文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします」という経営理念のもと、専門的な知識を持たない生活者が、専門的な知識・経験を持つ供給者から一方的に情報を提供されている不利益を解消するため、私たちはこの情報格差を埋める役割を担う住生活エージェントとして、高度な知見をもとに公正な立場で商品やサービスを今後も開発・提供してまいります。
これを実現するためには、株主はもとより、お客様、お取引先、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築き、企業倫理とコンプライアンス遵守を徹底するとともに、企業活動を律する枠組みであるコーポレート・ガバナンスを一層強化し、企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループは、企業価値を高めるために、成長性・収益性の指標として、売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しております。また、株主に対する利益還元を経営の重要課題と認識し、将来の事業拡大と経営体質の強化に向けた成長投資に必要な内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。更に、健全なキャッシュ・フローの向上と財務体質の向上に努めてまいります。
少子高齢化により新築住宅着工件数の減少が予想されるなか、地盤事業の受注拡大による安定した収益確保と住宅市場における新たなサービス商品提供による成長が課題となっております。
地盤調査・解析サービスは安定した収益確保のための事業として認識しており、受注拡大が必要と考えております。災害や不同沈下による地盤事故ゼロを目指した、ビッグデータの「地盤安心マップ」、全自動地盤調査機「iGP」によるSWS調査、微動探査機「地震eye」による地盤の揺れやすさを調査する微動探査調査の3つの調査と過去の沈下事故の検証結果も取り入れた解析技術が当社の優位性であり、これらのサービス商品と既存顧客のCS向上、新たなサービス商品の提供による営業強化により、当社のサービスをより積極的に利用いただき、シェア拡大を図る事で安定した収益確保に取り組んでまいります。
今後の住宅市場においては、既存(中古)住宅・空き家市場の拡大が予想されます。微動探査機による既存住宅の地盤調査および建物耐震調査「デジタル耐震チェック」と既存住宅の不同沈下事故を10年間補償する「既存住宅補償」、耐震リフォーム「地盤適合耐震リフォーム」は、今後の既存住宅・空き家市場において成長が見込まれるサービス商品として販売強化に取り組んでまいります。
当社の顧客である工務店は住宅市場において競合他社との差別化を図り受注率を上げる事が重要であり、当社の顧客である工務店の受注拡大が当社の地盤調査・解析サービスの拡大につながると認識しております。ベトナム・ダナンにおいて、BIM図面の設計、パース・ウォークスルー動画、VRの作成を受託するサービスを開始し顧客である工務店へ提供することで受注率を上げていただき当社の地盤調査・解析サービスの拡大に取り組んでまいります。日本の住宅業界においてはBIMオペレーターが少ないという現状をふまえ、当社がベトナム・ダナンにおいてBIM技術者の採用・教育により、BIM関連のサービスを拡大する事は今後の住宅業界における新たなサービス商品として拡大するものと考えており積極的に取り組んでまいります。
※BIM:Building Information Modeling コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム
2018年に事業を譲り受けた住宅設計・販売・施工事業、リフォーム事業の住宅関連サービスは収益確保と受注拡大が課題となっております。住宅設計施工の知見と技術は地盤調査解析における耐震調査・耐震設計の技術的サポート等、地盤と住宅の相乗効果を生み出しましたが、3つの地盤調査と地盤特性を考慮した建築計画による「地盤適合耐震住宅」の拡大には至っておりません。災害大国日本おける地盤特性を考慮した建築計画の重要性を発信し続ける事に加え、「地盤適合耐震住宅」の認知度向上のための取組も実施してまいります。
当社グループの成長のためには、経営体制の強化と社員の能力向上が重要な課題と認識しております。また、新型コロナウイルス感染症により「新しい働き方のスタイル」が求められております。
経営体制の強化においては、経営計画・戦略に基づく精度の高い事業計画を策定し進捗管理を行う体制を整えることで着実に事業を拡大し成長できる体制を整えてまいります。「新しい働き方のスタイル」における働き方は、社員一人一人の行動力および自己管理能力向上と社員の成果を見える化し評価する事が重要であると考え、社員研修の充実と評価基準の見直および評価者訓練を実施し、社員の能力を向上させることで事業計画達成による会社の成長に取り組んでまいります。また、「新しい働き方のスタイル」におけるテレワーク環境の充実にも取り組み、より働きやすい会社を目指してまいります。
2015年9月に国連本部において採択された2030年までに達成を目指す国際目標であるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への取組は、企業の社会的責任として取り組むべきものと認識しております。当社グループにおいては、「住みつづけられるまちづくりを」「気候変動に具体的な対策を」の二つを取り組むべき目標として掲げ、今後の事業活動において具体的に取り組む体制を整備してまいります。
当社は、第10期(2018年3月期)内部統制報告において開示すべき重要な不備が指摘されて以降、内部統制システム体制の再構築を着実に進めてまいりました。引き続き、内部統制システムの整備向上と適切な運用に努め、業務の効率性・有効性、法令等遵守(コンプライアンス遵守)、財務報告の信頼性、資産の保全を確保してまいります。
