第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、「バイオテクノロジーで、昨日の不可能を今日可能にする」という企業ビジョンを掲げ、ユーグレナ等の微細藻類の大量培養技術を出発点として、食品、化粧品、飼料、燃料等の様々な分野における事業展開と研究開発を行っているバイオテクノロジー企業です。

 ユーグレナは、植物と動物の両方の性質を備えたユニークな生物であり、その豊富な栄養素や独自成分であるパラミロンの機能性等を活かして、機能性食品、化粧品、飼料として活用することが可能です。また、ユーグレナは光合成により二酸化炭素を吸収して成長する特徴を有していることから、ユーグレナを低コストで大量に培養する技術を確立することで、ユーグレナに含まれる脂質成分をバイオ燃料原料として利用することも可能となります。当社グループは、これらのユーグレナの特徴を活かして、ヘルスケア分野やエネルギー・環境分野における事業を推進しております。

 また当社グループは、ユーグレナの事業展開を通じて培った事業基盤と、バイオテクノロジー分野における知見を活かして、「人と地球を健康にする」という経営理念に向けて、ユーグレナ以外の素材や藻類培養以外のテクノロジーを用いた事業展開、並びに既存事業の周辺領域や新規領域への事業進出も進めてまいります。

 当社は、ユーグレナを「バイオマスの5F」の「用途」分野に沿って事業化することを基本戦略としつつ、その事業化に伴い「ビジネスモデル」や「素材・技術」の多様化を進めております。「バイオマスの5F」とは、重量単価(例:1kgあたりの値段)が高い順からFood(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)の各分野へ展開することを指しております。ユーグレナに関しては、現在はバイオマスの5Fのうち、最も価格が高いFood(食料)を主として食品及び化粧品の「用途」で事業化しており、「ビジネスモデル」は、原料販売から、OEM供給、流通チャネルでの卸売、直販、そして海外展開へと順次拡大しております。また今後は培養技術の更なる向上・開発により原料の低コスト化を図り、Feed(飼料)及びFuel(燃料)等の「用途」での事業化を目指してまいります。

 

図 バイオマスの5F

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一方、当社はユーグレナ以外の「素材・技術」についても研究開発や新規開拓を進めており、クロレラ等の微細藻類のほか、カラハリスイカや緑豆等の植物、クルマエビ等の農水産物、そして遺伝子解析サービスといった「素材・技術」を当社グループの事業ポートフォリオに順次導入しております。

以上のとおり、当社グループは、ユーグレナを「バイオマスの5F」の「用途」分野に沿って事業化するという基本戦略を軸に、「素材・技術」、「ビジネスモデル」の点で事業領域の多様化を進めることで、中長期的な企業成長と事業拡大を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、2016年11月に、2020年9月期までに「グループ連結売上高300億円の達成」と「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」の達成を目指す中期経営目標を公表し、この実現に向けて各種施策に取り組んでまいりました。

「グループ連結売上高300億円の達成」に向けては、M&Aや直販への経営資源の投下によりヘルスケア事業の成長を図ってまいりました。しかしながら、直販化粧品のパフォーマンスが当初想定を達成するに至らず、その他領域の売上高も減少傾向となったことから、2019年9月期は創業来初となる前期比減収という結果に終わりました。

この結果を受け、2016年11月に発表した2020年9月期までの「グループ連結売上高300億円の達成」という中期経営目標を撤回した上で、2021年9月期以降の売上再成長に向けた投資を優先させることといたしました。そのため、ヘルスケア事業の目標とする経営指標としてはヘルスケア事業の黒字維持と設定し、下記、「1.(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載する経営戦略に則り、ヘルスケア事業の再成長に向けて、現在直面している課題の解決を成長機会に転じることで、新たな中長期成長の実現を目指してまいります。

「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」に向けては、2018年10月31日に実証プラントが竣工に至り、同年11月2日には「日本をバイオ燃料先進国にする」を合言葉とする『GREEN OIL JAPAN』宣言を発表し、実証プラントにおいて生産するバイオ燃料の供給パートナーとの関係構築を着実に進めております。一方、2019年秋に見込んでいたASTM認証(※1)取得と次世代バイオディーゼル燃料の供給開始については、2019年9月期中において実現できておりません。ASTM認証取得のスケジュール遅延に関しては、当社がライセンス提供を受けているBICプロセス(※2)の技術開発元であるARA社による申請が、認証取得フェーズの最終段階にあるものの、当初想定より審査通過に時間を要していることが原因となります。また、実証プラントの稼働遅延に関しては、試運転期間中に運転フェーズごとに課題発生と対応が続いたことが原因となります。いずれも着実に対応を進めており、2020年9月期中に「国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化(国産バイオ燃料計画)」を実現するという従来のスケジュールに変更はありません。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中長期的な経営戦略として、ヘルスケア事業においてはユーグレナ食品売上高の再成長を、エネルギー・環境事業においてはバイオ燃料製造・供給の商業化を図ってまいります。

ヘルスケア事業については、2019年9月期までは直販化粧品を成長ポテンシャル領域と位置づけて広告宣伝投資を実施してまいりましたが、直販化粧品のパフォーマンスが当初想定を達成するに至りませんでした。2020年9月期以降は、減少基調が継続しているユーグレナ食品領域を重点強化領域と位置づけ、短期的な売上成長・利益確保は追及せず、ユーグレナ食品の素材プロモーション、企業/素材/商品ブランド間の連携強化、事業基盤整備等に投資比重をシフトすることで、持続的な成長を目指してまいります。具体的な実施施策については下記、「1.(4)対処すべき課題」に記載しております。

