独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2025年12月18日

株式会社アビスト

取締役会 御中

 

アーク有限責任監査法人

 東京オフィス

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

森   久 倫

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

松 島 康 治

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社アビストの2024年10月1日から2025年9月30日までの第20期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社アビストの2025年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

前事業年度において識別された内部統制の開示すべき重要な不備の是正状況の評価と重要な虚偽表示リスクへの対応

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

 株式会社アビスト(以下「会社」という。)は、2020年9月から2022年10月までに雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)を受給している。前事業年度において、受給申請が適切でなかった疑いがあるとして静岡労働局による調査を受けた結果、過誤の申請に当たるとされたことから、会社は静岡労働局以外の労働局への申請分についても特別調査委員会を立ち上げて追加調査を行い、2024年12月20日に同委員会から調査報告書を受領した。
 会社は、この調査報告書から、雇用調整助成金の不適切な申請が行われた経緯及び返還すべき金額について検討した結果、受給した雇用調整助成金の全額を返還することを判断し、過年度の各期に営業外収益として計上した助成金収入等の訂正を2025年1月に行っている。当該事案が生じたのは、新規の非定型取引である雇用調整助成金の申請に係るルール・責任体制や社内連携の不備があったこと、当該雇用調整助成金の申請における内部統制の構築が不十分で機能していなかったこと、上長の指示に対して機械的に従う企業風土、全社的なコンプライアンス意識の鈍麻等が原因であり、会社は、これを全社的な内部統制の不備に起因する開示すべき重要な不備であると判断し、前事業年度の内部統制報告書においてその旨を開示した。
 
 会社は、当事業年度において、上記の内部統制の不備の是正を行っているが、是正が進まない場合には、評価範囲の検討結果として識別される業務プロセスに係る内部統制にも、直接的又は間接的に広範な影響を及ぼす可能性があるため、財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高まる。
 したがって、内部統制の不備の是正状況、評価範囲の検討の適切性、及び当該不備に起因する財務諸表の重要な虚偽表示リスク(雇用調整助成金の返還に係る追加的な会計処理や開示の要否を含む)への対応に当たっては慎重な検討が必要となることから、当監査法人は当該項目について監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 

 

 

 

 

 前事業年度における会社の内部統制の開示すべき重要な不備の是正状況を理解して評価するとともに、当該不備に起因する重要な虚偽表示の有無を検証するため、主として以下の監査手続を実施した。

(内部統制の不備の是正状況の評価)

・前事業年度における全社的な内部統制の不備の是正状況を検討するために、経営者や関係者への質問のほか、関連資料の閲覧を以下のとおり実施した。

①社内ルール及び責任体制の明確化

・社内規程の見直しを行い、主管部署及び責任者の明確化を行っていることを、改定内容の一覧や見直し後の各規程の閲覧により検討した。

・規程に定められていない新しい事象に対応するためにタスクフォースを組成し、責任者を明確にして対応していることを、タスクフォースに関する規程及びタスクフォース案件の進捗管理表の閲覧により検討した。

②リスク管理委員会・コンプライアンス委員会の実効性の確保

・リスク管理委員会及びコンプライアンス委員会の開催頻度を見直して、毎月開催していることを、委員会議事録の閲覧により検討した。

・リスク管理推進室を新設の上、専任者がリスク管理委員会及びコンプライアンス委員会の事務担当となり、会社のリスク及びコンプライアンス問題に関する情報収集及び委員会への報告を行い、委員会としての機能が一層発揮できる体制で運用していることを、委員会議事録及びリスク管理推進室のモニタリング記録の閲覧により検討した。

・コンプライアンス委員会に顧問弁護士も出席し、法律面での助言を受ける体制にして運用していることを、委員会議事録の閲覧により検討した。

③監査室の内部監査機能の強化

・監査室の増員を行い、内部監査体制の充実を図っていることを、人事発令等の閲覧により検討した。

・内部監査実施時における監査項目の見直しを行い、監査項目を追加して内部監査を実施していることを、内部監査チェックシート及び内部監査報告書の閲覧により検討した。

④内部通報制度の充実化

・内部通報制度の見直しを行い、内部通報窓口として総務部及び社外通報窓口に加えリスク管理推進室を追加し、社内周知のうえ運用していることを、通報窓口に関する規程や社内周知、及び内部通報の受付記録の閲覧により検討した。

⑤コンプライアンス教育の実施

・全役員・従業員に対してコンプライアンス教育を行っていることを、受講後のアンケート及び勤怠レポートの閲覧により検討した。

・定期的にコンプライアンスニュースを発行し、コンプライアンス意識の向上を図っていることを、発行されたコンプライアンスニュースの閲覧により検討した。

(内部統制の評価範囲の適切性の評価)

 財務報告に影響のある非定型取引や新規取引の有無、及びその金額的・質的重要性や虚偽表示の発生可能性を考慮した上で、評価範囲の決定が適切になされているか検討した。

(財務諸表の重要な虚偽表示リスクへの対応)

 前事業年度における内部統制の不備は、当事業年度末現在で是正されているものの、是正後の運用期間が短いことから、当該不備要因に関連性のある以下の事項については、内部統制に依拠せずに、財務諸表の重要な虚偽表示の有無の検証を行った。

・雇用調整助成金の返還に係る追加的な会計処理や開示の要否に影響を及ぼす労働局との協議状況及び顛末について、経営者に質問するとともに、取締役会への報告状況について取締役会議事録により確認した。

・非定型取引である会社の特別損益項目等については、関連証憑との突合を行うとともに、取引の合理性を含め、虚偽表示の有無について慎重に検討した。

・財務報告に影響を及ぼす可能性のあるその他の非定型取引や新規取引の有無、及びその金額的・質的重要性を考慮した上で、財務諸表の重要な虚偽表示リスクの評価を慎重に行い、監査手続を策定・実施した。

 

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

 

<内部統制監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社アビストの2025年9月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。

 当監査法人は、株式会社アビストが2025年9月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

 

内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 

<報酬関連情報>

当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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