第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 財政状態に関する分析

① 流動資産

 当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は、前事業年度末比13.3%増の1,237,780千円となりました。これは主に、前渡金が41,805千円、流動資産のその他に含まれる未収消費税等が19,968千円減少したものの、現金及び預金が198,685千円、売掛金が11,716千円増加したことによるものであります。現金及び預金の増加については、新株予約権の行使による払込が主な要因であります。

 

② 固定資産

 当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は、前事業年度末比12.6%増の61,202千円となりました。これは主に、有形固定資産に含まれる建物が1,944千円、投資その他の資産に含まれる差入保証金が5,105千円増加したことによるものであります。

 

③ 流動負債

 当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は、前事業年度末比106.4%増の190,320千円となりました。これは主に、未払金が51,605千円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が26,833千円、前受金が20,000千円増加したことによるものであります。

 

④ 固定負債

 当第3四半期会計期間末における固定負債の残高は、前事業年度末比54.2%減の359,120千円となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が425,000千円減少したことによるものであります。

 

⑤ 純資産

 当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末比176.9%増の749,542千円となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ460,751千円増加したものの、四半期純損失を440,730千円計上したことによるものであります。

 

(2) 業績の状況

第3四半期累計期間における我が国経済は、「アベノミクス」効果によって株高・円安等で輸出比率の高い大手企業を中心に業績を伸ばしてきました。一方で、中小企業への効果は道半ばで一層の経済施策・規制改革などが望まれています。しかし、ここにきて世界経済に目を向けますと、米国が経済好調を受け2015年12月に7年ぶりにゼロ金利政策を転換して金利引き上げを実施し、また世界を牽引してきた中国経済の成長鈍化、原油価格の急激な低迷、中東の政情不安など経済判断が複雑で先の読みにくい環境となっています。そのためリスク回避から株価や為替など金融市場には影響が大きく表れてきており、この流れが実体経済にも影響を与えることが懸念されています

当社の事業に関わる医療・医薬品分野においては、社会保障費を抑制することが急務とされており、その解決策の一つとして後発医薬品の使用促進が近年大きくクローズアップされています。厚生労働省は平成25年4月に、平成30年3月末までの後発医薬品の普及率目標を数量ベースで60%としていましたが、平成27年6月の閣議において、平成29年半ばに70%以上、平成30年度から平成32年度末までにできるだけ早く80%とする新たな目標が決定されました。この動きは中医協の薬価改定案においても、特許切れの新薬については後発医薬品への置き換えが着実に進むような施策が盛り込まれることとなり、後発医薬品の今後の普及に期待が高まっています

このような環境変化の下、当社の事業では、バイオ後続品事業で好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の富士製薬工業㈱と持田製薬㈱による販売が順調に推移しております

また、「フィルグラスチムBS」が順調なことで経営基盤の安定感が増していることに加え、バイオシミラーへの製薬会社の関心も高まりつつあることから、機会を逸することなく成長スピードをより一層速めるために、以下の各テーマの事業化に向けて開発を確実に進めるとともに、製薬会社とのアライアンスも着実に進めることに注力しております。

① 次世代型のG-CSF(フィルグラスチム)「PEG-G-CSF(ペグフィルグラスチム)」の開発

② ㈱三和化学研究所とのダルベポエチンアルファの国内共同開発

③ 持田製薬㈱とのがん領域にかかるバイオシミラーの業務提携

④ 新たなバイオシミラーのパイプライン拡充

ここで、④の新たなバイオシミラーのパイプライン拡充の成果としましては、平成27年11月に千寿製薬㈱と眼科領域におけるバイオシミラーに係る資本業務提携に関する基本合意書を締結することができました

一方、バイオ新薬事業では、抗体医薬品を中心に次世代型抗体医薬品の研究開発を進めているほか、㈱ジーンデザインと核酸共同事業を展開しながら核酸医薬品の機会探索や、国立がん研究センターをはじめとした研究機関との共同研究なども検討しながら、新規技術の取得にも力を入れております

さらに、医薬品の開発には長期に時間を必要とするため、安定的な経営環境をより強固に構築する目的で、広くヘルスケア関連分野で医療機器、診断薬、再生医療などについてもリサーチを進め、早期の事業化の可能性検討にも取り組んでおります

これらの結果、売上高は975,690千円(前年同期比569.3%増)、営業損失は464,078千円(前年同期は652,803千円の営業損失)、経常損失は439,305千円(前年同期は619,036千円の経常損失)、四半期純損失は440,730千円(前年同期は620,506千円の四半期純損失)となりました

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、研究開発におけるリスクを低減させるため、研究開発過程の全てを自社で行うことはせずに、社外との業務提携によって推進することを基本方針としております。このため、業務提携先の方針の変化などによって、研究開発の進捗が遅れるなど、外部要因によって当社の収益が大きく影響を受ける可能性があります。

 また、当社は積極的にパイプラインの拡充を図っていく方針ですが、新規の開発品に着手することにより、研究開発費が大幅に増加する可能性があります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に関する分析

 当社が業を営む医薬品業界の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、これに伴うリスクも高いと考えられております。このため、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、間接金融による資金調達は難しく、直接金融による資金調達が基本になると考えております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、747,340千円であります。

 また、当第3四半期累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。

① 平成27年8月11日付で、持田製薬㈱とがん治療領域のバイオ後続品に係る業務提携に向けた基本合意書を締結いたしました

② 平成27年11月12日付で、千寿製薬㈱と眼科治療領域のバイオ後続品に係る資本業務提携に向けた基本合意書を締結いたしました

 

(7) 経営戦略の現状と見通し

 当社は、当面の間は、新薬と比較して明らかに研究開発リスクの小さいバイオ後続品に経営資源を集中する方針であります。また、研究開発の早期の段階で業務提携を行い、開発業務と費用を分担することで、研究開発費とリスクの低減を図ってまいります。現在、「フィルグラスチムBS」に続く開発品の拡充に向け、業務提携候補先との交渉を進めております。

 

(8) 経営者の問題認識と今後の方針について

 医薬品開発におけるリスクを分散させるためには、複数の開発品を保有し、パイプラインの充実を図ることが最重要課題であると考えておりますが、そのためには研究開発資金が必要となります。特に、バイオ後続品については、既存バイオ医薬品の特許期間の満了時期から逆算して研究開発を開始する必要があるため、機を逸することのない意思決定と経営資源の投入を行う必要があります。また、バイオ新薬については、優れた有効性や差別化を訴求できるように限られた経営資源でデータを得て、あらゆる手段を講じて、ライセンスアウト先との交渉の機会を作ることにも注力いたします。そこで、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、開発品の優先順位を勘案の上、財務会計面及び管理会計面からも検討を加え、意思決定を行っていきたいと考えております。