第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社はインターネットを活用した「価値ある新品と中古品」取引の拡大、顧客の利便性向上を企図しております。Eコマース(インターネット取引)における中古売買では「安心、安全な取引」こそが顧客の求める最も重要なことであるとの考えのもと、商材確保に向けた最大限の資源を投入し、最良のコンディションで価値ある中古品を充実した質と量の「財庫」で品揃えしております。そして、その豊富な品揃えを中心とした情報はタイムリーに当社ECサイトで発信され、本物の価値を知る顧客の期待にお応えできるよう努めております。また、豊富な知識と確かな技術を持ったエキスパート「人財」が、絶対の自信をもって仕入れ、細心の注意を払って取扱いを行うことで、当社に対する信頼を持ってお取引していただけるよう日々努めております。

 

(2) 経営戦略等

当社は継続的な収益力の維持向上を目指し、長期的には売上高経常利益率8%を目標とし事業展開を行ってまいります。そのために以下の戦略を実行する予定でおります。

① ECサイトの継続的機能強化と利便性の追求

買取及び販売時における新機能の発案と実装、専門性の高い豊富な情報を掲載したサイトの運営、商品画像の掲載数増加に加え、商品の立体感や動きが伝わりやすい動画の掲載によりECサイトの充実を図ります。また営業事務関連の管理機能の改善による運用コストの削減を図ることで、当社事業基盤をさらに確実なものとするために継続的な改善を図ってまいります。

 

② Eコマース(インターネット取引)拡大に対応したオペレーション構築

今後の取引拡大、物流業務増加に対応するために、業務オペレーションの見直し等を行うことで、常時速やかな取引を維持し、顧客の満足度を高めます。また、バックオフィスでの業務効率改善を図ることで、人員体制の拡大を極力抑制して利益率増加を実現してまいります。

 

③ 新規取引への取り組みを検討

当社の財産であるカメラ、時計、筆記具、自転車といった商材はインターナショナルな価値を持つ品物であり、「価値ある新品と中古品」のインターネットでの売買は今後大きく成長する可能性のあるマーケットであると考えております。既に、カメラと時計では一部エリアの海外顧客との取引を開始していますが、今後はエリアを広げて事業を拡大し、新たな商材の展開についても国内外ともに検討してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社を取り巻く環境は、経済動向及び当社取扱いの各商材の市場動向に影響され、常に変化しますが、当社の強みである各事業における専門性やECに主軸を置いた事業を推進することで収益基盤を高めていくために、その収益性が明確に表される売上高経常利益率を重視しております。株主重視の観点からは、株主価値の最大化のための重要な指標としてROE(株主資本利益率)を注視しております。

 

(4) 経営環境

当社が置かれております経営環境につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況に記載しております。

 

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社が継続的に安定した成長を続けていくためには、当社の強みである各事業における専門性やECに主軸を置いたビジネスモデルを活かし、顧客からの信頼やブランドの認知力を向上させ、安心・安全に取引できる環境を提供することにより、収益基盤を高めていく必要があると認識しております。そのための施策として、以下の事項に取り組んでまいります。

① 各事業における専門性の向上

当社の営むカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業ではいずれも専門的な知識が求められる「価値ある商品」を取り扱っております。特に、中古品については、価値ある「財庫」品を確保すること、及び「財庫」の価値を見極める商品知識豊富なエキスパートである「人財」が不可欠と認識しております。また、専門性を高めるため、各商材ごとに屋号を別々に展開し、各商材ごとに1店舗のみ運営している実店舗での顧客との接点からスタッフの専門性の向上、接客のノウハウをECサイトに活かすなど、ECとリアルの相乗効果による質の高いサービスの提供を可能とする仕組み作りを行っております。そして時計事業、筆記具事業の店舗、ECオフィスを移転し、実店舗とECオフィスを1フロアーとすることで、情報発信機能の強化を行う組織体制の整備を進めております。

