第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします」という経営理念の下、専門的な知識を持たない生活者が、専門的な知識・経験を持つ供給者から一方的に情報を提供されている不利益を解消するため、私たちはこの情報格差を埋める役割を担う住生活エージェントとして、高度な知見をもとに公正な立場で商品やサービスを今後も開発・提供してまいります。

これを実現するためには、株主はもとより、お客様、お取引先、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築き、企業倫理とコンプライアンス遵守を徹底するとともに、企業活動を律する枠組みであるコーポレート・ガバナンスを一層強化し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、企業価値を高めるために、成長性・収益性の指標として、売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しております。また、経営指標としてROE(自己資本利益率)を採用し、株主資本コストを意識した経営により企業価値の向上に努めてまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

2008年の創業以来、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします」という経営理念の下、地盤改良工事を行わない地盤解析専門会社として、地盤セカンドオピニオン®から事業をスタートし、住宅事業者へ地盤調査・地盤解析サービスの提供を行ってまいりました。また、地盤情報を見える化した、地盤安心マップ®、地盤カルテ®の提供や新築住宅の設計施工及びリフォーム施工といった個人のお客様へのサービスも展開してまいりました。

創業から2015年頃までは、売上・利益も順調に伸びておりましたが、近年では競合他社の影響による平均販売単価の下落により売上・利益が減少し事業が低迷しております。

今後、国内住宅市場は、少子高齢化により緩やかに縮小していくことが予想されます。当社の継続的な事業発展のためには、高付加価値のサービスの提供と新たな事業の展開、これらを遂行するための組織体制の強化が必要であると考えております。

 

従来、戸建住宅事業者との取引は、仕入・建築部署を窓口とした地盤関連サービスのみでありましたが、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供開始により、新たに設計・販売部署との取引が生まれたことで一社あたりの取引量が拡大するとともに、戸建住宅事業者だけではなく、不動産ディベロッパー等、これまでは取引ができなかった事業者との取引も始まっております。

当社グループがマーケットとしていた戸建住宅領域から、マーケットを再定義し、新たな領域における取引先開拓が課題と認識しております。

 

新築住宅建築において、地盤調査は法的に義務付けられている為、戸建住宅事業者は必要性を認識しておりますが、個人のお客様(施主様)には、地盤調査の価値や必要性をまだ十分に認識していただけているとは言えません。

当社グループが個人のお客様向けに提供している「地盤カルテ®PLUS」及び「地盤セカンドオピニオン®ForYOU」は、地盤の良し悪しを判断するための解析結果のみを提供するサービスであったため、解析結果に対して当社グループがどう関わっていくかが課題でしたが、当社グループの地盤解析技術及び業務品質の高さを証明する地盤品質証明書の発行と不同沈下の際の補償が行えるサービスの開発に取り組み、新サービス「The Future 10」を4月1日に開始できる準備を整えました。付加価値の高いサービスを個人のお客様と直接取引をすることで、新たに個人取引市場の拡大と販売単価の改善に取り組む事が可能となりました。

個人のお客様に地盤調査の価値や必要性を認識して頂くための普及活動への取り組み、新サービス拡大のためのPR・販売方法が課題と認識しております。

 

現在、当社グループが提供しているBIMサービスは、3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRを活用したプレゼンテーションの分野に留まっており、本来、設計から竣工後のファシリティマネジメントまで可能としているBIMの一部分のみとなっております。当社グループの事業拡大のためには、大型物件の意匠設計、構造設計といったレベルの高いBIMサービスを提供し、戸建住宅市場にとどまらず、ビル・商業施設等の非住宅建築の市場へ拡大していくことが必要であり、それらを実現するためには、BIMに関する研究開発の継続、日本およびベトナム・ダナンBCPOセンターにおけるオペレーターの確保と養成が課題と認識しております。

 

従来の地盤調査・解析では予見困難な自然災害が近年多発しており、各種災害へのリスク対応が課題と認識しております。見えない地盤の中をどう見える化するか、自然災害リスクをどう解析に反映させるか、地盤情報を見える化した地盤安心マップ®PROと気象・自然災害データの取り込みのための研究開発、解析技術・品質向上のためのマニュアルのアップデートを行ってまいります。

