文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社では、Link with Funというスローガンのもと、「世界中にenishファンを作り出す」ことをミッションに、より多くのお客様に楽しんでいただけるよう魅力的なサービスの提供に取り組んでまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社が、経営上の目標の達成状況を判断するための経営指標は、売上高及び営業利益であります。売上高及び営業利益を継続的に成長させ、企業価値向上を図ってまいります。
(3)経営環境及び経営戦略
当社には、「第2 事業の状況 2事業等のリスク (3)重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、当社は、当該状況を解消すべく、「第2 事業の状況 2事業等のリスク (3)重要事象等について」に記載した対応策の実施により、収益の向上及びコストの削減を進め、事業基盤と財務基盤の強化を図り、当該事象又は状況の解消、改善に努めてまいります。
当社の主な事業領域である、モバイルゲーム事業を取り巻く環境につきましては、2019年のスマートフォンやタブレット向けのゲームアプリ市場が大半を占めるオンラインプラットフォーム市場において、前年比104.9%の1兆2,692億円に伸長するなど、日本国内ゲーム市場全体は10年連続で拡大を続けております。さらに、2020年においてはコロナ禍の外出自粛などの影響からゲームで遊ぶ時間が増加し、モバイルゲームに対するユーザーの需要が急増したことで、2019年と比較してインストール数は45%、成長率40%を上回るなど進捗し、今後においても巣ごもり需要の継続などにより拡大傾向が続くことが期待されます。(出典:「ファミ通ゲーム白書2020」、「State of Gaming App Marketing 2020」)
また、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、我が国経済への影響は極めて厳しい状況が続いております。当社におきましては、スマートフォン等を利用したオンライン型のビジネスを展開していることから、現時点では売上高への重要な影響はなく、当社に与える影響は軽微であると判断しております。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期に渡った場合、個人消費の冷え込みに繋がることが懸念され、当社の業績への影響が大きくなる可能性があることから、今後も注視してまいります。
当社は競争環境の激しいモバイルゲーム市場において、以下の戦略により事業拡大に取り組んでおります。
①モバイルゲーム運営ノウハウの蓄積
モバイルゲームは、ユーザーの嗜好の移り変わりに合わせて、リリース後もゲームに改良を加えたり、新規ゲーム内イベント等を導入することにより課金を獲得していくビジネスモデルです。当社の場合は、ゲームのリリース後にも徹底したユーザーの行動履歴の分析を行うことにより、ゲームの利用率、継続率、課金率などの指標が改善するよう継続的にゲームに改良を加えております。これらの分析力の蓄積が当社の強みだと考えており、新規タイトルの企画・開発等にこれらのノウハウを生かすことでモバイルゲーム市場に戦略的にサービスを提供していく所存であります。
②ブラウザタイトルの収益維持
当社は、「ぼくのレストランⅡ」「ガルショ☆」等の経営シミュレーションゲームなど女性ユーザーが多くライフタイムバリュー(注)が高いブラウザタイトルを運営しております。一般的にタイトルリリースから時間が経過すると、収益は縮小する傾向となりますが、当社としましては、新機能の追加、新規ゲーム内イベントの導入、テーマやアートのクオリティ担保等によりブラウザタイトルの運営力を引き続き強化するとともに、他社IPとのコラボレーション強化による施策等により、収益性を維持していく方針であります。
(注)顧客生涯価値のことをいいます。
③ネイティブアプリケーションゲームの展開
当社は、競争力を高めるために、既存のブラウザゲームにより得られる安定した収益及びブラウザゲームで培った技術力を活かし、ネイティブアプリケーションゲームを提供してまいりましたが、今後も、クオリティの高いネイティブアプリケーションゲームを継続的かつ安定的に提供し続けることが重要であると認識しております。
新規タイトルの開発時においては、自社開発と共同開発の分散とともに、運営に海外を活用することにより、日本チームが新規開発に特化できる体制を構築することで、開発費の増加が生じないよう開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減を図りながら、高品質なタイトルの開発を行っております。
④コストコントロール
当社は、徹底的なコスト削減や、事業の選択と集中により、事業基盤の安定化を図ってまいります。具体的には、既存タイトルについては、外注先や運営体制の見直しを継続的に行うことによるコスト削減を行うほか、その中においても収益が見込めない既存タイトルについては、それらの事業譲渡・配信終了も視野に対応する方針であります。
⑤プロダクトラインの増強とサービス品質の向上