② ECサイトの信用力(安心・安全)・利便性の向上

今後、ECサイトでの販売を継続的に拡充するためには、ECサイトでも、対面取引と同様に顧客が安心して利用できるサービスの提供を目指し、一層の信用力(安心・安全)や利便性の向上を図る必要があると認識しております。そのために、EC買取における新たな仕組み(「ワンプライス買取」、「先取交換」、「買取リピーター」)の導入、スマートフォン対応の販売チャネルの追加、新技術導入による商品検索機能の大幅な改善、EC取引上のセキュリティ強化等によるECサイトの継続的なリニューアルを実施してまいりました。また、ECサイト継続強化の施策として、EC会員へ向けたログイン後トップページにおいて顧客毎に様々な情報をお届けするOne To Oneアプローチの取り組み、商品掲載画像の増量とコメントの充実、中古商品詳細ページへの動画掲載、商品レビューページ「コミュレビ」の機能向上などに取り組みました。さらに、フォトシェアリングサイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」とECサイトを連携し、商品購入後にカメラを楽しんでいただく場を作るとともに、投稿された写真を参考に、撮影に使用された機材を購入していただく新たな循環も構築しております。コロナ禍の状況においても、EC強化の為の投資は継続し、新たにオンライン買取の本人確認をスマートフォンカメラ撮影で完結できるAI認証機能導入や、中古カメラの買取、販売価格をAIを活用して需給に合わせタイムリーに自動設定する「AIMD」を導入しました。今後もさらなる信用力(安心・安全)と利用者向けサービスの強化を続けることで、売上の向上に努めてまいります。

③ 当社及びブランドの認知度の向上、新規Web会員数、アクセス・ページビュー数の増加

当社は事業ごとに以下の屋号を用いて事業展開をしており、当社及び専門店としての各ブランドの認知度を一層高め、新たな利用者(新規Web会員数)を増やしていくことが課題と認識しております。

事業名

屋号

カメラ事業

Map Camera

時計事業

GMT、BRILLER

筆記事業

KINGDOM NOTE

自転車事業

CROWN GEARS

 

当社はこれらの各ブランドの関連情報サイトから、専門店としての魅力ある商品関連情報を毎日発信しているほか、Facebook等のソーシャルネットワークを活用して愛好家のためのコミュニティの運営や情報発信、さらには、情報アプリを通じて、当社からの情報に加え、国内外のメディアから発信される取引商材に関連した記事を配信しています。また、2019年12月にオープンしたレディース腕時計専門サイト「BRILLER」では、レディース高級腕時計の魅力がより直感的に伝わるようスマートフォンを中心に商品写真をメインとしたサイトを構築し、様々な情報の発信を通じて、当社及びブランド認知度の向上、集客のためのプロモーション強化を積極的に行うなどで、当社ECサイトの新たな利用者を増やしていくことが必要と考えております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 中古品の仕入について

① 中古品の確保について

当社は中古品を中心とした販売を行っているため、一般の顧客から現金で商品を買い取っております。中古仕入に関しては買掛金が発生せずに現金仕入となるため、この代金を借入でまかなう場合に金利の動向の影響を受けます。また、中古品は新品と異なり仕入量の調節が難しいという性格を有しております。このため、当社では買取センターの設置、宅配買取の実施により仕入チャネルを多様化することで、安定的な仕入を可能とする中古品仕入体制を構築してまいりました。しかしながら、今後における景気動向の変化、競合の買取業者の増加、顧客マインドの変化によって、質量ともに安定的な中古品の確保が困難となる可能性があります。

 

② コピー商品の買取リスクについて

中古品の流通量の増加に伴い「コピー商品」に関するトラブルは社会的に重要な問題となってきており、これらトラブルを事前に回避し、顧客の利益保護をいかに実現していくかが中古品小売業界全般の共通課題となっております。当社においては、専門的な知識と経験を持った人材を育成することにより、不良品及びコピー商品の買取防止に努めております。また、顧客に安心感を持って商品をお買い求めいただくために、誤って仕入れたコピー商品についてはすべて廃棄処理を行い、コピー商品の店頭への陳列防止に努めております。しかしながら、今後コピー商品を大量に仕入れ店頭への陳列を行った場合には、顧客の利益を損ない、当社の信用を損なう可能性があります。