 

当社グループの持続的な事業発展と企業価値向上には上記課題へ取り組みが必要ですが、経営体制・組織体制において、現状、十分な体制が整っておりません。ガバナンス強化と同時に、従業員の能力や知識を高め人材価値を最大限に引き出すことで企業の価値向上を目指す「人的資本経営」に取り組む事が必要であると認識しております。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業に関するリスク

① 特定事業への依存によるリスク

当社グループは地盤解析サービスを核として事業を展開しております。今後は新たな柱となる事業を育成し、収益力の分散を図ることも検討しておりますが、事業環境の激変、競争の激化、新規参入企業による類似するサービスの出現等により、地盤解析サービスが縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合によるリスク

少子高齢化による国内の住宅市場における新設住宅着工戸数の減少により、地盤関連の市場規模の縮小が予想されます。その中で当社グループは、新たなサービスを提供し競合他社との差別化を行い、シェア拡大を図っておりますが、類似するサービスの出現等により、当社グループの提供するサービスの優位性が保てなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  

③ 個人情報管理によるリスク

当社グループはサービス提供にあたり、顧客、施主等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 地盤解析サービスの瑕疵によるリスク

当社グループは、地盤調査データから、国土交通省令をはじめとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づき、地盤解析を実施し、適正な住宅基礎仕様を判定しております。しかしながら、確認した地盤調査データについて、現在の調査技術においても予見できない原因や過失による地盤解析ミス等により不同沈下等が多数発生した場合には、当社グループの信用失墜や保険料率高騰等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 損害保険会社との契約について

当社グループが地盤品質証明書を発行した住宅において、万が一、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、当該住宅の引渡日から10年間もしくは20年間、地盤修復工事費用及び住宅の損害等を当社グループが工務店等に対し賠償します。当社グループは損害賠償金の支払いに備え大手保険会社との間で損害保険契約を締結しております。しかし、将来においても同等の条件での保険加入が継続できるか、あるいは賠償請求を受けた場合に十分に地盤補修費用が補填されるかについては保証できません。

今後は事業の拡大に伴い契約社数を拡大する等、リスクの分散をしていきたいと考えておりますが、当社グループ及び損害保険会社を取り巻く環境の変化等により当該保険契約の継続が困難となった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ 補償リスクの自家保有

当社グループは、地震を起因として発生した地盤変動による不同沈下等による地盤事故が発生した場合、引渡日より10年間、最大500万円の地盤修復工事費用等を補填する追加特約を付した地盤品質証明書を発行しており、これに関わる損害保険契約を元引受保険会社と締結しておりました。また、連結ベースで効率的にリスクを自家保有するため再保険会社である当社連結子会社のJibannet Reinsurance Inc.が元引受保険会社より出再を受け、さらに、当社連結子会社のJibannet Reinsurance Inc.のリスクを軽減するためにPeak Reinsurance Co.,Ltd.及びTaiping Reinsurance Co.,Ltd.に出再しておりました(以下、キャプティブスキームとする)。

しかしながら、追加特約に係る事故は過去一度も発生しておらず、また、保険料の高騰もあり、自家保有リスクと保険料等のコストを検討した結果、当連結会計年度においてキャプティブスキームに関連する保険契約は更新せず、期間満了で終了しております。

これに伴い、外部専門家から入手している地震リスク分析に基づく期待損失を損害補償引当金として計上しておりますが、地震リスクの変動があった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 債権の未回収リスク

当社グループの売上債権の総資産に占める割合は当連結会計年度末で16.9%となっております。取引先の資金繰り状況等により売掛債権の延滞が発生し貸倒引当金の積み増しを行うこととなった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 不動産市況等の影響について

当社グループの事業は、個人の所有する不動産に関連する事業であることから、不動産市況、住宅関連税制、住宅ローン金利水準等による購買者の需要動向並びに建築資材等の原材料の価格動向等に影響を受けております。

 

⑨ 新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化した場合には、企業収益の低下による雇用環境の悪化などから、消費者マインドに下押しの圧力がかかることが予想されます。その場合、新設住宅着工戸数の減少による地盤関連市場規模の縮小および新築・リフォーム受注件数の減少等のリスクが発生し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業環境等に関するリスク

