(1)業績
当事業年度における我が国経済は、全般的には緩やかな景気回復傾向がみられる一方で、増税等による可処分所得の伸び悩みや負担増を心配する個人消費性向は払拭されず、また米国新政権への移行、英国EU離脱問題、アジア新興国の景気減速などによる海外経済の不確実性も懸念されており、先行きについては不透明な状況が続いております。
当社が置かれていますEコマース市場は、スマートフォン等の新しいデバイスの普及が成長の拡大を後押ししていることもあり、経済産業省の公表による2015年の国内BtoCのEC市場規模は前年から7.6%増加し13.8兆円となりました。そしてECの浸透を示す指標であるEC化率も年々上昇し、前年から0.38ポイント増の4.75%と堅調に成長していることから、一層の拡大余地のある市場でもあります。また、中古品市場につきましては、環境省による推計では自動車・バイクを除く国内市場規模は1兆円を超えており、その中のEC取引は、多様な業態の参入によって活性化されております。そしてインターネットオークションを利用したCtoC取引と安心を求めるユーザー層が利用するCtoBtoC取引は増加傾向が続き、ECを利用した中古品取引は高まりをみせております。
このような経営環境のもと、当社は「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心・安全にお取引できるマーケットを創出すること」を方針として、インターネットにおける中古品取引を可能とする仕組みをいち早く構築し事業展開を推進してまいりました。
当事業年度におきましては、キーワードとして既存ECサイトのさらなる情報充実を図る「深化」、さらなる発展に向けて新しい取り組みを行う「進化」の2つを掲げ、施策を進めてまいりました。ECサイトの継続強化のための多くの施策の一例としては、①Webマーケティングの取り組みとして、フェーズ1では当社での過去の取引データ等の情報を活用し、グループ分けした既存顧客ごとに施策のアプローチを実施しました。フェーズ2ではEC会員マイページで手持ちのアイテムを登録する「マイアイテム」、購入したい商品や気になる商品を登録する「欲しいリスト」を追加し、その登録内容に関する商品情報や販売価格、買取価格の変更などの最新情報をタイムリーにお知らせする機能を導入しました。さらにマイページ上で設定した条件に合致する商品の入荷情報をメールでお知らせする「入荷お知らせメール」機能を加え、EC会員に向けたOne To Oneアプローチへの取り組みに注力してまいりました。②商品掲載画像を最大30枚へ増量し、商品知識豊富なスタッフによるコメントにより商品ページを充実させるなど、情報量の増加に取り組みました。③商品を選ぶ際に参考にする大事な要素であるレビューページ「コミュレビ」では検索機能、評価機能、画像掲載機能を新たに搭載することで、投稿数の増量と掲載レビューの質が高まるように努めました。④カメラ事業では顧客に「価値ある商品」を末永く使用して頂くために、購入時に付与される保証期間が切れるタイミングで加入できる、機材の点検・清掃と1年間の保証延長がセットになった「いつまでも安心保証」をカメラ業界初のサービスとして開始しました。
これら新たな施策に加え、「先取交換」、「ワンプライス買取」等の従来のECを主軸としたサービスも推し進めたことで、EC会員数は堅調に増加し30万人を突破しました。このEC会員の増加を背景にEC売上高を大きく伸長させることで、インバウンド需要の落ち込みを吸収し、売上高は24,996,074千円(前年同期比10.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、買取販売強化のための営業施策費用、EC売上高増加に伴うクレジット利用手数料と他社ポータルサイト取引増加に伴うサイト利用手数料等の増加がありました。一方で前事業年度は、新基幹システムが稼働された直後の一時的運用費、関連備品購入費が発生、また株式市場変更にともなう諸経費等が一時的に発生していたことでの反動減もあり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.3%低下し12.4%となり、結果、3,105,409千円(同7.2%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は1,096,980千円(同31.8%増)、経常利益は1,078,276千円(同31.3%増)となり、当期純利益では741,092千円(同32.2%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[カメラ事業]
Webマーケティングの取り組みとして、先ずはセグメントされたグループごとの顧客へ個別の販売施策を実行し、次に「欲しいリスト」の登録情報に基づく販売施策によりOne To Oneアプローチを推し進めました。ECサイトの情報充実を図るために、様々な側面からのカメラ本体や付属品に至るまでの中古品画像の掲載、専門スタッフによるコメントの充実、レビューページ「コミュレビ」の機能向上と投稿促進、「MAP TIMES」等の各種情報サイトの内容拡充を図ることで、カメラや写真に関する多様な情報の提供に努めました。買取販売におきましては、これまで同様に、ECでの施策に注力し、「先取交換」、「買取リピーター」等のサービスを推し進めました。また、カメラ機材の買い替えを促進する一方で、購入した商品を末永く継続使用するユーザーに向けては、購入時に付与される保証期間が切れるタイミングで、一定の料金で1年間の保証延長と点検・清掃がセットで受けられる「いつまでも安心保証」を今後の持続的な収益確保のための新たなサービスとして開始しました。これらの施策が奏功したことで、店舗での訪日外国人向け販売の減少はありましたが、売上高は18,131,457千円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益は1,442,482千円(同23.4%増)となりました。