当社におきましては、経営シミュレーションゲーム、パズルゲーム、ロールプレイングゲーム等の開発・運用で培ったノウハウをさまざまなカテゴリーのゲームで展開すべく、人材採用を行いプロダクトラインの増強を行っております。収益性を考慮した人員の最適化、または、社内研修の強化、福利厚生の充実を図っていくとともに、志望者を惹きつけるようなオリジナリティのあるヒットタイトルを継続的にリリースしていくことで優秀な人材の採用強化につなげたいと考えております。また、サービス提供前に徹底した検証作業を実施し、サービス品質の向上に努めるとともに、サービス提供後も前述の行動分析をベースにユーザー満足度の高いサービス提供を目指しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①収益基盤の安定化と拡大
モバイルゲーム市場は、国内においては成熟傾向が見られるものの、アジアを中心に世界規模では拡大していく見通しであります。今後、当社が継続的に成長するためには、収益基盤の安定化と拡大を図る必要があると考えております。当社は、既存タイトルの長期的かつ効率的な運営ときめ細かいコストコントロールを行うことで収益基盤を安定させるとともに、魅力的な新規タイトルを継続して提供していくことにより、収益基盤の更なる拡大を推し進めていくことが経営上重要な課題であると考えております。
②高品質なモバイルゲームの開発と提供
モバイルゲームは、スマートフォン・タブレット端末の高性能かつ多機能化とユーザーの趣味嗜好の多様化により、新規タイトルの開発では開発期間の長期化や、開発費が高騰する傾向があります。当社は、今後新たに開発するタイトルにおいては、これまでの開発経験とノウハウを活かすとともに、自社開発と共同開発の2つのアプローチを持つことで、開発に伴う各種リスクの低減に努めてまいります。また、新規タイトルの成功確度を高めるため、ゲーム品質の向上を図るとともに、大型IPライセンスを獲得するなど積極的にIPタイトルを提供することに取り組んでまいります。
③海外マーケット展開の強化
海外のモバイルゲーム市場は「App Store」や「Google Play」を通じて拡大しております。当社としましては、モバイルゲーム市場における規模・成長性が大きい海外市場への参入として、まずは中国、香港、台湾、マカオ等のアジア市場を中心に、当社が日本国内で提供するタイトルをローカライズし配信するほか、現地の有力企業との連携により、サービス展開を積極的に取り組んでいく方針であります。
④優秀な人材確保と育成
当社は、今後の事業拡大と継続的な企業価値向上を図るためには、高い専門性を持つ優秀な人材の確保と育成が必要と認識しております。当社としましては、テレワークや福利厚生の充実等の環境改善と、志望者を惹きつけるようなサービスを継続的に提供していくことで採用力向上につなげたいと考えております。また、社内研修の強化など教育を通じた従業員一人一人の能力の向上やチームの枠を超えた交流による、知見とノウハウの獲得により人材の育成に取り組んでおります。
⑤システムの安定的な稼働
当社は、サービスをインターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働を確保していくことが重要だと認識しております。ユーザー数の増加に対応する負荷分散等、システムやサーバー設備の充実を継続的に推進してまいります。また、トラブル発生時においては迅速かつ的確な対応が必要になることから、その対応が可能となる体制を引き続き維持強化してまいります。
⑥サイトの安全性及び健全性の確保
当社が提供するサービスは、不特定多数のユーザーが登録をしていることから、ユーザーが安全かつ安心して利用できる環境を維持していくことが当社の信頼性の向上につながると考えております。ユーザーが安心して当社のサービスを利用できるよう、当社は個人情報保護や知的財産保護のためのガイドラインを設け、サイトの安全性・健全性の確保に努めており、今後も継続していく方針であります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業内容に関するリスクについて
①モバイルゲーム市場について
当社の事業領域であるモバイルゲーム市場は、当面は世界的に市場拡大が続いていくものと見込んでおります。しかし、予期せぬ法的規制や通信事業者の動向により、市場全体の成長が大きく鈍化した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②プラットフォーム運営事業者等の動向
当社のモバイルゲーム事業は、大手プラットフォーム事業者を中心とした複数のSNSプラットフォームや「App Store」「Google Play」上において、それぞれ各社のサービス規約に従いサービスを提供しており、当該プラットフォーム事業者等に対して、回収代行手数料、システム利用料等の支払いを行っております。
また、当社の売上高に関しネイティブアプリケーションゲームの比率が高まっていることから、Apple Inc.及びGoogle Inc.の2社への収益依存が大きくなっております。これらプラットフォーム運営事業者等の事業戦略の転換や動向によっては、手数料率の変動等何らかの要因により、当社への事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③技術革新について
当社の事業領域であるモバイルゲーム市場は、インターネット環境やネットワーク技術等に密接に関連しており顧客ニーズの変化や新しいサービスの導入などにあわせて、通信技術やデバイス等の技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めており、当面の課題としてスマートフォン対応を進め、スマートフォンにおける収益の拡大を図っていく所存でありますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応出来ない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④モバイルゲーム事業のビジネスモデルについて