エネルギー・環境事業については、2018年11月2日に実証プラントの竣工に併せて、2025年までに商業プラントの稼働開始を目指す方針を発表いたしました。当社が製造を予定しているバイオ燃料のうち、特にバイオジェット燃料に関連する社会の動きとしては、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)が気候変動問題への対応として、2020年以降、航空業界において温室効果ガスの排出を増加させないことを掲げており、その対策としてバイオジェット燃料の普及・拡大が期待されています。このようなバイオ燃料へのニーズの高まりに対して、当社グループも採算性を重視しながら、気候変動問題の解決に貢献するバイオ燃料製造・供給の商業化を2025年に向けて着実に進めていく方針です。また、ユーグレナの大規模培養技術に関する研究開発を着実に進展させることで、燃料用だけでなく飼料用原料としてのユーグレナの利活用も目指してまいります。具体的な実施施策については下記、「1.(4)対処すべき課題」に記載しております。

 

 

(4)対処すべき課題

 当社グループでは「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、「バイオテクノロジーで、昨日の不可能を今日可能にする」という企業ビジョンを掲げ、多様なニーズに対する新たな価値の提供を通じて、中長期的な成長を図っております。現状の市場環境及び事業進捗において、当社グループとして認識している対処すべき課題については以下のように考えております。

(ヘルスケア事業)

 ヘルスケア事業においては、直販化粧品を成長ポテンシャル領域と位置づけて広告宣伝投資効率と定期購入顧客継続率の改善を図りながら投資評価を進めるとともに、「ユーグレナの緑汁」のドラッグストア向け販売の開始、流通向け商品のリニューアル、新規OEM取引の再開等の施策を展開してまいりました。しかしながら、直販化粧品のパフォーマンスは当初想定を達成するに至らず、その他領域の売上高も減少傾向となったことから、2019年9月期は創業来初となる前期比減収という結果に終わりました。ヘルスケア事業の再成長に向けて当社グループが対処すべき課題は以下のとおりと認識しており、これらの課題の解決を成長機会に転じることで、新たな中長期成長の実現を目指してまいります。

①ユーグレナ食品需要の低迷

 ユーグレナ食品売上高は減少基調が継続しており、ユーグレナ食品に対する需要の創出がヘルスケア事業の再成長に向けた課題と認識しております。ユーグレナ食品の認知・購買経験率は他の健康素材と比較して著しく低い水準にとどまっていることから、ユーグレナ食品市場の成長がピークアウトしたと判断するのは時期尚早と評価しており、むしろ素材認知促進や顧客接点拡大による成長余地が大きく残されていると捉えております。今後は素材開発や機能性研究を強化するとともに、食品素材としての便益等に関する素材プロモーション等の認知向上施策の実施や、全販路展開による顧客接点の拡大に努めることで、独自素材を有する健康食品メーカーとしての強みを最大限に活用していく方針です。

②企業/素材/商品ブランドの連携不足

 当社グループのブランディングは、企業/素材/商品の各ブランドが十分に相互連携できておらず、企業活動に関するメディア露出等が商品売上の拡大につながらない、また商品ブランドにおいて企業活動や素材便益が想起されにくい等の課題を有しています。当社グループは、社名でもあるユーグレナという独自素材を有するとともに、バイオ燃料の研究開発やバングラデシュでの活動等の社会性の高い事業を展開しており、他のヘルスケア企業が容易に模倣できない独自のブランドを構築し、マーケティングに活用できるポテンシャルを備えていると捉えております。今後は広告宣伝投資に占めるブランディング投資の比重を高め、企業/素材/商品の各ブランド間の相互連携を強化することで、独自性の高いブランドを構築し、ブランドを軸とした商品展開とマーケティングを強化していく方針です。

③顧客獲得チャネル及び顧客層の偏り

 当社グループの売上の主力である直販チャネルの定期顧客はシニア層が中心を占めており、当該顧客層に親和性の高い新聞広告・テレビショッピング等のオフライン広告に対して集中的に広告宣伝投資を展開してきた結果、顧客層と顧客獲得チャネルに偏りが生じていることを課題と認識しております。ヘルスケア事業の中長期的な成長には顧客層の多様性と持続性の確保が重要であるにも関わらず、当社グループのデジタルマーケティングやミドル層へのアプローチ、ロイヤルカスタマー育成施策等への取組は十分とは言えず、改善の余地は大きいと捉えております。今後はマーケティング、CRM、事業管理等におけるデジタル化の推進や、ロイヤルカスタマー育成施策の拡充等、中長期的成長に必要な事業基盤の整備を進めていく方針です。

 

(エネルギー・環境事業)

 当社グループは、エネルギー・環境事業において、将来的な商業化を見据えたバイオジェット・ディーゼル燃料の製造・供給体制の構築と微細藻類ユーグレナのバイオ燃料用・飼料用原料としての利用可能性に関する研究開発を推進しております。エネルギー・環境事業に関して当社グループが対処すべき課題は以下のとおりと認識しており、これらの課題を早急に解決することで、中長期的に新たな事業の柱として確立することを目指してまいります。

①バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの製造・供給体制の構築

 当社グループは、2020年9月期までに国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化を実現するという目標のもと、神奈川県横浜市鶴見区において実証プラントの建設を2017年6月より開始し、2018年10月末に竣工に至りました。2019年9月期を通じて、実証プラントで使用する廃食油等の原料確保、及び実証プラントで製造するバイオジェット・ディーゼル燃料の供給先の開拓は順調に進捗いたしましたが、実証プラントの試運転に関しては様々な課題への対処からスケジュールに遅れが生じており、有価証券報告書提出日現在において本格稼働・供給開始には至っておりません。今後は、実証プラントにおいて発生する課題に速やかに対処した上で実証プラントの試運転を完了し、本格稼働を開始することで、次世代バイオディーゼル燃料の継続的な供給とバイオジェット燃料による有償フライトを2020年9月期中に実現することを目指してまいります。

 

