第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします。」という経営理念の下、専門的な知識を持たない生活者が、専門的な知識・経験を持つ供給者から一方的に情報を提供されている不利益を解消するため、私たちはこの情報格差を埋める役割を担う住生活エージェントとして、高度な知見をもとに公正な立場で商品やサービスを今後も開発・提供してまいります。

これを実現するためには、株主はもとより、お客様、お取引先、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築き、企業倫理とコンプライアンス遵守を徹底するとともに、企業活動を律する枠組みであるコーポレート・ガバナンスを一層強化し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、企業価値を高めるために、成長性・収益性の指標として、売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しております。また、経営指標としてROE(自己資本利益率)を採用し、株主資本コストを意識した経営により企業価値の向上に努めてまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

2008年の創業以来、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします。」という経営理念の下、地盤改良工事を行わない地盤解析専門会社として、地盤セカンドオピニオン®から事業をスタートし、住宅事業者へ地盤調査・地盤解析サービスの提供を行ってまいりました。また、地盤情報を見える化した、地盤安心マップ®、地盤カルテ®の提供や新築住宅の設計施工及びリフォーム施工といった個人のお客様へのサービスも展開してまいりました。

創業から2015年頃までは、売上・利益も順調に伸びておりましたが、その後は競合他社の影響による平均販売単価の下落により売上・利益が減少し事業が低迷しておりました。

今後、国内住宅市場は、少子高齢化により緩やかに縮小していくことが予想されます。当社の継続的な事業発展のためには、高付加価値のサービスの提供と新たな事業の展開、これらを遂行するための組織体制の強化が必要であると考え、2020年よりこれらの課題に取り組み、今後の成長のための新たな事業としてのBIMサービスの提供開始と組織体制の基礎を整えることができました。今後は、BIMサービス事業の拡大のための取り組みと組織体制の更なる強化が課題であると認識しております。

 

従来、戸建住宅事業者との取引は、仕入・建築部署を窓口とした地盤関連サービスのみでありましたが、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供開始により、新たに設計・販売部署との取引が生まれたことで一社あたりの取引量が拡大するとともに、戸建住宅事業者だけではなく、ゼネコン、設計事務所、不動産ディベロッパー等、これまでは取引ができなかった事業者との取引も始まっております。

当社グループがマーケットとしていた戸建住宅領域から、マーケットを再定義し、新たな領域における取引先の拡大が課題と認識しております。

 

新築住宅建築において、地盤調査は法的に義務付けられているため、戸建住宅事業者は必要性を認識しておりますが、個人のお客様(施主様)には、地盤調査の価値や必要性をまだ十分に認識していただけているとは言えません。

当社グループが個人のお客様向けに提供している「地盤カルテ®PLUS」及び「地盤セカンドオピニオン®ForYOU」は、地盤の良し悪しを判断するための解析結果のみを提供するサービスであったため、解析結果に対して当社グループがどう関わっていくかが課題でしたが、当社グループの経営理念に賛同し、当社グループの地盤解析技術及び業務品質の高さを認識頂いているお取引先・協力会社へ個人のお客様を紹介することで、安全安心な家づくりにおいて家の完成まで関わる仕組みを構築いたしました。これにより、新たな事業として、お取引先・協力会社より紹介手数料を頂く紹介ビジネスを開始しております。また、個人のお客様に地盤調査の価値や必要性を認識して頂くための普及活動が課題であると認識し、広報部門の強化を行い、普及活動にも取り組んでまいります。

 

 

BIMによる建築・設計業務は、設計から竣工後のファシリティマネジメントまで可能ですが、現在、当社グループが提供しているBIMサービスは、3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRを活用したプレゼンテーションの分野が中心でBIMによる意匠設計、構造設計は少数となっております。当社グループの事業拡大のためには、戸建住宅市場にとどまらず、意匠設計、構造設計といったレベルの高いBIMサービスの提供で、ビル・商業施設等の大型物件の非住宅建築の市場へ拡大していくことが必要であり、それらを実現するためには、BIMに関する研究開発の継続、日本およびベトナム・ダナンBCPOセンターにおけるオペレーターの確保と技術力の向上が課題と認識しております。