① 事業環境に関するリスク

当社グループが提供するサービスは、地盤業界(広くは住宅業界)に属しておりますが、我が国の人口・世帯数は減少局面に入っており、今後も新設住宅着工戸数は緩やかに減少していくものと考えられます。そのため、国内の新設住宅着工戸数の減少による競争激化や地盤関連市場の縮小は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 地盤解析業務に係わる法的規制

地盤解析業務というサービスは法的に規定されたものではなく、将来、何かしらの理由により、地盤解析業務というサービス自体に法的な規制が設けられた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 戸建住宅等の地盤解析基準(地耐力に応じた基礎仕様)が明確なものとなった場合のリスク

当社グループの地盤解析基準は、国土交通省令を始めとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づいておりますが、将来、何かしらの理由により、戸建住宅等の地盤解析基準が明確なものとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)に関するリスク

当社グループは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づいて、地盤解析サービスを行っておりますが、将来、何かしらの理由により、法律の条文や解釈の変更があり、当社グループの地盤品質証明の意義が薄れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 住宅関連サービスに係わる法的規制

住宅関連サービスは、特定建設業者として建設業法第3条第1項に基づく東京都知事の許可(許可番号 東京都知事許可(特-30)第149067号)を受け建築工事業、屋根工事業、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業、鋼構築物工事業を行うと共に、建築士法第23条第1項に基づく東京都知事の登録(地盤ネット株式会社一級建築士事務所 登録番号 東京都知事登録 第62658号)を受けて一級建築士事務所の運営をしております。また、宅地建物取引業法に基づく国土交通省からの宅地建物取引業免許(東京都知事(1)第102861号)を受けております。

 

⑥ 許認可等の期限について

a.特定建設業許可の有効期限は、2018年7月20日から2023年7月19日までとなっております。

b.一級建築士事務所登録の有効期限は、2018年9月1日から2023年8月31日までとなっております。

c.宅地建物取引業免許の有効期限は、2018年12月22日から2023年12月21日までとなっております。

 

⑦ 許認可等の取消事由について

a.特定建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。

b.一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。

c.宅地建物取引業免許の取消事由は、宅地建物取引業法第66条に定められております。

 

⑧ 許認可等に係る事業活動への影響について

住宅関連サービスの事業継続には前述のとおり、特定建設業許可・一級建築士事務所登録・宅地建物取引業免許が必要でありますが、現時点において、当社グループはこれらの許認可等の取消又は更新欠落の事由に該当する事実はないものと認識しております。しかしながら、将来、何かしらの理由により許認可等の取消等があった場合には、住宅関連サービスの事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

少人数での組織運営上のリスク

当社グループは、少人数の組織体制を志向しております。事業の拡大と合わせ、今後、積極的に優秀な人材、特に経験豊富な営業人材及び地盤解析能力の高い人材を確保していき、組織体制をより安定させることに努めてまいりますが、計画通りに人材の確保が出来ない場合や、事業の中核をなす従業員に不測の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により依然として厳しい状況が続いておりましたが、ワクチン接種の普及や政府・自治体の諸施策等により、経済社会活動は緩やかながら正常化に向かう兆しもみられました。しかしながら、ウッドショックによる建築資材の高騰、世界的な資源価格の高騰、ウクライナ情勢の緊迫化等が、国内外の様々な活動に大きな影響を及ぼしており、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。

当社グループの主要な事業領域である国内の住宅市場においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛からの反動、テレワーク普及による働き方・暮らし方の変化もあり、当連結会計年度の新設住宅着工戸数(※)の合計は425,403戸(前年同期比8.4%増)となりました。持家の着工戸数は281,279戸(前年同期比6.9%増)、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数は144,124戸(前年同期比11.4%増)といずれにおいても増加となっております。

当社グループの主要な事業である地盤解析サービス・地盤調査サービス・部分転圧工事サービスにおいては、事業規模拡大に向け営業体制の見直しを図り、人員増等の先行投資を第1四半期より実施しており、10月4日に中部エリアにおける事業拡大を目的に中部支社を開設いたしました。また、地盤沈下事故ゼロへの取り組みとして、解析品質の向上のための解析マニュアル及び地盤調査基準書並びに地盤改良工事基準書の改定を実施しました。