当社のモバイルゲームにおいては、アプリ内でのアイテム課金による収益が主たる収入となっており、ユーザーに継続してアイテム課金を利用してもらえるよう、ユーザーの嗜好にあった課金アイテムの提供を行っています。しかし、ユーザーの課金アイテムの利用が継続して促進されない状況になった場合、想定していた課金アイテムの販売による収益が得られない可能性があります。この結果、当社の事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。
⑤制作・開発コストの増加について
当社では、新規のタイトル及び既存タイトルを含め、大量のアイテム、キャラクター(イラスト)制作が発生します。限られた期間内に一定の質・量を維持するために、社内での制作に加え、制作を社外に委託しております。また、定常化した特定の制作委託先に依存することの無いよう、複数の制作委託先への分散化に努めています。しかし、モバイルゲーム業界においては、新規参入企業の増加に伴い、制作委託先の確保が困難になる場合や、委託費用が上昇することが想定されます。この結果、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑥競合の動向について
当社のモバイルゲーム事業については、現時点で競合他社が多数存在しております。また、ユーザーがモバイルゲームを利用する環境は、スマートフォン等の高機能情報端末に移行しておりますので、高機能な端末を利用することで、よりユーザーを惹きつける本格的なゲームの機能や表現が実現できるため、現在の競合に加え、パソコンや専用端末におけるゲームメーカーとの競合も予想されます。
当社としましては、これまで培ってきたモバイルゲーム運営のノウハウを生かして、ユーザーのニーズに合致した独自性の強いタイトルの投入を継続していく所存ではありますが、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ブラウザタイトルへの依存について
「ぼくのレストランⅡ」「ガルショ☆」など女性ユーザーが多くライフタイムバリューが高いブラウザタイトルを運営しており、現時点では、依然としてブラウザタイトルの売上高の割合が高くなっております。今後ユーザーの嗜好性の変化等により、ブラウザゲーム市場が縮小した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
⑧システム障害について
当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しており、自然災害や事故などにより通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバーが停止し、サービス提供に支障が出る場合があります。
更には、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用が出来るような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、当社への損害賠償等により直接的な損害が生じる可能性のほか、当社及び当社システムへの信頼の低下により、間接的に当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑨個人情報の管理
当社は、当社が運営するモバイルゲームの利用者の個人情報を取得する場合があります。当社では、セキュリティポリシーを定めるとともに、社内教育を通じて関連ルールを周知徹底し、「個人情報の保護に関する法律」の遵守に努めております。また技術的対応として、専用サーバーに保管しアクセス制限を設けるなど、システムの強化等に努め、個人情報の厳格な管理を行っております。しかしながら、このような対策にも関わらず個人情報の漏えい等の事態が発生した場合には、当社に対する信用の失墜、損害賠償の請求等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩サイトの健全性、安全性の維持
当社がネイティブアプリケーションのタイトル展開を行う「App Store」「Google Play」においては、不特定多数の個人会員が各会員間においてコミュニケーションが取れる掲示板を当社が設置し、監視・管理を行う必要があります。当社としましては、健全なコミュニティを育成するべく、ユーザーに対して利用規約で不適切な利用の禁止を明示しております。また、常時適切なモニタリングを行い、規約違反に対しては厳重に対処していく所存でおります。しかしながら、会員によるアプリケーション内の行為を完全に把握することは困難であることから、会員の不適切な利用に起因するトラブル等が生じた場合には、利用規約の内容にかかわらず当社が法的責任を問われる可能性があるほか、当社及び当社アプリケーションへの信頼の低下により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)事業運営・組織体制に関するリスク
①人材の採用と育成について
当社は、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、テレワークや福利厚生の充実等の環境改善、社員の育成及び人材の流出に対応した各種施策を推進しております。しかし、新規の採用や社内における人材の育成が計画通りに進まず、適正な人員配置が困難になった場合は、増強を要する部門に業務委託契約による委託先や派遣社員を投入することが必要な場合も想定されます。これにより、一時的な業務委託費等の発生、必要な能力を有した人材の適所への配置の困難、社内に知見等のノウハウが蓄積されないことなどが当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②内部管理体制について
