第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況

① 資産

 当第1四半期連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末比10.5%減の3,521,678千円となりました。これは主に、投資その他の資産に含まれる投資有価証券が140,567千円増加したものの、現金及び預金が586,760千円、売掛金が237,795千円それぞれ減少したことによるものであります。

② 負債

 当第1四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末比19.4%減の1,873,492千円となりました。これは主に、受注損失引当金が96,000千円増加したものの、転換社債型新株予約権付社債が200,000千円、未払金が281,741千円減少したことによるものであります。

③ 純資産

 当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2.3%増の1,648,186千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失を314,021千円計上したものの、資本金が118,096千円、資本剰余金が118,096千円、その他有価証券評価差額金が97,553千円増加したことによるものであります。

 

(2) 経営成績の状況

当社は、「バイオで価値を創造する」の実現に向けて、これまでの事業活動で得てきたバイオ技術に関するノウハウ及び知見を最大限活用し、従来より手掛けてきた希少疾患、難病に加えて、小児疾患を重点的なターゲットと定めております。これらの疾患に悩む患者様、そのご家族や介護者の方を含めた包括的なケアを目指して、新薬のみならず新たな医療の開発・提供をより一層加速化させるため、2021年7月1日より新たにキッズウェル・バイオ株式会社としてスタートし、2021年2月15日に公表した5か年中期経営計画の各事業における今後の具体的な戦略方針と成果目標を確実に達成するべく、心機一転、全社一丸となって活動を強化しております。

当第1四半期連結累計期間における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。

① バイオ後続品事業

富士製薬工業㈱と持田製薬㈱による好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」の原薬販売及び2019年11月27日より販売が開始された㈱三和化学研究所と共同開発を行っていたダルベポエチンアルファバイオ後続品の売上高に応じたロイヤリティによる収益を安定的に計上しております。その他、開発中のパイプラインについても着実に開発活動を推進しております。

② バイオ新薬事業

 次世代型抗体医薬品等の研究開発を進めた結果、2020年1月にがん細胞内侵入能力を有する抗体を用いた抗がん剤の開発を目的として札幌医科大学との共同研究契約、同じくがん細胞殺傷効果を有する新たな抗体の取得を目的としてMabGenesis㈱との共同研究契約をそれぞれ締結しました。また、上述の5か年中期経営計画にて公表いたしましたとおり、早期新薬パイプラインとして悪性リンパ腫、血管炎、肺高血圧症の根治を目指す医薬品の研究開発及びパートナリング活動を進めております。

③ 新規バイオ事業

当社は、再生医療事業の研究開発において、重要な研究ソースとなる乳歯歯髄幹細胞(SHED)及び心臓内幹細胞(CSC)を活用したプロジェクトの推進、アカデミア及び企業との共同研究または提携を推進しております。

SHEDについては、骨及び神経疾患といった分野で新たな治療法を提供できる可能性を複数のアカデミア及び企業に評価いただき、それぞれ研究開発活動を推進しております。このうち、多数のパイプラインで疾患に対するSHEDの明確な有効性が非臨床試験にて確認されており、導出に向けて着実に前進しております。

CSCについては、小児の重篤な心臓疾患である機能的単心室症を主な対象とした再生医療等製品の開発(開発番号JRM-001)を推進しております。2020年10月に当該開発品の第3相臨床試験において、患者様自身の組織に由来する自家細胞を用いた自家再生医療等製品の実用化で豊富な実績を有する㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングを製造パートナーとして加え、さらに2021年6月に厚生労働省における希少疾病用再生医療等製品に当該開発品が指定されました。今後は、製造パートナーとの効率的な協業及び、希少疾病用再生医療等製品に指定されたことによる優先的な治験相談および優先審査の実施、再審査期間の延長等の優遇措置を最大限活用しながら臨床試験をこれまで以上に加速させてまいります。

そのほか、将来の成長戦略として、高い治療目標を達成するために強化型細胞治療「デザイナー細胞」の開発活動を本格化させるとともに、再生医療分野での事業を進展させていくための重要なステップとして、SHEDを再生医療等製品として製品化するための基となるマスターセルバンク(MCB)等の製造を㈱ニコン・セル・イノベーションと進めつつ、一方で東京大学医学部附属病院、昭和大学歯科病院、それぞれとの連携によるSHED製造の原料となる乳歯を提供頂くための体制構築を進めております。今後、2021年6月に公表しました「ChiVo Net 未来医療子どもボランティアネットワーク」による活動も進めつつ、原料調達からSHED製造までの安定的かつ一貫した体制構築を目指します。これにより当社における再生医療等製品の研究・開発活動を加速すると共に、アカデミアや企業との連携による研究・開発パイプラインの強化を進めてまいります。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は303,367千円(前年同四半期比150.1%増)、営業損失は309,227千円(前年同四半期は営業損失237,757千円)、経常損失は313,646千円(前年同四半期は経常損失244,341千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は314,021千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失244,857千円)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う当第1四半期連結累計期間における業績への影響はありませんでした。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません

 

(4) 経営方針・経営戦略等

第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、296,718千円であり、各パイプラインの研究開発状況については、概ね計画どおりに進捗しております。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社が業を営む医薬品業界には、研究開発投資を行ってからリターンを生み出すまでの期間が長く、また、そのリターンが実現するリスクや採算性に関するリスクも高いという特質があります。

当社は、バイオ新薬と再生医療については多額の研究開発費がかからないよう、早期導出、パートナリングによるコスト分担等を推進し、リスクを低減しております。一方、バイオ後続品についても、既存バイオ医薬品の特許期間の満了時期から逆算して機を逸することのないよう、パートナーの選定を行い、当社は製造プロセスの開発に経営資源の集中的な投入を行うことで、リスク分散を図っております。

2019年10月及び2020年4月には第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債並びに新株予約権(行使価額修正条項付)を発行し、加えて2019年12月にみずほ銀行より借入れを実行し、未行使である新株予約権を除いて総額約18億円規模の資金を調達いたしました。今後は、依然として間接金融による資金調達は難しく、直接金融による資金調達が基本になりますが、開発品の優先順位を考慮しつつ財務会計面及び管理会計面からも検討を加えた上で意思決定を行っていくことで、パイプラインの充実と安定的な収益基盤の確立につながるものと考えております。

なお、当社グループは、当第1四半期連結会計期間末で現金及び預金並びに売掛金を合わせて1,453,339千円の残高を有しております。これに加えて、今後中長期的には原価低減施策に基づく、高い利益率を持ったバイオ後続品の販売による売掛債権の回収及びロイヤリティ収益、並びに上述の新株予約権行使による増資で必要十分な資金調達がされることが見込まれますので、これら資金を基に研究開発費を含めた販売費及び一般管理費を適切に管理してまいります。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による想定外のリスクの発生に備え、財務制限条項も勘案して、必要に応じて資金調達も含め、手元流動性の維持・向上に努めてまいります。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。