②バイオジェット・ディーゼル燃料製造商業プラントの製造・供給体制の構築

 当社グループは、実証プラントの竣工を機に「日本をバイオ燃料先進国にする」を合言葉とする『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』宣言を公表し、2025年までに商業プラントの建設を目指す方針を発表いたしました。商業プラントの建設の実現には、実証プラントの稼働データを取得・分析するとともに、プラントの立地選定・用地確保、バイオジェット・ディーゼル燃料原料の確保、プラントの設計・建設、プラント運転に要する人員・用役の確保、供給先や販売パートナーの確保等、様々な課題に取り組む必要があります。2019年9月期よりプラント立地候補地調査や事業パートナーの開拓等、商業プラント設計開始に向けた準備に着手しており、今後さらにフィージビリティ・スタディを進めることで、商業プラント建設に向けた計画を立案していく方針です。

③微細藻類ユーグレナのバイオ燃料用・飼料用原料としての利用可能性

 当社グループは、微細藻類ユーグレナのバイオ燃料用・飼料用原料としての利用可能性に関する研究開発を進めており、将来的な商業生産の実現を目指しております。商業生産の実現には、生産コストの更なる削減、大規模生産技術の確立、大規模生産の候補地調査と現地データ収集、ユーグレナの品種改良や用途に関する研究等、様々な課題に取り組む必要があります。2017年より三重県多気郡多気町の藻類エネルギー研究所においてバイオ燃料向け微細藻類の研究を進めているほか、2019年2月には株式会社デンソーとの間で微細藻類を活用した事業開発で包括的に提携する基本合意書を締結、2019年6月には伊藤忠商事株式会社との間でバイオ燃料用・飼料用ユーグレナの海外培養実証事業開始に向けた覚書を締結するなど、微細藻類の大規模・低コスト生産技術の確立を目指す研究開発活動とパートナーシップ構築を推進しております。今後も各方面の有力な研究機関との共同研究や事業会社とのパートナーシップを活かしながら、商業生産実現に向けたフィージビリティ・スタディ及び技術開発・実証を推進してまいります。

【用語解説】

※1:米国の材料試験協会(American Society for Testing and Materials)が定める国際的な工業材の技術規格・認証制度。バイオジェット燃料の国際的な技術規格としては、ASTMのD7566という技術規格が整備されており、当該規格にのっとって、各種の方法で製造されたバイオジェット燃料の試験・評価され、審査を通過した技術規格のみが国際的な認証を取得可能です。

※2:バイオフューエルズアイソコンバージョン(Biofuels IsoConversion)プロセス技術の略称。Chevron Lummus Global社及びARA社より当社にライセンスが付与されているバイオ燃料製造技術の一つです。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ヘルスケア事業

① 特定の外部委託先への依存について

 当社グループは、ユーグレナ粉末、クロレラ粉末等を加工した最終製品(食品)の製造については、加工委託先に業務委託しております。また、加水分解ユーグレナエキスを配合して製造した化粧品等の加工については日本コルマー株式会社1社に加工委託しております。このようなビジネスモデルを採用することにより、設備や生産のための人員といった固定費やラインの管理・立ち上げ等の費用の負担が少なく、営業活動と研究開発に経営資源を集中でき、外部環境の変化、技術革新等への機敏な対応をとれる等のメリットがあります。しかしながら、当社グループの業績に影響を及ぼす以下のリスクが考えられます。

A.特定の加工委託先(株式会社三協及びアピ株式会社)への依存について

 ユーグレナ粉末等を加工した最終製品(食品)の加工は、加工委託先である株式会社三協及びアピ株式会社に比較的依存する傾向にあります。

 当社グループでは、加工委託先の分散に努めておりますが、何らかの理由により、加工委託先における取引方針の変更、収益構造の悪化、供給能力の低下、品質問題の発生、事業活動の停止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

B.特定の加工委託先(日本コルマー株式会社)への依存について

 加水分解ユーグレナエキスを配合して製造した化粧品等の加工は、加工委託先である日本コルマー株式会社との間において取引基本契約を締結し、同社1社にすべて加工委託しております。何らかの理由により、同社における取引方針の変更、収益構造の悪化、供給能力の低下、品質問題の発生、事業活動の停止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製品の品質や安全性について

当社グループは、「人と地球を健康にする」という経営理念の実現に向けて全社一丸となって取り組んでおります。

ヘルスケア事業(食品)におきましては、各製品段階において、以下のとおり検査を実施し、品質と安全性の維持に取り組んでおります。

ユーグレナ粉末等については、基礎栄養成分、菌類、重金属等に関し当社子会社である八重山殖産株式会社における検査を実施するとともに、基礎栄養成分、菌類等に関し当社による検査(第三者分析機関への委託)を実施しております。また、製品別に検査項目が異なりますが、カプセル重量・長さ・錠剤硬度、菌類等に関し加工委託先における検査を実施しております。

ヘルスケア事業(化粧品)におきましては、当社は薬機法上の製造販売元ではありませんので製造販売責任を負ってはおりませんが、安全なユーグレナ粉末を提供すること、製品の規格適合を確認し記録を残すこと等により、品質と安全性の維持に取り組んでおります。

しかしながら、万一、製品の品質や安全性に問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制について

当社グループは、以下の法的規制の遵守を徹底しておりますが、予期しない法律又は規制の変更及び現行の法的規制における法令の解釈・適用によって新たな対策が必要になった場合には、当社グループの事業運営に支障をきたすことにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

A.特定商取引に関する法律

  事業者と消費者との間に生じるトラブルを事前に防止することを目的としております。

  訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引等、消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、消費者保護の観点から、それぞれ契約に伴う書面の交付、禁止行為、解約事項等を規定しております。例えば、通信販売について、a.広告に記載すべき事項、b.誇大広告の禁止、c.顧客の意に反して契約の申し込みをさせようとする行為の禁止等を定めます。また訪問販売について、a.事業者の氏名等の明示義務、b.所定の事項を記載した書面の交付義務、c.勧誘の際、または契約締結後、申し込みの撤回(契約の解除)を妨げるために、事実と違うことを告げる行為の禁止等を定めております。

B.不当景品類及び不当表示防止法(景表法)