新たな事業の拡大と利益確保のため、個人のお客様向けに地盤解析技術及び業務品質の高さを証明する地盤品質証明書の発行と不同沈下の際の補償が行えるサービスの開発に取り組み、新サービス「The Future 10」を4月1日に開始できる準備を整えました。従来の個人のお客様向けサービスである「地盤カルテ®PLUS」及び「地盤セカンドオピニオン®ForYOU」は地盤の良し悪しを判断するための解析結果のみを提供するサービスでしたが、「The Future 10」では、解析結果だけではなく、地盤品質証明書と不同沈下事故が発生した際の補償についても提供できるようになり、より一歩、生活者の不利益解消に向けて前進いたします。

住宅関連サービスにおいては、安全な地盤が多い郊外への住み替えに対応し、中古住宅の仕入・リフォームを行い、個人のお客様に販売を行う「買取再販事業」を拡大しました。また、郊外で災害リスクを減らし安全安心な豊かな暮らしを実感していただくためのコンセプトハウスを地盤の良い埼玉県飯能市で建築を開始しました。コンセプトハウスは6月に完成し、このコンセプトハウスを活用し、各種地盤調査、耐震設計、設計図と完成時のギャップを解消するためのBIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VR等の当社グループの各サービスを総合的に提供する事で実現できる、地盤から考える安全安心な豊かな暮らしのための家づくりを当社グループの提携事業者と一緒に提唱してまいります。

 

(※)国土交通省「建築着工統計調査報告」より、当社グループの事業領域である、持家と分譲住宅(一戸建て)の戸数を合算して、新設住宅着工戸数としております。

 

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は1,760,339千円となり、前連結会計年度末に比べ43,050千円増加いたしました。流動資産は1,642,109千円となり、前連結会計年度末に比べ68,744千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が367,180千円増加、未成工事支出金が41,153千円増加、有価証券が256,120千円減少、未収入金が116,263千円減少したことによるものであります。固定資産は118,230千円となり、前連結会計年度末に比べ25,694千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが9,207千円増加、長期貸付金が34,051千円減少したことによるものであります。

 

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は520,106千円となり、前連結会計年度末に比べ80,908千円増加いたしました。流動負債は335,283千円となり、前連結会計年度末に比べ66,145千円増加いたしました。これは主に、工事未払金が11,789千円増加、未成工事受入金が85,938千円増加、未払金が37,376千円減少したことによるものであります。固定負債は184,822千円となり、前連結会計年度末に比べ14,763千円増加いたしました。これは主に損害補償引当金が14,822千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は1,240,233千円となり、前連結会計年度末に比べ37,858千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失46,639千円の計上、為替換算調整勘定が8,494千円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度における経営成績は、売上高2,216,980千円(前年同期比11.4%増)となりました。なお、当社グループは、地盤解析を主な事業とする単一セグメントで事業活動を営んでおります。サービス別の売上高は以下のとおりです。

 

サービス

  前連結会計年度
(自  2020年4月1日
 至  2021年3月31日)

 当連結会計年度
(自  2021年4月1日
 至  2022年3月31日)

前年同期比

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

増減額
(千円)

増減率(%)

地盤解析サービス

794,953

40.0

757,587

34.2

△37,365

△4.7

地盤調査サービス

491,261

24.7

549,716

24.8

58,454

11.9

部分転圧工事サービス

210,110

10.6

250,591

11.3

40,480

19.3

住宅関連サービス

274,487

13.8

355,276

16.0

80,788

29.4

その他サービス

218,981

10.9

303,808

13.7

84,827

38.7

合計

1,989,794

100.0

2,216,980

100.0

227,185

11.4

 

 

(地盤解析サービス・地盤調査サービス・部分転圧工事サービス)

新設住宅工事において初期に実施される地盤調査サービスは、新設住宅着工戸数の増加に伴う受注件数の増加により、売上高は549,716千円(前年同期比11.9%増)となりました。