 

③ 盗品の買取リスクについて

古物営業法に関する規制により、買い受けた商品が盗品であると発覚した場合、1年以内であればこれを無償で被害者に返還することとされております。当社においては、古物営業法遵守の観点から古物台帳(古物の買い受け記録を記載した台帳)をPOSデータ(当社売上・買取管理システムにて集積されたデータ)と連動させることにより、盗品買取が発覚した場合は、被害者への無償返還に適切に対応できる体制を整えております。今後も、古物を取り扱う企業として、古物台帳管理の徹底及び盗品買取発覚時の被害者への無償返還に適切に対応してまいります。このため、大量の盗品買取を行った場合には、多額の仕入ロスが発生する可能性があります。

 

(2) 新品の仕入について

台風、水害、地震等の自然災害が発生し、メーカーからの新品商品の供給が不足した場合には、売上が減少することにより当社業績は影響を受ける可能性があります。

 

(3) 商品の価値下落について

当社が取り扱う商品はカメラ・時計・筆記具・自転車を中心とした「価値ある中古品」です。市場の動向に応じた販売価格の調整や販売促進策を適時実行することで 、商品の陳腐化や滞留商品の発生をコントロールしておりますが、商品によっては流行の変化に伴う経済的陳腐化により、また、為替相場の変動等により短期間の内に価値下落がもたらされるものや、牽引役となる人気商品・ヒット商品の有無により、その販売動向を大きく左右されるものが存在しております。また、予測した需要が実現せず、滞留期間が長くなり、市場価値の下落等により、滞留在庫の評価減による損失が発生する可能性があった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 当社の営業エリアについて

当社はインターネットを中心に販売・買取を行っておりますが、基本的に1事業につき1店舗の営業店舗を展開しております。また、当社の営業店舗は新宿、渋谷に集中し、EC販売の統括部署も新宿の本社営業部事務所にあるため、大きな災害時にすべてが被害を被り業務が再開できない可能性があります。

 

 

(5) 競合について

中古品業界においては、最近では幅広い分野において中古品の流通量が増大しており、カメラ・時計・自転車等、当社が取り扱っている商品においても、新規参入が目立ってきております。今後、競合店の増加やインターネットを介した売買の普及等による中古品の買取競争が激しくなった場合には、人気商品の確保が難しくなること、買取価格の相場が変動すること等から、当社業績は影響を受ける可能性があります。なお、当社は新品の販売も行っておりますが、新品の安売りを専門とするディスカウントストアの増加により販売競争が激化していった場合、販売価格の低下等により当社業績は影響を受ける可能性があります。

 

(6) 個人情報の管理について

古物営業法に関する規制により、商品を買い受ける際、個人情報の取得を行いますが、当社ではこれら個人情報を帳簿等に記載又は電磁的方法により記録しております。また、当社では店頭販売の業務等において、顧客の住所、氏名、年齢、クレジットカード情報等を取り扱っており、これら個人情報も帳簿等に記載又は電磁的方法により記録し、管理しております。このため、当社は社内規程等ルールの整備、社内管理体制の強化、社員教育の徹底、情報システムのセキュリティ強化等により、個人情報保護マネジメント機能の向上を図り、「個人情報の保護に関する法律」の遵守、個人情報の漏洩防止に努めております。なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク」の付与認定を受け、2007年9月より、同マークの使用を開始しております。しかしながら、これら個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、事後対応による多額の経費発生等により、当社業績は影響を受ける可能性があります。

 

(7) システムトラブルについて

当社のECサイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、ECサイトの安定的な運用のためのシステム強化、セキュリティ強化及び複数のデータセンターへサーバーを分散配置する等の対策を行っております。しかしながら、万が一予期せぬ大規模災害や人為的な事故等によるシステムトラブルが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 古物営業法に関する規制について