 

従来の地盤調査・解析では予見困難な自然災害が近年多発しており、各種災害へのリスク対応が課題と認識しております。見えない地盤の中をどう見える化するか、自然災害リスクをどう解析に反映させるか、地盤情報を見える化した地盤安心マップ®PROと気象・自然災害データの取り込みのための研究開発、解析技術・品質向上のためのマニュアルのアップデートを行ってまいります。

 

地盤関連業界を含む建築業界は、他の業界と比較してIT化が進んでいないのが現状ですが、当社グループは2015年に当社グループとお取引先・協力会社がWEB上で相互に利用でき、物件の工程進捗を個別に管理できるシステムを構築いたしました。このシステムは多くのお取引先・協力会社に利用いただいております。また、地盤に関する膨大なデータも蓄積されております。今後は最新のテクノロジーを取り入れ、いつでも・どこでも・誰でも情報にアクセスできるシステム開発による、収益化を目指したシステム利用とデータ活用への取り組みが課題と認識しております。

 

当社グループの持続的な事業発展と企業価値向上には上記課題へ取り組みが必要ですが、経営体制・組織体制において、現状、基礎を整えた状態であり、この体制を安定運用するためのガバナンス強化が必要であると認識しております。ガバナンス強化と同時に、従業員の能力や知識を高め人材価値を最大限に引き出すことで企業の価値向上を目指す「人的資本経営」に取り組む事も必要であると認識しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループにおけるサステナビリティの取り組みは、当社グループの経営理念である「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします。」この経営理念の実践そのものです。

当社グループは住生活エージェントとして高い専門性と経営資本を生かし、専門的な知識を持たない生活者が安全安心で豊かに暮すために必要な「地盤調査と解析による地盤データの蓄積と提供」、建物の企画から竣工、その後のファシリティマネジメントまで、建物のライフサイクルにあわせて一元管理可能な「BIM設計サービスの提供」、すべての従業員が能力を最大限発揮できる「人的資本経営」、そしてこれらを実現する「経営基盤の強化」をテーマとして、重要課題に取り組み、住みよい豊かな社会の持続的な発展に貢献することで、当社グループの持続的成長と企業価値向上の実現を目指しています。

過剰な地盤改良の施工を防止し、不適切な地盤改良工事を適切なものに修正施工することで、過剰な工事が土壌に与える負荷や資材の浪費、施主の金銭負担を軽減し、また不適切な設計を修正施工することで地盤事故の発生を防止し、人、環境、資源の損失を防ぎます。

社業をもって人間社会に貢献し、社会的信頼により収益の基盤を強固にし、持続的に発展可能な事業体質を堅持し、もって生活者である人と、人がいる空間の環境を守り続けることが当社のサステナビリティの基本です。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ関連のリスクおよび機会に対するガバナンス体制

サステナビリティ目標の客観的な評価と戦略的な展開の検討が求められるなか、当社といたしましては、取締役会において当該テーマを付議事項とし、様々な知見のある社外役員とも議論を深め、その結果を議事録に記録しています。

 

(2)戦略

① 事業

当社グループの持つ専門性に特化したセールスエンジニアの育成をすすめ、より高品質かつ的確なサービスを提供し、顧客満足度を向上させます。また、蓄積された豊富な地盤データを、より適切に管理・活用するシステムの構築やデータ分析技術の導入などを進め、地盤情報の精度向上とともに、わかりやすい地盤情報を生活者に届けます。

事業の拡大については、既存顧客の戸建住宅事業者に加え、BIMサービスを新たな顧客層にアプローチすることで、戸建市場以外への拡大を図ります。地盤・BIMの両分野においても、新しいサービス・関連業務を統合し、総合的なサービスを提供することで、同業他社との差別化を図ります。