  過大な景品や不当な表示をすることによる顧客の誘因を防止することにより、事業者の公正な競争を確保し、消費者の利益を保護することを目的としております。

  a.優良誤認行為(商品・サービスの品質などについて、実際よりも著しく優良又は有利であると見せかけて宣伝する行為等)、b.有利誤認行為(商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為等)、c.その他誤認されるおそれのある表示が不当表示として禁止されております。

C.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

  医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性、安全性の確保のために必要な規制を行い、保健衛生の向上を図ることを目的としております。

  医薬品には、その品質、有効性、安全性の確保のために承認・許可制度をはじめとした様々な規制があり、許可等がないままに「医薬品」に該当するものを販売等することは禁止されております。医薬品とは、「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されること、並びに身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされているものであって器械器具でないもの」とされており、医薬品と紛らわしい効能などの表示・広告を行うと薬機法に違反します。

D.健康増進法

  国民の健康の増進の総合的な推進に関して基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民健康の向上を図ることを目的としております。健康状態の改善又は維持の効果に関し、著しく事実に相違する又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない等を定めております。

E.食品衛生法

  飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的としております。公衆衛生に危害を及ぼすおそれのある虚偽又は誇大な表示又は広告の禁止等を定めております。

F.農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)

  JAS規格(日本農林規格)と食品表示(品質表示基準)を定め、一般消費者の商品選択に役立てるため、JASマークや品質表示基準に定める表示を付しております。

G.消費者契約法

  事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより、消費者の利益の擁護を図ることを目的としております。

  事業者が重要事項について事実と異なることを告げ(不実告知)、消費者が誤認した場合の取り消し、消費者が支払う損害賠償額の予定条項等の無効等を定めております。

 

④ 個人情報保護について

当社グループではインターネット販売を行う上で顧客情報を取得しているため、顧客情報が蓄積されております。また、当社グループでは一般消費者向け遺伝子検査サービス事業を展開していることから、更に顧客情報を取得、蓄積することとなります。当社グループでは、プライバシーマークを取得し、公益社団法人日本通信販売協会が定める「個人情報保護ガイドライン」及び個人情報保護規程に基づき個人情報取扱いに関し社内教育を徹底しておりますが、万一、個人情報が外部に漏洩した場合には、顧客からの信用失墜による売上高の減少や顧客に対する損害賠償による損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 競合について

 当社グループは、ヘルスケア事業(食品)において、ユーグレナという新しい食品を手がけており他の食品等と差別化を図っていく予定ですが、今後他社のユーグレナ食品や新規の競合品が現れた場合、これらの競合品との充分な差別化が図れない場合には、競争激化による販売価格の低下、販売数の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 健康食品に対する顧客の嗜好の変化について

健康食品は消費者の嗜好に影響を受けやすく、そのライフサイクルは比較的短い傾向にあります。当社グループでは今後も既存製品の販売、新製品の開発、製品応用分野の拡大を目指した事業展開を進める方針でありますが、既存製品が計画どおりに販売できなかった場合、新製品の開発が進まない場合や計画どおりに販売できなかった場合または製品応用分野の拡大ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ ユーグレナ粉末、クロレラ粉末等の生産コストの変動について

  ユーグレナ粉末、クロレラ粉末等は、台風や長雨等の天候不順等の自然環境による不作の影響や、季節による生育状況の違い、雑菌の混入等を考慮し、一定数量の在庫を保有しておりますが、その収穫量の変動が当社グループの予想を大幅に上回る場合には生産コストが変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ システム障害について

 当社グループは、特に自社製品の販売においてパソコンやコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに強く依存しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合、サイトへの急激なアクセス増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によりコンピュータシステムがダウンした場合、コンピュータウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 広告宣伝費、販売促進費の先行投資について

  当社グループは、自社製品の個人顧客への直接販売の拡大のため、広告宣伝費、販売促進費を積極的に投下しております。投下費用に対し、売上高が適切に増加しなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 企業買収について

  当社グループは、ヘルスケア事業の事業基盤拡大のため、企業買収を行っております。企業買収にあたっては、対象企業の財務内容等について詳細な事前審査を行い、リスクを把握したうえで決定しておりますが、事業環境等の変化等により、当初想定した効果が得られない場合には、のれんの減損損失の計上等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

  (2)エネルギー・環境事業

① 研究開発について

  当社グループは、ユーグレナを中心とした微細藻類の培養技術を軸に、バイオ燃料、二酸化炭素固定化、環境浄化など、様々な分野の事業開発へ向けた研究開発を行っております。

  これらの研究開発におきましては未だ実用段階には至っておりませんが、バイオ燃料開発を中心として、今後研究開発費が増加する可能性があります。

  多額の研究開発投資を行ったにもかかわらず、想定どおりに研究開発の結果が得られない場合や、バイオ燃料よりも有利な燃料が普及した場合には、当社グループの事業戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 設備投資について

  藻類由来油脂開発・生産設備への投資は、バイオ燃料の事業化へ向けて必要な設備投資ですが、設備の導入に向けた技術的・物理的な課題や、設備投資後の低コスト化にかかる技術開発課題が存在しているほか、追加の設備投資及び資金調達も必要となります。とりわけ、実証プラントが竣工したことは、国産バイオ燃料計画の大きな進捗であるとともに、これらの課題を克服できない場合には、当社グループの事業戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの操業について

 実証プラント稼働は、火災、爆発等の重大な事故や地震、台風などの自然災害による操業停止、設備破損、第三者への損害等が発生するリスクがあります。このような重大な事故が生じ、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等が発生し、多大な損害を被る他、復旧までの期間において操業を停止する必要があり、機会損失等が生じる可能性があります。当社グループは、可能かつ妥当な範囲において、事故、災害等に関する保険を付しておりますが、それによってもすべての損害を填補し得ない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (3)共通

① 特定の技術への依存について

 当社グループは、微細藻類ユーグレナの食品用途屋外大量培養技術をコア技術として事業を展開しておりますが、競合他社が同様の技術や他の安価な技術を開発し当社グループの技術が陳腐化した場合あるいは当社グループの技術改良の対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権について