当社の取り扱う中古品は「古物営業法」に定められた「古物」に該当するため、同法による規制を受けております。「古物」は、古物営業法施行規則により次の13品目に分類されております。美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類。同法の目的並びに同法及び関連法令による規制の要旨は次のとおりであります。

① 目的

この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする(第1条)。

② 規制の要旨

a.古物の売買もしくは交換を行う営業を営もうとする者は、所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない(第3条)。

b.古物の買い受けもしくは交換を行う場合、又は売却もしくは交換の委託を受けようとする場合には、その相手方の住所、氏名、職業、年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けなければならない(第15条第1項第2号)。

c.売買もしくは交換のため、又は売買もしくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、取引の年月日、古物の品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所、氏名、職業、年齢を帳簿等に記載、又は電磁的方法により記録し、3年間営業所に備えつけておかなければならない(第16条、第18条)。

d.買い受け、又は交換した古物のうち盗品又は遺失物があった場合においては、被害者又は遺失主は、古物商に対し、盗難又は遺失から1年以内であればこれを無償で回復することを求めることができる(第20条)。

 

なお、(a)の規制につきましては、古物営業の許可には有効期限は定められておりません。しかし、古物営業法または古物営業に関する他の法令に違反した場合で、盗品等の売買等の防止もしくは盗品等の速やかな発見が著しく阻害される恐れがあると認められる場合には、公安委員会は古物営業法第24条に基づき営業の停止及び許可の取消しを行うことができるとされております。

当社は、古物営業法を遵守し古物台帳管理を徹底し適法に対応する等の社内体制を整えておりますので、事業継続に支障を来す要因の発生懸念はありません。また現状において許可の取消し事由に該当するような事象は発生しておりません。しかし、古物営業法に抵触するような不正事件が発生し許可の取消し等が行われた場合には、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 有利子負債への依存について

当社では、在庫の取得資金を主に金融機関からの借入金により調達しております。当事業年度末においては総資産12,613,078千円に対して有利子負債3,930,325千円であり、有利子負債が総資産の31.2%を占めております。今後、金融情勢の変化等により金利水準が変動した場合には、支払利息の増加等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 人材の確保・育成について

当社の継続的な成長を実現させるためには、優秀な人材を十分に確保し育成することが重要な要素の一つであると認識しております。そのため、優秀な人材の獲得、育成及び活用に努めております。しかしながら、当社が求める優秀な人材を計画通りに確保できなかった場合、あるいは重要な人材が社外に流出した場合には、当社の事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) その他の法的規制について

当社ではインターネットを活用した通信販売を行っており、「特定商取引に関する法律」による規制を受けております。なお、税制改正により消費税率が引き上げられた場合、短期的な消費マインドの冷え込みから、当社業績は影響を受ける可能性があります。

 

(12) 新型コロナウイルス感染症による影響について

今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言等が再度発令された場合は、政府・地域の法令・要請・指導に従い、顧客、従業員及びその家族の健康と安全確保を最優先に考え、実店舗の臨時休業や時間短縮営業、従業員の労働時間の制限を行うことが想定されます。また、諸外国での新型コロナ感染症の拡大状況から、当社仕入メーカーの製造ライン停止等による商品仕入不足、訪日外国人旅行客の減少によるインバウンド需要の縮小など、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済活動が制限され、企業収益の悪化や個人消費の低迷など極めて厳しい状況となりました。ウイルス感染拡大防止の為に政府からは緊急事態宣言が発出、その後の段階的な解除と各種政策が実施される中で経済活動は再開されましたが、本年1月には11都府県に緊急事態宣言が再発出、現在は国内外でのウイルス感染症に対するワクチンの接種が始められたものの未だ収束時期の見通しが立たない状況にあります。

 

当社が置かれていますEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査では、2019年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は6.8%と推計されています。外出自粛によって消費行動が制限されたことで、経済活動や身近な生活スタイルの変化が起きていることから、各分野でのオンラインを利用したBtoC取引が増加しており、今後もEC化率は一層上昇することが見込まれます。