当社は、内部関係者の不正行為が発生しないよう、法令や企業倫理に沿った各種規程や行動指針を制定するとともに、内部通報制度や内部監査室・監査役会の設置等、内部統制の充実を図っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為等、不測の事態が発生した場合、当社の業績及び事業展開に重要な影響を与える可能性があります。
③知的財産権の管理
当社は、自社で提供しているサービスに関して、第三者が保有する知的財産権を利用する場合には、当該第三者の使用許諾を得ており、今後も第三者が保有する知的財産権を利用する場合は、同様に使用許諾を得る方針であります。また、当社役職員・従業員による知的財産権の持ち出しがリスクとして考えられますが、社内の管理体制を強化し、社員教育の強化を図っております。現時点で、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟を提起または通知されている事実はなく、一切他者の知的財産権を侵害していないという認識ではありますが、万一、当社の認識外で、第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求や使用差止請求を受け、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。また、資金調達と資本の充実を目的として、ストック・オプション以外の新株予約権も発行しております。現在付与されている、または今後付与又は発行する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。2020年12月末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は495,800株であり、発行済株式総数13,729,760株の3.6%に相当しております。
⑤配当政策について
当社は、株主に対する利益還元について経営の最重要課題の一つとして位置づけており、剰余金の配当については総配分性向を重視しつつ、より高い水準に引き上げることを目指しております。
当社は、今後も事業展開に備えた内部留保の充実に努め、成長を継続させることで企業価値を高めてまいりますが、あわせて、当社株式を保有する株主の皆様に対する利益還元として、総配分性向20%を目途とした業績に応じた株主配当を継続的に実施させていただく方針です。しかしながら、配当政策が業績に連動しているため、業績が悪化した場合、これにともなって配当が減少し又は無配となる可能性があります。
⑥新型コロナウイルス感染症について
感染が拡大している新型コロナウイルス感染症について、当社では従業員の感染を防止するために、テレワーク(在宅勤務)の導入、徹底した衛生管理を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期に渡った場合、個人消費の冷え込みに繋がることが懸念され、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3)重要事象等について
当社は、前事業年度まで5期連続となる営業損失及び6期連続となるマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しており、当事業年度においても、営業損失596百万円、マイナスの営業キャッシュ・フロー734百万円となりました。
これにより、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社は、当該事象又は状況を解消し事業基盤及び財務基盤の安定化を実現するために、以下の対応策を講じております。
a.事業基盤の安定化
徹底的なコスト削減や、事業の選択と集中により、事業基盤の安定化を図ってまいります。具体的には、既存タイトルについては、各タイトルの収益状況に応じた人員配置を行うなど運営体制の見直しを継続的に行うことによりコスト削減を図るほか、その中においても収益が見込めない既存タイトルについては、それらの事業譲渡・配信終了も視野に対応する方針であります。また、他社IPタイトルとのコラボレーションを実施するなど、他社IPとの協力を得ることによりユーザーのログイン回数や滞留時間の増加を図ることで、売上収益の拡大を進めてまいります。今後の新規タイトルにつきましては、自社開発と共同開発の分散とともに、運営に海外を活用することにより、日本チームが新規開発に特化できる体制を構築することで、開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減を図りながら、人員体制及び協力企業の技術力を踏まえ、過去事例を参考に慎重に工数を見積もることで、開発スケジュールの遅延等による開発費の増加が生じないよう努めてまいります。また、IPの価値と経済条件を踏まえ収益性が高く見込まれるタイトルに対して優先的に開発・運営人員を配置することにより、当社の収益改善を図ってまいります。また、収益構造の最適化の観点でリストラクチャリングを実行し、当事業年度において特別損失を計上しておりますが、長期的な収益改善に繋がるものと考えております。
b.財務基盤の安定化