 当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないように取り組んでおります。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合や認識していない権利がすでに成立している場合、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、当社グループが所有する商標権が、第三者より侵害された場合には当社グループのブランドイメージが低下する可能性があります。それらの場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外展開について

 当社グループは東アジアを中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進していく方針です。海外事業展開には、事業投資に伴う為替リスク、カントリーリスク、出資額又は出資額を超える損失が発生するリスク等を伴う可能性があり、計画どおりに事業展開ができない場合には、当社グループの事業戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ レピュテーションリスクについて

 当社グループは、製品の品質・安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループ及び当社グループを取り巻く環境や競合他社及び競合他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、消費者の評価に悪影響を与え、それにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 自然災害、事故、テロ、戦争等について

 当社グループが事業を行っている地域では、地震、台風等の自然災害の影響を受ける可能性があります。同様に火災等の事故災害、テロ、戦争等が発生した場合、当社グループの拠点の設備等に大きな被害を受け、その全部又は一部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 配当政策について

  当社は創業以来、株主に対する利益配当及び剰余金配当を実施しておりません。また、今後も当面は、企業体質の強化及び研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。

 株主への利益還元については、当社の重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ利益配当及び剰余金配当を検討する所存であります。

 

⑦ 新株予約権行使による株式価値希薄化について

 当社は新株予約権を発行しており、新株予約権が権利行使された場合には既存株主の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、2019年9月末時点における新株予約権による潜在株式数は4,971,500株であり、発行済株式総数92,928,322株の5.3%に相当しております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当社グループの主力事業であるヘルスケア業界は、高齢化社会の進展とともに、中高年齢層を中心とした健康維持・増進、美容・アンチエイジング、エイジングケアへの高い意識を背景に、特に通信販売を中心に市場規模を拡大しております。一方、エネルギー・環境業界においても、地球温暖化防止に向けた世界的な取組が広がる中、バイオ燃料をはじめとする再生可能エネルギーに対する需要が高まっております。このような事業環境のもと、当社グループでは、ヘルスケア製品の販売を積極的に推進するとともに、ユーグレナの食品としての新機能性解明、ユーグレナ等を利用したバイオ燃料の開発、ユーグレナの生産コストの低減に関連する研究開発等を行っております。

 当連結会計年度は、広告宣伝効率の見直しを図りながら定期顧客拡大に努め、売上高は13,967,671千円(前年同期比8.0%減)となりました。2018年10月に竣工した実証プラントの建設費用6,370,841千円を研究開発費として全額費用計上しており、営業損失は7,460,144千円(前連結会計年度は営業損失1,379,622千円)、経常損失は7,073,425千円(前連結会計年度は経常損失1,096,989千円)となり、子会社ののれん及び固定資産について減損損失2,383,625千円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は9,798,562千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,252,194千円)となりました。

 なお、当連結会計年度の各四半期の業績推移は以下のとおりです。

 

当第1四半期

連結会計期間

当第2四半期

連結会計期間

当第3四半期

連結会計期間

当第4四半期

連結会計期間

売上高   (千円)

3,431,718

3,487,407

3,526,338

3,522,207

営業損益 (千円)

△6,457,937

△65,955

△184,041

△752,209

経常損益 (千円)

△6,421,739

65,662

△2,692

△714,655

注)第4四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第3四半期の関連する四半期情報項目については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の数値を記載しております。

 

 セグメント別の状況については、以下のとおりです。

  (ヘルスケア事業)

 ヘルスケア事業の直販カテゴリーにおいては、自社のスキンケア化粧品ブランド「one」を中心に広告宣伝効率を高めることにより収益力の回復に努めてまいりました。

 また、2019年6月にデジタルマーケティングと商品開発力の強化を目的として、株式会社MEJを株式交換により完全子会社化しております。

 ヘルスケア事業の流通カテゴリーにおいては、2018年12月に大阪営業所を開設したほか、主力商品「ユーグレナの緑汁」のドラッグストア向け展開を開始するなど、販路拡大を進めております。

 ヘルスケア事業の研究開発に関しては、ユーグレナの食品としての機能性の解明を進めており、ユーグレナ粉末やユーグレナ特有の機能性成分であるパラミロン粉末を継続摂取することで、肝星細胞の活性化が抑えられ、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)肝臓の線維化が抑制されることを示唆する研究結果を公表いたしました。また、ユーグレナ粉末を継続的に摂取することにより、脳の神経細胞の増加に不可欠なたんぱく質である脳由来神経栄養因子の上昇、脳からの指令で身体が動く速度(認知機能速度・運動速度)の向上及び心の健康スコアの改善を示す研究結果を公表いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度は、セグメント売上高13,934,183千円(前年同期比8.1%減)、セグメント利益は648,823千円(前連結会計年度はセグメント損失13,110千円)となりました。

(エネルギー・環境事業)

 エネルギー・環境事業においては、バイオジェット・ディーゼル燃料開発を中心に研究開発活動を継続しております。

 2018年10月に実証プラントが竣工し、本格稼働に向けた準備を進めております。

 2019年2月に株式会社デンソーとの間で、微細藻類の培養技術開発や、バイオジェット・ディーゼル燃料への原料供給を目的として、微細藻類を活用した事業開発で包括的に提携する基本合意書を締結いたしました。

 2019年6月に伊藤忠商事株式会社との間で、火力発電所から排出される排ガスや排熱などを利用したバイオ燃料用・飼料用微細藻類ミドリムシの海外培養実証事業を開始する覚書を締結いたしました。

 また、経済産業省資源エネルギー庁の「微細藻類燃料生産実証事業費補助金」を活用し、多気クリスタルタウン(三重県多気郡多気町)において、燃料用微細藻類の大規模、低コスト生産技術の確立を目指す研究開発活動を実施いたしました。