部分転圧工事サービスは、新設住宅着工戸数の増加と工事施工体制の拡大により受注件数が増加し、売上高は250,591千円(前年同期比19.3%増)となりました。

一方で、地盤解析サービスにおいては、受注件数は前年同期比で1.0%増となりましたが、新設住宅着工戸数の増加ほど拡大せず、また、競合他社の影響による平均単価の下落により、売上高は757,587千円(前年同期比4.7%減)となりました。

 

(住宅関連サービス)

「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」の提唱による受注拡大のための取り組みを行いました。その影響に加え、当連結会計年度より開始した「買取再販事業」の売上を計上したことにより、売上高は355,276千円(前年同期比29.4%増)となりました。

 

(その他サービス)

BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供を含むBCPOサービスが、ウィズコロナ、アフターコロナにおける有効な営業ツールとして工務店・ビルダーの利用が進みました。さらに今までの戸建業者に加え、ディベロッパーの利用にも繋がり、商業施設や集合住宅の案件も増加しました。その結果、その他サービスに含まれるBCPOサービスの売上高は198,858千円(前年同期は112,666千円 76.5%増)となり、その他サービス全体の売上高は303,808千円(前年同期比38.7%増)となりました。前連結会計年度に引き続き、BIMサービスは当社グループの成長のための主要サービスと位置付け、ダナンBCPOセンターにおける投資を継続し、今後も拡大に取り組んでまいります。

 

販売費及び一般管理費が前年同期に比べ88,771千円増加し817,060千円となった結果、営業損失29,729千円(前年同期は営業利益87,888千円)となりました。

営業外損益では、受取利息1,146千円、有価証券売却益6,647千円を計上したこと等による営業外収益12,850千円、為替差損10,078千円を計上したこと等による営業外費用11,836千円により、経常損失28,715千円(前年同期は経常利益91,684千円)となりました。

親会社株主に帰属する当期純損失は、住宅関連サービスに係る減損損失1,716千円、法人税、住民税及び事業税18,233千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失46,639千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失33,943千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ367,180千円増加し、918,046千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は106,394千円(前年同期58,171千円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失30,604千円、減価償却費27,040千円、貸倒引当金の減少9,321千円、売上債権の増加30,560千円、棚卸資産の増加34,339千円、未払金の減少43,363千円、未払消費税の減少11,439千円、損害補償引当金の増加14,822千円、未収入金の減少112,913千円、前払費用の減少41,911千円、未成工事受入金の増加85,938千円、法人税等の支払8,350千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、獲得した資金は255,675千円(前年同期23,896千円の使用)となりました。これは主に有価証券の売却による収入263,162千円、貸付金の回収による収入33,612千円、無形固定資産の取得による支出20,173千円、敷金及び保証金の差入による支出9,928千円、有形固定資産の取得による支出9,146千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は18千円(前年同期161,352千円の獲得)となりました。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

当社グループは売上高伸び率と売上高営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として採用しております。

(重要な経営指標 推移)

回次

第10期

第11期

第12期

第13期

第14期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高伸び率(%)

△1.2

△8.2

△2.3

△17.0

11.4

売上高営業利益率(%)

3.0

1.5

1.6

4.4

△1.3

ROE(%)

4.6

1.2

△7.8

△2.6

△3.7

 

※ROEは以下の計算式により算出しております。

  ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 / 自己資本

 

売上高伸び率に関しては、2018年3月期から4期連続でマイナスとなっておりましたが、当連結会計年度において前年比11.4%とプラスに転じました。当連結会計年度においては営業体制強化のための先行投資を実施しており、その効果が表れてきております。

売上高営業利益率に関しては、先行投資での費用増加と原価の上昇により、マイナス1.3%となりました。原価の上昇については、新たな保険会社と損害保険契約を締結し、翌連結会計年度での原価低減とリスクの分散を図っております。

