当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当中間連結会計期間において、当社グループは営業利益を計上いたしました。一方、今後も適正な範囲でバイオシミラー事業と細胞治療事業(再生医療)の事業価値最大化に向けた研究開発投資を積極的に行っていくため、一時的に期間損益がマイナスとなる可能性があり、継続企業の前提に重要な疑義を生じる状況となっております。これに対し、内部留保で対応することに加え、金融機関からの借入等による適時調達を行い、事業継続に必要な資金を確保しております。その結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は存在しないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
① 資産
当中間連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末比17.0%減の5,815,129千円となりました。これは主に、売掛金が393,156千円増加したものの、現金及び預金が1,453,932千円減少したことによるものであります。
② 負債
当中間連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末比35.2%減の3,628,948千円となりました。これは主に、バイオシミラー製品に関する製造費用の一部について、パートナー企業からの契約負債が990,000千円減少、転換社債型新株予約権付社債が375,000千円減少、長期借入金(1年内返済予定を含む)が328,520千円減少したことによるものであります。
③ 純資産
当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比54.9%増の2,186,181千円となりました。これは主に、資本剰余金が9,063,169千円減少、資本金が2,132,591千円減少したことによるものであります。
なお、2025年6月27日開催の定時株主総会決議により、資本金を2,486,206千円、資本準備金を11,841,807千円減少させ、その他資本剰余金を14,328,013千円増加させたのち繰越利益剰余金に11,902,990千円振り替えることにより、欠損填補を行っております。
(2) 経営成績の状況
当社グループは、バイオシミラーの開発及び開発品上市後の原薬・製剤(以下、「バイオシミラー原薬等」)の供給を行う「バイオシミラー事業」、並びに当社100%子会社の株式会社S-Quatre(以下、「エスカトル」)が独自開発した乳歯歯髄幹細胞(以下、「SQ-SHED」)を活用した再生医療等製品の実用化を目指す「細胞治療事業(再生医療)」の2つの事業に取り組んでおります。
※SHED(シェド)は、Stem cells from Human Exfoliated Deciduous teeth(ヒト乳歯由来幹細胞)の略称
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績につきましては、堅調な需要が続く中、バイオシミラー原薬等の納品を計画に基づいて着実に進めたことにより、売上高は前年同中間期を大きく上回る売上高3,276,217千円(前年同中間期比87.2%増)を計上いたしました。この売上の大幅な伸長を受けて、営業利益215,337千円(前年同中間期は、営業損失262,520千円)、経常利益76,667千円(前年同中間期は、経常損失267,993千円)、親会社株主に帰属する中間純利益60,583千円(前年同中間期は、親会社株主に帰属する中間純損失241,794千円)となりました。
当中間連結会計期間における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。
① バイオシミラー事業
・バイオ後続品国内製造施設整備支援事業
国内におけるバイオシミラーの安定供給体制実現に向け、開発から製造・供給までを一貫して担う国内初のサプライチェーン構築を目指し、2025年5月に採択された厚生労働省「医療施設等施設整備費補助金(バイオ後続品国内製造施設整備支援事業、(本助成事業)」において、現在アルフレッサ ホールディングス株式会社(以下、「アルフレッサ ホールディングス」)、当社、株式会社カイオム・バイオサイエンス(以下、「カイオム」)の助成対象事業者3社に、本支援事業の重要関係者であるMycenax Biotech Inc.(以下、「MBI」)を加えた4社で、バイオシミラーの原薬・製剤製造施設の整備を進めております。
加えて、2025年10月には、本助成事業の推進基盤構築の一環として、バイオシミラー等の開発・製造受託(CDMO)事業を行う合弁会社の設立、及びアルフレッサ ホールディングスの子会社であるアルフレッサ ファインケミカル株式会社の敷地内での製造施設建設を前提とする施設整備の枠組みについて基本合意いたしました。
・新規バイオシミラーの共同開発
2025年5月に、当社とカイオムはMBIとの間で新規バイオシミラー開発に関するMaster Service Agreementを締結し、MBIにおいて、かねてより選定を進めていた複数の新規バイオシミラーの細胞株構築を開始しております。また、同10月には、アルフレッサ ホールディングス、当社並びにカイオムの3社で、今後の新規バイオシミラー共同開発のための基本合意書、及び既に細胞株構築を進める製品の共同開発を推進するための基本契約書を締結いたしました。これにより、本助成事業により整備される国内製造施設における商用製造を見据えた新規バイオシミラー開発におけるアルフレッサ ホールディングスも含めた各社の役割を明確化させ、開発活動を本格化させております。なお、3社間の基本契約書の締結により、当社及びカイオムは細胞株構築に対する対価をアルフレッサ ホールディングスより受領することになります。
② 細胞治療事業(再生医療)
・脳性麻痺(遠隔期)治療の臨床研究