内部統制システムは、当社グループが持続的に成長・発展するための仕組みであり、その体制強化はステークホルダーに信頼される企業に繋がるもの、すなわちコーポレート・ガバナンス強化においても最重要であると認識して取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの事業に関するリスク
① 特定事業への依存によるリスク
当社グループは地盤解析サービスを核として事業を展開しております。今後は新たな柱となる事業を育成し、収益力の分散を図ることも検討しておりますが、事業環境の激変、競争の激化、新規参入企業による類似するサービスの出現等により、地盤解析サービスが縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構との関係上のリスク
当社グループは、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構を当社と連名での地盤品質証明書の発行主体とし、保険契約上の連名被保険者とする提携関係を結ぶことにより、事故対応等の総合的なリスクマネジメント体制を構築しております。当社グループは一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構の一般社団法人法に定める社員であり、当面関係性に変化が生じる可能性は低いものの、何らかの原因により、提携先との関係が変化するようなことがあれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合によるリスク
地盤調査の実質全戸義務化は、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」が施行された2009年10月以降のことであり、地盤調査・改良工事、地盤保証業界はまだまだ玉石混交の状態にあります。その中で当社グループの成長は、既存の競合企業との競争激化を生み出すことになりますが、「地盤セカンドオピニオン」を持つ当社グループの優位性が保てなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 個人情報管理によるリスク
当社グループはサービス提供にあたり、顧客、施主等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 地盤解析サービスの瑕疵によるリスク
当社グループは、地盤調査データから、国土交通省令をはじめとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づき、地盤解析を実施し、適正な住宅基礎仕様を判定しております。しかしながら、確認した地盤調査データについて、現在の調査技術においても予見できない原因や過失による地盤解析ミス等により不同沈下等が多数発生した場合には、当社グループの信用失墜や保険料率高騰等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 損害保険会社との契約について
当社グループはあいおいニッセイ同和損害保険株式会社との間で損害保険契約を締結しております。当該保険契約は、当社グループが地盤解析を行い地盤品質証明書を発行した戸建住宅において、不同沈下等による地盤事故が発生した場合、引渡日より10年間もしくは20年間、最大5,000万円の地盤修復工事費用等を補填するものであります。しかし、将来においても同等の条件での保険加入が継続できるか、あるいは賠償請求を受けた場合に十分に地盤補修費用が補填されるかについては保証できません。また現状、当該保険契約はあいおいニッセイ同和損害保険株式会社のみとの契約となっております。
今後は事業の拡大に伴い契約社数を拡大する等、リスクの分散をしていきたいと考えておりますが、当社グループ及び損害保険会社を取り巻く環境の変化等により当該保険契約の継続が困難となった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 補償リスクの自家保有
当社グループは、地震を起因として発生した地盤変動による不同沈下等による地盤事故が発生した場合、引渡日より10年間、最大500万円の地盤修復工事費用等を補填する地盤品質証明書を発行しており、これに関わる損害保険契約を元引受保険会社と締結しております。連結ベースで効率的にリスクを自家保有するため再保険会社である当社100%子会社のJibannet Reinsurance Inc.(米国ハワイ州)が元引受保険会社より出再を受けております。また、当社100%子会社のJibannet Reinsurance Inc.(米国ハワイ州)のリスクを軽減するためにPeak Reinsurance Co.,Ltd.及びTaiping Reinsurance Co.,Ltd.に出再しております。自家保有コストを最小化するため、地盤事故を発生させない地盤解析技術の向上に努めておりますが、地盤事故が発生した場合、キャプティブスキームが変更となった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 債権の未回収リスク
当社グループの売上債権の総資産に占める割合は当連結会計年度末で18.9%となっております。取引先の資金繰り状況等により売掛債権の延滞が発生し貸倒引当金の積み増しを行うこととなった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 不動産市況等の影響について
当社グループの事業は、個人の所有する不動産に関連する事業であることから、不動産市況、住宅関連税制、住宅ローン金利水準等による購買者の需要動向並びに建築資材等の原材料の価格動向等に影響を受けております。