[時計事業]
ECサイトでは、デザイン、素材、機能など20項目以上の複合条件設定可能な検索機能「こだわり検索」を導入し、今まで以上にスムーズに絞り込みができ、且つ楽しく買い物ができるようになりました。また、取扱いブランドと価格帯の幅を拡げて品揃えを拡充する一方で、商品掲載の際には様々な側面からの画像や装着イメージの画像を増量し、超高解像度写真を採用するなどで高額品でもより安心して購入できるよう改善に努めました。ブランドごとの買取専用ページや入荷情報ページ、レディース商品専用ページの開設等による利便性の向上、ブログを利用した時計に関する書き込みの公開頻度を高めることなどで情報発信にも努めました。訪日外国人向け販売の減少はありましたが、EC売上高の大幅な増加とあわせて店舗一般顧客の売上高増加もあり、売上高は6,013,727千円(前年同期比13.4%増)、セグメント利益は307,624千円(同33.0%増)となりました。
[筆記具事業]
独創的なオリジナル商品をシリーズ化した中で、日本の生物の色の一部を再現した万年筆インクや、京野菜をモチーフとして国内メーカーの人気万年筆をベースに別注された万年筆などの新作を生み出しました。あわせて国内外の人気ブランド万年筆の取扱いと書斎を飾る各種小物類の取扱い拡充を推し進めることなどで、専門店としての特色を打ち出すことを行ってまいりました。EC販売チャネルとしては4つ目となる「KINGDOM NOTE Yahoo!ショッピング店」も出店し、売上高は511,212千円(前年同期比8.6%増)となりましたが、中古品を中心としたセールの実施などにより売上総利益率が低下、また、販売力アップのための諸経費の増加などもあったことでセグメント利益は46,860千円(同14.4%減)となりました。
[自転車事業]
正規取扱いメーカーを着実に増やすことや電動アシストバイクの取扱いの開始など、商品開拓に注力し、品揃えの拡充を図りました。ECサイトでは商品掲載点数の大幅増量、各種コンテンツ内容の充実、スマートフォン向け画面の改修などによるEC客数の増加で売上高は伸長しました。店舗では各種イベントを実施することで活性化を図りましたが十分な集客はできず客数が減少、ロードバイク本体、ホイール等の高単価商品の販売に繋がらなかったために客単価も下落し、売上高は減少しました。他社ポータルサイトでの取引の増加により、サイト利用手数料の増加もあったことで、売上高は339,677千円(前年同期比5.8%減)、セグメント損失は14,103千円(前年同期は7,480千円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、644,420千円となり、前事業年度末と比較して137,991千円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、388,047千円(前年同期比330.6%増)となりました。これは、主として税引前当期純利益1,077,805千円、売上債権の増加額285,517千円、たな卸資産の増加額451,601千円、法人税等の支払額230,504千円、その他の営業キャッシュ・フロー214,099千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、122,016千円(前年同期比63.4%減)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出90,858千円、差入敷金保証金の差入による支出19,630千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、128,040千円(前年同期は257,562千円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増加額300,000千円、長期借入れによる収入500,000千円、長期借入金の返済による支出832,601千円、配当金の支払額95,763千円によるものであります。
(1)生産実績
該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。
仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
カメラ事業 |
15,000,801 |
106.7 |
|
時計事業 |
5,658,533 |
116.3 |
|
筆記具事業 |
342,342 |
110.5 |
|
自転車事業 |
270,708 |
93.2 |
|
合計 |
21,272,386 |
