第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国では景気の拡大が続き、欧州では緩やかに回復いたしました。アジアでは総じて底堅い成長が続き、中国では成長率の低下からの持ち直しが見られました。
 我が国経済においては緩やかな回復が続いており、先行きについては雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される一方で、北朝鮮情勢の緊迫化といった地政学リスク、海外経済の不確実性の影響に留意する必要があります。

当社グループが主力事業を展開する自動車業界及び自動車部品業界においては、中国や欧州各国でEV普及に向けた取り組みが加速し、メーカー間の合従連衡も急速に進み始めました。その中でもものづくりの上流工程である設計開発における技術者ニーズは活況が続きました。

以上のような事業環境のもと、当社は主力事業の一層の拡大はもとより、3Dプリント事業、コミュニケーションロボット事業など新価値創造に積極的に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は過去最高となる81億69百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益は14億94百万円(同16.2%増)、経常利益は14億92百万円(同15.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は9億66百万円(同12.1%増)となりました。なお、当社の連結子会社が所有する事業用資産の一部について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損損失98百万円を特別損失に計上いたしました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。 

①設計開発アウトソーシング事業

当セグメントにおきましては、売上高は79億40百万円(前年同期比13.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は14億97百万円(同15.3%増)、セグメント利益(営業利益)率18.9%となりました。技術者稼働率が高水準で推移したこと、付加価値の高い請負業務の拡大等が増収増益に寄与いたしました。

②水素水製造販売事業

当セグメントにおきましては、水素水全般に対するネガティブな報道の影響により売上が伸び悩み、売上高は2億59百万円(前年同期比35.5%減)、セグメント損失(営業損失)は24百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)34百万円)となりました。

③その他

不動産賃貸事業に関しましては、売上高は31百万円(前年同期比5.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は21百万円(同21.6%増)、セグメント利益(営業利益)率67.9%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの分析につきましては「7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)財政状況の分析(キャッシュ・フローの状況)」をご参照ください。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

水素水製造販売事業

103,726

△17.7

合計

103,726

△17.7

 

(注)1.設計開発アウトソーシング事業は、機械・機械部品の設計開発及びソフトウエア開発などの技術提供サービス事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績になじまないため、記載を省略しております。

 その他事業は、生産活動を行っておりませんので、記載しておりません。

 2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 3.金額は、製造原価によっております。 

 4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループの設計開発アウトソーシング事業はその形態から受注高と販売金額がほぼ同等となるため、記載を省略しております。水素水製造販売事業は、受注から販売までの期間が短く、期中の受注高と販売金額がほぼ同等となるため、記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

設計開発アウトソーシング事業

7,940,921

+13.0

水素水製造販売事業

196,984

△40.0

その他

31,106

+5.9

合計

8,169,012

+10.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

トヨタ自動車株式会社

1,747,840

23.7

2,102,872

25.7

スタンレー電気株式会社

788,409

10.7

668,602

8.2

 

 

 

   2. 設計開発アウトソーシング事業に関する取引先業種別の販売実績は次のとおりであります。

 

取引先業種

前連結会計年度

(自 平成27年10月1日

 至 平成28年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

 至 平成29年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

 

自動車・輸送機器

3,622,026

51.5

4,364,050

54.9

電子部品・電気機器(自動車関連)

1,417,760

20.2

1,482,715

18.7

情報処理・ソフトウエア(自動車関連)

82,807

1.2

93,779

1.2

自動車関連

5,122,594

72.9

5,940,545

74.8

電気機器(家電等)

531,498

7.6

568,138

7.2

情報処理・ソフトウエア(アプリケーションソフトウエア等)

603,784

8.6

570,738

7.2

一般機械機器

298,018

4.2

341,843

4.3

その他製造業

235,892

3.4

300,452

3.8

その他

238,173

3.4

219,203

2.7

合計

7,029,961

100.0

7,940,921

100.0

 

   3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、経営理念として「顧客主義(取引先との共生によるパートナーシップの確保)」、「社員主義(社員の自主自律による価値創造の確保)」、「成果主義(機会平等と評価公平性の確保)」を掲げており、事業目的として「取引先の信頼と安心の確保に基づくサービスの提供」、「社員の生活向上と安定の確保」、「コンプライアンス、CSRの遵守と社会貢献」を定めております。以上の経営理念及び事業目的は、当社設立以来の経営に対する基本的な考え方として、経営者はもとより、社員への浸透も図られております。