財務面につきましては、財務基盤の安定化のため、2020年4月20日付で第三者割当による行使価額修正条項付第13回新株予約権を発行し、2020年7月8日までにすべて行使された結果、1,142百万円の資金調達をしております。また、複数社の取引金融機関や協業先と良好な関係性を築いており、引き続き協力を頂くための協議を進めております。売上高やコスト等の会社状況を注視し、必要に応じてすみやかな各種対応策の実行をしてまいります。
しかしながら、既存タイトルの売上動向、新規タイトルの売上見込及び運営タイトルの各種コスト削減については将来の予測を含んでおり、引き続き業績の回復状況を慎重に見極める必要があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大により極めて厳しい状況が続いており、依然として先行き不透明な状態が続いております。当社に及ぼす影響につきましても、予測ができない状況にあります。
しかしながら、当社の事業領域であるモバイルゲーム事業を取り巻く環境につきましては、2019年のスマートフォンやタブレット向けのゲームアプリ市場が大半を占めるオンラインプラットフォーム市場において、前年比104.9%の1兆2,962億円に伸長するなど、日本国内ゲーム市場全体は10年連続で拡大を続けております。さらに、2020年においてはコロナ禍の外出自粛などの影響からゲームで遊ぶ時間が増加し、モバイルゲームに対するユーザーの需要が急増したことで、2019年と比較してインストール数は45%、成長率40%を上回るなど進捗し、今後においても巣ごもり需要の継続などにより拡大傾向が続くことが期待されます。(出典:「ファミ通ゲーム白書2020」、「State of Gaming App Marketing 2020」)
このような事業環境の中、当社では、2020年10月27日に、コミック累計1,450万部突破のアニメ『五等分の花嫁』初のゲームアプリ「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」をリリースいたしました。本ゲームは、原作ストーリーはもちろん、週刊少年マガジン編集部完全監修の新作ストーリーをフルボイスで体験できます。すでに555万ダウンロードを突破しており、イベント施策を継続的に実施したことで売上収益に貢献いたしました。今後もTVアニメ放送連動企画や魅力的な施策を講じていくことで収益基盤の安定化に努めてまいります。
10周年を迎えました「ぼくのレストラン2」及び「ガルショ☆」は、他社IPとのコラボレーション施策等により、引き続き安定水準を維持しております。「De:Lithe(ディライズ)~忘却の真王と盟約の天使~」は、1周年に向けてゲーム内の活性化を図りました。3周年を迎えました欅坂46・日向坂46公式ゲームアプリ「欅のキセキ/日向のアユミ」、HiGH&LOWシリーズ初となる「HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD」は、売上高を維持するなか効率的な運営体制の見直しを推し進めました。
新規タイトルの開発につきましては、IPタイトルの開発を進めておりますが、自社開発と共同開発の分散とともに、運営に海外を活用することにより、日本チームが新規開発に特化できる体制を構築することで、開発費の増加が生じないよう開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減を図りながら、高品質なタイトルの開発を行っております。
なお、当社は、収益構造の最適化の観点でリストラクチャリングを実行しておりますが、当事業年度において本店移転に伴う特別損失、及び人員の適正化に伴う特別退職金を特別損失としてそれぞれ計上しております。また、保有する投資有価証券について、実質価額が著しく低下したため、投資有価証券評価損を特別損失として計上しております。
本店移転につきましては、コロナ禍による在宅勤務実施以降、恒久的在宅勤務に向け試行してまいりましたが、テレワーク(在宅勤務)においても生産性向上が図られ、場所を問わずチーム体制が有効に機能したことが確認され、運用に支障がないことが証明されました。また、通勤時間が不要になり、ワーク・ライフ・バランスが図られるなど従業員のニーズも相応にあることから、テレワーク(在宅勤務)制度導入を決定いたしました。これまで、六本木ヒルズ森タワーを本店とし、サテライトオフィスとしてラピロス六本木を利用し事業を進めてまいりましたが、テレワーク(在宅勤務)制度導入・活用で、ラピロス六本木に集約できると判断し、2020年6月25日の取締役会において、六本木ヒルズ森タワーを閉じ、ラピロス六本木を本店とすることを決定いたしました。その後さらに、より小さなオフィスで対応することが可能と判断し、2021年1月29日開催の取締役会において、ラピロス六本木から六本木電気ビルへ本店を移転することを決定しております。
当該事象により当事業年度において、六本木ヒルズ森タワーに対する残存賃料及びその他移転に伴う諸費用として本店移転損失、原状回復費用に関する減損損失、さらにラピロス六本木に対する残存賃料及びその他移転に伴う諸経費として本店移転損失を計上しております。
これらの結果、当事業年度の業績は、売上高は4,073百万円(前事業年度比2.9%の増加)、営業損失は596百万円(前事業年度は1,456百万円の営業損失)、経常損失は641百万円(前事業年度は1,462百万円の経常損失)、当期純損失は1,044百万円(前事業年度は1,469百万円の当期純損失)となっております。
なお、当社はエンターテインメント事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産につきましては、前事業年度末に比べて319百万円増加し、2,047百万円となりました。
