受領する。

③ 当社は、本抗体を診断用試薬の用途において開発、使用及び販売する権利を有する。

 

(3) 共同開発に関する契約

契約書名

ダルベポエチンアルファバイオ後続品 国内サブライセンス及び共同開発契約書

相手先名

㈱三和化学研究所

契約締結日

平成26年1月21日

契約期間

本契約締結日からロイヤリティの支払いが終了する日まで

主な契約内容

① ㈱三和化学研究所がDong-A ST Co., Ltd.から許諾を受けたダルベポエチンアルファバイオ後続品の国内開発権の再許諾を受け、本製品の国内開発を共同で実施する

② 開発マイルストン等の支払いを行い、上市後はロイヤリティを受領する

 

(4) ライセンスインに関する契約

契約書名

ライセンス契約書

相手先名

Dong-A ST Co., Ltd.(旧東亜製薬㈱)

契約締結日

平成20年1月21日

契約期間

本契約に定める各地域(日本、米国及び一部地域を除く欧州)での販売開始後10年間とし、一方の当事者から更新拒絶の意思表示がない限り、以後1年毎に自動更新される。ただし、日本地域に限り、当社の販売提携先が販売を継続する限り有効とする。

主な契約内容

① フィルグラスチムバイオ後続品を産生する細胞及び技術に対する独占的実施権の許諾を受ける。

② 上記実施許諾により得られたフィルグラスチムバイオ後続品の原薬又は製剤を、医薬品用途において使用、製造、販売及び譲渡を行う権利を受ける。

③ 契約一時金、開発段階に応じたマイルストン契約金及び上市後におけるロイヤリティを支払う。

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

 

6【研究開発活動】

 当社は、希少疾患や難治性疾患などの医療領域を対象として、バイオ医薬品(バイオ新薬及びバイオ後続品)を主軸とした研究開発活動を展開しております

 

(1) 自社研究開発体制

 当社では、事業開発部が研究開発を担当しており、北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター内に研究所を置き、自社での研究開発体制を整備しております。加えて、東京事務所を拠点として、外部委託先を活用し、効率的かつ迅速な研究開発を推進しております

 当社の研究開発においては、主にバイオ新薬のシーズ探索を目的として、疾患に関連する物質の特定やその働きを阻害する抗体などの作製を行い、その作用機序などの分析と評価を行うことに研究開発資源を投入しております。また、バイオ後続品の研究開発においては、高産生株の作成などを行っております

 

(2) 共同研究開発体制

 当社は、バイオベンチャー企業であることから、限られた人材と要員で事業を推進しております。このため、東京事務所の事業開発部を中心として、早期の段階から、各分野に専門性を有する社外の研究機関や製薬企業などと提携することにより共同研究開発体制を構築し、当社の研究開発費の増加を回避しつつ、必要な社外技術の有効活用を図っております。また、多額の開発費用を要する商業用規模での製法・品質の検討、非臨床試験及び臨床試験の開発段階においては、製薬企業へのライセンスアウトを基本とし、それに伴う共同研究開発契約などにより、契約一時金や開発マイルストン収益を得たり、共同研究開発に伴う役務収益を得たりすることで、研究開発費の負担の軽減を図っております

 

(3) 研究開発活動の概要

 当事業年度における研究開発費の総額は1,075,354千円となりました。当社の研究開発費の主な内容は、非臨床試験及び臨床開発に関連する外部委託費、社外からライセンスインした特許やノウハウの実施料、自社における研究材料費、研究員の人件費等であります

 バイオ後続品事業につきましては、既存提携先とのバイオ後続品の開発に加え、持田製薬㈱や千寿製薬㈱との新たな提携による開発の推進を行ったことから、当事業年度における研究開発費のうち約9割強については、バイオ後続品開発に係るものとなりました。

