第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 財政状態に関する分析

① 流動資産

 当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は、前事業年度末比16.0%減の2,875,041千円となりました。これは主に、前渡金が139,674千円増加したものの、現金及び預金が621,385千円減少したことによるものであります。現金及び預金の減少並びに前渡金の増加については、バイオ後続品に係る開発費の支払いが主な要因であります。

 

② 固定資産

 当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は、前事業年度末比18.8%増の337,881千円となりました。これは主に、投資有価証券が53,626千円増加したことによるものであります。

 

③ 流動負債

 当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は、前事業年度末比5.5%増の199,727千円となりました。これは主に、未払法人税等が25,690千円、流動負債のその他に含まれる未払金が20,308千円減少したものの、買掛金が56,689千円増加したことによるものであります。

 

④ 固定負債

 当第3四半期会計期間末における固定負債の残高は、前事業年度末比3.2%増の17,143千円となりました。これは、退職給付引当金が840千円減少したものの、固定負債のその他に含まれる繰延税金負債が1,364千円増加したことによるものであります。

 

⑤ 純資産

 当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末比14.4%減の2,996,051千円となりました。これは主に、四半期純損失を513,823千円計上したことによるものであります。

 

(2) 業績の状況

第3四半期累計期間における我が国経済は、政府の経済政策の効果によって、引き続き企業収益や雇用環境、個人消費の改善が進むなど景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界景気全般については、北朝鮮情勢の緊迫化、米国政権の政策動向に対する警戒感など地政学的リスクに対する懸念は払拭されておらず依然として先行き不透明な状況が続いておりますが、欧米を始め緩やかに景気は回復しております

当社の事業に関わる医療・医薬品分野においては、平成29年10月に医薬品の先駆け審査指定制度における対象品目の通算3度目の募集が開始されました。この制度は、医薬品・医療機器産業を我が国の成長産業と位置付け、平成26年6月に厚生労働省より発表された「先駆けパッケージ戦略~世界に先駆けて革新的医薬品・医療機器等の実用化を促進~」に基づき導入された医薬品開発の迅速化を促す重要施策として、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれるなど一定の要件を満たした新薬候補品について実用化までの承認審査期間を短縮するものであり、当業界への期待度の高さを象徴するような取扱いであると認識しております。平成29年12月には本制度により申請された医療機器が初めて承認されるなど、着実にその効果が発揮されつつあります

このような状況の下、当社のバイオ後続品事業は、富士製薬工業㈱と持田製薬㈱による好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の販売が順調に推移しており、当社の経営の安定感は継続しております。そのような中、これに続く品目として、平成28年9月に㈱三和化学研究所と共同開発を行っているダルベポエチンアルファバイオ後続品について国内における第Ⅲ相臨床試験を開始し、同年12月には持田製薬㈱とがん治療領域におけるバイオ後続品について共同事業化契約を締結して製造販売承認の取得に向けての共同開発を始め、さらには、平成29年3月に伊藤忠ケミカルフロンティア㈱と新たなバイオ後続品の開発について資本業務提携を結ぶなど、開発にも注力してまいりました。当期においても9月に長春長生生物科技有限責任公司とのアダリムマブバイオ後続品の中国における共同事業化を本格稼働させ、11月には千寿製薬㈱と共同開発を行っているバイオ後続品について国内における第Ⅲ相臨床試験を開始するなど着実に事業を前進させております。これらをとおして、より品質が高く廉価なバイオ医薬品をより多くの患者様に的確かつ迅速に届けるため、併せて自らの一層の成長を目指すために、次のとおり既存開発品目の着実な開発推進及び新たな開発品目の立ち上げを積極的に図っております