⑩ 新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化した場合には、企業収益の低下による雇用環境の悪化などから、消費者マインドに下押しの圧力がかかることが予想されます。その場合、新築住宅着工戸数の減少による地盤関連市場規模の縮小および新築・リフォーム受注件数の減少等のリスクが発生し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業環境等に関するリスク
① 事業環境に関するリスク
当社グループが提供するサービスは、地盤業界(広くは住宅業界)に属しておりますが、我が国の人口・世帯数は減少局面に入っており、今後も新築住宅着工件数は緩やかに減少していくものと考えられます。そのため、国内の新築住宅着工件数の減少による競争激化や地盤関連市場の縮小は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 地盤解析業務に係わる法的規制
地盤解析業務というサービスは法的に規定されたものではなく、将来、何かしらの理由により、地盤解析業務というサービス自体に法的な規制が設けられた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 戸建住宅等の地盤解析基準(地耐力に応じた基礎仕様)が明確なものとなった場合のリスク
当社グループの地盤解析基準は、国土交通省令を始めとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づいておりますが、将来、何かしらの理由により、戸建住宅等の地盤解析基準が明確なものとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)に関するリスク
当社グループは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づいて、地盤解析サービスを行っておりますが、将来、何かしらの理由により、法律の条文や解釈の変更があり、当社グループの地盤品質証明の意義が薄れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 住宅関連サービスに係わる法的規制
住宅関連サービスは、特定建設業者として建設業法第3条第1項に基づく東京都知事の許可(許可番号 東京都知事許可(特-30)第149067号)を受け建築工事業、屋根工事業、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業、鋼構築物工事業を行うと共に、建築士法第23条第1項に基づく東京都知事の登録(地盤ネット株式会社一級建築士事務所 登録番号 東京都知事登録 第62658号)を受けて一級建築士事務所の運営をしております。また、宅地建物取引業法に基づく国土交通省からの宅地建物取引業免許(東京都知事(1)第102861号)を受けております。
⑥ 許認可等の期限について
a.特定建設業許可の有効期限は、2018年7月20日から2023年7月19日までとなっております。
b.一級建築士事務所登録の有効期限は、2018年9月1日から2023年8月31日までとなっております。
c.宅地建物取引業免許の有効期限は、2018年12月22日から2023年12月21日までとなっております。
⑦ 許認可等の取消事由について
a.特定建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。
b.一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。
c.宅地建物取引業免許の取消事由は、宅地建物取引業法第66条に定められております。
⑧ 許認可等に係る事業活動への影響について
住宅関連サービスの事業継続には前述のとおり、特定建設業許可・一級建築士事務所登録・宅地建物取引業免許が必要でありますが、現時点において、当社グループはこれらの許認可等の取消又は更新欠落の事由に該当する事実はないものと認識しております。しかしながら、将来、何かしらの理由により許認可等の取消等があった場合には、住宅関連サービスの事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。
(3) 組織体制に関するリスク
① 少人数での組織運営上のリスク
当社グループは、少人数の組織体制を志向しております。事業の拡大と合わせ、今後、積極的に優秀な人材、特に経験豊富な営業人材及び地盤解析能力の高い人材を確保していき、組織体制をより安定させることに努めてまいりますが、計画通りに人材の確保が出来ない場合や、事業の中核をなす従業員に不測の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、監査役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、当連結会計年度末日現在における新株予約権による潜在株式数は、52,962株であり、発行済株式総数の0.229%に相当しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国の経済状況は、自然災害や消費税増税の影響による景況感が下振れする一方で、雇用環境の改善や堅調な企業業績に支えられ緩やかな回復基調にありましたが、年明け以降に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、外出制限及び店舗休業等により消費が減退する等、先行き不透明な状況となっております。
当社グループの主要な事業領域である国内の住宅市場においては、当連結会計年度における新築住宅着工戸数の総数は883,687戸(前年同期比7.3%減)となりました。持家では消費税増税前の駆け込み需要により、2019年7月までは前年同期比においても増加傾向で推移していたものの、貸家の着工総数は当連結会計年度で334,509戸(前年同期比14.2%減)と大きく減少し、未だに低迷が続いております。