 

このような経営環境のもと、当社はお客様と従業員の安心・安全と健康状態を最優先に考え、店舗では臨時休業及び営業時間短縮、ウイルス感染リスク低減の為の環境整備、従業員に対しては特別休暇付与、テレワーク導入等の様々な対策を講じました。そして、これまで取り組んできたEC主軸のビジネスモデルを当社の強みとして、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供し取引が完結できる仕組みを更に推し進めてまいりました。

 

当事業年度におきましては、ECサイトではこれまでに構築してきた購入前・購入時・購入後までの流れの中で様々な情報を提供する当社プラットフォームにおいて、独自機能及びサービスを活用したOne To Oneマーケティングによる販売施策を実行しました。また、新たなサービスとしてオンライン買取の本人確認がスマートフォンのカメラ機能による撮影だけで手続きが完結できる機能等を導入したことで、利用者のより簡単・便利な取引が可能となりました。カメラ事業においては分散していた店舗を本館に集約して、購入から買取・買い替えまでを1棟で完結できる「MapCamera Tower」としてECサイトを通じた情報発信基地としました。時計及び筆記具事業では店舗移転・リニューアルを実施し、商材毎の店舗とECオフィスを1フロアー(拠点)とすることで、ECサイトでよりリアルな商品情報と顧客のニーズを反映する「1カテゴリー=1オフィス」化を進めました。その他、買取強化によって潤沢に在庫を保有することでより魅力ある品揃えが売上高に繋がるように注力し、更に主力であるカメラ事業では、新たな仕組みとして中古カメラの買取、販売価格をAIを活用して需給に合わせタイムリーに自動設定する「AIMD」を2021年3月に導入しました。一方で、外出自粛や景況感の落ち込みによる消費マインドの一時的低下、一部メーカーでの製造ライン停止による商品供給不足や新製品発売延期と入国制限にともなうインバウンド需要の落ち込み等により、当事業年度の売上高は33,960,608千円(前年同期比2.0%減)となりましたが、6月以降はEC強化を更に推し進めたことでサイトアクセス数と新規会員数は順調に増加し、12月には登録会員数は50万人を突破、EC売上高については25,535,478千円(同18.5%増)となりました。

 

利益面では、売上総利益率については前事業年度から引き続き改善に取り組んできたことで高い水準を維持しておりますが、店舗移転・リニューアルにともなう設備投資と地代家賃、他社ポータルサイト取引増加にともなう利用手数料等の増加で、販売費及び一般管理費が4,683,750千円(同4.4%増)となりました。これにより、営業利益は1,613,140千円(同8.1%減)、経常利益は1,623,835千円(同6.4%減)、当期純利益は特別損失として店舗移転にともなう固定資産除却損を計上したことにより1,067,830千円(同10.6%減)となりました。ただし、売上高とともに利益面も回復をしており、この第3四半期から第4四半期会計期間における前年同期間対比では増収増益であり、各段階利益では過去最高益となっております。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

[カメラ事業]

自社ECサイトでの独自機能やサービスを活用したOne To Oneマーケティングによる販促施策の他に、顧客同士のカメラに関する質問・回答のコミュニケーションによって質の高い情報のやり取りが生まれる「EVERYBODYコンシェルジュ」の追加やシュッピンポイントを集められる様々なイベント「ポイントプログラム」への導線改善を実施しました。そして、既存の各情報コンテンツ内容の充実とそれらを統括しスマートフォンで快適に閲覧できるWEBマガジン「StockShot」を発信、当社フォトシェアリングサイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」と連動した様々なフォトコンテストを実施することなどで集客を図りました。店舗では顧客の利便性の追求とECサイトを通じた情報発信基地として「MapCamera Tower」を開設し、店舗運営費用の圧縮とECへより注力できる体制作りの為にリニューアルしました。また、利益面ではエキスパートである専門スタッフを中心として売上総利益率の改善に引き続き取り組んできたことで高い水準を維持しておりますが、取引件数、取扱商品数が日々拡大している状況であり今後の更なる拡大に対応する為に「AIMD」を開発導入しました。需給に即した買取・販売価格の設定をAIによる自動化により行うことができるようになり、今後はタイムリーに適正な買取・販売価格が設定できることで、顧客がより安心・安全に取引ができるとともに、取引量の拡大と売上総利益率の更なる改善を図ることが可能となります。これらにより、EC売上高は前事業年度を大きく上回り、店舗での来店者減少による売上高の落ち込みを補ったことで、全体での売上高は24,022,870千円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は2,324,574千円(同0.8%増)となりました。