脳性麻痺については、名古屋大学総合周産期母子医療センターとの共同研究の成果に基づき、自家(患者様自身の細胞)SQ-SHEDを用いた臨床研究を、2023年6月より名古屋大学 主導の下、エスカトルが共同で推進しております。その進捗として、2025年6月には最終3例目の患児様への投与が完了し、同10月には全3症例について独立安全性評価委員会による審議が行われ、「投与後4週までの安全性に問題なし」との評価を受けました。加えて、当該研究については、全3症例の投与後12週間までのデータに基づいた有効性評価を含む中間解析が同大学にて進行中であり、同年内には公表される予定です。
・脳性麻痺(遠隔期)治療の治験申請に向けた進捗
脳性麻痺の同種(他家)SQ-SHED(当社開発コード:GCT-103)については、2025年3月に持田製薬株式会社(以下、「持田製薬」)と締結した共同事業化契約に基づき、持田製薬が治験等を、エスカトルが製造等を主な役割として、国内での治験開始に向け準備を進めております。
海外治験に向けては、2025年10月に米国FDA(食品医薬品局)とPre-IND Meeting(治験計画事前相談)を実施いたしました。
・SQ-SHED製造プロセス開発
商用製造を見据えた次世代大量培養技術に関しては、世界的な培養機器メーカーである米国のCorning Life Sciencesの協力の下、SQ-SHEDの特性に最適化された独自製法を開発いたしました。現在、後期臨床試験及び商用製造の製造プロセス確立を目的に、CDMO事業を展開するニプロ株式会社との共同開発契約に基づき、開発を順調に進めております。
・その他の研究開発活動
名古屋大学との末梢神経損傷治療の共同研究成果として、末梢神経損傷モデルに対するSHEDの治療効果と作用メカニズムについて、2025年8月に論文発表いたしました。本成果は2025年10月に開催された世界最大規模の脳神経外科学会「第75回米国脳神経外科コングレス(CNS2025)」において同大学が口頭発表の機会を獲得するなど、国際的にも高く評価されております。
また、2025年10月には、SHEDを活用した新たな不妊症治療の実現を目指して、英国のLYMPHOGENiX社と共同研究を開始しました。今後、両社の技術を融合し、従来治療で効果が得られにくい症例への新たな治療選択肢提供 の可能性を追求します。本技術は不妊症に加え、各種線維症疾患への応用も視野に入れており、並行研究も進行中です。
更に、東京科学大学と、SQ-SHEDと制御性T細胞(Treg)を組み合わせた新規免疫細胞療法の共同研究を開始しました。Tregは2025年にノーベル生理学・医学賞の対象となったことで、益々注目を集めるようになった免疫細胞です。本研究ではこのTregを活用し、自己免疫疾患や臓器移植後の拒絶反応に対する根本治療の確立を目指します。
これらの研究は、疾患領域ごとの課題に対してSHEDの多様な可能性を切り拓くものであり、今後も国内外の先進的な研究機関・企業との連携を強化し、再生医療の新たな価値創出に向けた探究を進めてまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,541,503千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は1,447,555千円(前年同中間期は288,426千円の減少)となりました。これは主に、契約負債の減少990,000千円、売上債権の増加393,156千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は5,000千円(前年同中間期は2,954千円の減少)となりました。これは敷金の回収による収入があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は17,675千円(前年同中間期は244,657千円の減少)となりました。これは新株予約権の行使による株式の発行による収入310,844千円があったものの、長期借入金の返済による支出328,520千円があったことによるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、388,361千円であり、各パイプラインの研究開発状況については、概ね計画どおりに進捗しております。
(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、企業価値の最大化と株価の回復・成長の早期実現を目指し、資金調達の最適化と財務基盤の強化に継続して取り組んでおります。バイオシミラー事業では、上市済みバイオシミラーの安定的な収支構造の維持に努める上、GBS-007及びGBS-010の需要拡大や海外製造コストの上昇に伴う製造運転資金増に対応するため、一部についてパートナー企業との支払条件見直し等を実現し、その他においても追加の交渉を継続しております。
加えて、株式市場からの資金調達についても、行使価格と株価の乖離が大きく調達が長期化していた既存の新株予約権を買入消却し、実勢株価に即した第23回及び第24回新株予約権を発行するリファイナンスを2024年12月に実施しております。その結果、第24回新株予約権は2025年4月までにすべての行使が完了しました。また、2022年7月発行の第4回無担保転換社債型新株予約権付社債についても2025年4月以降転換が大きく進んだことで、当社株式に対するオーバーハング懸念の軽減と、当社の事業成果が適切に株価に反映される環境整備に向けた需給の改善が進んでいます。
以上の通り、当社グループは財務体質の安定化に取り組む一方、バイオシミラー事業及び細胞治療事業の成長に必要な研究開発投資については継続して行う必要があります。そのための資金確保手段として、開発パートナー企業等との資本業務提携や各種助成金等の活用に加え、間接金融からの借入等、資金調達手段の多様化と最適化に2025年度も継続して取り組んでおります。また、両事業においては、研究開発活動の進捗及び事業性に応じて優先順位を機動的に見直すとともに、早期のパートナリング等を通じた役割分担と費用負担の調整を進めることにより、メリハリのある研究開発投資の実行とリスクの低減に取り組み、将来の成長性を毀損することなく、「安定と成長の両立」の実現に向けたバランスの取れた財務基盤の確立を目指します。
該当事項はありません。