これは主に、現金及び預金の増加(前事業年度末比223百万円の増加)、売掛金の増加(前事業年度末比112百万円の増加)、関係会社株式の増加(前事業年度末比29百万円の増加)があった一方で、前払費用の減少(前事業年度末比55百万円の減少)によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債につきましては、前事業年度末に比べて197百万円増加し、1,206百万円となりました。
これは主に、移転損失引当金の増加(前事業年度末比229百万円の増加)、短期借入金の増加(前事業年度末比435百万円の増加)、その他流動負債の増加(前事業年度末比70百万円の増加)があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少(前事業年度末比550百万円の減少)によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末に比べて122百万円増加し、840百万円となりました。
これは主に、当期純損失を1,044百万円計上したものの、第三者割当による行使価額修正条項付第13回新株予約権の権利行使及び第9回新株予約権の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ585百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ、430百万円増加し、1,113百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は、734百万円(前事業年度は1,521百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失1,040百万円、売上債権の増加額112百万円があった一方で、移転損失引当金の増加額229百万円、未払又は未収消費税等の増減額131百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は、58百万円(前事業年度は37百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出19百万円、関係会社株式の取得による支出29百万円、敷金及び保証金の差入による支出8百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により獲得した資金は、1,223百万円(前事業年度は1,213百万円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,164百万円、短期借入れによる収入400百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出550百万円によるものであります。
④生産・受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社は、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
|
事業の名称 |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
エンターテインメント事業(千円) |
4,073,001 |
102.9 |
|
合計(千円) |
4,073,001 |
102.9 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
Apple Inc. |
1,066,992 |
26.9 |
1,309,868 |
32.2 |
|
グリー株式会社 |
862,194 |
21.8 |
815,976 |
20.0 |
|
Google Inc. |
741,906 |
18.7 |
678,144 |
16.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りについては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内で合理的に判断を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症については、収束時期が予測できないため、影響の及ぶ期間を正確に把握することが困難であります。このような状況を踏まえ当社は、会計上の見積りにあたって当該感染の影響が及ぶ期間が長期にわたる可能性があると考えております。これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③経営成績の分析
当事業年度の業績は、売上高4,073百万円(前事業年度比2.9%の増加)となりました。売上原価は3,737百万円
(前事業年度比19.7%の減少)、販売費及び一般管理費は931百万円(前事業年度比22.8%の増加)となり、この結果、営業損失は596百万円(前事業年度は1,456百万円の営業損失)、経常損失は641百万円(前事業年度は1,462百万円の経常損失)、当期純損失は1,044百万円(前事業年度は1,469百万円の当期純損失)となりました。
a.売上高
「ぼくのレストラン2」「ガルショ☆」は10周年を迎え、他社IPとのコラボレーション施策等により、引き続き堅調に推移し、2020年10月に配信開始をした新規タイトル「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」は、イベント施策を継続的に実施したことで好調に推移し、売上高が増加いたしました。この結果、売上高は4,073百万円となりました。