 

[時計事業]

市場の情勢を踏まえたうえでの戦略として、人気の高いブランド「ROLEX」の買取を特に強化することで保有する在庫を大きく増やし、圧倒的な品揃えによる集客力の向上を図りました。店舗では腕時計専門店「GMT」とレディース腕時計専門店「BRILLER」を移転リニューアルし、併せてECオフィスを1フロアーに集約させました。これにより、来店者との接客によって得られた価値ある商品情報をWEB上にリアルタイムでアップすることによってECと店舗の相乗効果を高めました。越境ECとして出店している「ebay」と「Chrono24」については開設当初から丁寧な接客と認知度の向上に引き続き注力してきたことで着実に売上高が伸長していることも含め、EC売上高は前事業年度を上回りました。店舗においてはウイルス感染リスク低減の為の環境整備の一環として、少人数完全予約制で来店者を限定した営業を実施したこと、回復傾向ではあるものの海外からの渡航者の入国制限によりインバウンド需要も低下したことを含めて店舗売上高が大幅に減少し、売上高は8,681,376千円(前年同期比16.0%減)、セグメント利益は357,111千円(同35.8%減)となりましたが、戦略的な品揃えの強化が奏功したことで第3四半期からはその効果が現れ、利益面におきましては第4四半期会計期間で増益に転じております。

 

[筆記具事業]

時計事業と同様に、筆記具専門店「KINGDOM NOTE」を移転リニューアルし、1フロアーに店舗とECオフィスを集約させることで、店舗とECの相乗効果を高めました。ECサイトでは、オンライン買取における当社独自のサービスによって買取の利便性向上を強く押し出すことで、新しい顧客の獲得と中古品の商材確保に注力しましたが、ウイルス感染リスク低減の為に従業員の出勤を制限したことによる商品化の遅延もあったことで中古品売上は低迷、他事業同様に店舗の臨時休業と営業時間の短縮による来店者の減少及びインバウンド売上高の低下が影響したことで、売上高は408,074千円(前年同期比18.9%減)となりました。また、店舗移転・増床による地代家賃の増加と設備投資のイニシャルコストの負荷もあり、セグメント損失は30,662千円(前年同期は22,729千円の利益)となりました。

 

[自転車事業]

スマホアプリを利用したサイクリストへ向けた日常的な情報発信や自転車専門サイトでの広告宣伝効果による認知度の向上を図り集客力を高めました。他の事業と同様に店舗への来店者は大きく減少しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大によるライフスタイルの変化で自転車需要が高まり、また需要の高いインドアトレーニング関連商品やサイクルコンピューター、人気メーカーの各種パーツの商品仕入に注力し品揃えを充実させたことで、自社サイト及び他社サイトにおいて売上高は大きく拡大しました。その他として中古品の品揃え拡充による売上高の確保と商品化クオリティーに見合った適正な販売価格を維持したことで、売上高は848,286千円(前年同期比53.8%増)、セグメント利益は40,568千円(同209.5%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 

(単位:千円)

区分

前事業年度

2019年4月1日から2020年3月31日まで

当事業年度

2020年4月1日から2021年3月31日まで

増減

増減率

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,094,731

△388,616

△1,483,347

投資活動によるキャッシュ・フロー

△136,591

△439,831

△303,240

△222.0

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,166,923

△873,051

△2,039,974

現金及び現金同等物の増減額

2,125,063

△1,701,498

△3,826,561

現金及び現金同等物の期首残高

1,403,445

3,528,508

2,125,063

151.4

現金及び現金同等物の期末残高

3,528,508

1,827,009

△1,701,499

△48.2

 