ROEに関しては、営業損失を計上したことに起因し、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したため、マイナス3.7%となりました。3期連続でのマイナスとなっておりますが、翌連結会計年度は6.5%と想定しております。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要は営業活動に伴う費用であり、この資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金を源泉としております。当社グループの持続的な成長と企業価値向上を目的とした投資資金需要が生じた場合は、内部資金に加え、金融機関からの借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施することとしております。なお、金融機関には十分な借入枠を有しております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲を回収可能性があると判断し計上しております。具体的には、将来の一時差異解消スケジュール、タックス・プランニング及び収益力に基づく課税所得の見積り等に基づいて判断しております。これらは主に事業計画を基礎として見積っておりますが、当事業計画に含まれる将来の収益及び費用は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報(新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積り)」に記載した一定の仮定に基づき予測しており、不確実性を伴っております。そのため、実際の経済環境や損益の状況が一定の仮定と大きく乖離した場合には、翌連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(損害補償引当金)

当社グループは、地盤解析サービスにおいて、地盤品質証明書を提供しており、地盤品質証明書を発行した住宅において、万が一、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、地盤修復工事費用及び住宅の損害等を補償します。また、当該補償に備え、保険会社と保険契約を締結しております。

損害補償引当金は、地震リスク分析に基づく期待損失や過去の実績等の客観的データ及び保険契約の内容に基づき合理的な見積額を計上しておりますが、地震リスクの変動や保険内容の見直し等により見積額が変動するため、不確実性を伴っており、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 保険契約

① 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と生産物賠償責任保険(PL保険)契約を締結し、地盤品質証明を行った建物が不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。

契約先

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構、対象業務の発注者

有効期間

建物の引渡しから10年間もしくは20年間

支払限度額

1事故:5,000万円 / 年間:10億円

免責金額

なし(縮小填補割合:なし)

 

 

② 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と生産物賠償責任保険追加特約を締結し、地盤品質証明を行った建物が地盤を起因とする液状化を含む地盤変動等により不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。

契約先

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構、対象業務の発注者

有効期間

建物の引渡しから10年間

支払限度額

1事故:500万円 / 年間:3億円

免責金額

なし(縮小填補割合:なし)

 

 

③ 当社の連結子会社であるJibannet Reinsurance Inc.は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と上記②の生産物賠償責任保険追加特約について再保険契約を締結し、当該追加特約に基づいてあいおいニッセイ同和損害保険株式会社が負担した保険金に応じた再保険を引き受けております。

契約先

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

保険者

Jibannet Reinsurance Inc.

有効期間

2021年2月28日から2022年2月28日まで

支払限度額

3億円

 

(注)2022年2月28日の契約期間満了をもって、契約を終了しております。

 

④ 当社の連結子会社であるJibannet Reinsurance Inc.は、上記③の再保険契約について、Peak Reinsurance Co.,Ltd.及びTaiping Reinsurance Co.,Ltd.と再保険契約を締結しております。

契約先

Peak Reinsurance Co.,Ltd.及びTaiping Reinsurance Co.,Ltd.

被保険者

Jibannet Reinsurance Inc.

有効期間

2020年12月15日から2021年12月14日まで

支払限度額

3億円

免責金額

1,000万円

 

(注)2021年12月14日の契約期間満了をもって、契約を終了しております。

 

 

⑤ 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、AIG損害保険株式会社と業務過誤賠償責任保険契約を締結し、地盤調査・解析、建築設計の瑕疵に起因する賠償金の支払いに備えております。

契約先

AIG損害保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社

有効期間

2022年4月1日から2023年4月1日まで

支払限度額

1事故:2億円 / 年間:2億円

免責金額

300万円(縮小填補割合:なし)

 

 

(2) 地盤品質証明書発行に関する覚書

当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構を当社と連名での地盤品質証明書の発行主体とし、保険契約上の連名被保険者とする覚書を締結し、事故対応等の総合的なリスクマネジメント体制を構築しております。

契約先

一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構

契約締結日

2012年6月15日

契約内容

①当社グループと一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構は地盤品質証明書を連名で発行する。

②当社グループと一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構は、当社が加入する生産物賠償責任保険(PL保険)において連名で被保険者となる。

③当社グループが何らかの理由により損害賠償義務の履行ができなくなった場合、生産物賠償責任保険(PL保険)の契約者を一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構に変更し、地盤品質証明書の発行先に対する損害賠償金の支払いを含む諸手続を行う。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。