 以上の結果、主にバイオジェット・ディーゼル燃料開発を目的とした研究開発活動により、セグメント売上高33,487千円(前年同期比123.2%増)、セグメント損失は7,226,713千円(前連結会計年度はセグメント損失485,478千円)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は17,199,448千円となり、前連結会計年度末と比較して4,638,166千円の減少となりました。これは主に、第7回新株予約権の行使に伴う新株発行により3,787,090千円の資金調達を実施した一方、実証プラントの竣工に伴い、建設費用6,370,841千円を研究開発費として全額費用計上したこと、減損損失の計上及び償却に伴いのれんが2,559,540千円減少したためであります。

 負債は、実証プラントに係る資産除去債務の計上等により、前連結会計年度末から432,279千円増加し、6,365,067千円となりました。

 純資産は、前連結会計年度末から5,070,445千円減少し、10,834,380千円となりました。この結果、自己資本比率は62.9%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から3,364,856千円増加し、7,791,799千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少271,735千円、法人税等の還付161,976千円等により、1,089,392千円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,331,734千円等により、1,436,200千円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入3,787,810千円、長期借入金の返済1,373,217千円等により、2,713,536千円の収入となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業    (千円)

3,429,059

87.6

エネルギー・環境事業 (千円)

0

合計(千円)

3,429,059

87.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

 当社グループは、健康食品、化粧品のOEM製品及びユーグレナ粉末等の原料粉末について受注生産を行っておりますが、原料粉末については需給動向を勘案し一部見込生産を行っており、受注生産と見込生産を明確に区別することが困難であることから、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業    (千円)

13,934,183

91.9

エネルギー・環境事業 (千円)

33,487

223.2

合計(千円)

13,967,671

92.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

経営成績の分析について、ヘルスケア事業の各販売チャネルに関する分析は次のとおりです。

(直販)

2018年9月期の直販売上高は10,740,327千円のところ、2019年9月期の直販売上高は9,893,087千円(前年同期比7.9%減)となりました。2019年9月期において、直販化粧品を成長ポテンシャル領域と位置づけて、広告宣伝費を重点的に投下いたしましたが、パフォーマンスが当初想定を達成するに至らず、前年同期比で減収となりました。

(流通)

2018年9月期の流通売上高は1,671,532千円のところ、2019年9月期の流通売上高は1,418,113千円(前年同期比15.2%減)となりました。2019年9月期において、ドラッグストア向けチャネルにおいて直販食品の主力商品である「ユーグレナの緑汁」を投入したほか、量販店・コンビニエンスストア向けチャネルにおいては飲料商品である「飲むユーグレナ」の拡販に注力いたしました。しかしながら、ドラッグストア向けチャネルでの販売の初動は好調に推移したものの、店頭における販売が想定どおりに進まず、量販店・コンビニエンスストア向けチャネルでの販売も伸び悩んだ結果、前年同期比で減収となりました。

(OEM・原料・海外)

2018年9月期のOEM・原料・海外売上高は2,279,443千円のところ、2019年9月期のOEM・原料・海外売上高は1,923,692千円(前年同期比15.6%減)となりました。OEM販売については、既存顧客のフォローアップに加えて、新規顧客開拓の再開や、素材ラインアップへのみどり麹の追加など、売上高の増加に努めてまいりました。しかしながら、当初想定よりも新規顧客獲得に時間を要したことを主因として、前年同期比で減収となりました。一方、海外については、上海ユーグレナのビジネスモデルを自社商品・OEMを中心とした展開から中国現地企業への原料販売にシフトしたことが奏功し、大口取引獲得によって設立以来初の通期での黒字を達成いたしました。

(その他)

2018年9月期のその他売上高は483,279千円のところ、2019年9月期のその他売上高は732,777千円(前年同期比51.6%増)となりました。バイオインフォマティクス事業がTV番組での露出獲得により売上高が急伸した他、竹富エビ養殖事業も安定的に黒字を維持しております。

以上の結果、当社グループの売上高については、2018年9月期は15,174,582千円のところ、2019年9月期は13,967,671千円(前年同期比8.0%減)となり、創業以来初の減収となりました。

 

またエネルギー・環境事業を含めた当社グループの売上原価並びに販売費及び一般管理費に関する分析は次のとおりです。

売上原価については、2018年9月期は4,220,296千円(売上原価率27.8%)のところ、2019年9月期は4,010,032千円(前年同期比5.0%減、売上原価率28.7%)となりました。全販路の合計売上高の中で、原価率が相対的に低い直販の売上高構成比が低下した影響で、売上原価率は前年同期比で微増いたしました。

販売費については、2018年9月期は8,324,701千円(対売上高比率54.9%)のところ、2019年9月期は6,622,972千円(前年同期比20.4%減、対売上高比率47.4%)となりました。直販については2018年9月期下期から広告宣伝費を抑制し、顧客獲得コストと顧客の生涯購買金額のバランスを精緻に評価して実施する方針としており、2019年9月期についても同方針を継続した結果、広告宣伝費の減少を主因として販売費も前年同期比で減少いたしました。

人件費については、2018年9月期は1,756,746千円のところ、2019年9月期は1,790,669千円(前年同期比1.9%増)となりました。人員計画は現状維持の方針とし、前年同期比で微増となりました。

管理費については、2018年9月期は1,627,979千円のところ、2019年9月期は1,578,929千円(前年同期比3.0%減)となりました。全社的にコストの見直しを実施し、前年同期比で減少となりました。

研究開発費については、2018年9月期は624,480千円のところ、2019年9月期は7,425,211千円(前年同期比1,089.0%増)となりました。実証プラントの建設費用6,370,841千円を2019年9月期に一括費用計上したため、前年同期比で大幅に増加いたしました。

 

営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失に関する状況の分析については「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

b. キャッシュ・フローの分析

 当社グループでは、ヘルスケア事業からの営業キャッシュ・フローによる収入を原資として、中長期的な成長が見込まれるエネルギー・環境事業に対する投資に資金を投下し、必要に応じて追加の資金を財務活動によって調達することをキャッシュ・フローの基本方針としております。