当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,827,009千円となり、前事業年度末と比較して1,701,499千円の減少となりました。

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、△388,616千円(前年同期比は△1,483,347千円の減少)となりました。これは、主として税引前当期純利益1,554,913千円、たな卸資産の増加額1,533,589千円、法人税等の支払額600,677千円、仕入債務の増加額404,486千円、減価償却費161,763千円、売上債権の増加額413,743千円、ポイント引当金の減少額439千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、△439,831千円(前年同期比222.0%減)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出287,809千円、無形固定資産の取得による支出165,572千円、その他の投資活動13,550千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって得られたキャッシュ・フローは、△873,051千円(前年同期比は△2,039,974千円の減少)となりました。これは、主として、長期借入金の返済による支出665,173千円、短期借入金の純増加額20,000千円、配当金の支払額377,878千円、長期借入れによる収入150,000千円が減少要因となっております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

カメラ事業

19,261,038

102.7

時計事業

8,982,629

95.5

筆記具事業

297,032

85.0

自転車事業

677,677

145.4

合計

29,218,378

100.8

 

(注) 1.セグメント間の取引はありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

c.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

カメラ事業

EC

20,762,153

120.8

 

店舗

3,260,717

53.6

 

セグメント計

24,022,870

103.2

時計事業

EC

3,633,777

103.7

 

店舗

5,047,599

73.9

 

セグメント計

8,681,376

84.0

筆記具事業

EC

344,882

93.3

 

店舗

63,191

47.4

 

セグメント計

408,074

81.1

自転車事業

EC

794,664

166.2

 

店舗

53,622

73.1

 

セグメント計

848,286

153.8

合計

EC

25,535,478

118.5

 

店舗

8,425,129

64.2

 

セグメント計

33,960,608

98.0

 

(注) 1.セグメント間の取引はありません。

2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項については、当事業年度末において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、第5(経理の状況)1(財務諸表等)(1)財務諸表 (注記事項) (重要な会計方針)に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当事業年度末の資産につきましては、総資産が12,613,078千円となり、前事業年度末と比較し604,199千円の増加となりました。

流動資産は11,178,262千円となり、前事業年度末と比較して367,505千円の増加となりました。これは主として商品が1,533,589千円増加したこと、売掛金が413,744千円増加したこと、現金及び預金が1,701,499千円減少したことによるものであります。

固定資産は1,434,816千円となり、前事業年度末と比較して236,694千円の増加となりました。これは主として有形固定資産が220,810千円増加したことによるものであります。

負債につきましては、6,208,411千円となり、前事業年度末と比較して96,469千円の減少となりました。

流動負債は3,989,987千円となり、前事業年度末と比較して356,146千円の増加となりました。これは主として、買掛金が404,487千円増加したこと、未払金が66,389千円増加したこと、未払法人税等が106,008千円減少したことによるものであります。

固定負債は2,218,424千円となり、前事業年度末と比較して452,615千円の減少となりました。これは長期借入金が488,690千円減少したことによるものであります。

純資産につきましては、6,404,666千円となり前事業年度末と比較して700,667千円の増加となりました。これは利益剰余金が689,952千円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績

当事業年度の売上高は、33,960,608千円(前年同期比2.0%減)となりました。内容としましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の為の店舗休業や一部メーカーでの製造ライン停止による商品供給不足と新製品発売延期及び入国制限によるインバウンド需要の低迷等によって、店舗売上高は大きく落ち込みましたが、ECサイトにおけるカメラ事業を中心とした既存の各種サービスに加え、さらにECへの継続投資を行うことで新たな仕組みとサービスを導入、時計事業では人気ブランドの戦略的な在庫投資と商品展開に注力したことで、ECサイトでの売上高は大きく伸長し、通期では前事業年度と同水準を維持しました。