当社グループは、経営効率の向上、経営リスクの低減、財務基盤の強化などに取り組み、安定的な事業展開を維持することで、サステナビリティの取り組みを持続的に実現します。

 

② 人的資本

当社グループの事業(ビジネス)は、高い専門性と膨大なデータ活用が軸であり、その軸を作り上げる人的資本が当社グループの事業(ビジネス)価値創造の源泉であると考えております。また、当社グループで働く全ての従業員が『豊かな人生』を送ることが当社グループの経営理念実現には欠かすことができないとも考えております。これらのことから、人的資本が技術力・財務力・社会的信頼性に繋がり当社グループの価値を創造し、増大させていくものと考えておりますので人的資本を最重要視して投資を行うことで持続的に人的資本とその他の当社グループの資本の強固な基盤を作ることを目指し戦略を設計しております。

サステナビリティの実践に向けた人的資本を最重要視した具体的な取り組みとして「成長の実感」「挑戦できる組織づくり」「多様化の推進」「働き方改革」を実践し、変化の激しい時代に対応する柔軟かつ強靭な人材と組織構築を実現します。

また、人づくり、組織づくりには社員が互いに尊重しあいながら成長することが、強い原動力となることから心理的安全性がある挑戦できる組織・風土をつくり、社員が自らの仕事に誇りを持って生き生きと働き、社会に新たな価値を提供する企業を目指します。

 

 

(3)リスク管理

当社のサステナビリティ方針は当社基幹業務の事業活動と一体であり、事業リスクとして取締役会の場で議論し、経営計画として決議し、営業実績として予実管理及び報告が行われております。

今後、サステナビリティの観点による基準を設け、顕在化したリスク、潜在的なリスクを評価し、取締役会に報告する体制の整備を目標といたします。

 

(4)指標及び目標

① 事業

2024年3月期の事業目標

売上高 21.5億円 営業利益 1.3億円

 

② 人的資本

「成長の実感」

専門性に特化したセールスエンジニア育成のための専門知識習得を実施し、理解浸透の促進と各自の活躍の源泉とします。また、リーダーシップを発揮し事業変革を生み出すことができる管理職を育成します。

 

「挑戦できる組織づくり」

社員のエンゲージメント調査項目の「当社グループでの働きがい」を60ポイント目標とし、心理的安全性が高く働きがいを持ち挑戦し続けることができる組織・風土をつくります。

 

「多様化の推進」

性別に関わらず活躍できる組織・風土の醸成実現のため、女性の管理職比率を現在の31%から2026年3月期までに35%へ進めることを目標とします。
 男性社員の育児休業取得を2026年3月期までに100%とすることを目標とします。

 

「働き方改革」

働きがいと同じくして、個人の事情や制約があっても働きやすい環境づくりと、健康的で豊かな人生を送るため有給休暇取得率を2026年3月期までに70%とすることを目標とします。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業に関するリスク

① 特定事業への依存によるリスク

当社グループは地盤事業を核として事業を展開しております。今後は新たな柱となる事業を育成し、収益力の分散を図ることも検討しておりますが、事業環境の激変、競争の激化、新規参入企業による類似するサービスの出現等により、地盤事業が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合によるリスク

少子高齢化による国内の住宅市場における新設住宅着工戸数の減少により、地盤関連の市場規模の縮小が予想されます。その中で当社グループは、新たなサービスを提供し競合他社との差別化を行い、シェア拡大を図っておりますが、類似するサービスの出現等により、当社グループの提供するサービスの優位性が保てなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報管理によるリスク

当社グループはサービス提供にあたり、顧客、施主等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 地盤解析サービスの瑕疵によるリスク

当社グループは、地盤調査データから、国土交通省令をはじめとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づき、地盤解析を実施し、適正な住宅基礎仕様を判定しております。しかしながら、確認した地盤調査データについて、現在の調査技術においても予見できない原因や過失による地盤解析ミス等により不同沈下等が多数発生した場合には、当社グループの信用失墜や保険料率高騰等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 損害保険会社との契約について