 

(2)目標とする経営指標

① 売上高の伸び率

減収増益或いは微増収増益では、企業価値の拡大に限度があります。一定の率の売上高の拡大は、事業展開上必須の事柄であります。

② 利益率等

売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率においてそれぞれ目標を設定し、収益力の高さを維持する経営を実践してきております。

③ 技術社員数の増減及び稼働率の推移

技術社員数の増減は、当年度或いは次年度の売上規模を確定させる重要指数となります。また、稼働率は、売上高及び売上総利益に大きな影響を与えます。

④ 請負業務比率

付加価値の高い請負業務の拡大により、収益力のアップ、技術力のアップに繋がるものと考えております。

⑤ 当社コア業務領域の比率

当社の得意分野である自動車ランプ・内装・ボデー設計等のコア業務領域を拡大させていくことで、強みの更なる強化に繋げたいと考えております。また、当社のコア業務領域は、今後、HV/EV等の次世代自動車の普及、自動車部品のモジュール化の進展に際しても、設計開発需要減少の影響は受けにくいと考えております。

⑥ 実質無借金の維持

不測の事態に備え、実質無借金経営を維持することにより、収益悪化抵抗力を高めております。

⑦ 配当性向

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけ、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としております。配当政策につきましては、事業拡大のための設備投資などを目的とした内部留保の確保と配当の安定的拡大を念頭におき、財政状態及び利益水準を勘案した上で連結当期純利益の30%以上(配当性向30%)を毎期配当していくことを原則としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

① 数値目標

 

第15期

(平成32年9月期)

売上高

11,653百万円

営業利益

2,255百万円

 売上高営業利益率

19.4%

経常利益

2,252百万円

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,525百万円

 

 

② 主力事業である設計開発アウトソーシング事業における戦略目標

イ 請負業務の効率化と拡大の継続

  請負業務比率第13期目標:57.9%、第14期目標:59.7%、第15期目標:60.7% ※第12期実績:57.0%

ロ 当社得意領域(第1~第3コア業務領域)の売上高について全売上高の70%以上を維持

 <第1領域>自動車用ランプ、内装、ボデー設計

 <第2領域>電装部品、機能部品、HV・EV関連設計、解析

 <第3領域>シャシー部品、空調部品設計

ハ 3Dプリント事業の業容拡大

 

③ その他の主な取り組み

イ 長く安心して働ける会社づくりの推進(待遇、福利厚生の見直し等)

ロ 新規事業の早期収益化(水素水製造販売事業、コミュニケーションロボット開発販売事業)。また、社外との積極的な連携により新しい価値創造を模索していく(オープンイノベーション)。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループとしては、開かれた、健全で透明な企業活動を行いつつ、企業価値の増大と永続的発展を目指していくことが経営上の最も重要な課題であると認識しております。

当社グループの中核事業である設計開発アウトソーシング事業では、事業基盤をより強固なものとし、事業を安定的に拡大発展させていくためには、より多くの技術者を確保していくことが必要となります。また、難易度が比較的低い設計業務では、他社との競争により、低単価・低採算となる可能性が高く、当社グループとしてはより難易度が高い設計業務や付加価値の高い請負業務の比率を高めていきたいと考えておりますが、そのためには高度な設計業務にも対応することができる高い技術力を持ったハイエンド3次元CAD(以下「3D-CAD」)技術者が必要不可欠となります。そのため、優秀な新卒社員の採用、社員の育成による技術力向上、即戦力となる技術者の中途採用等を継続的に行い、高い技術力を持った3D-CAD技術者を確保することを最優先に考え、その上で、より付加価値の高い請負業務を拡大するための提案営業の実践、業務及び管理体制の効率化、コンプライアンス体制の強化・確立等を、経済環境を見据えながらバランスよく強化推進してまいります。

一方、永続的な発展を目指していくためには、中長期的な観点で、当社グループの将来の中核事業となるべき新規事業を育成していくことも必要不可欠であります。当社グループとしては現在、そのような観点から、連結子会社の株式会社アビストH&Fにおける水素水製造販売事業の早期収益化、設計開発アウトソーシング事業とのシナジーを活かした3Dプリント事業及びコミュニケーションロボット事業の拡大に取り組んでまいります。