これらの環境において、当社グループは住生活エージェントとして、“生活者の不利益解消”という使命のもと、お客様の視点に立ったサービスを提供すべく事業推進し、災害から生活者の安心・安全と住宅を守るために、1.不同沈下事故ゼロ 2.豪雨事故ゼロ 3.震災事故ゼロを目的とした「3ZERO(スリーゼロ)計画」を発表し、活動を行っております。
商品・サービスの面においては、従来の地盤関連サービスに加え、前期に事業を譲り受けた、住宅設計・販売・施工事業、リフォーム事業、宅地建物取引業免許の取得に伴う不動産事業を成長させるために、地盤会社の強みを活かした、地盤適合耐震住宅(新築)、地盤適合耐震リフォーム(改修)、ジバングー不動産(住み替え)の普及に努めると同時に、住宅設計施工の知見と技術を地盤調査解析において活かす事により、誰もが安心して「人生100年」時代を過ごせる住まいづくりの提案に引き続き取り組んでおります。
また、国内のみならず、アジアや世界での「安全ないい地盤」の場所について、創業以来、世界の情報を収集し、地震発生や水害が少ない都市であるベトナムのダナンへ2016年に進出し、ダナンBCPOセンターを設立いたしました。ダナンはIT人材の育成に力を入れているスマートシティであり、ここでは、BCPとBPO体制の構築を行うと同時に、住宅建築分野のアウトソーシング業務を担える人材を地元の大学と連携し活用しております。特に日本においてはまだ使い手の少ないBIMの技術者登用を積極的に採用しており、これまでのノウハウや人材を活かし、住宅関連の企業様向けにダナンでBIMの教育事業も開始しております。他にも、地盤調査・地盤改良工事報告書の作成や住宅用CAD、BIM図面の設計、パース・ウォークスルー動画の作成などを、アウトソーシングとして引き受けるサービスの推進にも注力して取り組んでおります。
※BIM:Building Information Modeling コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は1,662,724千円となり、前連結会計年度末に比べ120,042千円減少いたしました。流動資産は1,470,794千円となり、前連結会計年度末に比べ34,690千円減少いたしました。これは主に、有価証券が251,590千円増加、前払費用が40,163千円増加に対し、現金及び預金が269,396千円減少、台風第19号での浸水被害の影響もあり商品が61,051千円減少したことによるものであります。固定資産は191,929千円となり、前連結会計年度末に比べ85,351千円減少いたしました。これは主に、長期貸付金が47,057千円増加、ソフトウエアが30,265千円減少、のれんが償却及び減損損失計上により78,194千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は361,360千円となり、前連結会計年度末に比べ37,807千円増加いたしました。流動負債は348,024千円となり、前連結会計年度末に比べ40,421千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が外国子会社合算税制改正の影響もあり19,046千円増加、未払金17,637千円増加、「その他」に含まれる未払消費税が37,874千円増加、買掛金が11,083千円減少、未成工事受入金が16,021千円減少したことによるものであります。固定負債は13,336千円となり、前連結会計年度末に比べ2,613千円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は1,301,363千円となり、前連結会計年度末に比べ157,849千円減少いたしました。これは主に、配当に伴う利益剰余金の減少45,599千円、親会社株主に帰属する当期純損失108,052千円の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高2,398,144千円(前年同期比2.3%減)となりました。なお、当社グループは、地盤解析を主な事業とする単一セグメントで事業活動を営んでおります。サービス別の売上高は以下のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税は含まれておりません。
営業利益は、積極的な経費見直しにより販売費及び一般管理費を前年同期に比べ147,239千円削減した結果、38,595千円(前年同期比8.4%増)となりました。
経常利益は、Jibannet Reinsurance Inc.が2019年10月より保有する投資信託の配当金により1,644千円を受取配当金として計上し、助成金収入1,000千円、受取保険金1,042千円を加え、6,907千円の営業外収益を計上した結果、44,958千円(前年同期比29.9%増)となりました。
特別損益以下では、台風第19号での浸水被害に伴う災害による損失40,853千円に加え、事務所移転に伴う固定資産除却損14,305千円、リース解約損543千円、住宅関連サービスの減損損失79,465千円を計上したことにより特別損失を135,168千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失108,052千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益17,210千円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ269,396千円減少し、473,011千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は88,598千円(前年同期162,297千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失89,910千円、減価償却費49,334千円、のれんの償却額19,940千円、減損損失79,465千円、災害による損失40,853千円、前払費用の増加52,990千円、未払消費税の増加37,874千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は307,972千円(前年同期128,586千円の使用)となりました。