当社グループが地盤品質証明書を発行した住宅において、万が一、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、当該住宅の引渡日から10年間もしくは20年間、地盤修復工事費用及び住宅の損害等を当社グループが工務店等に対し賠償します。当社グループは損害賠償金の支払いに備え大手保険会社との間で損害保険契約を締結しております。しかし、将来においても同等の条件での保険加入が継続できるか、あるいは賠償請求を受けた場合に十分に地盤補修費用が補填されるかについては保証できません。

今後は事業の拡大に伴い契約社数を拡大する等、リスクの分散をしていきたいと考えておりますが、当社グループ及び損害保険会社を取り巻く環境の変化等により当該保険契約の継続が困難となった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 補償リスクの自家保有

当社グループは、地震を起因として発生した地盤変動による不同沈下等による地盤事故が発生した場合、引渡日より10年間、最大500万円の地盤修復工事費用等を補填する追加特約を付した地盤品質証明書を発行しており、これに関わる損害保険契約を運用しておりましたが、2022年3月期連結会計年度において関連する保険契約を更新せず、期間満了で終了し、同スキームのために設立したJibannet Reinsurance Inc.は2023年2月に清算結了しております。

なお、外部専門家から入手している地震リスク分析に基づく期待損失を損害補償引当金として計上しておりますが、地震リスクの変動があった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 債権の未回収リスク

当社グループの売上債権の総資産に占める割合は当連結会計年度末で17.9%となっております。取引先の資金繰り状況等により売掛債権の延滞が発生し貸倒引当金の積み増しを行うこととなった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 不動産市況等の影響について

当社グループの事業は、個人の所有する不動産に関連する事業であることから、不動産市況、住宅関連税制、住宅ローン金利水準等による購買者の需要動向並びに建築資材等の原材料の価格動向等に影響を受けております。

 

(2) 事業環境等に関するリスク

① 事業環境に関するリスク

当社グループが提供するサービスは、地盤業界(広くは住宅業界)に属しておりますが、我が国の人口・世帯数は減少局面に入っており、今後も新設住宅着工戸数は緩やかに減少していくものと考えられます。そのため、国内の新設住宅着工戸数の減少による競争激化や地盤関連市場の縮小は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 地盤解析業務に係わる法的規制

地盤解析業務というサービスは法的に規定されたものではなく、将来、何かしらの理由により、地盤解析業務というサービス自体に法的な規制が設けられた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 戸建住宅等の地盤解析基準(地耐力に応じた基礎仕様)が明確なものとなった場合のリスク

当社グループの地盤解析基準は、国土交通省令を始めとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づいておりますが、将来、何かしらの理由により、戸建住宅等の地盤解析基準が明確なものとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)に関するリスク

当社グループは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づいて、地盤解析サービスを行っておりますが、将来、何かしらの理由により、法律の条文や解釈の変更があり、当社グループの地盤品質証明の意義が薄れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ JIBANGOO事業に係わる法的規制

特定建設業者として建設業法第3条第1項に基づく東京都知事の許可(許可番号 東京都知事許可(特-30)第149067号)を受け建築工事業、屋根工事業、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業、鋼構築物工事業を行うと共に、建築士法第23条第1項に基づく東京都知事の登録(地盤ネット株式会社一級建築士事務所 登録番号 東京都知事登録 第62658号)を受けて一級建築士事務所の運営をしております。また、宅地建物取引業法に基づく国土交通省からの宅地建物取引業免許(東京都知事(1)第102861号)を受けております。

 

⑥ 許認可等の期限について

a.特定建設業許可の有効期限は、2018年7月20日から2023年7月19日までとなっております。

b.一級建築士事務所登録の有効期限は、2018年9月1日から2023年8月31日までとなっております。

c.宅地建物取引業免許の有効期限は、2018年12月22日から2023年12月21日までとなっております。

 