① フィルグラスチム(G-CSF)の次世代型「ペグフィルグラスチム(PEG-G-CSF)バイオ後続品」の開発

② ㈱三和化学研究所とのダルベポエチンアルファバイオ後続品の国内共同開発

③ 持田製薬㈱とのがん治療領域におけるバイオ後続品の業務提携

④ 千寿製薬㈱との眼科領域におけるバイオ後続品の資本業務提携

⑤ 長春長生生物科技有限責任公司とのアダリムマブバイオ後続品の中国における共同事業化

⑥ その他複数のバイオ後続品の開発品目の拡充

一方、バイオ新薬事業では、次世代型抗体医薬品等の研究開発を進めた結果、新規メカニズムに基づく新生血管形成を阻害する新規抗体を創出することに成功し、眼疾患の治療並びにがん領域における抗腫瘍効果を期待できる医薬品候補として、平成29年9月に当該抗体に関する特許を出願いたしました。そのほか、平成28年12月に味の素グループの一員となった㈱ジーンデザインとの核酸共同事業をとおして核酸医薬品の創薬の機会を探ったり、国立がん研究センターと共同特許出願した発明を基にエクソソームを活用した新規技術の取得にも力を入れております

また、当社のバイオ新規事業にあたる再生医療分野においては、平成28年10月に当社と同じノーリツ鋼機グループの一員である㈱日本再生医療と資本業務提携を行い、同社が開発中の心臓内幹細胞を用いた再生医療等製品の事業化を目指し、グループ全体で再生医療分野の事業拡大に取り組んでおります。加えて、順天堂大学と共同研究を進めている免疫寛容誘導を活用した新たな免疫抑制治療法の開発におきましては、平成29年9月に当該技術の実用化に向けた細胞加工のプラットフォーム構築を目的とした委受託契約を㈱メディネットと締結し、次なるステップである臨床試験へ向けての体制づくりに取り組んでおります。また、同年5月に北海道に本社を置く企業並びに金融機関と共同出資の下、北海道発の再生医療ベンチャー企業である㈱ミネルヴァメディカを設立し、同社と札幌医科大学で糖尿病性腎症の自己骨髄間葉系幹細胞を用いた治療法の共同研究契約を締結するなど、着実に当該事業の拡充と推進を図っております。

このほか、医薬品の開発には時間を要するため、安定的な経営環境をより強固に構築する目的で、医療関連分野である医療機器や診断薬などについても広く事業シーズを探索しております

これらの結果、売上高は777,261千円(前年同期比10.2%増)、営業損失は515,698千円(前年同期は936,212千円の営業損失)、経常損失は512,955千円(前年同期は944,691千円の経常損失)、四半期純損失は513,823千円(前年同期は991,878千円の四半期純損失)となりました

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、656,633千円であります。

 また、当第3四半期累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。

① 北海道発の再生医療ベンチャー企業である㈱ミネルヴァメディカの設立に参加し、同社と札幌医科大学での糖尿病性腎症の自己骨髄間葉系幹細胞を用いた治療法の共同研究の事業化に向けたサポートを開始しました。

② バイオ新薬事業において、新規メカニズムに基づく新生血管形成を阻害する新規抗体を創出することに成功し、平成29年9月に当該抗体に関する特許を出願いたしました

③ 順天堂大学と共同研究開発を進めている免疫細胞加工技術の実用化に向けて、当該技術の開発・製造委受託契約を㈱メディネットと締結し、平成29年9月より技術移転を開始しております。

④ 長春長生生物科技有限責任公司へのアダリムマブバイオ後続品の製造技術移管が平成29年9月に完了し、中国における共同事業化に向けて本格稼働することとなりました。

⑤ 千寿製薬㈱と共同開発を行っている眼科領域のバイオ後続品について、平成29年11月に国内における第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、研究開発におけるリスクを低減させるため、研究開発過程の全てを自社で行うことはせずに、社外との業務提携によって推進することを基本方針としております。このため、業務提携先の方針の変化などによって、研究開発の進捗が遅れるなど、外部要因によって当社の収益が大きく影響を受ける可能性があります。

 また、当社は積極的にパイプラインの拡充を図っていく方針ですが、新規の開発品に着手することにより、研究開発費が大幅に増加する可能性があります。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性に関する分析

 当社が業を営む医薬品業界の特質として、研究開発投資がリターンを生み出すまでの期間が長く、これに伴うリスクも高いと考えられております。このため、安定的な収益基盤を確立するまでの間は、間接金融による資金調達は難しく、直接金融による資金調達が基本になると考えております。