これは主に有価証券の取得による支出256,543千円、貸付けによる支出51,500千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は49,532千円(前年同期1,840千円の使用)となりました。これは主に配当金の支払45,387千円とリース債務の返済による支出4,145千円によるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しており、2019年5月15日に開示いたしました期初計画では、
・売上高伸び率 14.0%
・売上高営業利益率 3.6%
を想定しておりました。
当連結会計年度の期初計画と実績の比較は、以下のとおりであります。
(重要な指標 期初計画比)
(サービス別売上高 期初計画比)
売上高伸び率は期初計画に対し、マイナス16.3ポイントとなりました。地盤解析・調査サービスは、新築住宅着工戸数の減少トレンドの影響を受けており、期初想定を下回る結果となったこと、部分転圧工事サービス等では、台風第19号の浸水被害により販売用調査機械が滅失したことによる機会ロスの発生や新型コロナウイルス感染症の影響により予定していた調査機械の販売が翌期に後倒しになり、期初計画に対し△25,876千円となったこと、住宅関連サービスでは、上期は概ね計画とおりに推移していたものの、営業のキーマンが退職したことで下期計画と実績の乖離が大きくなり、期初計画に対し△215,138千円となったことが主な要因になります。
売上高営業利益率は期初計画に対し、マイナス2.0ポイントとなりました。これは、期初計画に対し売上高が減少したことにより、売上総利益が減少し、その結果、営業利益も減少したことが主な要因になります。
当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
当連結会計年度は、税金等調整前当期純損失89,910千円を計上しておりますが、災害による損失40,853千円や減損損失79,465千円等による特別損失135,168千円を計上したことによるものであり、その殆どが非資金費用であるため、営業活動によるキャッシュ・フローは88,598千円獲得出来ております。
その他の当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は営業活動に伴う費用であり、この資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金を源泉としております。当社グループの持続的な成長と企業価値向上を目的とした投資資金需要が生じた場合は、内部資金に加え、金融機関からの借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施することとしております。なお、金融機関には十分な借入枠を有しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難な状況にありますが、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、新型コロナウイルス感染症の影響は概ね年内まで続くとの仮定を置き、当連結会計年度の固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
a.固定資産の減損
当社は、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(1) 保険契約
① 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と生産物賠償責任保険(PL保険)契約を締結し、地盤品質証明を行った建物が不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。
② 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と生産物賠償責任保険追加特約を締結し、地盤品質証明を行った建物が地盤を起因とする液状化を含む地盤変動等により不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。
③ 当社の連結子会社であるJibannet Reinsurance Inc.は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と上記②の生産物賠償責任保険追加特約について再保険契約を締結し、当該追加特約に基づいてあいおいニッセイ同和損害保険株式会社が負担した保険金に応じた再保険を引き受けております。
④ 当社の連結子会社であるJibannet Reinsurance Inc.は、上記③の再保険契約について、Peak Reinsurance Co.,Ltd.及びTaiping Reinsurance Co.,Ltd.と再保険契約を締結しております。
(2) 地盤品質証明書発行に関する覚書
当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構を当社と連名での地盤品質証明書の発行主体とし、保険契約上の連名被保険者とする覚書を締結し、事故対応等の総合的なリスクマネジメント体制を構築しております。
該当事項はありません。