 

⑦ 許認可等の取消事由について

a.特定建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。

b.一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。

c.宅地建物取引業免許の取消事由は、宅地建物取引業法第66条に定められております。

 

⑧ 許認可等に係る事業活動への影響について

JIBANGOO事業継続には前述のとおり、特定建設業許可・一級建築士事務所登録・宅地建物取引業免許が必要でありますが、現時点において、当社グループはこれらの許認可等の取消又は更新欠落の事由に該当する事実はないものと認識しております。しかしながら、将来、何かしらの理由により許認可等の取消等があった場合には、JIBANGOO事業の活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑨ 為替リスク

当社グループは、在外連結子会社の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しております。このため、当該現地通貨の為替変動があった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

少人数での組織運営上のリスク

当社グループは、少人数の組織体制を志向しております。事業の拡大と合わせ、今後、積極的に優秀な人材、特に経験豊富な営業人材及び地盤解析能力の高い人材を確保していき、組織体制をより安定させることに努めてまいりますが、計画通りに人材の確保が出来ない場合や、事業の中核をなす従業員に不測の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向けた動きが見られたものの、世界的な資源・原材料価格の高騰による物価上昇や不安定な為替相場など、依然として先行き不透明な状況となっております。

当社グループの主要な事業領域である国内の住宅市場においては、新設住宅着工戸数(※)の合計は392,453戸(前年同期比7.7%減)となりました。持家の着工戸数は248,132戸(前年同期比11.8%減)、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数は144,321戸(前年同期比0.1%増)となっております。

これらの環境において、当社グループは、前連結会計年度より、従来の戸建住宅事業者を中心とした事業展開から事業領域を拡大すべく、戸建以外・非住宅事業者へBIMサービスの提供を始めておりましたが、この流れを加速させるため組織変更を行い、専門部署を設置しました。さらに、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRだけでなく、BIMモデリング業務の提供も開始しました。12月には株式会社GLD-LAB.(株式会社タカショー100%子会社)とBIMで制作した3DパースやVR動画を外構デザインや庭空間デザインと融合させる事を目的に、BIM及びXR分野における包括的業務提携を締結しました。

BIMの生産拠点であるJIBANNET ASIA CO., LTD.においては、生産性と品質の向上、技術力向上のための組織体制の変更と強化、オペレーターの増員のための拠点拡大を実施しました。

 

(※)国土交通省「建築着工統計調査報告」より、当社グループの事業領域である持家、分譲住宅(一戸建て)の戸数を合算して、新設住宅着工戸数としております。

 

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末の資産合計は1,829,639千円となり、前連結会計年度末に比べ69,300千円増加いたしました。流動資産は1,695,401千円となり、前連結会計年度末に比べ53,292千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が153,835千円増加、未収入金が98,570千円増加、販売用不動産が68,197千円減少、未成工事支出金が31,022千円減少、前払費用が108,488千円減少したことによるものであります。固定資産は134,238千円となり、前連結会計年度末に比べ16,007千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が11,320千円増加、繰延税金資産が23,333千円増加、ソフトウエアが5,050千円減少、投資有価証券が3,029千円減少、投資その他の資産のその他に含まれる長期前払費用が8,449千円減少したことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は507,701千円となり、前連結会計年度末に比べ12,404千円減少いたしました。流動負債は296,683千円となり、前連結会計年度末に比べ38,599千円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が7,638千円増加、未払金が8,648千円増加、未払法人税等が23,619千円増加、未成工事受入金が89,036千円減少したことによるものであります。固定負債は211,018千円となり、前連結会計年度末に比べ26,195千円増加いたしました。これは主に、損害補償引当金が30,361千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は1,321,937千円となり、前連結会計年度末に比べ81,704千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益73,284千円の計上、為替換算調整勘定が8,420千円増加したことによるものであります。

 