売上総利益は、前事業年度からのOne To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化を更に推し進め、中古商品の需要と供給を適切な水準に維持することで売上総利益率が改善し、6,296,891千円(同0.9%増)となりました。

 販売費及び一般管理費におきましては、店舗移転リニューアルに係る設備投資の初期費用と売り場拡張による地代家賃の増加、EC売上伸長にともなう他社ショッピングサイトの利用手数料の増加等があり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.8ポイント上昇し13.8%となったことで、4,683,750千円(同4.4%増)となりました。

この結果、営業利益は1,613,140千円(同8.1%減)となりました。

営業外収益は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い雇用調整助成金の特例措置の適用を受けたことで32,785千円(同1,450.9%増)となりました。営業外費用は、支払利息等の計上により22,090千円(同4.0%増)となりました。

この結果、経常利益は1,623,835千円(同6.4%減)となり、売上高経常利益率は4.8%(同0.2ポイント減)となりました。

特別利益は、新株予約権戻入益の計上により322千円(同40.9%減)となりました。特別損失は、店舗移転にともなう固定資産除却損を計上したことにより69,244千円(同なし)となりました。

この結果、当期純利益は1,067,830千円(同10.6%減)となり、売上高当期純利益率は3.1%(同0.3ポイント減)となりました。

c.目標とする経営指標の達成状況等

売上高経常利益率につきましては、長期的には8%以上を目標としております。ROE(株主資本利益率)につきましては、長期目標として30%以上を目指しております。

 

実績

業績予想

長期目標

 

第15期

第16期

第17期

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高経常利益率

5.0%

4.8%

4.8%

8%以上

ROE(株主資本利益率)

22.5%

17.7%

30%以上

 

 

売上高経常利益率

前事業年度から取り組んできましたOne To Oneマーケティングの活用及びMD機能の強化を継続することで、当事業年度は期初から中古商品の需要と供給を適切な状態に維持しました。これにより、売上高総利益率は前事業年度より0.5ポイント改善しましたが、一方で店舗移転リニューアルに係る設備投資の初期費用と売り場拡張による地代家賃の増加、EC売上伸長にともなう他社ショッピングサイトの利用手数料の増加等があったことで、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.8ポイント上昇しました。この結果、売上高経常利益率は前事業年度より0.2ポイント減少し4.8%となりました。

 

ROE(株主資本利益率)

経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策を行っていますが、当期純利益が減少したことによって、ROE(株主資本利益率)は前事業年度より4.9ポイント低下し17.7%となりました。今後も引き続き目標達成に向け、経営効率の向上に寄与する諸施策を実施いたします。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2(事業の状況)2(事業等のリスク)に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

財務・資本政策の基本的な方針

当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性確保、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に銀行等から長期及び短期の借入金を中心とした資金調達を行っております。事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、各金融機関とは幅広く良好な関係を構築し、綿密な連携を実施しております。また、売上高経常利益率向上、ROE向上に向けた諸施策に伴う投資については、フリーキャッシュフロー(FCF)を注視しながら、中長期的な視点を持ち、実施しております。2022年3月期も手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュフロー、有利子負債の活用により創出された配分可能な経営資源については、将来の成長に向けた投資や株主還元のさらなる充実等に活用する予定です。

 

資金需要の主な内容

当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業規模拡大に伴う商品仕入やメンテナンス作業及び配送作業スペース拡充に伴う賃借料、人員増加に伴う人件費、さらにEC販売強化に伴うシステム関連費用などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、事業規模拡大に伴う事務所等の拡充による有形固定資産の取得、システム投資による無形固定資産の取得、敷金保証金等の差入などがあります。

 

資金調達

当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、各金融機関と緊密な連携を図り、機動的な対応を可能にする関係性を構築しております。設備投資額は、営業キャッシュフローの範囲内とすることを原則としておりますが、営業キャッシュフローを超える投資を行う場合は、金融機関等からの借入を実施し、有利子負債を活用しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。