 

取り組みの具体的な内容は以下のとおりであります。

① 「社員の自主自律による価値創造の確保」など、当社経営理念の社員への浸透

② 専門性の高い技術者の採用強化(新卒、中途)

③ 顧客のニーズに対応した社員教育システムの充実(タブレット型端末を活用したeラーニングによる社員技術力向上など)

④ 請負業務拡大に向けた提案営業の実践

⑤ 技術者料金のアップ

⑥ 当社得意領域(ランプ・ボデー・内装など)の売上構成比拡大

⑦ 請負業務の拡大を受けた機密情報へのアクセス権の管理強化及び顧客情報のセキュリティ強化

⑧ タブレット型端末の活用による管理体制の効率化・情報の共有化、経営コックピットの導入など、更なる情報化の推進

⑨ 顧客に信頼されるコンプライアンス体制の強化・確立

⑩ 連結子会社(株式会社アビストH&F)における商品知名度のアップ、定期顧客層の増大及びOEM等での売上拡大

⑪ 3Dプリント事業の拡大

⑫ コミュニケーションロボット事業の拡大

⑬ 長く安心して働ける会社づくり

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性をもった主な事項を開示し、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載いたします。また、当社グループとして必ずしもリスク要因とは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

当社グループはこれらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避・分散及び発生した場合の対応に最大限努力する方針であります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。

なお、文中における将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において判断しております。

 

①  法的規制について

当社グループの主力事業である設計開発アウトソーシング事業のうち労働者派遣業務は労働者派遣法により規制されております。平成27年9月30日に厚生労働省より施行された労働者派遣法改正法では、施行日以降、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別は廃止され、すべての労働者派遣事業は新たな許可基準に基づく許可制となりました。従来の特定労働者派遣事業者は新たに許可証取得が必要となったため、当社は平成28年3月1日付にて厚生労働省より労働者派遣事業許可証[許可番号:派13-306330]を取得いたしました。
 設計開発アウトソーシング事業のうち請負業務については受託者である当社が委託者である顧客企業から請負契約に基づいて業務委託され、当社の管理と責任のもとで仕事を完成し、成果物を納品するものであり、民法第632条に規制されております。

また、子会社の株式会社アビストH&Fは、水素水の製造及び個人向けの通信販売等を行っており、食品衛生法、特定商取引に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法等により規制されております。
 当社グループでは関連法令の遵守を徹底しておりますが、仮に関連法令に違反するような事態が生じた場合には、事業の継続に支障が生じる可能性があります。

なお、関係諸法令は、情勢の変化等に伴い、継続的な見直しが行われています。その結果、関係諸法令の改正内容が当社グループの事業に重大な影響を及ぼす場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  競合について

労働者派遣業界、特に設計開発アウトソーシング業界内での競合状況が、市場の縮小や周辺業界からの新規参入等により激化した場合には、派遣技術者数の減少や単価の下落、設計請負金額の減少など、業績の悪化要因が生じることとなります。当社といたしましては、過度な価格競争等には巻き込まれないように、設計技術者集団を目指し、優秀な技術者の確保及び社員教育に力を入れていく考えでありますが、競合状況の悪化が急激かつ深刻なものである場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  社会保険料率の上昇について

当社では、請負業務はもとより、派遣業務におきましても特定労働者派遣事業として全ての社員が常用雇用者となり社会保険に加入いたします。そのため、当社グループが主力事業とする設計開発アウトソーシング事業では、売上原価の90%以上が労務費で構成され、年金制度や健康保険制度などの改正により社会保険料率が上昇しますと、原価比率の増加につながり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  人材の確保について

当社は機械・機械部品・電子等の設計開発、システム・ソフトウエア設計開発等の技術を提供する設計開発アウトソーシング事業を展開しているため、技術者は重要な経営資源であり、技術者の確保は事業拡大のための重要な要素であります。