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は2,308,364千円(前年同期比4.1%増)、営業利益は108,577千円(前年同期は営業損失29,729千円)、経常利益は101,972千円(前年同期は経常損失28,715千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は73,284千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失46,639千円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

なお、当連結会計年度より、従来の「地盤関連事業」の単一セグメントから「地盤事業」、「BIM Solution事業」、「JIBANGOO事業」の3区分のセグメントに変更しており、前年同期比については、変更後の区分に組み替えた数値で算出しております。

 

報告セグメントと各サービスの関係

報告セグメント

サービス

地盤事業

地盤解析サービス

地盤調査サービス

部分転圧工事サービス

その他サービス ※

BIM Solution事業

BIM/BCPOサービス ※

JIBANGOO事業

住宅関連サービス

 

※前連結会計年度まで「BIM/BCPOサービス」は「その他サービス」に含めておりました。

 

<地盤事業>

地盤事業においては、BIM Solution事業との相乗効果により既存顧客との関係強化、新規取引先の開拓を行いました。住宅市場が前年同期比で減少しておりますが、売上高は前年同期比で増加しております。また、保険契約条件の見直しによる原価低減により利益は前年同期比で増加しております。

この結果、売上高は1,729,960千円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益225,885千円(前年同期比94.2%増)となりました。

 

<BIM Solution事業>

BIM Solution事業においては、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRを既存の戸建事業者に加え、戸建以外・非住宅事業者への拡販を行いました。また、建設業界のBIM導入支援を本格化するため、BIM導入を検討する企業の案件に対応する体制整備をし、BIMモデリング業務の請負を開始しております。

この結果、売上高は271,771千円(前年同期比36.7%増)、セグメント利益68,004千円(前年同期比38.5%増)となりました。

 

<JIBANGOO事業>

JIBANGOO事業においては、地盤の良い埼玉県飯能市で建築していた郊外で災害リスクを減らし安全安心な豊かな暮らしを実感していただくためのコンセプトを実現した住宅の引渡が完了しました。この事例を活用し、完成見学会の実施や、各種地盤調査、耐震設計、設計図と完成時のギャップを解消するためのBIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VR等の当社グループの各サービスを総合的に提供する事で実現できる、地盤から考える安全安心な豊かな暮らしのための家づくりを当社グループの提携事業者と一緒に提唱してまいりました。

この結果、売上高は334,650千円(前年同期比5.8%減)、セグメント損失36,762千円(前年同期はセグメント損失48,433千円)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ153,835千円増加し、1,071,881千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は146,597千円(前年同期106,394千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益98,817千円、減価償却費23,157千円、棚卸資産の減少101,280千円、前払費用の減少112,498千円、未収入金の増加97,936千円、未成工事受入金の減少89,036千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、獲得した資金は1,367千円(前年同期255,675千円の獲得)となりました。これは主に貸付金の回収による収入34,293千円、有形固定資産の取得による支出9,564千円、無形固定資産の取得による支出18,794千円、貸付による支出5,781千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は24千円(前年同期18千円の使用)となりました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

当社グループは売上高伸び率と売上高営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として採用しております。

(重要な経営指標 推移)

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高伸び率(%)

△8.2

△2.3

△17.0

11.4

4.1

売上高営業利益率(%)

1.5

1.6

4.4

△1.3

4.7

ROE(%)

1.2

△7.8

△2.6

△3.7

5.7

 

※ROEは以下の計算式により算出しております。

  ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 / 自己資本

 

売上高伸び率に関しては、新設住宅着工戸数が前年同期比7.7%減となる中で、前連結会計年度から取組んでいる営業体制強化の効果が表れており、4.1%となりました。特に、BIM Solution事業では、前年同期比36.7%となり、全体の伸び率に寄与しました。