 バイオ新薬事業につきましては、科研製薬㈱にライセンスアウトした抗体医薬品に続く開発品を生み出すために、複数の抗体医薬品や核酸医薬品の研究開発活動を行いました。また、各種補助金を活用した次世代抗体医薬品の研究活動、㈱ジーンデザインとの核酸医薬品の事業化に向けた共同事業、国立がん研究センターとの共同特許出願などを含めた創薬活動にも積極的に取り組みました。さらに、基盤技術を強化するための研究開発活動として、扶桑薬品工業㈱とのバイオ医薬品高産生細胞株の樹立を目的とした共同研究にも継続的に注力いたしました。

 

(4) パイプラインの状況

 当事業年度末における当社のパイプラインの状況は、以下のとおりであります。

 

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(5) 主な開発品の進捗状況

① バイオ後続品事業

 バイオ後続品事業におきましては、フィルグラスチムバイオ後続品(GBS-001)における当社の実績並びに富士製薬工業㈱や持田製薬㈱による好調な販売状況や、医療財政逼迫の課題に対する解決策の一つとしての期待も相まって、当事業年度は新たな提携先との業務提携も始まるなど追い風の状況でありました。

イ ペグフィルグラスチムバイオ後続品(開発番号:GBS-010、対象疾患領域:がん)

 当該医薬品は、フィルグラスチムにPEG(ポリエチレングリコール)を修飾することで、投与回数を減らし効果の持続性を増すなど、高付加価値を付与した次世代型フィルグラスチムです。当該医薬品の先行品は世界での市場規模が約5,000億円に達し、大きな魅力となっております。

 当社は、当該医薬品の原料として既に日本で上市しているフィルグラスチム後続品を活用し、原薬製造プロセスを確立し、先行品との同等性・同質性に関する良好なデータを取得しております。また、事業化に向けた製造スケールアップを進めると共に、国内外の製薬企業との提携に向けた協議を推し進めております。

ロ アダリムマブバイオ後続品(開発番号:GBS-005、対象疾患:免疫疾患)

 当該先行品は関節リウマチや尋常性乾癬などの治療薬として世界での売上高が約1.5兆円規模で、現時点で最も販売高を上げている医薬品です。当社は当該医薬品のバイオ後続品の原薬製造プロセスを既に確立し、先行品との同等性・同質性に関する良好なデータを取得し、早期の臨床試験入りに向けて準備を進めると共に、国内外の製薬企業との提携に向けた協議を推進してまいりました。

ハ がん治療領域のバイオ後続品

 がんの治療法は日進月歩でありバイオ医薬品への期待は高く、現在、世界の医薬品市場の上位一角を占めるのはがん治療にかかるバイオ医薬品です。当社は、平成27年8月に持田製薬㈱とのがん治療領域におけるバイオ後続品の共同開発を開始いたしました。

二 眼科治療領域のバイオ後続品

 世界的な高齢化社会の進展や生活習慣の変化に伴い黄斑変性症等の眼疾患患者が増加しております。これらの治療薬としてバイオ医薬品が注目されておりますが、当該領域のバイオ医薬品は高額であり、様々な患者様にご使用頂くためにもバイオ後続品の開発の社会的必要性を感じております。当社は、平成27年11月、眼科領域に専門性の高い千寿製薬㈱と資本業務提携にかかる基本合意契約を締結し、当該領域におけるバイオ後続品の共同開発を推進してまいりました。当該基本合意契約書に基づき、平成28年5月、眼科治療領域のバイオ後続品の上市を確実に達成させるべく共同事業化契約の締結に至りました。

 

② バイオ新薬事業

 バイオ新薬事業におきましては、科研製薬㈱にライセンスアウトした抗α9インテグリン抗体(GND-001)は、最適な疾患に向けての研究開発が進められており、当社はその支援という形で継続的に関与しております。また、自社で研究開発中の抗体医薬品及び核酸医薬品候補につきましては複数の開発品目の研究活動を進めました。抗体医薬品としては抗がん剤としてGND-004、核酸医薬品としてはGND-007などを主に推進いたしました。特にGND-007につきましては、薬剤送達システム(DDS技術)が開発の重要課題となりますので、多種多様な技術を継続的に調査しております