108.9 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
カメラ事業 |
EC |
12,802,608 |
120.7 |
|
|
店舗 |
5,328,848 |
89.4 |
|
|
セグメント計 |
18,131,457 |
109.4 |
|
時計事業 |
EC |
2,288,129 |
122.4 |
|
|
店舗 |
3,725,597 |
108.6 |
|
|
セグメント計 |
6,013,727 |
113.4 |
|
筆記具事業 |
EC |
348,197 |
111.5 |
|
|
店舗 |
163,014 |
102.8 |
|
|
セグメント計 |
511,212 |
108.6 |
|
自転車事業 |
EC |
255,697 |
106.1 |
|
|
店舗 |
83,980 |
70.1 |
|
|
セグメント計 |
339,677 |
94.2 |
|
合計 |
EC |
15,694,633 |
120.4 |
|
|
店舗 |
9,301,441 |
96.2 |
|
|
セグメント計 |
24,996,074 |
110.1 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社はインターネットを活用した「価値ある新品と中古品」取引の拡大、顧客の利便性向上を企図しております。Eコマース(インターネット取引)における中古売買では「安心、安全な取引」こそが顧客の求める最も重要なことであるとの考えの下、商材確保に向けた最大限の資源を投入し、最良のコンディションで価値ある中古品を充実した質と量の「財庫」で品揃えしております。そして、その豊富な品揃えを中心とした情報はタイムリーに当社ECサイトで発信され、本物の価値を知る顧客の期待にお応えできるよう努めております。また、豊富な知識と確かな技術を持ったエキスパート「人財」が、絶対の自信をもって仕入れ、細心の注意を払って取扱いを行うことで、当社に対する信頼を持ってお取引して頂けるよう日々努めております。
(2)経営戦略等
当社は継続的な収益力の維持向上を目指し、中長期的には経常利益率8%を目標とし事業展開を行ってまいります。そのために以下の戦略を実行する予定でおります。
① ECサイトの継続的機能強化と利便性の追求
買取及び販売時における新機能の発案と実装、専門性の高い豊富な情報を掲載したサイトの運営、商品画像の掲載数増加等によりECサイトの充実を図ります。また営業事務関連の管理機能の改善による運用コストの削減を図ることで、当社事業基盤をさらに確実なものとするために継続的な改善を図ってまいります。
② Eコマース(インターネット取引)拡大に対応したオペレーション構築
今後の取引拡大、物流業務増加に対応するために、業務オペレーションの見直し等を行うことで、常時速やかな取引を維持し、顧客の満足度を高めます。また、バックオフィスでの業務効率改善を図ることで、人員体制の拡大を極力抑制して利益率増加を実現してまいります。
③ 新規取引への取り組みを検討
当社の財産であるカメラ、時計、筆記具、自転車といった商材はインターナショナルな価値を持つ品物であり、「価値ある新品と中古品」のインターネットでの売買は今後大きく成長する可能性のあるマーケットであると考えております。従いまして、現状の事業を強化するとともに、新たな商材への展開と将来的には国内市場だけではなく海外との取引を見据えた上での事業展開を検討してまいります。
(3)目標とする経営指標
当社の基本方針であるインターネット取引に軸足を置いた事業展開を行っていく上で、そのECサイトの魅力、営業ツールとしての効力等を測る指標として当社ECサイト会員数、そして人員効率を測るうえで事業別の一人当り売上高、業務効率化を測るための売上高販管費比率、収益性の改善動向を測るために経常利益の売上高比率を注視しております。また、株主重視の観点から、ROE(株主資本利益率)に注視しております。
(4)経営環境
当社が置かれております経営環境につきましては、第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績に記載しております。
(5)会社の対処すべき課題
当社が継続的に安定した成長を続けていくためには、当社の強みである各事業における専門性やECに主軸を置いたビジネスモデルを活かし、顧客からの信頼やブランドの認知力を向上させ、安心・安全に取引できる環境を提供することにより、収益基盤を高めていく必要があると認識しております。そのための施策として、以下の事項に取り組んでまいります。
① 各事業における専門性の向上
当社の営むカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業ではいずれも専門的な知識が求められる「価値ある商品」を取り扱っております。特に、中古品については、価値ある「財庫」品を確保すること、及び「財庫」の価値を見極める商品知識豊富なエキスパートである「人財」が不可欠と認識しております。商品知識豊富なエキスパートについては、それぞれの事業の取扱商品に対して“こだわり”を持って接し、専門性を追求することで育成しております。また、エキスパートが専門知識をより多くの顧客に提供できるように、ECサイト上で様々な情報発信ができる仕組み作りや、組織体制の整備を進めてまいります。