b.売上原価、売上総利益
売上高増加に伴い支払手数料等の変動費の増加はあったものの、売上原価は3,737百万円となりました。これは主に労務費788百万円、既存・新規タイトル制作に伴う外注費767百万円及びプラットフォーム事業者等への支払手数料1,719百万円となり、この結果、売上総利益は335百万円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費は931百万円となりました。これは主に、労務費251百万円、広告宣伝費383百万円、カスタマーサポート等の外注費108百万円となり、この結果、営業損失は596百万円となりました。
d.営業外収益、営業外費用及び経常損益
営業外収益は2百万円、営業外費用は48百万円となりました。営業外収益は主にその他の営業外収益2百万円、営業外費用は主に支払利息43百万円となり、この結果、経常損失は641百万円となりました。
e.特別利益、特別損失及び当期純損益
特別利益は6百万円、特別損失は405百万円となりました。特別利益は新株予約権戻入益であります。特別損失はリストラクチャリングの実行の一環として、本店移転に伴う原状回復費用及び当社の有形固定資産についての減損損失25百万円、残存賃料及びその他移転に伴う諸経費として本社移転損失325百万円、人員の適正化に伴う特別退職金34百万円、保有する投資有価証券の実質価額が著しく低下したことによる投資有価証券評価損19百万円となり、この結果、税引前当期純損失は1,040百万円となり、法人税、住民税及び事業税の計上により、当期純損失は1,044百万円となりました。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤経営戦略の現状と見通し
当社では、創業以来モバイルゲームの企画、開発及び運営を行うことに重点をおき、質の高いサービスをユーザーに提供することで収益基盤を拡大してまいりました。
今後の見通しにつきましては、既存タイトルの売上高の維持と効率的な運営体制の見直しを行い収益力の強化を図ってまいります。また、売上収益の拡大を目的に、新規で年間1~2タイトルをリリースしていく方針です。今後の新規タイトルにつきましては、自社開発と共同開発の分散とともに、運営に海外を活用することにより、日本チームが新規開発に特化できる体制を構築することで、開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減を図りながら、開発費の増加が生じないよう努めつつ、高品質なIPタイトルの開発を行ってまいります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主な内容は、モバイルゲームの開発・運営に係る人件費及び外注費並びに広告宣伝費等の運転資金であります。当社では、運転資金につきましては、自己資金及び借入金等により資金調達をしておりますが、必要に応じて資本性の資金調達を実施しております。
当事業年度においては、営業活動により734百万円、投資活動により58百万円を使用し、財務活動により1,223百万円の資金を調達しております。
各項目の主な要因については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑧経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、売上高及び営業利益を継続的に成長させ、企業価値向上を目指してまいりたいと考えております。このため、売上高及び営業利益を重要な指標として位置付けております。
当事業年度の業績は、ブラウザタイトルは引き続き堅調に推移したこと、新規タイトル「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」が好調に推移したこと、収益構造の最適化の観点でリストラクチャリングを実行したことにより増収増益となりました。
当事業年度における売上高は4,073百万円(前事業年度比2.9%の増加)、営業損失は596百万円(前事業年度は1,456百万円の営業損失)となっております。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。
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相手方の名称 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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グリー株式会社 |
GREE Platform参加契約書 |
GREE Platformへの参加に関する契約 |
2010年6月22日から 2011年6月21日まで (注1) |
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グリー株式会社 |
業務提携契約書 |
アプリ提供に関して収益拡大を目的としたグリー株式会社との業務提携契約 |
2013年4月23日から 2014年4月22日まで (注2) |
(注)1.期間満了の1ヶ月前までに当社または相手方のいずれからも延長拒絶の申し出がない限り、1年毎に自動
更新。
2.期間満了の3ヶ月前までに当社または相手方のいずれからも延長拒絶の申し出がない限り、1年毎に自動
更新。
該当事項はありません。