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、事業年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

 

(2) 財政状態に関する分析

① 流動資産

 当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末比39.2%増の1,520,347千円となりました。これは主に、現金及び預金が217,870千円、前渡金が200,971千円増加したことによるものであります。現金及び預金の増加については、新株予約権の行使及び短期借入による資金調達が主な要因であります。また、前渡金の増加については、バイオ後続品に係る開発費の前払いが主な要因であります。

 

② 固定資産

 当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末比219.6%増の173,769千円となりました。これは主に、投資有価証券が115,047千円増加したことによるものであります。

 

③ 流動負債

 当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末比1,187,540千円増の1,279,756千円となりました。これは主に、短期借入金が460,080千円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が350,000千円、未払金が127,430千円、前受金が145,000千円増加したことによるものであります。前受金の増加については、バイオ後続品の原薬販売に係る代金の前受けが主な要因であります。

 

④ 固定負債

 当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末比98.6%減の11,070千円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が775,000千円減少したことによるものであります。

 

⑤ 純資産

 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末比49.0%増の403,290千円となりました。これは、当期純損失を787,685千円計上したものの、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ460,751千円増加したことによるものであります。

 

(3) 経営成績に関する分析

 当事業年度における売上高は1,160,890千円(前年同期比260.9%増)、営業損失は820,289千円(前年同期は824,140千円の営業損失)、経常損失は785,785千円(前年同期は790,234千円の経常損失)、当期純損失は787,685千円(前年同期は792,179千円の当期純損失)となりました

 営業損益については、バイオ後続品事業の売上増加により増収となったものの、販売費及び一般管理費が大幅に増加したことから、ほぼ前年度並みとなりました。販売費及び一般管理費の増加については、バイオ後続品のパイプライン拡充による研究開発費の増加が主な要因であります。

 営業外損益については、バイオ新薬事業における補助金収入の発生を除いて、特筆すべき事項はありません。

 特別損益については、該当事項はありません。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、研究開発におけるリスクを低減させるため、研究開発過程の全てを自社で行うことはせずに、社外との業務提携によって推進することを基本方針としております。このため、業務提携先の方針の変化などによって、研究開発の進捗が遅れるなど、外部要因によって当社の収益が大きく影響を受ける可能性があります。

 また、当社は積極的にパイプラインの拡充を図っていく方針ですが、新規の開発品に着手することにより、研究開発費が大幅に増加する可能性があります。

 

(5) キャッシュ・フローの状況に関する分析

 キャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「第2事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性に関する分析

 当社が業を営む医薬品業界の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、これに伴うリスクも高いと考えられております。このため、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、間接金融による資金調達は難しく、直接金融による資金調達が基本になると考えております。

 

(7) 経営戦略の現状と見通し

 当社は、当面の間は、新薬と比較して明らかに研究開発リスクの小さいバイオ後続品に経営資源を集中する方針であります。また、研究開発の早期の段階で業務提携を行い、開発業務と費用を分担することで、研究開発費とリスクの低減を図ってまいります。現在、フィルグラスチムバイオ後続品に続く開発品の拡充に向け、業務提携候補先との交渉を進めております。

 

(8) 経営者の問題認識と今後の方針について

 医薬品開発におけるリスクを分散させるためには、複数の開発品を保有し、パイプラインの充実を図ることが最重要課題であると考えておりますが、そのためには研究開発資金が必要となります。特に、バイオ後続品については、既存バイオ医薬品の特許期間の満了時期から逆算して研究開発を開始する必要があるため、機を逸することのない意思決定と経営資源の投入を行う必要があります。また、バイオ新薬については、優れた有効性や差別化を訴求できるように限られた経営資源でデータを得て、あらゆる手段を講じて、ライセンスアウト先との交渉の機会を作ることにも注力いたします。そこで、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、開発品の優先順位を勘案の上、財務会計面及び管理会計面からも検討を加え、意思決定を行っていきたいと考えております。

 

(注)用語解説については、「第1企業の概況 3事業の内容」の末尾に記載しております。