② ECサイトの信用力(安心・安全)・利便性の向上
今後、ECサイトでの販売を継続的に拡充するためには、ECサイトでも、対面取引と同様に顧客が安心して利用できるサービスの提供を目指し、一層の信用力(安心・安全)や利便性の向上を図る必要があると認識しております。この点につきましては、EC買取における新サービス(「ワンプライス買取」、「先取交換」、「買取リピーター」)の導入、スマートフォン対応の販売チャネルの追加、新技術導入による商品検索機能の大幅な改善、EC取引上のセキュリティ強化等によるECサイトの継続的なリニューアルを実施してまいりました。また、ECサイト継続強化の施策として、EC会員へ向けたOne To Oneアプローチの取り組み、商品掲載画像の増量とコメントの充実、商品レビューページ「コミュレビ」の機能向上などに取り組みました。さらに、カメラ事業においては中古品の保証期間を6ヶ月から多くの新品の保証期間と同じ1年に延長していることに加え、購入時に付与される保証期間の切れるタイミングで加入できる、機材の点検・清掃と1年間の保証延長がセットになった「いつまでも安心保証」を新たなサービスとして開始しました。今後もさらなる信用力(安心・安全)と利用者向けサービスの強化を続けることで、売上の向上に努めてまいります。
③ 当社及びブランドの認知度の向上、新規Web会員数、アクセス・ページビュー数の増加
当社は事業ごとに以下の屋号を用いて事業展開をしており、当社及び専門店としての各ブランドの認知度を一層高め、新たな利用者(新規Web会員数)を増やしていくことが課題と認識しております。
|
事業名 |
屋号 |
|
カメラ事業 |
Map Camera |
|
時計事業 |
GMT |
|
筆記事業 |
KINGDOM NOTE |
|
自転車事業 |
CROWN GEARS |
当社はこれら各ブランドの関連情報サイトから、専門店としての魅力ある商品関連情報を毎日発信しているほか、facebook等のソーシャルネットワークを活用して愛好家のためのコミュニティの運営や情報発信、Web上のDSP広告やアフィリエイトサービスの活用等を通じて、当社及びブランド認知度の向上、集客のためのプロモーション強化を積極的に行い、来客数及びページビューを増やし、当社ECサイトの新たな利用者を増やしていくことが必要と考えております。
当社の経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)中古品の仕入について
① 中古品の確保について
当社は中古品を中心とした販売を行っているため、一般の顧客から現金で商品を買い取っております。中古仕入に関しては買掛金が発生せずに現金仕入となるため、この代金を借入でまかなう場合に金利の動向の影響を受けます。また、中古品は新品と異なり仕入量の調節が難しいという性格を有しております。このため、当社では買取センターの設置、宅配買取の実施により仕入チャネルを多様化することで、安定的な仕入を可能とする中古品仕入体制を構築してまいりました。しかしながら、今後における景気動向の変化、競合の買取業者の増加、顧客マインドの変化によって、質量ともに安定的な中古品の確保が困難となる可能性があります。
② コピー商品の買取リスクについて
中古品の流通量の増加に伴い「コピー商品」に関するトラブルは社会的に重要な問題となってきており、これらトラブルを事前に回避し、顧客の利益保護をいかに実現していくかが中古品小売業界全般の共通課題となっております。当社においては、専門的な知識と経験を持った人材を育成することにより、不良品及びコピー商品の買取防止に努めております。また、お客様に安心感を持って商品をお買い求めいただくために、誤って仕入れたコピー商品についてはすべて廃棄処理を行い、コピー商品の店頭への陳列防止に努めております。しかしながら、今後コピー商品を大量に仕入れ店頭への陳列を行った場合には、顧客の利益を損ない、当社の信用を損なう可能性があります。
③ 盗品の買取リスクについて
古物営業法に関する規制により、買い受けた商品が盗品であると発覚した場合、1年以内であればこれを無償で被害者に返還することとされております。当社においては、古物営業法遵守の観点から古物台帳(古物の買い受け記録を記載した台帳)をPOSデータ(当社売上・買取管理システムにて集積されたデータ)と連動させることにより、盗品買取が発覚した場合は、被害者への無償返還に適切に対応できる体制を整えております。今後も、古物を取り扱う企業として、古物台帳管理の徹底及び盗品買取発覚時の被害者への無償返還に適切に対応してまいります。このため、大量の盗品買取を行った場合には、多額の仕入ロスが発生する可能性があります。
(2)新品の仕入について
台風、水害、地震等の自然災害が発生し、メーカーからの新品商品の供給が不足した場合には、売上が減少することにより当社業績は影響を受ける可能性があります。
(3)商品の価値下落について
当社が取り扱う商品はカメラ・時計・筆記具・自転車を中心とした「価値ある中古品」ですが、商品によっては流行の変化に伴う経済的陳腐化により、また、為替相場の変動等により短期間の内に価値下落がもたらされるものや、牽引役となる人気商品・ヒット商品の有無により、その販売動向を大きく左右されるものが存在しております。
(4)当社の営業エリアについて