技術者の確保につきましては、各事業所に採用担当者を設置し、技術系社員の新卒採用と中途採用を実施しております。全国の理工系大学、高等専門学校への学校訪問・学内セミナー・インターンシップへの積極的な取り組み等を実施し、求人ウェブ、ホームページ等ネット媒体の活用及びハローワークを中心に積極的に技術者の採用活動を行っております。

 

しかしながら、万が一当社がこれらの技術者の確保を充分にできなかった場合や、技術者の退職数が当社の予想を大きく超えた場合には、取引先企業からの技術者の要望に対応できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  請負業務における瑕疵担保責任及び製造物責任について

当社の設計開発アウトソーシング事業のうち請負業務は、顧客企業から業務を請負い、その業務の指示や設計技術者の労務管理等について当社が一切の責任を負い、業務の遂行・完成を約し、その成果物を納品するものであり、その業務の成果に対し対価を受け取る形態になっています。当社はこの請負業務の売上構成比率を高め、安定的な事業の柱とすることを目指しております。

今後、請負業務が拡大成長していきますと、成果物に対する瑕疵担保責任や製造物責任等の追及を受けるリスクが増加し、それによる賠償責任による費用が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  情報の取り扱いについて

当社グループは、顧客企業に関する情報を大量に取り扱っておりますが、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001、登録組織:本社・東京受託室、登録活動範囲:顧客要求に基づいた三次元CADによる設計業務)を認証取得したことで、万全の情報セキュリティ体制を確立するとともに、万が一の場合に備え、IT業務賠償責任保険にも加入しております。

しかしながら、特に請負業務における顧客企業の製品開発等の機密性の高い情報、ノウハウが何らかの原因により外部に漏洩した場合、当社の社会的信用を失墜させるだけでなく、損害賠償につながるリスクが現実化し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦  自動車関連分野への依存について

当社では、設計開発アウトソーシング事業に占める自動車関連の売上高構成比率が74.8%(平成29年9月期連結)と高くなっており、自動車関連企業の業績の影響を受けやすい状況にあります。そのため、EV普及やモジュール化による、自動車部品点数の減少の影響を受けにくい、自動車ランプや内装等をコア技術領域として技術者シフトを行い、環境変化への対応力の向上を図っています。また、顧客企業の動向を把握し、その変化に対応できるよう十分注意して営業活動を行っています。

しかしながら、当社の想定を超えて、依存度の高い顧客企業の業績不振や設計・開発部門への投資の減少、また当該部門の海外へのシフト等が起きた場合には、当社技術者の稼働率が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧  特定取引先への依存について

当社の主たる取引先業界は自動車・輸送機器分野であり、なかでもトヨタ自動車株式会社向け売上高は、当社の全売上高の25.7%(平成29年9月期連結)を占めております。

当社といたしましては、同社及び関連部品メーカーの設計業務において欠かすことのできない存在となるべく、これまで以上に設計技術者の技術力向上に注力していくとともに、当社の技術力を生かせる新たな分野、新たな取引先への売上拡大にも積極的に取り組んでいく方針です。しかしながら、トヨタ自動車株式会社及び関連部品メーカー向けの売上高が大きく減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨  稼働率について

当社の設計開発アウトソーシング事業では、全ての社員が常用雇用者となり、顧客企業に派遣していない期間や請負業務に配属していない期間でも技術者に対する労務費(原価)は発生いたします。そのため、技術者の稼働率が低下した場合は、売上高が減少する一方で、原価率が上昇し、利益率の低下を余儀なくされます。

当社では、技術者の研修を充実してスキルアップを図り、顧客企業の需要・ニーズ・信頼に応え、高い稼動率を確保できるよう努めております。また大規模地震などの災害時に備え、事業継続・早期復旧を図るための事業継続計画を定めておりますが、経済環境の変化や顧客企業の動向、他社との競合の激化、大災害等により稼働率が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑩ システム障害について

システム障害によるリスクを十分に認識した事業継続計画を定め、サーバの安定的運用環境の確保や通信回線の冗長化等の施策を施しておりますが、自然災害・コンピューターウイルスあるいはサイバーテロ等によりITインフラが停止・破損した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 新規事業への進出について

当社グループは、中長期的な企業発展を目指し、既存事業と関係の少ない新規事業にも積極的に取り組んでまいりますが、新規事業は、その遂行過程において事業環境の急激な変化や、事後的に顕在化する予測困難な問題等によりリスクが発生する可能性は否定できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 水素水製造販売事業について