2019年9月期の詳細なキャッシュ・フローの内訳については「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。同期間における営業活動によるキャッシュ・フローは1,089,392千円の収入であり、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得等を要因として1,436,200千円の支出となっているものの、第7回新株予約権の発行等により財務活動によるキャッシュ・フローが2,713,536千円の収入となったことから、当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末から3,364,856千円増加し、7,791,799千円となっており、企業運営に必要となる十分な水準の資金を確保していると評価しております。

 

c. 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&A等の長期資金需要と運転資金需要です。このうち、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については「第3 設備の状況」に記載しております。M&Aについては中長期的成長を目的とした、ヘルスケア事業(特に機能性食品・化粧品等の直販及び卸売)における事業基盤の拡充やシナジー創出に資する企業及び事業ポートフォリオの拡大並びに新規領域進出に向けた事業基盤獲得に資する企業等を対象としたM&Aを円滑に推進するため、手元現預金の確保が必要となります。また、運転資金需要については、ヘルスケア事業における直販等の事業基盤の拡充に必要となる広告宣伝費や機能性研究・新規素材開発に必要となる研究開発費のための運転資金に加え、エネルギー・環境事業における実証プラントの運営に関する運転資金が必要となります。

 

d. 財政政策

当社グループでは資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案した上で、最適なタイミング、規模、手段を判断して資金調達を実施し、事業運営上必要な流動性と資金を長期安定的に確保することを基本方針としております。現在、当社グループは事業基盤の拡充や新規領域進出等に向けた将来的なM&A、研究開発投資等に必要な資金を内部留保しております。資金需要が発生した場合、自己資金でまかなうことを基本としつつ、必要に応じて金融機関からの借入金や資本市場からの調達等を含めた最適な手段を検討した上で資金調達を実施いたします。直近では、M&Aに必要となる成長資金を主な資金使途として、第7回新株予約権の行使に伴う新株発行により3,787,090千円の資金調達を実施いたしました。

当連結会計年度末の総資産は17,199,448千円となり、前連結会計年度末と比較して4,638,166千円の減少となりました。これは主に、上記の第7回新株予約権の行使に伴う新株発行によって資金調達を実施した一方で、実証プラントの竣工に伴い、建設費用6,370,841千円を研究開発費として全額費用計上したこと、減損損失の計上及び償却に伴いのれんが2,559,540千円減少したためであります。

負債は、実証プラントに係る資産除去債務の計上等により、前連結会計年度末から432,279千円増加し、6,365,067千円となりました。

純資産は、前連結会計年度末から利益剰余金の減少に伴って5,070,445千円減少し、10,834,380千円となりました。しかしながら、自己資本比率は62.9%と企業運営に必要となる健全な財政状態を維持していると評価しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 食品用ユーグレナ原料の優先購入等

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

伊藤忠商事株式会社

業務提携に関する覚書

ユーグレナ原料及びユーグレナ含有サプリメントの優先購入契約

2008年5月2日から下記「原料取引契約書」の終期まで

伊藤忠商事株式会社

原料取引契約書

食品利用ユーグレナ原料の取引基本契約

2009年3月27日から

2011年3月26日まで

(以後1年毎の自動更新)

伊藤忠商事株式会社

独占購入に関する覚書

食品利用ユーグレナ原料の独占購入・独占販売契約

2009年10月1日から

2012年9月30日まで(以後3年毎の自動更新)

 

(2) 加水分解ユーグレナエキス配合化粧品等に関する製造委託

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

日本コルマー株式会社

取引基本契約書

化粧品の研究・製造に関する取引基本契約

2008年10月1日から

2009年9月30日まで

(以後1年毎の自動更新)

 

(3) 共同研究

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

いすゞ自動車株式会社

共同研究契約書

微細藻類ユーグレナを原料としたディーゼル・エンジン向けのバイオ燃料による車輛走行の実現及び普及に向けた共同研究開発

2014年6月14日から

2021年3月31日まで

筑波大学

 

共同研究契約書

セルフメディケーション特別共同研究事業

2018年7月1日から

2021年3月31日まで

理化学研究所

 

融合的連携研究の実施に係る共同研究契約書

バトンゾーン研究推進プログラム

2018年4月1日から

2023年3月31日まで

 

(4)業務提携

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

武田コンシューマーヘルスケア株式会社

共同開発契約書

ユーグレナを配合する新たな製品の共同開発契約

2017年6月19日から

開発終了時まで

国際連合世界食糧計画

(WFP)

事業連携に関する覚書

緑豆栽培でのバングラデシュ農家の生計向上支援とロヒンギャ難民への食料支援

2019年1月15日から

2021年1月14日まで

株式会社デンソー

包括的提携に関する基本合意書

藻類関連事業に係る技術課題の解決に向けた包括的な提携

2019年2月1日から

2020年1月31日まで

伊藤忠商事株式会社

海外培養実証事業の協業に関する覚書

火力発電所から排出される排ガスや排熱などを利用したバイオ燃料用・飼料用微細藻類ミドリムシ(学名:ユーグレナ)の海外培養実証事業の相互協力

2019年6月13日から

2021年6月12日まで

 

 

(5)バイオ燃料精製設備に関する契約

契約先

契約名称

契約内容

契約期間

Chevron Lummus Global LLC

Technology License Agreement

バイオ燃料精製実証設備を建設するために必要なバイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術ライセンスの許諾に関するライセンス契約

2015年5月29日から

2030年5月28日まで

(以後5年毎の自動更新)

Chevron Lummus Global LLC

Services Agreement for Engineering Services

バイオ燃料精製実証設備を建設するために必要な設備の基本設計に関するエンジニアリング契約

2015年5月29日から

対象設備の稼働日から10年を経過する日まで

 

(6)当社は、2019年5月8日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、株式会社MEJを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、同日付で同社と株式交換契約を締結いたしました。なお、本株式交換は2019年6月1日付で予定どおり実施いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(7)当社は、2019年10月18日開催の取締役会において、2020年1月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の連結子会社である株式会社ユーグレナ・アートを吸収合併消滅会社として吸収合併することを決議し、2019年10月18日付で同社と合併契約を締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