当社はインターネットを中心に販売・買取を行っておりますが、基本的に1事業につき1店舗の営業店舗を展開しております。また、当社の営業店舗は新宿、渋谷に集中し、EC販売の統括部署も新宿の本社営業部事務所にあるため、大きな災害時にすべてが被害を被り業務が再開できない可能性があります。
(5)業界の状況について
中古品業界においては、最近では幅広い分野において中古品の流通量が増大しており、カメラ・時計・自転車等、当社が取り扱っている商品においても、新規参入が目立ってきております。今後、競合店の増加やインターネットを介した売買の普及等による中古品の買取競争が激しくなった場合には、人気商品の確保が難しくなること、買取価格の相場が変動すること等から、当社業績は影響を受ける可能性があります。なお、当社は新品の販売も行っておりますが、新品の安売りを専門とするディスカウントストアの増加により販売競争が激化していった場合、販売価格の低下等により当社業績は影響を受ける可能性があります。
(6)個人情報の管理について
古物営業法に関する規制により、商品を買い受ける際、個人情報の取得を行いますが、当社ではこれら個人情報を帳簿等に記載又は電磁的方法により記録しております。また、当社では店頭販売の業務等において、顧客の住所、氏名、年齢、クレジットカード情報等を取り扱っており、これら個人情報も帳簿等に記載又は電磁的方法により記録し、管理しております。このため、当社は社内規程等ルールの整備、社内管理体制の強化、社員教育の徹底、情報システムのセキュリティ強化等により、個人情報保護マネジメント機能の向上を図り、「個人情報の保護に関する法律」の遵守、個人情報の漏洩防止に努めております。なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク」の付与認定を受け、平成19年9月より、同マークの使用を開始しております。しかしながら、これら個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、事後対応による多額の経費発生等により、当社業績は影響を受ける可能性があります。
(7)システムトラブルについて
当社のECサイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、ECサイトの安定的な運用のためのシステム強化、セキュリティ強化及び複数のデータセンターへサーバーを分散配置する等の対策を行っております。
しかしながら、万が一予期せぬ大規模災害や人為的な事故等によるシステムトラブルが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)古物営業法に関する規制について
当社の取り扱う中古品は「古物営業法」に定められた「古物」に該当するため、同法による規制を受けております。「古物」は、古物営業法施行規則により次の13品目に分類されております。美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類。同法の目的並びに同法及び関連法令による規制の要旨は次のとおりであります。
A.目的
この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする(第1条)。
B.規制の要旨
(a)古物の売買もしくは交換を行う営業を営もうとする者は、所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない(第3条)。
(b)古物の買い受けもしくは交換を行う場合、又は売却もしくは交換の委託を受けようとする場合には、その相手方の住所、氏名、職業、年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けなければならない(第15条)。
(c)売買もしくは交換のため、又は売買もしくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、取引の年月日、古物の品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所、氏名、職業、年齢を帳簿等に記載、又は電磁的方法により記録し、3年間営業所に備えつけておかなければならない(第16条、第18条)。
(d)買い受け、又は交換した古物のうち盗品又は遺失物があった場合においては、被害者又は遺失主は、古物商に対し、盗難又は遺失から1年以内であればこれを無償で回復することを求めることができる(第20条)。
なお、(a)の規制につきましては、古物営業の許可には有効期限は定められておりません。しかし、古物営業法または古物営業に関する他の法令に違反した場合で、盗品等の売買等の防止もしくは盗品等の速やかな発見が著しく阻害される恐れがあると認められる場合には、公安委員会は古物営業法第24条に基づき営業の停止及び許可の取消しを行うことができるとされております。
当社は、古物営業法を遵守し古物台帳管理を徹底し適法に対応する等の社内体制を整えておりますので、事業継続に支障を来す要因の発生懸念はありません。また現状において許可の取消し事由に該当するような事象は発生しておりません。しかし、古物営業法に抵触するような不正事件が発生し許可の取消し等が行われた場合には、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(9)有利子負債への依存について