当社グループでは、水素水製造販売事業に取り組んでおります。飲料業界は比較的に景気の波に左右されにくいものと考えておりますが、個人向け通信販売あるいは企業向けOEM販売が計画通りに進まない場合には、工場建設等に係る投資資金を回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、同事業は飲料水等に関する製造事業であるため、製造、保管、運搬、販売の各過程において、衛生面の管理には万全を期しておりますが、万が一、お客様の健康被害等が生じるような事故が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

(設計開発アウトソーシング事業)
 当社は設計開発アウトソーシング事業で培った高い技術力をベースに、前連結会計年度よりコミュニケーションロボットの研究開発を行っております。画像認識や音声認識にAI技術、筐体設計に3D-CAD設計技術、試作評価に3Dプリント技術をそれぞれ活用し、開発推進し、2017年6月に、受付電話ロボット「abitel(アビテル)」の商品化をいたしました。
 なお、当連結会計年度における研究開発費の金額は41百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。

この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な事項は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの売上高は81億69百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益は14億94百万円(同16.2%増)、経常利益は14億92百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億66百万円(同12.1%増)となりました。

セグメント別の経営成績の分析については、次のとおりであります。

①設計開発アウトソーシング事業

当セグメントにおきましては、売上高は79億40百万円(前年同期比13.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は14億97百万円(同15.3%増)、セグメント利益(営業利益)率18.9%となりました。技術者稼働率が高水準で推移したこと、付加価値の高い請負業務の拡大等が増収増益に寄与いたしました。

 

②水素水製造販売事業

当セグメントにおきましては、水素水全般に対するネガティブな報道の影響により売上が伸び悩み、売上高は2億59百万円(前年同期比35.5%減)、セグメント損失(営業損失)は24百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)34百万円)となりました。

③その他

不動産賃貸事業に関しましては、売上高は31百万円(前年同期比5.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は21百万円(同21.6%増)、セグメント利益(営業利益)率67.9%となりました。

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は65億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億87百万円の増加となりました。これは、主に現金及び預金の増加及び3Dプリント事業所(愛知県豊橋市)の新設に伴う有形固定資産の増加によるものです。

負債合計は17億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億54百万円の増加となりました。これは主に未払金及び未払法人税等の増加によるものです。

純資産合計は利益剰余金の増加により48億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億33百万円の増加となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と剰余金の配当による減少によるものです。

 

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、27億92百万円(前年同期22億15百万円)となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とその主な内訳は次のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は、12億75百万円(前年同期8億69百万円)となりました。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益が13億93百万円(前年同期12億93百万円)、法人税等の支払額4億49百万円(前年同期4億81百万円)となっております。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動に使用した資金は、4億39百万円(前年同期5億51百万円)となりました。この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出5億48百万円(前年同期4億21百万円)となっております。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により使用した資金は2億58百万円(前年同期は1億82百万円)となりました。この主な内訳は、配当金の支払額2億58百万円(前年同期1億82百万円)となっております。

 

(4) 経営戦略の現状と今後の方針について

当社は、「設計技術者が設計技術者のために働きあう設計技術者集団の確立」を創業の基本精神とし、設計開発アウトソーシング事業を主軸とした事業拡大を目指しております。設計開発アウトソーシング事業の両輪は派遣業務及び請負業務ですが、今後は、特に付加価値の高い請負業務の拡大に注力し、同業務の売上構成比率を高めていく方針であります。

また、設計開発アウトソーシング事業の事業拡大のためには、顧客のニーズに応えられる高い技術力を持った3D-CAD技術者の確保が必要不可欠となります。今後とも、優秀な新卒社員の採用、社員の育成による技術力向上、即戦力となる技術者の中途採用等、人材の確保に継続的に取り組んでいく方針であります。

一方、永続的な発展を目指していくためには、中長期的な観点で、当社グループの将来の中核事業となるべき新規事業を育成していくことも必要不可欠であります。当社グループとしては現在、そのような観点から、3Dプリント事業及びコミュニケーションロボット事業の拡大、及び連結子会社である株式会社アビストH&Fにおける水素水製造販売事業の早期収益化に取り組んでまいります。