売上高営業利益率に関しては、販売費及び一般管理費は前年と同程度でしたが、地盤事業での保険契約条件の見直しによる原価低減により収益性を改善することが出来ました。

ROEに関しては、過年度法人税等を12,390千円計上したことから、当初予想6.5%に対しては0.8ポイント減の5.7%となりましたが、各種取組みの成果が表れ、プラスに転じることが出来ました。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要は営業活動に伴う費用であり、この資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金を源泉としております。当社グループの持続的な成長と企業価値向上を目的とした投資資金需要が生じた場合は、内部資金に加え、金融機関からの借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施することとしております。なお、金融機関には十分な借入枠を有しております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲を回収可能性があると判断し計上しております。具体的には、将来の一時差異解消スケジュール、タックス・プランニング及び収益力に基づく課税所得の見積り等に基づいて判断しております。これらは主に事業計画を基礎として見積っておりますが、当事業計画の主要な仮定は、売上予測であります。売上予測は、新設住宅着工戸数やその他不動産市況、受注見込に基づき予測しており、不確実性を伴っております。そのため、実際の経済環境が一定の仮定と大きく乖離した場合には、翌連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(損害補償引当金)

当社グループは、地盤解析サービスにおいて、地盤品質証明書を提供しており、地盤品質証明書を発行した住宅において、万が一、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、地盤修復工事費用及び住宅の損害等を補償します。また、当該補償に備え、保険会社と保険契約を締結しております。

損害補償引当金は、地震リスク分析に基づく期待損失や過去の実績等の客観的データ及び保険契約の内容に基づき合理的な見積額を計上しておりますが、地震リスクの変動や保険内容の見直し等により見積額が変動するため、不確実性を伴っており、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 保険契約

① 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と生産物賠償責任保険(PL保険)契約を締結し、地盤品質証明を行った建物が不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。

契約先

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構、対象業務の発注者

有効期間

建物の引渡しから10年間もしくは20年間

支払限度額

1事故:5,000万円 / 年間:10億円

免責金額

なし(縮小填補割合:なし)

 

 

② 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、AIG損害保険株式会社と業務過誤賠償責任保険契約を締結し、地盤調査・解析、建築設計の瑕疵に起因する賠償金の支払いに備えております。

契約先

AIG損害保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社

有効期間

2022年4月1日から2023年4月1日まで

支払限度額

1事故:2億円 / 年間:2億円

免責金額

300万円(縮小填補割合:なし)

 

(注)2023年4月1日の契約期間満了をもって、契約を終了しております。

 

③ 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、共栄火災海上保険株式会社と生産物賠償責任保険(PL保険)契約を締結し、地盤品質証明を行った建物が不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。

契約先

共栄火災海上保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社

有効期間

2023年4月1日から2024年4月1日まで

支払限度額

1事故:5,000万円 / 年間:10億円

免責金額

300万円(縮小填補割合:なし)

 

 

④ 当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、共栄火災海上保険株式会社と生産物賠償責任保険(PL保険)契約を締結し、地盤品質証明を行った建物が不同沈下した場合の賠償金の支払いに備えております。

契約先

共栄火災海上保険株式会社

被保険者

地盤ネット株式会社

有効期間

建物の引渡しから20年間

支払限度額

1事故:5,000万円 / 年間:10億円

免責金額

300万円(縮小填補割合:なし)

 

 

 

(2) 地盤品質証明書発行に関する覚書

当社の連結子会社である地盤ネット株式会社は、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構を当社と連名での地盤品質証明書の発行主体とし、保険契約上の連名被保険者とする覚書を締結し、事故対応等の総合的なリスクマネジメント体制を構築しております。

契約先

一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構

契約締結日

2012年6月15日

契約内容

①当社グループと一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構は地盤品質証明書を連名で発行する。

②当社グループと一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構は、当社が加入する生産物賠償責任保険(PL保険)において連名で被保険者となる。

③当社グループが何らかの理由により損害賠償義務の履行ができなくなった場合、生産物賠償責任保険(PL保険)の契約者を一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構に変更し、地盤品質証明書の発行先に対する損害賠償金の支払いを含む諸手続を行う。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。