当社では、在庫の取得資金を主に金融機関からの借入金により調達しております。当事業年度末においては総資産6,676百万円に対して有利子負債1,751百万円であり、有利子負債が総資産の26.2%を占めております。今後、金融情勢の変化等により金利水準が変動した場合には、支払利息の増加等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材の確保・育成について
当社の継続的な成長を実現させるためには、優秀な人材を十分に確保し育成することが重要な要素の一つであると認識しております。そのため、優秀な人材の獲得、育成及び活用に努めております。しかしながら、当社が求める優秀な人材を計画通りに確保できなかった場合、あるいは重要な人材が社外に流出した場合には、当社の事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
(11)その他の法的規制について
当社ではインターネットを活用した通信販売を行っており、「特定商取引に関する法律」による規制を受けております。なお、税制改正により消費税率が引き上げられた場合、短期的な消費マインドの冷え込みから、当社業績は影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項については、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、第5[経理の状況]1[財務諸表等](1)財務諸表(重要な会計方針)に記載しております。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、24,996,074千円(前年同期比10.1%増)となりました。内容としましては、当社ECサイトでの新たな機能追加と利便性の向上及び情報の拡充を継続して行ってきたこと、買取促進による豊富な中古品と専門店としての幅広い新品の品揃えの拡充を図ったことなどによるものです。
(営業利益)
当事業年度の売上総利益は、売上高の増加と売上高比率が前事業年度より0.4ポイント改善したことにより4,202,389千円(同12.7%増)となりました。販売費及び一般管理費におきましては、買取販売強化のための販売促進費と売上拡大にともなう各種手数料の増加等はありましたが、売上高販売管理費比率は前事業年度より0.3ポイント低下し12.4%になったことで、3,105,409千円(同7.2%増)となりました。
この結果、営業利益は1,096,980千円(同31.8%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外収益は、受取手数料等の計上により853千円(同87.6%減)となりました。営業外費用は、借入金支払利息等の計上により19,557千円(同9.0%増)となりました。
この結果、経常利益は1,078,276千円(同31.3%増)となり、売上高経常利益率は4.3%(同0.7ポイント増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における特別損失は、不要設備の廃棄に伴う固定資産除却損により470千円(同57.1%増)となりました。
この結果、当期純利益は741,092千円(同32.2%増)となり、売上高当期純利益率は3.0%(同0.5ポイント増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]4[事業等のリスク]に記載しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況に記載しております。
② 財政状態
当事業年度末の資産につきましては、総資産が6,676,691千円となり、前事業年度末と比較し769,232千円の増加となりました。
流動資産は5,727,382千円となり、前事業年度末と比較して821,760千円の増加となりました。これは主として売掛金が285,517千円増加したこと、商品が451,601千円増加したことによるものであります。
固定資産は949,308千円となり、前事業年度末と比較して52,527千円の減少となりました。これは主としてソフトウエアが73,490千円減少したこと、及び差入敷金保証金が24,867千円増加したことによるものであります。
負債につきましては、3,277,611千円となり、前事業年度末と比較して123,579千円の増加となりました。
流動負債は2,954,697千円となり、前事業年度末と比較して368,837千円の増加となりました。これは主として、買掛金が116,733千円減少したこと、短期借入金が300,000千円増加したこと、及び未払法人税等が147,632千円増加したことによるものであります。
固定負債は322,914千円となり、前事業年度末と比較して245,258千円の減少となりました。これは長期借入金が245,258千円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、3,399,079千円となり前事業年度末と比較して645,653千円の増加となりました。これは利益剰余金が645,329千円増加したこと、新株予約権が324千円増加したことによるものであります。