5【研究開発活動】

(1) 商品開発戦略及び研究課題

当社グループの経営戦略は「バイオマスの5F」という考えに基づきます。その戦略を果たすため、「ユーグレナを中心とした藻類の培養技術の向上」、「ユーグレナを中心とした藻類を活用した製品、技術の開発」、「エネルギー・環境関連技術の開発」の3つを研究課題としております。

 

(2) 研究体制

当社グループでは、機能性解明を外部との共同研究により実現し、培養技術の向上、新製品開発、環境技術の開発等をグループ内にて研究する体制を構築しております。

① 社内における研究体制

研究開発活動に従事する専門部門として研究開発部を設置し、神奈川県横浜市鶴見区末広地区にあるリーディングベンチャープラザにある中央研究所と沖縄県石垣市の生産技術研究所にて研究を進めて、技術の実証を佐賀県佐賀市と三重県多気郡多気町において行っております。

 

② 社外との共同研究体制

当社グループ内にて実施している技術開発に加え、社外の大学、企業との連携を進めております。

a.公的研究機関との共同研究体制

大学をはじめとする公的研究機関が得意とする研究分野は公的研究機関に研究を依頼し、その知見を当社グループが集約し事業化を実施することで、単独では実現できない技術開発を実現しております。

b.企業との共同研究体制

事業化を実現するためにはバイオマスの原料生産や生産された原料の活用方法を独自で開発するだけではなく、実際に商品やサービスを供給するマーケットに近い企業と共同研究を実施することにより、出口を明確にした事業開発を目指しております。

 

(3) 当連結会計年度における各セグメント別の研究主要課題及び研究成果

当連結会計年度における各セグメント別の研究主要課題及び研究成果は次のとおりであります。なお、研究開発費の総額は7,425,211千円となっております。

① ユーグレナを中心とした藻類の培養技術の向上(共通)

「生産藻類の低コスト化」及び「培養技術の普遍化」を主な目的として、培養技術の向上を目指しております。藻類を生産することのコストを低下させることにより、既存の製品における原価を低減し、さらにはコストが障壁となっていた新たな製品カテゴリーへの参入を実現いたします。また、培養技術の普遍化を果たすことで現在では沖縄県の石垣島中心で実施している生産を世界中のあらゆる場所で実現することを目指しております。

 

② ユーグレナを中心とした藻類を活用した製品、技術の開発(ヘルスケア事業中心)

ユーグレナを中心とした藻類の機能性を解明することにより、顧客へ新しい価値提供を実現することを目指しております。当連結会計年度においては、ヒト脂肪組織由来幹細胞を用いた実験で、ユーグレナが脂肪滴の蓄積を抑制する効果を見出し、肥満予防に関与している可能性を示唆する内容の論文を公開いたしました。また、ユーグレナから加水分解により抽出したエキスが、皮膚の表皮細胞の増殖を促進し、皮膚のバリア機能を強化する可能性を見出しました。これまでに解明された知見と新規の機能性を解明し、高付加価値の新製品開発や現在は製品化されていない領域における利用技術の開発を継続することで、新たな市場参入の実現を目指しております。

 

③ エネルギー・環境関連技術の開発(エネルギー・環境事業)

当社グループでは、バイオ燃料の研究開発と藻類の培養過程において地球環境に貢献できる技術開発を進めております。

a.バイオ燃料

ユーグレナが体内にて生成される油脂の脂肪酸等は炭素数14をピークとして12~16の脂肪酸を多く含んでおり、特にジェット燃料としての利用可能性を研究しております。光合成を行う藻類は大気中の二酸化炭素を炭素源として増殖するため、藻類由来バイオ燃料は、化石燃料の代替として期待されております。当社グループでは、ユーグレナ株自体の品種改良、培養関連、回収・加工関連の各要素技術の開発を行い、早期の実用化を目指しております。また、当社グループが開発した世界初の、ユーグレナから作られたバイオディーゼルを使用したいすゞ自動車株式会社の藤沢工場シャトルバスの定期運行については4年以上の運行を行い、継続的に問題がないことを確認しております。

また、2020年までにバイオジェット燃料及びバイオディーゼル燃料を実用化する計画に向けて、2018年10月31日にバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントが竣工に至りました。今後は、実証プラントで、ユーグレナや廃食油を主原料としたバイオジェット・ディーゼル燃料の製造を行い、2020年9月期中に次世代バイオディーゼルの供給開始、及び2020年までにバイオジェット燃料による有償フライトを実現することを目指しております。

b.二酸化炭素吸収

当社グループは、火力発電所を有する民間企業との共同研究により、高濃度二酸化炭素を含む排出ガスを通気したユーグレナの二酸化炭素吸収能力の評価を行ってまいりました。また、経済産業省資源エネルギー庁「微細藻類燃料生産実証事業費補助金」を活用し、燃料用微細藻類培養プールを多気クリスタルタウン(所在地:三重県多気郡多気町)に建設し、燃料用微細藻類の大規模、低コスト生産技術の確立を目指して本補助事業における実証研究を進捗させております。また、伊藤忠商事株式会社と、火力発電所から排出される排ガスや排熱などを利用したバイオ燃料用・飼料用ユーグレナの海外培養実証事業を開始し、最初の培養実証の試験場所としてインドネシア共和国を選定いたしました。これらの取り組みを通じて、ユーグレナの二酸化炭素吸収技術を確立するとともに、低エネルギーで環境親和性の高い技術開発を継続しております。

c.環境浄化

当社グループは、佐賀市との共同研究等を通じて、水中の成分を取り込むユーグレナ等微細藻類の性質を活用した水を浄化する技術の確立を目指しております。

 

(4) 研究開発成果の特許化

当社グループは、研究開発活動における成果について、積極的に特許化に取り組んでおります。

保有している特許は、当連結会計年度末現在、国内41件、海外24件であり、また現在出願中の特許は国内40件、海外38件であります。